食欲魔人日記 09年06月 第1週
6月1日 月曜日
夕飯のテーマは「野菜を刻みまくる」
卵かけ御飯
豚汁
麦茶

一昨日作った豚汁がまだ残っているので、今日の朝御飯は「御飯と味噌汁」。俺はふりかけ御飯ー、僕は卵かけ御飯ー、と各自好きなように御飯に添え物して、具沢山の豚汁を啜った。豚汁が肉たっぷりだから、あんまり「ハムエッグ」とか「ベーコンエッグ」とかいう気分じゃなかったんだな……。

私は息子の意見につられて、卵かけ御飯。久しぶりに食べるとむちゃむちゃ美味しい。豚汁にも泣けるほどよく似合う。今朝はいくぶん涼しかったので、アツアツの味噌汁はなおのこと幸せだった。

今日は運動会の振替休日で息子はお休み。
午前中、のんびりしているところに「三越暮らしの御用達便」の箱が届いて、初めて野菜が届くさまを見た息子はなにやら興奮していた。
「すごい!箱でっかい!えーと、トマトー!ねぎー!ほうれんそうー!……これなんだ?こっちもなんだ?」
と、私より先に箱を覗いて1つ1つ出してくれた。

今日届いたのは
コールラビ(緑)1個 ・ トマト3個 ・ ズッキーニ1本 ・ きゅうり3本 ・ 葉ねぎ1束 ・ 小松菜1束 ・ ほうれん草1束 ・ ルコラ1束
という組み合わせ。ま、またまたまたまた小松菜……。

「これなんだ?」の対象は、どうやらコールラビとズッキーニだった模様。
ズッキーニはともかく、コールラビは手にするのは初めて。ブロッコリーの茎が丸くなった感じというか、綺麗な根セロリというかの外見だったけれど、アブラナ科の、茎の部分を食す野菜なのだそうだ。生食もでき、「リンゴのようなさくさく感とみずみずしさがある」(from wikipedia)のだとか。面白い野菜だ。

「サンジェルマン」の
 ミックスサンド
 チキン照り焼きサンド
アイスアールグレイティー

ここ1ヶ月ほどの月曜の習慣は、届いた野菜を確認しての献立作り。1週間分の献立をきっちり作ったところで、途中で外食してしまったりもするので、この先3日分ほどの献立をざっくり考えつつ、残った野菜で何ができるか、何を作りたいかも一応考えておく、といった感じ。平日5日のうち2日(できれば3日)は魚のおかずにしようとも思っているけど、いざ魚屋を覗くとこれというものがなかったりして、なかなか思い通りにいかなかったりもする。

「ま、とりあえず挽き肉買ってこよう。あと豚のブロックと、あればかじきまぐろか白身の魚、かな」
週刊少年ジャンプ買いがてらお買い物してくるねーと、息子を留守番に残して午前中お買い物に行ってきた。雑誌やら明日の朝ごパンやら肉やら魚やら、野菜以外の色々なものを購入して大荷物で帰宅。

朝御飯が味噌汁&御飯だったので、今日のお昼にと買ってきたのはパン屋さんのサンドイッチ。照り焼きチキンのサンドイッチは、照り焼きサンドのと卵野菜サンドが2切れずつ、ミックスサンドはポテトサラダサンドと卵サンドとハム野菜サンド2切れずつ。半分こしたら5種類食べられるなと、それぞれ1パック買って帰った。

昨日のお弁当に用意したフルーツポンチ用のフルーツが、まだ少し余っている。これだけフルーツがあったらやることはひとつ!と、サンドイッチ用の食パンも購入。
「明日の朝はスペシャルメニューです!」
と息子に宣言したら、一瞬で
「フルーツポンチ?……じゃない、フルーツサンドだ!」
と看破されてしまった。……大当たり……。

牛しゃぶと香菜のタイ風サラダ
夏野菜のドライカレー
サニーレタスとトマトのスープ
アイスアールグレイティー

昨日の焼き肉用にカットした茄子やピーマンの残りが若干。切ってしまった野菜は早めに食べてしまいたいなと、ラタトゥイユかトマト味のスープかと考え、お弁当にも良さそうなドライカレーにすることにした。辛さ控えめのデリーのドライカレーペーストを買ってきて、茄子とピーマン、人参、じゃがいも、玉ねぎの夏野菜のドライカレー作り。

牛挽き肉と野菜と炒め合わせ(茄子だけ事前に炒めておいた)、カレーペーストとトマトケチャップととんかつソース、醤油と塩胡椒で味つけ。美しく御飯によそったはずなのに、居間に運ぶ間にじゃがいもやら肉やらがポロポロ山から崩れてしまい、写真がかなり残念な見てくれのものになってしまった。

あとは、今日届いたトマトやキュウリを使いつつ、牛しゃぶのタイ風サラダ。買い置きの香菜もたっぷり使いつつ、トマトとキュウリと玉ねぎをナムプラーとレモン汁と砂糖がベースのドレッシングで和えて、冷たい牛しゃぶの上に盛りつけた。「これとこれは、今日届いた野菜でしょう?」と息子がそれぞれつまみ上げて興味深げにしている。……うん、ほんとはサラダにコールラビ添えるつもりでいて、忘れちゃったのよね。

まだ残るサニーレタスはざくざく刻んでトマトと共にスープの具にしてしまい、野菜がたっぷりという風の今日の夕御飯。触るとトゲトゲが痛いほどのキュウリも、甘さと酸味を共に濃く感じるトマトも美味しかった。いよいよ夏が近づいてきたなという野菜が届くようになって、茄子はまだかなーと密かに楽しみにしている。ラタトゥイユセット的なものが届くといいのに。(で、小松菜はできればちょっとお休みしたい……)

6月2日 火曜日
「ミート&スリー」みたいになりました
フルーツサンド
アイスカフェオレ

今朝は起きるなりハンドミキサーを取り出して生クリームを泡立て始めた私。ウィィィィィィィィィンとプラスチックボウルに生クリームと砂糖を入れて音を立てていたら、ぎりぎりまで寝かせておいてあげようと思っていただんなが、「何事?」という風に起き出してきた。うるさくてスミマセン……。

で、今日の朝御飯はフルーツサンド。
運動会の弁当のフルーツポンチ用に用意した果物がまだ残っていたので、缶詰のミックスフルーツとメロンと苺とマンゴーを適当に切って合わせてホイップクリームと共にサンドイッチ用食パンにサンドした。クリームが物足りないのも寂しいなと、200mlパック全てホイップしたら、さすがに少々多かった。クリームたっぷり、その分フルーツもたっぷりの、ボリュームだけは千疋屋にも高野フルーツパーラーにも負けない感じのフルーツサンドができあがり。

今回、メロンは1個あっても食べきれないかなとDoleのカットフルーツを買ってきたのだけれど、残念ながらあまり甘くなかった。そろそろ季節はずれになりつつある苺は、甘さもあるけど酸味も強いという感じ。鹿児島産の濃厚な香りを放つマンゴーだけが際立つ存在で、フルーツサンドもマンゴー味がとても目立つものになった。
安くて美味しい国産マンゴーと出会えて良かったなぁ。なんであの日、スーパーの果物売り場で1パックだけ、半端な場所でひっそりと売られていたんだろ。

ストロベリーチーズ&リッツ
かじきソテーの香菜トマトソース
ほうれん草としめじのバター醤油焼き
カレーポテトサラダ
コールラビのにんにく焼き
スプラウトとサニーレタス
豚汁
羽釜御飯
アイスアールグレイティー

香りが飛ばないうちに香菜を早めに食べてしまいたいなと思っていたら、昨日のサラダと今日のメインディッシュがなんだか似た味の献立になってしまった。
今日の夕飯のおかずはかじきまぐろのソテーにトマトと香菜のソースを添えたもの。「カレーポテトサラダとパセリライス(炊いた御飯に刻んだパセリを混ぜるだけ)を添えよ」という、ケンタロウさんのレシピだ。

カレーポテトサラダは用意して、あと残っている豚汁も出したいなと思ったらパセリライスという気分ではなくなったので、御飯は普通に炊いただけの羽釜御飯で。

カジキマグロは塩胡椒して焼くだけ。そこに刻んだトマトと香菜をオリーブ油とレモン汁で和えたものを添える。オリーブ油は控えめにして、海藻入りのバターをひとかけ仕上げに添えてみた。ポテトは茹でてマッシュして、マヨネーズとカレー粉、牛乳と粒マスタードで和える。ほうれん草としめじはバターで炒めて醤油と塩で味つけし、初めて調理した「コールラビ」は、とりあえず皮を剥いてスライスし、表面に焼き色をつける程度にオリーブ油とにんにくで焼いてみた。

角皿の奥に野菜料理あれこれ盛りつけて、手前に魚を乗せたら、「メインディッシュ1品+サイドディッシュ3品」の「ミート&スリー」みたいな感じに。魚は少々小さめのものだったので、むしろ"カレーじゃが"や"しめじれん草"あたりの分量の方が多かった感じだ。

初めて調理してみたコールラビ。もしかしたらレストランで食べたことがある(バーニャカウダとかで)ことがあるかもしれないけれど、「キャベツやブロッコリーの芯のような味」という表現は「確かになるほど」という、味であり食感であり、という感想だった。"ぽくぽく"というよりは"しゃくしゃく"という歯触りに近く、ほのかに甘く繊維っぽい(歯触りが繊維というわけでなく、味が繊維……セルロース臭いというか)味わい。スープの具にしても良さそうだし、案外ホワイトソースとも相性が良いかもしれない。ポテトグラタン作るような感じでグラタンにしてしまっても良いかも。

小さめのコールラビだったので、試食程度にスライスしたものの、半分なくなってしまった。あれこれ冒険できるほどの分量じゃないけれど、ミルク味のスープとか、シンプルにパルメザンチーズふってオーブン焼きとかにしようかなと思っている。

明日は豚と豆を煮ようと思って、白いんげん豆を水に浸し中。

6月3日 水曜日
煮た豆が好きになったのはここ数年のこと
「サンジェルマン」のコーンパン
スクランブルエッグ
カットフルーツ
アイスカフェオレ

まだ微妙な量が残っていたフルーツをざくざく刻みつつ、今日の朝御飯はコーンパンとスクランブルエッグ。
ふわふわやわやわなスクランブルエッグにしようと牛乳を卵液に混ぜたら、牛乳の量が少々多すぎたようで、むしろなかなか固まらずに苦心することになった。

「大盛り!僕の卵大盛り!」
と手を挙げている息子に
「これ以上よそったら、父ちゃんと母ちゃんの分がなくなります……」
と返しつつ、それでも息子の卵は若干大盛りで。

小松菜とベーコンのサラダ
かぼちゃとズッキーニ、コールラビのチーズ焼き
豚と白いんげん豆の煮込み
白ワイン

今日は大きな予定もなく、仕事もあまりなく、のんびりマニキュア塗ったり「なんか気に入らなーい!」と塗り直してみたり、生協の宅配の営業さんが来たので相手をしてみたり。

「食材の宅配に興味なくはないんですが、もう別の会社の宅配と契約しちゃってるんですよー」
と返事をしたら、「別の会社と契約している=乗り替えてもらえるかも」というフラグが立っちゃったらしい。お試し期間の2〜3ヶ月は宅配料(1回210円)が無料になるのは知っていたけど、更に「とりあえず味をおためしください」と、試食品をどっさり置いていってくれた。中濃ソースに牛乳にソーセージにヨーグルト。

「大地〜」の魚や肉は今ひとつピンとこない(短角牛とかすんごく美味しいけど、値段もかなり張るので普段使いとはいかないわけで)から、何度かお試しで買ってみてもいいかも。「はじめてボックス」なるものは、野菜や卵、豆腐、乳製品や肉、ソーセージなどが11品目セットになって1780円なのだそうで、とりあえずそれは割安感もあるし買ってみようかな。……って、こんなに宅配会社と契約したら、ただでさえの出不精に拍車がかかってしまいそうで、それはそれで困ってしまう。近所に安いスーパーもあるのだから、そっちもちゃんと使いたいし。

営業の人が帰った後、夕飯の支度にと昨夜から水に漬けておいた白いんげん豆を煮始めた。
平行して別鍋で玉ねぎや人参、ベーコンなどを細かく刻んだのを炒め始め、そこに湯剥きしたトマトと水煮の缶詰のトマトを加え、一口大に切って焼きつけた豚肉も加えていく。いんげん豆は柔らかくなってから肉の鍋に加えて、今日のメインディッシュは「豚と白いんげん豆の煮込み」。豆の鍋にセージを入れて煮ていたので、ほのかにハーブの香りがする。

あとは、葉ものを食べてしまいたいなと、ざっと湯通しした小松菜とベーコンでサラダ風に。かぼちゃとズッキーニ、コールラビは同じくらいの厚さ大きさに切って斜めに重ねるように並べ、塩胡椒してピザ用チーズふってオーブンで十数分焼いてみた。これがなかなか良い感じで、ズッキーニはしっとり柔らかく、コールラビはシャキシャキ、かぼちゃはポクポクと食感も旨味も異なる野菜がそれぞれとても良い具合に。うん、コールラビって美味しいわ。切り口から水が滴ってきそうなほどの瑞々しさだったズッキーニもとても美味しい。

……で、豚の煮込みに白ワインの栓を開けてしまったので、せっかくだしと夕飯にそのワインを軽く飲むことに。確か、母が地元のスーパーのワイン売り場で売り子さんに勧められて買ってきたワインだったと思う。オーストラリア産のシャルドネで、かなり軽めの、若い青臭い感じの白ワインで、真夏にキーンと冷やしまくって飲むほうが美味しいかも。同じ酒で煮込んだ豆と豚との組み合わせは悪くなく、結局御飯は口にしないで酒とおかずで夕飯が終わってしまった。

6月4日 木曜日
最後まで怒濤の迫力!のフレンチでした
ホットサンド(夏野菜のドライカレー&チーズ)
苺 with 牛乳・コンデンスミルク
アイスカフェオレ

サンドイッチ用のパンがあと3セット。冷蔵庫には先日作った夏野菜のカレーの残り。
「ドライカレーならホットサンドにも似合うよね?」
と思い、ピザ用チーズと一緒にサンドしてみることにした。息子の分はチーズ多め、私とだんなの分はカレー多め。
茄子やピーマンの食感を感じることができるざっくりした歯触りのドライカレーが詰まったホットサンドは、なかなかの美味しさ。このところ少し涼しい日が続いているので、ホットサンドも悪くない。

食後に残っていた苺を出したら、息子が「牛乳と練乳かけて食べたい」と。昨日試供品でもらったPAL SYSTEMの牛乳を出してみたら、「この牛乳、いつものと違う?なんか美味しい気がする」と。低温殺菌牛乳ということだけど、そうか……息子にもわかるくらい美味しいか……。継続するかどうかはともかく、何度か買ってみようかな。

四ッ谷 「北島亭」にて
 "4品好きなものえらんでフルコース" \10500
     アンチョビ入りのミニクロワッサン
     メロンのスープ仕立て
     三陸産 生ウニのコンソメゼリー寄せ カリフラワーのクリーム添え
     ハンガリー産 フォアグラのポアレ 筍のムニエル添え
     ヤナギガレイのポワレ
     特選和牛ランプ肉のステーキ エシャロットバターソース
     宮崎産完熟マンゴー
     クレーム・ブリュレ
     国産さくらんぼ・アメリカンチェリーの飴がけ・ほうずきの飴がけ
     ローズマリーのクッキー
     おみやげみかん
 食前酒(キール) \1050
 白ワイン(Catena Chardonnay 2006) \6500

今日は友人たちとの久しぶりのランチで、四ッ谷の「北島亭」へ。
友人が「ここ行ってみたかったの」と名前を挙げてくれたお店で、老舗のフレンチレストラン。名前くらいは知ってはいたけれど、どのような料理を出す店なのかまでは知らずにいた。事前に少し調べてみると、ボリュームたっぷり、塩気が強めなお店らしい。それはとても好きそうな感じ〜、と楽しみにして、待ち合わせの駅に向かった。

四ッ谷の裏通りを歩き、駅からほんの5分ほど。四谷三丁目方向に更に進むと、牛タン屋の「忍」もある。周囲はコンビニや飲み屋などが多く、静かではあるけれど「閑静」というのとも違う、ちょっと雑多な雰囲気の通りだ。お店の入り口もかなり目立たない感じで、ビルの1階、奥まったところにガラス扉の入り口が見える。

広くはない店内も天井が低いような、良く言って「歴史を感じる」風情の内装。悪い表現をすると、新橋あたりにありそうな喫茶店の雰囲気、というか。そのあたりの情報も事前に知ってはいたけれど、お店を目指す道すがらや内装などは、ホテルのダイニングに食べに行くようなわくわく感はあまり味わえない。

でもでも、料理を食べはじめて、驚いた。どれもこれも素晴らしく美味しい。素晴らしく好み。全体的に「絶妙」からほんの少し強めに振られる感のある塩の塩梅は、でもとても好みなものだった。お酒が進みパンも進み、途中には「白い御飯が恋しくなっちゃうね」などと笑いつつ、食後のプチフールまで昼からがっつり堪能しまくった。清水ダイブでお高いコースに挑戦してみて良かった!と思った。

ちょっと不思議なこの店のメニュー形態は、こんな感じ。

  • 食前酒と同時に、テーブルに手書きのホワイトボード書きメニューがやってくる。前菜15種類、メインディッシュ10種類ほどが並ぶ、見ただけでわくわくする内容。アラカルト価格が併記されているけれど、1皿4000円以上のものがほとんど。メインディッシュは\6000〜\10000のものも。

  • ランチコースは5種類。
    スープとメインディッシュの\3700コース、オードブルとメインディッシュの\5250コース、オードブル、スープ、メインディッシュの\6300はメニューに印のついているメニューを選択することができるが、その選択肢はとても少なく、メインディッシュを魚か肉か選ぶことができる、程度のもの。
    今日の内容は
    オードブル:ジャンボン・ペルシー・ラビゴットソース(豚肉とフォアグラ、パセリのゼリー寄せ)
    スープ:冷たいそら豆のスープ・じゃが芋のニョッキ添え
    メインディッシュ:帆立貝柱のポアレ・プロヴァンス風 or 仔羊のタプナード詰め・パン粉付焼き

  • 「3品シェフおまかせフルコース」\8400は、文字通りおまかせ。苦手な食材については考慮してくれるとのこと。

  • 「4品好きなものえらんでフルコース」\10500は、ホワイトボード記載のメニューをどれでも選ぶことができる。冷前菜、温前菜、魚料理、肉料理から1つずつ選ぶが、同席のグループは温前菜、魚料理、肉料理は火入れの都合上、同じものを選択する必要がある。冷前菜は個々人で好きなものを。

……と、そんな風なので、食べたいものを食べるには、10500円のゴージャスコースにしなければならない。で、コースにしても、多くの皿を同席の皆で同じものを食べることになるので、「これはダメ、あれはダメ」という人が多かったりするとなかなか大変、という感じだ。

食前酒にキールをいただきつつ、やってきたメニューを眺めていたところ、「こちらが本日の食材でございます」と出てきたのは、見事な赤身の和牛ランプ肉と、仏産のホワイトアスパラガス。国産のものではとうてい見ることができない、見事に太く立派なホワイトアスパラガスはあさりと香草のバターソースをかけ温前菜に、ランプ肉はメインディッシュになるとのこと。

最初は「まぁ、普通に5000円くらいのコースで……」くらいに思っていたのだけれど、ランプ肉食べたい!アスパラも気になる!ということで、10500円のコースにすることにした。残念ながらアスパラは友人が苦手とのことで、温前菜はフォアグラのポアレになったけれど、こちらの選択も全く後悔のなかった素晴らしい前菜だった。

アミューズには、アンチョビの塩辛さをしっかり感じるバターたっぷりのミニクロワッサン。続いて夕張メロンを使った冷たいスープ仕立て。濃厚に甘いメロンのジュースに刻んだミントの葉を散らした、デザートのような皿だった。

そして、私の前には、私が選んだ「生ウニのコンソメゼリー寄せ」。このお店の名物の一つらしく、そして友人の1人が選んだ皿もやはり名物の一つ、「ずわいがにとアスパラのシャルロット風サラダ」。3人で伺ったので「グラスワインを1人2杯とか飲むよりは、ワイン1本を皆でシェアした方が良いかもね」と、お手頃価格だったアルゼンチンのシャルドネをいただきつつ、おおいに食べておおいに飲んだ。

中央に生ウニがこんもりと盛られ、滑らかな口当たりのキーンと冷えたコンソメゼリーが敷かれている。ぐるりと囲むように添えられるのは野菜の甘さを感じるカリフラワーのクリーム。ゼリーは、コンソメ自体の味も深く強くしっかりしたものだったけれど、それに加えて強めな塩が利いていて、ウニ、クリームと共に口に含むとえもいえぬ食感と味わいの妙が感じられた。メロンのスープでも思ったけれど、冷たいものがしっかり冷たく、温かいものがしっかりと温かく、フランス料理ではありがちな「ぬるい」という状態のものが無かったのが、また好印象。

「〜シャルロット風サラダ」は、ぐるりと細いアスパラガスが城壁のように蟹肉を取り囲み、アスパラの城壁の周囲には華やかなパレットのように卵やパセリの飾りがぐるりと施されている。冷前菜などは繊細な印象もあるけれど、それでも、そのボリュームもあいまって、どこかどっしりとした「男の料理」という風情。この先の料理も「どっかん、どっかん、更にどっかん!」という感じだったので、「ああ、男のフレンチだー」という思いを一層抱いた。お店の雰囲気、接客含めてけっこう気に入っている「タテルヨシノ」などは、いかにも女性が好みそうなフレンチで、どちらがどう好きでどう嫌いということはないのだけれど、その傾向の違いが面白い。

そして、「キタキター!」と盛り上がった、フォアグラのポアレ。葉野菜を添えられて、同じ色合いに表面はこんがりと、中はふくふくに火の通った筍とたっぷりサイズの2切れのフォアグラ。それだけのフォアグラの分量だと、筍という食材は負けてしまいそう?と第一印象では思ったのだけれど、筍の美味しさに驚いた。ポクポクした食感の筍と、とろけるような口当たりのフォアグラが素晴らしくよく似合っていた。

魚料理は、メニューには載っていなかった、「今日の食材です」と出していただいたヤナギガレイのポワレ。皮目をパリッと焼かれた切り身のヤナギガレイにはレモンが添えられ、野菜もたっぷり添えられていた。じゃがいもにカリフラワー、いんげん、きぬさや、肉厚の椎茸。エリンギ?と思われた柔らかなスティック状の白い野菜はほのかにセロリの味。根セロリだったのかな。ケッパーが添えられたソースはそれなりに油も使われている様子だったのに、くどくどしいところがなく、これまた全体をまとめる絶妙な塩加減と共に綺麗にまとまった味の皿だった。カレイの身の厚さをそのまま活かした料理だったので、真ん中には骨もある。せっせと除けつつ、綺麗に食べた。

で、今日の写真がメインディッシュの「特選和牛ランプ肉のステーキ エシャロットバターソース」。
コースが始まる時に、「分量を調整させていただきますが、どのくらい召し上がれますか?」と質問をいただいたのだけれど、「ガッツリいけます!けっこうな分量食べられます!」と宣言しちゃっただけあってか、コース料理のメインディッシュのこのボリュームは迫力だなぁ、と、感嘆するほどのボリュームの肉がやってきた。「これも乗せちゃえ」とばかりに、私の皿には塊のをグリルした、隅っこのほうの肉のかけらのようなものまで乗っている。太いけれど繊維っぽさのないアスパラガスと北海道産のベビーコーン、じゃがいものガレットが添えられていた。

このステーキが、自信作というだけあって、素晴らしい火入れ具合(あ、あと塩加減も)。赤身の肉は不必要な脂っぽさがなく、噛みしめるほどに旨味が染み出てきた。添えられたエシャロットのソースの分量も程良く、最後まで「どうだー!」という迫力を感じる料理だった。

すごかったね、美味しかったね、あとはデザートだね……と思っていたら、デザートの前にフルーツが一皿。格子に切られたマンゴーは1人1/4個分、宮崎産の完熟アップルマンゴーだった。素晴らしく甘く、良い味。そしてデザートは十数種類からの選択制。メニューを見せてもらい、「甘いものは別腹〜」とおおいに悩んだ。 「ヌガーグラッセ・キャラメル風味・フランボワーズのクーリ」とか「スフレ・グラッセ・オレンジ・レモン風味」といった、あまり口にしたことがない感じのメニューも気になりつつ、それでも目が離せないのはクレームダンジュやブランマンジェのようなスタンダードなメニュー。新作メニューのおすすめは「シャルロット・ショコラ・カフェソース」ということでこちらも気になったけれど、結局自分の欲望のままに「クレーム・ブリュレ」にした。どうしても乳製品系のものが大好きなんです……。

上から見ると普通の分量、でも、容器の深さがけっこうなものだったので、なかなかの食べ応えがあったクレーム・ブリュレは、思った通りにがっつりしっかりとした甘さ、深いコクのあるものだった。料理も料理だから、デザートの方もがっつりと、という風。しっかり固められたカラメルをバリンバリン砕きながら、美味しくいただいた。

で、最後にはハーブティー飲み飲み、国産のさくらんぼと、アメリカンチェリーの飴がけ、食用ほうずきの飴がけ、ローズマリーのクッキーのプチフール盛りも。開店直後の早めの時間に入ったはずだったのに、食事を終えると3時間以上が経過していた。
コースメニューにお酒も加えて、お会計は1人15000円というところ。でも、この内容なら高いとは思えなかった。だんなもきっと好きな味。息子も喜びそうだけど、あのボリュームと雰囲気は、まだちょっと息子連れは無理かしら。

帰りがけ、スタッフの方に通りまで見送られ、「よろしければどうぞ」と、剥き出しのみかんのお土産を1人1個ずつ。この不思議な「おみやげ」もこの店の小さな名物のようで、それは知らなかった私は「み、みかん……」と苦笑い。皮が薄そうな、ずっしり重いみかんだった。

マンゴーパフェ \750

「四ッ谷三丁目に、美味しいパフェ屋があるんだよー」
と、「食後におしゃべり!」とばかりにフルーツパーラーフクナガに移動。あんなにさんざん食べた後だというのに、パフェ食べた。この店といったら、パフェ。パフェを食べねばはじまらない。1階でフルーツ屋さんを営むこのお店のパフェは、コーンフレークで上げ底などをしたりしない、フルーツ含有量が大変に高い素晴らしいもの。TAKANOや千疋屋などと比べると、フルーツの分量からは考えられない価格の安さだ。

初めて食べてみたマンゴーパフェは、一番上にホイップクリームと大ぶりにカットされたマンゴー果肉。下にはアイスクリームとマンゴーシャーベットと、更にマンゴー果肉。さきほど食べたマンゴーほどに濃厚な甘さはなかった(アップルマンゴーではなくペリカンマンゴーのようだったし)けれど、その爽やかな甘さがむしろパフェ向きに思える。こぢんまりとした、昔ながらのパーラー然とした店で、しばしおしゃべり。

「SITAARA TIARA」の
 バターチキンカレー
 マサラカレー
 チーズナン・ガーリックナン
スティック野菜と茹で野菜のサラダ バーニャカウダソース
麦茶

そんなこんなで、大変にお腹いっぱいな状態で帰路についたのだけれど、息子の夕飯はちゃんと考えないといけない。久しぶりに新宿伊勢丹の地下食料品売り場を歩き、インドカレー屋のお総菜屋さんがあったので面白いなとナンとカレーを買って帰った。辛さが星の数で記載されていた各種カレーの中から、辛さ控えめのバターチキンとマサラを200gずつ。ナンはチーズ味とガーリック味のを1つずつ。あとは家で簡単にサラダを作れば良いやと、電車に揺られて帰ってきた。

雨が降ってきそうな曇り空の下、急ぎ足で帰宅すると、ちょうど習い事から帰ってきた息子がお風呂をつけておいてくれていたところだった。
「あと、お母さんが喜びそうなニュースがあります!」
じゃーん!と見せられたベッド上には、綺麗に畳まれた洗濯ものが。夕方から雨になりそうな空模様だったから、学校から帰って習い事に行くまでの間にとりこんでおいてくれたのだそうだ。……うう、お母さん一人で美味しいフレンチとか食べてきたのに。どうもありがとう。

カレーはレンジで温めて、ナンはオーブンで表面が少しパリッとするように焼いて、その間にキュウリや人参を刻み、かぼちゃを茹でたりして簡単なサラダを用意した。マヨネーズと、少量残っていたバーニャカウダソースを用意して、それが似合いそうな野菜をいくつか。

バターの甘さを感じるバターチキンも、辛くはないけれどスパイスの香りを強く感じるマサラも、どちらも良い味。ナンだけで食べるには多めだった残りのルウは、息子が御飯をチンして綺麗に平らげてしまった。

6月5日 金曜日
これは昨日のマンゴーパフェ(おいしかったー)
「ホテルオークラ」のポンテケージョ
アイスカフェオレ
鹿児島産マンゴー

昨日、新宿伊勢丹で「明日の朝御飯を買おう」とぷらぷらしたのだけれど、夕方の良い時間だったものだから気になるお店はどこも大混雑。どうしようかなと夕飯も探しがてら歩いていたら、ホテルオークラのショップの前を通りかかった。お総菜中心のカウンターの一角にパンも積んであって、美味しそうなポンテケージョと目が合って「これだ!」と。個数もちょうどよく6個入りだったので、これを1袋買ってきた。

「おお!チーズのパンだ!」
軽く温めて出したら、うめー!と息子が大喜び。ほんとにチーズ好きだね、君は……。

茄子とズッキーニの温サラダ
豚と白いんげん豆の煮込みソースのタリアテッレ
アイスプーアル茶

何事もない平和な一日。
卵が残り3個だし買い物に行こうかなー……と思いつつ、夕飯に食べるものはあるので、結局どこにも出かけずに怠惰な一日を過ごしてしまった。

夕飯は、一昨日の豚といんげん豆の煮込みを煮詰めて塩してパスタソースにすることにして、タリアテッレを茹でる。豚もすっかり煮崩れつつあったので、トングでつついてほぐしてラグーのようにしてしまった。豆の方は煮崩れることもなく、まだまだ大きいのがごろごろと鍋に入っている。

あと一皿何か欲しいなと思って、オリーブ油を塗った天板にズッキーニと茄子の輪切りを並べて塩してオリーブ油を軽くかけて、10分ほどオーブン焼きに。スプラウトとサニーレタスを盛った小皿の上に焼けたズッキーニと茄子、ゆで卵のスライスを交互に並べて、マヨネーズを細く絞ってピエトロドレッシングも少しかけて、刻んだオリーブを少し散らして温野菜のサラダっぽくしてみた。

クリームソースだろうがトマトソースだろうが、パスタであれば基本的に何でもウェルカムな息子は、今日も「大盛り!大盛りにしてください!」と言っていたので5:3くらいの分量比で息子に多めに盛りつけてやったところ、ちょっと大盛りに過ぎた。
「……ちょっと、多すぎない?てか私の分少なくない?もうちょっと貰おうか?」
と言ったけど、「でも、このくらいなら食べられる」とのことで、ほんとにぺろりと平らげてしまった。……パスタも多いけど、豆とかもたっぷり入ってから、けっこうお腹いっぱいになると思うんだ……。

今日の夕食での話題は、なぜか「ONE PIECE」クイズになってしまい、
「じゃあ七武海の名前全員言ってみ?」
「人魚のケイミーちゃんが最初に出てきたのはいつ頃でしょう」
「サンジがゾロに名前で呼びかけたことがあるのは何回で、いつの事でしょう」
「ルフィがギアサードを最初に発動させたのは誰と戦ってる時でしょう」
と、食事中の雑談にしては、内容がやたらとマニアック。
「違うよ、"ドン・フラミンゴ"じゃないよ、"ドフラミンゴ"だよ」
と、答える方もちゃんと分かってるものだから、非常にレベルが高かった。

ケイミーの初出はいつ?の息子の問いに
「扉絵シリーズで出たんだよね、確かグランドラインに入った後で、ビビが仲間になったくらいの頃」
と言い当てた私も相当なもんだと思う。

6月6日 土曜日
500円ピッツァ。けっこう幸せだったり……
ほうれん草のおひたし
鰺の干物の炙り
御飯
豚汁(やっとラスト)
麦茶
みかん

今日は自治会開催の一斉草むしりの日……の予定が、昨夜からの雨がそのまま降り止まずにいて、中止。
一応早起きして、天気を見て、「……中止〜……」と再び布団に沈んだのだけれど、なんとなく寝ていられなくなって結局早起きしてしまった。

だんなも息子もそこそこ朝寝をきめこんでいて、2人が起きてきて「朝御飯にしようか」という話になったのが9時半を過ぎた頃。
小鍋にまだ豚汁が残っていたので(どうもここしばらく洋食っぽいものが恋しかったらしく、ゆえに豚汁の出番が全然訪れず……)これを食べてしまわなければと、干物焼いて冷凍御飯チンして、合間にほうれん草なども茹でて、和風朝食の支度をした。

私が一人起きている間に、「なんか暇だわ」と流しっぱなしにしていたのが「Wiiの間」。
画面の中で、設定した私たち家族3人のキャラクターが暮らしている。夜に接続すれば画面の中の風景も夜景というのは知っていたけれど、驚いたことに、画面の中の窓の外も今日は雨模様だった。……天気まで現実のものを反映しているとは、びっくりだ。

テレビとちゃぶ台のあるお茶の間でキャラクターたちが好き勝手に過ごし、時々来客が来たり(アインシュタインや久米宏が来たりしたよ……)、食事時にはキャラクターが食事を摂ったりもする。先日は夕飯に海老チリと青菜炒めとコーンスープを食べていて、今朝は焼き魚と御飯という内容。

「というわけで、Wiiの間に触発されたわけじゃないんだけど」
焼き魚を食べたくなったのでした、と、大きな鰺の干物が冷凍庫にあったのを思い出して、炙ってみた。横では猫たちが「なんか美味しいものを焼いているー!」と大騒ぎ。そういえば魚焼きグリルで魚を焼いたのは久しぶりだったかもしれない。

食後に、先日「北島亭」でもらってきたみかんを。いわゆる普通の日本のみかんだけど、表皮が薄く、でも固く、とても剥きにくいみかんだった。剥いた後の白い筋を取るのも大変だし、対して中の薄皮はめちゃめちゃ薄い。剥きにくいみかんだね、と苦心して剥いたけど、中の身は驚くほど甘くて美味しかった。うわなんじゃこのみかんめちゃめちゃ美味しい!と私が驚いている間に、「なんか、りんごみたいな味のするみかんだね?」と呟いた息子は、あっという間に自分の取り分を平らげていた。

「サイゼリヤ」にて
 肉サラダ \499
 サラミとパンチェッタのピザ \399
     ダブルチーズ \99
 生ビール(ジョッキ) \390

朝食後、ベッドの上で通販カタログをペラペラめくっていたら、りゃんりゃんが脇腹にぴったりくっついて寝始めたものだから、つい私も一緒になってうとうと。猫の体温と寝息の催眠効果はおっそろしいものがある。いつのまにかりゃんりゃんを挟んだ向こうにだんなも寝そべっていて、しばらく2人と1匹で昼寝してしまった。気がつけば午後2時。

ボリュームのある朝御飯だったし、もういっそ夕飯まで何も食べずにいようかと思ったけれど、息子は「お腹が空いた」とのことで、買い物がてら家族で駅前スーパーにお出かけ。私が「ケンタ食べたい」と言い、息子が「ゼリヤがいい」と言い、スポンサーのだんなのお裁きにより「では、ゼリヤで」ということになった。

サイゼリヤは、久しぶりな気がする。
息子が「カルボナーラスパゲティと、あとチーズフォカッチャも食べたい」と不穏な事を言っているので、「じゃあ私ピザにするから、そのピザ分けてあげるよ」と。ビールとって肉サラダとって、サラダはだんなと半分こして、あとはサラミとパンチェッタのピザを1枚。だんなはハンバーグプレート、息子はカルボナーラスパゲティ。ピザはだんなと息子に半分お裾分けして、代わりにスパゲティやハンバーグをしっかりいただいた。

安いだけあって、それなりの味ではあるけれど、でもダブルチーズトッピングした直径25cmほどのピザが500円玉1枚で食べられるのだから、すごいと思う。今日のお会計も、だんなと私がビール1杯ずつ飲んでいるのに3000円ほど。

「たとえばさ、この価格のこのピザが出てくるビヤガーデンとかあったら、それはけっこう幸せだと思うんだ……」
デパートの屋上のビヤガーデンとかって、1枚750円くらい取って大手メーカーの薄っぺらい冷凍臭いピザを平気で出してくるもんね……などと話しながら、ちゃんとチーズたっぷりで、生地がモチモチとそこそこ美味しいピザを堪能してきた。サウザンアイランド風のドレッシングのかかった肉サラダも大好き。

トマトとレタスのサラダ
ステーキ丼風焼き肉丼(ミニ)
麦茶

せっかくの週末だけれど、だんなは自治会の集まりでお出かけ。
息子と2人の夕御飯で、でも昼御飯は2時過ぎに食べたばかり。かといって夕飯を抜きにするわけにもいかない……と、氷温室ですっかり凍っていた焼き肉用の肉の残りで簡単な丼にした。

両面さっと炙って、バターと醤油を落として絡める、ステーキ丼風。上からは刻んだ白髪葱をたっぷり乗せた。あとは切って盛りつけただけのトマトとレタスのサラダ。

息子の学校はそろそろ水泳の授業が始まるところで、そして何より来週は移動教室という大イベントが待っている。
あれするから、これ準備しといてね、あとあれが必要だから、あれも買ってきてね、と、色々大変。もうキャラクターもののタオル(ずーっと前に買ったムシキングのタオル……)は嫌だと、タオルも新調、水着も新調。

6月7日 日曜日
たこ焼き焼いた
厚切りバタートースト
炒めウィンナー&スクランブルエッグ
夏みかん
アイスカフェオレ

今日は早起き、自治会イベントの草むしり。朝の1時間そこそこの重労働をして、ひとっ風呂済ませたら猛烈にお腹が空いた。朝御飯は厚切り食パンのバタートーストと、卵料理と炒めウィンナー、くっきり酸っぱい夏みかん。

「ウィンナーとか焼く?」
「うん、食べるー」
「卵も焼く?」
「うん」

今ひとつやる気なさそうに返事するだんなに
「どんな卵?」
スクランブルエッグとか目玉焼きとかリクエストありますかー?という意図でそう聞いたら
「にわとりのたまご」
という予想だにしない答えが返ってきて激しく脱力した。我が家にはダチョウの卵もヘビの卵もありません……(ウズラの卵もありませぬ)。

もういいです、私の好きな目玉焼きにしちゃいます、と宣言しつつ、結局作ったのは息子とだんなが好きなスクランブルエッグ。牛乳多めのふわふわ柔らかめのスクランブルエッグを作った。

たこ焼き
CCレモン

お昼御飯は、久しぶりにたこ焼きを焼いた。昨夏から某お店や某友人のところを渡り歩いていたたこ焼き機が先日我が家の元に返ってきたのだけど、たこ焼き機不在の時は特に恋しくもならなかったのに、箱を見ていたら無性に食べたくなってきてしまったのだった。

キャベツ買ってスーパーの総菜コーナーに置いてある安揚げ玉買って、紅生姜は入れずに、あとは刻んだ生ダコとスーパーブランドの「たこ焼きの粉」使って簡単に。

「今から練習しとくといいよ。すぐに上手にくるくる返せるようになるよ」
家でたこ焼きを焼くのもこれで何度目かになって、幾分うまいこと竹串を操れるようになった私が偉そうに息子に語りかけつつ、そこそこ丸く綺麗なたこ焼きができあがっていく。我が家のたこ焼きマスターは、私ではなくて、幼少の頃に大阪暮らしの経験があるだんなだ。だんなが「たこ焼き機を買おう」と言い出すまで、たこ焼きは「家で作るもの」ではなく「買ってくるもの」だった。

ちょっと下品なほど、器から溢れるぎりぎりまで生地を注いでキャベツやタコや揚げ玉を投入すると、生地は間違いなく全体にあふれ出るのだけれど、それを恐れず溢れたものを巻き込むようにくるくる転がしていくと、実に綺麗な丸いたこ焼きができあがる。オタフクのたこ焼きソースと青海苔とかつお節粉とマヨネーズを添えて食べる自家製たこ焼きは最高だった。そのうちチーズ入りなども作って遊んでみたいと思いつつ、今日のところは普通のたこ焼きを1人11個。

なすとトマトときゅうりのサラダ
ハムカツ
息子特製カレーライス
ビール(プレミアムモルツ)

「夕御飯はカレーにしない?」
と、息子。なんでも来週の移動教室で、"はんごうすいさん(飯盒炊爨)"をするらしい。メニューはカレーライス。息子は「カレー鍋の火加減の調節係」になったのだそうで、一度家でカレーを作ってから臨みたいという事だった。

じゃあ一度作ってみますか、変なアレンジとかしないで、カレーのルウの箱に書いてあるとおりにやってみますか、と、いつもは買わない豚薄切り肉を使って、箱に記載のレシピ通りのカレー作り。かたまりの肉を買ってしまうと、焼く前にカレー粉と塩胡椒をまぶしたくなるし、ある程度煮込まないと美味しくないからじゃがいもを入れるタイミングをずらす必要があるしで、箱の通りというわけにはいかなくなってしまうので、今日は薄切り肉使用だ。

一応私も監督したけど、最初から最後まで、息子が一人がんばって作ってくれた。人参が不揃いサイズになって、あまりに大きなものに対して「一口大って、そのくらいでいいの?」と注意したり、玉ねぎを切るのに「涙が出るから」と臆して目をつぶりながら包丁を操ろうとしているので「包丁を持っているときはよそ見しない!目もつぶらない!」と注意したり、まだまだ一人で全てを任せるには不安が残る感じではあるけれど、包丁を持つ手も少しずつ危なげがなくなってきた……かな?

材料の分量はある程度適当で大丈夫、肉の分量が400gが600gになっても、玉ねぎ4個が3個になっても、そのあたりは仕上がりにたいして影響はしないけれど、でも「水の量」、それだけは箱に書いてある通りにしないと、「濃すぎるならともかく、薄く仕上がっちゃったカレーは悲惨だよ〜?」ということはよくよく言い含めてみた。カレーだったら、そのうち私が仕事で遅くなったりしたときに「作っておいて!」ってお願いできるようになるかな?などと話しつつ、カレー完成。

薄切り肉を買ったついでに肉屋でハムカツも買ってきて、あとはカレーを煮込んでいる間に私はありものの野菜でサラダ作り。茹でた茄子とトマト、キュウリをそれぞれざく切りにしてオイスターソースと醤油同量、豆板醤、たっぷりのすり胡麻と胡麻油でざっと和えるという中華和え物風のサラダはケンタロウさんのレシピ。息子の分は辛味なしの味つけにして、息子のを取り置いた後、私とだんなの分に豆板醤代わりに香辣脆を混ぜ和える。醤油とオイスターソースだけの味付けでは、胡麻が入ってもちょっと単調な風だったけれど、香辣脆を加えたら途端に良い感じの風味になった。

ゆめゆめ水の量だけは〜とアドバイスした甲斐もあってか、息子のカレーライスは美味しいカレーライスになっていた。大きく切ったじゃがいもや人参にもしっかり火が通っていて、水もちゃんと計量して入れたから味もばっちり。「僕のカレー、美味しくできた!」と息子は御満悦だった。