食欲魔人日記 08年06月 第1週
6月1日 日曜日
久しぶりにキンメを煮ました
牛肉のタイ風サラダ
ホットサンド(ベーコンエッグ&チーズ)
アイスカフェオレ

せっかくの日曜日だけれど、今日は早起き。
自治会の草むしりの招集があって、家の周囲の雑草を皆でむしりまくった。毎年ベランダの真下に、うんざりするほどのおしろい花の茂みができてしまうので(少しなら目にも楽しいのだけれど、本当にうっそうとした量になってしまうので)、伸び始めたところを根ごと引っこ抜く感じで綺麗にしてみた。

雑草を抜くそばからダンゴムシやムカデ、夜盗虫などがざくざく出てくるところを見ると、狭くて日当たりが良くないようでいて、案外肥沃な土壌なのかもしれない。人間がそこら中を掘り返しているのを見つけたムクドリが、「あら、御馳走だわ」「御馳走だわよ」とばかりに何羽も近くに寄ってきてえらい勢いで虫をついばんだり、何匹もの虫をクチバシに挟んで飛び去ったりしていたのが面白かった。これまで知らなかったけれど、この近くに巣でもあるのかもしれない。

ドクダミが群生していたりもしたので、終わる頃には軍手はドロドロだし、体中からドクダミの匂いも漂ってくるようだしで大変な状況に。お風呂を沸かして順に入浴し、最後に私が入っているうちにだんながささっと朝御飯の準備をしてくれていた。
「ホットサンド、ベーコンエッグを挟むことにしてみたよー」
と、炒めたベーコンにスクランブルエッグ、そしてコルビージャックが用意されている。マヨネーズが入らないシンプルな塩味のホットサンドで、マヨネーズのこってりねっとりとした味のないホットサンドもとても美味しいものだった。まだまだタイ風サラダが残っていたので、これも出してみたりして。

「サイゼリヤ」にて
 肉サラダ
 半熟卵のミラノ風ドリア
 生ビール

中腰での草むしり作業ですっかり腰が痛くなってしまって、昨日に続いて今日も残りの一日はだらだらと過ごすことに。モンスターハンターだけはちゃっかり家族で楽しんで、私はやっと「G2」(このゲームの難易度の最高がG3で、その一つ前のランク)が全部終わる段階になったりした。G3は……まだまだまだまだムリムリムリムリ、というものがまだたくさん残っていて、当分は楽しめそう(というか、苦しめられそう、というか)。

お昼は、どこか食べに行っちゃおうかという話になって、息子の
「サイゼリヤがいいなー!」
の一声で、サイゼリヤ。驚くほど安いイタ飯ファミレスで、パスタも肉料理もちょっと独特な味なのだけれど、そのチープな独特さはけっこうクセになるところもある。薄切り豚肉がトッピングされた「肉サラダ」は、サウザンアイランド系のドレッシングの味とあいまって、好きな料理の一つだ。フォッカチャと生ハムのセットにビール添えたりするのもかなり幸せ。……というわけで、私は肉サラダとビール、そしてミラノ風ドリアに半熟卵を乗せたのを注文した。息子はカルボナーラ、だんなは肉料理のセットメニュー。

大型スーパー地下のフードコートの一角にあるこの店は、相変わらずの盛況っぷり。
フードコートの他の店は激しい入れ替わりがあるというのに、サイゼリヤだけは常に混雑している。並びにはかつてモスバーガーが母体のハンバーグとオムライスの店があって、そこはけっこう気に入っていたのにほんの数ヶ月で撤退してしまったのだった。そんな事を思い出しながら、いつもの味の肉サラダをもぐもぐもぐ。

茹で枝豆
ひじきとベーコン、枝豆の炒め煮
切り干し大根の含め煮
あさりのワインバター蒸し
金目鯛の煮付け
豆腐とわかめの油揚げの味噌汁
羽釜御飯
ビール(サッポロ黒ラベル)

昼食後、スーパーでお買い物。サバほどの大きさしかない小ぶりのイナダが1尾298円、少し小ぶりながら、キンメの半身の切り身が600円。
「イナダ……?キンメ……?」
と、ものっすごく迷いながら、結局キンメを買うことにした。煮付けて食べるのも久しぶり〜と、夕方になってから下茹でしたごぼうと一緒に甘辛くこっくりと煮付けてみる。

なるべくだんなが外食で口にしないようなものをということで、戻したひじきをベーコン、枝豆と共にきんぴら風に炒め煮したものと、冷蔵庫に残っていた切り干し大根の含め煮もテーブルに。キンメ半身だけでは親子3人分のおかずには寂しかろうと、あさりをワインバター蒸しにしたものも添えた。息子と2人食卓では「あまり品数増やしてもなぁ」と殺風景な食卓の光景になりがちな日々だったので、いつにも増して今日の食卓は豪華に見える。パック詰めされたキンメは、御丁寧に頭部分や脇のヒレ部分も真っ二つに割られたものが入っていたので、それも身と一緒にちゃんと煮付けた。

「頭んとこ、もらっていーい?」
別に、目玉のところを食べたいわけじゃないんだけどね……と、頭の部分をいただいた私は、頬の部分や額あたりにあたる部分の肉をこそいでは食べてみたり。見た目以上に脂の乗っていた金目鯛は、実に実に美味しかった。やっぱり私、金目鯛が大好きだ。

「……もしかして、秋刀魚より好き?」
あまりに幸せそうにキンメをつついている私にだんながそう問いかけてきて、真剣に困ってしまった。……それでも、秋刀魚の方が好きかもしれない。

6月2日 月曜日
だんなのお弁当とおそろいの夕御飯
ホットサンド(ツナコーンチーズ)
アイスカフェオレ
アメリカンチェリー

ホットサンド用のパンが余っていたので、今朝も昨日に引き続きホットサンド。今度はツナ味にしよう、ついでにコーンも入れてしまえということで、
 ツナと刻み玉ねぎのマヨネーズ和え+ホールコーン+ピザ用チーズ
という組み合わせの具にしてみる。玉ねぎは、けっこう思い切った量入れても辛くならないし、美味しいと思った。

今日から天気が崩れがちになるらしく、今日は比較的気温が低く、アツアツのホットサンドもちょうど良いなと思える感じ。食後に、昨日スーパーで量り売りしていたアメリカンチェリー。

朝食後はだんなのお弁当作り。
おかずの鶏もも肉1枚はちょうどだんなの分だけで使い切れてしまったので、今日は私の分は無し。
 ・鶏照り焼き丼
 ・お義母さんのフキの煮物
 ・ひじきとベーコン、枝豆の炒め煮
 ・自家製粕漬けきゅうり
 ・たらこ入り玉子焼き
という感じにしてみた。

魚ばかり漬けてもなと、自家製粕床にきゅうりを一晩漬けてみたのだけれど、美味しかったかどうか、ちょっと不安。
そして、鶏もも肉を焼いて醤油と味醂を絡めていたらなんとも美味しそうでたまらない感じになってしまったので、きっと今日の夕御飯は私と息子も照り焼き丼。鶏もも、ちょうど3枚買ってきたところだったのよね。

水菜と豆腐のサラダ
たらこ入り玉子焼き
鶏照り焼き丼
豆腐とわかめの油揚げの味噌汁
麦茶

「……というわけでね、お父さんのお弁当作っていたら、たまらん気分になってしまったので、夕御飯は鶏照り焼き丼にしようと思います」
「肉か!?肉丼か!?」
「うん、肉丼」
「やったー!!」

昨夜のキンメの煮付け+アサリのワイン蒸しというおかずの組み合わせは、息子にとってはあまり喜ばしくない内容だったらしい。幼少の頃、砂抜きしているシジミやアサリを覗きこんでは満面の笑みでボウルの中身をつつきまわしていた息子だけれど、「食べてみると、これは案外(自分にとっては)美味しくないものだ」と認識してしまったようで、最近は渋い顔をして貝を食べるようになった。ムール貝のスープとか、貝たっぷりのパエリアとかめちゃめちゃ美味しいと思うのだけれど、息子の渋い顔を見ていると献立登場の頻度も落ちる一方だったりして。……まぁ、私も、実のところ魚より肉の方が好きなんだけどね。

で、夕飯は、だんなのお弁当と全く同じ作り方をした鶏照り焼き丼。スキレットで両面じっくり焼いた鶏もも肉に、最後酒と味醂と醤油を同量くらいずつ絡めるというだけのもの。弁当用の玉子焼きも少量残っていたし昨夜の味噌汁も残っていたしで至極簡単な夕御飯になった。水菜と豆腐のサラダだけを簡単に用意。

「親子丼も好きだけどなー……これも、すごく美味しいなー」
と、私が肉の準備をしている間に御飯をどんぶりによそってくれていた息子は、実に幸せそうに照り焼き丼を満喫していた。
片付けの時に羽釜の中を初めて覗いたら、2合炊いた米が綺麗に空になっていて、お母さんはびっくり。(どうも息子のどんぶりは大盛だなあと思っていれば……)

6月3日 火曜日
ルッコラ入り焼きそば、美味しかったです
ピザトースト
アイスカフェオレ
アメリカンチェリー

かなり安かったものだから、「たまにはこういうの買ってみても良いかも?」と魔が差して買ってきてしまった出来合いの冷蔵ピザトースト。サラミがぺろっと1枚乗っていて、コーンなどもトッピングされていた5枚組のそれは、「あとはトースターで軽く焼くだけ」というものだった。既に1枚食べていたのだけれど、味気ないわパンも美味しくないわで、
「ピザトーストは、やっぱりパン屋さんで買ってきた美味しい食パンで自家製にするに限るわ」
と思い知った。……が、まだ3枚残っていて冷蔵庫の場所ふさぎになっていたので、今日の朝御飯で各自1枚ずつ食べてしまうことに。

できる範囲で少しは美味しく食べたいと、チーズのトッピングを少し足して、そしてこんがり焼き色がつくまでにオーブントースターで長めに焼いてみた。しっかり焼くと、パンの変にフニャフニャした感じも消えて、食べやすい食感に。でも冷蔵ピザトーストはもう当分買わなくていい……。

ピータン豆腐
コールスローサラダ
塩豚とルッコラの塩焼きそば
アイスプーアル茶

週末に買ってきた、豚肩ロースの塊肉。塩を揉んでおけば日持ちもするし美味しくなるしと、強めに塩を揉んでおいてみた。今日はそれを適当に切って、塩味の焼きそばにすることに。以前本で見たルッコラと合わせたナムプラー味の焼きそばが美味しそうだったなと、午後に小雨降る中スーパーに行ってルッコラも買ってきた。

焼きそば以外に用意したものは、コールスローとピータン豆腐。コールスローはマヨネーズをベースにレモン汁と砂糖少々を足し、セロリシードも加えたアメリカンな味のものにしてみた。ピータン豆腐は定番の酢醤油味で。

焼きそばは、まずじくじくと時間をかけて豚肉の脂を溶かすように肉を炒めることから。適当に焼けたところで麺を加えて日本酒をふり、味つけはナムプラーと塩胡椒。ざくぎりにしたルッコラを加えたらすぐ火を止めて、あとは余熱を通すようにざっと混ぜたらできあがり。豚肉とルッコラという組み合わせはとても好きだし、そもそもルッコラは私の大好物だしで、私にとってはかなり好印象な麺料理になったのだけれど、息子の評価は今ひとつだった。ルッコラの独特の辛さが好きになれないらしい。

「これ、この焼きそばの中の野菜がしょっぱいよ?」
「しょっぱくないよー。塩、少ないかなってくらいだもの。あえて言うならこの野菜は"辛い"って感じだと思うけど」
「そう、辛い。野菜……辛い……」

我が家では「気に入らない具を除けて残す」ことは許されないのだけれど、息子は焼きそばからルッコラを抜いて、その皿の隅に集め始めた。
「次々と辛いのが口に入るのは、もうイヤだ……」
と呟きつつ全部のルッコラを集めた後、
「辛いのは一回で終わらせて、あとは美味しく食べるんだー」
と、ルッコラだけを一気食い。

「まとめて食べてもやっぱり辛いー!」と大騒ぎしながらもちゃんとルッコラを平らげて、息子はその後、ルッコラ抜きの豚焼きそばを堪能していた。嫌い嫌いと言いつつもちゃんとそれを全部食べた息子をねぎらいつつ、口直しにベルキューブを出してあげた私。ルッコラ、すごく美味しいんだけど、やっぱりこの味は大人っぽいものなのであるらしい。

6月4日 水曜日
ちらし寿司。穴子が大きくてちょっと幸せ。
あんぱん
牛乳
台湾産アップルマンゴー

あんぱんしばらく食べてないなぁと密かに思っていたところ、タイミング良くパン屋さんでキャンペーン価格提供中。これは良いなと、家族3人分のあんぱんを買ってきた。かなり大きなあんぱんだ。

あんぱんにはやっぱり牛乳よねと、今日はコーヒーなどを用意せずに、牛乳のみをコップに入れる。あんこと牛乳って、素敵に相性良いんだな……。

食後に台湾産のアップルマンゴーを出してみたのだけれど、先日のペリカンマンゴーと異なって、残念ながらこちらはハズレの味だった。
香りはすごく良いし熟して柔らかいのに、なんというか「薄い」味。甘さも淡く、かといって酸っぱいわけでもなく、ただやたらと薄い味だった。
「う、薄い味だね……」
「美味しくないねー……」
美味しくないねーと言いつつ、でも息子は"3枚おろし"にしたマンゴーの1切れを自分の皿に取ってもりもりと食べていた。息子のおかげでマンゴーは残ることなく無くなったけれど、今度はちゃんと美味しいマンゴーが買えるといいなぁ。

朝食後はだんなのお弁当作り。今日のお弁当は
 ・ふりかけ御飯
 ・塩豚のバルサミコはちみつソテー
 ・粉ふき芋
 ・コールスローサラダ
という感じ。

水菜と豆腐のサラダ
出前のちらし寿司
インスタント吸い物
麦茶

うっかりしていて、米びつを一昨日空っぽにしてしまった。急いでいつもの農園に頼んだのだけれど、今日届く予定のお米がなかなか届かない。いくら遅くとも夕方までには届くのが常だったのだけれど6時を過ぎても一向に届かず、夕飯は宅配ものを頼んでしまうことにした。

息子が「最近全然まぐろ丼食べてないよね?」と数日前に言っていたこともあって、頼んだのは宅配専門の寿司屋さんのまぐろ丼とちらし寿司。届くまでの間に、水菜と豆腐、じゃこを使ったサラダだけ簡単に用意しておいた。

ちらし寿司に乗っていたのは、マグロにサーモン、帆立、海老とイカと穴子と玉子とイクラ……と、具沢山。そう高い値段ではなかったのだけれど、カズノコや蟹の脚も入っているなかなか豪華なものだった。ねぎとろや中落ちの乗ったまぐろ丼を前にしている息子も満足気だ。

そしてお米は、午後8時になろうという頃にやっと届いたのだった。

6月5日 木曜日
カレーの写真しか撮れなかったので、代わりに今飾ってるバラの花のアップとか
イングリッシュマフィンのベーコンエッグサンド
アイスカフェオレ
チチヤスヨーグルト

昨夜、だんなが布団をがさがさする気配に目を覚まして
「おはよう……あれ?おやすみ?あれ?」
なんか薄明るいんですけど、でも朝じゃないよね?と時計を見たら4時半。このところめっきり帰りが遅いだんなは、昨夜はとりわけ遅かった。というか、「遅い」を通り越して、もう早朝と言って良い時間……。

これは、出勤ギリギリまで寝かせておいた方が良いねと、息子と2人でしずかーに朝御飯を食べてしまうことにした。買い置きのイングリッシュマフィンに薄くバターを塗ってトーストし、ベーコンエッグを挟んだサンドイッチと、チチヤスヨーグルト。しずかーに食べ終えて、登校する息子をしずかーに見送って、30分くらいしたところでだんなの分の朝御飯を用意してだんなを起こした。

私と息子とおそろいの朝御飯を食べるだんなの前で私はアイスプーアル茶など飲み飲み。

ほうれん草のサラダ
チキンカレーライス
角切り野菜のトマトミルクスープ
ビール(サッポロ黒ラベル)

昨日のマグロ丼に続いて、「あと僕、カレーライス食べたい!」と息子からリクエストをもらっていたので、今日の夕御飯はカレーライス。鶏肉のカレーが食べたいのだそうで、
「じゃあ、習い事の帰りにお肉買ってきてくれる?あと人参も多分足りないから人参と、あと明日のパンも買えたら」
と、「肉屋と八百屋とパン屋に寄ってきてください」というちょっと複雑なおつかいを頼んでしまった。すっかりおつかいも慣れて頼もしくなった息子は、細かく指示してはいなかったのに、ちゃんと肉屋では高いものじゃない、いつも買っている若鶏のもも肉を選んで包んでもらってきたらしい。明日の朝ごパンは、ミルクフランス。

豚や牛のカレーだったら昼過ぎあたりから時間をかけて煮込むところだけれど、鶏肉は煮込めば煮込むほど美味しいというものでもないので、じゃがいもも人参もいつもより若干小ぶりにカットして手早く仕込んだ。添えるスープも野菜たっぷりなのが食べたいなと、キャベツやピーマンなどを合わせたトマト入りのチャウダータイプのミルクスープ。パスタのソースでトマトと生クリームを合わせたものがあるように、案外とトマトと牛乳、生クリームは相性がいい。綺麗な薄紅色のスープができて、あとはほうれん草とベーコンの醤油味ドレッシングのサラダも用意した。

テレビで、エコなんとかという環境特番を放映していたので、面白そうだなと居間に食器を持ち込んで、今日は居間で晩御飯。カレーはいつも通りに美味しかったけれど、テレビ番組の方は期待ほどには面白くなくて(というか薄っぺらくて)、食後は早々に
「狩り行く?私ね、上位ミラボレアスのクエスト出したよ。出現条件の訓練所、今日クリアできた」
「マジで!?行く行く、ミラボレアス、行くー」
などと、息子とモンハン。ミラボレアスはたいそう強うございました。

6月6日 金曜日
久しぶりに広尾アクアパッツァで
「アンデルセン」の
 ミルクフランス
 ベーコンチーズパン
アイスカフェオレ

昨日息子がパン屋さんで見繕ってきてくれたパンで朝御飯。昨夜もいつも通りに遅い帰宅だっただんなは、でも今日もがんばって朝ジムに向かった模様。だんなの朝御飯はカレーライス。私と息子は昨夜カレーライスは食べたので(そして多分今日の夕御飯もカレーライス)、朝はパン。

「なんか、チーズが乗ってるようなの食べたいんだー」
と伝えておいたら、「そうそうこれこれ」といった感じのベーコンチーズパンを買ってきてくれた息子。あとは、もうすっかりマイブーム継続中のミルクフランスもちゃんと袋に入っている。やっぱりこのお店のミルクフランスは美味しいよね、最高だよね、などと言いつつもぐもぐもぐ。

今日はTさんと広尾でランチの予定なので、午前中は仕事を早々に切り上げて外出の準備をした。

広尾 「ACQUAPAZZA」にて
 パスタランチコース \3,600
 グラスワイン(白) \950

バターがもうさっぱり手に入らなくて……なんて話を先日していたところ、飲食に携わる友人Tさんから無塩ならお分けできますよ、との有り難いお言葉。ついでに美味しいブロック肉あれこれも取り寄せていただけることになって、今日の外出のメインは食材のピックアップだったりする。
更に話の流れで
「Hシェフにお話があるのだけれど、すっかり御無沙汰で」
「あー、私も先日仕事の話で伺ったんですけど、ここ数年お食事に伺ってないんです、不義理しちゃって」
という事になり、夕方に食材が届く前に、ランチも御一緒しましょうということになった。

広尾のACQUAPAZZAは、調べてみたら3年ぶりくらいの訪問で、先日気合い入れて総合トップページリニューアルのお手伝いをしたばかりだというのに(で、お店の広報担当の方とは毎日メールをやりとりしていたというのに)、申し訳ないほどの不義理っぷり。今度の母の上京の折にでもまた連れて来ようかしら。

昼からそんなにがっつり食べなくても良いですよね、と、2種類あるコースから軽めの方を選択して「パスタランチ」\3,600。パスタが2種類来る代わりにメインディッシュはつかないコースで、メインつきのは\5,800と、かなり気合いの入った価格になる。定番のバーニャカウダから始まるコースは、

・美味しい野菜のバーニャカウダ
・季節の前菜盛合せ
     グリンピースのスープ
     鯵の香草パン粉焼き 茄子のピュレ添え
     きなこ豚の自家製ハムとリコッタチーズ入りサラダ
・今日の素材味パスタ 1皿目
     ムギイカとルコラ、トマトのパスタ
・今日の素材味パスタ 2皿目
     自家製サルシッチャのトマトソースタリアテッレ 黒キャベツとカリカリパルミジャーノ添え
・ドルチェの盛合せ
     マンゴープリン・バニラジェラート・クリーム添えチョコレートケーキ
・カフェ と プティフール
     アイスティーとチョコサブレ、きなこ風味のアーモンドチョコ

といった感じ。メインディッシュは選択肢があるのだそうだけれど、このコースでは選択肢がなく、でもバランス良く組み立てられた満足できる内容だった。

昔々、麻布時代の、あれもこれもという雑然さがなくなった前菜(あれもこれもも、たいそう幸せだったけど)は、とても洗練された皿の印象。適度に厚みのある自家製ハムの下にはたっぷりの野菜が隠されていて、サラリとした舌触りのグリンピースのスープは、でも味はとても濃厚だった。これでもかとたっぷりのバーニャカウダの野菜も色鮮やかでとても素敵。

ムギイカのパスタはワタごとソースにしてあって、イカスミパスタのような、でもそこまでは濃くはない薄炭色。上からカリカリに焼いたパン粉が散らされていて、メインディッシュがない分具材が多めの食べ応えのあるものだった。グレープフルーツの皮とパリパリに焼いたパルミジャーノを散らしたタリアテッレは、ソースの赤とトッピングの黒キャベツのコントラストが綺麗で、とても計算された組み合わせ。

デザートはしっかり甘さのあるもので、生クリーム多めのとろりとしたマンゴープリン(アップルマンゴーの味)に、これまた甘さを強めにつけたココナツミルクのソースがかかり、黒タピオカが数粒飾られているものだった。とろけるような口当たりのチョコレートケーキも、1切れでお腹いっぱいになれそうな濃厚なもの。

Hシェフのお店に顔を出せたことだし、次は、これまた御無沙汰のHシェフのお店(イニシャルにしたら、どちらもHでした……)にも今度伺わなきゃいけませんね、などと話しつつ、食後はてくてく歩いてTさんのスタジオに移動。私も雨女、Tさんも雨女で、これまで2人でどこかに行こうとするとろくな天気にならなかった中(雪で食事会が潰れたり、天候大荒れで電車のダイヤまで乱れたり……)、今日はどうしたことか、逆に文句を言いたくなるほどの強い日差しの晴天っぷり。

「せりあさん、なんでまたこんなに晴らしちゃったんですか、もっとがんばらないと」
「いえいえ、Tさんこそ気合いが足りないんですよ、こんな良い天気」
梅雨の合間の晴天を喜ぶべきところ、「雨女として気合いが足らない」とお互いを叱咤しながら、しかし本当に今日はじりじりと焼けつくような日差しだった。

あとは食材をピックアップして、という流れだったのだけれど、業者側のミスがあって、肉は明日宅配便で我が家に届くことに。それでも大きなバターの塊と、その他うっかり広尾の明治屋で買ってしまったチーズとジャムでそこそこの大荷物になってしまい、結果的には「肉を手で持たずに帰れて良かったかも」という展開になった。仕事の話もそれなりにしたけれど7割くらいはゲタゲタ笑いながら雑談していたような気がする中、最後はしっかり「肉の掃除及びブロック肉の切り方」について教えてもらって帰ってきた。

ミックスリーフのサラダ
2日目のチキンカレー チーズ入り
角切り野菜のトマトミルクスープ
アイスプーアル茶
例によって、「Tちゃんに会ってきました」と報告すると「いいなーずるいー」と言っている息子。でも、帰宅して「そうだ、ちゃんと火を通しておかなくちゃ」とスープとカレーに火を入れた途端に
「カレーの匂いだ♪今日もカレーだ♪」
と嬉しそうに飛び跳ねている。

「……昨日とほぼ同じの献立でも良いですかね?サラダは別のにするけど」
「いいよー、カレーが嬉しいよー?」
「……せめて、チーズカレーにしましょうかね?」
「チーズカレー!!!」
もう全然文句ないらしく、帰宅して急ぎ食材を冷蔵庫にしまう私のそばで、息子は洗濯物を畳んでくれていた。

夕御飯は、昨日と同じトマト風味のミルクスープとチキンカレー。ルウをよそう前に、カレー皿にピザ用チーズを入れておき、ルウの熱でチーズを溶かしてチーズカレーにした。あとは八百屋さんに寄って買ってきたミックスリーフのサラダにトマトや玉ねぎ、キュウリなどを混ぜたもの。

カレーも早く食べきってしまいたいところだけれど、明日の朝はパンを買ってあって、昼は牛肉のタルタルスパゲティを予定していて、夜は多分ラムラックを焼くことになって、そして明後日の夜には多分ユッケとか食べることになるので、さてカレーはどうしようという感じ。梅雨のこの季節に長々と放置したくはないのだけれど、続きは早くとも明後日の昼御飯という感じになりそう。冷蔵庫に入るかなぁ……(冷凍庫にはスペースがなくて入りません、とほほ)。

6月7日 土曜日
生肉祭り1日目、今日はタルタルパスタ
「Boulangerie JEAN FRANCOIS」の
 チョコデニッシュ
 コーンパン
カフェオレ

昨日表参道からの帰り道、エチカでお買い物。
「パン買って帰らなきゃなんですが、アンデルセンだといつもと同じって感じで……」
「エチカにある、ジャンフランソワとか、いかがです?」
「……じゃん?」
「ジャン、フランソワ」

ここからなら、あの出口の階段降りて……とTさんに教えていただいて、そんなお店があったのかーと、Boulangerie JEAN FRANCOIS(ブーランジェリー ジャン・フランソワ)でパンを買って帰ってきた。なんでも「日本初上陸!MOF(フランス最優秀料理人賞)受賞シェフ「ジャン・フランソワ ルメルシエ」がプロデュースするベーカリー」なのだそう。そこら中に粉の良い香りが漂う、いかにも美味しそうなパン屋さんだった。

バゲットの類もすごく美味しそうだなと思いつつ、荷物も多かったので今日の朝御飯の分だけを見繕ってあれこれと。チョコデニッシュとソーセージとザワークラウトをトッピングしたパン、小ぶりのコーンパンを2つずつ購入して
「1人2個ね、同じ種類を取るのは禁止ね」
とテーブルに出した。

私の取り分は、いかにも上質そうなバターの香りが漂うチョコデニッシュと、コーングリッツを上品にまぶしたコーンパン。キッシュぽいものや、マロンを練り込んだようなパンもあって、「次はこれ買いたいなー」と思うものが色々あったお店だった。最近の駅ビルや駅構内のお店の充実ぶりは本当に目を見張るばかりで、駅に立ち寄るついでのお買い物がついつい増えてしまう。

和牛のタルタルの冷たいパスタ
角切り野菜のトマトミルクスープ
アイスプーアル茶

昨日ピックアップするはずだった生肉が、今日の午前中、無事にクール便で到着。1kgの和牛もも肉にラムラックの塊が1つ。ずっしりと重い段ボールに「送っていただけて、逆に良かったかも……」と思ってしまった。どちらにせよ食べる予定は昨夜ではなく週末の今日明日だったので、全然問題もなく、昼御飯の準備。

安心して生の状態で口にできる牛肉とのことで、Tさん自身も料理教室で「和牛のタルタルの冷たいパスタ」として教えていたそう。御厚意でレシピも併せていただいていたので、今日のお昼はタルタルパスタにすることにした。

何度か地元の肉屋さんで買ってきた牛肉をユッケにしてその日のうちに食べたことがあるけれど(で、全然問題なかったので、またやろうと思っているけれど)、
「実際のところ、肉を生でいただくのは、入手した翌日とかは避けるべきでしょうか?」
と伺ったところ、Tさんが業者さんに確認してくださって
「日本は魚しか生食の文化がなかったからウルサイのであって、肉の場合は3〜4日後に生で食べても(不潔なまな板とかのが問題、また生肉出しっ放しにしたりも問題)まったく大丈夫なんだそうです」
とのこと。近所のお肉屋で買うとして、そこが信頼できる鮮度の肉を扱っているのかということもまず重要だけれど、「不潔なまな板」「生肉出しっぱなし」には私も重々気をつけなければ。

ともかくも、今回は安心して生でいただける肉、今日も明日も大丈夫、ということで、この週末は生肉祭り。
レッドオニオンとケッパー、オリーブなどと共に肉を細かく叩き合わせ、オリーブ油に塩胡椒、ヴィネガーなどで味つけする、ほんのりチーズ風味のパスタは、普段の「我が家の味」とは全然違った感じで、息子が「うんわかる、Tちゃんの匂いがする〜」(ど、どんな匂いなんだろ……)と興味深げに皿を覗き込んでいた。冷たく冷やした麺を使う、メインとしてのパスタよりも前菜として出す方が似合うパスタ料理だったのだけれど、盛大にたっぷりいただいてしまった。レアな状態の肉+チーズ+オリーブ油という組み合わせはカルパッチョでも馴染みのあるものではあるけれど、これがまた似合うのだなぁと、新しい発見。生肉といえば「ユッケ」としか思いつかない自分を反省しつつ、また生肉入手したらこのパスタを作ってみようと思った。脂のないもも肉は、でもとろんと柔らかい口当たり。

チーズいろいろ
ロメインレタスのサラダ
仔羊の丸ごとフライパン焼き
ツナとトマトのスープ
羽釜御飯
スパークリングワイン

届いたラムラックの塊を使って、夕飯はこれを塩焼きにすることに。生肉祭り改め、今日は肉祭りという感じになってきた。明日の夜にユッケ食べる予定だから、ラムラックは今日食べないと、次にだんなと夕食を囲めるだろう機会は次の週末になってしまうのね……。

塩胡椒たっぷりすり込む→強火で全面焼きつける→弱火にして、鍋底の油を上からかけるようにゆっくり火を通す→一度寝かせる→最後にまた焼きつける
……と、そんな流れで30分ほどかけて塊肉を焼いてみる。中央部分は実に良い感じのバラ色に焼けた。実に綺麗な肉色が残り、でも赤い肉汁は全く出てこないという我ながら実に素晴らしい仕上がりになった。端の、ウェルダン気味に焼けたところは主に息子の取り分になった。

ラムラックの骨は8本。息子が2本、だんなと私が3本ずつ?となんとなく想定していたのだけれど、
「骨のついた肉のやつだー!」
と息子が早々に3本目の骨に手を伸ばしている。普段、薄切りのラム肉は頻繁に買っているし息子も抵抗なく食べているしで問題がないのは知っていたけれど、
「これ、羊の肉でね……嫌いな人は嫌いなんだけど、君は全然平気なんだ?」
と言うと
「うん、この肉、僕好きだよ?」
と。4本目はダメだからね、3本までねと牽制しつつ、私はだんなの3本目から一口ばかりお裾分けしてもらって食べた。どうも我が家では、ラムは2ラック用意しないといけないらしい。1つのスキレットで2つ焼くのはどうしたって無理だから、そうなると1つはスキレットで、もう1つはダッチオーブンで焼くような感じかしら。

私が買ってきたものなのか、はたまた貰い物なのか、さっぱり記憶のないボルドーのスパークリングワインが1本あったので、それを冷やして飲んでみた。キリッとドライな好みのタイプの味で、あっさり1本空にした後は焼酎飲み飲みすっかり良い気分。

6月8日 日曜日
生肉祭り2日目、今日はユッケ
ミスタードーナツの
 半熟ソーセージエッグマフィン
 ポン・デ・黒糖
アイスカフェオレ
アメリカンチェリー

朝御飯、久しぶりにドーナツはどうだろう?と、だんなが昨日ドーナツを買ってきてくれた。なんでも新発売のマフィンが出ていたそうで、私の分は「半熟ソーセージエッグマフィン」、それと、100円キャンペーンをしていたそうでポン・デシリーズがいくつか。
「プレーンと黒糖、どっちがいい?」
だんなに聞かれてしばし悩んで、「黒糖」の方を選んでみた。

「半熟"風"目玉焼き」が乗っているのだというマフィン、
「"風"って表現が微妙に気になるのよね……」
と思いつつ、甘い生地のマフィンにソーセージと目玉焼きがトッピングというのが案外美味しくて、パイシリーズより却って好きかも、と思いつつもぐもぐもぐ。

ツナとトマトのスープ
チキンカレー
アイスプーアル茶

夕飯の材料も揃っているし、スープも昨日からだんなが美味しく煮てくれたし……と、今日は買い物に出る用事すらないのんびりした日曜日。息子にねだられてバドミントンに興じたり、あとは家でモンハンしたりとのんびり過ごしていた。

昼御飯は、チキンカレーの残りと、昨夜の残りの野菜のスープ。
チキンカレー、私の中ではポークカレー、ビーフカレーに上位を譲る位置づけにあるのだけれど、さほど煮込まなくても美味しく食べられるし、あっさりとした口当たりはこれからの暑い季節には逆に向いているのかもしれない。
「まだカレー残ってたー!」
と、息子は大喜び。

ユッケ
ナムル色々(ほうれん草・もやし・ぜんまい・人参)
だんな特製テールスープ
羽釜御飯
ビール(Corona)

昨日に続いて、和牛もも肉をたたいて生肉を満喫しましょう!と、今日の献立はユッケ。だったらユッケビビンバも堪能したいよねと、ほうれん草やもやしで一通りのナムルも用意した。「だったらテールスープでしょう!」と、だんなが昨日から仕込んでくれたテールスープも美味しく煮えて、昨夜に続いて今日もなんだか御馳走だ。

息子は生肉よりも、ちゃんと火を通した肉の方が好きらしかったので、息子の分には焼肉用のサイズで塊肉を切り分け、ユッケ分は細かく叩いて胡麻油や醤油、甜麪醤などで味つけ。白髪葱と刻んだリンゴ(本当は梨の方が似合うのだけれど、季節的にリンゴで代用)、松の実や糸唐辛子を添えて卵の黄身を割り落とす。

ユッケの準備もできて、あとは直前まで冷蔵庫で冷やすだけ〜……という状況になったところで、ベランダに珍客がやってきた。真っ白な毛並みの、多分生後6ヶ月くらいの、まだまだ幼い顔つきの子猫さん。痩せぎすで、目が合ったところで逃げるでもなく「ニャー」と鳴いた。右目が青で左目が金のオッドアイをしている。

時々ゴミ袋を荒らす白と黒の成猫は良く見かけていたけれど、この子は初めてだなぁと、あまりの痩せっぷりを見かねて
「……お肉、食べる?」
と、焼肉用に切っておいた生肉(もちろん味はつけていない)を放ってあげたらものすごい勢いでかぶりついた。食べ終わったところでまた「ニャー」と鳴かれたのでもう1切れだけ放ってやったら、すっかり餌付け成功という感じになってしまったらしい。余所で飼われていたのを逃げ出したか捨てられたかした猫のようで、ビクビクしながらも人慣れしているし、家の中に入りたがっている様子だ。……でも、これ以上人間のおかずを分けるわけにもいかず、冷蔵庫の中に入っているのは塩振った魚とかだしなぁと、

「明日になったらまたおいでね。そしたら食べるもの用意しとくからね」
と伝えたら、わかってるのかわかってないのかわからない顔で「ニャア」と鳴いて帰っていった。動物好きな息子は
「また来るかなー、飼いたいなー、名前、つけていい?」
とそれはそれは楽しみにしているけど、名前とかつけちゃうとますます情が沸いちゃうだろうし、さて困った。これまで来ていた形跡は特になかったし、明日また来るかどうかもわからないし。でも、約束したとおり餌は少しだけ買ってきておいてみよう。背骨のゴツゴツがはっきりわかるほど痩せた猫だったので少し心配。大きな目が実に綺麗な美猫さんでした。

で、猫も大喜びの和牛で、ふんだんに作ったユッケを堪能した夕御飯。適当に調味したのだけれど、ちゃんとそれらしい味になり、酒の肴でユッケを食べ、酒が終わったところでユッケビビンバとして食べ、大変に美味しくいただいた。もも肉ゆえに、ほとんど脂のない綺麗な赤身の肉で、肉そのものの歯触りや旨味が味わえて大満足。久しぶりに作った彩り豊かなナムルも良い出来だった。