食欲魔人日記 05年04月 第5週
4月25日 月曜日
御飯の写真撮りそびれたので、せめて大福のような猫でも……
チョコデニッシュ・クリームデニッシュ
カフェオレ
昨日の朝食用だったはずのミニサイズデニッシュが昨日は全然減らなかったので、今日の朝に皆でもぐもぐと。
「月曜はお弁当あると嬉しいなぁ〜」
とだんなからリクエストされていたので、お弁当作りながら皿出したりカップ並べたり。だんなが背後でパンの袋をがさがさ開いて準備を手伝ってくれた。

モハモハした食感の、いまいち食べた気がしないミニサイズチョコデニッシュとミニサイズクリームデニッシュを1個ずつ。こりゃー10時頃にはお腹が空きそう……と思っていたら、案の定11時には悶絶するほど空腹になってしまった。

おうちで弁当
 ふりかけ御飯
 茄子とピーマンと牛肉の甘辛炒め
 ニラ入り卵焼き
 刻みきゅうりとマヨネーズ
 いぶりがっこ
麦茶
お弁当にちょうど良いくらいの分量の牛肉の薄切りがあったので、それを使ってだんなと私の分2人前のお弁当を作成。牛肉は小さめの一口サイズに切った茄子、ピーマンと共に炒め合わせて、酒と醤油と甜麪醤で甘辛く中華風に味つけ。お弁当には、普段のおかずより心持ち濃いめの味つけの方がよく似合う……気がする。

「ニラがあるから、ニラ料理を添えよう……色的には赤か黄色と合わせたいところ……」
とあれこれ考え、刻んだニラを巻き込んだ卵焼きを作ることに。溶き卵はだし醤油で味をつけておき、まんべんなくニラが入るように気をつけながら卵焼き器でパタンパタンと折り畳みながら焼いていく。マヨネーズ味も恋しい気がしたので、昨夜の残りのスティックきゅうりを短く切って、マヨネーズ添えて隅っこに詰めた。御飯は厚み半分くらいのところに醤油に浸した海苔を敷き、上にはちょこちょこっと"いぶりがっこ"トッピングして、だんなには小袋入りの鰹のふりかけをつけてあげた。

「うむー、ナイス弁当〜、ナイス〜」
自画自賛しながら、麦茶入れて、居間でたらたら昼御飯。テレビでは午前中からずっとずっと福知線の脱線事故のニュースが流れっぱなしで、叫ぶように報告される被害は拡大する一方で、見ていられなくてテレビは消した。電車は安全、車よりも飛行機よりもずっとずっと安全……なんて思いがあって、安心して電車の中でぐーぐー寝ている自分(しかも"空いてる"という理由で乗るのは一番前か一番後ろ……)としては、身が凍る思いだ。

「サイゼリヤ」にて
 じゃがいものチーズグラタン \399
 ドリンクバー
「ただいまー、ただいまー、ただいまー!」
玄関で何故か3回「ただいま」を叫んだ息子、今日も当然給食はおかわりしてきたのであるそうな。今日の献立は
ほうれんそうパン・オムレツ・茹でブロッコリー・クラムチャウダー・キウイフルーツ。
……なんかこう、「休日のブランチ」って感じ?お洒落だねぇ……(んで、おかわりは当然クラムチャウダー!だそうで……)。

午後は息子のスポーツジム、今日は月末の検定試験の日で、本日の種目「鉄棒」に息子は果敢に挑んでいた。ぴょんこぴょんこ逆上がりに挑戦していたけど……なんとかぐるんと足をあげて鉄棒に引っかけることはできても、そこから上半身を持ち上げることが難しいみたい。がんばれよー。

私のお弁当の分量がちょっと少なかったのか、息子のジムが終わる頃には、動きまくった息子と共に私もすっかり空腹。
「はぁ〜……のど、かわいたよ。おなかもすいちゃった」
「……君も?……実は私もなんだよね……」
どうしようどうしよう、帰って急いで夕飯にしちゃうか、それともだんなは遅いっていうからどっかで食べちゃうか……と30秒ほど逡巡し、
サイゼリヤがいいなぁ〜」
の息子の言葉に、フラフラと引きずられてしまった。……まぁ、安いしな、ちょこっと何かつまむだけでもいいしな……。

「ぼくねぇ、ぼくねぇ、コーンスープとー、カルボナーラスパゲティ!」
「……そんなにしっかり喰うんかい」
「もう、おなかぺこぺこなんだよー」
「そうかよー……じゃ私、じゃがいものグラタンにしようかな」
結局、「何かつまむだけ」じゃなくて「しっかりメシ」になってしまった。こんな展開になるとは思わなかったからデジカメも持ってこなかったよ……。

1人前のスープをしっかりすすり、ソーダを2杯飲んで、1人前のスパゲティをしっかり平らげ……ることはできなくて、最後3口分くらいは余らせた息子。
「……おかあさんの、チーズたっぷり?おいしい?食べても、いい?」
「いいよー……君は何かくれないの?」
「スパゲティをあげるー」
「スープはくれないの?」
「スープもあげるー」
そんなこと言いながら皿をあれこれ交換しながら平らげた。たったの400円のポテトグラタン、ポテトとチーズクリームのソースだけのシンプルなグラタンだったけれど、それでもしっかりお腹一杯になった。お会計は1000円ちょっと。相変わらずお安かった〜。

4月26日 火曜日
夕飯のデザート、アフォガット
クリームデニッシュ 1コ
カゴメ 野菜生活Soft すっきりバナナ
昨日は非常にやる気のない夕食にしてしまって、なし崩し的に今朝の朝御飯の事も考えるのを忘れていた。
「おゆきさん、明日の朝って、何かある?」
「……あいやー……ないやー……ごめーん……」
だんなは結局、家を出てから何か食べることにした模様。……ぶたどん、とか?

私と息子の朝御飯も非常にタラタラした雰囲気の中、息子はフルーツループ、私は1個だけ半端に残っていたミニサイズクリームデニッシュ。おやつにしかならないような大きさのそれを、野菜ジュース傍らにいただいた。

息子の大好物の「カゴメ野菜生活Soft」、殊にお気に入りはバナナ味なのであるらしい。先日のお誕生日に
「夕飯、お子さまランチ作るけどー……何か飲みたいものある?コーラ?オレンジジュース?カルピス?」
お誕生日だからね、なんでも買ってあげるよーとスーパーで聞いてみたところ、
「んとねー、ぼく、これー」
と抱えて持ってきたのが「カゴメ野菜生活Soft すっきりバナナ」なのだった。

「でもこれ……野菜ジュースだよ?」
「でもぼく、好きだもーん」
「……これでいいんだ?」
「うん、これ飲みたい」

他にも「ほんのりピーチ」「さわやかブルーベリー」という味が揃っているこの野菜ジュース、確かにフルーツの味が前面に出てるしヤクルトっぽい乳酸菌飲料系の味もするし、とても飲みやすい。……でも、それでも「ちゃんと野菜はいってるぞー」という繊維的な味がそれなりに感じられるのだけど、そのへんは気にならない息子のようで、お誕生日ディナーに野菜ジュースをがぶがぶ飲んでいるのだった。まだ残っていたので私も今朝コップに一杯いただいた。
……やっぱり野菜ジュースだよなぁ……。

「むすびの一番」の
 鮭いくらおにぎり
 焼きたらこおにぎり
ほうじ茶
今日は溜池に出勤の予定だったのだけれど、ボスの体調不良でお流れになってしまった。
「……じゃあ、お買い物でも行こ……」
と、1日家に中に籠もっているのも悲しいので、銀行や本屋を覗きながら駅前まで。『ギャラリーフェイク』最終巻を買って、
「昼御飯は……おにぎり?」
と、駅前のおにぎり専門店でお昼御飯を買って帰ることにした。「味噌チャーシュー」とか「ベーコン」とか「たらこ&めんたい」とか、少し怪しい具も含めて20〜30種類はあるだろうかというお店。ボリュームはありそうだけれど、1個の値段が200円前後とあまりお安くないので、今まで一度も買ったことがなかった。初めてドアをくぐり、メニューをじっくり眺めて2個のおにぎりをお買い上げー。

買ってきたのは、「人気ナンバー1」の「鮭いくら」と、「人気ナンバー2」の「焼きたらこ」。どちらも250円なのでおにぎり2個で500円。……やっぱりお安くない。家に持ち帰り、あったかいお茶淹れて食べた。

1個のおにぎりで、茶碗1杯分くらいの御飯が使われていてかなりのボリューム。けちらずに具もどっさり入っているのが嬉しかった。専用型に御飯詰めて、握るところはビニールの手袋つけたおばちゃんが仕上げてくれるお店で、握り具合なんかも固すぎずやわすぎずでけっこういい感じ。隅のほうまで詰まっている焼きたらこが幸せだった。たーらこー♪たーらこー♪たーっぷりーたーらこー♪

豚肉と茄子の塩味スパゲティ
サラダ菜とハムのサラダ
ほうれん草のチーズ風味スープ
ビール(モルツ)

アフォガット

「君さ、給食、おかわりをしない日って、ないのかな?」
「ないんだよ♪」
今日も「スープをおかわりしました!」と帰ってきた息子、今日の給食は
「筍ごはん・イカの松笠焼き・豚汁・きよみオレンジ」
だそうで、なかなか渋い内容だった。いいなぁ、豚汁。いいなぁ、筍御飯。

さて、今日の夕飯のコンセプトは「冷蔵庫の中身をなるたけ減らすお献立」。
明日から旅行に行くので、野菜も肉もなるべく片づけていきたいところ。「豚肉がある……うぉ、ハムもある……サラダ菜も……」冷蔵庫の中身と向かい合い、ヤバイものから調理していくことにした。

ほうれん草はざくざく切ってスープに加工。刻んだほうれん草をバターで炒め、水注いで顆粒コンソメ加えて柔らかくなるまで煮込んだらフードプロセッサーで細かく粉砕。牛乳を加え混ぜ、コクが足りないかなと「とろけるチーズ」を1枚溶かしこんでみた。牛乳の分量少なめの、ちょっと軽い感じのチーズ風味のスープに。

豚肉と茄子は、にんにくとオリーブ油で炒めて茹でたスパゲティと絡め、塩味パスタ料理に。……別にスパゲティじゃなくても、これは焼きそばでも良かったんじゃ……?と思いつつ、手持ちの極太スパゲティ麺を使ってしまった。白ワインふって、これまたちょっと軽い味のパスタに。ハムとサラダ菜はそれぞれ盛り合わせて、サラダ菜にハムのっけてマヨネーズにょろりと絞って巻いて食べちゃうことにした。

夕食寸前まで旅行の荷物の準備をしていたので、ばたばたっと40分ほどで作った夕御飯。ありもので作った割にはなんとか体裁も整って、旅行の打ち合わせなどだんなとしながら親子3人で食卓を囲んだ。

デザートは、「アフォガット」。ジェラートにエスプレッソをかけたデザートで、以前買った巨大サイズのアイスクリーム(←いちごシェイク用)が残っていたのでそれを使う。器にアイスクリーム盛りつけて、上からアツアツのエスプレッソをだばだ〜と注ぐ。エスプレッソの熱でやわらかくなったアイスクリームの味と、アイスが溶けてクリーミーになったエスプレッソのソースが両方楽しめる、「濃厚なコーヒーフロート」みたいなデザートだ。だんなが淹れてくれたエスプレッソをかけて、
「わーいわーい、うまーうまー」
と一人ゆっくり堪能している脇で、息子は数十秒で飲み干し、だんなも飲むように平らげていた。

4月27日 水曜日
牛!タン!
「アンデルセン」の
 ベーコンチーズパン
 くるみパン
カフェオレ
しょっぱい系のパンが恋しくて、昨日「アンデルセン」でパンを4個買ってきた。3個のベーコンチーズパンと、1/2サイズのごろっと大きなくるみパンを1個。チーズパンはオーブンで軽くあっためて、だんなが準備してくれたコーヒーに牛乳たっぷり足して添えた。くるみパンは、「食べられる人はお食べ〜」ということで、だんなと私が数口ずつ軽くつまむ。

溶けて焦げ目のついたチーズが柔らかで香ばしくていい感じ〜。もぐもぐもぐ。

「たごさく」の筍おこわ弁当
麦茶
今日は息子が学校から帰るのを待って旅行に出発の予定。だんなが仙台で1日仕事があるというので、夜に仙台に現地集合ということになっている。

午前中、ちと用事があって外出しなきゃいけなかったので、「……冷蔵庫、もうほとんど何も入ってないしな……」と、今日もお昼御飯を買って帰ってきた。昨日の息子の給食の「筍御飯」が非常に羨ましかったので、おこわ屋さんで筍おこわ入りのお弁当をもらってきて、約600円。おかず色々とおこわがセットになっている。

おかずは、鮭の塩焼き、鶏の唐揚げ、肉団子、ごぼうとにんじんとうずら卵の煮物、甘めな卵焼き、田作り、たくわん。それぞれちまちまっと少しずつ詰められていて、おこわの分量も、ごく軽く茶碗に一杯、という感じ。
「……まぁ……餅米使ってるからお腹は膨れるかな」
と自分で自分を慰めつつ一人飯。柔らかな筍の穂先がどっさり入っていて、それはとてもシアワセだった。1個だけ入った鶏の唐揚げをやけに美味しく感じてしまったりして。

ガレット
午後の紅茶(ミルク)
息子が帰ってきたらすぐに家を出よう、そしたらこの電車に乗れるからこの新幹線に乗れそうで……と予定していたのに、こういう時に限って帰宅が遅い息子。どっかで遊んでいたわけではなく純粋に「かえりの会」だかが長引いたようで、いつもより20分近く遅くに帰宅した。

「うう、予定の新幹線に間に合わない……ていうか、次の電車乗り遅れたらその次の新幹線もピンチ……ッ」
と、自宅から駅までダッシュ。更に東京駅で新幹線ホーム目指してダッシュ。乗ろうとした電車がMaxやまびこ号で後ろ半分が山形行きだというのを失念して最後尾の自由席に乗ろうとしてしまい、
「うわー、ダメじゃんダメじゃん、これは仙台行かないじゃん、山形行っちゃうじゃん……」
と再びダッシュで先頭方面の仙台行き禁煙自由席を目指す。発車ベルが鳴った直後に仙台行き側の新幹線車両になんとか飛び乗ることができた。もう汗みどろ……。

「……お腹、空かない?午前中出かけたついでにお菓子1個買ってきたんだけど」
「うん、ぼくねぇ、のどが乾いちゃった……」
午前中の外出ついでに息子用と自分用に焼き菓子2個買ってきたので、ペットボトルのお茶など飲みつつさほど混雑していない車内で息子とおやつ。サクサクッガリガリッとした歯応えのある食感の「ガレット」は私の大好物で、どうやら息子の好物でもあるらしい。濃厚なバターの香りは、きっと気が遠くなるほどの分量のバターが実際含まれているんだろうなというポイズンなお菓子だ。

「……で?今日の給食は?」
「うん、おかわりしたよー」
「いや、おかわりは知ってるけど」
「でも、きょうは、スープじゃなくてデザートおかわりしたんだよー」
「ほー」
今日の献立は、「パンプキンパン・海老フライ・刻みキャベツとプチトマト・きのこと野菜のスープ・フルーツポンチ」という内容で、フルーツポンチおかわりは、そりゃ幸せだろうなぁと。……そんなこと話したりしながら、電車は無事に仙台に到着〜。

仙台 「利休 東七番丁店」にて
 牛たん角煮 \735
 牛たん焼定食 2×\1470
 ホワイトシチューセット
 生ビール 4×\525
……を、親子3人でもぐもぐと牛たん尽くし〜
午後7時間近、仙台駅改札に出ると、数十分前に到着したというだんなが改札で出迎えてくれた。そのまま
「夕飯は牛タンじゃー」
「何と言っても牛タンじゃー」
と、牛タン屋に直行。

目指したのは、「牛タンと言えばここ!」と真っ先に名があがるという有名店「利休」。「利休に行くなら、東七番丁店がオススメです!」と、かつて仙台に住んでいらっしゃった方にアドバイスされたので、ホテルがある西口に背を向け、東口からてくてくてく。小さな小上がりといくつかのテーブル席、カウンターが並ぶ広くもなく狭くもないお店はほぼ満席という盛況ぶりだった。ちょうど席を立とうとしていたおっちゃんたちと入れ替わる形で4人席につき、
「やっぱ定食かなー」
「1.5人前かな?」
「……それよりは角煮じゃん?角煮」
「……モツ煮も捨てがたい……」

家族協議の末、定食2つと角煮、息子用にタンのホワイトシチューセットを注文することになった。生ビールもたっぷり。
……仙台は、5年ほど前に従姉妹の結婚式に出席するために来たことがあって、その時も牛タン牛タンと何軒か食べ歩いたのだけれど、「食べたらすぐ出なさいって雰囲気」と紹介されていた利休は2歳程度の子供連れじゃあ厳しいかなぁと当時は行くのを諦めていたのだ。わーいわーい利休の牛タン〜。

まずは卓上に小鉢が1つ。ごぼうとこんにゃく、人参などが炊かれた優しい味の煮物で、更に定食のセットの小鉢もやってきた。こちらはホロホロに柔らかい牛タンの味噌煮。しっかりこっくり濃いめの味がついていて、牛タンならではの独特の牛臭さもちゃんとぷんぷんと。
「ひゃー、いきなりうまー」
「うん、おいしいおいしい」
と満足しながらつつきまわしてまずこれでビールが空に。早々に私もだんなもジョッキをお代わりした。

息子には、「これがいいなぁ〜」とリクエストされたホワイトシチューのセット。牛タンや舞茸が入っているホワイトシチューとサラダ、麦飯、テールスープ、漬物がセットになっている。どんぶりサイズの麦飯に
「……ちょっと多い、かな……」
と言いつつ、果敢にあれこれ食べ始める息子(でもさすがに全部は食べきれなくてだんなと私が手伝った)。

そしていよいよ私たちの牛タン定食。塩味でこんがり焼かれたタンが1人あたり8枚くらい、2人分が一緒に大皿に盛られてやってきた。たっぷりの白菜の漬け物(赤唐辛子の輪切り入り)と、味噌漬け唐辛子が添えられている。あとは長ねぎをパラッと散らしたテールスープ(肉は2かけ)と、たっぷりの麦飯。

分厚いタンは表からも裏からもしっかりと細かく包丁が入れられていて、独特のねっちねっちした食感を楽しめつつもサクサク噛みきれるようになっている。塩味が中のほうまで染みていて、旨味たっぷりという感じ。
「あはぁ〜……仙台の牛タンだぁ〜」
「このテールスープが、また!」
わいわい言いながら平らげ終わる頃には、だんなも私もちょっとした酔っぱらいだった。

あしたは温泉〜。

4月28日 木曜日
笹かまぼこ、焼いてきました
宿のバイキング朝御飯
 バターロール・ミニクロワッサン
 野菜のスープ・サラダ
 肉じゃが・玉子焼き・ハム
 フルーツのヨーグルト和え
 牛乳・オレンジジュース・紅茶
昨日泊まった宿は、「ドーミーイン」。以前名古屋でも泊まったことのあるホテルチェーンで、一度泊まって好きになった。時間帯で男女入れ替え制の大浴場があって、部屋着に作務衣が用意されている。トイレはウォシュレットつき、んで、けっこうお安い。今回は12000円ちょっとの家族プランで、案内された部屋は6畳くらいの畳部屋(ここに布団が3人分敷ける)と、8畳くらいの洋室(ダブルサイズのベッドつき)がくっついていて、その気になれば5人くらいが泊まれそうな広さの嬉しい部屋だった。しかも朝御飯つき。

このホテル、唯一の難点が「布団が煎餅」ということだった。和室に敷いた布団はマットレスなしの敷き布団1枚きりので、それがけっこう薄くて床の固さが背骨に響く。朝起きた時には背中がバリバリに……いたい……。

ともあれ、階下のカフェで朝御飯。パンも御飯もお粥もあったので「わーい、パン〜♪」とパンをお皿に数個取ってブッフェ台の先を目指すと明らかに和風なおかずが並んでいて、明らかに御飯でいただいた方が美味しそうなものばかりだった。「ちょっと失敗だったよ……」と、和風なおかずをつつきながらパンを囓る。

いただいたのは肉じゃがとか、玉子焼き、ハムにサラダに……とボリュームたっぷり。しっかり味も染みた肉じゃがとか、具沢山なスープが嬉しかった。しっかり食べて「よっしゃ、動くぞー」「よっしゃ遊ぶぞー」とホテルをチェックアウトして駅に向かって移動。今日から1日早い、我が家のゴールデンウィークのはじまりだ。

青葉城址 「ずんだ茶寮」にて
 ずんだ餅 プチ 2×\280
午前中、既に予定のある次のイベントまで2時間ほど余裕があったので
「じゃあ、青葉城でも行ってみようかー」
と、仙台駅前からバスに乗って20分ちょっとの青葉城址に向かってみた。お城そのものは残っていないけれど、高台からの眺めが美しい公園だ。

「よーし、ずんだ食べるぞー、ずんだずんだー」
と、「ずんだ餅プチ」を2つ買っておやつにした。小さなプラスチックカップに、白玉団子のような大きさの餅が4個入り、甘い枝豆ペーストがまぶされている。そういえば仙台には何度か来たことがあるけれどずんだ餅を食べるのはもしかしたら初めてかも……と思いつつ、息子に分けながらいただいた。

しっかりと枝豆味で、ざっくりとした枝豆の味が濃厚に感じられる、でもあんこのような強めの甘さの「ずんだ(づんだ)」。本来の食べ方は餅に絡めるものだけれど、「ずんだシュー」「ずんだシェイク」「ずんだソフトクリーム」と、さまざまな食べ物が作られているらしい。
「まめだ……だいずだ……」
息子も一口食べただけで看破する見事な「枝豆味」で、美味しいか不味いかで言ったら美味しいんだけど……でも枝豆は枝豆として食べた方が好きかも……と思ってしまう私だった。

プチずんだですっかり喉が乾いちゃって
「うわーん、お茶が飲みたい、甘くないお茶……」
と探しても近くの店には「ビール」とか「コーヒー」とか「オレンジジュース」しかなくて、おみやげ物屋に飛び込んでみれば、冷蔵庫ケースには「ずんだ」がみっちりと詰まっていて「お茶がなーい……」と青葉城址内を右往左往。少し離れたところにペットボトルの自販機を見つけ、ピンチを脱したのだった。あ〜甘かった〜。

鐘崎 ベル・ファクトリーにて
 笹かまとか、おでんとかかまぼことか
 冷茶
さて、昼を間近にして移動したのは「鐘崎ベル・ファクトリー」というところ。仙台駅から東方面にバスで20分くらいのところにある、笹かまのお店「鐘崎」の工場兼販売店だ。ここで「笹かま教室」なるものが開催されていて、自分で笹かまを作って食べることができるらしい。

「ささかま!作ってみたい作ってみたい?」
「うん、作る作る」
「ぼくも作るー」
と、家族皆から同意を得られたので、数日前に電話して予約しておいてみた。教室は事前予約制で、所要時間は30分、1人500円。

その教室がちょうど12時半から13時という時間帯で、移動時間を考えると昼食を摂るのがちょっと難しい感じ。
「まぁ、ほら、焼いた笹かまは自分で食べるわけだしさ」
と、昼食抜きでそこに向かってみたところ、あれこれ食べるものがあってちゃんとお腹一杯になった。昼御飯は「かまぼこ」だ。

12時半からの教室、参加者は私たち3人だけ。"笹かまの素"の魚のすり身と、葉っぱの形をした抜き型、竹串が人数分用意されている。
「まず、型を水で濡らしてください」
「はーい」
「次に、すり身を綺麗に詰めます」
「はーい」

ちゃんとインストラクターさんがついてくれて、魚のすり身を笹かまぼこに仕立てるやり方を教えてくれた。濡らした型にすり身を詰めて竹串を刺し、火にかざして表面を乾かしてから、網の上で焦げ目をつけて焼いていく。手で成形するのじゃなく、型に詰めてならすだけなのでとっても簡単。息子も、"串刺し"のところだけ難儀していたけれど、見事な笹かまぼこを作って、自分で作ったものを一人で平らげた。

エプロンつけて、帽子もかぶって、手もしっかりアルコール消毒してのかまぼこ作成。2串焼いて、焼きあがったそばからアツアツのものを食べていく。今朝おろしたばかりの魚を使ったすりみだそうで、これがもう「これまで食べていた笹かまはなんだったんだー」という旨さだった。何しろ自分で成形して自分で焼いた笹かまだから、それだけでも美味しく感じられてしまう。もっちもっちしててちゃんと魚の味がして、臭みもなくてアツアツで、せっせと予約してバス乗ってここまで来た甲斐があるというものだった。

他にも店内には「おでん試食」なんてものがあったり、「かまぼこ塾」なる、昔ながらの製法でかまぼこを作って販売しているブースなんかもあって、笹かまぼこ作成体験後はそんなものを見たり食べたり。「おでんの試食、いいですか?」と伝えたら、発泡スチロールの碗にどっさり入れて渡してくれたり(中には牛タンを煮たのも入っていた……おいしー……)、そのおでん試食の脇には無料のお茶ディスペンサーがあったりと何かとサービスがいい。「かまぼこ塾」で売られていたかまぼこ、外見は"かまぼこ"というより"さつまあげ"で、葱とベーコンの入ったものが香ばしく味わい深く、最高に素敵な味だった。表面がサクッとしてて、ビールがむちゃむちゃ恋しくなる味。

その「かまぼこ塾」で売られているもの、「どうぞどうぞ、一口召し上がって」の店員さんの声に甘えてひととおり試食させてもらったらチーズ巻きかまぼこから、イカかまぼこから、何から何まですさまじく美味しい。地元のお客さんらしき人が大量にあれこれ買っていったりもしていて、小さな名物になっているようだった。……おでんダネなんかも、どれもすごく美味しそう。結局、おでんをつついたせいもあって、お腹一杯になってしまって、そこのかまぼこが2切れしか買って食べられなかったのがちょっと痛恨だった。

宿の夕飯(献立表より)
 蓋物 胡麻豆腐
 膳菜 海の幸山の幸
 刺身 鮮魚色々
 炊合せ 金目鯛煮付
 凌ぎ なめ子温麺
 焼物 目鯛照焼
 鍋 牛鍋
 揚物 海老天麩羅
 温物 茶碗蒸し
 酢の物 鯛昆布〆
 飯 鯛めし
 汁 きのこ汁
 香の物 色々
 水菓子 季節のもの
ビール・日本酒(一の蔵・辛口)
夕方から、一路秋保温泉に。仙台から直行の特急バスで30分ほどの距離にある昔ながらの温泉郷で、そこの和風ホテル「ニュー水戸屋」に一泊宿泊。室内温水プールもついているということで、チェックインするなりまずプールに直行し、1時間ほど泳いでから、巨大な巨大な大浴場(洗い場が30個くらいあった……)で露天風呂につかりながらのんべんだらりとし、夕食も部屋に膳を持ってきてもらう形でのんびりと。温泉宿での定石どおり、夕方に風呂入って寝る前にも風呂入って、風呂上がりには牛乳も飲んで、おおいに満喫した。

「夕食はお部屋でどうぞ」
と聞いてはいたのだけれど、テーブルにあれこれ並べられるのではなく、それぞれの座椅子の前に膳がセットされてちょっと壮観。いかにもな皿数の多い温泉旅館チックな料理と、息子にはお子さまランチがやってきた。

膳には胡麻豆腐や山菜の和え物、煮付けや魚の照り焼きが既に並べられ、そこに「お刺身でございまーす」「茶碗蒸しでございまーす」「天麩羅でございまーす」といくつかの品が順次運ばれてくる。卓上には茶碗に大盛り1膳分だけの分量が炊けるようになっている「鯛飯」の材料がセットされたお釜があって、食べている途中で火を付けて自分で炊くようになっていた。

息子の「お子さまランチ」は、海老フライに鶏の唐揚げ、オムレツにハンバーグにナポリタンスパゲティ、太巻き寿司という内容の豪華なもので、食後にはケーキとフルーツも。親子揃ってよく食べて、生ビールやお酒飲みながらだーらだーらちーびちーびと温泉宿の夜を楽しんだ。

4月29日 金曜日
仙台名物のひとつ、冷やし中華
宿のブッフェ朝食
 鮭の塩焼き・オイルサーディンの煮物・ひじきの煮物
 だし巻き卵・温泉卵・自家製豆腐
 小女子と粉山椒のくぎ煮・青海苔の佃煮
 ハム・水菜のサラダ・青菜のお浸し
 御飯・味噌汁
 プリン・コーヒーゼリー・アプリコットソースのヨーグルト
 牛乳・野菜ジュース・お茶
などなど
温泉宿の朝。7時過ぎに起きてお風呂にも一度行ってから朝食を摂りにいく。
女湯は、鯉の泳ぐ池をぐるりと囲むようにガラス張りの広い内風呂があり、池をまわりこむように通路があって露天の岩風呂に至れるかなりステキなお風呂だ。男性向けもまた違った赴きらしく、昨夜から男風呂と女風呂を両方体験した息子は
「男の子のおふろのほうがー、いっぱいあって、すごいと思うなー」
と感想を述べていた。だんなと私は、お互いのお風呂が気になってしょうがない(時間交代制じゃないのね、ここは……)。

朝食ブッフェは和洋折衷な内容だけれど、やはり内容はかなり和風に偏っていた。いちどぐるりとブッフェ台を眺め歩いて
「……これは御飯だな、うん」
と、白い御飯と味噌汁を係りの人によそってもらい、和風のおかずをあれこれと。カウンターでは次々とだし巻き卵が焼かれていて、温泉卵や「自家製豆腐」なんてのがずらーりと並んでいる。「料理長おすすめ 小女子と粉山椒のくぎ煮」と札のついた佃煮があったのでそれを小皿に取り、サラダや青菜、和風の煮物をあれこれ持ってきて少しずつ種類豊富にいただいた。

フルーツやデザート類もそれなりにあって、洋風朝食好きの息子も御満悦。だし巻き卵の横で焼かれていたパンケーキを1枚もらい、フライドポテトをその脇に盛りつけ、1種類だけあったスパゲティ(たらこのスパゲティだった模様)をこんもりと盛りつけて喜んで食べていた。

部屋に帰ってしばしだらだらしてからホテルのシャトルバスで仙台駅に。

仙台 「芳珍」にて
 五目冷やし中華麺 2×\1270
 ふつうの冷やし中華麺 \850
「……さて、新幹線の時間は午後3時なわけですがー」
「時間があるようなないような」

今日は特に観光の予定もなく、ぷらぷら買い物して昼御飯でも食いましょうかということに。今日は仙台でも25度近くあるんじゃないかという暖かい(というより暑い……)日で、長袖しか持ってこなかった私と息子は汗まみれ。ユニクロ寄って半袖Tシャツ1枚ずつ買って着替えてしまい、それから三越デパートに向かって「ここで売られている"白謙"のかまぼこが美味しいですよ」と教えてもらったこともあって「白謙」でお買い物。他にもいくつかお土産や自分ち用のお菓子を買い込み、お昼御飯は冷やし中華。

仙台の名物と言えばやはり「牛たん」と「すんだ餅」なのだと思うけれど、さりげなく「冷やし中華」も名物なのだとか。三越デパートにほど近いところにある「芳珍」というお店がなかなか美味しそうだったので、向かってみることにした。12時ちょっと前に入店するとまだガラガラだった4人卓5つきりの小さな店内は、12時を過ぎる頃には満席に。やってくるお客さんたちは8割以上が冷やし中華を注文していた。

だんなと私は「五目冷やし中華」、息子は具が少なめな「ふつうの冷やし中華」。ただの甘酢の味じゃない、ちゃんと仕込んだスープの味が感じられる優しい味のタレに、これでもかと盛りつけられた豪華な具が嬉しかった。さすが1270円してしまうだけの事はある。

麺の上には、きゅうりにトマトに椎茸に茹でもやし、錦糸卵、チャーシュー、イカにカニにエビにクラゲに……と、なかなか大変なことになっている。とりあえず、麺が見えない。甘辛く味の染みたチャーシューや、大ぶりの椎茸がさりげなく美味しくて、食べ応えのある冷やし中華だった。4月に冷やし中華というのもちょっと奇妙な感じがするけれど、今日は半袖で歩いてちょうど良いくらいの季候なのでなんだかとてもふさわしく感じたり。

新幹線車内で
 「喜久水庵」の抹茶生クリーム大福
 「こだま」のモンブランどら焼
 お茶
午後は「仙台にも、ムシキングあるかな?できるといいな」とカードを持ち歩いていた息子のためにゲームセンターに寄ってムシキングやったり、息子用の肩掛け鞄を探してみたり。別に仙台で済ませなくてもいい用事ばかりだったけれど、ムシキングは何やらすごい金ピカなカードを手に入れることができたり(レアカードというやつらしい……良かったねぇ)、コム・サ・イズムで子供用のちょうど良さそうな肩掛け鞄を買うことができたり、色々と戦果は大きかった模様。

そして昼過ぎの新幹線で、次の目的地、角館へ。出発前に駅ビルであれこれ「仙台、このお土産が美味しいですよー」と勧めていただいたものが選びきれなかったので1個単位で色々なお店のをおやつに買ってみた。車内でペットボトルのお茶飲みながらもぐもぐもぐ。

ちなみに勧めていただいたのは、

喜久水庵」の抹茶生クリーム大福(1個90円)
あんこ入りの小さめサイズの大福で、中心に抹茶味の生クリーム(プレーンな生クリーム味のバージョンもあり)が詰まっている。凍った状態で販売されていて解凍してから食べるのだけれど、半分凍った状態で食べるのがめちゃめちゃ美味しい!とか。めちゃめちゃ美味しかったです……。キーンと冷たいほわほわしたクリームが口の中で溶けて、やさしい味のあんこも良い感じ。

「こだま」のどら焼(1個100円)
バナナ味、ブルーベリー味、チョコ味……と不思議な味のバリエーションがあるどら焼きのお店。私はモンブラン味、だんなはカフェオレ味、息子は苺味を1個ずつ買っておやつに食べた。「どら焼き」と表現してしまうとちょっと不気味な感があるけれど、ホイップクリーム風味のスポンジ菓子だと思うと全然不思議な感じはなかったりして。「ナボナのようだ」「おお、確かにモンブラン味だ」と盛り上がりながらいただいた。……お客さんが来たときに「さぁ!好きなのどうぞ!」とずらーりと並べてみたい。

ふじや千舟」の支倉焼き(1個120円)
卵たっぷりの、しっとり系焼き菓子……らしい。小さな1個だけお店で買ってきてみた。薄いパイ生地で卵あんをくるんだような、ちょっと洋風な和菓子。

九重本舗 玉澤」の九重(120gで600円弱)
"即席ジュースの素"で、ひき茶味、ぶどう味、ゆず味の3種類。ゆず味の小さな袋を買ってきたみた。水かお湯を注ぐとジュースになって、粒々が表面にプチプチ浮かんでくるらしい。そのままポリポリ食べてもいけるらしい。

……という感じ。車内で食べたものはどれもこれもうまーでした。……あ、玉澤の黒糖まんじゅうを買うのを忘れてしまったよ。

おばあちゃん家で
 "こざきあさづけ"
 寄せ鍋
 いぶりがっこ・漬物
 御飯
 ビール(モルツ)
時間通りに仙台を出て、時間通りに盛岡について、でもそこから1時間で到着するはずが2時間半もかかってしまった角館への道程。途中の駅での信号機トラブルがあったそうで、途中の駅で10分止まり20分止まり、のたくたのたくたゆっくり進んで、夕方に到着するはずが日が暮れた頃にやっと到着した。んで、母がおばと一緒に住んでいる家に5年ぶりくらいに訪れた。

仙台は半袖になっても良いくらいに暖かだったのに、秋田は寒い寒い。今年は桜の開花も遅くて、昨日か一昨日にやっと開花したという話だった。ここ数日の陽気でやっと開いたかな〜……というしだれ桜の下を通って、子供の頃から何度も遊びに来ていた懐かしい家に到着した。

母とおばちゃんが用意していてくれたのは、この寒さには丁度良く感じる寄せ鍋。私とだんなの好みのビールや、息子用にケーキやプリンも用意されていて歓待された。野菜たっぷりの鍋料理に、炊きたてのあきたこまちに、いぶりがっこ(桜のチップで燻したたくあん)。初めて食べる面白い料理もテーブルに並んでいた。

「こざきあさづけ」というその料理は、真っ白なトロンとしたクリーム状のもので果物を和えた、酢の物ともデザートともつかないちょっと不思議な食べ物。缶詰のミカンとパイナップルが入っていて、なぜかキュウリの薄切りも入っている。お米の粉に水を加えてすり鉢でよーく吸って鍋にかけ、煮詰めながら砂糖と酢と塩で味をつけたのだという、甘酸っぱいお米の料理(デザート?)。

加えるのは果物とか野菜とか、「みず」という名の山菜とか「瓜」を入れたりもするのだそうだ。……秋田には子供の頃から頻繁に来ていたけれど、こんな郷土料理を食べるのは初めてで興味津々いろいろ聞いてみてしまった。「こざきあさづけ」、漢字でどうやって書くのー?と聞いても
「あいやぁ、まんズ、しんねぇなぁ」
という答えが。謎の食べ物「こざきあさづけ」……。

4月30日 土曜日
桜の下でお弁当
おばあちゃん家で
 きんぴらごぼう・たらこの佃煮・小魚の煮物
 目玉焼き・三つ葉のおひたし・小松菜の胡麻和え
 いぶりがっこ・漬物
 豆腐となめこの味噌汁
 御飯
 お茶
 ぶんたん
秋田の母の実家の朝。
「早く起きられたら、自転車借りて桜見に行ってみよう……」
そう思いながら昨夜布団に入り、6時過ぎにきっちり目覚めた私。起きてきたおばちゃんに自転車を出してもらって、武家屋敷と土手の桜をカメラ持って見に行ってみた。

……2分咲きというところ?年によってはとっくに散っていておかしくない時期なのだけれど、今年は本当に桜の開花が遅かったらしい。しだれ桜もソメイヨシノもやっと咲き始めたというところで、でも今日の気温は高そうだから一気に開いてくれると……いいなぁ……と思いながらキコキコ自転車こいで帰ってきた。

朝御飯は、母とおばちゃんが用意してくれた超和風の朝御飯。家の裏の畑に生えた三つ葉のおひたしや小松菜の胡麻和え、プリンプリンのなめこの入った豆腐のお味噌汁に炊きたて御飯。御飯がすすむおかずばかりで、だんなも私も息子も、全員もぐもぐと御飯をおかわりしてたっぷりといただいてしまった。秋田で食べるあきたこまちは本当に美味しい。……千葉で食べるのと、水が違うからなのか、とにかく美味しい。

ババヘラ

お花見弁当
 八穀ごはん・十勝あずきの赤飯・筍ごはん
 帆立の照り焼き・豚ロースカツ・海老の酒蒸し
 トラウトサーモンの塩焼き・エビチリ
 五目煮・菜の花のおひたし
 桜のカップゼリー・オレンジとキウイ
角館麦酒・お茶

今日はお花見。だんなと息子と母と4人で、全長2kmの桧木内川の桜並木を歩き、しだれ桜の咲く武家屋敷通りを歩く。角館は生まれた頃から子供の頃は毎年のように来ていたとはいえ、桜の季節に来るのは初めてと言っても良いくらいに久しぶり。今日はいい陽気で、朝から午後にかけてほわほわと次々に開花していく感じだった。朝からお昼、お昼から午後にかけて明らかに桜が綺麗になっていった。

で、角館は「私の知ってる角館」とは思えないほどの大変な混雑ぶり。各地から観光バスがじゃんじゃん武家屋敷裏の駐車場に到着し、真冬は全く人気のない武家屋敷通りをぞろぞろりと観光客が歩いていく。「桜ソフトクリーム」「ごまソフトクリーム」「味噌きりたんぽ」といった、「え?こんな名物、あったんだ……」と初めて知ったような"名物料理"の屋台がそこそこに出ていて、観光地一色だった。でも、次々開花していくしだれ桜は本当に綺麗。花火のように頭上から花が降り注いでくる。

「わ!ババヘラ!」 「うぉー、これがババヘラ!」
「なに、ババヘラ知ってるのあんたたち」
秋田名物アイス「ババヘラ」、名前は知っていたけれどこれまで食べたことがなかった。真夏、お盆時期の角館に訪れることはあっても見かけることはなかった「ババヘラ」、観光地化した桜の角館の街角にはそこここにパラソルを立てて、金属製のドラム缶みたいなものに詰めたアイスをヘラですくって盛りつけてくれるおばあちゃんたちが立っていた。おばあちゃんがヘラで盛りつけるから「ババヘラ」という名がついたのだという身も蓋もないアイスだ。

「わーいババヘラだババヘラだー」
「ババヘラ食べる、食べてみる!」
盛り上がり、街角でアイスを4個購入、1個200円。鮮やかなピンク色の苺味のアイスとバニラアイスをおよそ半分ずつ、コーンの上にヘラでこてこて盛りつけてくれた。どちらも乳脂肪分は少なめな感じのあっさり味でラクトアイスに近い口当たり。さっぱりしていて美味しかった。

「……しかし、ババヘラ売ってるのは本当におばあちゃんばっかだね」
「しかも、なんか似ているおばあちゃんたちだよね」
「……クローン……?」
「……メカおばあちゃん……?」
そんな事言いながら、本日見かけたババヘラパラソルは10個以上もあって、大盛況。

お昼は、桜並木近くのお店でお花見弁当を買い、その近くの酒屋さんで「角館麦酒」を買い、川沿いの芝生の上でいただいた。同じ値段で内容が少しずつ異なっていた3種類のお弁当買って、息子にはいなり寿司を買って。こっちはゼリーが入ってるよ……こっちはお花見団子だ、こっちは赤飯入ってるからおゆきさん向けじゃない?……なんて相談しながら、好みのお弁当を選んで桜の下でのんびり食べた。

私が食べたのは3種類の炊き込みご飯とあれこれのおかずが詰まったもの。野菜も魚も肉もたっぷりで食べ応えがあり、桜の花の塩漬けが表面に乗ったゼリーは爽やかな桜の香りがした。地ビールの「角館麦酒」は「武家屋敷」と「しだれ桜」の2種類。前者が黒タイプで後者がピルスナー、どちらも素朴な素直な味で美味しかった。

おばあちゃん家で
 お刺身・蟹・魚介のゼリー寄せ
 とんかつ・海老フライ
 鶏肉と根菜の煮物・山菜の和え物
 サーモンの塩焼き・ポテトサラダ
 帆立と大根のサラダ・ずんだ和え
 御飯・鶏肉と舞茸の吸い物
 ビール(モルツ)
 アイス(ハーゲンダッツ チャイ)
夕方おばあちゃん家に戻ってから、バスタオル持って替えのパンツ持って目指したのは「かくのだて温泉」。武家屋敷から歩いて10分ほどのところにある、源泉だという温泉だ。

インターネットで事前に調べて
「かくのだて温泉って、あるんでしょ?行ってみたいんだけどー」
と母とおばちゃんに言ったところ、
「あいやー、あすこ、そんなにいいとこだっけか」
「いちおう温泉だが、うすめてるんでねが」
「うすめてるべった」
「んだども、券あるよ。あげるから行っておいでぇ」
無料券渡されて、でも「あんまし期待しないほうがいいよー」と言われて送り出された。

でも、これがなかなかいい温泉で。無色透明なお湯だったけれどトロリとあたりが良くて、湯船はひとつきりの銭湯のような温泉だったけれど広くて清潔でたっぷり楽しめた。うすめてもぬくめてもいないようで、かけ流しだったように思う。風呂上がりに瓶入りコーヒー牛乳一杯飲んで、帰ったら宴会。母たちは仕出し料理を注文して待っていてくれた。大きな皿に、お刺身や煮物や揚げ物、ぶりっぶりに身の詰まった大きな蟹の足などがどっさりと盛られ、遊びに来た母の妹のTおばも一緒に夕御飯。

「ずんだ和えも作ったよー」
と、おばちゃんが用意してくれていたのは、根菜やこんにゃくのずんだ和え。甘く煮染めた野菜に、粒の残った枝豆ペーストが和えてあって、仙台のずんだデザート系とはまたちょっと違った赴きで美味しかった。

デザートはTおばがお土産に持ってきてくれたハーゲンダッツのアイスクリームを1人1個。ストロベリーやチャイやアップルパイやエスプレッソなどの各フレーバーをざらざらと持ってきてくれて、
「ぼく、これー」
「んじゃ、私これ」
みんなで選んで楽しく食べた。……子供の日くらいまでのんびりしたいところだけれど、明日はもう帰宅……。