食欲魔人日記 02年02月 第3週
2/11 (月)
まぐろのタルタル丼 (夕御飯)
551蓬莱のぶたまん
ウーロン茶

数日前から風邪をひいていただんな、やっと回復傾向にあるようだ。
「ん〜……ちょっと回復……」
と、今朝は洗濯機を動かしたり新聞紙をまとめたりと動き出した。逆に私がどうも風邪気味に。

冷蔵庫には、先日通信販売で購入した551蓬莱の豚まんやあんまん、焼売などがざくざくと詰まっている。
「喰わねば、な」
「うむ、喰わねば」
と、朝から豚まん。大きめの豚まんは食べ応え充分。

とんこつラーメン
蒸し餃子
551蓬莱の焼売
アイスウーロン茶

数日前、紀伊国屋マーケットで「紀伊国屋特製」とシールが貼られたラーメンを買ってきた。
「塩味とか、醤油味とか、すんごくシンプルなものが食べたい感じー」
と冷蔵棚を眺め、しかし、だんなの
「……とんこつ味もあるよ?」
の一言で、とんこつ味を買うことに。私はとんこつ味が大好きじゃけえ。

脂くささはほとんどない、さっぱりしたラーメンだった。ちょっとばかりお上品すぎて「……物足りない」と感じつつ、でも縮れ少なめちょっと太めの麺にさっぱりスープが良く絡む。

「ラーメンにはやっぱり餃子でしょー」
と、先日手作りして"ラップしてジップしてフリージングして"残してあった餃子を蒸す。ついでに551蓬莱の焼売も、蒸す。1人8個の餃子に、1人2個の巨大な焼売、大盛りサイズのラーメンはさすがに量が多かったようで、超満腹状態に。
ああ、でもとんこつラーメン……微妙に欲求不満で、「九州に飛びたい……」と思ってしまったり。

マグロのタルタル丼
だんな特製角煮大根の、大根だけ
アイスウーロン茶

体調が回復してきただんなは、
「大根煮るぞ、いっぱい煮るぞ〜」
と、午前中から台所で巨大な両手鍋と共にコンロの前に立っていた。作ったいたのは角煮大根。輪切りにした大根を面取りした、その小さな大根の切れ端できんぴらまで作っている。素晴らしい。(で、きんぴらは速攻家族でつつきまわして平らげた)
夕方には、大根はそれはそれは美しいべっこう色に煮上がった。豚バラ肉は……もうちょっと、というところ。大根だけ食卓に出して、あとは「魚介の丼でも食べたいね」とマグロを買ってきてお気に入りのタルタル丼にすることにした。

マグロのサクは細かく刻み、刻み葱と刻みにんにくと共に塩と醤油、XO醤ベースのタレで和える(分量や作り方はこんな感じ)。御飯の上に和えたマグロを盛りつけて、半熟目玉焼きと海苔、香菜を飾ればできあがり。今日は残りもののルッコラがあったので、マグロの下にたっぷり敷いてみた。香菜も山盛り(←写真撮った後、マグロが見えなくなるくらい上からぶっかけた)。卵は、黄身が全然固まっていない生の状態が美味しかろうということで、じわじわと白身だけが固まるように蒸し焼きにした目玉焼きを。

飴色の大根をつつきながら丼をかっこむ。葉脈のように大根の繊維がうっすら浮き上がり、茶色く染まった大根は、これが1日目とは思えないほどしっかり味が染みていた。超厚切りのふっとい大根、いきなり3切れ4切れ食べてしまう。

タルタル丼も、かつてなく良く出来だった。にんにくや葱が絡みまくったマグロに、香菜やルッコラの独特な香りが良く似合う。
息子は、長ねぎはあまり好きでないようだ。「……からいよ」と言って、生の長ねぎが乗った料理にはちょっとばかり嫌な顔をする。が、父母のポリシーは「嫌なら食べなくていいよー」なのであった。XO醤も容赦なく入れるし、野菜も特に工夫することなく普通に入れる。辛すぎる料理を作ってしまった日には「すまん、すまん息子」と申し訳なく思うけど。で、
「嫌なら食べなくていいよー、でも、他の料理はないからね」
と離乳直後から一貫してそうやっていたら、割となんでも食べる子になった。今日も、長ねぎを除けようとしながらもその量の多さに断念したようで、結局は葱ごと綺麗に平らげた。ふふふ、狙い成功(←本当は何も狙っていない)。

どうも、子供が野菜を食べないからと言って、それを刻みまくってロールキャベツやハンバーグに混ぜるという"子供向けおかず"は昔から好きになれない。大体自分が、そんなロールキャベツやハンバーグは食べたくない。噛みしめると肉の味だけがじゅわっと染み出るようなやつを食べたいし、子供にもその味を教えたい。
とは、偉そうに言ってみたりするけれど……まだまだ春菊やキノコ類、煮野菜なんかは嫌いらしい。道は遠し。

2/12 (火)
味噌カツ丼 (夕御飯)
ハムチーズのホットサンド
牛乳

昨日まで風邪でゲレゲレだった我が夫。今度はどうやら私に伝染ってきたようで、昨夜から私が不調になってしまった。熱はないけど頭は重いし体はだるいし、喉も関節も痛い。ううううう。しかも息子まで微量に微熱気味。

「……こりゃ、ダメだね」
「……ダメだな」
「だめだねぇ〜」
と家族全員呟いて、だんなを仕事に送り出した後は、親子でごろごろする一日となってしまった。

午前中、息子はベッドで眠り続け、私は「……食欲ないなぁ」と一人こたつでごろごろごろ。10時半頃に起き出してきた息子は何だかやたらと元気だった。
「ほっとさんど、ほっとさんどたべるよー」
と台所からわしゃわしゃとパンの袋を持ってきた。フランスパンだの厚切りパンだのも一緒に置いてあったのに、しっかりサンドイッチ用のパンを抱えている。さすがだ。しかも、ピーナッツバターパンとかジャムパンとかではなく、ホットサンドときた。渋好みだねぇ。

「……あー。はいはい、ホットサンドね。ホットサンドっと」
とこちらもよろよろ起きあがって、一番簡単にできるハムチーズサンドにすることにした。マーガリンを塗ったパンをホットサンドメーカーにセットし、ハムとチーズを挟んで待つことしばし。マーガリンを多めに塗ったパンは、サクサクとパイ生地のようになっていてたまらなく香ばしかった。風邪で喉が痛くても、あったかいものを食べるとホッとするもんで。

どらやき
牛乳

数日前、だんなの実家に行ったときに
「ほほほほほ、家で寝てる人のお見舞いよ」
と、お義母さんからだんなにと、どらやきを2つ貰ってきた。確かに「家で寝てる人」の口には入ったけど、だんなじゃなくて私と息子、2人でおやつにどらやきを食べちゃう。

「あんこには牛乳が似合うよねぇ」
などと息子に語りかけてみたりしながら、しっとりと皮が重いどらやきの中身は、これまたどっしりとした粒あん。私好みのどらやきだった。

味噌カツ丼 刻みほうれん草添え
だんな特製角煮大根
アイスウーロン茶

「おかず、買って帰るよ〜」
と、早めに帰ってきてくれる夫は非常に天晴れな人だと思う。だが、買ってくるよと宣言したのは"トンカツ"で、しかも
「味噌カツ丼、しようかなと思って」
というのは、風邪ひきの妻に対して、いかがだろうか。更に、それに対して
「おお、味噌カツ丼、いいねぇ〜食べるよ〜」
と応えてしまう妻もまた、いかがなものか。
「病気にカツ丼」という組み合わせはそぐわないけど、夫婦の呼吸は今日もばっちりらしかった。ええ、どうせ私は病気でもカツ丼喰えますよ、カツ丼は別腹ですよ。

我が家の冷蔵庫内には、名古屋の名物味噌カツ店「矢場とん」の持ち帰り用ソースが1本入っている。昨年末にだんなの同僚がお土産にと買ってきてくれたのだ。が、パッケージに書いてあった賞味期限は購入後僅か1週間。早く食べなきゃ、とっとと食べなきゃ、と思っているうちに2ヶ月近く経過してしまった。なんでもこのソース、冷蔵庫内に入れておいても発酵が進んで酸味が出てきてしまうらしい。舐めてみた。……酸っぱくない。別に腐臭もしてない。大丈夫そうだ。

本当は刻みキャベツを肉と御飯に間に敷く予定だったけど、キャベツはあいにく切らしている。仕方ないので、ほうれん草をざくざく刻んで敷いてみた。これはこれで味噌だれに似合わなくもない。炊きたて御飯にほうれん草をがばっと乗せ、とんかつ屋さんのヒレカツ(←一応脂っこくないものを……とだんなは気を使ってくれたらしい)をトッピング。上からだばだ〜とたっぷり味噌だれをぶっかけて、あとはひたすらわしわし食べる。

甘辛くて、どこかじんわり苦みもある独特の八丁味噌の味のタレは、まごうことなき名古屋の味。
「ああ〜、名古屋の味だ〜」
「やっぱり串カツか何かで食べなきゃね」
と、ボトル半分ほどの味噌だれを消費しまくりつつ食べた味噌カツ丼。平らげようとしたところで、だんなが衝撃の告白をした。
「あのね……このタレくれたのとは別の同僚がね……またこのタレ買ってきてくれたって……」
……来週あたり、串カツパーティーでもするか。M井さん呼んで。

2/13 (水)
飴色の角煮大根♪♪♪ (夕御飯)
厚切りチーズトースト
リンゴジュース

どうも風邪気味の、体調不良2日目。
昨日に引き続き、息子と一緒におとなしく家にこもることになった。ああ、こたつよ我が友よ。

朝御飯は、息子の「パンとー、りんごのジュース、のむのー」という熱いリクエストにこたえ、パンとジュース。
厚切りパンにエメンタールチーズの厚切りをみっしりと隙間なく乗せる。トースターで6分ほどかけてチーズをすっかり 溶かしたら、いただきます。あまり病人が食べるものじゃないような気がしないでもないけど、まぁ気にしない。

とろんと溶けたチーズはパンから溢れそうで、気分はアルプスの某少女。そのへんに売ってる板状のとろけるチーズも悪くないし、細かく刻まれた袋入りのピザ用チーズも悪くないけど、たま〜にエメンタールチーズだのグリュイエールだのを買ってくると、その独特の乳臭さとか薫製香のようなクセのある香りがしみじみと美味しい。

昔は全然チーズは好きじゃなかった。小学生の頃、池袋サンシャイン内のワールドインポートマートにて、当時はそれほどスーパーなどでは売られていなかった青カビチーズが試食で出されていて、何の気なしにそれを食べてしまったことがある。2年間履き続けた靴下を佃煮にして煮詰めたような匂いに、涙が出るほど吐き気がしたのを覚えている。それがちょっとばかりトラウマで、大人になって酒が飲めるようになるまではチーズが少々苦手だった。今はどんなチーズも大好きだ。
息子は……そういえばどんなチーズでもむしゃむしゃ食べる。「ちーず?ちーずきってるの?」と寄ってきてはいつも試食して去っていく。今度は青カビものを喰わせてみよう。うひひ。(←オニ母や……)

おばあちゃんのお赤飯
おばあちゃんのきんぴらごぼう
冷茶

冷蔵庫内から、おばあちゃんからお裾分けしてもらった赤飯及びきんぴらごぼうを発掘した。おお、これは食べてしまわなければならない。赤飯がカピカピになりかけている。やばいやばい。
本当はもう一度蒸し直した方が旨いだろうけど、ここは手抜きして電子レンジに入っていただく。きんぴらごぼうも続いて電子レンジに投入。両方アツアツになったところで、「笑っていいとも」なぞ息子と見ながら、こたつで食べる。(実は今冬にこたつを買ってからというもの、ほとんど全ての食事をダイニングテーブルじゃなくこたつで済ませるようになった我が家……)

おばあちゃんのきんぴらごぼうは、割と容赦なく辛い。赤唐辛子がごろんごろんと入っていて、甘辛いごぼうは囓るとじわじわと辛さが口に広がってくる。小豆ごろごろの赤飯も、相変わらず美味しい。

だんな特製角煮大根
ブラックタイガーのバターにんにく炒め
小松菜の味噌汁
羽釜御飯
キリンチューハイ氷結果汁 グレープフルーツ
冷茶

体調、かなり復活。一昨日買った海老なぞが冷蔵庫に入っていて、これを食べてしまわねばならない。
「にんにくとバターで炒めよう」
と、塩をふり、にんにくバターでざかざか炒めてみた。更に、数日煮込まれていよいよ美味しくなった角煮大根も。

羽釜御飯と小松菜の味噌汁を準備して、今日は珍しくチューハイで乾杯。表面に並ぶ三角形の凹凸が綺麗な缶チューハイだ。
「これ、開けると表面がペコッとなるらしいですよ」
「ほほぅ〜」
と、帰宅しただんなと一緒に缶を覗きこみつつ缶を開けた。……ペコッ。おお、本当だ、面白い。

月曜に仕込まれた角煮大根は、それはそれは良い色になった。葉脈のように繊維が透けあがり、全体が飴色に染まっている。"鍋底大根"そのまんま、という感じ。箸を刺すだけでくしゃっと溶けてしまいそうに柔らかい。角煮大根、素晴らしく美味しくなった。大根1本分と、豚バラ800gを煮込んだはずだったのに、もう残りは僅か。
……あ、ほうれん草茹でて添えようと思ったのに、忘れちゃったよ。

2/14 (木)
貧乏人のパスタ (夕御飯)
ミスタードーナツの
 アップルパイ
 エンゼルクリーム
カップスープ (コーンクリーム)

今朝のだんなの出勤は早かった。
「朝御飯簡単に済むように、ドーナツ買ってきたよーん」
と昨夜、彼はドーナツの箱を抱えて帰ってきた。
「今日はラッキーだったんだよ、エンゼルクリームが余ってた!」
と御満悦だ。で、私の分もエンゼルクリーム。

いつもより1時間ばかり早く起きて、いそいそとカップスープなぞ用意しつつドーナツを囓る。甘ったるいし、手や口がべったべたになるけど、白いクリームがもにゃもにゃと詰まったエンゼルクリームはやっぱり美味しいのだ。

納豆
牛肉の佃煮
小松菜の味噌汁
御飯
冷茶

本日は受験日なのだそうで、大学の仕事はお休み。息子も、現在保育園でおたふく風が猛威をふるってるということで、大事をとってお休み。
「さむいね」
「さむいよね」
と親子でごにょごにょとレゴブロックなぞひっぱりだして遊んでみる。

昼御飯は、ごく簡単に「飯と汁」。ついでに納豆。
我が夫は納豆が苦手だ。だが、どういうわけか息子は納豆大好き。
「お肉と、納豆、どっち食べますか?」
と聞いたらば、即答で「なっとう〜」という返事が返ってきた。手を使って盛大にネバネバネバネバさせながら嬉しそうに食べている。周囲に漂う納豆臭。むわぁ。

牛しゃぶのサラダ
ラクレット
ほうれん草のポタージュ
貧乏人のパスタ
シンハービール ドラフト
アイスカフェオレ

今日は、バレンタインデー。夫と息子にあげたのは、アランジアロンゾこのチョコこのチョコだった。どちらも、「わるもの」の顔が黒々と笑っているイラストつき。なんともシュールなプレゼントだ。ていうか、手抜き。

せめてもと、夕飯はあれこれと作ってみた。スライスした玉ねぎの上にしゃぶしゃぶにした牛肉を盛りつけ、ラディッシュやプチトマトを周りに盛ったサラダ。茹でたじゃがいもの上にラクレットチーズを溶かしてかけたラクレット(←"ラクレット"はチーズ名であり料理名でもあるのだな)、ほうれん草1束放り込んで作った濃厚なポタージュなどなど。

本当は、カルボナーラ予定だったパスタは、生クリームが売り切れであったため急遽「貧乏人のパスタ」に変更。イタリアじゃ、どこの家にもあるもので作れるパスタだから「貧乏人のパスタ」という名だと聞いた。そのネーミングと味にハマッてしまった我が家では、いつでもこれが作れるように材料は揃えている(といってもチーズと卵と麺だけだし)。

スパゲティを茹でている間に、中華鍋にだばだばだばとオリーブ油を75ccばかり流し入れ、適度に熱したその油の中にぱかんぱかんと人数分の卵を放り込む。ぐじゅぐじゅと泡立って、半熟になったところでその卵はそっと出しておく。出したところで、更に人数分の卵をぱかんぱかんと放り込み、これは黄身を崩して半熟状になるようにぐじゅぐじゅにさせる。ここでスパゲティが茹で上がれば、タイミングは完璧。茹でたてのスパゲティをそのぐじゅぐじゅ卵の上に放り込み、わっせわっせと油と卵と麺をなじませればできあがり。お皿に盛って、頂上には先ほど出しておいた卵を乗せる。上からは"ペコリーノ・ロマーノ"か"グラーナ・パダーノ"あたりの塩気の強い硬質チーズを大量にぶっかける。胡椒もぶっかければ、完成。今日は卵の準備が遅かったので、トッピング卵は別途フライパンで焼いてしまった。いかん、こんな綺麗な目玉焼きが乗るのは、いかん。

オリーブ油がこってりと麺に絡まり、卵のコクとチーズの塩気だけが旨味のような、シンプルきわまりないパスタだけど、カロリーの充実ぶりを示すかのように、腹持ちもばっちりだ。これを食べるとしばらく満腹感がおさまらなかったりする。

2/15 (金)
こってり肉じゃが、牛肉で (夕御飯)
ツナオニオンのホットサンド
ほうれん草のポタージュ
カフェオレ

おたふく風邪やらインフルエンザやらがものすごく流行ってるということで、ここしばらく、息子は保育園を自主休園なぞしていたりした。が、今朝、起きるなり不機嫌な息子は
「ここ、ここいたいのよー」
と訴えてきた。右耳の下には不自然な腫れが。あああ、やられた……おたふくだ。完治まで約1週間、2週間後の3月頭には讃岐うどん詣での予定が入っている。タイミングが良いと言えば良いかもしれない。

1週間の引きこもりを覚悟した今朝は、あり合わせのものでホットサンド。ツナ缶開けて、多めの刻み玉ねぎをざくざくと放り込み、マヨネーズとざざっと和えてホットサンドメーカーにセット。昨夜のポタージュを温めたり、カフェオレなぞいれていたりしていたら、ちょっと焦げ気味になってしまった。キツネ色というよりは、タヌキ色という感じ。それもまた、よし。

ちょっとくたくた とんこつラーメン
冷茶

今日は買い出しに行く予定だったので、冷蔵庫の中は非常に寂しい状況。しかし当然ながら、伝染病にかかった息子を連れていくわけにはいかない。病院にも連れていった方がいいかもしれない。で、お義母さんに頼ることにした。息子を病院に連れていってもらい、代わりにその間買い物を済ませる。これなら喰えるかなぁと、ヨーグルトや苺、豆腐などをざくざく買ってきた。明日はカサゴが我が家に届く。アクアパッツァを作ろうと、プチトマトなども買ってきた。

昼過ぎて、お義母さんと息子が帰宅。1人分余っていたとんこつラーメンを、柔らかめにくたくたに茹でて息子と啜ることにした。正直、とんこつラーメンは硬めの茹で加減が好みだったりする。が、口を開けるのもおっくうそうな息子を見てると、そうも言っていられない。事実、だんなはおたふく風邪のとき、痛さのあまりにほとんど何も食べられずに、「おたふく風邪=お腹がすく病気」という記憶ばかりが残っているのだとか。

万能葱だけをぶっかけたちょいと濃いめのスープの柔らかとんこつラーメン。も、もしかしてしばらくはスパゲティもアルデンテ禁止だろうか。くたくたスパゲティ。それはちょっと……イヤだ。

ピータン豆腐
肉じゃが
だんな特製角煮大根
羽釜御飯
キリン缶チューハイ 氷結果汁 グレープフルーツ
ほうじ茶

普段は子供に合わせた料理はあまり作らない。んが、病気となると別だ。少しでも食べられるものを作ってやりたい。で、「豆腐……好きだったよな」と、ピータン豆腐。豆腐とピータンをざくざく切って盛りつけて、上から刻み万能葱とおかかをぶっかける。だし醤油でさっぱり食べる。あとは、じゃがいもが喰えるかなぁと肉じゃが、角煮大根、炊きたて御飯。

美味しい肉じゃがの作り方はないかと、色々な作り方を試してきてみた。「命のだし」を取ることから始まる道場六三郎さんバージョン、ことこと煮てから最後に醤油と砂糖で調味する小山裕久さんバージョン、胡麻油で炒めるケンタロウさんバージョン。色々やってみたこと数年、結局「小林カツ代さんのが一番ね……」と、落ち着いた。道場さんバージョンも、上品な味わいで「おもてなし肉じゃが」という味がする。

玉ねぎを炒めて、火が通ったところで玉ねぎを周囲に寄せて鍋の中央に肉を盛る。火を止めて、その肉めがけて醤油2、砂糖と味醂各1ずつの割合で調味料を放り込む。火を再びつけたら調味料がフツフツ煮立つまで一呼吸放置し、煮立ったところで煮汁に煮からめるように肉と玉ねぎを混ぜていく。コテッと肉が煮えたところでじゃがいもを上に散らし、ひたひたに水を注ぐ。強火でうりゃーっと十数分煮ればできあがり。早くできるし味はすごく染みているし、「これ!」という味になる。ちょっと甘いような気もしないではないけど、この甘さが肉じゃがならではの旨味だと思う。

料理の本を見ると、どうも「じゃがいもや玉ねぎ、しらたきの間に肉がちらちらと見える」というような分量の感じ。私は「肉の隙間にじゃがいもや玉ねぎ」というほうが好みだ。ついでに、牛肉よりは豚肉の方が美味しいと思う。豚バラ肉の薄切りなんかが、もうサイコー。
んが、このご時世、下手に豚肉買うよりは牛肉(しかも国産)の方が安かったりするのである。数日前に笑っちゃうような値段で売られていた牛バラ肉を買ってきてあったので、それを使うことにした。うーん、やっぱり豚肉の方が美味しいような気が。牛肉は独特の乳臭さがあって、それがじゃがいもや玉ねぎに似合うと言えば似合うんだけど、くどさもちょっとばかり漂うような気が。

豆腐に肉じゃが、角煮大根、というさっぱりめの和風夕食、しかし息子の食欲は思わしくない。
「これ、これ、のむよー」
と人の缶チューハイを飲みたがった挙げ句(←あげません)、ろくに食べずに寝てしまった。熱は上がる一方。きっと明日には顔が更にぱっつんぱっつんになっていることだろう。ま、子供が子供のうちは、こういうことも通過儀礼として経験せねばならないということで。

2/16 (土)
かさごのアクアパッツァ (夕御飯)
クリームパン
チーズクリームデニッシュ
ほうれん草のポタージュ
牛乳 with ココア味ミルメーク

今朝の私は機嫌が悪かった。しかも眠かった(←単に眠くて機嫌が悪かった)。
我が夫に対して、あまり不満なぞは持ち合わせていないのだけど、ただ一つ、彼のいびきには時々我慢がならないことがある。彼が疲れている日には、そのデシベル値は倍増する傾向にあるようで、そういう日に私が寝付けなかったりするとものすごく悲惨だ。昨夜もそんな感じだった。
「……眠れん」
と、起き出して居間で眠れないままネットサーフィンなぞしているうちに朝刊が届く音が聞こえてきた。やばい、もう4時前だ、と思って居間のソファベッドで横になったものの、4時間ほどで息子が起床。結局今ひとつ眠った実感がないまま朝になってしまった。

「……ねむいよ」
「……さむいよ」
「もーもー、やだなー、もー」
とぐずぐずとこたつと一体化してみた後、朝御飯は菓子パン。近所のそこそこ美味しいパン屋さんで買ってきた、好物のチーズクリームデニッシュとクリームパン。残りものの自家製ポタージュに、大きなグラスに200mlの牛乳を注いでそこにミルメークを溶かしたやつ。多分、「水にも溶けるミルクココア」なんてメーカー製品のを買ってきた方が、ミルメーク牛乳より美味しいとは思う。思うんだけど、家族全員、妙にミルメークが大好きだ。

マクドナルドの
 ダブルチーズバーガー
 しゃかしゃかポテト(じゃがバター醤油味)
 コカコーラ

昼前、数日前にネットで注文した漫画本22冊がどどーんと宅急便で届いた。少年ジャンプ連載のコミックス『ONE PIECE』。もう1年くらい前から、実は「気になる……」「面白そうだ……」「ゾロって人がすっごく好み……」と年甲斐もなく新刊が出る度に書店店頭で心ときめかせていた。が、だんなから
「ん〜、でも、ドタバタのギャグ漫画だよ。あまり面白いとは思わないけど」
の一言があって、購入衝動はぐっと押しとどめていたのだった。

が、今月号の『ダ・ヴィンチ』の百人書評コーナーが、まさにこの本。「泣ける」だの「十数年ぶりぶりにジャンプものではまった」だの「感動」だのといった言葉が並んでいて、後押しされるように大人買いしてしまったのだ。もう本棚は限界だ。ここは京極夏彦さんが先日テレビでおっしゃってたように「本の収納は"愛と執念"、これです」と断言していたように(で、実際何が「愛」で何が「執念」なのかとくとくと述べておられた)なんとか収納するしかあるまい。

で、昼過ぎからぶっとおしで漫画を読みふける。お買物に行ってくれただんなを「いってらっしゃーい」と送り出し、その間もぶっ通し。昼御飯は、おたふく風邪罹患中の息子の「ぽてと、ぽてとたべたいなー」の一言によりマクドナルドのテイクアウトもの。

久しぶりに食べたダブルチーズバーガーは、相変わらずの味だった。正直言って、「美味しい」とは思わない。でも、
「あー、このチーズの味が!」とか
「あああ、このふにゃけたパンの歯触りが!」とか
「このちょっとパサついた肉の食感も!」などと、
「懐かしいなぁ……そうそう、この味」と思えてしまう自分がちょっと情けない。最近は、ファーストキッチンでおなじみの「しゃかしゃかポテト」まで加わったらしい。バター醤油味のパウダーを紙袋にポテトと共に放り込み、しゃっかしゃっかとふり混ぜる。手も口のまわりも粉粉してしまうポテトは、確かにバター臭くなった。顆粒なのに醤油の香りもふんわりと。

かさごのアクアパッツァ
羽釜御飯
ポーターエール

「カサゴが食べたいね」
「アクアパッツァに、したいよね」
と、ちょっと前から、いつも色々とお世話になっているクック&ダインに「カサゴが釣れたら教えてけれー」とお願いしていた。タイミング良く、昨日のお昼に「23cmほどのカサゴが揚がりました〜」と連絡が。週末に届くとは、ちょっと嬉しい。メバル1尾と一緒に届けてもらってみた。近所の魚屋にもたまに出なくはないけれど、どうも目玉がどろ〜んと濁っていていまひとつ美味しそうに見えない。ちょっとばかり値段は張ったけど、レストランに赴くことを考えたら安いものだ。

朝からプチトマトを使ってドライトマトも制作しておき(半割にしたトマトを110℃ほどのオーブンで1時間ばかり焼き、余裕があったら天日にさらす、これで瓶入りのオイル漬けドライトマトなんかより数億倍美味しいフレッシュ風味のドライトマトができる)、あとはオリーブやケッパー、アンチョビペーストなどを用意する。オリーブ油で魚を焼き付け、水を入れてジュワ〜ッと煮立ったところにアサリと一緒に材料を全部放り込んで適当に煮込めばできあがり。なかなか豪快な料理だ。汁気を飛ばしすぎず、ちょっとばかり汁っぽく作ってしまうのが、我が家の定番になりつつある。

昼御飯が遅かったので、アクアパッツァと御飯だけの簡単夕食。おかずがおかずだから、御飯じゃなくてパンかパスタにでもすべきかという印象もあるけれど、アクアパッツァには白米でなければならぬ。断じて白米だ。何しろ、一通り魚の身を楽しんだ後は「アクアパッツァ丼」として食べ尽くすのが至福なのだから。

最初は、フライパンに残った汁を「もったいないね」と一口分の御飯にちょっとだけかけて食べてみたのが始まりだった。最近は、身も食べ尽くしてない中盤から、おもむろに御飯にざくざくぶっかけて食べてしまうように。モチモチとした食感すらある、脂の乗った白身の味のある魚肉を御飯の上にたっぷり。ドライトマトやケッパーも乗せ、煮汁をぶっかけ、「ぶっかけ飯」の如くにずるずると啜って食べる。トマトの甘酸っぱさとか魚の塩気、アサリや魚の旨味が溶けたスープの味わいが、御飯とものすごく良く似合う。ただ、塊のオリーブの味だけは御飯といまひとつ似合わない。これだけは除けて、オリーブだけをビールの肴にでもして食べる。

これを作るたびに、「私の料理、もうもうサイコー」と自画自賛してしまったりするのだけど、お店で食べる度に打ちのめされて帰ってくる。火の通り具合とか味のバランスなんかはまだまだまだまだ研鑽が必要らしい。
でも、アクアパッツァ丼だけは、外じゃ食べられないのよね。うちだけで食べられる極上の味。むふふ。

2/17 (日)
焼き肉にはこれが必須!のにんにくバター焼き (夕御飯)
だんな特製ヨコイのスパゲッティー 「ミラカン」
リンゴジュース

昨日寝不足だったからか、今日は目覚めると10時をとっくに過ぎたところだった。だんなも息子も居間にいる。あらまぁ。

今夜は焼き肉予定だ。この時間に朝食をとったら、必然的に昼食も遅くなり、夕食までにお腹が空かないかもしれない。
「フレンチトーストでも作る?」
「……昼飯も兼ねて、スパゲティ作っちゃう?」
と我が夫と巨頭会議を開いた後、「スパゲッティ、作っちゃおう」ということに。名古屋名物あんかけスパ、ヨコイのスパゲッティをちょいと久しぶりに食べる(「ヨコイとはなんぞや?」という話はこのへんとかこのへんに、更にこんなサイトまであることが確認されている)。

今日は、「ミラカン」。各種野菜を炒めたものと、ソーセージがトッピングされた、あんかけスパ界においては基本となるメニューの1つだ。本当はマッシュルームや筍なんかが入っていたりする。が、今日はありものでピーマン、玉ねぎのみ炒めあわせ、そして必須の赤いウィンナー。添加物バリバリといった様相の真っ赤なウィンナーが、どうにもヨコイには良く似合う。で、ヨコイを作るときは、肉屋じゃなくてスーパーでいかにもな赤いウィンナーを買ってくるのだ。

ヨコイ製極太スパゲッティは茹でた後水にさらして、それからバターで炒め、皿に盛る。別フライパンで具を炒めて、それを麺の上にこんもりと。最後はヨコイ製レトルトパックのソースを麺の周囲に敷くように流してできあがり。ピューレ状というよりは、本当に「あんかけ」といった感じのとろみ具合。甘いような辛いようなケチャップのようなミートソースのような、口の中がじんわりと辛くなる微妙なピリ辛感のあるソースは、相変わらず奇天烈な味だった。

このソース、誰しもが初めて食べた時は「美味しい!!!!」とは思わないものらしい。大体が「……おんやぁ?」と首をかしげるその味で、それを「ああ、妙な味だった、でももう一度食べてみようかな……」と2度3度と食べてみるとどんどんクセなるらしい。5回も食べると立派なヨコイジャンキーの完成だ。1ヶ月1度ほどは「ああ、食べたい、あの味食べたい……」とレトルトパックを購入するに至り、最後には名古屋詣でに行ってしまうのだ。体内の血に「名古屋液」がどれだけ含まれているかで、ジャンキー変化率が変化するのではないかという研究報告もある(どんなだ)。

焼き肉
 牛タン・カルビ・ハラミ・豚トロ
 南瓜・茄子・ピーマン・長ねぎ・玉ねぎ・にんにくバター
ガーリックライス
モルツ、冷茶

「焼き肉が、食べてぇ〜」
と昨日呟いていただんなは、出かけたついでに焼き肉用の肉をわさわさと買ってきた。今日は、焼き肉。自宅焼き肉は久しぶりだ。

ダイニングテーブルの周囲にホコリでもあった日には、焼き肉後にそのへんが油を吸ってネトネトになってしまう。周囲のお掃除から準備開始。
今日は、タンやカルビに加え、豚トロもある。霜降り状態に白い脂の層がさわさわと入った綺麗なピンクの肉だ。これがなかなかどうして美味しくて、下手をしたらカルビよりも美味しくて、皆でよってたかった食べることになってしまった。
おたふく風邪発症3日目の息子まで、
「おにく、たべるよー。しろいおにく、たべるよー」
と豚トロを要求。「痛くて噛めないんじゃないかなぁ……」という親の心配をよそに、5切れ6切れと豚肉ばかり食べている。いつもながら強靱な子だ。

何をおいても準備するのは、タンと、タン用の葱のざく切りと、レモン。長ねぎを細かくざくざく切っておき、そこにまぶすようにサラダ油なぞをかけておく。焼き上がったタンで葱を巻き、胡椒をガリガリ挽いたレモン汁に浸して食べるのが大好きだ。
そして、これまた忘れちゃいけないのがにんにくバター。アルミホイルで器を作り、にんにくを大きめの塊のままごろんごろんと入れ、バターを入れて鉄板の隅っこでじくじくと焼き煮していく。翌日、周囲に迷惑をかけることさえ考えなければ10個でも20個でも食べられそうなにんにくは、バターが香ばしいし、栗のようにホクホクだしで、これがにんにくの世界一美味しい食べ方なんじゃないだろうかとすら思える。

肉と野菜を堪能した後は、ガーリックライス。肉汁が出まくった鉄板にバターを落とし、薄切りにんにくと一緒に御飯を炒めて軽く醤油で味つける。ちょっと多めにできたガーリックライスは1人1.5膳くらいの分量があったけど、ぺろりとなくなった。
「なんか今日、いつもみたいに"超満腹"状態にならなくて良かったよー。肉の量が丁度良かったのかな」
と聞いた私に、だんな一言、
「……え、確か800gくらい買ってきたと思うんだけど……」

……マジ?