食欲魔人日記 00年1月 第5週
1/24 (月)
角切りベーコン入りスクランブルエッグ
白菜の味噌汁
御飯
グレープフルーツ

朝食のメインは「グレープフルーツ」。卵料理も味噌汁も御飯もあるが、とりあえず私的メインはグレープフルーツ。
スーパーで安売りものを発見し、そういえば久しぶりなグレープフルーツ。横半分に両断し、グレープフルーツスプーンでしゃくって食べる。

昨夜、息子は砂糖無し、ミルク無しのエスプレッソを旨そうに飲んでいた。生後1歳9ヶ月。
対して、私は砂糖無しのグレープフルーツを食べられない。生後20年と数十ヶ月。
そう、私は酸っぱいものが大好きなくせに、甘くしないと食べられない体質なのであった。本人治そうとしても治らない、先天的な脅威の体質である(嘘)。

ともあれ、両断グレープフルーツに、お砂糖さらさら。上白糖の、あのジョリジョリした感じが好ましい。
グレープフルーツの果汁を吸って、ショリショリになったところを、果肉と一緒にすくって食べる!
それがもう、美味しいんだ。

パン屋 フロリダ銀座店の
 チリソーセージパン
 チョコデニッシュ
べこの乳 コーヒー牛乳

昼のチャイムが鳴ると同時に会社を抜けて、近所のパン屋へ。
マガジンハウス本社目の前のパン屋は、今日も女性客でいっぱいだ。
押し合いへしあいしつつ、今日はチリドッグを入手。赤いソースのたっぷりかかったホットドッグである。チーズがとろりと溶けていて、まだアツアツだ。
お気に入りのチョコデニッシュと、コーヒー牛乳もトレーに乗せて、再び押し合いへしあいしながら会計を済ませる。

会社に戻ってみたら、同じビニール袋に入っていた2つのパンは、ホットドッグの熱でちょこがテロンと溶けていた。しくしくしく。

銀座 Dear Soup にて
 マンゴーヨーグルトスープ

午後のお仕事。銀座で20分ほど空き時間が出来たので、チャーンス!とばかりに"Dear Soup"に赴いてみる。カジュアルなテーブルが並ぶ、セルフサービスのスープ専門店だ。店内に席は20ほど、あまり広くはない。店頭の案内を見ると、「デザートスープ」なるものも多数揃えてあるらしい。わくわくわく。

カウンターの向こうには、アルミの容器に入ったスープが並んでいる。デザートスープは温かいのと冷たいのがあるらしい。「クレープ包みの冷たいかぼちゃスープ」「大学イモの黒ごまココナッツミルクスープ」「ブルーベリーヨーグルトスープ」などなど。ちょっと美味しそう。
で、「マンゴーヨーグルトスープ」をいただいてみる。280円なり。

ガラスのころんとした器に黄色のとろんとしたスープがトレーに乗って、やってきた。
大きなスプーンがついていて、これですくって食べるらしい。"ゆるめのヨーグルト"然としたスープはツルンとしていて、中には菱形に切られた杏仁豆腐のようなものが入っている。寒天か、杏仁豆腐か、マンゴーの香りとヨーグルトの酸味が強くて菱形のものが何なのか、いまいちわからない。が、スープはスープとして、結構いける。ちょっと気に入った。

今度はお昼に来てみよう。
おかずスープは「牡蠣と森のきのこのクリームトマトスープ」「牛肉たっぷりのボリュームグーラッシュスープ」「チキンとじゃがいものココナッツカレースープ」など、10種類ほどがあるらしい。どれも魅惑的な字面。パンか御飯がついてくるようで、「御飯にかけても、パンをひたしてもOK。自由に食べてね」という感じだ。
でも、昼に来るとゲロ混みなのよね。それが憂鬱。

酢豚
焼餅
コーンと卵のスープ
御飯
よなよなエール

数日前に回鍋肉をやった、残りの豚バラ肉を使って酢豚を作成。私の大好物だ。幼少の頃からの、愛する中華料理ナンバー1と言っても過言ではない。そのくらい、酢豚には愛がある。

酢豚の調味料は、至って簡単だ。ケチャップと酢、砂糖が同量ずつ。醤油や塩や酒も入るが、基本はケチャップと酢、砂糖。これだけ。
初めて料理の本で酢豚の作り方を見た時に、そのあまりに単純な構成にめまいがしたのを覚えている。もっともっと複雑に色々入っていると思ったのに。自分には絶対作れない遠い料理だと思ったのに。
全然、そんなことないのであった。酢豚は案外、簡単だ。

肉には塩胡椒、酒と片栗粉で下味をつける。玉ねぎピーマン、にんじんは適当に切る。
卵1個に大さじ5位の片栗粉を混ぜて衣とし、肉にこれをつけて揚げる。カリカリの衣にするには二度揚げが良いらしい。最初は低温でじっくり中まで。一度肉を取り出したら油を高温に熱して最後にカラリと良い色に。このときに野菜も一緒に油通ししちゃう。
肉と野菜の油を切るやいなや、あんの調味料を熱し始める。
ケチャップと酢、砂糖が同量ずつ、あとは塩に醤油に酒。ちょっと水分を加えて、水溶き片栗粉も加える。とろりとした赤いあんがふつふつを泡だったら油をたらしてテリを出し、そこへ揚げたての肉野菜を投入。こちゃこちゃとあんを絡めれば、完成!

今日の出来は、かなり良かった。安っぽいバラ肉というのが、またジューシーで案外イケる。衣も結構カリリと揚がったし、あんの味付けもバッチリだ。上出来、上出来♪
酸味の強い酢豚には、甘いコーンスープもぬかりなく用意。
近所に出没する、なじみの中国人おばちゃんの屋台から買ってきた焼餅(シャーピン)をつまみつつ、ビールで乾杯。今日も、宴会気分。

余談だが、「酢豚の中のパイナップル」、これについての考えというのは人それぞれではあるまいか。
私は肯定派だ。入ってないよりは入っている方が嬉しい。必須、と言っても良いかもしれない。今回、皿に盛りつける段になって忘れていることが発覚し、慌てて冷蔵庫の中のパイナップルを取り出して皿の上から散らしてしまったのであった。

だが、
「なぜゆえに、おかずにフルーツをぶっこまなきゃいけないんだ」
と思う向きもあるだろう。男性に多い意見のように思われる。
「酢豚にパイナップル」は肯定するが、「カレーの中の干し葡萄」は容認出来ない人物もいる。他ならない自分のことだけど。
じゃあ、これはどうか。

「酢豚に、苺ジャム」

冗談ではない。周富徳の酢豚レシピには、隠し味に苺ジャムが投入されるのだ。
いかがか。
私は……ちょっと、イヤ。

1/25 (火)
焼き豚
コーンと卵のスープ
御飯
抹茶入り玄米茶

昨日の残りのスープと御飯に、焼き豚を冷蔵庫から取り出してあっためて食べる。
簡単、簡単。
寒い、寒い。

レトルトのほうれん草カレー
ホットミルク

あっためるだけのレトルトカレーに、レンジでチンしてマグカップたっぷりのホットミルク。
私的ホットミルクは、砂糖が少々、ラム酒が少々入るものがベストである。砂糖は上白糖がよろしく、ラム酒は茶色いダークラムが好みだ。時々「ラム酒10%濃度」のホットミルクを作っては一人天国に行ってしまうこともあるが、さすがに昼間はまずいだろう。牛乳100%、不純物混入一切無しのホットミルクで、我慢。

鶏肉のハーブ焼き
アスパラガスのアンチョビソース
レタスと豆腐のサラダ
ミネストローネ
御飯
白ワイン − VINNAE VENEZIA GIULIA 1997

寒い寒い寒い。こういう日はあったかスープか鍋料理に限る。
で、冷蔵庫から残り物のベーコンを発掘。にんじんと玉ねぎとじゃがいもも常備してある。ピーマンは無いけど、キャベツが出てきた。で、これらを使ってミネストローネ。ベーコン炒めて、野菜炒めて、水入れてコンソメ入れて、最後にイタリアトマトの水煮缶をどばっと入れる。ちょっと酸っぱい缶詰なので、ウスターソースとケチャップをひとたらしして甘くする。あ、最後にショートパスタも入れておくのを忘れちゃいけない。
ミネストローネを作ったところで、今日のテーマは「イタリア風」に決定。

あとは、鶏肉に塩胡椒してオーブン焼き。
1ヶ月前にYからアメリカ土産でいただいた「Fine Herbes」なる綺麗なドライハーブもどばっとかけちゃう。"DEAN&DELUCA"という店のものらしい。ふんふん、何だかステキだ。

で、余裕が出来たので冷蔵庫掃除も始める。
レタス発掘。5日以上前の豆腐も発掘。適当に切って、イタリアンドレッシングで食べちゃえ。
アスパラガス発掘。これは塩茹で。アンチョビを細かく刻んでマヨネーズと合わせ、生クリームでちょいと伸ばして作り置いて保存しておいたジェノベーゼペーストを少々混ぜ混ぜ。こうして出来た、適当イタリア風ソースをかけて食べることにしよう。

おう、何だか美しい食卓になりそうだ。豆腐が至極余計な存在のような気がするが、まぁ気にしないことにする。
そうそう、丁度イタリアワインもあったのだ。先日マンジャペッシェに行った時、残ったワインを瓶ごと持って帰ってきたのであった。妙に水っぽいくせに濃厚な芳香と後味が漂う面白いワインだ。お〜、なんかステキな食卓風景。

鶏肉がややデンジャラスな風味(腐臭、ともいうかもしれない)がしたというのと、ミネストローネの水分が飛び過ぎちゃって"具沢山のスープ"どころか"具の隙間に水分"という状態になったことを除けば上々な夕食。

1/26 (水)
ミネストローネの卵落とし
御飯
紅茶 (MORNING TEA)

昨夜のミネストローネが、まだ鍋にたっぷり。
朝起きて鍋を覗いてみると、放り込んだはっぱ型のショートパスタが水分吸ってふよふよに膨れていた。鍋の水分も隨分少なくなってしまって、最早スープとは思えない"煮物"になってしまっている。慌ててちょいと水投入。フツフツと沸騰したところで卵を落として半熟にし、栄養たっぷり卵入りスープにしてみた。
あとは白い御飯と、ミネストローネに合わせて飲物は紅茶。レシピエで買ってきた"MORNING TEA"はバニラの香りが強い甘味のあるお茶。あったまるねぇ。

チョコクロワッサン
ジャワティー

コンビニのチョコクロワッサン&ジャワティー。
バターたっぷりのクロワッサン生地のパンとチョコレートというのは何故にこんなに似合うのでしょうか。バターと糖分。どうしようもなく高カロリーだというのは嫌というほど分かっているのだが。
最近、昼御飯が貧しくてちょっと切ない。明日こそは美味しいサンドイッチでも食べたいぞー。ぞー。

チョコパンと言えば、やっぱり最高峰はjohan(ジョアン)のチョコレートブレッドだ。
銀座三越では午前10時と午後1時に焼き上がりだったと記憶している。いつも行列で瞬時に無くなる人気パン。もちもちした食パンっぽい生地に、たっぷりチョコレートが練り込まれている、なんともナイスな逸品なのだ。チョコがパン生地に溶けこんでなくて、"チョコ"のままで生地にまとわりついているのが良い。1人2斤限定、久しぶりに食べたいけど、買ってきたらその場で1斤食べてしまう勢いなのだ。だから、怖くて買えない。支離滅裂ですな、我ながら。

ミネストローネ
バター醤油御飯
麦茶
パイナップル

だんなから遅くなる旨の連絡が入る。
で、手抜きしてミネストローネの残りと御飯でサラサラと簡単夕食。今朝と全く同じメニューだということに、用意してから気がついて、御飯はバター醤油かけにすることに決定。カルピス特撰バターを皿に少々取り、醤油も食卓に準備。
御飯の真ん中に穴をあけて、バターを投入。上からちろりと醤油をたらし、バターがやわくなったところでガッシュガッシュとかき混ぜる。淡く褐色の、バターがつやつや光るバター醤油御飯の完成〜。見てくれも行儀もあまり宜しくないけど、やっぱり美味しい、バター醤油御飯。

デザートは、生のパイナップル。先日の酢豚の残り。
そういえば、生のパイナップルを食べると、歯が"しかしか"しませんか?で、舌がひりひりする。この違和感がキライじゃないんですけれども。

1/27 (木)
中華粥 with 油条
プーアル茶

冷凍保存していた自家製中華粥を温めて、中華粥朝食。
粥のお供は、本日はちょっと寂しく油条のみ。真っ黒いプーアル茶と共に、ほこほこのお粥を食べる。
我が家のお粥は、干し貝柱がイヤという程入っている。だんなの特製。かなり好み。

ホットケーキ with ホイップバターとメープルシロップ
牛乳

風邪ひき息子につきあって、会社休んで家でごーろごろ。
甘いものか冷たいものしか食べたがらない息子の為に、精をつけてやるべくバターたっぷりホットケーキを焼くことにする。
今日は、色々工夫した。ホットケーキミックスを使うにしても、少しでも美味しく食べたいじゃないか。

・工夫その壱 「1枚目をオーブンに投入」
通常、私はホットケーキをフライパン1枚で焼いていく。ホットプレート使うと楽なのは知ってるが、でも出すのがめんどくさいし。
そうすると、2枚重ねのホットケーキが出来上がる時には下段のホットケーキが寂しく冷めている次第。で、私は考えた。1枚目のホットケーキを、皿ごとオーブンに放り込んでおけば良いじゃないか!皿も温まって保温効果倍増でばっちぐーのはずだ。
かくして、目論見は成功した。2枚目が焼けた頃には、皿はほこほこ、1枚目ホットケーキもふんわりと温かいままだ。
だが、皿が熱すぎて何度も火傷しそうになってしまった。まぁ、それはそれ。

・工夫その弐 「バターはホイップしてみよう」
あつあつのホットケーキ。でもそこに冷蔵庫から出したての塊バターを乗せると、溶けないどころかバターの固さでホットケーキの表面が破れたりしてしまうのだ。それでも、これまでめんどくさくて、冷たいバターをホットケーキに押しつけて無理矢理溶かしていた自分である。
本日は、使うであろう量のバターを小皿にあらかじめ出し、ホットケーキを焼きつつえっさえっさと練ってみた。ほわんと柔らかくなり、空気が混ぜられるほどにふわふわになればホイップバターの完成だ。
これは、良い。めちゃめちゃ、良い。
あつあつのホットケーキにバターがとろりふわりと溶けていく。いいぞいいぞ。

かくして、今日はあつあつのホットケーキにふわふわのバター、それにメープルシロップをだばだ〜とかけていただいた。うん、サイコーだ。
あ、でも1つ反省点。
「バターは無塩を使いましょう」
ふわふわバターを使うと一層、バターの"しょっぱさ"が舌に違和感なのだ。いざいざ、今度は「カルピス特撰バター・無塩」で。なんて贅沢。

いつか見た本には「溶かしバターをたっぷり、はちみつかけてレモンを絞って」なんていうのも載っていた。「生クリームと煮小豆」なんてのもあった。うう、どれもとっても美味しそう。
でもバターとメープルシロップの魅力には負けてしまうののよね。

牛煮込み御飯
油揚げと白菜のスープ
麦茶

シチュー用の筋張った牛肉を使って、煮込み御飯。
下茹でした牛肉を生姜と一緒に煮込んで、ことことことことひたすら煮込む。味つけは醤油と砂糖、オイスターソースに紹興酒。八角も忘れちゃいけない。これで異国風味満載だ。
1リットルくらいあった煮汁が、200ccくらいになったところで、片栗粉でとじて煮汁をとろんとさせる。これを肉と一緒に御飯にぶっかける!茹でた青梗菜を添えちゃったりすると美しくなって一層良い。
オイスターソースの香りがただよう、甘辛い牛肉はほろりと柔らかくなっていて良い感じだ。

スープは白菜と油揚げ。干し海老と干し椎茸を入れて、一度具を炒めたりして、ちょっとだけ手間がかかっている、塩味のさっぱりスープ。

1/28 (金)
肉まん
油揚げと白菜のスープ
プーアル茶

朝からせいろを取り出し、盛大に蒸気をたてる。
近所に出没する中国人おばちゃんの屋台から、すっかり常連と化しただんなが買ってきた肉まんが今日の朝食。
素朴な味の肉まんは、うっすら薄味。葱などの香味野菜がたっぷり入った肉部分は、肉汁がじゅわっと出てきてなかなかグー。
そして本日も息子の看病をしている私なのであった。

茶漬け餅
麦茶

「お茶漬けにさ、お餅入れると美味しいらしいんだ」

そう言ったのはだんなであった。だんなの口調が"伝聞"であったことから察するに、彼も食べたことがないらしい。
で、一人昼食に実行してみる素直な私である。

焼き餅を作る。ここまでは問題ない。問題は、次だ。手順として、
・焼けた餅を器に入れ、お茶漬け海苔をかけ、湯をかける
のか、
・お茶漬け海苔をお湯に溶かしたその汁に、焼き餅を投入する
のか。
それってちょっとこう、印象が違うのであります。
前者は言うなれば「お茶漬け餅」、後者はすると「餅入り茶漬け」という感じか。
こんなことにこだわる私は、あほうでしょうか。

ともあれ、聞く人は周囲に誰もいないのであった。横には餅が焼けるのを待っている乳幼児が約1名だ(息子はお餅が好きである)。
仕方なしに、後者方式を採用することにする。通常の濃度ではちょっと餅を食するに物足りないだろうということで、ちょっと濃いめの「茶漬け汁」を作っておく。そこへ、良い感じに焦げ目のついた焼き餅を投入。じゅわわわわ〜っと音。そして香ばしい香り。なかなか旨そう。

さて、味は。
お茶漬けだった。……あたりまえやん。
なんちゅーか、こう、やっぱり「お茶漬け海苔」は御飯に合わせて作られた商品であり文化であるので、やっぱり餅にかけちゃいかんよなぁ……と合点した次第。いや、不味くはないんだが、やっぱりお茶漬け海苔は御飯という伴侶を変えるべきではないのであった。

葱たっぷり月見うどん
ほうじ茶
風呂上がりカルピス

だんな激ジョブ、息子と2人で夕御飯。息子好みのうどんを作る。
だしを取って、醤油と味醂で薄目の味つけ。うどんと一緒に刻み葱をたっぷり入れて、葱がくたくたになるまで火を通す。仕上げに卵を落として半熟に。うむ、病人食らしくて良い感じだっ!
2玉作って、きっちり私と息子が半々たいらげた。さすが食欲小魔人、わが息子。

うどん喰って、お風呂入って、さんざんあったまった後は、「風呂上がりカルピス」。
昨日、安売りしていたと言ってだんなが買ってきてくれたカルピスを早速開封、早速飲む。
私は"カルピスウォーター"よりもごくごく若干濃いのが好みだ。だから本当に飲みたいカルピスは、あの濃縮液を薄めて自作するしかない。
好みの濃度のカルピスは、相変わらず舌の根に絡みつくようでなかなか良うございました。

1/29 (土)
くるみパンの焼きチーズサンド
アイスコーヒー

のんびり9時半すぎに起きて、洗濯して掃除して、一段落したところで近所の生協に出向き、くるみパンを買ってきた。これで簡単朝御飯。

買ってきたばかりで、まだふわふわなパンはとりあえずそのまま食うことにして、冷蔵庫からチーズを取り出す。"コンテ"という名のセミハードチーズが出てきたので、ちょっと厚めに切ってフライパンで焼いてみることに。
じくじく熱すると、チーズはでろんと柔らかく角が無くなり、つきたての餅のようになった。フライ返しで持ち上げようとすると、にょにょにょにょにょ〜とだらしなく垂れ下がる。
おお、これって"ハイジのチーズ"みたいだ!
あの、だんろの火であっためてパンに乗せていた、あの、ハイジのチーズである。などと一人台所でわくわくしている私。

とろけたチーズをくるみのパンの上に乗せて、上からもいっちょパンを乗せて、焼きチーズサンド。
口にしても、にょにょにょにょにょ〜と伸びてくれたチーズは、まさにハイジ気分を味あわせてくれたのであった。
次は"はじめ人間ギャートルズ"の"あの肉"が食べてみたくなったりして(←マンモスだから、それは無理)。

カラント入りカップケーキ
アッサムの煮出し紅茶

正午直前にパンを食べてブランチと洒落たところで、午後3時にはやっぱり空腹になっちゃうのである。
で、空腹抱えて、カラント(小さな干し葡萄のことですじゃ)たっぷり入りのカップケーキを作ってみる。バター練り練り、卵入れて練り練り、粉入れて練り練り。オーブンに35分放り込んだら、上が"むが〜っ"とひび割れて口の開いた、良い感じのカップケーキが出来上がった。
「あたたかいうちが美味しいです」
なんてレシピにあるもんだから、慌てて煮出し紅茶も作る。

鍋にちょびっとの湯を沸かし、ぐらぐらしたところでたっぷりの茶葉投入。火を消して少々待って、葉っぱが開いて水色が濃くなったところで牛乳を"いかにも美味しそうな色になるまで"たっぷりと入れる。再び火をつけて、温まったら出来上がり。水の少ない、牛乳濃度90%くらいの濃厚なミルクティーだ。砂糖を多めにして、ほえ〜んとシアワセな甘さのやつを、焼きたてのカップケーキと一緒に食べる。ん〜、あったまるぞー。おいしいぞー。

オムライス
ほうれんそうのポタージュ

「卵と鶏肉が食べたい」
と漠然とした欲求を元に、「チキングラタン」だの「親子どんぶり」だの色々夕食候補を考える。
で、結局「オムライス」に決定。お供のスープは、冷蔵庫でデンジャー化しつつあった、1週間前のほうれん草を使ったポタージュにすることにする。

ほうれんそうポタージュ。じゃがいもと長ねぎと玉ねぎを適当にスライス。ほうれん草は一度茹でて、これを細かくしてそれらを全部バターで炒める。コンソメスープで20分煮た後は、おもむろに秘密兵器「バーミックス」にてギャギャギャギャと攪拌してしまう。もっぱらポタージュ作りと生クリーム泡立てにのみ活用される我が家のバーミックスである。
で、ギャギャギャギャの後に牛乳入れれば出来上がり。翡翠色の綺麗なスープだ。

で、しかる後にオムライス作り。フライパン2つ並べて格闘する。具は鶏肉と玉ねぎと人参、味つけは塩胡椒の他ケチャップのみ。あ、でもバターはたっぷりと。
私はオムライスがいまいち上手くなく、卵で綺麗に御飯を包むなんてワザはまだ到底できない。ので、
テフロンフライパンを熱してバターを落として溶き卵を広げ、
→広げたところで既に半熟になりはじめるので、そこで中央に御飯を帯状に落とし、
→慌ててフライ返しを駆使して、帯状御飯の左右の卵部分をえっさえっさと御飯にかぶせ(もしくはかぶせようとし)、
→よよよと全体をフライパンの縁に寄せてその下に皿を添え、えいっとひっくり返す!
などというやり方でなんとか"みてくれはオムライス"っぽくしてみたりしている。
でも、"えっさえっさと御飯にかぶせ"のところで、それでもかぶせられなかったりするのだね。とほほほほ。情けなか。

しかし、作ってみると、洋食店のオムライスはどうやらすごい量の卵を使っているのだな、と思う。1人前卵1個じゃ、薄焼き卵が精々だ。とてもあの、ふわふわぷるん♪なあのオムライスの卵にはなり得ないのであった。2個使えばああなるのか、果たして3個か。そう思うとちょっと怖くなっちゃったりなんかして。

1/30 (日)
カラント入りカップケーキ
アイスカフェオレ

起床11時。頭ぼっけぼけ。
「買い物行きがてら、銀座でお昼御飯を食べよう〜!」
というわけで、昨日作ったカップケーキをとりあえず腹に入れてさっそく外出。

昨日焼きたてでさっくりしていたカップケーキは、しっとりと変わっていて、それはそれでグッド。
ぽろぽろと崩れていくのが難なんだけど。

銀座 TEN・ICHI duexにて
 かき揚天丼
 ハーフ&ハーフ スモールジョッキ

というわけで、正午すぎ、歩行者天国が始まった銀座の片隅に立っている私たち。
「グリルスイスで"千葉さんのカツカレー"」
「つばめグリルでハンバーグ」
「梅林でかつ丼」
「いやいや、いっそのこと煉瓦亭」
と所持金も考えずにあれこれ話し合い、結局
「天丼だ天丼だ天丼だ」
と高速道路高架下のTEN・ICHI duexへ歩きだすことになった。

この店、「天一」のカジュアル姉妹店である。割合安価に天丼が食べられる。銀色のテーブルに、何やらスタイリッシュな椅子が並び、ランチョンマットは網目のゴム。その天丼くさくない内装がまた人気らしく、昼はいつも行列だ。
幸い、行列は2人連れの客が1組。少々待って座ることができた。

私はランチ用のかき揚げ天丼、だんなは名物天丼を注文。
それにスモールジョッキのビールも頼む。可愛らしい、手のひらに乗るごろりとしたミニジョッキに来るビールは380円。生と黒、ハーフが選べる。5口ほどで飲み干せるビールがまた、天丼が来るまでに丁度良くてついつい頼んでしまう。

ビールと共に来たつまみをポリポリやりつつ、天丼を待つ。のりしおポテトチップスと柿ピーが少々、小ぶりの陶器の皿に乗ってくる。この柿ピーがわさび風味でピリピリ辛い。これが好みでまたポリポリとつまみが進む。

さー、天丼がやってきた。
蓋が閉まらない大きさのかき揚げが乗る天丼、しじみの赤だしの味噌汁に手製らしい漬物がついてくる。
やや甘めのつゆのかかったかき揚げは、まだサクサクと天ぷらの歯ごたえが残っていて嬉しい。中身は貝柱と海老、それに三つ葉という感じ。辛味のある大根や山牛蒡の漬物をポリポリやりながら御飯をかき込み、濃厚な赤だしをすすると天丼ならではの充足感が胃袋に広がった。ビールのアルコール分も同時に体中に広がって、なにやら上機嫌になってくる。
だ〜、昼からのビールはなんて気持ち良いんだろう。ビール飲んで、柿ピー食って、旨い天丼。すっかり満足。

豚味噌鍋
うどん
日本酒 中村酒造 山廃仕込純米

アンリ・シャルパンティエ
 ブランマンジェ
カフェオレ
 

しゃぶしゃぶ用の豚肉を買ってきて、夕食は豚味噌鍋♪
肉の他は白菜と長ねぎのみ、それを酒粕や練り胡麻がたっぷり入った練り味噌の汁でくつくつと煮て食べる。

昨年末に友人Yから土産に貰った日本酒を取り出し、宴会モードに突入。「常温から熱燗で」と説明書きがされている酒を、とりあえず常温でぐびぐびとやる。強い辛口の、酸味のある日本酒だ。舌根にピリピリと刺激が来るのが気になるけど、鍋に合って美味しい。ついつい2杯3杯と盃を傾けつつ、煮えた白菜や肉を皿に取り、万能葱のみじん切りと七味唐辛子をかけつつがつがつ食べる。

「やっぱり葱はくたくたに煮なければいけない」
「でも、どうやらこの肉はいかにもしゃぶしゃぶ風にさっと火を通すだけの方が旨いらしい」
などと言いつつ、いつのまにか400gの肉と、たっぷりの白菜と2本の長ねぎが消え失せた。

最後は、肉のエキスがたっぷり染み出た汁にうどんを投入して、終了。

1/31 (月)
味噌おじや お餅乗せ
抹茶入り玄米茶

豚味噌鍋の翌朝は、味噌おじやにするのが通例である。ただでさえ美味しい酒粕味噌スープが、豚のエキスや葱のエキス吸って美味しいことこの上ない。スープを煮立てて御飯を放り込み、くつくつくつくつと水分が少なくなるまで火を通して、最後に卵を割りいれる。ぽってりとした茶褐色のおじやになる。
今日は、これに餅まで乗せた。正月の鏡餅(←真空パックもん)の残りである。

あつあつのおじやはほんのり甘くて、噛むほどに汗が出る。
ん〜、んまい。でも、これ、腹ふくれないんだよねぇ……。

木村屋ペストリーショップにて
 ジュモントップス  今日のスープ
 ミルクコーヒー

案の定、昼前に空腹さめやらぬ状態に陥った私。
寒い中、ほてほて歩いて久しぶりの木村屋ペストリーショップに行ってみることにした。昼の時間を少々外して入った店内は、それでもテーブル席はすべて埋まっていて、私はカウンターの隅っこに腰かける。

相変わらず、せせこましい店である。4人がけのテーブルが4つ、カウンターが1つ。20席はあるのだが、実際20人が入ると窮屈で仕方がない。10人でもちょっと窮屈。そんな店である。
壁には大きめの臙脂色のタイルとオレンジ色のタイルが格子に張られ、マスターの色鉛筆のサンドイッチ画が今日も冴えてるレトロな店だ。
かの木村屋から暖簾わけした店なのに、あんぱんの雰囲気はどこへやら、店の奥でいつも「今日のスープ」が煮えている、そんな店である。そう、私はこの店が好きでたまらない。

うきうきと写真入のメニューをめくる。
めくってもめくってもめくってもひたすらカラフルな写真のサンドイッチ。その種類40。いつかは全部食べてみたいと思いつつ、ついつい「ターリエンメイド」「ハナヤギトースト」「チャーシュウカリビアン」などの馴染みのサンドイッチを食べたくなってしまう。「マーマレードチーズ」なんて怪しげなサンドイッチも絶対美味しいと思うのに、なかなか挑戦できない自分。
で、今日の課題。
「食べたことないサンドイッチを、食べる」

今日の選択、「ジュモントップス」に決定。
説明は手書きの文字で
「フリマージソーセージ、トマト、卵、ピーナツバター風味にゴーダチーズがトローリ溶けて…。厚焼きトーストです。600円。」 と記されていた。
"フリマージ"とはおそらく"フロマージュ"、チーズのことじゃなかろうか。相変わらず味のある説明文だ。しかし読みにくい。
「ミルクコーヒーつけてね。あと、今日のスープもつけてね。」
と加えて注文。わくわくとカウンターの中を覗きこみつつ待つ私。あ、スープ鍋が湯煎にかかっている。今日は褐色の、ウィンナー入りのスープのようだ。

すぐに目の前にそのスープがやってきた。
玉ねぎをトロトロと炒めた甘い味と、強烈な胡椒の香りと辛みがただようスープである。とろけた玉ねぎがたっぷり。ピーマンや輪切りのウィンナーがごろごろ入っている。日替わりスープは相変わらずしみじみと旨い。カウンターでは、今度はベーコンをカリカリに焼き始めている。

で、ほどなく本題のサンドイッチがやってきた。4切れのビックマック級に分厚いサンドイッチが、ごろんごろんと皿に乗る。銀の紙ケースに入った桜桃とプラムのコンポートが添えられている。
分厚いパンの間には、パンに負けない厚さのトマトの輪切りとみじんぎりのゆで卵。ソーセージの薄切りと、分厚いチーズが説明のとおり、「トローリ」と溶けている。うっふっふっふ。
大口開けて、がぶりといく。卵がぽろぽろとこぼれそうになるところ、気にせずそのままむぐむぐと咀嚼する。チーズと一緒にピーナッツバターの香りがふわりとたった。甘くて香ばしくて酸っぱくて、パンは温かくふかふかで、トマトと卵はひんやり冷えている。ああ〜、相変わらず絶妙だ〜。美味しすぎる。ナイスだ。すばらしい。

そうこうしているうちに、"ミルクコーヒー"も来るのである。ミルク配合30%くらいのカフェオレは、やっぱりカフェオレというより"ミルクコーヒー"。
最初の2切れはスープで食べて、あとの2切れはミルクコーヒーで食べる。最後に残ったデザートの、桜桃とプラムをつるりと食べればごちそうさまだ。

私の横では、年の頃70は軽くいっていそうなお婆ちゃんが一人、大きな大きなチャーシュー入りのサンドイッチを前にしていた。
マスターの孫だと思われるメガネのお兄ちゃんは、皿を持ってくるときに
「食べきれないようでしたら、お包みしますのでご遠慮なくどうぞ」
と爽やかに言い、その後、お婆ちゃんは嬉しそうに半分包んでもらっていた。

サンドイッチ代997円なりを支払って店を出るときには、レジ前で作業服姿の兄ちゃんが
「表の自販機(←お店とは関係ない駐車場の自販機)でジュース買いたいんだけど、両替してくれるぅ?」
と馴れ馴れしく大声を張り上げていた。
そばかす顔の店員さんは、嫌な顔ひとつせず、笑顔で両替をし、
「ジュースと御一緒に、パンも如何ですか?おいしいですよ〜」
と爽やかに切り返していた。
「お、おう、旨そうなんだけどな、俺、さっきラーメン大盛り食っちゃったんだよ……」
と作業服兄ちゃんも苦笑。

立て続けに気持ちの良い光景に触れてしまった。思わず笑顔になっちゃう自分。やっぱり私はこの店が、大好き。

鰺の塩焼き with 大根おろし
セリのお浸し
玉ねぎの味噌汁
御飯
よなよなエール

ほうじ茶
昔プリン

魚が食べたくて食べたくて、昨日松屋デパートでちょっと安かった鰺を2尾買ってきた。丸々のぷりぷりのツヤツヤの鰺だ。
「鰺!?……たたきー。たたきー。たたきー……」
と呟くだんな(彼は"鰺のたたき好き好き星人らしい)を余所に、私は私の食べたい塩焼きを作る。

安売りしていたセリもあったので、さっそくゆがいてお浸しにする。さっと茹でて冷水で締めて、上から山盛りの鰹節。だし醤油をかけてテーブルの真ん中に置いておく。

鰺を焼くのは大変だ。今日の鰺は特にでっかい。コンロに焼き網を乗せて魚を置いたら頭もしっぽもはみ出てしまった。塩をたっぷりつけてガーッと焼いて、丁度焼き上がったところにだんなが帰ってきた。
脂たっぷりの鰺は箸を入れるとじゅわじゅわと汁が溢れて塩味もばっちり。大根おろしに醤油をかけて、一緒にひたすら魚を食べる。
刺身よりも煮物よりも、焼いた魚(しかも丸の魚)が一番「魚、喰ってるぞー」という気がする。焼いている過程で家中魚臭くなるし、焼き網は脂が焦げて大変なことになる。家中体中魚臭くして食べる焼き魚は、なかなか充実気分になる。

で、時は戻る。魚を冷蔵庫から出す時。
ちょっとひっかけて、私は卵の1個にヒビを入れてしまったのであった。
「わー、割れた。割れた割れた割れた。ひゃー、どうしよう〜!」
と一人バタバタしながらボールに中身を移し入れ、しばし途方にくれる私。
で、それが何故プリンに化けるかね、我ながら。パカパカと3つの卵を追加で割って、4個のプリンに化け、冷蔵庫で冷えていた食後であった。

今日のプリンは「青柳」の"昔プリン"。
材料は卵と砂糖と牛乳のみ。卵たっぷり、蒸し器でふかすその様は、まるで茶碗蒸しのようだ。オーブンで蒸し焼きにするものも美味しいけど、この蒸しタイプもまた格別なのだ♪(ゼラチンを混ぜて冷やすようなものはプリンとは言わな〜い)
というわけで、ほうじ茶と一緒に蒸しプリン。あのチョコレートケーキの"トップス"の陶器の容器に固めたプリン。

茶色くごつごつした、大きめのトップスのプリンは器も中身も素敵な代物だった。日常使いの器として大活用できる素朴な器の中には、ひたすら苦く作られたカラメルにまみれた濃厚なプリンが詰まっていた。
だんなの家族はこのプリンが大好物で、息子を出産した直後、照れくさそうに義父が一人でやってきた時の手土産がまさにこのプリンだったっけ。
なのにこのトップスプリンは無くなってしまった。今は小ぶりの、植木鉢みたいな情けない容器に入った別のモノが販売されている。うう、あんなのはイヤだ……。あのごっつくてでっかい、あのプリンが好きだったのに。たとえ1個500円でも。

どうもプリンに思い入れがあるらしい、私たちであった。