食欲魔人日記 04年03月 第4週
3月22日 月曜日
柚子醤油をかけていただきましょー
フルーツグラノーラ with 牛乳
あじわい練乳いちごヨーグルト

なんでも今週末に、ダイエット争いをしている同僚とその結果確認をするのだそうである。
「だから!今週は月、火、水、金と、早起きしてジムに行ってきます!」
なにやら燃えている。燃えているだんなは、私が行ってらっしゃいと声をかける間もなく(いや、間がなかったというより意識がなかった……)早起きして出かけてしまった。

今日は、幼稚園の特別保育に3時間だけ息子に行ってきてもらい、私もスポーツジムに。
朝食は、先日ちょっと久しぶりに買ってきたカルビー社のフルーツグラノーラ。やっぱりこれは美味しいのぅ、苺増量キャンペーンが終わってもやっぱり美味しいのぅ、と、牛乳かけてガリガリバリバリと食べた。苺不足を補うように(?)、練乳いちごヨーグルトも。

イクラしらす丼
味噌汁(インスタント)
焼き海苔たくさん
麦茶

本日のトレーニングは、45分のローインパクトエアロと45分のボディパンプに続けての参加。そろそろ慣れてきたしなぁ、と9kgだった重りを12kgにし、7kgだった重りを9kgに増量してみたら、それだけで大変なことになってしまった。明日は外出の予定なのに胸も背中も腹筋も上腕二頭筋もビキバキに強張らせて帰宅する羽目に。でも、努力の甲斐あってか焼き肉食べてイタリアンフルコース食べた週末明けだというのに200gしか体重が変わってなかったわ、ふふふふふ……。

お昼前に息子を迎えに行き、帰る道すがら昼御飯の相談。
「なに食べたい?できる範囲でリクエストに応えてあげよう」
「ごはんにのり巻いて、食べたいなー。ごはんにね、イクラのせるの」
「ああ、イクラ御飯か。それいいね。イクラ、残ってるしね」
帰宅してから、そういえば昨日買ってきたしらす干しもあるじゃない、とか、味噌汁も欲しいけどお腹空いちゃって作ってる余裕ないねぇ、とかあれこれ考え話しつつ、結局"イクラしらす丼"に。御飯にイクラとしらす干しを乗せただけのそれに、たっぷりの焼き海苔とインスタントの味噌汁をつけた。

「のっりまき、のっりまきー♪」
シンプルな食卓なのにやけに嬉しそうな息子は、えんえんと
小皿に海苔を広げる→御飯とイクラとしらすを積む→巻いて食べる→小皿に海苔を
という作業を楽しそうにやっていた。もしかしたら、ケーキより大福よりも焼き海苔が好きなんじゃないかと時折思われる息子は、今日も焼き海苔と仲良しだった。まぁ、食べ過ぎて困るものじゃないし……。

カツオのたたき
マグロの刺身
コールスローサラダ(残りもの)
焼き茄子のおかか醤油
いくら・しらす干し
キャベツの味噌汁
羽釜御飯
ビール(モルツ)・麦茶

昨日は魚が安かった。大きなカツオのたたきは1サク300円くらいだったし、鰹よりは小ぶりだったけれどマグロもこれまた300円くらい。
「カツオ、いいねぇ〜」
「いいねいいね」
と、うきうきとスーパーでお買い物してきた。
「だからね、月曜日は何が何でも帰ってくるんだよ?帰ってこなかったら息子と2人でカツオ食べちゃうからね」
だんなに伝えておいたらば、本当にちゃっちゃと仕事を切り上げて(ほったらかして、が現実だったらしい……)早めに帰ってきてくれた。

カツオやマグロは私とだんなの好物だけれど、息子の好物でもある。
「マグロ!いーっぱい、いーっぱいぱいぱい、食べてもいーい?」
笑顔で言われて頷いたら、本当にいーっぱいぱいぱい食べられた。ちょっと茄子とかサラダとかつまむ数分のうちに皿からごっそりマグロが消えていく。ぼくもおりょうりしまーす、とかなんとか言いながら、御飯の上にマグロとイクラとしらす干しを盛りつけて幸せそうに食べているのだった。私とだんなはせっせとカツオを。

初鰹は脂っけがあまりないと言われるけれど、今日食べた鰹はとろ〜んねっとりと、思った以上にこってり脂がのっていた。最初から表面が焼かれているものがパック詰めされて売られていたのだけれど、その焼き色や焦げ具合も良い感じ。いつもどおり、薄切りにんにくと刻み万能葱をこれでもかと散らし、酒と味醂を煮切ったところに醤油と柚子酢を加えてタレを自家製。今日は柚子酢が手元になかったので、かぼす酢を使ってみた。ポン酢だとちょっと酸味が尖りすぎるし、醤油と柑橘類の絞り汁を合わせるだけではちと物足りないしで酒と味醂も使うようになったのだけれど、その淡い甘さがけっこう好み。今シーズン初のカツオは安くてばっちり美味しかった。

3月23日 火曜日
吉祥寺の小林カツ代さんのお店に行ってみました
バナナ
牛乳 with ミルメーク苺味

今日はお出かけ。友人Tさんと一緒に、吉祥寺を散策することになっている。息子も一緒。
「というわけで、起きろー!あと1時間で出発するぞー!」
と9時過ぎに起床し、バナナと牛乳の簡単な朝食を済ませた。12時にはお昼御飯を食べることになるし、そのくらいで良いだろう……と思ったのだけれど、電車に乗っている間にどんどん腹が減ってしまい、
「Tさんー、腹ぺこですー」
と泣きつく羽目に。朝御飯はやはりしっかりと食べなければならぬ。バナナだけじゃ物足りないわ、やっぱり。

吉祥寺 「KATSUYO GREENS」にて
 タイ風セロリ豚丼

そもそもは、私がファイヤーキングを扱う雑貨屋さんに行きたくて吉祥寺吉祥寺言っていたのだった。
「あ、吉祥寺だったら住んでいた町なのでけっこう詳しいですよー」
とTさんが言ってくださって、で、一緒に雑貨屋を散策することに。昼御飯もあれこれ美味しそうなイタリアンのお店や洋食屋さんをリストアップしてくださっていたのだけれど、今回は以前からちょっと気になっていた小林カツ代さんのお店に行ってみることにした。噂に聞いたのだけれど、ちょっとビミョ〜なお店なのであるらしい。

料理研究家を連れて料理研究家のお店に行ってしまうのはいかがなものか……と思いつつ、2人(いや、息子もいるから3人)で興味津々入店。日替わりの盛り合わせ弁当と、定食と丼ものがそれぞれあって、値段は1000円前後。私は今日の丼ものである「タイ風セロリ豚丼」を、Tさんは「ミートボールのきのこ煮」を、息子は単品メニューの肉まんと水餃子を。私の丼には春菊のサラダとスープがついてくる。

食べてみて、「……なるほどなぁ……」と。美味しいか美味しくないかで言えば美味しいのだけれど、でもなんだか、悪い意味で"友達の家で御飯を食べている"ような感じ。食材の組み合わせの妙とか簡単だけど美味しい味付けをお客さんに提供しようとしてくれているというよりは、スタッフがカツ代さん抜きで簡単に彼女の味やもてなしを表現できるように工夫されているような感覚をもった。

たっぷりのセロリが入っている割にはその臭みをうまく消していたひき肉との炒めものはナンプラーの香りがふわりと漂い、添えられるのは黄身をとろんとさせた半熟目玉焼きと、三つ葉1本と、トマトとレモン。春菊を大きな葉のままざくざく使ったサラダは玉ねぎと豚肉の炒め物とざっくり和えられていて、こっくりした醤油ベースの味わい、ピーナツも入っていた。スープは悲しいほどにインスタントな味わいで(多分インスタントのコンソメスープを湯に溶いた後、野菜も加えて多少煮込んだものなのだと思うけれども……でも……)、そのスープの味とかメインディッシュの添え物あたりにこのお店のスタッフの技量の限界を感じてしまうような……。

私は小林カツ代さんが大好きで、彼女の料理本もいくつもいくつも持っているのだけれども、でもこのお店はちょっといただけないなー、というのが正直な気持ち。

いただけないなー……と言いつつ、お店を出た後はそのすぐ近くにある「GOOD!S」という小林カツ代さんの料理小物のお店でお買い物。先日バキッと折ってしまった私用の箸を1膳購入し、それと 「まな板がわり」という名の、ペナペナした樹脂製の薄いまな板。薬味や味噌汁の具などをこの上で切ると、そのままこのまな板を折り曲げるようにして鍋の中に切ったものを投入できるというもので、
「これ、私も実は使っています」
というTさんの言葉につられてつい購入。その後、これでもかとあちこちの雑貨屋さんを見て回った。

相当あちこちの店を覗いたのだけれど、何か買ったところだけ挙げてみると、「NATURAL KITCHEN」という100円均一のお店(でも、そうは見えないほどお洒落なものが揃っている)で ココナッツの容器を2つ、「Confine Nuovo」というちょっと大きなお店でフローティングフラワーを2種類、「Dans Dix Ans」(ダンディゾン)というめちゃめちゃシックなパン屋さんで小ぶりなお高いパンをいくつか、たいしたものは買っていないのに地道に持っている荷物がじわりじわりと増えていくのがすごく楽しい。

吉祥寺 「Cafe du Sypres」にて
 あんずのタルト
 アールグレイティー

歩き疲れて、「そろそろ休憩を……」と入ったのは、それまで散策していたエリアと反対側、井の頭公園側にある小さなビルの3階のお店「Cafe du Sypres」(カフェ・デュ・シプレ)。

タルトが美味しそうなんですよ〜、と話していて、Tさんも私もタルトをもぐもぐと。私が頼んだのはあんずのタルトだったのだけれど、しっかり酸味が感じられるあんずのコンポートが、しっかりどっしり焼かれた存在感たっぷりのタルト生地に収まっているものだった。紅茶がティーバッグだったのはちょっと残念だったのだけれど、でもタルトはとても美味しい。お店の壁面にはその他焼き菓子がずら〜りと並べられていて、小さな店なのにお菓子はたっぷり、という風情。息子が食べていたイチゴのシュークリームもとても美味しそうだった。吉祥寺には、小さなケーキ屋さん喫茶店がいくつもいくつもあって、とても素敵。我が家の近くには定食屋はあるけれど喫茶店なんかは全然ない……中央線沿線に住みたい……。

いいなぁいいなぁ、中央線沿線はいいなぁ、と久しぶりの吉祥寺を満喫しつつ、更に散策。最後はデパート内の「Franc franc」などにも寄り、とどめとばかりにフローティングボウル(フローティングフラワーを浮かべる丸く平たい金魚鉢みたいなもの)を買ってみたり、買おうと思っていたデュラレックスの小ぶりのグラスを買ってみたり。

で、トドメとばかりにコロッケやケーキを買い求め、夕飯も夜のおやつも吉祥寺もので固める勢いで、山盛り荷物で帰宅した。
「私はE.T.を見たのは小学3〜4年でしたっ」
「私は大学生のとき……いや!でも!ビデオで見たんですよ、ビデオだったんです」
というくらい(どのくらい?)年齢が離れている私とTさんだけれど、でもどういうわけか、仲良し。年齢をネタにしてからかうのは1度の逢瀬に1回まで。(←ということにしている、と言ったら、「いーんですよぅ、もっとからかってくださいな」と言われた。よし、これからもっとからかおう)

吉祥寺「サトウ」のロースカツ・コロッケ
千切りキャベツ
キャベツの味噌汁(昨夜の残り)
御飯

吉祥寺「レピキュリアン」のフランボワーズのミルフィーユ
アイスティー

帰宅は5時半。帰りの電車は私も息子も爆睡状態だった。
夜の食事も吉祥寺尽くし。メインディッシュは「サトウ」のカツとコロッケだ。

メンチカツで有名な「サトウ」というお店、なんでもすごい行列ができるお店なのだとか。私は全然知らなかったのだけれど、Tさんに
「話のネタに、買ってみます?すごい行列かもしれないけれど……」
と連れていってもらって、すごい行列だったのだ。店の前にたかっている人たちだけかと思ったら、十字路の反対側にまだまだ列が続いていて、もうメンチカツは諦めるしかないという風情。ジューシーなメンチカツ、しかも安いというのがポイントらしかった。

「んー……メンチカツはとても買ってられないけど……せっかくだからコロッケ買ってみようかな」
と、その店のメンチカツと同じくごろりと丸い卵のようなコロッケを2個、ロースカツを1枚買ってきてみた。カツ屋さんではなくお肉屋さんなので、それらの揚げ物もいかにも美味しそう。家に帰ってトースターでこんがり温め、刻みキャベツも用意して食べてみた。だんなは激ジョブのため、本日の夕飯は不在。

いかにもお肉屋さんのコロッケといった風のコロッケだった。じゃがいもたっぷりでホクホク、衣は香ばしくサクサクでとても素朴な味わい。とっても美味しい。とっても好み。
「あら、美味しいわ。すっごく美味しいわ」
とコロッケをばくばく食べつつ、ロースカツも。こちらもいかにもお肉屋さんのお総菜といった感じの、ちょっと薄めだけれど適度に脂がついた香ばしいカツだった。ああ、いいなぁ吉祥寺。

そして食後にケーキ。「L'Epicurien」(レピキュリアン)というお店に最後に連れていっていただいたのだけれど、明日がその店の定休日ということもあってかショーケースの中のケーキはちょっと少なめ。ケーキの他にもデニッシュやキッシュ、焼き菓子もたくさん並べられていた。買ってみたのはチョコとモカ2種類のエクレアとチョコカヌレ、そしてフランボワーズのミルフィーユ。どのお菓子も細やかな細工がなされて、小ぶりで上品な雰囲気。だんなの分にとチョコエクレアを1つ残し、帰宅直後にカヌレを囓り、風呂上がりにミルフィーユをつついてみた。

カヌレはそれほどインパクトのある味ではなかったのだけれど、ミルフィーユはとても好みなものだった。見た目ほど繊細さはない、バリバリッとした頑丈なパイ生地の間にはどっしりとしたカスタードクリーム。カスタードクリームと同量くらい入ってるんじゃなかろうかというフランボワーズの粒どっさりのコンポート。小ぶりだけれどそのサイズで食べ応え充分の美味しいケーキだった。息子のエクレアも一口ずつ交換して食べてみたのだけれど、洋酒のツンとする匂いなどはないシンプルなエクレアでこれも好み。
明日の朝御飯のパンも、とてもとても楽しみだわ♪

3月24日 水曜日
ヘルシーを目指して……ヘルシーにならず
吉祥寺 「Dans Dix Ans」の
 セザム \160
 アカネ \120
 フリットン \110
 キュリー \320
カフェオレ

昨日、吉祥寺で買ってきたパンで朝御飯。
裏通りの更に裏通り、といった風なところに位置するあまり目立たないビルの、しかも地下にあるそのお店の名は「Dans Dix Ans」(ダンディゾン)。なんでも青山にある「デュヌラルテ」 と同じ方(フレンチレストラン「カムシャングリッペ」オーナーシェフ淺野正己さん)がプロデュースしたお店なのであるらしい。デュヌラルテは以前訪れてパンを購入したことがあるけれども、「ごっつぅ高いけど、ごっつぅ美味しいなぁ」というのが印象だった。コーンパンは、本当の本気に美味しかった。でも、すっごく高かった。

対して、こちらのお店は、お値段は割と手頃。代わりに1個1個のパンのサイズはかなり小さめで、3〜4個はもりもりと軽く平らげられるのではないかというかわいらしさ。まるでブティックのような薄暗い店内には高級チョコレートかアクセサリーかのようにパンが並べられ、お店の人に「あれとこれください」と指示して取ってもらうようになっている。それぞれの品に札はついているのだけれど、説明はついていないので何が何やら。
「これは何です?こっちは?」
と全種類の説明をじっくり聞いて、あれこれ買ってきた。

「セザム」は黒胡麻とアーモンドのペーストが詰まったもの、「アカネ」はキビ砂糖を使ったこし餡入りのあんぱん、「フリットン」はキューブ状のバターを入れて焼いた小ぶりのごろりとしたパン、「キュリー」はなすとトマトのカレーを詰めたもの。カレー入りやバター入りのものはオーブンでじわっと温め、それぞれをざくざく4等分にして大きな木製ボウルに盛りつけた。
「種類いろいろあるからー、好きなようにお食べー」
と、傍らにカフェオレを。

上質なバターと粉を使っているんだろうなぁと感じさせる、粉やバターや塩の味が小さなパンのからそれぞれ強く感じられる美味しいパンだった。中の詰め物にも手抜きがなく、トロンと火が通ったスパイス臭ぷんぷんのトマトや茄子も良い感じ。もっちりねっちりと強い弾力のパン生地が不思議と餡にも似合っていた。

なんでも「ダンディゾン」という店名は「10年後」という意味なのだとか。近所にこんなパン屋さんがあって、10年経っても変わらず美味しいパンを売り続けているというのは素敵な事だろうなぁと思う(そして、願わくばあと2割くらい値段が安かったら……とも思う)。

赤いきつね
麦茶

「あのね、つけ麺食べる?いただきものがあって」
お義母さんからの電話はいつも唐突。え?なぜつけ麺?もちろんいただきます息子が好物です、と伝えたら数分後につけ麺持ってやってきた。
「はい、これねー」
せいぜい2玉4玉くらいかと思ったら、紙袋の中にはざくざくと10袋以上のつけ麺。更には「赤いきつね」も3個ごろりと入っていた。な、なぜこんなに麺が……。
「ゴルフ行ったらね、いただいちゃったの。おほほほほほ」
いつも色々なものが大量にあるイメージがあるだんなの実家の物資の秘密は、そういうところにあるらしかった。

じゃあ昼御飯はありがたくつけ麺にしちゃおっかな……と思っている私の横で、息子が赤いきつね1個を死守して踊っていた。
「おひる!これ、たべよ!やったぁ〜」
私はまだ一言も答えてないのに、「やったぁ」とか言っている。結局それから2時間、片時も赤いきつねと息子は密着し続けているのに根負けして、息子も私も赤いきつねの昼御飯。

そうよね、時々こういうのが懐かしくなるわよね、と(実は私は今猛烈にケンタッキーフライドチキンが恋しい……)、沸騰した湯をどぼどぼ入れて巨大油揚げ入りインスタントうどんを準備。
「フォークとー、スプーンとー、あ、おはしもだしちゃおうかなーっ」
息子はこれ以上なく嬉しそうに準備していて、母としては「私の手料理よりそっちが嬉しいんかい!」と微妙な心持ち。

でも、久しぶりの赤いきつねは美味しかった。あの独特の甘じょっぱい油揚げがたまらない。
「ねー。おかあさん、美味しいねぇ」
「……うん」
でもやっぱり複雑な心境。

豚肉としめじのにんにく生姜炒め
キャベツの千切り
ポテトサラダ
茹で鮭としらすの和え物
からし明太子
キャベツとにんじんの味噌汁
羽釜御飯
ビール(モルツ)・ほうじ茶
いちご with コンデンスミルク

平日は週に2度、夕食に間に合うように帰ってくるのがやっとの我が夫。今日は帰ってくるというので、買い置き薄切り豚肉をどう調理しようかなぁと考える。野菜を巻いて醤油と味醂で焼き付けようかなぁ、とか新じゃがと新玉ねぎ買ってきて肉じゃがにしようかなぁなどと考え、結果、にんにく生姜炒めにすることに。だんなは体重減少に励んでいる今日このごろであるので、
「よーし、きのこを混ぜてヘルシーな感じにしよう!」
としめじを混ぜたは良いんだけど、そのぶん肉を減らすのをうっかり忘れてしまったため、結果としては「しめじを増やした分だけ増量おかず」ということに。全然ヘルシーじゃない。

豚肉(としめじ)を炒めて、おろし生姜とおろしにんにくをどっさり加えて醤油と味醂と酒で調味するという炒め物、ちょっと汁っぽさを残しておいて千切りキャベツを浸しながら食べるのが美味しい。山盛りの千切りキャベツとポテトサラダを準備して、あとは茹でたまま冷蔵庫内にうっちゃらかしてあった鮭を発掘してしらす干しと胡麻と胡麻油と塩で軽く和え物に。冷蔵庫内を眺めてみつけたものをあとは適当に並べただけだけれど、ヘルシーとはちょっと違った方向のちょっと豪華な食卓になった。

今日の食後は、やっと安くなってきた苺。一口で食べきれないほどの大粒の苺よりは小粒の苺の方が私は好きで、ありがたいことに小粒の苺はけっこう安く買うことができる。コンデンスミルクを小皿に絞り出し、こてこてつけながら皆でつまんだ。そろそろ春だねぇ感が盛り上がってきたけれど、でもまだ桜はいまいち開く気配がなく……(今週末、お花見する予定なんだけれど大丈夫かしらん……)。

3月25日 木曜日
久しぶりに作ったお弁当
プロヴォローネチーズのロールパンサンド
卵サンドのロールパンサンド
牛乳 with ミルメーク(苺味)

「今週の木曜日はお弁当があると嬉しいなぁ〜」
だんながそう言っていたので、今朝は久しぶりに弁当作りにと台所に立った。先週頭に息子の幼稚園のお弁当が休みになってからというもの、かなりご無沙汰な気分。30分かかって、家族3人全員分の弁当を作り終えた。

朝御飯は、ごそっと残っていた買い置きロールパンを使ってサンドイッチを。以前だんなの同僚が海外土産にくれたのだというプロヴォローネチーズでもスライスしてオーブン焼きにしようかなぁ……と思っていた私の脇で、
「じゃあ、卵茹でよう、ゆで卵、作ろう」
とだんなが小鍋に湯を沸かし始めた。ああ、だんなはチーズサンドがいまいちお好きでなかったんだっけ、と思いつつ、私は初志貫徹してプロヴォローネチーズをざくざくとスライス。みっちりと目の詰まったセミハードタイプのこのチーズ、独特の濃厚な発酵臭が漂って、「チーズ、臭いのは苦手」という人にはちょっとつらいかなぁという風味だった。臭いものが好きな私は、「まぁ、くさいチーズだわ、くさいチーズだわ♪」と、喜びつつニヤニヤと。

私はチーズと卵のサンドイッチを1つずつ、だんなは卵サンドを2つ、息子は1つ。ツンと刺激臭のあるチーズは、そこらで売られている何の変哲もないロールパンをちょっと違った味にしてくれた。うまー。

おうちで弁当
 鶏の胡麻照り焼き丼
 かぼちゃのバター炒め
 行者にんにく
 茹で鮭としらすの和え物
 ポテトサラダ
麦茶

外出しようにも天気はいまいち、おとなしく家にこもっていた一日だった。お弁当は家族3人だいたいお揃いの内容で、弁当箱が大きなだんなの分にはあれこれオマケをつけてある。

メインディッシュは鶏肉を照り焼きにしてすり胡麻をたっぷりまぶしたもの。焼きつけているとき、皮目を下にして上からフライ返しでぎゅうぎゅうと力を入れて押しつけ、皮をパリッとさせてみた。カリッと焼いた皮は昼までちゃんとカリッとしていてくれるかしら、という実験も入っていたのだけれど、残念ながら昼時にはカリカリの皮もシナシナになってしまっていた。

焼いた肉は、御飯の上に焼き海苔1枚ぺろっと敷いて、その上に。焼き汁も肉の上から回しかけておいた。御飯の上、肉の脇の空白部分には行者にんにくとバターソテーにした薄切りかぼちゃを数枚置き、息子には行者にんにくを入れない代わりにかぼちゃを増量。そして昨夜のおかずにも出したポテトサラダと鮭の和え物も詰めた。だんなの弁当箱には、これに加えて昨夜の豚の炒め物と数粒の苺も入れ、そんな感じの家族お揃い弁当。

「わーいわーい、僕はね、お弁当が好きなんだよー」
と、昨日の"赤いきつね歓喜の踊り"と同程度には喜んでくれた我が息子。うきうきと彼の分の弁当を綺麗に平らげてくれた。……でも、今回、息子の弁当食事風景をよーく眺めることができたのだけれど、

まず、鶏肉だけを平らげる、かぼちゃも平らげる
→海苔をべろんと御飯からひっぺがし、そのまま丸ごと平らげる
→黒茶けた御飯だけが跡地に残る
→おもむろに鮭としらすの和え物(アルミカップ入り)を取り出し、御飯の上にトッピング
→鮭御飯を堪能(ただし御飯には照り焼き鶏の焼き汁が染みこんで……)

美しい食べ方なのか醜い食べ方なのか、非常に微妙なところ。鶏と海苔と御飯を一緒に食べるのが美味しいんだよー……と言ってみても、多分息子は息子の食べ方で食べたいのだろう、きっと。

そういや息子、ショートケーキも上から順々に
トッピングのクリームだけをこそいで舐め、頂上の苺を食べる
→その下の第一スポンジ層をべろんと剥がして食べる
→その下にあるクリーム及び苺を食べる
→その下の第二スポンジ層を……
なんて食べ方をしているのだ。そろそろ「みっともないからそれはヤメレ」と言うべきかどうか。
(でも、私はバームクーヘンを層ごとにぺろぺろひっぺがして食べる女……)

「聘珍樓」のインスタント杏仁豆腐"杏雲"

先日スーパーでほんのりと安売りしていて、つい欲しくなって買ってしまった杏仁豆腐の素。中華料理店の「聘珍樓」から出ているその杏仁豆腐の素は、現在の「杏雲」という品名で売られるようになる以前に、私は大好きでよく買っていた。粉をお湯で溶き、更に牛乳を加えて固めるだけの簡単さで、杏仁豆腐も水で薄めるシロップも上品な甘さ。インスタントにしては風味もよく固まり具合も絶妙で、それはもう頻繁に買っては作っていた。息子が産まれてからの購入は、まだ数えるほどしかない。だから興味深そうに「あんにんどーふ?」と箱を不思議そうに眺める息子なのだった。BR>

では今日は一緒に作ってみましょう、と、湯を沸かして杏仁豆腐制作の準備。息子に
「はい、これ持っててねー、ちゃんと混ぜてねー」
とミニサイズの泡立て器を渡し、ボウルに素やらお湯やら牛乳やらを次々入れてやる。混ぜるだけ、流すだけの作業だったら5歳児の息子でもなんとかなるようで、きっちり一緒に杏仁豆腐を作ることができた。久しぶりのインスタント杏仁豆腐は相変わらずおいし。

「ケンタッキーフライドチキン」の
 フライドチキン
 コーンサラダ
 ビスケット
缶チューハイ(オレンジ)

ここ数日無性に感じていたのだけど、私は無性にケンタのチキンに飢えていた。
「わかってるの、わかってるのよ。一度食べたら"そうそうこんな味だった。もう3ヶ月は食べなくていいや"と思うことになるのよ。でもー、たーべーたーいー」
悶え悶えて、だんなの帰りが遅いと確定している今日、買ってしまうことにした。午後は冷たい雨が降っていて外出するのもめんどくさく、デリバリーしてくれる近所のケンタに電話。1500円分の買い物をしないと届けてくれないことになっていて、セットものもほのかに割高感が感じられるような気がするのだけれど、めんどくさいのであれこれ注文してしまった。やってきたのはチキンとコーンサラダとビスケットと、息子のリクエストによる和風チキンカツサンド。冷蔵庫に入っていたペプシや缶チューハイを取り出して、息子と2人ぐーびぐーび飲みながら念願のチキンをいただいた。

「うー、そうそう、この味だよ、これって味」
と、ギトギトのチキンを囓り、ニカニカするビスケットにメープルシロップをダバダバとかけ、缶詰あけただけみたいなコーンサラダも堪能した。この味、この味が懐かしかったんだけれども……予定どおりにしっかりきっちり胃にもたれた。私はチキンを3個食べ、3個のビスケットは私と息子できっちり半分こ、2つのコーンサラダも半分こ。代わりに息子の和風チキンカツサンドは私もちょっといただいた。それにしても、胸やけ……(でも後悔はしない)。

3月26日 金曜日
ツナマヨネーズのスパゲッティ、胡麻たっぷり
フルーツグラノーラ with 牛乳

今日は息子に幼稚園の特別保育に数時間行っていただき、その間にスポーツジムに行ってこようという算段。8時過ぎに目覚まし時計が鳴って目覚めると、だんなはとっくに出勤前の早朝ジムにと出かけていた。6時頃に目覚ましかけて起きているはずなのに、どういうわけだか私の耳にそれが聞こえることは滅多にない。せめて「いってらっしゃい」くらい声をかけたいのに、なかなかそうもいかずー。

息子と2人の朝御飯は、いつものフルーツグラノーラ。バナナが1本余っていたので、
「スライスして、シリアルに入れてあげよっかー?」
と息子に提案してみたのだけれど、
「ちがうの。バナナはね、このカリカリには入れないの。これじゃないカリカリに入れるの」
と拒否された。バナナスライスはフルーツグラノーラではなく、普通のコーンフレークに入れるものだと彼は主張しているらしい。……こだわる人だなぁ。

「大円」のうどん ひやひや with 揚げ玉
麦茶

ベーシックステップ及びローインパクトエアロを満喫して昼間近になったところで息子を拾って帰宅。
「お昼なに食べたい?何か買って帰る?」
帰り道息子に聞くと、
「うどーん。うどんうどん♪」
自転車をこぐ私の背後から息子が歌っている。

ああー、うどんね、冷凍の、まだ全然食べてなかったしねぇ……と、帰ってからうどんを茹でる。冷凍庫に入っていたのは「大円」のうどん。ぶっかけが有名なお店で、
「まぁ、あれこれ具を準備するのは大変だけれども……」
と、揚げ玉をたっぷり上からトッピング。他の具がない分、揚げ玉は多め。太くてねっちりどっしりとした食べ応えのある長いうどん。しばらく親子無言でずるずるがふがふと麺を啜りまくった。

今日、ふと思い立って「あー、写真のページでも作ってみようかなぁ」とぽちぽち写真を選んだりサイズ変更してみたりし始める。これは"絵"としてステキだわぁという料理写真とか、ちょっと幻想的に良い感じに撮れた旅行中の写真とか、友人知人に見せびらかしたいなぁと……(要するに自己満足)。でも、この日記に毎日写真載せてるし、旅行記はもっと写真うじゃうじゃ載ってるし、何も今更写真ページも作ることないわけでー、うーんうーん。……とりあえず、もっと綺麗な写真が撮れるように努力することから始めてみよう。

ツナとマヨネーズのスパゲッティ
コーンスープ
アイスティー

だんなは本日ダイエット成果確認ということで、ダイエット仲間と一緒にスポーツジムに行って最後の運動→体重測定の儀式の後、おめでとう飲み会なのだそうだ。
「あーもー、我慢できないっ。美味しいチョコ屋ない?ヒルズのチョコ屋って……うぉ!高っ!」
などと、ここ数日挙動不審だった我が夫。あからさまにリバウンドしそうな言動をしている夫に不安を感じつつも、
「そうそう、ヒルズのチョコ屋は辻口さんのお店なんだよねー。道路向かいの反対にはリシャールもあるよー……。でも、そこらへん行くなら新宿のJPエヴァンの方がいいと思うけど」
思いっきり背中を押している私。チョコ、美味しいチョコ、いつ我が家にやってくるのかな?(もう期待満々)

チョコに思いを馳せつつ、息子と2人の簡単夕食はツナを使った簡単スパゲティ。ケンタロウさんの本に載っていたレシピで、ツナと薄切り長ねぎ、同量ずつのマヨネーズ・胡麻油・オイスターソース・黒胡麻白胡麻、少しの醤油を混ぜ合わせて、そこに茹でたてパスタを加え和えるだけ。見た目は白々としてねっとりとしていてちょっといまいちな風だったけれど、でも案外と美味しかった。オイスターソースが入っているのでほんのり甘く、マヨネーズが入ってほんのり酸っぱく、材料を合わせている間はほんのりと不安があったのだけれど、できあがりはなかなか。

明日は仕事、明後日はお花見で上京する予定。都会だわ都会だわ美味しいもの食べに行くわ。

3月27日 土曜日
ずーっと気になっていた、洋食キラクに
ロールパンのチーズサンド
牛乳

今日はお休みだけれど仕事の打ち合わせ。昨夜は飲み会のあげく、友人M井さんの家に転がり込んで寝ただんなとお昼に待ち合わせ、息子を託して仕事に行くことにした。

「というわけで息子、お出かけするよー。人形町に行くよ」
「にんぎょーちょ?おとうさん、お仕事なの?」
「いや、お父さんがお仕事なんじゃなくて、お母さんがお仕事なの」
「ふーん」

なんて会話を交わしつつ、朝食にと食べたのはとろけるチーズを挟んで焼いたバターロール。買い置いていたその」存在をすっかり忘れてしまっていて、ここ数日でせっせと食べている(今日食べきった)のだけれど、底にぽちっと米粒大に青カビが生えてきていたのをむしり取って食べたのは息子にもだんなにも内緒。我が家では昔から、「だめだこりゃー」な状態になってない限り、カビがはえたパンもカビがはえたチーズも、そこをこそいで食べることになっている。この「だめだこりゃー」な状態の見極めが難しいところだけれど。

人形町 「洋食キラク」にて
 ビーフカツ(ライスつき) \1550

12時過ぎ、だんなと待ち合わせ。サンドイッチっぽいものが食べたいなぁ……と、ネットで検索してみつけた「サンドウィッチ・パーラー まつむら」というお店に行ってみようとしたのだけれど、サンドイッチ程度では癒しきれないほどだんなも私も空腹。
「せっかく人形町来たんだし、気になってたお店に行く?」
「洋食屋さんとか?キラクとか行ったことないよ。小春軒とか芳味亭は私、行ったことある」
「俺はどれもないー」
あっさりと方向転換して、で、だんなも私も初めての「洋食キラク」に行ってみることにした。

メニューはカツとポークソテーとカレーライス・ハヤシライスといった風の、いかにもな洋食屋さん。カウンター席だけの小さなお店で、だから見るとたいていは行列ができている。店頭メニューの価格を見て、ちょっと驚いた。ビーフカツは1550円、ハンバーグステーキは1050円、カレーライスは800円でハヤシライスは1200円。店構えから受ける感じより、かなりお高めだ。それでも、以前から行ってみたかったお店の一つでもあるし、と数人の行列の後ろについて、入ってみた。私はビーフカツ、だんなはハンバーグ、息子にカレーライス。

カウンターの一番奥まった席についたのだけれど、ラーメン屋さんのようなコチャッとした狭いカウンターの背後の狭い通路を店員のおねぇちゃんがきびきびと動いている。私のすぐ近くには何やらボイラーがあるようで、数十秒おきにブォーブォーッと間欠泉のように熱風を吹き出していたのだけれど、そのブォーのたんびに高層移動エレベーターに乗ったときのように耳がキーンとなって、あんまり良い環境じゃなかった。これでビーフカツが800円くらいで食べられるならさほど文句はないのだけれど、1550円はやっぱりちょっと高い……。

で、ハンバーグとカツとカレーを適当にわさわさ分配しながら皆でつつきあう。生姜が妙に効いていた、ふわっとしたハンバーグには中まできっちり火が通った目玉焼きがついている。私の皿にはどかんと巨大なビーフカツ。それぞれ刻みキャベツとマカロニサラダがついてきて、あとは御飯のみ。味噌汁やスープは無し。お店のおばちゃんは息子の顔を見て、
「カレーはお子さん用?じゃあ御飯を脇によそってあげるね。熱いし、辛いからね」
と、にこにこしながら「はい、どーぞー」と出してくれた。スプーンも子供用にとティースプーンが出てきて、その気遣いにちょっと笑ってしまったり。

ハンバーグは、まぁ普通……かな?という印象の味だったのだけれど、ビーフカツは確かに美味しかった。断面は美しいバラ色で好みな程度のレア具合。衣は軽くサクッとしていて、なんとも懐かしい味のするマカロニサラダも美味しかった。中濃ソースをだばだばかけつつ、けっこうな分量のある御飯と一緒にぺろりと食べる。案外と見逃せないのがカレーライスで、「これなら我が家のカレーの方が辛いわ」という優しい味のそれは、黄色みの強いもっさりしたもので、これまた妙に懐かしい味がした。これが400円だったら足繁く通いたくなっちゃうけれど、800円というのがやっぱりちょっと……。

で、結局、
「美味しかったね。ビーフカツは確かにすんごく美味しかったよ」
「でも、すんごく高かったね……」
「なんか、人形町の洋食って、どこもかしこも高い気が……」
なんて言いながらお店を後に。ああ、ほんとにこれで、安かったら……(まだ言ってる)。

人形町 「サンドウィッチ・パーラー まつむら」の
 ロールカステラ
 アイスカフェオレ

当初ランチにと思っていた「まつむら」というパン屋さん、古めかしい、いーい感じのお店だったので、
「朝御飯に食べましょー」
と、クリームパンやら何やらを買ってみた。直方体のようなサイズになっている、ものすごい厚切りのロールケーキもみつけて、これはおやつにと購入。ここでだんなと息子と別れ、打ち合わせに行ってきた。
「うーん……1時間くらいで終わるといいな、って感じなんだけど……ロールケーキ!食べちゃダメだよ、帰ってくるまで待っててよー」
なんて言ってしまったことを、2時間後には全力で後悔。結局打ち合わせは3時間以上に及び、へろんへろんに疲れて帰ることになった。

「おかあさん!帰ってきたー!ねぇ、ケーキ、食べよ、食べよ?」
5時半に帰ってきた私を、ケーキを食べずに待っていてくれただんなと息子。つい面白がって"自家製ピーナッツバター"のパックまで買ってしまったのだけど、息子はそのパンとケーキ(とピーナッツバター)入りの袋を、「おとうさんはお荷物がいっぱいだから」(仕事の道具とジムの道具と弁当袋をぶらさげていた)と一人で持ち帰ってくれたのだそうだ。えらいえらい。超えらい。よくやった!と褒め称えて、コーヒー淹れてロールケーキをいただく。品名は「ロールケーキ」ではなく「ロールカステラ」で、わらっちゃうほど少ないクリームが塗られて巻かれたココア味のスポンジだ。

「うわっ、クリーム、少なっ」
と驚いてしまったのだけれど、でもカステラの味はなかなかのもの。1個200円だったそれは、普通のロールケーキの倍くらいの厚さがあって、とても食べ応えがあった。このお店、焼きそばパンとかコロッケパンが置かれていて、それがまたなんとも良い感じ。

だんな特製 焼き餃子
だんな特製 牛肉とワカメの韓国風スープ
羽釜御飯
ビール(モルツ)

打ち合わせ先で、
「この週末で、なんとかなります?」
と、すごく大量の注文をあれこれ出されてしまった私。この週末で、と言われても、我が家は明日お花見……と、今日の夕方からは全力で必死に(この日記も後回しにしなければならない勢いで)お仕事をしまくった。

「そういうわけで、ごめん。夕飯、おまかせして良い?」
だんなにお願いしたところ、彼の選択した夕飯メニューは、よりによって非常にめんどくさい「焼き餃子」。
「ぎょ、餃子って……私、包むの手伝う余裕、多分ないよ?」
いいの、俺がやるの、テレビ見ながら包むから、まぁ大丈夫、とよくわからない事を言いながら、だんなは本当に一人で80個弱の餃子を包みまくってくれた。あとはスープと御飯。私は本当の本当になぁ〜んにもしなうちに、食卓にほこほこの餃子とほこほこの御飯とほこほこのスープが並んだ。いつもはなんだかんだとお皿出してみたり調理器具を洗ってみたりと地味なお手伝いをするのだけれど、最初から最後までだんなにおまかせしたというのは久しぶりのことだった。

以前は茹でてからフードプロセッサーにかけて水気を搾っていた白菜を加えていたのだけれど、最近の我が家の餃子は生のままフードプロセッサーにかけ、塩で揉んでシナッとさせてから水気を搾るという手法に変わっている。今日はその白菜の塩加減とか水分の多さとか、肉と白菜とニラのバランスなんかがとても良く、かなり神がかった風に美味しい焼き餃子だった。焼き加減も、一度目に焼いたそれはちょっと水気が多くてペショついていたけれど、二度目に焼いてくれたそれは底がカリパリッ、皮はふわもちっ、具はどっしりほこほこ、と最高の出来。噛むとシャクッと音がする餃子に醤油とラー油をこてこてつけて、
「うーまーいー」
「すんばらしく、うーまーいー」
「ダイエットで餃子を我慢していた甲斐があったね」
「……え、我慢してたの……?」
「うん、少し」
久しぶりの餃子に各々思いを馳せつつ、おおいに食べた。残ったら冷凍しようねと言っていたのに、あっさりと完食……。

3月28日 日曜日
イタリアーンな、お花見
人形町 「サンドウィッチ・パーラー まつむら」の
 クリームパン
カフェオレ

今日はお花見〜。旅行中や、こうしたイベントの前日は私はわくわくしてしまって妙に睡眠時間が短くなってしまうのが常なのだけれど、今朝目が覚めてしまったのはよりにもよって午前4時。寝直そうにもばっちり目が覚めてしまったので、仕方なく起きて昨日の日記をつけてみたり、仕事の続きをしてみたりした。おかげで仕事がすんごくはかどって、それはそれで良い気分。

朝御飯は、昨日人形町のパン屋さんで買ってきたクリームパン。息子と私がクリームパンで、だんなはミックスサンド。ミックスサンドはシンプルな具ながら、5〜6個詰まったサンドイッチの全ての具が違っていてなかなか壮観だった。カレー風味ポテトサラダ、卵、きゅうり、ハム、チーズ&海苔、苺とパインとホイップクリーム、そんな感じ。
「おとうさんの、いいなー」
「いいないいなー」
と横から私と息子で騒ぎたて、横から数口いただいてしまった。

美味しいクリームパンが食べたいなぁということでこのお店のものを試しに買ってきたわけだけれど、クリームパンの味は「普通」。水飴が入っているような、ちょっと水っぽい薄い色の淡い味のクリームで、もうコテコテに卵と牛乳の味がするどっしどしのカスタードクリームが恋しくてしょうがない私は「……これも、ちょっと、ちがーう」と思ってしまったのだった。うーん、美味しいクリームパン求めてそのうちお買い物に行ってみようかな(なんか、クリームパンのすんごいお店があるとどこかで読んだのよ……)。

青山 「Cucina Tokionese Cozima」のお弁当持って、新宿御苑でお花見
 メダイのコンフィと茹で野菜のレモンドレッシング
 ゆでダコとオリーヴのマリネ きゅうりのピクルス
 子持ちヤリイカのトマト煮
 海老・ホタテ・サーモンのスモーク
 
 スティック野菜 海苔マヨネーズ
 ポテトのカレー風味 ロシア風サラダ
 生ハム巻き アスパラガスのフリット
 トマトとモッツァレラのサラダ カプレーゼ
 
 豚肉のパテ
 生ハム・サラミ・チーズ
 ベーコンパイ
 
 自家製オリーブのフォカッチャ
 
 スプマンテ・お茶
 麦チョコ

本日は、お花見。何ヶ月も前に、
「あのねあのね、お花見に、Kさんが作ってくれた弁当持って、行ってみたいです。事前に重箱お渡ししておいたら、それに詰めたりしてくれますか?」
と「以前から一度そういうのやってみたかったんですー。豪華なおせち料理とかじゃなくて、お弁当を」なんてお願いしてみたところ、
「あ、全然いいですよ。おおっぴらに宣伝してはいないけれど、何度かお弁当、承ったことがありますし」
と、快諾していただけた。で、先週「Cucina Tokionese Cozima」に重箱預けて、今日のお昼にピックアップ。そのまま青山から近場のお花見できるところ……ということで、新宿御苑に向かってみた。丸の内線の駅の出口で、友人M井さんと待ち合わせ。

M井さんも誘う?と言ったのは私。彼は激しくインドア派で休みの日も自宅で創作活動に励んでいたりピアノの練習をしていたり、外出するといえば日用品の買い物か秋葉原の探索かという人なので、"桜の下のM井さん""大自然のただ中にいるM井さん"というものを見てみたかった私。
「えー、M井君、呼ぶの?それじゃ"花見"じゃなくて"M井見"になっちゃう……」
10年来の友人のくせに、友達甲斐があるんだかないんだかわからない発言をする我が夫。まぁまぁ"M井見"でもいいじゃん、とニタニタ笑う私。純粋に「うわーいM井さんだぁ」と喜ぶ息子。途中のコンビニでソフトドリンクやロックアイスも買い込んで御苑に向かった。

「M井さん、足の骨折は完治したんですね?」
「ええ、昨日病院に行きまして、"激しい運動をしてもいいです"という診断をいただきました」
「じゃあ重いものも持てますよね。はいっ、ロックアイスと1.5リットルお茶とお菓子、持ってくださいね」
「わたくしにそれを持てとおっしゃるのなら!何を見ても文句は言わないと誓いますね?」
鞄からがしゃがしゃと何やら黒っぽい塊を出すM井さん。取り出したそれは、彼の肩からふくらはぎくらいまでの長さのある、妙に長い黒い袋だった。肩にかけられるように、ごっつい太い肩かけベルトが装着されている。……なんていうか、死体袋みたい……?

「……だって、コンビニで買い物すりゃシャカシャカの袋に入れてくれるじゃないですか、それ、普通に持てばいいじゃないですか」
「だって、それでは持ちにくい!」
彼は、花見(と、あとせいぜいその前後に買い物するくらい)にやってきているのに、今日も背中にごつい鞄をしょい、更に肩にかけた袋にあれこれ入れているらしかった。背中の鞄以外の手荷物を2つ持たなければいけない(両手ないしは片手がふさがる状態)というのがどうやらストレスであるらしい。巨大死体袋に持っていた袋とコンビニの袋を入れて肩にかけ、ほてほてと歩き出した。……あんた、やっぱり激しく変だよ……とゲタゲタ笑う私たちの視界には綺麗な大木の桜が入りつつあるというのに、やっぱり"花見"じゃなく"M井見"になっている私たちだった。

御苑は、覚悟はしていたけれどもすっごい人。チケットを買うにも10分くらい並ばなければならない状態で、だんなが列に並んでくれている間にM井さん観察を続行。
「……で、そんな袋は売られているはずないから、当然お作りになられたわけですよね」
「ええ、作りました!縫いました!」
「……ユザワヤとかね……」
「ええ、ユザワヤで購入して」
「その、幅広ベルトも買って縫いつけたんだ……」
「ええ、一番太いのを探して買い求めてきました!」
ああ、その(私には微妙に無駄に思える)パッションは、どこから。
「"長い袋があれば便利なのに、なんで売られていないんだろう?"という謎は、作ってみて解明されました。底に入れた荷物が、とても取り出しにくい!」
……作り終えるまでそういう想定はしなかったんかい。

さて、気持ちを取り直して、お花見。日なたの芝生の上がいいか、それとも桜の木の下(ゆえにほんのり日陰)がいいかとわいわいやりながら、もうそこら中にお花見客がシートを広げている中、大きな桜の木の下に場所を取った。それから1時間半ほどは桜そっちのけで、お花見弁当に集中。せっかく美味しいものがあるんだから、と家から持参したスプマンテ(スパークリングワイン)を開け、ガラスのコップや箸、重箱とお揃いの樺細工の小皿なんかも鞄から取り出す。わちゃわちゃっとあれこれ並べて、いざいざと重箱の蓋をあけて並べてみた。……すっごい。

三段重だったのだけど、どれもがぎっしり。生ハムやチーズが入るおつまみの段と、野菜料理がメインの段、魚介がメインの段という風に別れていて、更に紙袋にたっぷりのフォカッチャと、更に袋に入ったスティック野菜。ごろごろとマヨネーズやオリーブ油の入った瓶まで袋から出てきた。想像より遙かに分量たっぷりの食べ応えあるお弁当だ。

酒酌み交わしつつ、桜の木の下でたっぷりの御馳走。息子は早速サクサクパリパリのベーコンパイに手を出していて、その脇の生ハムにも興味津々。同じ重にはごろごろと良質のパルミジャーノ・レッジャーノチーズが入っていて、その脇には生ハムとぷんと燻製臭に似た香りのあるサラミ。そしてどっしりもっちりとした素朴な味の豚肉のパテが入っている。

にんじんやパプリカなどのスティック野菜につけて食べるのは「のりマヨネーズ」。焼き海苔をぐずぐずに煮たものをマヨネーズに混ぜたような、面白い味わいのマヨネーズで、生野菜が進む進む。スパイスがばっちり利いたポテトサラダと、アスパラに生ハムを巻いて揚げたもの、そしてビニール袋に入った汁っぽいものは美味しいモッツァレラチーズと、下ごしらえをして汁気がじゅくじゅくと出たフルーツトマトだった。それぞれ小皿にちまちまと盛りつけていただく。モッツァレラとトマトの組み合わせは大好きだけれど、「さすがにお弁当にそれは入らないか……汁っぽいし」と思っていただけにびっくりしたし、嬉しくもある。前菜だと、「ああ、2切れくらいと言わず、お腹一杯食べたいなぁ」と思っていたチーズとトマトがたっぷり食べられて、すごく幸せ。

そして魚介尽くしの最後の重箱。"コンフィ"とは油で煮込む料理法(鴨などは鴨自身の脂で煮ていったりする)。淡泊なメダイは油っこくなるわけでなく、コクだけが増したような状態で、ミニキャベツの葉のような縮れのある青野菜と一緒にさっぱりとレモンドレッシングで。ふくふくと柔らかく火を通したタコのぶつ切りは、どこか甘さのあるオリーブとほんの3cmくらいの長さしかないピクルスと共に和えられていた。ざっくりと大きく着られた子持ちのヤリイカはこっくりとトマト煮になっていて、そして多分この重箱の中で一番の人気だったのが魚介のスモーク。海老も帆立もサーモンもぎりぎり生っぽさが残っている状態に火が通り、表面はうっすらと茶色の香ばしい層ができているような感じ。時間がたつほど中に味が染みこむようで、とてもお弁当に向いた味の料理だった。

あらー、これがとっても美味しいわー、とか、こっちもめちゃめちゃ旨いよー、と言い合いながら、酒も進む。スプマンテはすぐに空になってしまい、あとはお茶飲みながらのんびりと。

しっかし、新宿御苑は本当にすごい人混み。
「トイレに行ってきまーす」
と消えただんなと息子は15分ほど経って「すっごい行列だったー」と帰ってきたのだけれど、じゃあ女子トイレはもっと大変な事だろうなぁと私が行ってみれば30分待ち。今日一番の人気アトラクションでしたー、とよれよれと戻る頃にはもう3時も過ぎて、帰り支度をしようかなという頃合になっていた。

x 私が作る、おにぎりや唐揚げや卵焼きやハンバーグな行楽弁当も悪くないしわくわくするのだけど、今回みたいな豪華なお弁当も最高だなぁと満喫しまくって夕方帰宅。死体袋を畳んで定位置に収納したM井さんは夕暮れの新宿に消えていった(今度はどこのお店を覗くつもりなんだか……)。

「宮きしめん」の宮みそ煮込きしめん
ビール(モルツ)・麦茶

ここ3日くらい、ちょっと風邪気味だった私。今朝は変に早起きしたり薄寒い中で仕事したりしたせいもあってか、帰ったら一気に具合が悪くなってしまった。お花見している間は全然問題なかったのにー。

「うー……つらーい……がはげへごほがほ」
ベッドに寝ころんだり、こたつにすっぽり入ってでろーんと伸びたりしていたら、見かねただんながきしめんを茹でてくれた。今日は午後3時頃まで食べ続けだったのに、しっかりと味噌煮込みきしめん。「宮きしめん」のそれはピューレ状の味噌がついていて、きしめんが茹で上がったら茹で汁にそのスープを溶いて調味するようになっている。具は鶏肉と刻み葱だけ。はふはふつるつると平らげた後は、おとなしく布団に入って寝ることにした。今回の風邪はすごく咳が出るタイプのようで、もうそれがつらくて腹筋が鍛えられそう。しんどしんど。