南瓜のポタージュ
御飯
抹茶入り玄米茶
昨夜の残りのポタージュと千切りキャベツ。それに合わせるとなると、やっぱり卵料理だろう。オムレツなんかが良いんじゃないか。と勝手に決めつけ、
「ベーコン入りオムレツがいいなぁ。」
とだんなの目の前で卵3個を持ってくねくねすると、数分後、大きな皿に湯気をたてて大きなオムレツがのっかって出てきた。うん、今日もすばらしいわ、だんな。ナイスオムレツ。餃子担当、炒飯担当、麺茹で担当に引き続き、オムレツ担当も君に決定!!(おいおい)
まぁおだてるわけじゃないが、確かにだんなのオムレツは上手く、旨いのである。ころころベーコンには半熟の卵がとろんと絡まって、ふわりと柔かいのだ。御飯に乗せてもまた旨し。
木村屋のサンドイッチが恋しくなり、客の少ない時間を見計らって店に寄る。1人でふらりと入るときは大抵カウンター席に座ることになるが、今日は運良く4人席にひとり。
座るとすぐに出てくるのは、写真集のようなごついメニューだ。自分のところで撮影したような生写真入りの手書き文字入りサンドイッチメニューは、店に3部ほどしかないので、客の多いときはすぐにメニュー不足になってしまう。困ったメニューだ。いや、そこがまた良いんだけど。
「クリームチーズディップ、ガーリックソーセージとゴーダチーズをはさんで焼きました。」
という、「ルノアールサンド」450円なるものを初めて注文。プラス500円でドリンクとデイリースープがついてくる。
注文後すぐに出てくるデイリースープ。肉厚のコーヒーカップにたっぷりとスープが入り、添えられたスプーンの上にはグラハムクラッカー。今日のスープは白茶けたクリームスープだ。貝が入っている。クラムチャウダーらしいが、コーンや豆まで入っているから、果たしてこれはクラムチャウダーで良いのか。まぁ、いい。ともあれ、スープだ。本日のスープだ。相変わらず旨い。
自分の手でパリパリと砕けとばかりに添えられているクラッカーがまた良い。小さなスプーンでみじん切りになってほろほろと柔かい野菜をすくいつつ、クラッカーを散らして飲む。
「ルノアールサンド」は薄切りパンのトーストサンドだ。カリカリに焼かれた熱いパンに、ふわふわのチーズディップが溢れそうに入っている。レタスと薄切りゴーダーチーズ、で確かにガーリックの香りがする薄切りソーセージ。この店のサンドイッチにしては地味な具かもしれないが、これが案外薄切りパンに合って食が進む。パン1切れの上には、プラスチックの昔くさいようなつまようじでパイナップルの切り身が刺さっている。薄切り食パンの下からみよよよよ〜んと伸びるチーズを楽しみながらサンドイッチと格闘していると、ミルクコーヒーも出てくる。
アルミの足と持ち手にガラスのコップがはまるようになっている、なんともレトロな感じの長いカップになみなみとミルクコーヒー。カフェオレでなく、ミルクコーヒー。砂糖を入れると一層ミルクコーヒーはミルクコーヒー然とするのである。んんんんん、レトロだ。なんかシアワセ。
レジのところに置いてあった、ホチキス止めの「サンドイッチメニュー」をいただいて読む。「ルノアールサンド」の項には
このサンドウィッチは画家でもある当店の社長が仏の画家ルノアールのやわらかな光にあふれた明るさいっぱいの作品の数々に感動し、『ルノアールのように明るくてやさしい、しかも安くておいしいバラエティに富んだサンドウィッチをお客様に提供したい』そうした思いがこのサンドウィッチのネーミングにつながったのです。偉大な芸術家の遺影に心を傾けルノアールサンドをほおばるあなたは印象派?と書いてあった。
いや……「印象派?」と言われても、シュール・レアリズムを愛する私は困っちゃうんですが、ええ、美味しかったです、ルノアール。
御飯
よなよなエール、麦茶
ほうじ茶
自家製マンゴプリン
もう「啓蟄(けいちつ)」は過ぎたのらしい。
「それって、モグラが出てくる日だよね?」
「……違うよ。虫だよ、虫。」
と絶妙のボケツッコミを交わした後、気が付いた。
この冬、"常夜鍋"を一度もしていないことに。
山のようなほうれん草と豚肉を、ただただ茹でて胡麻だれで食べる常夜鍋。夜通し食べても食べ飽きないことからこの名がついたらしい。斯様に旨い鍋であるのに、今年はほうれん草が高値続きで全然買えなかったのだった。で、良い感じの露地栽培のほうれん草が1束100円だったので、いざいざ常夜鍋決行だ。啓蟄が過ぎようと、旨い鍋は旨いのだ。
デパートで買ってくる一瓶700円もしちゃうような胡麻だれも大層美味しいけど、だんなが言うには「ミツカンごまだれ」がベストなのだという。
「ミツカンだミツカンだ、常夜鍋にはミツカンが旨いのだ」
と幼少期のトラウマでもあるのか、彼はそうくり返す。以前、私が豪華胡麻だれをつけている間もミツカンの瓶を離さなかった。ミツカン男か、お前。
で、今日もやっぱりミツカンなのであった。いや、美味しいんだけどね、ミツカン。確かに。
青々としたほうれん草と、豚バラ肉の薄切りとロース肉の薄切りを用意して、ひたすら茹でてひたすら食べる。1瓶の新品ミツカンはあっという間になくなった。2パック買ってきた肉もなくなった。両手の指にあまるほどの大きな束だったほうれん草も、無くなった。確かにこの鍋は"常夜"鍋だ。材料があるだけなくなる。もっと寒い季節にやりたかったような気もするが、まぁ良いのだ。
抹茶入り玄米茶
1切れ残ったタラコを朝からジュージューと網焼きにする。おにぎりだおにぎりだ、たらこおにぎりだ♪
そう、私はたらこおにぎりが大好物である。
「じゃあ、僕は好物のおかかおにぎりにするよ〜」
とだんなもスタンバり、台所で2人並んでおにぎり作成。と言っても、おにぎりを握るのはだんなの方が圧倒的に上手いので、握るのは彼だ。私は息子用の小むすびをちまちまと作成。息子用の小さな一口おにぎり9個と、だんなのおかかおにぎり2個、私のたらこおにぎり2個が皿に並び、日本茶をいれて本日はおにぎり朝食。
プチプチのたらこたが何とも美味しい。塩気もよろしく、この魚臭さもたまらない。まだほんのりと温かい御飯の中に、大きなたらこの塊が入っていて、んんんんん、シアワセだ〜。あ、海苔も巻かなきゃね、忘れずに。
チーズマヨネーズ
トラヴェセイロ チョコ
いちごペストリー
きりり レモン
シュークリーム目当てで、近所のお気に入りパン屋に向かう。で、「春の新発売」なるパンと目が合ってしまい、結局そっちをトレーに載せる。トレヴェセイロ、なるパイ生地のパンと、チーズのたっぷり乗ったチーズマヨネーズパンと共に、合計3つのパンと"きりり"のレモン。パン、多いか?いや、多くないんだ、1つはちっちゃいんだから。本当にちっちゃいんだから(私は誰に向かって言訳しているんだろう)。
順番的には、やはり「甘くないもの」から「甘いもの」への移行がよかろう、とチーズマヨネーズを取り出す。ふわんふわんのパンに、これでもかとたっぷりのチーズがかけられ、カリカリと固まっている。このカリカリ具合が非常に宜しい。相変わらず手抜かりのない、ナイスなパン屋のパンである。カリカリふわふわ、もぎゅもぎゅとたいらける。
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で、「トレヴェセイロ」なるパイを取り出す。持つだけでハラハラと皮が崩れ、ふりかけられた粉砂糖が周囲に散る。食べにくいことこの上ない。中にはペースト上のこってりしたチョコが入っていて、すこぶる美味しいのだが、いかんせん、食べにくい。パラリパラリと机の上に皮が散り、口の周りにはふわふわと粉砂糖がまとわりつく。「彼氏と食べちゃいけない食べ物第5位」」に勝手に任命。
ちなみに第1位はマキシム・ド・パリのナポレオンパイ(これも悲惨なまでに崩れてくれる)、第2位はモスのテリヤキチキンバーガー(口の周りを汚さずに食べられる方法を誰か教えてくれ)だ。第3位はシェーキーズのピザ食べ放題。確か大学時代に友人と話していてつけたランクである。しかし、彼氏と行くのか、ピザ食べ放題。……行くか、自分。
デザート。「いちごペストリー」。春の新発売。
ちっちゃなちっちゃなペストリーだ。親指で円を描くくらいの大きさ。本当だってば。ちっちゃいんだってば。だから太らないんだってば(だから誰に言訳してるんだ)。
ツヤツヤと光るデニッシュはサクサクカリカリで、中央にイチゴのジャムがたっぷり盛られている。2口サイズで40円。なんだか嬉しい。
このデニッシュのサクサク感は、デニッシュの大御所アンデルセンにも引けを取らないと思う。値段も110円とか130円と高くはない。
がんばれスワンベーカリー。銀座の片隅で愛好者約1名は応援しているぞ〜
絹さやと人参の白和え
蕪と油揚げの味噌汁
麦茶
会社から駅まで、ちょっと築地方面に遠回りして買い物しつつ帰宅。
ちょっと歩くと「宮川食鳥鶏卵」がある。明治34年創業の、たたずまいも大層年期の入った鶏肉屋だ。歌舞伎俳優も良く買うというこの店、「一見さん、お断りかも」とあらぬ容疑をかけてずっと尻込みしていたが、入ってみると一般客も多い普通の肉屋なのであった。ただし売っているのは鶏関係のみ。合鴨も少々。
「はいっ!今日は何にするっ!?」
と威勢のよいおっちゃんが、カウンターの向こうから声をかけてくる。
鶏ひき肉200g260円なりと卵1パック210円なりを購入。殻が厚くザラザラとした、いかにも新鮮そうな卵だ。今日はこれで親子丼♪
新大橋通りに出て左折、そこには安達屋がある。昔ながらの豆腐屋さん。絹を1丁、油揚げを2枚いただく。分厚くてふくふくとした、美味しそうな油揚げだ。これで味噌汁と白和え♪と買い物しながら献立も決まる。今日の夕飯は、築地スペシャル〜、と勝手に命名。
冷蔵庫に残っていた蕪を茹でて味噌汁に。蕪の葉もたっぷり入れちゃう。で、ざくざくと大きく横に切っただけの油揚げも投入。だんなが「大きな油揚げがいいなぁ」と言ってからというもの、うちではいつも巨大な揚げがつゆの上に浮くことになっている。
油揚げというやつは、料理本などを見ると「油抜きして」と、ある。熱湯に通せ、だの上から熱湯をかけろ、だの書いてある。んが、どこかで読んだ。
「油抜きしなきゃいけないのは油が悪いから。良い油で作った作りたての油揚げだったら、油抜きは全然必要ない。」
と。
安達屋の油揚げは旨いと思う。噛むとじんわり油が出るが、それが全然くどくない。だからいつも油抜きしない。めんどくさくなって、マーケットで買ってくる油揚げも油抜きしなくなった、なんてことは……ないよ。うん。全然ない(嘘)。
次。
こんにゃくと人参を甘辛く煮て、茹でた絹さやと胡麻だれと一緒に豆腐で和えて白和えに。
ひき肉はたっぷりの生姜と一緒に煮含めて、砂糖が少し入っただしで伸ばした卵でふわふわ炒り卵を作って、これを綺麗に御飯に乗せればそぼろ親子丼のできあがり。
築地スペシャル。ナイス和食のできあがり。親子丼も白和えも、"甘辛い"系なような気がするが、まぁここは気にしないことにする。
蕪と油揚げの味噌汁
抹茶入り玄米茶
「せっかく新鮮な卵があるから、卵御飯にしよう!」
と1人1個の卵を器に用意して卵御飯の朝食。生卵が器に乗る光景は、何やら民宿の朝食のようだ。これに小袋入りの海苔と、目の前に冷めた焼き鮭があれば完璧、という感じ。
やっぱり買ったばかりの卵は美しい。黄身はプリプリツヤツヤと光っているし、白身もちゃんと二層になる。生卵を食べるにあたって、「白身はちょっと」とか「カラザだけはどうも」と除ける人も多いらしいが、我が家は頓着しない人ばかりだ。卵をかき混ぜ醤油を落としてそのまま御飯に流し込む。あ、御飯の中央に箸でぐりぐりと穴を空けるのも忘れてはならない。
「グリコヨーグルト健康」と打つにあたって、ついつい頭のなかで思わず節をつけて歌わずにはいられない私。
どうも腹具合が宜しくなかったので、本日の昼食はヨーグルト1個で我慢。夕方より空腹に苛まれることになったけど。
プチトマトとセロリのサラダ
トマトとキャベツのスープ(レトルトもん)
麦茶
タピオカ抜きココナツミルク
不二家の
ショートケーキ
カフェオレ
だんな飲み会。息子と二人で質素な夕食。
冷凍保存してあった百合根ご飯をあっためておにぎりにし、セロリとプチトマトは切ってドレッシングをかけただけ。スープはお湯を注いだだけ。この上ない手抜きだ。準備時間15分。息子よすまん。
デザートは「タピオカ抜きココナツミルク」。
「タピオカ入りココナツミルク」ではなく、「タピオカ抜きココナツミルク」。中華デザートのココナツミルクは必ずと言って良いほどタピオカがたっぷり入っていて、バイキングで稀にこのデザートがあっても、どうしてもタピオカが微量器に入ってしまうのだった。大きなボール入りのココナツミルクをすくっても、どうしても入りやがるタピオカ。私はタピオカが憎かった。邪魔だタピオカ。無味無臭のくせに。
「いつか、ココナツミルクだけを存分に飲むのだ、タピオカ抜きで」
というのが、実は私の隠れた悲願だったのだ。すまんね、変な悲願で。
で、今日。
幸い残りもののココナツミルクがコップに1杯ある。牛乳入れてシロップ入れて、めでたく「タピオカ抜きココナツミルク」の完成だ。透明ボールに入れて、蓮華を添えて万事OK。
息子にも同じようにあげたところ、一口蓮華で飲んで「おおっ!」という顔になり、おもむろにボールを抱えてごっきゅごっきゅと飲み始めた。
おぉ、その手があったか息子よ!そうか、何も蓮華で飲むことはないんだよな、家にいるんだし。悲願は大胆に果たさなければならない。
かくして親子2人がボールを両手で抱えてココナツミルクを飲み干す図というのがここに展開されている。悲願達成おめでとう、自分。とても旨かったです。はい。
午後10時半。だんなが帰宅。最寄り駅で電話してきた彼はすっかり酔っぱらっていて
「だんなでぇ〜す。コーヒー、入れておいてね。ふふふ、ケーキがありま〜す」
と受話器向こうからゴキゲンな口調だ。
「んとね、んとね。ショートケーキとモンブランが"私を食べて"って言ってたの。」
って、彼は有楽町の交差点そばにある不二家で買ってきたらしい。さんざん飲み食いしながらも土産を忘れない(というかケーキを食いたがる)だんなは天晴れだ……と思う。
早速コーヒーを入れて、深夜のお茶会。
不二家のケーキは、懐かしい美味しさだ。幼少の頃憧れたケーキ、そのままを具現化したような、絵に描いたようなケーキ。
キハチだのミクニだのの洗練されて"素材の味を大切に"的なケーキもそりゃ美味しいが、不二家は不二家で私は大好き。
ふわふわのスポンジに生クリーム、たっぷりの苺。モンブランもスポンジに生クリーム、そして栗きんとんのようなマロンペースト。いいねぇ、何だか笑っちゃう。
蜂蜜入りホットミルク
昨夜から喉が異様に痛いと思ったら、今朝は耳まで痛かった。鼻水も止まらんし、ここは風邪と早々に決断して会社を休む。
でも、食欲はあるのよね〜。
今朝はダロワイヨの食パンでフレンチトースト。
昨夜だんなに
「朝食にパン食べたいから、コンビニで買ってきて〜」
とリクエストしたら、銀座のダロワイヨに寄ってきてくれたらしい。
「パンと聞いたら、フレンチトーストかホットサンドだなぁ、と思いました〜。」
と彼はケーキの箱と一緒に6枚切りの食パン入りの袋を私に差し出したのだった。
しかしDALLOYAUという綴りはダロワイヨと読めない。フランス語なのはわかるけど、しかし読めない。どうでも良いけど。
フレンチトーストと決めたのは自分だから、というわけか、だんなはパタパタと台所で動いている。たっぷりのバターで、卵液をつけたパンをこんがり焼いてくれている。
「ちょっと甘くしたから、シロップなしでも大丈夫だよ〜ん」
と湯気をたてたフレンチトーストがほどなく食卓に並べられた。痛い喉に合わせて、今日は蜂蜜入りのホットミルクを横につける。
昨日買ったばかりの食パンでフレンチトーストなんて、ちょっと贅沢だ。
牛乳
午前、寝る。
昼に起きだし、朝のパンの残りをトーストにして牛乳と一緒に食べる。甘草湯(かんぞうとう。喉の痛みに効く漢方薬)を流し込み、そして、午後も寝る。
うう、しんどい。
シュークリーム食べたいよー。ヨーグルト食べたいよー。(←なんか全然大丈夫じゃん、自分)
上かつ丼
抹茶入り玄米茶
カルピス
早々に帰宅してくれただんなと息子と共に、てんやものの夕食。
「何かあったらここに頼む」のせりあ邸危機管理ファイルの中のひとつ、水信に注文。蕎麦屋の全くないここ近隣において、美味しい鍋焼きうどんを持ってきてくれるこの店は貴重な存在だ。
確か、結婚後に夫婦二人でぶっ倒れた時、タウンページを繰りつつ蕎麦屋に電話しまくって、唯一うちまで届けてくれると言ってくれたのがこの店だった。以来すっかり「何かあったらここ」と決まってしまっている。
注文はかつ丼と大盛りざる蕎麦と、ミニきつねうどんとミニ天丼のセット。適当に家族で分けて食べる。玉ねぎたっぷり、卵たっぷりのかつ丼は、食っていると活力が沸いてくる。豚肉で油で卵で玉ねぎで御飯だ。これで元気が出ない方がどうかしている。
……だが、相変わらず不調なわたくしである。
食い終わった途端にめまいと頭痛が一気に来て、よれよれとそのまま寝込む。だんなが持ってきてくれた氷枕とカルピスを抱えこんで、とっとと寝ましょう、そうしましょう。
茄子の味噌汁
御飯
焙じ茶・緑茶ブレンド
昨夜10時を過ぎてから、
「朝、味噌汁と御飯があったら嬉しいよね〜」
などと言いつつ、だんなは台所でパタパタと動いていた。私は氷枕でひやひやする頭を朦朧とさせながらうつらうつらしていて、
「ああ、自分が寝ている時に味噌汁の香りがするのは、なかなか……」
などと妙な感動を覚えていた。普通、"寝ていて味噌汁の香り"というのは朝だったりして、しかも寝ているのはだんなで作っているのは妻だったりして、シチュエーション的にちょっと違うんじゃないかという気がしなくもないけど。
で、味噌汁と御飯だ。それにスクランブルエッグ。昨日の「どっちの料理ショー」でやっていた、焙じ茶と緑茶のブレンド茶というのまで食卓に並べられた。番組内では、確か緑茶の半量を炒って、それを元の緑茶と混ぜ合わせていれていた。うちでは買い置きの焙じ茶と緑茶を適当に混ぜ合わせたもの。鼻があんまり効かない今の自分ではその香りが今一歩分からなかったが、焙じ茶の香ばしさと緑茶の甘さが良い感じに混ざっていた。ううん、良い感じだ。
牛乳
かくして今日も絶不調で家でおとなしくしている自分である。
正午、もそもそと起きだし、「ビーフガーリックピラフの素」なるパックを取り出して焼き飯を作る。にんにくの薄切りを1かけ分追加して、バターで残り御飯をじっくり炒めて、レトルトパックの牛肉入りのソースと投入。更に炒めてカリカリにんにくと唐辛子入りのふりかけ状のものも放り込んで出来上がり。にんにくを食べると、元気になるような気がする。
アイスコーヒー
ぶんたん
帰宅するなり、
「今日はカレーにしよう!!」
と息せき切ってだんなが言う。一度帰ってきたのに、また着替えて近所の肉屋に豚かたまり肉を買いに行ってしまった。すごい熱意だ。そのカレーへの愛は一体何なんだ。そう言いつつもにんじんとじゃがいもと玉ねぎを取り出して切り刻み、準備万端整えて待っている自分もやはりカレーに燃えていた。
「熟カレー中辛」使用。材料を切るまでは私、あとはだんなが炒めて煮込んでアクを取って仕立ててくれた。お供にらっきょとアイスコーヒー。
カレーは、良い。やっぱり、良い。
カレーのできたての匂いをかぐと、無性に「おっしゃあぁぁぁぁ、食べなくちゃあぁぁぁぁ」という気力がもりもりと沸いてくる。
「やっぱり、カレーが食べられなくなっちゃったら最後だよねぇ。」
「んだ、んだ。」
と言いつつ3合も炊いた米は、ほんの茶碗1杯弱を残して全て消えた。私が4割、だんなが6割というところか。いくらなんでも食いすぎだろうか、やはり。
チョコクロワッサン
コーンマヨネーズパン
アイスカフェオレ
起床8時半。昼は豪華味噌ラーメン予定。
「朝は軽くしましょう。」
「そうしましょう。そうしましょう。」
と、そこで何故菓子パン2個になるのかが謎な、せりあ邸の爽やかな朝だ。
好物のチョコクロワッサンにコーンの乗っているマヨネーズ味のパン。モカ・マタリの粉をコーヒーメーカーにセットして氷たっぷりのところへ注いでミルクも入れてアイスカフェオレに。だんなは照り焼きバーガーにソーセージサンドとか食ってるし。本当にどこが「軽くしましょう」なのか。
麦茶
杏仁豆腐
義妹が遊びにやってくる。
「焼き肉よりも寿司よりもラーメンを愛する」妹だ。
かくして我が家の麺料理担当、だんなが厨房に立ってラーメンを作成。私もコーンを用意し食器を用意しボールを洗い、補助して動く。味噌スープに縮れ麺、もやしと豚ひき肉の炒めと半割のゆで卵、海苔にコーンにバターの乗った豪華味噌ラーメンが食卓に並んだ。ん、旨い。スープが少々薄いのが唯一の難だったが、もやしはシャキシャキ、パリリとした海苔にたくさんのコーン。義妹も「お〜いし〜♪」と言いつつスープも全てたいらげた。
デザートは聘珍樓製のインスタント。新発売の「杏雲」という名の杏仁豆腐だ。粉を湯で溶き、牛乳入れて冷やすだけ。菱形にはとても切ることに出来ないふるふるトロトロの杏仁豆腐が出来た。スプーンでそっと掬って器に入れて、上には缶詰のミックスフルーツを開けてパインアップルやみかんや桃を飾る。おおお、私好みのぷるぷる加減が良い感じ。この杏仁豆腐、ヒットだ。この簡単さでこの美味だったら文句なし!
鯛のハーブパン粉焼き
金目鯛のマスタードマヨネーズ焼き
カジキマグロのバジルトマト焼き
イカスミのソーセージ with プチトマト
アスパラガスのアンチョビマヨネーズ
春菊の胡麻和え
カレーライス
茄子と油揚げの味噌汁
よなよなエール、麦茶
アイスカフェオレ
六花亭の
バターサンド
義妹も一緒に夕食のテーブルを囲む。
以前インターネット懸賞で当たった魚のハーブ焼き冷凍セットなぞがあったので、これを使って手早く準備。魚をハーブ入りパン粉で和えてバターでこんがりと焼き、魚ごとに添えられたソースをかけてオーブンで15分。最後にレモンを絞りつつ、食べる。カリリとパン粉が焼けた、オイル漬けされた魚は冷凍くさくもなく、結構いける。ビールに合う。
義母が持たせてくれたイカスミのソーセージなんかも出して、あとは買い置きの野菜で付け合わせをちょいちょいと作ってよなよなエールを開ければディナーの始まりだ。ほんのりと磯臭い、真っ黒なソーセージは初めて食べた。イカの身も入ってぷりぷりとした黒いソーセージ。正直食べ物じゃないみたいで不気味だが、その実美味しい。魚と野菜をビールで食べて、あとは「2日目のカレー」。じゃがいもも玉ねぎもホロホロに溶けた、肉も崩れかけた2日目のカレーだ。このおかずの充実ぶりに2日目のカレーとは、なんと贅沢な食卓だろう。
しかもデザート、六花亭のバターサンドつき。これもだんなの実家からの土産もの。
私はここのバターサンドが大好きだ。さくさくのクッキー生地にレーズンたっぷりのバターが挟まる。「もうちょっと、もうちょっとだけクリームが多いと嬉しいんだけどなぁ〜」と感じさせつつ、でも絶妙なこの具材のバランスが"また食べたい"と惹きつけてやまない。北海道物産展に行っても、なかなか買えないのよね、これがね。
カフェオレ
もう残り少ない3日目のカレー。サンドイッチ用の食パンを用意して、挟んでホットプレートにセット。とろけるチーズも放り込んで、カレーホットサンドを作る。
カレーホットサンドはなかなか大変だ。温められたカレーもチーズも尋常じゃなく熱くて口中唇の火傷は免れないものがあるし、焼き上がる過程ですぐにカレーがパンから溢れて電気機器のホットサンドメーカーがターメリック色に染まってしまう。後始末も大変。でも美味しいとわかったのでついついやってしまうのである。教えて下さったY子さん、どうもありがとう〜。すっかり定番化しそうな勢いでございます。
やっぱりじゃがいもたっぷり、モサモサカレーが宜しいようです、はい。
アイスカフェオレ
だんなの高校時代からの友人、Tさんが遊びにやってくる。せりあ邸定番対お客様昼食である「ヨコイのスパゲッティ」にておもてなし。手間がかかるもんじゃないが、東京で食べるのはおそらく珍しかろうと、来客のほとんどはこれを食わされることになっている。
だんな「Tって、ヨコイ食べたことあったっけ?」
Tさん「いや……ないよ。前に牛すじ肉のスパゲッティは食べたけど」
我々「えっ、食べてなかったの!?それはいけない。食わなきゃいけないよ。うん。」
と麺を茹で、ソースを温める。
"ヨコイ"は店名だ。愛知県は名古屋のスパゲティ屋の名前で、名物は"あんかけスパゲティ"。名古屋人の口にも合うようにと店主が研究して作ったそのあんかけソースは「ヨコイのソース」という名前でレトルトパックにもなり、名古屋近辺ではマーケットはおろかコンビニでも購入が可能だと聞いている。東京近辺で買えるのは知っている限り、横浜桜木町クィーンズイーストにあるdancyuショップだけであり、いつも通信販売でソースや麺を買っている。麺2kg、ソース20人分くらいがストックされている今の我が家。
「ケチャップ入りのドミグラスソース」といった感じのとろんとしたソースは、胡椒がピリリと効いてほの辛い。専用麺は2.2mmの極太スパゲッティ。これをアルデンテ通り越すまでしっかり茹でて水で締め、それをバターで炒めて皿に盛る。ソースは周囲に円形に敷いて、麺の頂上に具を乗せる。というスタイルが定番らしい。具はチキンナゲットやピカタ、カキフライなど。ウィンナーや、簡単にするなら卵とほうれん草とか。今日はベーコンエッグ。
久しぶりに食べたヨコイのスパゲッティはやっぱり美味だった。
「ひさしぶりだねぇ。」
「そうだよ、この味だよ、うん、この味。」
とうなずきつつ食べる我らは、ヨコイジャンキーかもしれない。名古屋の人、いいなぁ。これが手軽に食えて。
焼き蛤
鰺のたたき丼
椎茸と白髪葱の吸い物
よなよなエール、焙じ緑茶
「魚が食べたい」と思いつつ先月号の『dancyu』なぞを捲っていたら「土佐丼」なる鰺のたたき丼なるものが載っているじゃないか。
美味しそうだ美味しそうだ、今日はこれにしよう!とだんなに鰺を買ってきていただく。小さめの鰺が5本、氷で冷やされて我が家に到着。
丸の魚を扱うことは初めてじゃないが、5匹もの魚を一度に捌くのは初めてだ。
実のところ、母から学んだこともなく料理学校なぞも行ったことがない私は本をみいみい、テレビで見た捌き方なんかを思い出しながら
ぜいご取り→うろこ取り→頭落とし→わた抜き→2枚おろし→3枚おろし→腹骨抜き→皮剥き
の工程を何とかやってみる。おお、なんとか形になっているじゃないか。
「"愛の貧乏脱出大作戦"に出てくる料理人よりは、まし?」
とだんなに聞いたらば
「うん。ましまし。ていうか全然OK」
という温かい言葉をいただく。よっしゃよっしゃ。
……でも、鰺って捌いてみると、刺身の分量なんてすごく少なくなっちゃうのね。とほほほほ。
で、3枚おろしの中骨のところを「勿体ないね」とヒラヒラさせていたら、
「これで骨せんべいを作ろう!」
とだんなが燃えだす。
小さめの揚げ鍋に油を熱して小麦粉をはたいた中骨をじっくりじっくり揚げだした。
ついでにだんなのお母さんから貰った真空パック焼き蛤なんかも用意したら、すっかり酒の肴がひと揃い。
鰺のたたきはたっぷりのおろし生姜とたっぷりの刻み葱を醤油と一緒に混ぜ込む。
炊きたての御飯を飯台に広げ、合わせ酢をかけて混ぜて冷まして酢飯にし、この御飯に刻み海苔をたっぷり乗せて鰺を盛る。土佐丼の出来上がり。魚にずっとかかずらわっていたので、だんなが吸い物を用意してくれた。魚尽くしの豪華な夕食。
骨せんべいは背骨もパリパリにこんがり揚がっていて、塩の具合も丁度良くてめちゃめちゃ美味。甘辛い蛤をつまみつつビールを空けたら、今日のメインディッシュ。
「おお!美味しい!」
「デパートの鰺たたきパックよりいけるぞ!ナイスおゆきさん!」
と喜びつつ、また御飯3合が空になってしまった。……ありゃりゃりゃりゃ〜……。