食欲魔人日記 03年10月 第1週
10/1 (水)
風邪ひきの夕飯は野菜多め (夕御飯)
クィニーアマン
ミルクティー

昨夜「ちょっと風邪かもー」と薬飲んで風呂は入らず早めに寝たのだけど、起きてみると相変わらずの不調。
だんなが
「だいじょぶだいじょぶ、弁当くらい作れるから。幼稚園にも連れてくから」
と動いてくれて、私はおとなしく寝たまま。よりによって、今月から息子の幼稚園をバス通園から徒歩(正確にはチャリ)通園に切り替える手続きを先日とってしまったものだから、だんなに幼稚園まで行っていただくことになってしまった。昨日まではバス通園だったので直接登園させるのは何せ初めて。私も勝手がわかんないんだけど……と、一通り説明してから園服を着て出ていく息子とだんなを見送った。息子の弁当箱には可愛いミニミニサイズの俵型のおむすびが4個と、冷凍一口カツなどが詰められていた。ちゃんとおむすびには海苔が巻かれていたりして、一人布団の中でニヤけてしまう。

母と一緒の朝御飯は、母が自分のために買ってきた菓子パンを横からちょろっといただくことに。あとは母が大好きな牛乳たっぷりめのミルクティー。あまり食欲がなかったので、表面がカリッとした甘さ強めのパン"クィニーアマン"をいただいた。購入するお店によってはやけに巨大なりんごの塊が入っていたりするけれど、アンデルセンのは適度なりんごの分量でなかなか好み。表面の焦げた砂糖の層がシャクッとしていて美味しいのよね。

コーンチーズコロッケ
豆腐と海老のコロッケ
ジャーマンポテト風サラダ
食パン
カフェオレ

なるべく早く風邪を治してしまいたかったので、今日はとにかく1日おとなしく寝ていることにした。
「半端な読書じゃ、すぐに飽きちゃうしなー……」
と、手に取ったのはよりにもよって『ガラスの仮面』。読んでも読んでも読んでも終わらない事態になってしまった。眠くなったら寝ようと思っていたのに、全然眠くなりはしない(ダメじゃん……)。ちなみに夕食後の現在の進捗状況は"狼少女ジェーン"の一歩手前というところ。ここからがまた長いんだな、また……。

で、ベッドでごろごろしていると、またも母から「だらしないわねぇ」の一言。そのうちに一人で図書館に出かけていき、1時過ぎに戻ってきた時にはその手に総菜類の袋をぶらさげていた。
「あーもー、お腹が空いたわねぇ。1個だけ買ってくるんじゃ恥ずかしいから2個ずつ買ってきたから。食べなさいほら」
テーブルに並べられたのは、にんにくとバターの風味ぷんぷんのサラダに揚げ物が4個ほど。喉が痛い頭が痛いと風邪で寝ている娘に、よりによって揚げ物を買ってくるんですかお母様……とへこたれたくなりつつも、食欲はあまり減退していない私はきっちり食べてしまうのだった。
豆腐と海老が入ったコロッケも、クリーム状になったチーズとコーンが丸められたようなコロッケも、いまいち味がわからなーい……。

牛肉の焼き肉のタレ炒め
「R1/F」の
 山口浩のシェフサラダまかない風
 春雨と海老のサラダ
 ごぼうのサラダ
みぶ菜の味噌汁
羽釜御飯
ビール

「今から帰るよー。だいじょぶかーい?」
だんなから電話があったのは午後6時40分。んー、一応大丈夫だけど、でもまだいまいち……と返すと、
「肉炒めるのとかは俺が帰ってからやるから。できるようなら御飯だけ炊いておいてー」
とのこと。実際まだフラフラしていたので御飯だけセットしてだんなの帰宅を待っていた。幸い味噌汁は昨夜の残りがまだたっぷりあるし。

こういうときに駅ビルの食料品街の充実ぶりは大変にありがたいもので、帰宅しただんなの手には「R1/F」のサラダが3種類収まっていた。甘酸っぱい春雨サラダ、マヨネーズ的味わいのごぼうのサラダ、そして今月のキャンペーン商品らしい「予約の取れないフレンチの味」とかいう「山口浩のシェフサラダまかない風」とかいうもの。特製ドレッシングがついてくる。今日明日中に食べなくちゃと思っていた牛切り落とし肉は、だんなが焼き肉のタレでちゃちゃっと炒めてくれた。

予約の取れないフレンチなサラダはさぞ美味しいだろうなぁと思って口にしたのだけど……いまいちパッとしない味。チーズや沢庵が入っているのが味の秘密のようなのだけど、苦み強めのサラダ野菜とあまり絡んでくれず、最後にごろごろ余ってしまった。平皿に美しく盛りつけられたそれをフォークとナイフでちまちま食べたりするのなら上手く食べられるのかもしれないけれど、箸で食べるには向かないような。他にも同シェフの「ローストビーフのメキシカンサラダ」とか「トマトに詰めた、カニと根セロリとリンゴのサラダ」などというのもあるらしいので、他の味にちょっと期待してみたい私だった。
明日はしゃかしゃか動けるといいな。ていうか動く。ガラスの仮面は途中だけど。

10/2 (木)
ふと思い立ち、ひき肉カレーを作成 (夕御飯)
豚にんにくおじや
ほうじ茶

昨日は風邪でへばっていた私(おかげで『ガラスの仮面』を大量に読み返しできたというオマケつき)。
"喉の痛み"から"鼻水ズビズバ"に症状が移行しつつあり、だいぶ楽になってきた。今日はちゃんと動いておかないと一日だらけてしまうー、と、朝は1人起きてお弁当作り。

だんなの弁当箱には醤油に浸した海苔を挟みつつ御飯を詰め、息子にはおにぎりを。おかずは牛肉とにんにくの芽のオイスターソース焼き、みぶ菜のお浸し、にんじんのきんぴら。私自身はいまいち食欲がなかったので2人の分だけを作成した。喉が痛いのも飲み食いしづらくてめんどくさいけど、鼻に風邪がきていると匂いが一切わからなくなるのでそれもまたつらい。本来感じる味の6割くらいしか感じられないような印象で、
「ああ……にんにくの芽が、ただのさやいんげんのよーだ……」
と思いながらフライパンをふるった。今、真横で「くさや」とか焼かれてもわからないんじゃないかという勢いだ(でもあの匂い……けっこう好きだったりなんかして)。

結局朝御飯は何も食べず、いいかげん空腹になった12時過ぎて、風邪ひきの定番料理「豚にんにくおじや」を作って一人で食べた。
冷凍御飯を凍ったまま鍋に入れ、水をひたひたに注ぎ、適当な量の豚薄切り肉と薄切りにんにくを投入したら火にかけるだけ。味つけは塩と醤油で適当に。醤油を入れすぎるとあまり美味しそうじゃない外見になってしまうので、醤油はほんの風味付け程度にし、塩もちょっと控えめにして淡い味で食べる方が美味しいような気がする。そもそもこれを食べるような風邪ひきの時は味覚がワヤになっていることが多いので、こってり味にしてもしょうがない……ということもある。

「ほぅ〜ら、やっぱりにんにくの味も匂いもよくわからない……」
とちょっぴり悲しくなりながら、鼻の頭に汗かきつつさらさらとおじやを食した。

ひき肉カレー
ロメインレタスとゆで卵のサラダ
福神漬け
ビール

「ドライカレーが食べたいなぁ……お弁当にも使えるし」
と、合いびき肉を買ってきたのが数日前。今日あたり使ってしまわなければ……とそのパックを眺めてみたけれど、どうもドライカレーという感じじゃない。同じカレーにするにしても、"こくまろ"とか"とろける"とか"バーモント"その他を使用した「家カレー」の方が食べたい気分。そういえば風邪ひきの息子もカレーが食べたいって騒いでいたんだっけ、と思い出し、ひき肉でちゃちゃっとカレーを作ることにした。人参やセロリを細かく刻んだものを混ぜても美味しいのだけれど、今日はとにかく肉肉したカレーが食べたかったので具は肉と玉ねぎのみ。ざざっと炒めて水を加えて少々煮込み、ルーを溶かすとほんの20分ほどで完成してしまった。おお、簡単じゃないかひき肉カレー。

シーザーサラダを作った残りのロメインレタスはスライスゆで卵やマヨネーズと一緒に盛りつけてサラダにし、夕飯の準備はそれだけ。まだやる気がいまいち向上してくれないので、
「……ま、カレーを腹一杯喰っていただく、ということで」
と勝手に結論づけて食卓の準備を整えた。ロメインレタスだったら山のようにあるぞー、とテーブルの中央にどかっと大皿に盛りつけて出してみる。

ひき肉カレー、不味くはなかったのだけど、20分でできあがってしまったものはやっぱり20分の味……という感じ。じっくり3時間くらいかけて豚バラ肉をトロトロホロホロに煮込んだり、牛すね肉をすっかり柔らかくなるまで煮込んだり、などという手間をかけたものは、「あの肉が!こんなに!」という感動を味わえたりするのだけれど、本日その感動を味わうことはできなかった。……次回は当初の予定どおりドライカレーにチャレンジしてみようっと……。

10/3 (金)
撮影できるようなモノを食べていないので、食玩など撮影してみる……
「がもう」のうどん(ひやひや)
冷茶

今日は3食えらく適当でとても撮影できるようなものを食べなかったので、写真は初めて「箱買い」した食玩。今はもうとっくに別シリーズが販売されている、リーメント社ぷちサンプルシリーズ「中華街」。中華料理が大好きなので、ついつい全種類そろえてしまったものだ。今は居間のテレビ脇ラックにちまちまと並べられている(で、ホコリかぶってる……)。リーメント社のサンプルシリーズの中ではいまいち出来がよろしくない、なんて評価もあるらしいのだけど(実際イマイチなものもあるのだけど)、中国茶やお菓子、蒸籠などはかなり良い感じ。青島ビールなどもついていたりして、けっこうツボだった。思わず駅弁シリーズとかスーパーシリーズを買い求めたくなってしまったのだけど、こんなコチャコチャしたものが家にあっても……息子が必死になって"おままごと"してしまいそうで怖い。

で、朝御飯は冷凍うどん。月代わりで届く讃岐うどんシリーズの、9月分の「山下」がまだ1玉も消費されていないうえに8月分の「がもう」が残っていたりして、そうだそうだ食べなければ、と思い出して茹でる。もう隨分前に仕込んだデンジャラスつけだしがあったので匂い嗅いで味見して、これは大丈夫だなと判断してうどんに添えた。我が家を発掘するとしょっちゅう"デンジャラス○○"が出土するのだけど、出土品にアタってしまうのは多分我が夫、息子の順になるのではないかと私は思っている。私は悲しいほどに胃腸が丈夫で……なんというか、悔しい(なんか私だけ繊細さが欠落しているようで……)。

コンビニの
 ツナサラダのパスタサラダ
 揚げパン
牛乳

今日も息子は幼稚園。だんなの弁当は休ませていただいて、息子の分だけちゃちゃっと作ったお弁当は、炊き込み御飯(以前作ったものの残りを冷凍してあった)のおにぎり2個といぶりがっこ(←弁当に漬物を入れてくれと、夫より激しくせがむ息子……)、隙間に冷凍ものの蟹ミニクリームコロッケ2個。プチトマト1個。

冷凍おかずを使うことを最近覚えつつある。大人用の弁当箱だとミニコロッケなんてほんの半口分の容量にもならず、「じゃ、じゃあこれを2個、いや3個入れて……」と大量に詰めていくうちに虚しさを感じてしまって遣う気が減退してしまったりするのだけど、子供用の弁当箱にミニコロッケやミニ白身魚フライやミニグラタンは、すんばらしく良い感じにぴったり詰まる。隙間埋めにちょうど良いわぁ〜、とついつい使いたくなってしまうのだった。

先日、「きょうもきれいに食べましたっ」と報告してくれた息子に続けて
「ぼくはね、ぼくはね、お弁当が好きなんだなぁ〜」
と言われてしまったりして、そんなに楽しみにしてくれてるのにレトルトですまんっ、と激しく自己嫌悪してしまったりするのだけど……やっぱり「毎日作って持たせなければならない」という義務感は少なからずストレス。楽しんで作れるように色々考えてみることにしよう……とりあえずだんなが「あれ、美味しいよ。大好き」と言ってくれてるオムライス弁当を再びするとか。いきなりインドカレーとナンを持たせるとか(やりすぎかしら……)。

で、私はといえばコンビニのパン。朝、幼稚園に息子を送りに行きがてら、
「そういえば今日は漫画の発売日〜……でもこの時間に本屋がやってるわけでなし〜」
と呟いた目の前にコンビニがあったもんで、入ってみたらちゃんと新刊が棚に並んでいたのだった。本2冊持ったまま店内をぷらぷらし、ハーゲンダッツのカスタードプディングの有無をチェックした後(なかった……全然ない……)総菜コーナーへ。たまにコンビニの棚を見ると妙に魅惑的なブツが並んでいるもので、
「おおっ、こんなおにぎり見たことないぞっ」とか、
「あー、旬の栗御飯ねー……」とか、
「おおっ1人分のすきやきセットまでっ」
などと妙にわくわくしてしまう。一度食べるともう2週間くらいは食べたくないわ……と思ってしまうコンビニ弁当も、たまに見るとなんだか無性に食べたくなる。カツ丼とか買ったら負けよ負け、あとで絶対胸焼けするわよ、と自分と静かな戦いをした後、パスタサラダと揚げパンを買ってきた。セブンイレブンの現在のパンの主力商品は「揚げパン」(昔なつかし、とかあおり文句がついていた)であるらしい。レジのそばにまで積まれていた。

マヨネーズっぽいソースで和えられたスパゲティの上にレタスやトマトやツナやコーンが盛られたパスタサラダには、別添の醤油風味のドレッシングをかけて食べる。揚げパンと一緒に食べると、学校給食の「マカロニサラダ」のような味にも感じられた。揚げパンは確かに揚げパンだったけど……もっとこう、学校給食の揚げパンは噛むとキトキトした油がじゅわっと染み出てくるような、ジュクジュクした味だった記憶がある。表面だけさらっと揚げたコッペパンみたいなものじゃなくて、
「もっとこう、下品な味でねぇ……紙ナプキンでくるんでも紙と自分の手に油がじっとりついちゃうようなやつでねぇ……」
と、余計に「あの味」が恋しくなってしまった。学校給食屋さん……久しぶりに行ってみたいなぁ……(原宿とか浅草とかにあったのよね……)。

茹でウィンナー
ミックスサラダ
2日目のカレー
自家製かぼちゃパン
ビール・缶チューハイ(グレープフルーツ味)

柿・梨

本日だんなは飲み会とのことで、適当夕御飯。ご飯にかけて食べるほど分量がない昨夜のカレーは、パンに添えて浸しながら食べることにしてしまう。これまた昨夜の残りのロメインレタスのサラダには玉ねぎとにんじんとキュウリを加えて増量し、これだけじゃ物足りないなぁとウィンナーを茹でてケチャップと粒マスタードを添えた。食事が物足りない分は食後のデザートでカバーしましょうと、じわじわと安くなっていっている梨とまだまだ出始めの柿を剥いた。

2日目のカレーは昨日のものより圧倒的に美味しくなっていて、玉ねぎはすっかり溶けて消え失せていた。なんとなく、「ひき肉のカレーはドライカレーかスパイスぷんぷんのインドカレー」というイメージがあったのだけど、いつものルーを使うひき肉カレーもモロモロとした肉の食感が心地よいし、美味しい。
やっと風邪も全快したっぽいし、明日からは前向きに美味しいものを食べる努力を惜しまないことにしよう。

10/4 (土)
ン年ぶりのジンギスカン (夕御飯)
だんな特製チャーシュー炒飯
アイスプーアル茶

週に何度か近所にやってくる"移動八百屋"の喧噪で8時過ぎに起こされてしまい、せっかくの土曜日なのに私は朝から不機嫌だった。土曜の朝から大声で営業するのはなんとかして欲しいなぁ……とがっくりしながらベランダに出ると、出してあったゴミ袋(中身入り)がビリビリにやられて中身がぶちまけられている。最近やられていなかったので油断していたのだけど、野良猫が魚の匂いを求めてガサガサやるのだ。せっかくの土曜の朝、始まりからなんだかイヤ〜ンな感じだった。

……で、数時間後に起きてきただんなを前に、すっかり不機嫌になっている私。
「朝起きると、八百屋がうるさいしー。ベランダ出ればゴミ袋ガショガショだしー。私が昨日、息子を風呂に入れて上履き洗ってやったりしている間に!君は!飲み会!ビールいっぱい飲んでたりして!……くやしーい……」
起きるなり不機嫌面の妻が目の前で愚痴たれてくるのを目の当たりにするだんなも良い迷惑である。すまんだんな……。

「はいはい、美味しいもの食べようね」
「ぶすー……」
「煮豚、余ってたよね。朝御飯は炒飯作ろう。ね」
「ぶっすー」
「……冷たいプーアル茶もいれようか?」
だんなはいつも優しい。私がカリカリしている時には特に優しい。人間ができている。顔は怖いけど。

ちょうど1週間前に作った煮豚、1日おきに火を通して痛まないようにしていたのだけど、スライスして食べるより、丼にして食べるより、またラーメンにするより、「炒飯で食べたいのよねぇ……」と思っていた。そして炒飯を作るのは私よりもだんなの方が圧倒的に上手い。

炒飯作るの、ひっさりぶりなんだよなー……とか言いながら、だんなは絶品の炒飯を作ってくれた。卵がしっかりご飯に絡み、煮豚の煮汁と塩で適度に味がついている。あとはざくざくたっぷり入った煮豚と、刻み葱。チャーシュー炒飯は簡単な材料ながらなかなか難しいもので、いつも微妙に塩加減が弱めだったり煮汁がちょっと多すぎたりすることが多かった。が、今日のは絶品。だんなは内心「こ、これは、今日の炒飯は神がかってるほど旨い……」と思っていたそうである。神がかってるは大げさかもしれないけど、でも今日の炒飯は絶品だった。心なしか、私の皿に一番大量に煮豚のかけらが乗っていた。

船橋 「サッポロビール 千葉ビール園」にて
 クイーンズラム・ジンギスカン食べ放題(120分) \2600×2
 ライス \100×2
 サッポロ生ビール(グラス) \500
 エーデルピルス(グラス) \580
 エビス生ビール(ジョッキ) \870
 エビス&エビス(ジョッキ)\870×2
 メリーさんのひつじアイス \450

「ジンギスカン食べ放題、行こうか〜?」
という話で盛り上がる。今日は一日だらだらごろごろ。買い物にも出ずに、洗濯機を2回まわしてドラマを見たり本を読んだり。4時半を過ぎて、「じゃあ、早めの夕御飯に行きましょっかー」と家を出た。

JR総武線津田沼駅やら、京葉線習志野駅からシャトルバスが運行されているサッポロビール工場があるのは知っていたけど、そこにビール園があるということを知ったのは、つい最近。ポストに時折投げ込まれているクーポンつきの地域新聞に広告が掲載されていたのだった。ジンギスカン食べ放題をはじめ、焼き肉食べ放題とかラム肉しゃぶしゃぶ食べ放題とか、色々やっているらしい。
「ジンギスカンなんて、大学生の頃にゼミ員と北海道にスキーに行った時以来だよー」
「おっ、それを言うなら俺なんて、高校のときに友達と行った北海道旅行以来だよ」
ともかく10年ぶりだったり20年ぶりだったりする(いや、20年は大袈裟……)ジンギスカンだ。どうやって食べるのかも忘れてしまったまま、ヒツジだヒツジだジンギスカンだ〜♪と浮かれて出かけてみたのだった。

ジンギスカン食べ放題は、90分2400円。30分延長して120分にすると2600円になる。飲み放題もつけられるコースもあったのだけど、飲み放題ではエビスビールや黒ビールは飲めないということで、別注文で心ゆくまでビールを堪能することにした。続々とやってくる肉と野菜をじゅーじゅー焼いては食べまくる。サッポロビールオリジナルの味噌ダレと醤油ダレが巨大なボトルごとテーブルにやってきて、それを焼いた肉や野菜に浸しては食べる。
後で知ったところによると、ジンギスカンなるものはもっともっと鉄板の上をタレでじゅくじゅくにしてしまい、肉や野菜をもっと大量に乗せて肉汁やタレを絡めつつ焼いていく……という風なのだけれど、今回出てきたのは「鍋」ではなくどちらかというと「網」であり、肉汁たっぷり吸い込んだ野菜を大量に鍋の縁側に並べるということができなかったのがちょっと残念。ラム肉のバーベキューと大差ないジンギスカンになっちゃったのだった(でもまぁ、旨いし)。

ラム独特の干し草臭さというか青臭さがあって、羊肉は私もだんなも大好き。肉を4皿野菜を2皿食べ、ビールもおおいに飲み、2時間近くたっぷり飲み食いして店を後にした。交通の便が悪い場所にあるのに、店はかなりの混雑。無料だからとシャトルバスを使ったのだけど、それも行き帰りほぼ満席の人気っぷりだった。ジンギスカンというと、なんとなく「札幌にあるサッポロビール園に行かなくちゃ」という気持ちがあったりするのだけど(だってサッポロに行くと、何故かいっつもここに行く……家族旅行でも友達とも旅行でも)、案外と家の近くでも食べられるということが判明して楽しかった。最後に食べた羊乳アイスも美味しかったし。

10/5 (日)
ロールキャベツにはケチャップが必須なのよー (夕御飯)
モスバーガーにて
 フレッシュバーガー
 モスチキン
 ジンジャーエール

移動八百屋がやってくることもなく、猫にゴミ袋を荒らされることもなく、平穏な日曜日。休日の朝はこうでなくっちゃー、とぐだぐだ寝ていたら、いつのまにか10時半になっていた。先に起きただんなと息子が
「おかーさん、おきないねぇー」
「良く寝てるねぇー」
と居間から囁いている声で目が覚めた。ああ、朝寝は楽しいけど、半日損した気分になる。

買い物しに行きましょう、とついでにモスバーガーで朝御飯を食べることにした。巨大な広告が店内に垂れ下がっていて、それには「匠味」の文字がついている。1日限定10個とか20個とかいう希少かつ値段お高めのごっついハンバーガーで、この夏は限定された店舗だけで販売されていたそれが近所のモスバーガーでも売られるようになったらしい。ただ、午後2時からの販売で、個数は10個。2時まで昼御飯を食べずに我慢して「匠味」にかけるのは、なかなか大変そうだ。夕飯にも響きそうだし。
「いいねぇ……一度は食べておきたいかな、匠味……」
と広告をちらちら眺めながらフレッシュバーガーを注文。ポテトつまみよりは肉が食べたいなぁとモスチキンも1本。ポテトつきセットのチーズバーガーを頼んだ息子と、テリヤキチキンバーガーを頼んだだんなと、それぞれ適当に分け合いつつ食べた。

食後はダイエー系のスーパーでお買い物。現在ホークスの優勝セール真っ最中で、店内にはエンドレスで同じ曲がずーっと流れている。
「いーざゆーけー♪ほーのぉーの♪ワカタカぐんーだんー♪」
というその曲を聞くたびに、私の脳裏には若乃花と貴乃花が大群でズドドドドと駆け去ってしまったりするものだから、あの歌はちょっと苦手。
(中日ドラゴンズの歌はいいやねー、今にも秘密メカとか出てきそうでねー ←何しろ作詞作曲が山本正之さん ← 懐かしのタイムボカンシリーズ主題歌の作詞作曲をした偉大なお方)

エクレア
浜名湖名産うなぎパイ
牛乳

買い物して帰ってきた後は、録画したまままだ見ていなかった今週分のアメリカンプロレス番組など家族で見てみたり。ほんの4ヶ月前までは
「おー、今週はアラバマ州だよ。隣だね」
「見に行けば良かったかなぁ」
なんて言いながら(ていうか隣州だったら多分見に行ってしまってる)見ていたアメリカンプロレス、今は遙か遙か遠くの地で、しかも日本の衛星放送じゃ数週間遅れの放映ということもあって、実際の距離以上に「遠いなぁ……」という印象がある。

アメリカに住んでいなければ、多分私は一生"スイングDDT"とか"雪崩式フランケンシュタイナー"に思いを馳せることはなかったし、「美しい逆水平とはいかなるものか」をだんなにレクチャーされることはなかっただろう。
高校時代からの友人Y(女性)がストーン・コールドをそれはそれは好きだということも、多分知らないまま友好関係を続けていたに違いない(私の目の前で10年来の友人が我が夫と2人でやたらとディープなプロレス談義繰り広げだしたときは本っ当にびっくりした……)。

「そういうわけで、駐車場バトルを見ながらお茶にしましょう」
と、大きな盆にお菓子と飲み物を乗せ、居間に座り込んでおやつを楽しむ。いただきもののエクレアやシュークリームに、大切に食べていたあまり、全然減っていなかった出張土産のうなぎパイ。
「うわー、そこで投げるか……うわー」
と、うなぎパイを噛みしめる歯にも、ぐっと力が入ってしまうのだった。

ロールキャベツ
ちぎりキャベツの胡麻油かけ
レンコンの胡麻マヨネーズ
羽釜御飯
ビール

安売りで買ってきたキャベツが巨大で巨大で大変に美味しそうだったので、これを丸々調理できる料理はないものかと考えていた。
「ロールキャベツが……いいかな」
「あー、最近やっと涼しくなってきたしね」
「煮物系が美味しい季節だもんねぇ……」
と、今日はロールキャベツ。まずはキャベツを丸ごと大鍋で煮ることから始める。その間に合いびき肉に刻み玉ねぎを混ぜ、塩胡椒してわっせわっせと混ぜておく(牛乳でしめらせたパン粉を入れるときもある……けど今日はパン粉がなかった)。あとはキャベツの葉で肉をころころ巻いて煮込めばできあがりー。ホワイトソースやトマトソースで煮込むロールキャベツも美味しいけど、家で作るときはコンソメ味でなければならない、と私は密かに頑なにに思っている。

剥いても剥いても巨大な葉がべろべろと出てくるキャベツは本当に巨大で、400g強のひき肉を包んで20個近いロールキャベツができたのに、まだ大きめの玉ねぎ2個分ほどの葉が残ってしまった。キャベツ、丸ごと茹でちゃったからなぁ……とキャベツ料理をもう1品。ばりばりと手でちぎってたっぷりの刻み生姜を混ぜ合わせ、オイスターソースと醤油と塩胡椒をざっと混ぜたら、最後に煙が出るまで熱した胡麻油をジャーッとかける。更にもう1品野菜が欲しいな、とレンコンを薄切りにした。茹でたレンコンはマヨネーズと胡麻、少しの醤油と和えて、盛りつけてから一味唐辛子をパッとかける。胡麻油かけキャベツも、胡麻マヨネーズレンコンも、どちらも確かケンタロウさんの料理本に載ってたものだ。……で、マヨネーズで白っぽいレンコンと、うっすらい茶色に染まったキャベツの皿と、やっぱり茶色と黄色と薄緑色で構成されたロールキャベツ、と、非常に彩りがいまいちな食卓になってしまった。気にしない。

外食で食べる分にはホワイトソースのロールキャベツもトマトソースのロールキャベツもすごく美味しいと思うのだけど、家で食べるときにはどうしてもコンソメ味が良い私。そしてそのコンソメ味のロールキャベツにはケチャップが必須だった。
「せっかく肉や野菜の味が出てきて美味しいのにー。ケチャップかけたらケチャップの味だけになっちゃうじゃん」
絶対にケチャップには手を出さないだんなの横で、私はニロニロニローとケチャップを絞り出す。火の通った柔らかいキャベツと、キャベツの味が染みた肉や玉ねぎにケチャップを添えたその味がたまんなく好物なのだった。