食欲魔人日記 05年02月 第1週
2月1日 火曜日
アメリカ〜ンな夕御飯。スペアリブ♪スペアリブ♪
「551蓬莱」の豚まん・焼売
プーアル茶
「ぼくねぼくね、おまんじゅう2個食べたいのね」
豚まんをふかそうとしていたら、今日もまた「2個食べたい」などという欲求を伝えてくる息子。551蓬莱の豚まんは、決して小さなサイズじゃないはずなのだけれど、最近の息子は軽くこれを2個一気食いする。

「あんた……お母さんは1個しか食べないんだよ……」
「お父さんも2個食べようかどうしようか悩んでいたとこだよ。2個で即決かよ!」
あれこれ協議した結果、豚まんは4個ふかして、私が1個、だんなと息子は1個半ずつ。同じ店の、豚まんとよーく似た味の焼売を1人1個ふかして、それもつつくことにした。ほとんど違わない具を使っていると思われるんだけど、豚まんは豚まんで、焼売は焼売でそれぞれ美味しい。それぞれ大好き。

ふふふ、あったかいわあったかいわ♪と、ほやほや湯気のたつ焼売にねり辛子コテコテなすりつけつつ、醤油に軽く浸して食べる。玉ねぎの甘さが感じられる、一口じゃとても食べきれないほどのボリュームたっぷりの焼売で、豚まん1個と焼売1個でお腹いっぱい。息子は「……やっぱり、おまんじゅうは2個がいいなぁ……」とか不穏な事を呟きつつ、豚まんも焼売も綺麗に平らげた。……だんだん息子の胃袋の容量が恐ろしくなってくる今日この頃(お弁当も、どうも最近は"ちょっと足りない"くらいの分量らしいしなぁ……)。

幕張 「LAZY AFTERNOON」のパンでトースト
ホットミルク はちみつ入り
今日の夕御飯は、とってもボリュームのありそうなものの予定。昼御飯はちょびっとでいいや……と、先日幕張で買ってきたパン屋さんの食パンをトーストにして食べた。"カルピス特撰バター使用"と書かれて売られていたスライスされていない山形パンを、厚さ1.3cmほどにざくざくスライス。カルピス特撰バターを軽く塗ってトーストにした。今日はさほど寒くない日だったけれど、なんとなく思いたってホットミルクにはちみつ入れて飲むことに。ちょっと甘くして飲むホットミルクは最高に美味しくて、はちみつ入れても美味しいし普通の砂糖でも充分いけるし、実は練乳入れて飲むのもすごく美味しい。

昨日食べた惣菜パンと同じく、やっぱり素朴な感じのパン。でも、厳選したこだわりの食材に、ちょっとばかり技術が追いついていない……というか、もっともっと美味しいのが作れるんじゃないかなぁという"向上の余地"みたいなのを感じるパンだった。いや、充分美味しいパンなんだけど、でもこれはもっと美味しくなるぞー……みたいな。上手く言えないのだけれども、そんな感じ。

スペアリブのバーベキュー 炭火焼き
アメリカンなコールスローサラダ
ポーク&ビーンズ
マッケンチーズ
ビール(モルツ・よなよなエール)

アフォガット
エスプレッソ

今日はちょっと早く帰れるかも……と言っていただんな、びっくりするくらい早く帰ってきた。今日は、先日COSTCOで買ってきた塊のスペアリブでバーベキュー。アメリカに住んでいた時、スペアリブはそんなに頻繁に食べていたものじゃなかったのだけれど、「アメリカの味」と言って思い出すのは分厚いステーキの赤身肉の味と並んで、スペアリブのバーベキューソースの味だったりする。

アメリカ〜ンな味のスペアリブにしようということで、それに併せて付け合わせもアメリカ〜ンなものにすることに。私たちの住んでいたアメリカ南部では「Meat'n Three」という「おかず1品+サイドディッシュ3品」というセットメニューが定番で、スペアリブにはコールスローとポーク&ビーンズ、あとは適当にパンかマッシュポテトか青菜炒めか……といったものが添えられることが多かった。

スペアリブは、まずはじっくり火を通すことに。骨つきの肉はかなりの大きさで、中華鍋と蒸し鍋をそれぞれコンロにかけて、2鍋態勢で蒸していくことに。1時間ほど蒸し、中まで火を通してからバーベキューソースに漬けた。ソースは前回と同じくKolis Innのコリスケさんレシピを参考にさせていただいて。

ウィスキー熱して、ケチャップやはちみつ(本当は"モラセス"という"糖蜜"を使う)、ウスターシャソースにマスタードにおろし玉ねぎにおろしにんにくに……とあれこれ加えて軽く煮詰めて作る自家製ソース。シンガポールでハインツのバーベキューソースなるものも見つけてきたので、それも少しブレンドしてみた。ハインツのバーベキューソースだけだと、甘さがやけに少なくて大人っぽい味だったので適当な量を混ぜ混ぜ。ふわんと漂うウィスキーの風味やこってりと舌に溜まるような甘さの具合が、「そうそう、リブ屋で舐めたバーベキューソースってこんな感じだったよ!」というものになり、それを蒸したスペアリブにどっぷり絡めてしばし置いておく。

付け合わせは、コールスローとポーク&ビーンズ。ポーク&ビーンズは作る余裕があまりなくて(何しろコンロがずっとふさがりっぱなし……)、缶詰を使ってしまうことにした。アヲハタの缶詰開けて、器に移してレンジでチンするだけ。これがまた笑っちゃうほど「それっぽい味」(実際、お店でもいかにも缶詰な味のを出してくるところ多かったし……)だ。

コールスローは、手持ちのマヨネーズが残り僅かだったということでマヨネーズから自家製。卵黄と酢を混ぜ合わせ、そこにサラダ油たらたら垂らしつつ泡立て器でかき混ぜてマヨネーズを作り、そこにレモン汁や砂糖、塩を加えてドレッシングを作成。そこに刻みキャベツと刻みにんじん、刻みセロリを加えて揉みこみ、それっぽい味のコールスローを目指した。そう、アメリカで食べたコールスローはどこで食べても強烈にセロリの味がして(実際にセロリが入っていることもあるし、"セロリシード"なる粒々がたっぷり入っていることも多かった)、だから「アメリカのコールスロー」を作るときにはセロリがないとなんとなく寂しくなる。

で、あとは息子の大好物「マッケンチーズ」。小麦粉とバターと牛乳でホワイトソースを作り、そこに鮮やかなオレンジ色をしたチェダーチーズを皮むき器でザーリザーリ薄切りにしながら加え熱して溶かしてソースにする。そこに茹でたマカロニを和えるだけ。しごく簡単な料理だけれど、アメリカ〜ンな肉料理の付け合わせなんかにはとってもよく似合う。

「あっはっは、やったやった、見事にミート&スリーになったよ」
「うん、何だか懐かしい光景だねぇ……」
とか言いながら、なのにテーブルの中央には炭火焼きセット。やはりリブは炭火焼きが一番だよね、と、卓上で煙モクモクにして(この寒いのに窓開けて、クーラーの空気清浄モードつけて、閉められるドアは家中閉めて歩いて)リブをジュージュー焼いて食べた。

炭火焼きセット、ずーっと前にdancyuのモニターか何かで安価に手に入れたファイヤープレイスというものなのだけれど、使うのはすごく久しぶり(何をどうやって食べてもすんごく美味しいんだけど、なにしろすんごく煙もくもくになるので……)。

適度に焦げ目のついたリブを2〜3本ずつ適当に切りつつ各自の皿に分けて食べたのだけれど、これがもう「ああ、もう外食でリブ食べなくてもいいやー……こっちが旨いし、安いし」という気分に浸れまくれる幸せな味だった。表面はバリカリッと、中はふっくらと。甘さの強めなこってり味のバーベキューソースを仕上げにもコテコテ塗りながら、家族全員口も手もベタベタに赤く染めながらもりもりと食べた。1ラックじゃきっと物足りないわねと2ラック買ってきたのだけれど、
「おお、このリブならいくらでも食べられる、食べられるぞ〜」
と吠えただんながもりもりと食べてくれて、1本も残さず完食。食べた食べた、ついでにビールも4缶開けて、食べ終わる頃には何だかぐにゃぐにゃ。

「……うん、美味しいんだけど、洗い物が大変なんだよね、とにかくね……」
と言いながら炭火焼き器やらチーズクリームつきの鍋をせっせと洗っていたら、だんながエスプレッソ淹れてくれた。バニラアイスに熱いエスプレッソかけていただくイタリアのデザート"アフォガット"を用意してくれて、ほんの数口分のそれをいただいてから、最後にエスプレッソを2杯ほど。
はぁ〜、美味しかった〜。(しばらくケチャップ系の味のものはいらないわ、という気分にもなったけど……)

2月2日 水曜日
今年初の牛角、これはピートロニンニク醤油……かな
バタートースト
だんな特製 オムレツ
ホットココア
ここ数日、朝起きると決まって胃のあたりがキリキリいうようになった。
「……これはアレですか?子供が登校拒否になったりするのと似たような感じってやつ……?」
割と冷静に思いつつ、でもナイフで刺されたような鋭い痛さじゃないから潰瘍とかとは違うだろうと。まぁ胃が荒れてるんだろうなと(おう、原因はいくらでも心当たりあるぞー……しくしくしく)。

でも、今日は割と派手に痛いな困ったなと思っていたら、だんなが早々に気づいて
「どした?おゆきさん」
と声をかけてきてくれた。ほら、こないだから腹が痛いって言ってたじゃん……それが今日はちょっと強めに痛い〜……と呻いてたら、
「牛乳飲んで、胃に膜張ったら?あと、胃酸を抑える薬もあったと思う……」
今朝は俺が幼稚園に息子連れてくから。あ、あと朝飯も……とてきぱき動き出してくれる夫。

「ああ、牛乳……ホットミルクで、蜂蜜入り……いやいや、練乳入りもいいよねえぇぇぇぇぇ」
布団から顔だけ出してそう言ってたら、
「ああ、このヒト、けっこう大丈夫そうやね……」
と笑いながら台所へ去っていった。結局、蜂蜜入りホットミルクでも練乳入りホットミルクでもなく、ココアを飲みましょということに。だんながトーストとオムレツを作ってくれて、私は寝間着着たままもぐもぐとそれらをいただいて、寝間着着たまま息子とだんなを「いってらっしゃーい」とお見送りした。

だんなの作ったココアはちょっぴり砂糖控えめだったので、後から自分で砂糖ドボッと追加してみたりして。バターたっぷり入ったオムレツはちゃんとオムレツっぽいオムレツで、相変わらず綺麗なオムレツがいまいち上手に作れない私は今日もちょっぴり悔しかった(上手く作れない→だんなに任せちゃう→だんないない時はもう作らない→一向に上手くならない、の悪循環……)。私、卵焼きはかなり得意なだけに、情けないやら悔しいやら。

「牛角」にて
 カクテキ \390
 チャンジャ \390
 やみつき塩キャベツ \290
 ニンニクホイル焼き \390
 ネギタン塩 \630
 豚タン塩 \390
 ピートロニンニク醤油 無料
 チャックリブカルビ 無料
 熟成カルビ(タレ) \590
 ミノ(塩) \490
 熟成ハラミ(タレ) \490
 中落ちカルビ(タレ) \390
 王様ソーセージ \390
 お子様焼肉セット \580
 ごはん(中) \220
 コムタンスープ \490
 冷麺(ハーフ) \390
 牛角アイス \180
 白玉きなこアイス \180
 ジャスミン杏仁豆腐 \180
 シークワーサーサワー \100
 生レモンサワー \100
 ピンクレモネードサワー \100
 焼酎お湯割り \100
 カルピスサワー \100
 カルピス \100
……なんか、ヤケクソのように食べたなぁ……(こうして書いて、ちょっとびっくり)
胃が荒れてる時はいっそ食べない方が良いのかしら……と思いつつ、昼飯は抜いて様子を見てみる。夕方にはすっかり空腹になったし、心労のあまり食欲が失せるということもどうやら全然ないらしく、辛抱たまらん〜……と思っていた頃に、だんなが今日も相当早い時間に帰ってきてくれた。

「あー、おかえりー。……一応ね、ヒラメとか買ってきたのよ、今日魚料理しようかなって。でもさぁ、今だったら、牛角がドリンク100円やってるんだよね……」
「牛角。うん、いいかも」
「行く行く?行っちゃう?私ね、仕事の報酬が入ったから今はけっこうお金持ちなんだよー。4000円は私が出してあげよう」
「よっしゃー!」
ということで、急遽牛角。最寄りの牛角では、平日夕方6時半まで、サワーやソフトドリンクが100円になるキャンペーンをやっている。昨日たらふくリブ食べちゃったから「今日はさっぱり、軽めにしとこうね」とか言っていたのに、全然さっぱりも軽くもない夕飯になってしまった。

調子に乗ってカッパカッパとあれこれ飲みながら、今日も食べた食べた。2品分の無料券があったのでそれもしっかり使い、シメの麺やデザートまでしっかりたっぷりいただいた。
「私、チャンジャ大好きじゃけぇ」
「俺はカクテキが大好きじゃけぇ」
「ぼくはねぇぼくはねぇ、やきにくセットー!」
それぞれ勝手な事言いつつ、各々好きなものを存分に注文し、全部綺麗にたいらげた。

「チャンジャ」とは、タラの内蔵(主に胃袋)を原料としたキムチなのだけれど、ここ1年ほどの間に私の大好物となってしまった食べ物。以前、「キムチでやせる」で購入したそれがとにかく美味しくて、それさえあれば御飯何膳でもいけちゃうわねと思われた危険な存在と化していたのだけれど、この度初めて牛角でも注文してみた。……あはは、けっこう美味しいぞー……これでも御飯何膳でもいけちゃうぞー……という、これもやっぱり危険な存在だった。辛くって、ほのかに甘く、そして旨味たっぷりで、白菜キムチとはまた違った奥深い味がするキムチだ。つい先日「キムチでやせる」で注文したばかりなので、数日後には我が家にもチャンジャが届くはず。楽しみだなぁ。

で、今日も牛角らしい「ピートロニンニク醤油」みたいなイロモノメニューも注文しつつ、ミノやハラミなどの内臓系もちょこちょこと。決して「良い肉!」を使っているという風ではないし、タレもジャンク寄りな味なのだけれど、そのイロモノな感じが妙にツボ。肉をがつがつ食べた後にいただくハーフサイズの冷麺が程良いサイズで、温泉卵がぽとんと落とされたそれを今日もいつもと同じように注文して同じように平らげた。

「……で?おゆきさんは"牛角アイス"?」
「……う……そうだよ……」
「おかあさんは牛角アイスなのね?」
「ええそうですよ、迷わずそれですよ……」
夫と息子に見透かされつつ、デザートはバニラアイスにきなこと黒蜜かけた、「信玄餅」味のアイスクリーム。何だか今日はやたらと盛りが良くで、だんなの頼んだ杏仁豆腐と共に溢れそうな分量になっていて、
「うわっなんじゃこりゃすごスギルー」
「嬉しスギルー」
「多スギルー」
歓声あげつつ、やっぱりぺろっと食べちゃったのだった。いつもの1.7倍くらいあったよ。

2月3日 木曜日
ちょっとクニュクニュだったピザ。……いまいち……。
フルーツグラノーラ with 牛乳
ビミョ〜な腹痛が続いているここ数日。なのに昨日はやけ食いのように焼き肉もりもり食べちゃったので、今日はちょっと様子見にと、一日あんまり食べない方向で過ごしてみようかなと。たまには絶食みたいな事をしてみるのも悪くない。

「朝御飯、久しぶりにコーンフレークにする?」
「うん!今日はね、今日はね、フルーツループを食べる!」
「おっけー」
だんなは朝ジムに出かけて行った後なので、息子と2人の朝御飯。息子の分だけザラザラッとシリアルを用意したら、
「おかあさんは?いっしょに食べないの?いっしょに食べるほうが、うれしいと思うよー」
と言われてしまった。うん、じゃあ私も少しだけー……と、私はフルーツグラノーラに牛乳ちょびっとかけて、分量はいつもの1/4くらい。

今日はねー、ようちえんでね、せつぶんなんだよー。と、今日も御機嫌な息子。唐突に
「おかあさんは?なにおに?」
と聞いてきた。

「……へ?"なにおに"?」
「うん、なにおに?おなかの中に、何の、鬼さんがいるの?」
どうやら幼稚園では、「みんなのお腹の中にいる悪い鬼さんを退治しましょうねー」という話になっているのであるらしい。
「えっとー……"ものぐさ鬼"かな……いや、"まぬけんぼ鬼"……"くいしんぼ鬼"……」
思い当たる欠点をたて続けに呟いていたら、息子は
「ぼくはねぇ、ぼくはねぇ、あわてんぼ鬼!」
と高らかに宣言した。まぁ、自己分析完璧ね、息子。

「サイゼリヤ」にて
 ミックスピザ
 ドリンクバー(ウーロン茶)
「同居しているおばが入院した」なんて重要な事を、なぜか孫のブログのコメント欄で告白している私の母。昼過ぎにその投稿を見てびっくりして、慌てて電話してみる。
「ちょっとちょっとママン?おばちゃん入院したって?」
「んー、まぁ、数日で退院できる病気だったから。大丈夫よ」
「……なら、まぁ安心だねぇ……」
「それより由紀ちゃん、あんたのホームページどうしたの?皆さん心配なさっているじゃない」
「あーあはは……うん、それも、ねぇ……」

そう、私の母は私の息子のブログに日参している(どころかせっせとコメントまで投稿している)。最近は、私のサイトとだんなのブログと両方チェック入れてるらしい。ひとしきり話した後、
「だんなさんが朝からちゃんと運動しているのに、あんたはどうなの?ちゃんとジム行ってるの?」
なんてツッコミもいただいた。……行ってるよ一応……今週はなかなか行けてないけど……。

「家族や友人には絶対見せられない!」というWeb日記をつけている方も少なくないし、そういう日記をつけるのも悪くないなぁと思うのだけれど、このサイトはなんとも開けっぴろげな存在で、我が母とか義妹とか昔からの友人たちとか、果ては友人のお母様とか(!)、とにかく色々な「リアルな世界の知り合いたち」が読んでいる。だからつい、そういう人たちに伝えるつもりでけっこう個人的な事も書いてしまっていたのだけれど、どうやらそれがよろしくないんだなぁ……と、今更ながらにいろいろ学んでいる私。

昼御飯は予定どおりスルーして、夕方に用事があって息子と一緒に船橋にお出かけ。
「ごめんね、お母さんの用事済むまで座って待っててくれる?」
息子に伝えた後ごにょごにょと数十分かけて用事を済ませたら、言いつけ通りに椅子に座りっぱなしで声も発さずじーーーっと待っていた息子。あんまり偉かったので、帰りに何か買ってあげようということになった。

「ジュースでもシェイクでもアイスでもお菓子でもいいよ、500円までのもの、1個買ってあげる」
「……おもちゃでも、いい?」
「うん、いいよおもちゃでも500円までなら」
500円までのおもちゃ。デパートのおもちゃ売り場に行っても、予算と好みがうまいこと合致するのはないかもなぁ……ということで、船橋駅前のLOFTのパーティーグッズやらキャラクターグッズやらが売られているところに行ってみた。息子、大喜びで1時間くらいかけてあれこれ眺めた挙げ句、「これー」と選んだのは「おふろの電気消して!」という名前の風呂場で遊ぶおもちゃだった。発光棒仕込ませたプラスチック製の魚を暗くした風呂場でぷかぷか浮かべて遊んでね、というもの。私は熱烈にマンボウとクラゲが欲しかったのだけれど、息子の「これー」と共に指さした先はクマノミに一直線に伸びていた。約束なので、クマノミ買って、そして帰宅。

最寄り駅まで帰ってくると、もうけっこう遅い時間。
「おかあさん……お腹ベコベコになったよ……」
「うん、お腹空いたよねぇ……って、だからさっきおもちゃじゃなくてドーナツとかお菓子にしとけば良かったじゃん」
「サイゼリアがいいなぁー」
「なんだとう」
「サイゼリアのスパゲティがいいなぁー」
「……じゃあ夕飯にスパゲティ作ってあげようか?」
「それもいいんだけどー、でもー、サイゼリアがいいなぁー」

サイゼリアがいいなーサイゼリアがいいなー言われ続けて、今日はだんなも遅いらしいし、と根負けしてサイゼリヤに寄ってきてしまった。「サイゼリア」とも「サイゼリヤ」とも言われているけど、どうやら正式名称は「セイゼリヤ」なるこのお店、かなりチープな感じのイタリアンファミレスだ。かなりお安い。時々食べる冷凍のエビピラフがめちゃめちゃ美味しく感じちゃったりする人(←私だ)には、かなりぐっとくるお店だと思う。生ハムがあったり割とちゃんとしたモッツァレラチーズが使われていたりと本格的な部分も感じられるのに、でもとってもチープな味で、そこがまたお気に入り。息子がやけに執心するのは、多分、ドリンクバーで好物のソーダ類がいくらでも飲めるからだ。

「ぼくねぇ、まずー、コーンのスープでしょ、おこさまポテトでしょ、あと、キッズプレートとー、ドリンクバー!」
「……そんなに喰うか」
「うん、ぜんぶ食べられるよ」

スープにポテトにお子さまランチにドリンクバーに……と注文してもたったの540円のこのお店。私はごく軽く、ドリンクバーからウーロン茶だけを持ってきて立て続けに3杯飲みつつミックスピザをつまんだ。480円のピザは薄焼きで、サイズも小さめ。モッツァレラチーズときのこ、ハムがトッピングされていて、いつもなら2枚くらい一気食いできそうな分量の可愛いピザだ。ビール飲みたいけど、今日は止めておこう……と、ウーロンチ茶ちびっちび飲みながら、食欲旺盛な息子を眺めながらピザをゆっくりつまんだ。途中で「ポテトが多い〜」なんて泣き言が出るかと思っていたのに、気がつけば皿は綺麗に空になっていた。

最近の息子は、幼稚園からの帰り道「ぼく!走る!」と、私が自転車をこぐ脇でてけてけと走り続けて帰ってきたりする。体力がいろいろ余っているようで、駅のエスカレーターなどでも脇の階段をダッシュで駆け上がったりしている。そのあたりが食欲増大に結びついてもいるようで、食べても食べても空腹になっちゃうらしかった。羨ましいやら、先が恐ろしいやら。

「はぁ〜、今日もおいしかったねぇ」
「君はいいねぇ。母ちゃんはまだ腹がなんか痛いんだよ」
「そっかぁ」
御機嫌な息子と帰宅して、豆まきして豆を囓って、買ってきたばかりのおお風呂のおもちゃで遊びながら入浴。……そういえば、息子のサイゼリヤでの夕御飯、スパゲティーじゃなくてハンバーグとパンのセットだったじゃん、と気づいたのは9時を過ぎてからの事だった(やはりジュースが主目的だったか、息子……)。

2月4日 金曜日
ヒラメのシンプルなオーブン焼き
稲毛「かのん」の
 クリームパン
 ツナパン
カップスープ(ポタージュ)
カフェオレ
我が町に新しくできた個人経営のパン屋さん「かのん」。先日買ったクリームパンはかなり好みな味だったので、再び買ってきてみた。今度は家族3人分、3個のクリームパン。大きくはないクリームパン(かといって小さくもないんだけど)なので、小ぶりな惣菜パンもだんなと私用に1個ずつ買ってきた。ハムチーズとツナパンと。

「……というわけでしてー……カップスープ用意する?それともコーヒー?」
「……どっちも」
「……どっちも?」
「そう、どっちも」
だんなはコーヒーもカップスープもご所望ということで、両方用意してあったかい飲み物を2種類目の前に並べつつ、朝御飯。

全体的に価格の手頃なパン屋さん、クリームパンは1個90円。ねっちりもっちりしたどっしり重ためのカスタードクリームは、バニラビーンズの粒が点々と散っている本格的なもの。甘さが私の好みよりごく微量に物足りない傾向にあるのだけれど、でも我が家近くで購入可能なパン屋さんの中ではダントツに美味しいクリームパンだと思う。以前食べた神楽坂「亀井堂」のクリームパンはババーンと巨大で、懐かしげな感じの、これまたごっつぅ美味しいクリームパンだった。美味しいクリームパン求めていろんなパン屋さんで買い歩きしてみたいなぁ……と思いつつ、でも近所でこれだけ美味しいのが買えるのはけっこう幸せな事だわー、と思ったり。

ヒラメとじゃがいものオーブン焼き
タコとリーフレタスのにんにく風味サラダ
コールスローサラダ・ポーク&ビーンズ
かぼちゃのスープ
「LAZY AFTERNOON」の食パン・バター
リモンチェロの紅茶割り
仕事は山なのに、息子の小学校の入学説明会とかいうものがあったため、何だかバタバタ。さすがにそれをサボるわけにもいかず、「眠い……パソコン持ってきて仕事したい……寒い……」と心中ずっと呟きつつ数時間の説明会に参加してきた。恐怖の「さんすうセット」(おはじきや点棒それぞれの名前つけ大イベントがもれなく付属)も説明会後の販売会で買ってきた。ああ、やっぱり「さんすうセット」は必要なのか……と暗澹たる気持ちになりながら、パソコン用の専用シール用紙を買おうと決意。シールを印刷してくれる通販サイトもあるけれど、多分これが一番安上がり〜。

今日もなんとなく昼御飯はスルーしつつ、夕飯は一昨日に買ったまま氷温室に突っ込まれていた魚介を調理しちゃうことにした。ムニエルかバター焼きにしようと思っていたヒラメの切り身と、サラダか冷たいおかずに加工しようと思っていた茹でダコ。スペアリブ調理した時に作ったコールスローなどがまだ余っていたので、洋風なおかずにしなきゃなぁと思っていたのだった。

手元には1日に発売されたばかりの『ELLE a table』。『ELLE』系列の料理雑誌ということで、中身はかなりおハイソな感じなのだけれど、洒落た調理小物が紹介されていたり、目先の変わったレシピが掲載されていたりと、なんとなく毎号購入している。
「今回は〜、野菜料理特集〜」
とパラパラめくってざっと読んだのだけれど、「アクアパッツァ日良実さんのSEAFOOD Calendar」という毎号の特集記事の今号の題材が「カレイ」。フリットにしたカレイの切り身を加えたお米のサラダと共に、「カレイとじゃがいものオーブン焼き」が掲載されていて「これだ!」と思った。

耐熱皿に薄くスライスしたじゃがいもを敷き詰め軽く塩して、そこに丸のままのカレイ(ウロコや内臓は取る)を置いてオリーブ油をたっぷりかけオーブン焼きにするという料理。仕上げにイタリアンパセリを散らしてできあがり……という、塩と油で調理するだけの簡単な料理だ。うっすらきつね色に色づいたじゃがいもと焦げ目のついたカレイの色のバランスが美しい料理の写真が載っていた。

私の使うのはカレイではなくヒラメ、しかも丸魚じゃなくて切り身。じゃがいもの上にヒラメの切り身を乗せたところで、白on白で色合い的には全くもってイマイチなのはわかりきっていたけれど、これを作りたいなぁと思ってしまったので作ってみることにする。

グラタン用の耐熱皿に5mm厚さにスライスしたじゃがいもを並べ、塩をバラバラッと。魚の切り身を上に乗せたら、だばだばだ〜ってな感じにオリーブ油を回しかける。あとは250度のオーブンで約20分。魚が美味しそうに焼けたら、イタリアンパセリを添えて完成。魚を焼いている間に、「タコはそれじゃあサラダにしよう」と、ぶつ切りタコとレタスをおろしにんにく少々と共にシーザーサラダ用ドレッシングで和えておいた。かぼちゃは皮剥いて一口大に切り、みじん切り玉ねぎと一緒に顆粒コンソメを溶いた少量の湯で柔らかく茹でてから、ハンドミキサーでギャギャギャギャギャと粉砕して牛乳加えて温めて簡単ポタージュに。半端に残っていた食パンも食べてしまおうと、薄切りにしたそれをざくざくと4等分に小さく切って平皿に積んで出した。今日は、息子と2人の夕御飯。

ヒラメのオーブン焼きは思った以上に美味しかった。淡白な身は、でもパサパサではなくてしっとりと柔らかい。魚の焼き汁とオリーブ油がほどよく染みたじゃがいもも、魚が焼ける頃には良い具合に火が通っていた。調味料を使わない料理だからオリーブ油は香りの良い物の方がよいかなぁ……と手持ちのオリーブ油で香りの良いものを使ったのだけれど、それも良かったらしい。ヒラメじゃなくても白身魚でもサーモンなんかでも応用がききそうで、手軽なレシピをまた1つ覚えられて嬉しいなぁという結末になった。

セイロンティーをアイスで用意したのだけれど、「……酒が飲みたい……」と、イタリアのレモンのお酒「リモンチェロ」をアイスティーで割ってからちびちびと飲んだ。「リモンチェロ」、本来は食後酒として冷凍庫でキンキンに冷やしたそれをストレートで飲むのだそうだけれど、紅茶を混ぜると甘いレモンティーのようになる。飲みやすいもんだからつい2杯3杯と飲んで、んであっさり酔っぱらってしまったのだった。リモンチェロは危険だ。

2月5日 土曜日
ひさしぶりに「はままるうどん」
「ミスタードーナツ」にて
 バタークランチ
 チョコクリスピー
 ミルクチョコラテ
今日は、お出かけ。
「……朝御飯、どうするー?」
「どうしようか」
「……いま、ドーナツ100円セール中だよ」
「いいねぇ」
ぽつぽつと会話を交わした後、おでかけして駅前のミスタードーナツで朝御飯。

価格均一セールをやっているとなると、つい「お高めのドーナツを選びたい」という意識が働いてしまうもので、
「んー……これは140円……こっちは120円……」
と値段を見ながら選んでしまう。無欲な息子は
「んとね、このー、チョコのやつと、カスタードクリーム!」
最低価格帯に属するドーナツを早々に2つ選んで御満悦。私も自分の欲望に忠実にあらねばと、バタークランチ(定価105円)とチョコクリスピー(定価126円)を選んだ。ココアっぽいものが飲みたかったので冷たいミルクチョコラテと。

バタークランチの黄色い粒をボロボロ皿の上にこぼしながら(後で綺麗に息子がつまんで食べていた)、だんなからコーヒーも分けてもらいつつ甘いドーナツを堪能。昔々、「クリームが入ってるドーナツはキライ。変にふわふわしているドーナツもキライ」と、ドーナツ屋さんではオールドファッション系のものしか好みなものがなかった私の、数少ない「好きなドーナツ」のひとつだったバタークランチ。あの黄色い粒々の材料は、卵とバターと砂糖が主なんですって。

海浜幕張 「はなまるうどん」にて
 温玉ぶっかけ(中・冷) \399
 かしわおにぎり \158
 さつまいも天 \95
 野菜かき揚げ \95
今日は映画鑑賞。公開を楽しみにしていた「オペラ座の怪人」を親子3人で見に行った。息子の映画鑑賞体験はこれで3度目になるのだけれど、動物や魚がいっぱい出てくるものでなく、アクション活劇でなく、ましてやアニメではなく、ちょっとばかりオドロオドロした中世ゴシックな世界の映画。ドレスと剣と薔薇と……という雰囲気の映画だから大丈夫かなぁと心配しつつ、
「……お父さんとお母さんは"オペラ座の怪人"を見に行こうと思います。……一緒に行く?」
「んー……こわい?こわい映画?」
「……うーん、別に怖くはないと思うよ」
「じゃあ、行く」
なんてやりとりの後、息子も一緒にということになったのだった。

先に映画館で午後の回の席の予約を入れてから、ぽてぽてと幕張散策。アウトレットモールが全店バーゲンセール実施中ということであれこれお店を見て歩き、駅前ビル内にある「ちばや〜」という沖縄食材屋さんを覗いて沖縄そばや泡盛などを買い込んでお昼御飯。うどんが食べたいねぇ……と、チェーンさぬきうどん屋さん「はなまるうどん」に行くことにした。

カウンターで10種類ぐらいあるうどんメニューから好みのものを注文し(サイズは大中小の3種類あり、あったかいのと冷たいのを選択できるものも多い)、セルフサービスでおにぎり類や天ぷら、おでんを小皿に盛りつける。天かすや胡麻の入った容器は、お茶やお水のディスペンサーと並んでいて入れ放題。
「肉うどん……カレーうどん……うーん迷うなぁ……でも、天ぷら食べたいから、ぶっかけみたいなのがいいかなぁ」
と、私は温泉卵をトッピングした冷たいぶっかけを。だんなは大サイズ(←3玉入り!)の肉うどん、息子は小サイズのざるうどん。小さなかしわおにぎり2個の小皿と、天ぷら2個をトレイに乗せて、それで800円弱。

甘さちょっと強めの濃いめのだしがかかった冷たいうどんには、温泉卵とねぎのトッピング。丼の底に溜まるだしに天ぷらをピタピタと浸しながら、がつがつしっかりいただいた。野菜かき揚げにはかぼちゃや玉ねぎがたっぷりで、野菜の甘さがじわっと感じられる好みな味だった。

「映画はね、ポップコーン食べながら、みるんだよ」
「あー、そうか、ポップコーン必須か。そうだね」
「ジュースさぁ、ペットボトルの買っていけばいいんじゃない?」
家族全員、けっこうたらふく食べたはずなのに、コンビニで1人1本ドリンク買って、映画館入り口でミディアムサイズのポップコーンも買い込んで、いざ鑑賞。

ミュージカルや演劇の類は元々好きなのだけれど、何よりだんとつに好きなのが「オペラ座の怪人」。何度か映画化はされているけれど、現在公開中のはアンドリュー・ロイドウェーバーの音楽を使った「ミュージカルをそのまま映画に」という趣向だそうで、とても楽しみにしていた(原作小説はもっとオドロオドロした内容なので、原作をベースにした映画だとホラー映画になっちゃう……らしい)。怪人は渋いイイ男で、クリスティーヌはちょっとコッテリしているけど可愛いし、クリスティーヌの恋人ラウルはフリフリブラウスが似合う絵に描いたような「王子様」だったし、前評判を聞いた時に感じた以上に面白い映画だった。

ただ、やっぱり基本が「ミュージカル」なので場面転換が頻繁。「映画」として見るにはちょっとバタバタだったのかなぁという気もした。見る人にはストーリー知らない、元になったミュージカル見たことない、という人も少なくないと思うけれど、そういう人の目にはどういう風に写ったのかがちょっと気になる。「劇中劇」のおもしろさなんかは、やっぱり劇場で見るのが迫力かな、とか("オペラ座での演目"が目の前で展開されるので、自分がオペラ座の観客として舞台に参加している気分になれる)、ミュージカルの舞台とあれこれ比較しながら楽しんだ。映画も映画で良いし、舞台も舞台でそれぞれ素敵。

場面そこここでの歌はミュージカルと同じものが使われ、演劇では表現しようもない部分があれこれ描かれているのも良かった。ミュージカルじゃ描かれない、「怪人はラストシーンで死んだわけじゃあなかった」とか「怪人がオペラ座の地下に住みついた理由」などという部分が出てきたのもちょっと嬉しかった。2時間半近くのかなり長々とした映画で、それでも静かに画面に見入っていた息子は終了後に
「おもしろかったけど、おもしろかったんだけど、長くてちょっとつかれちゃった。トイレいきたくなっちゃったし」
だそうで。細かく作られていたオペラ座の裏舞台の光景あたり、DVDが出たら巻き戻ししたりしながらじっくり見たいなぁ。

常夜鍋(ほうれん草・豚バラ肉・うどん)
冷や奴
日本酒(吉乃川 仕込52号 越年古酒)
帰宅すると、もう夕方。
「お、今から行けばパンプ行けるじゃん、間に合うじゃん!」
帰宅するなり、だんなはうきうきとスポーツジムに行ってしまった。夕飯の材料買ってくるよと言ってくれたので、そのまま待機。鍋がいいなぁ、常夜鍋とか、湯豆腐とか……という話をしていたのだけど、
「両方できるように両方材料買ってきた!」
と、大荷物抱えただんなが帰ってきた。

今の気分はほうれん草と豚肉だったので、今日は「常夜鍋」。我が家の常夜鍋はこれ以上なくシンプルで、適当に刻んだほうれん草と薄切り豚バラ肉を昆布だしで火を通しては食べていくだけ。味つけは、ただひたすらにミツカンごましゃぶ。適度に主張が無い味のこのタレにほうれん草と豚肉をひたしつつ食べると、比喩じゃなく一晩中食べ続けられそうな気分になってくる。
「そうそう、こないださ、しゃぶしゃぶ屋さんに行ったら"ごまだれにラー油落としても美味しいです"ってメニューに書いてあったんだよ」
と、今日はへんこのラー油を途中タラタラ垂らしつつ。風味の良いラー油でちょっと目先も変わり、ますます美味しく食べられた。いかん。とまらぬ。

「うまいね」
「うまーですね」
と、以前新潟物産展で購入した新潟のお酒「吉乃川」をひたすら冷やでくいくいと。4合瓶だったのだけれど、気がつくと綺麗に空になっていた。酒が空になる頃には、鍋の中のスープはほのかにほうれん草の色が溶けていて、ごく薄い緑色。豚の旨味も吸った美味しいものになっていて、そこに塩胡椒しただけのスープで、うどんをちゅるちゅると啜った。毎日冬らしい寒さが続いていて、鍋料理がしみじみ美味しいねー。

2月6日 日曜日
今日はキムチで晩酌だー♪
ホットケーキ
ポークたまご
ポーク&ビーンズ
カフェオレ
ホットサンドが食べたいな食べたいなと思っていたのに、うっかりサンドイッチ用のパンを買い忘れていたのに気がついた日曜の朝8時半。
「……ホットサンド、食べたい……9時になったらスーパー開くから行ってくるかな……いやいや、パン屋さんならもう開いてるから、とりあえず適当なパンを買ってくるか……」
あれこれあれこれ考え、
「……あ、ホットケーキなら作れるや……」
と呟いたら、だんなが「それだ!」と音速で賛同の意を表してくれた。そういうわけで、朝御飯はホットケーキ。

お供にジクジク焼いて焦げ目をつけたランチョンミートと、バターで焼いたスクランブルエッグ。先日缶詰を開けたポーク&ビーンズも微量に残っていたので、卵の脇に添えた。1枚の大きな皿にホットケーキとポークたまごと豆を盛りつけて、なんだかほんのりアメリカの朝御飯な感じ。バターミルクパウダーを使った、いかにもアメリカンなパンケーキが作れる材料も揃っていたのだけれど、手持ちのホットケーキミックスの賞味期限がとうに過ぎていたのでこれから使い切ることにした。

あらかじめ甘さがほんのりとついているホットケーキミックスに卵と牛乳を加えて混ぜ、小さなお玉に1杯の生地で1枚のホットケーキという分量で、薄くて小さい可愛らしいホットケーキを焼いていく。本当は「ホットケーキ4枚分」の粉だったはずだけれど、焼き上がったのは10枚のミニホットケーキ。だんなと私が3枚ずつ、息子は2枚。残る2枚は小皿に乗せて「食べたい人が食べましょう」とテーブルの中央に置いておいた。

ハムとは違うしソーセージという感じでもない、"油っこい肉のパテ"という風なランチョンミートに卵はすごくよく似合う。ホットケーキもよく似合う。バター薄く塗って、適当に蜂蜜垂らしながらパンケーキをつつき、大きなマグカップにたっぷりのカフェオレをお代わりしていただいた。

小さなホットケーキではあったけれどテーブルには一応フォークと共にナイフも出し、息子は両手にフォークとナイフを構えて、必死に自分で切ろうとしていた。……そういえば、息子にナイフを渡したのは今日が初めてだったかも。
「こうやって……切るの?」
「いや、まずね、フォークで押さえる……そうそう……で、ナイフを横じゃなく縦に動かすようにして……」
「こうかな?」
「刃が逆だよ刃が反対。今上に向いているのが切るところだから、くるりんってひっくり返して……いや、そうじゃなくてー」
「むずかしいよ……」
指導の甲斐あって数分後には、息子はホットケーキを自分で切って口に運べるようになった。ランチョンミートも柔らかいので問題なさそう。歯ごたえのあるステーキ肉を切ったりするのはまだまだ難しいと思うけど、とりあえずパンケーキ屋さん行って苦労することはない程度の技量は身についたっぽい。

「……これ、このホットケーキ、もらっちゃっていい?」
2枚のホットケーキを格闘しながらも早々に食べ終えた息子は、テーブルの中央ににょきっと手を出して3枚目のホットケーキを自分の皿に移した。
「……じゃあ、最後の1枚は半分こして食べようか」
とだんなと話したら、
「ダメー!それはね、3人で分けっこするんだよ」
食い足りないらしい息子に止められる。ぼくが、ぼくがみんなの分、切ってあげるからねー……と、息子が不器用にギコギコと1枚のホットケーキを切りわけてくれ、10枚のパンケーキはちょうど3.3枚分ずつ皆の胃袋に収まったのだった。

だんな特製 ボローニャソーセージ入り炒めスパ
アイスティー
今日は一日家でのんびり。昼御飯は
「ナポリタンみたいなの食べたいなぁ……ナポリタンじゃなくても、炒めスパみたいなの……」
と呟いていただんなが作ってくれた。買い置きのボローニャ(風)ソーセージと玉ねぎだけの具の、シンプルな味の塩味ベースのスパゲティ。コンソメと白ワインで軽く風味づけしてあって、でもしっかり感じられる"コク"はきっと、言えないくらいの分量のバターが入っているんだろうなぁ〜……という感じのスパゲティだった。

だんながせっせと麺を茹で、具を炒めている脇で私はお皿とお茶の準備。「ペニンシュラ」という名のレピシエの紅茶(オレンジの皮入りのさっぱりとしたお茶。夏のアイスティーにぴったりで大好き)を氷みっちり満たしたピッチャーに濃いめに淹れたお茶をだばだばだーと注ぎ入れ、グラスを出したところでタイミングよくパスタもできあがった。

朝食のランチョンミートにちょっとばかり似た味わいだったけれど、もっちりした太いソーセージがざくざく入ったスパゲティ。パルメザンチーズをバサバサっとかけて美味しくいただいた。

キムチ(白菜キムチ・カクテキ・チャンジャ)
茄子の揚げ焼き おろし醤油
たらちり 微量に牛しゃぶ
羽釜御飯
ホッピー
日本酒(黒帯純米)
アイスティー(ペニンシュラ)
夕飯は、昨日に続いて今日も鍋料理、「たらちり」。昨日も寒かったけれど今日は輪をかけて寒く、朝から設定温度MAX状態にしたガスストーブをごんごんつけているのに一向に部屋が暖まらない。居間を出ることはおろか、こたつから出るのも勇気がいるほどの寒さで、夕方にいそいそと家族全員早めの入浴で体をあっためる。今日はとっても鍋日和。テーブル中央に置かれたカセットコンロの存在をかつてなく愛おしく思いながら、熱燗ちびちびやりながらの夕御飯。

本当は、シンプルに「たらちり」だった今日の夕御飯、でも午後にお買い物に行った時、息子が肉売り場で
「あ!しゃぶしゃぶだよ、しゃぶしゃぶのお肉って書いてあるよ。ぼく……しゃぶしゃぶが食べたいなあぁぁぁ」
と呟いた事から、「たらちりしながらしゃぶしゃぶもやる」というわけのわからない事になってしまった。先日食べ放題ランチのしゃぶしゃぶ屋に行ってから、息子はすっかり「しゃぶしゃぶ」がお気に入り。

「こうやってね、お肉をね、しゃぶしゃぶってするんだよー」
と、牛肉ヒラヒラさせた湯は、最初は綺麗な昆布だしだったのにあっというまに激しく濁ってしまい、
「な、なんか違う……」
「なんか、湯豆腐って感じと違う……」
私とだんなは微量に困惑しながら豆腐とタラをそこに投入して、頑なに「たらちり」を続行。鍋2つ並べるとか、今日はもう諦めてしゃぶしゃぶにするとか何か工夫すれば良かったのだけれど、「まぁいいやー」とそのまま肉・魚混合の寄せ鍋状態になってしまったそれを食べた。いや、でも別に豆腐もタラも普通に美味しかったし。ケダモノ臭くはならなかったし。

私の実家では湯豆腐はほとんどやらなかった(いや、"まったく"やらなかった)ので、我が家の湯豆腐文化はだんなの実家の湯豆腐文化に等しい。土鍋に昆布だし張って豆腐とタラの切り身をどかすか入れて適当に煮えたところで、たーっぷりの鰹節に刻み葱をあわせ、醤油をどぼどぼ注いで作ったタレを垂らしつつ食べる。

そして卓上には、キムチもどっさり。「キムチでやせる」から届いたばかりのキムチは、白菜のとカクテキと、私の大好物のチャンジャ(タラの内臓のキムチ)。
「奥ちゃん……キムチなんて濃い味のもの食べたら、繊細な味を楽しむ湯豆腐がだいなしに……」
「いいの、湯豆腐は湯豆腐として堪能するけど、キムチも食べたいの〜」
なんてやりとりの後、皿にごそっとキムチを盛りつけて酒と白飯傍らにわしわしと食べる。今回はながしま農園産の白菜と大根のキムチってことで、野菜そのものの味が濃厚で旨味たっぷりという感じ。カクテキはもうちょっと漬けておいた方がじんわりと美味しくなりそうで、
「まだ、浅漬けだ」
「うん、この浅漬け感もたまらないけどね」
「うーん、1週間くらい待った方が美味しいかもね」
と、カクテキは封印モードにしておいた。私はチャンジャがあれば幸せ。そして今日も酔っぱらい。