食欲魔人"今度こそダイエット"日記 99年11月 第1週
11/1 (月)
焼きうどん
アイス烏龍茶

【本日の痩身 : 前回測定比プラス400g・あと15日で目標3.0kg減】

パンは無い。ご飯もあまり無い。
台所をうろうろしていただんなが、焼きうどんを作ってくれた。
長ねぎたっぷり、豚肉が入って醤油味の焼きうどん。
後で中華鍋を洗うのがちょっと大変だったけど、まぁそんなこたどーでも良いのだ。

照焼チキンピザ
シーフードピザ
ハッシュドポテト
コーラ

昼食は、思い立って宅配ピザ。
そろそろ、「本気で痩せなきゃ」と思いつつ、ついついチーズたっぷりピザにかぶりついてしまう自分。

チーズ盛り合わせ
スパゲッティ 「蟹の少し辛いパスタソース」で
ビール

昨日購入してきたアクア・パッツァのソースを使って早速本日はパスタ料理。
蟹のほぐし身ごろごろ、しかもところどころ塊の身まで入っていたりしてちょっとシアワセなパスタソース。
蟹と言えば今が旬の上海蟹だ。
「上海蟹が食べたいぞ」
「食べてみたいぞ食べてみたいぞ」
「どこで食べるどこで食べる!?」
「ふ、福臨門魚翅海鮮酒家……?」
「……(汗)」
などという会話が交わされた結果、怖けづいた私たちは、上海蟹フェアをやっている東天紅に目標を定めつつ、神保町の新世界菜館という店、また、新橋の新橋亭(しんきょうてい)なども射程内に入れて検討してみるのであった。上海蟹……食べたいのぅ。

11/2 (火)
だんな特製炒飯
アイス烏龍茶

【本日の痩身 : 昨日測定比マイナス200g・あと14日で目標2.8kg減】

今日もパンが無い。炊いてあるご飯も無い。コーンフレークスも無い。
昨日に引き続き台所をうろうろしていただんなが炒飯を作ってくれた。卵と葱入りのシンプル炒飯。

赤飯おにぎり
お茶

ちょっとダイエットを心がけてみる。コンビニで買ってきたおむすび1つ。

しぐれ丼
豆腐の赤だし
白菜の浅漬け
ビール

「丼」が食べたいと思い、冷蔵庫を漁る。
牛肉があったので、豪華牛丼であるところの「しぐれ丼」を作ることに決定。しぐれ丼には揉み海苔と貝割れ大根、温泉卵が不可欠だ。何をおいても温泉卵を作ることから始めなければならない。

「自宅での温泉卵の作り方」として、
「多層構造鍋に75℃の湯を沸かし、卵を投入後蓋をし火を止め20分待て」
とある。
我が家に多層構造鍋は、無い。戸棚をさぐり魔法瓶を引きずり出し、これを使うことにした。
温度計は無いのでフツフツと小さな泡がたつ程度まで湯を沸かしてみて、これを卵と共にポットに入れる。きっちり蓋をして、20分。

その間に味噌汁を作る。ちょっと濃い目の赤だしにして、具は豆腐と決める。
ついでにちょっと古めの白菜が出てきたので、「浅漬けの素」の粉ふりかけて軽く揉んで重石をしておく。
牛肉と玉ねぎと煮きった酒と味醂、醤油のたれで甘辛く煮込み、炊き立てのご飯にこれを乗せて貝割れ乗せて海苔乗せて。
で、試行錯誤して作った温泉卵を割ってみたら……温泉卵は生だった。白身も黄身も固まらず、生卵そのまんま。
他はカンペキだっただけにちょっと不機嫌になるワタシ。頼むよ、温泉卵。

11/3 (水)
ご飯
豆腐の赤だし
白菜の浅漬け
つぼ漬け
お茶

【本日の痩身 : 昨日測定比マイナス600g・あと13日で目標2.2kg減】

起床10時前。
天気の良さにどこかに出かけようということになるが、何故かボーリングをすることに。天候関係ないじゃんか。
朝食はオール昨日の残り。ご飯の共に白菜の浅漬けとつぼ漬けを食卓に出して、とりあえず白米をわしわしと食べてみる。

台場ヴィーナスフォート 「木蘭」にて
 飲茶セット(ふかひれ麺、3種の点心、杏仁豆腐)
 完熟マンゴーのプリン
 青島ビール

有明パレットタウンにて2ゲームほどボーリング。初めての96点、レベルの低さが身にしみる。でも面白い。

昼ご飯は、ヴィーナスフォートの中に行ってみることに。
銀座の北京料理店「天厨菜館」の系列である「木蘭(ムーラン)」に入ってみようかとメニューを覗くと「完熟マンゴーのプリン」という文字が見えた。15人ほどの行列だったが、このメニューの10文字にあっさり負けて行列の後ろにつく。派手こい店だ。通りからガラス張りで中が丸見えの店内は太い金色の柱がぼこぼこと建ち、黒っぽい服のウェイターが黒いテーブルクロスのテーブルの間を行き来している。
表の行列に比して店内は空席が目立つ。見ていると、どうもウェイターの要領が悪い。というより人数が少ないのか?客が席を立ってから皿を下げるまでに5分、カトラリーを並べて次の客を案内するまでに整えるまで10分という具合。若干の不安を感じながら席につく。

メニューはあまり多くはない。ランチタイム用のセット2種をそれぞれ取り、あとは息子用に単品で大根もちと蝦餃、あとはデザートに別途マンゴプリンを注文することにした。
私の「飲茶セット」はふかひれ麺、3種の点心、杏仁豆腐がセットに。
だんなの「上海セット」はほうれん草炒飯(←天厨菜館の名物料理だ)、3種の点心、タピオカ入りココナッツミルクがセットに。
喉の渇きから青島ビールを頼んでしまい、ビールをちびりちびりしながら待っていると最初に来たのは大根もち。
悪くないような顔をして食べている息子の脇から一切れ頂戴すると、胡麻油の効いた至極まっとうな味がした。もちもちした食感も悪くない。
ほどなくして来たのが蝦餃。歯ごたえが妙にふわんとしている。海老は火を通すとどうしても固くなってしまうけれど、どうやらそれを回避しようと混ぜものを多くしているような感じである。歯ごたえ的には悪くないけど、これは蝦餃じゃないと思う。あのプリプリコリコリ感が蝦餃の身上だというのに。

次にはトレーに乗ったセットメニューが。
小型蒸篭に入る点心は……どれもちょっといまいち。肉団子の上に椎茸が乗せられた蒸し物が一番美味だった。
ほうれん草炒飯はいかにも「手を抜いている」様相で、天厨菜館で食べるものよりずいぶんと刻みが粗い。ほうれん草も、絡まる卵も全体的におおざっぱであり、しかも量が少ない。肝心のふかひれ麺については、スープはまぁまぁ。やや濃い目の醤油色のスープには結構な量のふかひれがただよっており、片栗粉でとろみのついた、とろんとしたスープになっている。悪くない。

で、デザート。セットにつく杏仁豆腐、ココナッツミルクはどれも小ぶり……だと思っていたら、単品のマンゴープリンもやっぱり小ぶり。
タピオカ入りココナッツミルクは粒あんとフルーツ入り。これも天厨菜館の名物だ。初めて食べる杏仁豆腐はのぺんとした大きな塊のもの。ぷよんもちもちとした面白い歯ごたえのもので、豆腐そのものが濃厚なミルクの風味と甘さがある。杏仁の香りもするにはするけど、ちょっと粉っぽい。マンゴプリンは専門ページに詳細を記したので、省略。

どれもこれも、天厨菜館のイイとこだけ持ってきたような感じで、しかし本店には遠く及ばないといった風情。
同じ1300円払うなら、銀座に出向いたほうが一億倍くらいましだなぁ、と思ったのだった。

焼き餃子
麻婆豆腐
肉団子入りスープ
ご飯
ビール、アイス烏龍茶

だんなが麻婆豆腐をやろう、と言い出し、ひき肉などを購入して帰宅。
ついでにヤバめの白菜処理をしようというので焼き餃子まで作ることになる。午後5時半、エプロン装着で厨房に立っただんなはてきぱきと食事の準備をし始めた。休日に全部作っていただくのも申し訳なく、「て、手伝おうか?」と声をかけるも、「ん〜?だいじょぶー」と妙に楽しそうである。
近年焼き餃子レベルが格段に上がっただんなは、表面パリパリ中ふかふかの見事な焼き餃子を完成させた。甜麪醤が多め、なのにピリ辛の麻婆豆腐もぬかりなく出来ている。
美味しくて、今日もついつい食べ過ぎる。……。

11/4 (木)
ベーコンエッグ
ご飯
お茶

【本日の痩身 : 昨日測定比プラス200g・あと12日で目標2.4kg減】

寒い。ついでに眠い。
とりあえず熱いお茶入れて、ベーコンエッグを作って、ご飯の上に乗せて食べる。
スープがあるといいなと思ったけど、レトルトスープが1つもストック無かったのだった。冬はスープが恋しいなぁ。

銀座三越R1/Fの
 オフィスランチ
ジャスミン茶

寝坊したので弁当なし。外へ出たついでに三越に寄って「オフィスランチ」を購入。
各テナントが工夫を凝らして提供しているオリジナル日替わり弁当「オフィスランチ」は女性向きにご飯少なめ500円。
本日の中身はポテトコロッケ。キャベツやにんじんのサラダが下に敷いてあり、あとは肉じゃが、こんにゃく入りのきんぴらごぼう、しば漬け、そして中央に梅干しのご飯。ダイエットの為にも、明日は自作弁当にしようと思いながら。

つくね鍋
うどん
ビール

「和食っぽいのが食べたい」
というのがだんなからのリクエストだった。
最初は肉じゃがあたりを想定していたけれど、最高気温16℃という今日の寒さが堪えて、全面的に鍋気分になる。鍋はいい。準備が楽だし。
で、家にあるニラとキャベツ、鶏もも肉というラインアップを確認し、本日はつくね鍋に決定。鶏ひき肉は、もも肉をフードプロセッサーでギャギャギャギャとやればすぐに出来るし。

【つくね鍋のつくりかた】

 1. 割り下を作る。だし900ccを用意し、ここに味醂と薄口醤油を75ccずつ、酒を150cc、砂糖大さじ11/2を投入しておく。
 2. つくねを作る。鶏ひき肉300gに小麦粉大さじ3〜4、白味噌大さじ1を入れて混ぜ、卵1個を割りいれて良く練る。粘りが出るまで。
 3. 2.にみじん切りにしたニラ大さじ3程度を投入し、胡椒をガリガリと挽き、ごま油ひとたらしを更に加え、混ぜ込んでおく。
 4. 具を用意。千切りにしたキャベツ、小房に分けたしめじ、ざくざく切ったニラが基本。
 5. 土鍋に割り下を半量入れ、火にかける。煮立ったら3.のつくねをスプーンですくいつつコロコロと投入。柔かいけど、めげずにがんばる。
 6. アクを取りつつキャベツとしめじも投入。ニラは食卓についてから入れてサッとゆがく感じでいただくとGOOD。
 7. 食べる時にすだちなぞ絞ると一層美味。たっぷりの割り下は適宜足していく。
 8. シメはうどんかラーメンがシアワセである。

汗かきながらハフハフ食べる鍋はやっぱりサイコーである。
初めて作ったけど、このつくね鍋、つくねがフワフワで白味噌の甘さが効いていてなかなか良い感じなのであった。また作ろう。

11/5 (金)
たまご御飯
お茶

【本日の痩身 : 昨日測定比マイナス200g・あと11日で目標2.2kg減】

幸せとは、「寒くなくてお腹がすいていないこと」なのだそうである。(出典『恨ミシュラン』西原理恵子)
では、寒いことは不幸の始まりなのだ、そうなのだ、と寝ぼけ頭で6時の目覚ましテレビを7時にセットし直す私。今日も寝坊だ。弁当が作れぬ。しかもやる気も、ぬ。

で、ぼ〜っとしながら昨日買ってきたばかりの卵で卵御飯。
あー、ホットサンドが食べたい、かも。今日はパンを買って帰ろう。

ねぎし にて
 Wねぎし定食
モスバーガーにて
 アイスオレンジティー

昨日の「どっちの料理ショー」で、テールスープが出ていたのであった。
例によっていとも簡単に
「テールスープだっ!」
「食べたいねぇ」
「食べたいねぇ」
となってしまう私たち。
そして、テールスープと言えば「ねぎし」なのであった。
弁当を作らなかったのを良いことに、早速昼に待ち合わせて「ねぎし」へゴー。

「ねぎし」とは、新宿を拠点とする、一大牛タン屋チェーンである。ていうか牛タン定食屋チェーンである。
「ねぎし定食」と称される、塩焼き牛タン、麦めし、とろろ、テールスープ、御新香のセットを主軸とし、からしみそ牛タン、テールハヤシライス、和風シチューが脇を固める。そして何と言っても「ダブル」。料金1.5倍で牛タンの枚数が2倍となる「ダブル」を唱えれば至福の時が訪れるのであった。
客はサラリーマンばかりかと言えばそうでもなく、案外おばちゃん2人組、若い女性のグループなど、女性にも愛されている店である。

12時15分、中央区唯一の「ねぎし」、銀座7丁目のコリドー店に到着。すでに10人以上が並んでいる。
待つこと数分、4人がけの席におさまる。テーブルには大きなポット。席数分の湯飲み。セルフサービスでお茶を飲みつつ、注文は当然「ねぎし定食、ダブル」である。
皿に牛タンばかりがヒラヒラと十数枚。大きな椀に麦めしがたっぷり盛られ、だしで伸ばしたとろろが添えられる。からしみそ付きの御新香の手前にはひとかけらのテール入りの澄んだスープ、長ねぎたっぷり。なんちゅーか、「身体に良さそう」なセットである。どうやらそれが店の身上らしかった。

塩をきかせた牛タン、独特の香りがする麦めし、素朴な味の御新香、どれをとっても取りたててすごい調味料が使われているわけでも無さそうだけど、どうも美味しい。ちなみに麦めしはお代わり自由だ。半量のとろろをかけてわしわしと一膳たいらげただんなは二膳目に突入した。注文もお代わりもちゃっちゃかやってきて気分が良い。
食後にコーヒーでも、と最寄りのスターバックスに入ろうとして行列にげんなりし、モスバーガーで一休み。大盛り麦めしと2皿分の牛タン食べておいて、「シェークだ……」と思う自分を戒めつつ、とりあえずアイスティーなぞ飲んでみる。
ところで、平日の昼にわざわざ待ち合わせて昼飯を一緒に食う結婚3年目の夫婦というのは、やはりラブラブなのであろうか、新婚気分なのであろうか。10年後もこうしていそう気がしないではない。

スパゲッティ「鱈とネギ、ピーマンのパスタソース」で
コールスローサラダ
R1/Fの
 きまぐれサラダ「ラ・ベットラ風」
 ロシア風ポテトとたまごのサラダ
 たことセロリのサラダ レモン風味
ビール

本日は、先週末に買ってきたアクア・パッツァのパスタソースを使ってパスタに決定。昨日ほど寒くないし。
で、退社後にデパートへ出向き、R1/Fの月代わりサラダを買ってみる。
今月は落合務シェフ。銀座の有名店「ラ・ベットラ」のオーナーである。この店、会社から歩いて10分程度のところにあってしょっちゅう前を通るのだが、一度も入れたためしがない。ディナーは1年先まで予約でいっぱい、予約を入れないランチはランチで日々長蛇の行列という何ともすごい店なのであった。で、そのベットラの落合シェフのサラダ、ということで、とりあえず並んでいた3種を購入、1種はみつからず。
貰ったリーフレットにはこんな感じの説明が。

きまぐれサラダ「ラ・ベットラ風」
8種の野菜にローストチキン、特製ハムも入った特製サラダ。
ディナーの予約は1年待ちという、落合シェフの店「ラ・ベットラ」の人気メニューのひとつです。

ロシア風ポテトとたまごのサラダ
北海道大正町産の新じゃがに、たまごと海老を加えたシンプルなポテトサラダ。
マスタードがほのかに効いた優しい味わいです。

地中海風シーフードサラダ
ポイントは、ふたつ。
魚介類の丁寧な下ごしらえと、マヨネーズに貝のスープを加えた特製ソース。
落合シェフのレシピを守って、ワンランク上のシーフードサラダが出来上がりました。

たことセロリのサラダ レモン風味
落合シェフがナポリで覚えたお気に入りのメニュー。 静かにじっくり煮含めたたこは、驚くほど柔らかく、野菜の旨味と香りが口いっぱいに広がります。
別添のレモンをキュッと絞ると、いっそう爽やかなおいしさに。

だんながパスタを茹でている間に、私はサラダの準備。茹であがったところでビールを注いで、本日の夕食のはじまり。

パスタ、美味しい。鱈のソースは当然美味しく、そしてサラダも旨かった。
妙に具沢山の「きまぐれサラダ」は見るだけで鶏肉とハム、ペンネに茄子にじゃがいもにズッキーニにトマトにきゅうりにパプリカにオリーブにピクルスにレタス、といった具合。その素材1つ1つがソテーされていたり下味がついていたりときっちり仕事がしてあって、出来合い惣菜のくせにめちゃめちゃ美味しい。たまごサラダは懐かしいような味がするくせに複雑な後味があるし、たこのサラダのたこはホロホロに柔らかい。
これまでのR1/Fのサラダシリーズで最高峰レベルの味なのであった。……ってすっかり私は(株)ロックフィールドのまわしものみたい……。

11/6 (土)
ホットサンド 卵マヨネーズ
カフェオレ

【本日の痩身 : 昨日測定比プラス200g・あと10日で目標2.4kg減】

寒い季節の朝食は、やはりホットサンドがシアワセなのである。
我が家のホットサンドメーカーは、だんなの嫁入り道具である。1人前しか焼けない、小さなやつである。1つずつ焼くのは、なかなかにめんどくさい。本日の具は私が卵マヨネーズ、だんなは卵マヨネーズ&ピザ用チーズ。薄切りパンの片面にマーガリン(柔らかくしたバターだとベスト)を薄く塗り、塗った側を外側にしてホットサンドメーカーにセットして、具を挟んで焼く。外側がこんがり焼けて、噛むとじゅわっとバターの香りなんかしちゃったりなんかして、それだけでやっぱりシアワセになっちゃうのである。
で、今欲しいのはツインホットサンドメーカー。これがあれば3つ同時にホットサンドが出来ちゃうのである。これはすごいことだ。

新宿 壁の穴にて
 たらこ&いくらスパゲッティ

今日の予定は夕方6時より、上海蟹を食べるべく新橋亭へ向かうはずであった。予約もしっかり入れていた。「上海蟹、食べたいの」と宣言までしていた。
そして、だんなの祖母より電話。なんと祖母宅にも蟹があるのだという。しかも「たらば」、そして「花咲」。一緒に食べよう、という。生のを空輸したやつで、生なのだという。
どうして蟹は時間を等しくして我らの前に出没するのか。去年は全然出没してくれなかったくせに。
で、新橋亭の予約をあっさり明日に変更して祖母宅に向かう私たちである。

午後2時頃に新宿に到着するも、ちょっと空腹が極まり活動限界を感じてしまい、地下街の中にある「壁の穴」に飛び込んでしまう。
だんながミートソースにソーセージのトッピング追加を注文、私もミートソースを狙っていたのだがここで路線変更してたらこいくらにする(無論ミートソースはだんなから分けていただくのだ)。
ミートソースは白い平皿、たらこいくらは縁の高い木皿に盛られてやってきた。こころもち、麺の量は少な目だ。……っていうか、普通の1人前80gの量なのだ、多分。我が家で食べるのが1人前が200g弱と異常であることに今更気がつくのであった。

たらこスパはバターたっぷりたらこたっぷり、海苔たっぷりにいくらがてんこ盛りになっている。和風スパの元祖だけあって、やはり気合いの入ったたらこスパだ。ミートソースは、何というか「喫茶店のミートソーススパゲティ」といった風情。素朴で普通の味でちょっと甘く、でも幼少の頃から食べ慣れた味がした。壁の穴もソウルフードなんだな、わし。

新宿 NATURAL STATIONにて
 巨峰ミルク

「祖母宅に向かう時には新宿サブナード内のNATURAL STATIONに寄らねばならない」
の伝統にのっとり、今日もここに寄り道する。
いつもの「白いバナナミルク」か、はたまたソフトクリームにエスプレッソをかけた「アフォガット」に挑むか、大穴の「緑のベジタブルミックス」を狙ってみるか……!と心中盛り上がりを見せていたが、1つのライバルの出現でこの緻密な計画はあっさり棄却された。

「旬の限定ドリンク」
の文字。私は「旬」に弱い。「限定」にも弱い。弱いところだらけである。
「巨峰ドリンク」とあった。
その下には、「巨峰ミルク」の文字があった。
巨峰とミルク。葡萄とミルク。謎である。一瞬マスカットフルーチェの味が口中に広がったが、これは飲まずにいられない。

太めのグラスにクラッシュアイスがたっぷりと入り、ミルク色の液体の下層が美しい紫色に染まっている物体が、果たして私の目の前にあるのであった。下層は純粋な葡萄ジュース。かき混ぜながら飲むと、あの濃厚な甘さと香りの巨峰味が、ミルクの影にふわふわと漂い、なんとも美味しいシロモノだったのであった。いやーん。美味しい。くねくね。

祖母宅にて
 茹でたらば蟹&花咲蟹
 青椒牛肉絲
 おばあちゃん特製けんちん汁
 ビール、お茶

 TAKANOのフルーツロールケーキ
 庭の柿
 コーヒー

午後4時前、祖母宅到着。いきなり宴会が開始。
保冷ボックスに届いたままに保存されていた茹で蟹を、祖母がばっさばっさと切り分け、太い脚を、その腹を、卵も味噌もわしわしといただく。目の前に美味しそうに積み上げられた蟹があるならば、これは喰わなければ蟹様に失礼なのである。太いたらばも、身が詰まってみっしりとした花咲も、レモンかけてほじくりつつ食べる。食べる食べる食べる。

そして、蟹のお供はおばあちゃん特製けんちん汁。どんぶりサイズの巨大椀になみなみと盛られた異様に具沢山なけんちん汁。
里芋、薩摩芋、青菜、えんどう、葱、人参、大根、牛蒡、厚揚、油揚げ、豆腐、地鶏。
そんな具を食べ汁を飲み、そして蟹を食べ、おばの作った青椒牛肉絲も食べ、気が付くと大満腹。

新宿で出かけに買ってきたTAKANOのケーキと、祖母宅の庭の見事に完熟した柿なぞをいただき、更に満腹度をアップさせた状態で帰宅。ひー……。

11/7 (日)
トースト
角切りベーコン入りオムレツ
カフェオレ

【本日の痩身 : 昨日測定比プラス400g・あと9日で目標2.8kg減】

一昨日から、私はブルーであった。
味覚の秋だ。芋が美味しい、栗が美味しい、新米は涙ちょちょぎれるほど美味しい。そして蟹もサイコーだ。
而して、私の体重はその美味しさに比例するが如く、一向に減少傾向にないのであった。

悩み事は夜に考えてはいけない、という。
夜に悩みの泥沼に陥ると、普段以上にとっぴな結論に到達してしまうのである。しかもとりとめがない。
そして、私の出した結論は、
「……夕飯、毎日マイクロダイエットにするかなぁ。」
というものだった。
やはり、ここはひとつ食生活を改善しないことにはどーしよーもないのである。
早速ごにょごにょとだんなに相談。

数分後にあっさりと出た結論は、
・極端な食事制限は私には絶対不可能。
・ダイエット食品に金使うなら、スポーツジムにでも使った方がなんぼかまし。
・とにかく運動しろ、運動。
などというものだった。至極もっともである。
とりあえず、近日中に再びスポーツジム入会を目指し、とりあえずは毎日家でスクワットと腹筋体操、んでもってDDRを欠かさずやってみようと決意した次第。

吉野家の
 牛丼「並」
アイス烏龍茶

今日は夕方6時から外食なのである。
備えて昼食は食べずにおこうかと思ったけれど、空腹に耐え兼ねてだんなが吉野家に向けて飛び出して行ってしまった。
すかさず、
「あ、私、並ね」
と言ってしまうのが悲しい……。

吉野家の牛丼を食べたのは大学時代であった。たまたまゼミの仲間と一緒に行き、
「世の中にこんな旨いものがあったなんて!」
とカンゲキした。
女性同志だとか、女性一人だとかで入店するにはいまいち憚られる吉野家であったが、だんなと知り合ってからというもの、数週間に一度は食べられるようになり、私はちょっとシアワセだ。随分安価なシアワセだけど、まぁ良いのである。

新橋 新橋亭にて
 参色冷盆
 花巻
 小籠包
 上海蒸蟹
 乳油鮑魚
 香肉青菜
 真珠米湯
 海鮮炒飯
 芒果乳[米羔]
 杏仁豆腐
 芝麻球
 ビール

というわけで、夕食は外食。
新橋の"高級中華料理店"「新橋亭」(しんきょうてい、と読む)へいざ出発である。目当てはこの季節、店頭に「入荷しました」のビラが貼られる上海蟹、だ。
高価と謳われるこの店に、来てみようと思わせてくれたきっかけは14000円分のバウチャーチケット。
食堂工事中の現在、会社から月3500円の負担で7000円分使えるこのチケットを、私は2ヶ月分まったく使わずに持っていたのであった。で、加盟店リストを見ると「新橋亭」の文字が。2ヶ月分の昼食代を1食で使い切ろうという野望はこの時始まったのであった。

有名店であることは知っている。一度来たことのあるだんなも「旨かった」と言っている。インターネットで検索すると、「華僑二世も太鼓判」との言葉もしかと見た。
先日より予約を入れ、「上海蟹喰わせてね」と事前報告し、気合入れてやってきたのである。

新橋駅そば、見るからに敷居が高そうな古びた建物は、しかしゲームセンターやサラリーマン向け喫茶店などの直中にある。すりきれ、色も褪せかけた朱色の絨毯を踏みつつ、2階に案内されると、なんと個室が用意されていた。8人ほどが楽に入れそうな囲いの部屋に、円卓が一つ、3人分の席がこしらえてあった。
まず蒸した上海蟹2はいは必須とし、それに合わせて前菜やら野菜料理やらを加えて注文。息子用に点心を2つ注文。とりあえず喉の渇きがたまらなかった為、ビールを1つ。以下、こんな感じでやってきた。

・参色冷盆
「3種の前菜」。一般的な、蒸し鶏とチャーシュウ、くらげが盛られてきた。
前菜が美味しいと、他の料理も大概美味しい。ていうか、前菜が不味いと最後までイマイチなものが続くことが多い。
ここの前菜は、大変美味だった。
表面が赤く、中は肉色であるのに、味はしっかり中まで染みたチャーシュウ、太めでコリコリとしたくらげもなかなかのものだったが、柔かい蒸し鶏が最高。葱と、おそらくニラが混ぜ合わされた塩味のたれがかかっており、これが良い具合に鶏を美味しくしてくれる。「おお、さすが」などと言いつつ、ビールと一緒にかっくらう。

・上海蒸蟹
そして、念願の上海蟹。
御尊顔を拝む前に、中国黒酢と醤油、白葱、にら、しょうがのそれぞれみじん切りが小皿に乗ってやってきた。茶とレモンが浮かんだ温かいフィンガーボールや沢山の布巾なども揃えられ、「いざいざ」という雰囲気が高まる。白皿にうやうやしく2はいの蟹が盛られてきたが……思いの他、上海蟹は小さいものだった。
昨日食べたばかりのずわい蟹の太い足が記憶に残っていた所為も多分にあるが、両掌におさまるくらいの蟹は、「脚も食べられるのかな」と困惑するくらい。だが、そんなことを考える暇はなく、とりあえず無言で蟹に飛びつく私たちである。
随分と「味のある」蟹だ。蟹味噌は言うに及ばず、腹の肉も足の肉も「全面的にどこもかしこも蟹やってますっ!」という濃厚な香りと味がする。中国黒酢もすばらしく相性が良く、悪戦苦闘しつつも数十分ほどひたすら蟹と相対する。
そして、私が脚の太い部分をあらかた片付け、最後に足先の部分と尚も格闘しようとしていた頃だった。丹念に丹念に蟹の腹肉を穿り出していただんなは、未だ脚は手付かずである。
そこへ敷居のカーテンを開けてウェイトレスさんが入ってきた。
「お下げします」
の声もそこそこに、私の皿はあっという間にさらわれた。口なおしにと、甘くて温かい生姜汁(←すんげく美味しかった)を置いていき、格闘中のだんなの皿のみが残された。
そして、卓上には次々と、料理が……。ものの数分で、テーブルの上には4つの大皿が並んだのであった。
もしかして、私らは蟹を食べるのがめちゃめちゃ遅かったのだろうか。魚(あわび)料理と野菜料理とスープと炒飯が一緒に出てきてしまうほどに、もしかしてトロくさかったのあろうか。
ちょっと雑に食べた感のある私が「未だ全部は食べていない」という感覚であり、だんなに至っては「脚はこれから」という状態である。ちょっと釈然としないまま、先へ進む。

・乳油鮑魚
だんなの好物「あわびのクリーム煮」。
父がこれを好きだったというだんなは、幼少の頃からあまたの数これを食べてきたらしい。あわびの美味しさを知らない親に育てられた私は、生涯二度目のあわびのクリーム煮である。
口にしてだんな一言、「薄い」。味がか、と思ったが、あわびの厚みが、だったらしい。しかも顔をしかめて「しかもあわびだけじゃない」と言う。
良く見ると、白くとろんとした汁の中に入るあわびはひらひらと少なく、しかも同じ形状に切った筍が随分と混ざっている。これはあわび好きならずとも、首をかしげたくなる光景だ。しかも1皿3800円。
以前、全日空ホテルの花梨で食した時も、安いシロモノではなかったが、あわびがふくふくと厚く柔かく、「これは旨い!」と思ったものだった。
「もしかして、新橋亭、ハズレ?」という思いが去来する。

・香肉青菜
「中国ベーコンと青菜の炒め」。料理長のオススメメニューに掲載されていた。
金華ハムや腸詰が大好きな私たちは中国の加工肉に弱い。思わず注文したものだった。
野菜は青梗菜と筍。これに薄切りにした幅広のベーコンがざくざくと入り、塩味でまとめてある。ベーコンの塩が強く、全体的に塩辛い気はあるが、ベーコンの旨味が濃厚で、これはとっっっっても美味だった。

・真珠米湯
「コーンスープ」。
まぁスープも頼むかね、といったノリで頼んだ、息子が好みそうなコーンスープ。
基本のスープが美味しいらしい、という下地がみえるコーンスープで、なかなか美味しい。息子が異様に気に入り、1/3以上を飲み干す。

・海鮮炒飯
メニューに「炒飯」という名前がつくのは1種類のみ、「五目炒飯」と載っていた。
試しにとってみると、どうやら具はその時々で変わるようで、今日のは蟹とレタスが入ったものだった。
「蟹!!!」
と喜んで口に放り込むも、どうも蟹の風味が乏しい。レタスはシャキシャキと悪くない具合だが、米はややペショり、しかも塩味が若干強い。
炒飯として、あまり良い出来のものではないシロモノだった。蟹だけに、残念。
しかも、ここまでの上記4皿がほとんど一度に出てくるし。
だんなは蟹の脚を食べることを断念し、それでも4皿を美味しいうち、温かいうちに食べるのに目を白黒させながら取り組まなければならなかった。ちょっと立腹。

・芒果乳[米羔]、杏仁豆腐、芝麻球

デザート3種。ハズレありアタリありで悲喜こもごも。
詳しくはこちらに写真入りでまとめてみたのである。

2時間後、満腹を抱えて辞去。
一品料理は思いの他安価で、「もしかしたら14000円分のチケットだけでおさまるかも」なんて淡い期待を抱いてしまった。
そして支払金額は。

なんと驚きの\27,917。

上海蟹が、なんと1はい\4500もしたのであった。
あ、あんなサワガニ1匹で……と戦慄するも、まぁ蟹は旨かったし、と諦める。
しかし、他の料理はいまいち諦めきれないぞー。特にあわびのクリーム煮には断固として「がんばりましょう」の判子を押して差し上げたい気持ちである。しくしくしく。