食欲魔人日記 08年09月 第4週
9月22日 月曜日
我が家の最大級のお皿が動員されました
ホットドッグ
アイスカフェオレ
梨(豊水)

夜中、ものっすごい雷の音で目が覚めた。「ゴロゴロ」「バリバリ」ではなく「ゴロガシャーン!」と、明らかに近隣に落ちた音。窓の外を猛烈な閃光が走り、ものの数秒もしないうちに雷鳴が轟く豪雨は30分くらい続いていた。

時計を見ると3時半。猫たちも「これはただごとではない」という風に、かすみさんはりゃんりゃん探して「私の子供は大丈夫〜?」という具合に鳴くし、りゃんりゃんはりゃんりゃんで寝ている状況じゃないと耳をピンと立てている。でも今日も私の脇腹のところにぴたりと張りついていたりゃんりゃんは、面倒臭そうに「僕はここだから」という風に「にゃおん」と一言。案外剛の者だった。でも、一番の剛の者は息子で、あの雷の音にも全然気付かずに寝ていたのだそう。それはそれで、危機管理的にどうよと思う。

朝御飯は、ホットドッグ。
地元の駅ビル内に、輸入物やら地方の調味料やらと扱うちょっと高級めなスーパーがあって(先日旭ポンズ売っていてびっくりした)、クロテッドクリームの扱いなどもあって重宝していた。週末に冷蔵ケースをじっくり眺めていたらJohnsonvilleのソーセージもあって、ついつい購入。やっぱりホットドッグにするに限るよねとドッグパンも買ってきた。

バター炒めしてカレー粉ふったキャベツを挟む、いつもの味のホットドッグ。スモークタイプのソーセージだったので、独特の香ばしさが心地良い。今日剥いた梨は、今ひとつの味で、ちょっと残念。

茹でアスパラとパプリカのバジルマヨネーズ添え
たらこスパゲッティ
麦茶

ほぐし身のたらこが安かったので、買ってきてみた。久しぶりにたらこスパゲティでもしてやるかと思って
「今日の夕飯はたらこスパだよー」
と息子に告げたら、すごく驚いた表情で
「たらこスパ!?なんで!?」
と。「なんで?」って……?、と笑ってしまったけれど、「なんでお祝い事でもないのに、たらこスパを作ってくれるのか」と、そういう趣旨だったらしい。それほどまでにたらこスパが好きな息子なのだった。

で、今日は息子と一緒に台所に。私が大包みのバターと格闘して専用容器や小分け容器に移している間に、息子がたらこをほぐして昆布茶、酒と和えてくれた。
「たらこの準備ができたら、たらこスパに相応しいと思われるお皿を出してね」
と次の指示を与えたら、我が家最大級の丸皿と、同じく最大級の楕円皿を両方取り出して見比べた後で、丸皿の方をテーブルに並べていた。この皿、私は「お子さまランチ」ならぬ「大人さまランチ」作る時くらいしか取り出さない皿だ。おかずを盛りつけるのには大きすぎるとほとんど使わない。

そんな皿を前に、
「このお皿ね!このお皿に"山"にしてね、平たく盛りつけるのは無しね!」
と鼻息が荒い息子。この皿に「山」って、いかほどー?と思いながら、350gほどの麺を茹でた。私の取り分は150gを想定。

野菜が一つもないのはあまりにも、と、パスタを茹でている間にアスパラとパプリカを別鍋で軽く茹でて、バジルペーストとマヨネーズを合わせたものを添えたのを用意した。スープも用意しようか?と聞くと、
「たらこスパゲッティだけをお腹いっぱい食べたいから、スープいらない。……本当は野菜もいらない」
だそうで。少しは食べなさい野菜も食べなさいと無理矢理添えた。

太めの、これという麺の買い置きがなかったのでディチェコのリングイネを茹でたのだけれど、たらこスパにはリングイネは今ひとつお似合いではなかったかも。でも、麺たっぷりたらこたっぷりバターたっぷりのたらこスパは息子にはたいそう嬉しいメニューだったらしく、なるべく中央に寄せて「山」に盛りつけたパスタを実に嬉しそうに平らげていた。……350gのパスタ、なくなっちゃった……。

9月23日 火曜日
洋食屋さんの「牛角煮」
卵チーズサンド
アイスカフェオレ

今日は祝日。

朝御飯にはドッグパンが残っていて、でもホットドッグ用のソーセージは1本しか残っておらず、卵サンドにすることにした。マヨネーズ和えゆで卵を準備して、チーズ(コルビージャック)がまだまだ手元にあるので、スライスしてそれも挟む。まだ今ひとつホットコーヒーという感じでもないねと、アイスコーヒーを用意した。でも、そろそろ要らないかなとアイスプーアル茶を用意するのは止めている今日この頃。アイスコーヒーが冷蔵庫から消えるのもそう遠くない季節だ。

そうすると、今度はホットサンドの季節なんだなー。

千葉「ほてい家」にて
 メガラグー
 ライス
 生ビール(キリンブラウマイスター)

「なんかね、僕のレポート、選ばれた」
「あらそう、おめでとう。何に?"よくできました賞"とかそんな感じ?」
「よくわかんないけど、選ばれた」

夏休みの自由研究のレポートが、「よくわかんないけど、なんか選ばれた」と息子が報告してくれたのは、数週間前。そっかー選ばれたかー、でも何に?と、軽い気持ちで考えていたら、昨日「千葉市小・中・特別支援学校児童生徒総合展覧会科学部門」なる、たいそうな名前の展覧会の招待状を持って返ってきた。学校代表として選ばれた8人の中に、息子の名前が書いてあった。おおー、なんかちゃんと選ばれていたらしいー。どびっくりだ。

「……でもさ、息子さん。この展覧会、土曜日から明日までの開催だよね。で、お手紙の日付が9/19になってるよね?」
「……そうだね?」
「このお手紙、金曜日に配られたやつなんじゃないの?」
「……そうだね」
お手紙持ってくるの遅いから、もう明日しか見に行く機会ないじゃない!もー!と憤慨しつつ、ともかくも家族で見に行ってみることにした。

お昼御飯は、その展覧会会場の千葉市科学館からほど近い、老舗の洋食屋さんほてい家というお店で。だんなは子供の頃も千葉に住んでいたのだけれど、当時家族で何度か食べに来たことがあるお店らしい。建物の佇まいも内装も時代を感じさせるもので、分厚いメニューには大変な種類の料理名が並んでいた。ハンバーグが名物らしいけれど、ビフテキ丼とか大きなエビフライの乗ったカレーとか、目移りするものがたくさん。

さんざん悩んで、私が選んだのは「メガラグー」という名前の「和牛の煮込み赤ワインソース ポテトのピューレを添えて」なる料理。ミニサラダはついてくるけれどライスもパンもついて来ず、それで2800円という気合いの入ったお値段だった。「和牛肉を赤ワイン・ポルト酒・ペルノー酒・マデラワインに3日間漬け込み、フォンドヴォーと香味野菜などでじっくり煮込んだシチュー仕立てです」という説明文を読んで、もう絶対これ!ほら、載ってる写真なんて、まんま「牛肉版角煮」って感じだよ!と、鼻息荒くこれを注文。

息子は「お子さまハンバーグ」900円なり、だんなは「ほてい家パック」3000円なりを。「ほてい家パック」は、ミニサラダとフルサイズのコーンスープ、ミニサイズのナポリタンスパゲッティと有頭海老のフライ、温野菜つきのハンバーグ(ハンバーグはミニサイズ)、パンかライス、アイスクリームと食後のコーヒーがコース仕立てで出てくる、かなりがっつりとした内容のものだった。

休日のお昼ということもあってか、店内はかなりの混雑で私たちが食事を終える頃には店頭に空席を待つお客さんも出始めていた。丼ものやカレー類だったら1000円台で食べられるけれど、ちょっと気張るとすぐに3000円4000円してしまうので、決してお手軽価格のお店ではない。でも、値段相応以上に美味しかったしお店の人の対応も実に気持ちが良くて、心地良く楽しくランチが楽しめるお店だった。大満足。

「メガラグー」は、大きな白い皿に盛られてきたのだけれど、深くくぼんだ中央部分に、見た目以上の分量の肉とドミグラスソース、そして「目に見えるのは氷山の一角です」とばかりのマッシュポテト。マッシュポテトの上には大きなブロッコリーとカリフラワー、皮を湯剥きしたプチトマト、ラディッシュ、クレソンなどが飾られていた。肉にはマッシュルームと共に、手毬麩が2個飾られているのが面白い。濃厚なドミグラスソースは、微かに赤ワインの香りが残る、甘さ控えめの大人っぽい味のものだった。

これだけマッシュポテトが添えられてくるなら、御飯頼む必要はなかったかな……と思いつつ、わしわしっと肉を切ってわしわしっと食べる。脂はぷるぷる、肉はほろほろ、食べ応えはしっかりあるのにどこまでも柔らかく煮えた美味しい牛肉だった。

息子のハンバーグには、だんなのセットにもついてきたのと同じナポリタンスパゲティが添えられ、更には見事にソテーされた実に美的な「たこさんウィンナ」も。ナポリタンの上には日の丸の旗まで立っていて、まんまお子さまランチのようになっていた。コーンスープかアイスクリームかがついてくるというのも素敵。

私の肉と交換で味見させてもらっただんなのハンバーグやコーンスープもほっとするような味のものばかりで、「いいお店だなー」「また来なきゃなー」と話しながらお店を後に。これから科学館散策だというのに、すっかりお腹いっぱいになってしまった。

はりはり漬け
冷や奴
鮎の甘露煮
鶏もも肉のねぎぽん
かきたま汁
羽釜御飯
ホッピー(シャリキン)

展覧会にやってくる子供達も含めて、初めて訪れた(息子は校外学習で一度来たことがあるとか)千葉市科学館はなかなかの混雑。無料入場券を貰い、まずは展覧会を見に行った。各学校から学年1人ずつくらいの選考とはいえ、千葉市全域となるとかなりの数。学年別に分かれた展示コーナーだったけれど、息子のレポートを探すのはなかなか大変だった。

とても全部を見ることはできなかったけれど、工作類も論文も力作が山のようにあった。規定はないけれど一応は「夏休み中に研究したもの」が多いなか、春先から丹念に記録を取り続けたものとか、実に綺麗なイラストが描かれたもの、大きなスケッチブックに端から端までまとめたものなどを見るにつけ、息子の適当なレポートの作りっぷりを端で見ていた私としては「なんで息子が選ばれたのかしら」という思いもちらちらと沸いてくる。

子供らしい破天荒な研究もあってとても面白かったのだけれど、何割かは「いかにも大人が喜びそうなお題目(地球温暖化とかね)を小綺麗にまとめました。でも本読んで移しただけのページが9割弱です」というものだったり、レポートの裏に親の必死な努力が透けて見えちゃったりするのもあったり、興味深い方向も色々なものがあったりして。

息子のレポート、端から見ていた私には「もっと考察とか突っ込んで書きなよー」と思うところもあったりしたのだけれど、1人でPowerPoint操ってまとめていたのは素直にすごいと思う。確か去年のレポートで「文字の装飾したかったらこう、文字ボックスの扱いはこう、写真入れたかったらこう」と一通り教えてやったのだけれど、きちんと覚えていて感心した。「今度はflashのソフトの使い方覚えたいなー」なんて言ってるから、来年の自由研究は「flashでシューティングゲーム制作」とかになったりするのかしら。そうなっちゃったら、私の今のスキルなんて軽く飛び越されてしまいそう。

夕御飯は、当初は「鶏の唐揚げとか食べたーい」とか言っていたのだけれど、昼御飯がたいそうボリュームたっぷりだったので、あっさりめということに。鶏は鶏でも、シンプルに塩焼きにして、「ねぎぽん」で食べることにした。皮目をパリッパリに焼いた肉に、万能葱かけてポン酢かけて、「ねぎぽん」。すじ肉煮たのも「ねぎぽん」で食べるし、モツを「ねぎぽん」で食べるのも不味いはずがないし、「ねぎぽん」は大変に便利。で、その「ぽん」は旭ポンズであるのが望ましい……と、勝手に思っている私。今日卓上に出したのも、もちろん旭ポンズだ。

そろそろシャリキンの季節でもないかな、なんて話しつつ、でも今日もホッピーはシャリキンで。冷凍庫に入れておいたシャーベット状になった焼酎を冷凍庫に入れておいたグラスに入れ、冷蔵庫でキーンと冷やしたホッピーと併せて表面に氷のシャリシャリが浮いたホッピーを堪能しつつ、鶏つついたりはりはり漬けつついたり、鮎などつまんだり。

9月24日 水曜日
お昼御飯はハッシュドビーフ
「アンデルセン」のミルクフランス
アイスカフェオレ

真夏の季節は、クリームがどろどろになってしまうのがいただけないのでそう頻繁に買っていなかった「ミルクフランス」、そろそろ機も熟したかということで、買ってきてみた。練乳好きには、あのコンデンスミルク味のクリームの魅力ときたらたまらないものがある。多分カロリーもたまらない感じなんだろうなぁと自覚しつつ、今日は1人1本食べてしまったのだった。

都賀 「Cafe&Cakes Laughin'」にて
 日替わりランチ(ハッシュドビーフ) \900
 (サラダ・ドリンクつき)

今日は午後イチで打ち合わせ。友人からお声をかけていただいた仕事で、打ち合わせも友人御一緒にということで、待ち合わせてお昼を御一緒することにした。マクドナルドとかモスバーガーとか、あと王将もあったりするけどどうしましょうどうしましょう、と悩んだあげく、駅前の喫茶店の日替わりランチを試してみることに。ポテトサラダと千切りキャベツ、キュウリとトマトを盛り合わせたミニサラダと食後の飲み物つきで900円、たっぷりよそわれて食べ応えのあるランチだった。

しめじ入りの、でも肉もたっぷりなハッシュドビーフはパセリや生クリームも散らされていて、なかなか良い感じ。
あと打ち合わせの時間まで何分残ってる?と確認しいしい、食後のアイスティーをゆっくり飲んでおしゃべりしていた。

ほうれん草の胡麻和え
わかめとキュウリの和え物
サンマの塩焼き
はりはり漬け
じゃがいもと油揚げの味噌汁
羽釜御飯

打ち合わせは1時間半ほど。されどなんだかんだでいつもの半分も仕事が進められず、夕食間近までヒーヒー言いながらパソコンに向かっていた。明日からの仕事を更にがんばる鋭気を養うべしと、今日の夕御飯はサンマ!まだまだ安値とは言い難いサンマだけれど、南下していりサンマはこれから先、身が痩せていく一方だそうで、「とにかく食べたい、今食べたい」と買ってきたのだった。「サンマは嫌い」と主張する息子にはブリの切り身を照り焼きに。

時間もかけられず、レシピも何も見ずとも手早く準備できるものを……と、ほうれん草茹でたりわかめ戻したりで簡単な副菜を少しばかり。それでもサンマに添える大根おろしだけは、「鬼おろし」でがっしがっしと頑張って大量に削っておいた。

「サンマ、サンマ〜♪猫にもやらぬよ、私が食べる〜♪」
と歌いながら焼いていたら、息子が真剣に「お母さんは、サンマに取り憑かれちゃったの?どうすれば治る?」と心配そうに声をかけてきた。うん、割とサンマに取り憑かれている気がするよ。もうちょっとしたら「あん肝」とかにも取り憑かれるから大丈夫だよ。多分。

9月25日 木曜日
予定ではもっと春雨含有率が高くなるはずだったのですが
バタートースト
ハムエッグ
アイスカフェオレ
梨(豊水)

平日の夕御飯をだんなと一緒に食べられないのはいつものことだけれど、今日から数日朝御飯も一緒に食べられない。だんなは昨日から出張なのだった。

「お父さんいないの、やっぱりちょっと寂しいねー……」
「んー、まぁ、ほら、夜に一緒に食べられないのはいつもの事だし、あとは朝御飯だけじゃん」
も少ししたらお土産たくさん持って帰ってくるだろうからさ、と話しながら、今日の朝御飯はバタートーストとハムエッグ。梨を剥いて2人で1個食べきることができなかった(いつもは6等分して1人2切れ)ので、いつも通りに2切れずつ食べた残りは私の昼御飯代わり。

ちなみにお土産のリクエストは、マルセイバターサンドとマルセイバタ、白い恋人ならぬ「黒い恋人」(正式名称は白い恋人ブラック)、もしも買えたら噂の生キャラメルもねー……と、甘いものばかり。息子は一言、
「僕の分だけで、バターサンドが2箱欲しい」
などと不穏な事を呟いている。(そんなに好きか、バターサンドが……)
蟹やイクラも大歓迎。

ほうれん草と人参の白和え
春雨とひき肉の煮込み
ハムとコーンの中華風スープ
羽釜御飯
麦茶

今日は家から一歩も外に出ることなく、鋭意お仕事。flashを作る仕事が3つほど溜まっていたので、今日はおおむねflash職人と化していた。あはは……9月末日〆の仕事のゴールが見えてきたと思ったら、またでっかい仕事が動き出しちゃった……。年末あたりまで忙しい日々が続きそう。猫の餌代稼ぎと思ってがんばろう。

今日の夕御飯は、ひき肉料理。昨日黒豚のひき肉が特売になっていたのを買ってきて、氷温室に突っ込んでおいたのだけれど、どんな料理にするかは全く考えていなかった。ハンバーグっぽいのは火曜日に外食で食べているし、スパゲッティという気分でもないし、「いっそ里芋と一緒に煮るとか?」などとも考えた結果、中華風に春雨と煮込むことにした。麻婆春雨ではなく、「春雨とひき肉の煮込み」。参考にした周富徳さんの本にはそういう名前で載っていたのだった。

あらかじめひき肉はポロポロになるまで炒めておき、除けてから刻み生姜と刻みにんにく、豆板醤を炒める。スープ1カップほどと酒、塩、醤油、砂糖で調味した後、肉を戻し入れて、ぬるま湯に浸けておいた春雨も加え、あとは軽く煮詰めてから水溶き片栗粉でとろみをつければできあがり。仕上げに胡麻油と刻み万能葱ふって、食卓に出した。

本当は、春雨が倍量以上入るはずだったのだけれど、あると思っていた買い置きがうっかり無くて、使いさしの春雨全部を投入したら全然足りない感じに……。確か、「春雨7割、肉3割」というような料理だったと思うのだけれど、思い切り逆転してしまって、肉肉した春雨煮になってしまった。

「それはそれでね、御飯に合うと思うし……」
と、少し煮詰まり気味で塩気も若干強めにできあがった春雨煮は、結局御飯に乗せて食べていた。
ピータン豆腐を添えようと思いつつ、なんとなくふわふわした豆腐が食べたい気分だったので、豆腐は白和えに。練り胡麻を軽く混ぜ、少し甘めの白和えにした。

しかしこの春雨煮、生姜とにんにくでかろうじて中華風の香りがしなくもないけれど、まんま「御飯のおかず」っぽくて面白い。息子も「ん!これ、オッケー!」とか言いながらお代わりして食べていた。

9月26日 金曜日
今日の晩御飯はカレーライス!
ほうれん草とベーコンの炒め
チーズトースト
アイスカフェオレ

「食パンどうやってたべたい?」に対する息子の返事はいつでも「バタートーストがいいなー」なのだけれど、たまには別の食べ方にしようじゃないかということで、今朝はチーズトースト。オレンジと黄色のマーブル模様をしたコルビージャックがまだまだたくさんあるので、スライスしてパンに乗せ、オーブンへ。チェダーチーズに似た風味のあるチーズで、熱を通すとトロリと良い感じに溶けるので、チーズトーストにしたりピッツァにかけたりするのに向いていると思う。

夕御飯に出そうと思っていたほうれん草、夕飯に副菜あれこれつけるより、きっと息子は「カレーライスだけをお腹いっぱい食べたい」とか思ってるんだろうなあと思って、朝御飯に出してしまうことにした。ベーコンと炒め合わせて、普通に塩胡椒味。チーズトーストに少し乗せて食べたら、これも案外美味しかった。

ポークカレー
ポテトサラダ
トマト味の野菜のスープ
麦茶

明日の夜にはだんなが帰ってくる。帰宅は少し遅くなりそうだし、きっとお刺身だのラーメンだの食べてくるのだろうなぁと思って、カレーを煮ておくことに。やっぱりポークでしょう、と、豚バラ肉を買ってきて、いつも通りに一口大に切った肉にカレー粉と塩胡椒をまぶしてから調理に入った。

3時頃から煮始めたのだけれど、学校から帰った息子がうすら漂うカレー粉の匂いに反応して小躍りしている。
「今日はカレー?とろとろのカレー?」
「……とろとろ?うん、いつも通りに、サラサラでもイボイボでもないカレーだけど??」
息子は何を聞いてくるのだろうと不思議に思ったのだけれど、数瞬後に合点がいった。そうか、「ドライカレーじゃないよね」という意味で聞いてきたんだ。

先日、「カレーだよー」と言って、茄子と豚ひき肉のドライカレーを出した事がそんなに悲しかったのか、と苦笑いしてしまいながら、「いつも通りの、鍋に作るカレーだよ」と付け加えておいた。満足そうに頷いて、夕飯までの時間何度も「手伝うこと、ある?御飯の準備で大変なとこある?」と聞いてくる。どうやら待ちきれないらしかった。

そこまでカレーが待ち遠しいか、と、今日は若干早めの夕御飯。副菜は作らず、の方針だったのだけれど、夜になってなんとなくポテトサラダが恋しくなってしまったので、粒マスタードを少し混ぜた大人っぽい味のポテトサラダを少しばかり用意した。スープは、パプリカやブロッコリー、いんげんなど、ありあわせの野菜を水煮缶のトマトと煮たトマト味のもの。作り終わった後で「あ、豆も入れれば良かった」と思い至った。

学校とかのより、うちで食べるこのカレーが好き、と嬉しいことを言ってくれる息子と
「でも、うちのけっこう辛いでしょ。肉にそこそこ辛いカレー粉まぶして、中辛のルー使ってるから、"普通の中辛よりちょっと辛い"くらいだと思うけど」
などと話しながら、たっぷりよそったカレーをもぐもぐ。

カレーは危険だよねー、食べ過ぎちゃうと、もう動けないほどお腹いっぱいになっちゃうんだよねー……と言っていた息子は、本当に夕食後動けなくなっていた。……そんなに食べたんかい。

9月27日 土曜日
おかえりなさいー
スコーン(プレーン・カラント)
 クロテッドクリーム・アプリコットジャム・苺ジャム
ミルクティー

昨日うっかり、スーパーで見切り品割引シールのついたクロテッドクリームを見つけてしまった。
「安い……スコーン食べたい……」
と、その足でスコーンを売っているパン屋さんにも寄り、プレーンのとカラント入りのと、2種類のスコーンを2個ずつ買って帰ってきた。土曜の朝にスコーン、けっこう幸せ……と、起きるなり、とりあえずカレー鍋に火を入れていたら、息子が寄ってきた。

「お!今日の朝御飯はカレーうどんかぁ!?」
……違います。

「カレーうどんは、まだまだしないよ。あれはね、"もうカレーが残り少ないぞ、あと1人前あるかどうかだぞ"というタイミングになって、始めて選択肢になる献立なのです」
そう説明しつつ、紅茶の準備。オーブンでスコーンも軽く温めて、冷蔵庫からジャムやクロテッドクリームを出してテーブルに並べていたら、一度離れていた息子がまた台所に近寄ってきた。

「あれ!?カレーライスでもない!」

「ん?今日の朝はスコーンだよー。カレーライスって、私言ってないよ?」
「だって……カレーの匂いがしたら、カレーだ!って思うじゃん……」
息子は、朝からカレーライス大歓迎らしかった。

「朝からカレーだとさ……昼や夜もカレーってわけにいかないじゃん……」
「いかなくないよ、昼も夜もカレー食べるよ!」
「いや、私がイヤだ……」
昼御飯か夕御飯にカレーにしようねという事にして、ともかくも、うっすらカレーの香りが漂う空間でスコーンと紅茶の朝御飯。開けてみたクロテッドクリームは、今回なんだかやたらとサラサラと、ゆるめな状態。確か温度を上げるようにすれば固くなった気がする……と、スプーンで全体をかき混ぜていたら、見事にいつものねっちりとした"やや固めのホイップクリーム状"に固まってくれた。

僕はいちごジャムが好きなんだなぁ、と、ジャムは苺のばかりをつけている息子に対して、私はアプリコットの方が好きだけどなぁ……と、明治屋の巨大瓶入りアプリコットジャムを抱え込む私。そんなに苺が好きなら、明治屋の巨大瓶苺ジャムが発売される季節になったら買ってやろうかなと思ったのだった。でもこのシリーズ、果肉の粒が非常にしっかり残っているから、スコーンとかにつけて食べるには、実のところあまり向かない気もしたりして。

ほうれん草とコーンの炒めもの
ゆで卵乗せポークカレー
トマト味の野菜のスープ
麦茶

マルセイバターサンド

今日は一日、息子は友達たちと遊び回っていた。午前中は我が家で遊び、午後は外に遊びに行き、合間に昼御飯を……と思いつつ、でもまだあんまりお腹空いてないねと思っているうちに夕方に。なので、息子待望のカレーライスの夕御飯を早めに用意してやることにした。お米を炊く準備をして、今日はゆで卵トッピング。息子から「コーン入れたい」とリクエストがあったけれど、缶詰開けただけというのもなんだかつまらないなと、茹でたほうれん草と共に軽く炒め合わせて別皿で添えることにした。

昨日せっせと煮込みすぎたか、肉はずいぶん煮くずれつつある。このままいったらキーマカレーみたいになっちゃうわ、と思いつつ、食べる量は控えめにしてだんなの帰りを待つことにした。

で、午後9時近くになって、だんな帰宅。マルセイバターサンドにマルセイバタ、同じく六花亭の、ストロベリーチョコと、あとはサハリンの地ビール4種類。なんでも「黒い恋人」の単品売りは休止中(ホワイト30枚とブラック10枚のセット、みたいなものだけらしい……)だそうで、巷で噂の生キャラメルも、空港では販売予定時間の1時間前から数十人の行列が出来ているほどの大騒ぎだったらしい。

「でもね、あと、いろいろあるよー」
と、洞爺湖サミットの記念切手やら、手のひらサイズの「もやしもん」のぬいぐるみ多数やら(←たまたまはいったゲーセンで「なんか、500円入れたら4個取れちゃった……」のだそう)、なんだか色々。遅めの夕食にとだんながカレーを食べている隣で、息子と2人さっそくバターサンドをいただいた。

「北海道行ったら!あの赤と金の箱のレーズンサンド買ってきてくださーい!僕用だけに2箱買ってきてくださーい!」
と息子が騒いでいただけあって、やっぱりここのレーズンサンドは美味しい。なんでも「近くのパン屋さんで買ってきたレーズンサンドより、小川軒のレーズンサンドより、僕はこっちが好き」なのだそうで。残念ながら「僕用だけの2箱」じゃないから、家族で仲良く分け合って食べるのよ。

9月28日 日曜日
友人宅にて。ごちそうさま美味しかった〜♪
フレンチトースト
とうもろこし(ハーベストキング)
カフェオレ
梨(豊水)

秋も本格的になりつつあるこの時期に、妙な「コーンブーム」が訪れていた我が家。コーンスープだ炒め物だと(これらは缶詰使用だけど)、やけにコーンを使った料理が献立が続いていたのだけれど、だんなの北海道土産のひとつが「とうもろこし」だった。なんでも試食販売をしていて、その試食品が生のままのとうもろこしだったにも関わらず、素晴らしく甘くて美味しかったのだとか。しかも安かったのだとか。

「お店のおばちゃんに、"もっと買っていきなさい〜"って勧められたんだけど、さすがに持てなかった……」
と、ずっしりと重い大きなとうもろこしを、それでもだんなは2本持ち帰ってきてくれたのだった。昨日の朝収穫したというそれを昨日の昼に買い、それを今朝食べる。ああ、なんて幸せ。

品種名は「ハーベストキング」なる、これまたなんだか格好良いもの。粒は真っ黄色というわけではなく、クリーム色やら白っぽいのやら、一見すると「熟してないのかしら?」などとも受け取れる外見なのに、なのに、実の一粒一粒がはち切れそうな程にみっちりと膨れて並んで光っている。ああ、いかにも美味しそう。

で、茹でたてのとうもろこしと、あとはフレンチトースト、久しぶりに温かいコーヒーをだんなに淹れてもらってカフェオレに。

とうもろこしは、まるでお菓子のように甘かった。
「うっわ、なんだこのとうもろこし!」
「すっごい美味しい!」
「でしょ?生でも甘かったけど、茹でるとまた格別だねぇ……」
と、朝からとうもろこしにすごい勢いでかぶりついてしまった。

友人宅にて
 オリーブ・ドライトマト・生ハム
 イカとひよこ豆のマスタードソース和え
 サンマのわさびドレッシング
 パルミジャーノのリゾット
 茄子入りミートボールのトマト煮
 りんごのコンポートとアイスクリーム
 シードル

 「PIERRE HERME」のマカロン・ケーキ
 紅茶

今日は高校時代からの友人宅にお出かけ。新婚さんなのだけれど、だんな様はただいま長期出張中、「お昼用意するよ。イタリアンにしようかな、と思ってるの」とお誘いいただいて、お菓子と結婚のお祝い用意して伺った。お祝いはちょっと手で持って行きづらいものだったので(友人リクエストにより、スキレットと蓋のセット)、それらは今日の午前中に届けてもらう手配をして、スキレット料理のレシピ本とお菓子は手で携えて。

10年来(いや、20年来でした……)のつきあいになる友人だけれど、そういえば手料理をいただくのはこれが初めて。お互い自宅に遊びに行くことはあっても一人暮らしはしなかったので、私も友人に手料理をふるまったのは結婚してからが初めてだった。

ALESSI好きの友人らしく、居間や洗面台のそこここに可愛らしいオブジェのようなグッズが飾られている。
「ごめんね、まだ料理の全部は仕上がってないの」
という友人と、台所が伺えるダイニングテーブルの席から色々おしゃべり。これつまんでてねと出してくれた美味しいオリーブやオイル漬けのドライトマトをつまみつつ、近況報告などしていた。

御馳走になったのは、マスタードのソースで和えたイカとひよこ豆の前菜、軽く火を通したサンマの切り身にわさび入りのドレッシングをかけたもの、炊きたてのチーズの風味のリゾットに、ミートボールを具沢山のラタトゥイユで和えた感じのメインディッシュ。デザートにはリンゴのコンポート。

私はとってもものぐさかつ、時間や状況に追いつめられるとパニックに陥りがちなので、こういった「おもてなし料理」を考えると、「あとは当日温めるだけ」の煮込み料理を前日から仕込み、「冷蔵庫で明日まで冷やしておけばOK」な冷たい料理を準備して、更に「あとは焼くだけ」のオーブン料理を焼く直前の段階まで作っておいて、当日は「あとはこれを1品仕上げるだけ」みたいな状況にしてしまう。だからたとえ家族にでもコース仕立てで料理を「作っては出す」というのは苦手で(というかやったことない……)、すごいすごいと感激してしまった。私、リゾット炊くのもすごくご無沙汰してたと気がつき、最近とみに簡単料理しか作ってなかったなと、いろいろ反省。私もいろいろ頑張ろう。

この料理の本を参考にしたの、とイタリアンの本も見せてもらいつつ、でもそれとは別の家庭料理の分厚いレシピ本はすごく使い古されていて、自分の結婚当時を思い出すよう。そうそう、スキレットで肉じゃがも作れるよ、小林カツ代さんケンタロウさんの作り方が異様にスキレットでの調理に似合うんだよ、なんて話もしながら、美味しい物を前にずーっとおしゃべりしていた数時間。

ガラスの器入りの、カラフルな層状のムース仕立てのデザートを「PIERRE HERME」で買っていったので、それも最後に一緒に食べた。カラフルなマカロンは、ローズとパッションフルーツとココナツとアールグレイとバニラとアプリコット。説明のリーフレットもついていたけれど色合いが今ひとつわかりにくくて
「どれがアプリコット?」
「パッションフルーツはこれだよね?」
と1つ1つ確認しながら、これもつまんだ。

マカロンも、やっと最近になって前向きに美味しいなと思えるようになったお菓子の一つ。ピエールエルメのは美味しいと聞いていたこともあって、「マカロン好きですかー?お土産に持っていってもいいですかー?」と事前に相談してお土産にしてみたのだった。いただいてみたパッションフルーツ味のマカロンが、すごい勢いでパッションフルーツ風味でびっくりだった。大ぶりサイズでしっかりとした風味で、確かにここのマカロンは美味しいかも。

夕方4時過ぎて、友人とお別れして帰宅の途に。

茹でとうもろこし
ほうれん草とベーコンのサラダ
だんな特製ミートソースのリングイネ
ビール(Corona、モルツ)

お出かけするけど夕飯までには戻るからねー、と今日のだんなと息子はお留守番だったのだけれど、私と友人がお昼御飯を食べ終えようとしていた頃に
「夕飯はミートソースにしようと思います。お昼御飯とかぶってないよね?」
とメールがあった。かぶってないです、大丈夫です、と返事をしていたら、友人が「本当にかぶってないの……?」とトマトソース煮込みのミートボールを指さして笑っている。うん、かぶってないの、大丈夫なの。パスタ料理は、また違うジャンルなの。

で、夕御飯は、だんなが仕込んでくれたミートソースのリングイネと、こちらは私が用意したほうれん草のサラダ。サラダ用のではない、しっかりとした葉のほうれん草は、ベーコンをカリカリに炒めて酢と醤油と砂糖を加えて熱したソースをかけると、適度にフニャッと柔らかくなって食べやすくなる。玉ねぎとプチトマトを混ぜて、上には砕いたゆで卵も散らした。ミートソースは赤ワインと水煮缶のトマトで煮込んだいつもの味。

ミートソースを作り始めただんなが
「じゃ、久しぶりに"マーサ"になるかね」と呟いて、
「まずはチョップド・オニオンを作るところから始めるわ」
などと言い出したから笑ってしまった。マーサ、久しぶりだなー。ていうか、マーサ、ミートソースしか作ってくれないなー。

「お父さんとの夕御飯」は本当に久しぶりなものだから、息子は大変にハイテンションだった。ちょっとした一言でゲタゲタと大笑いして、たっぷり茹でたパスタもえらい勢いでなくなった。友人との豪華なお昼御飯と豪華なおやつ後で、「夕飯はいっそパンとサラダだけでも」という思いがそこはかとなくあったのだけれど、そんな思いもふっとんだ。ミートソースは今日もとっても美味しかった。