食欲魔人日記 06年9月 第1週
9月1日 金曜日
これが「ドーサ」ですよー。
納豆
御飯
豚汁
麦茶

なんというか、漢気に溢れた感のある朝御飯。「納豆・御飯・豚汁・麦茶」。この文字を使って四文字熟語を作りましょう、とか言いたくなるような字面のものが今日の朝御飯だった。納豆嫌いのだんなは、今日はずいぶん早くに出勤する必要があったとのことで朝御飯は私と息子2人で、ここぞとばかりに納豆飯。ねばねばねばねば。

「ぼくたち納豆好きだもんね」
「ねー」
「でもぼくね、納豆のねばねばはあんまり好きくない……」
「えー、いいじゃんねばねば。ねばねばあってこその納豆じゃん」
「ねばりすぎは良くないと思う」
「粘りすぎるくらいでちょうど良いと思うけどなー……」

親子してねばねばねばとそんな会話しながら納豆飯と2日目の豚汁。なかなか幸せな朝御飯だった。

上野 「SHAANTHY」にて
 マサラドーサ
 Bランチセット
 ラッシー・チャイ
などなど2人で分けっこ、1人1200円くらい。

そして今日の私は一人上野にお出かけ。友人Tさんとインド料理を食べに行く約束をしていたのだけれど、見計らったように10時頃から雨がしとしと降り始める。お店で顔を見合わせて
「やっぱり降りましたね」
「ええ、もう見事に降りましたね」
と苦笑いの私たち。何がどうしてこうなるのか、Tさんと合うときは何かと雨になる。

Tさんが連れて行ってくれたお店は「南・北インド スリランカ料理」のお店だというSHAANTHY(シャンティ)。野菜たっぷりの南インド料理が主なようだけれどカレーは北インド風なのであるらしい。ランチは800円くらいから、日替わりのカレーとナン、サフランライス、サラダなどがセットになっている。メニューには載っていないけれど「ドーサ」という薄焼きクレープ状のものも食べられますよということで、これを1皿と、日替わりのBランチを1皿取って半分こしていただいた。チャイやラッシーなどの飲み物は1杯たったの100円だ。しかも「オーナーのポリシーにより酒オール原価サービス」ということで、生ビールはたったの200円なのであるらしい。素晴らしい、素晴らしいお店だ。もうこの1点でぐっと心を捕らえられている私。

で、写真が「マサラ ドーサ」。2年前にシンガポールに旅行したとき、まさにそんな感じのものを食べてきたのだけれど、そうするとシンガポールのメニューにあった「Dosai」はまさにこの「ドーサ」なわけだったのだなと懐かしく思い出す。あの店のその料理はなんともワイルドな、あっちのソースとこっちのペーストが皿の上で半分混ざったようになって出てきた感じのあるものだったのだけれど、このお店はとっても上品。シェフはインドの五つ星ホテルに勤めていた方なのだそうで、全体的に洗練された上品な味の料理だった。ギーを薄く塗ったナンも、ふかふかでとても上品な味。

ドーサに添えられているのは中央が野菜スープ「サンバル」、そして右のガラスの器が「トマトのチャトニ」(チャトニ=チャツネという理解でおおむね良い、らしい)、左の白っぽいペーストが「ココナッツのチャトニ」。酸っぱいようで甘いようで、スパイシーなようで優しい味、という、形容しがたい複雑な風味で、でも美味しい。特に「ココナッツのチャトニ」はココナッツ好きにはたまらない甘酸っぱい風味でじわっと辛く、表面がパリッとしたきつね色のドーサに良く似合う。

そして「Bランチ」は日替わりのカレー(今日はマトンとほうれん草のカレー)と小盛りのサフランライスとたっぷりサイズのナン、タンドーリチキン、サラダ、スープがセットになっている。スープは野菜がベースになった「ラッサム・スープ」。トマト色をしたスープの表面には薄黄色い脂がうっすら浮かんでいて、見た目はトム・ヤム・クンにちょっと似ている。で、味も甘酸っぱくトム・ヤム・クンのよう。酸味の由来はタマリンドなのだそうで、細かく刻まれた葉野菜なども入っていた。ほうれん草入りのカレーは綺麗な緑色。大ぶりの羊肉がごろごろと5〜6かけほども入っていたけれど、柔らかでさして癖もない、これまた上品な味のものだった。

清潔感のある明るい店内に、愛想の良いインド人のスタッフたち、厨房のおっちゃんらも明るくてこちらに何度も笑顔をふりまきつつ、本当はスープがついていなかったドーサにスープをおまけしてくれた。食後に温かいチャイを飲みつつ、今度はぜひぜひ夜に来てみようと思った次第。インド料理はあまり食べ歩いた事もないし、料理名もその意味も知らないものばかり。帰りがけにいただいてきたチラシには

マサラパパド(インド風せんべいにスパイシー野菜をトッピング)
ゴダンバ野菜ロティ
ハンバーグナン(ナンの中にキーマが入っている)
ホッパー(米粉とココナッツミルクを合わせ焼いたパン)
サンバールワダ(豆の粉の揚げドーナツを特製ソースと一緒に)
ウータアッパン(インド風お好み焼き)

などという楽しい品名が並んでいてうきうきしちゃうのだった。夜に来てこのへん色々食べてみたい。

枝豆
水菜のサラダ 温泉卵乗せ
まぐろの刺身
いくら
ほたるいかの沖漬け
豚汁
羽釜御飯
ビール(エビス)
日本酒(神亀活性にごり)

楽しいランチの後は、Tさんとアメ横を探索してきた。足を踏み入れた事がないというアメ横センタービル地下の異国情緒溢れる食料品売り場にお連れするのが私の目的だったはずなのだけれど、道中
「安いよっ安くするよっ、雨だから今日はほんっと売れないんだよー」
などと客引きされて、ついつい私がお買い物。

でもマグロの大トロの大きなサク2つ(一応値札は5000円)と鰻の蒲焼き2本を合わせて2000円、1箱1500円の値札がついていた4腹分のタラコが2箱とイクラ1パックで合わせて2000円は、それなりにお得だったような気がする。タラコは冷凍できるからねっと念押しされて、そして結局大荷物で帰宅することになった。中国産ではあったけれど、すごく巨大な松茸が2本入って1000円だったり、色々と今日も興味深かったアメ横の食料品。うず高く積まれた豚足にもたいそうそそられた。

……で、本当のところ、私はジンギスカンに萌えに萌えていた今日この頃だったのだけれど、買ってきたマグロを食べてしまうのがよろしかろうということで、今日の夕御飯はマグロのお刺身といくらを中心にあれこれ適当に。魚介だし日本酒も良いかもねと活性にごり酒を開けてちびちび飲みつつ、ちょっと筋っぽいところはあるものの、おおむねとろけるように美味しいトロを堪能した。息子はいくらをこんもり御飯の上に乗せて満足気。

9月2日 土曜日
ぬぅ、これが噂の骨付鳥。
鶴見 「翠華樓」にて
 大根餅 \450
 蝦餃 \550
 蟹チャーハン \800
 五目つゆそば \700
 酢豚定食 \1000
 マンゴープリン 2×\500
を、皆で分け合ってもぐもぐ。

あと1時間くらいしたら出発する時間なんだけどなー……と、だんなと息子が起きてくるのを待っていた今朝。私は仕事があったのでちょっと早く起きてパソコンに向かいつつ、彼らの目覚めを待っていた。息子が起きてきて、続いてだんなも起きてきて、そして急ぎ身支度して出発。今日の目的地は久しぶりの横浜だ。

結局朝昼兼用の食事になってしまった今日の1食目は、鶴見にある中華料理店「翠華樓」(すいかろう)。このお店のマンゴプリンがものっすごく美味しくて、足繁く通っていたのはもう何年も前のことになる。アラカルト料理も、点心ひとつひとつもいちいち美味しくてすっかり虜になっていたのだけれど、一時、マンゴプリンのみならず料理の味がものすごく落ちていた時期があった。その後、それでも何度か食べるうちに「どうやらこの店の味はその時々でけっこう落差が激しいらしい」という事実に思い至ることになったのだけれど、それでも、いつふらっと訪れても入店することができて(満席ということは、まずない)、お手軽価格で、そしてやっぱり美味しい時はすっごく美味しくて……ということで、相変わらず私たちの好きなお店のひとつだ。目的地は横浜スタジアムだったので中華街でのランチも考えたのだけれど、「週末だし、きっとすごい人だよねぇ……」と鶴見で途中下車することにしたのだった。

ランチタイムは全体的にいつにも増してお手頃価格。蟹チャーハンは点心2つ(蝦餃と焼売)コーンスープとザーサイがついて800円。私の注文した酢豚定食は、点心と御飯とコーンスープとザーサイとミニサイズの杏仁豆腐がセットで1000円。息子には単品の五目つゆ麺を取ってやって、ついでに大根餅と蝦餃も追加で1つずつ。これで家族全員、すっかり腹一杯になった。大きなお皿に盛りつけられた酢豚は一見量が少ないように見えたのだけれど、これがどうして、大変なたっぷりサイズ。スタンダードなケチャップ風味の甘酢が絡まった肉はごろごろと大量に入り、シャキシャキした野菜は玉ねぎとピーマンとにんじん、そしてきゅうり。

大根餅は素朴な感じで相変わらずの美味しさだったし、薄皮が綺麗に透ける蝦餃のプリプリ感も健在で嬉しかった。デザートに息子と食べたマンゴプリンだけは期待よりちょっとばかり固めのポクポクしたものだったけれど、でも適度にミルクっぽさと水っぽさとマンゴーの存在感が混ざり合ったその味は変わりがないように思えて、すっかり満足して鶴見を後にする。入店した時、あまりにガラガラで「前にも増して、経営の方は大丈夫なのかしら……」と余計なお世話ながら不安に思ってしまったのだけれど、その後続々とお客さんがやってきて、お店を出る時にはすっかりフロアは賑やかになっていた。卓上にはキーンと冷えたウーロン茶のポットが置かれていて、これも実に嬉しかったりして。

横浜 「骨付鳥 一鶴」にて
 しょうゆ豆 \350
 厚焼き玉子 \400
 鴨トロ \520
 おやどり 2×\930
 ひなどり 2×\780
 むすび 2×\300
 とり茶漬け \430
 生ビール(ハーフ&ハーフ) 3×\470
 焼酎(閻魔) \470

横浜「MILKY SOFT」にて
 ストロベリーミルキーソフト 苺トッピング \400

そして午後2時試合開始の、横浜スタジアム ベイスターズvsタイガース。今日も3塁側内野席で親子3人、タイガースをおおいに応援してきた。

始球式は、なんとダウンタウンの松本人志。期せずして初めて肉眼で目にすることになった(でも遠すぎて顔なんか全然わからなかった)彼は、マウンド上でこれでもかとネタをやらかしてくれて、なんだかとても得した気分。試合の方も、早々に3点先制してその後何点か返されつつも逃げ切る形で試合を終えた。試合は勝ったのだけれど、でも最後の最後までタイガースはピンチの連続。2死満塁などが数回訪れて、ハラハラしっぱなしの試合だった。雲の少ない晴天下の野球観戦で、体の左半分だけがきっちり日焼けしてしまった模様。
「今日も六甲おろしを4回歌えた〜!ばんざーいばんざーいばんざーい!」
と喜ぶだんなと一緒に、いつのまにか六甲おろしの2番3番も歌えつつある自分を自覚しながら、試合後の勝利祝いの六甲おろしを皆で熱唱する頃には日も暮れ始めていた。

試合後、だんなが予約してくれていた骨付鳥のお店に。「一鶴」というそのお店はうどんの聖地、香川は丸亀に本店がある。香川以外には神奈川に2軒、そして今年の夏に大阪にも1軒オープンしたとのこと。本場香川の本店でそこの名物「骨付鳥」を食べてきただんなは
「旨かったよ旨かったよ!ぜひ行こう一緒に行こう!」
と、今日の打ち上げ(?)にこの店を予約してくれたのだった。店頭は20人以上に大行列で、先見の明で席を予約しておいてくれていただんなに心から感謝しつつ、4人がけテーブルで小さな祝勝会。

名物は「骨付鳥」。要するに、クリスマスに照り焼きにされているのを山盛に見かける、骨付きの鶏もも肉だ。
「味は?照り焼き?それとも単に塩?」
「えーとね、……醤油味の照り焼きって言うか……で、ちょっと辛い」
「……ほー」
種類は「おやどり」「ひなどり」とあり、価格も違う。「おやどり」の方が少々お高めで、メニューによると「おやどり」が「歯ごたえのある旨味」であり「ひなどり」が「やわらかくジューシー」なのだとか。全然違うよ、歯ごたえとか……とだんなが教えてくれたので、まずは親ひな1本ずつ注文してみることにした。あとはビールと、讃岐名物の「しょうゆ豆」、息子も好きだろう厚焼き玉子と、私のリクエストで「鴨トロ」なるものも。

そしてやってきたのが、ステンレスの楕円皿にごろりと置かれた鶏もも1本。皿には黄色い鶏の肉汁(と脂)が薄く敷かれ、写真のは「おやどり」。「ひなどり」は焼かれたままのが塊で出てくるけれど、「おやどり」はかなり歯ごたえがあるということでハサミで一口大に肉に切り込みが入れられている。じわ〜っと辛く、じわ〜っと肉汁が溢れてくる肉は確かに美味しかった。辛みの元は大量の胡椒のよう。思った以上にスパイシーな肉で、パリッと焼けた皮がとても香ばしい。骨が露出している手元の部分に紙ナプキンを巻いて、両手で掴んでがぶーっとやるのがこの店のお作法なのだそうで、老若男女、誰しもがそこら中で「がぶーっ」「がぶがぶーっ」とやっている。なかなかすごい光景だった。

「おや」と「ひな」は全然違う。「ひな」は、とても柔らかく、スパイシーな味つけは独特ながら肉の味と歯触りは、よく売られている「鶏ももロースト」のそれと大差ない感じ。「おや」は……ものっすごく、固かった。「固い」というと語弊があるけれど、噛んでも噛んでも口の中で細かくなっていかない、すごく強い歯ごたえの肉。皮からして噛みきれない。でもその歯ごたえの中に強い旨味があって、「ひな」とは全然違った魅力があった。酒のアテにのんびり食べるには「おや」が良いかも。歯がたいそうくたびれるけれども……。
鶏には生のキャベツも添えられてくるので、それは肉汁に浸しながらつつく。

醤油味のうっすら甘い「しょうゆ豆」は、乾燥空豆を炒ってから醤油だれに浸して漬けておくことでできるのだという。歯ごたえがそれなりにあってしっかり味が染みたしょうゆ豆はビールにも焼酎にもぴったりで、それをつまみつつ、厚焼き玉子はかなりの分量息子に奪われつつ、鶏肉を堪能。1人1本楽勝で食べきってしまったので、追加で更に「おや」「ひな」1本ずつ頼んでしまった。最後にはそれをおかずに、おにぎり食べたりとり茶漬けを啜ったり。おにぎりもまた、肉汁につけつつ食べるのがお作法なのだそうで、そして一同すっかり腹一杯になった。

デザートは、一鶴にほど近いところにあった、不二家経営のミルキーソフト専門店。ミルキーソフト(ミルキー味のソフトクリーム……すっごく美味しい……♪)自体は我が家近所の不二家でも食べられるのだけれど、ここはその専門店だということでフレーバーもいっぱい。トッピングもクラッカーやチョコ、パイクラスト、ソース類にフルーツにと数十種類が用意されていて、パフェ仕立てのようにして食べることができる。もちろんシンプルなミルキーソフトも食べられる。

「ぼく、バナナメロンがいいなぁ!」
「いやいや、ストロベリーとミルキーのツイストにしておこうよ、それならお母さんも横からちょっともらいたいし」
ああでもないこうでもないと相談のうえ、ワッフルコーンにストロベリーとミルキーソフトのミックスソフト、トッピングに苺を散らしてもらった。ちょっと甘めのミルキーソフトとさっぱり味のストロベリージェラートのミックスで、一口だけ分けてもらうつもりがついついもぐもぐと……。

野球観戦も楽しくて、今日口にしたものも何もかもが美味しくて、充実しまくった土曜日だった。
明日もお出かけ。

9月3日 日曜日
夕飯は軽めにしておいて、さて部屋で飲みましょう〜
「ミスタードーナツ」の
 エビグラタンパイ
 氷コーヒー

「奥さん!エビグラタンパイが復活!」
数日前、だんなに鼻息荒く告げられた。
「しかも今、全品100円キャンペーン中!」
そこまで調べているとは。

そっかー久しぶりだねー……と答えつつ、なんとなくパイな気分ではなくて購入はしていなかったのだけれど、今日でキャンペーン終わっちゃうよとだんながミスドにひとっ走りしてくれた。ついでに
「君たち、これ好きでしょ?」
と私と息子に氷コーヒーと氷いちごまで(←コーヒーと苺ジュースがそれぞれシャーベット状になっていて、牛乳を注いで飲む。うまい〜)。

素晴らしい、素晴らしいセレクションだよだんな!と妻と子は絶賛しつつ、軽く温めたエビグラタンパイをもぐもぐ。昔々大好きだったあの味とはまた微妙に違っていた(やっぱり昔の方が美味しかったような気がしてしまう……)けれど、とても好みな味のエビグラタンパイ。さて、早く準備しないとあと1時間半で友人たちとの待ち合わせの時間が〜。

「銚子丸」にて
 秋まつり劇団セット
 本まぐろほほ肉のづけあぶり握り
 本まぐろ極3カン
 あぶり浜ゆで特大ほたて握り
  などなど

今日は友人2人と一緒に幕張にお出かけ。綺麗なホテルにお泊まりしたいねー、お酒飲んで時間気にせずおしゃべりしたいよねー、なんて話が盛り上がって、一晩わいわいやることになった。幸い、幕張のホテル ザ・マンハッタンにはこの趣向にぴったりな「女性3名様でのご利用です」なるかしましプランなどというものが存在していて、1人12500円で朝御飯も夕御飯もついてくる。チェックインする前にカルフールでワイン買って、翌日はチェックアウト後にコストコ寄ったら楽しいかもねと、スケジューリングもばっちりだ。今日の昼御飯は友人約1名のたっての希望で銚子丸お寿司ランチ。

「わ〜!でっかいお店ですねぇ。すごい規模。うわっメニューもたくさん!うわっ何食べよう」
友人はこちらの期待以上に喜んでくれて、今日の夜はブッフェだし夜には飲んだくれる予定だというのに、皆でわいわいと昼からそこそこしっかり食べてしまった。季節ものの「秋まつり劇団セット」は「とろサーモンいくらのせ・旬の戻りかつお・ぼたん海老・初秋のさんま・本まぐろ中とろ」の5貫盛り、「本まぐろ極3カン」は「カマ中おち軍艦・カマとろ・幽庵とろあぶり」という組み合わせ。なんだか今日はまぐろを沢山食べた気がするけれど、どれもこれもとろけるような脂の乗りで素晴らしく美味しかった。いつも通りにネタは大きく、どの魚もプリプリツヤツヤと光っていていかにも美味しそう。

このお皿半分こする?このお皿は誰か食べる?と1皿を2人で適当に分け合ったりしながら、少しずつ食べたお寿司ですっかり満足してカルフールに移動。ちょっと辛めのスパークリングワインと、ロゼのアイスワイン、甘さ軽めのドイツのリースリングワインなどを買い込んで、チーズ売り場でもわいわいと
「青カビチーズ好きな人〜。私は大好きなんだけれど」
「あ、私大好き」
「私も私も大好き」
「じゃあ2種類くらい買っちゃおうか」
と、小分けされたチーズを4種類ほど購入し、生ハムも1パック。いざいざとホテルに向かった。

幕張 ホテル ザ・マンハッタンにて
 ディナーブッフェ

お部屋にて
 ワインいろいろ
 チーズいろいろ
 生ハム・チョコレート

ホテル ザ・マンハッタン。一度だけ、もう10年くらいも前に母と2人で宿泊したことがある。当時はバブルが弾けてしまったばかりの頃で、内容も価格もやたらとゴージャスなホテルだった。夕飯に食べたフレンチが2人で3万円くらいになってしまって、けっこうびっくりしてしまった記憶がある。それでもヨーロピアンな雰囲気の部屋はとても良い感じで、あの部屋の設備がそのままならけっこう楽しいかも、と予約したホテルだった。

ガラスの天板の大きなテーブルにソファー、その脇にエキストラベッドが設えられた部屋は、3人で泊まって飲むのに過不足ない広さ。バスタブのすぐ脇に大きな窓がついていて、開け放すとベッドルームと空間が繋がるようになっている。
「うわっ、なんて窓だ」
「ここ開けて入るの?女だけで?」
「うーん……」
誰がエキストラベッド使うのよ、などと到着後もわいわいしつつ、ドリンク類をすっかり冷蔵庫に片づけてから目の前のアウトレットモールにお買い物に。たまたま幕張にお買い物に来ていたKさんと少しだけ会っておしゃべりなどもしつつ、夕食は階下の軽食レストランのブッフェ料理を楽しんだ。

週末ということで、今日のブッフェは「ホリデーランチ&ディナーブッフェ」。中央のブースでは目の前でカットしてくれるローストビーフと、その脇にはぐつぐつ煮えつつある大きなパエリア鍋が置かれている。あとの料理は種類はさほど多くないものの、味の方は安心して食べられるものばかり。テリーヌや野菜のゼリー寄せ、魚介のマリネにローストポーク、サラダ各種。ハムに蒸し鶏にお米のサラダに、カナッペに乗せられているのはタラモサラダだ。魚介のフリットに白身魚の蒸し焼き、やんばる豚の煮込み、ジンギスカンなどなど、肉料理魚料理もそれなりにあって、具沢山の野菜のスープやカレーライスも。アルコールは部屋に帰ってから飲むしねと、サンペレグリノなどをぐいぐい飲みつつ、ついついローストビーフのワゴンばかりに足を向けてしまう私だった。大人気のパエリアも、できあがったばかりのところで友人が
「あ!パエリアできた!できてますよ!」
と気付いてくれて、いそいそと人数分ゲット。綺麗なサフラン色のライスにムール貝、アサリ、海老にイカにと具沢山のスタンダードなパエリアもしっかり美味しかった。

デザートもケーキ類が3〜4種類、ババロア、ゼリー系のものが5種類以上。あとで買ってきて部屋で食べようか、などと言っていたパティスリーショップの商品そのものもちらほらと並んでいて、コーヒーゼリーをトッピングした杏仁豆腐とか、ジャスミン茶のプリンとか、ちょっと変わったアジアンスイーツをいくつか持ってきて皆で分け合ってこれも平らげた。なんだかんだですっかりお腹一杯。

早めの夕御飯だったので、午後7時頃には早々にお風呂も入ってしまい、あとは6時間以上もお酒飲みつつ用意したおつまみ並べてソファやベッドの上でだらだらだらだらひたすらおしゃべりを。真面目な話も少しはした気がするけれど、おおむねくだらない内容ばかりだったような記憶が。ルームサービスで氷を満たしたワインクーラーとワインオープナーとワイングラスまで借りちゃって、そのへんに酒瓶転がしたりしながら座り心地の良いソファにばっふんばっふん転がりながら久しぶりの「女だけの夜」はすごい勢いで更けていった。