食欲魔人日記 05年03月 第2週
3月7日 月曜日
鶏をお団子にしてキャベツと鍋に
ベニエ
チコリコーヒーのカフェオレ
数日前の雪はどこへやら、今日は暖かな日。
朝食はどうしよう、甘くないホットケーキでも焼いてベーコンエッグでも添えるかなぁ……と思っていたのだけれど、朝起きてみると猛烈に「ベニエ熱」が高まっていた。ホットケーキ焼くよりもベニエを揚げて食べたい気分。砂糖もっさもっさかけて食べたい気分。

「……というわけで、ベニエ揚げたら食べますか〜?」
「うん、ベニエ食べたい……」

布団の中のだんなに声をかけたら快諾いただけたので、息子の弁当を作ってからせっせとベニエ作り。
ベニエミックス(←ホットケーキミックスみたいな粉)に水を入れて菜箸でぐーるぐーるとかき混ぜ、適当にまとまったら薄力粉ふったまな板の上でこてこてと手で押し広げる。薄くしすぎると揚げたときにバリバリの煎餅状になってしまうので適当な厚みを維持しつつ伸ばし、ナイフ入れて長方形にカットしたら高めの中温に熱した油でカラッと揚げる。

要するに「揚げドーナツ」で、これに粉砂糖をこれでもかとまぶして食べるのがニューオーリンズの名物お菓子だ。同じくニューオーリンズ名物のチコリコーヒー(チコリの根入りのかなり苦めのコーヒー)を淹れ、1:1で温めた牛乳を加えて濃厚なカフェオレにして添えた。

できあがったのはちょっと小さめサイズのベニエが8個。だんなと私は3個ずつ、息子は2個、小皿に盛りつけていただいた。久しぶりのベニエはちゃんとベニエな味がして、表面はふわっ中はもちもちで実にうま〜い。粉1カップ使って作ったのだけれど、
「しまったわ……2倍くらいの量使っても余裕で食べられたわ……」
とちょっと後悔しながらの、久しぶりのベニエの朝御飯だった。

チャレンジ天津丼(そしてプチ失敗)
牛肉とわかめのスープ
麦茶
今日こそスポーツジムに行くぞということで、いそいそ準備して午前中はジムでしっかり運動。60分プログラムに参加したかったのだけれど今日のボディパンプは残念ながら45分コースで、その分ちょっと多めに泳いで帰ってきた。帰宅は1時過ぎ。息子のお迎えまであまり余裕がないぞと、急いで昼御飯作ってかっこんだ。

手元には、昨夜の天津丼の残りの卵液とスープ。昨夜とまんま同じメニューだけれど、いつもはだんなに作っていただいている「かに玉」を自分で仕上げて食べることにした。
「そしておゆきさんはだんなの偉大さを思い知ることになるのだ」
なんて昨夜だんなは言っていたけれど、
「……でも、私だって中華鍋ふるうのぐらいはできるわよ」
と鼻息粗く鍋をコンロにかけ、油を馴染ませる程度にひき、いざ卵液をアツアツの鍋の中に。適当に固まったところでホイホイと3回くらい返しつつだんなは焼いていたなぁ……と思い出しながらホイッとひっくり返したら、見事に形が崩れてくれた。いきなり失敗。

一応、悲惨なまでの崩壊ぶりには至らなかったけれど、微妙にベロリと広がった怪しい形になっちゃって、プチ失敗。それでもめげずにホイホイとその後は順調に2回返して、火の通り具合はなんとかそれっぽく仕上がった。表面はこんがり良い焼き色に、中は半熟にふわふわに。御飯の上にばふっとかぶせ、昨夜の残りの甘酢を温めてかけた。昨夜と同じ牛肉とわかめのスープと一緒に。

昨日の予言通り、だんなの偉大さを実感しながら一人天津丼。傍目で見ているとけっこう簡単そうに見えたのに、かに玉作成はなかなかどうして難しかった。綺麗にま〜るく作るのはまだまだ修行が必要なようで。

鶏だんご鍋
 (鶏だんご・キャベツ・かぶ・しめじ・エリンギ・えのき・ラーメン)
ホッピー

「サンルイ島」のチーズケーキ
エスプレッソ

冷蔵庫内にしまってある美味しい美味しいキャベツ、先日ながしま農園から届いたキャベツを今晩は美味しく食べようということで色々考えてみた。生で食べたりパスタの具にするのは既に試したので、今日はじっくり火を通してみようと。

ポトフのようにコンソメで煮たりとかハムやベーコンと一緒にミルク味のシチューにしてみるのも良いけれど、鶏のスープで食べる和風味の鍋料理が恋しい気分。鶏ガラをゴーッと何時間もかけて炊いて白濁した水炊きのスープが作れれば最高だったのだけれど、そこまでの余裕はなくて今回は「つみれ鍋」にすることにした。

鶏肉はももの塊肉を買ってきて、フードプロセッサーで細かく粉砕。そこに卵と小麦粉と味噌と塩胡椒と胡麻油を適当にぽいぽい放り込み、更にフードプロセッサーでギャギャギャギャギャと混ぜ合わせて、それをスプーン2個でお団子にしてだしに入れていく。鰹と昆布のだしは薄口醤油と味醂と砂糖と酒で調味。他の具は山盛りのキャベツときのこ3種類、キャベツと一緒に届いた「かぶ」も。ホッピーを冷やしてだんなの帰りを待ちわびる。

滅多に作らない料理は、基本的にレシピに忠実に作ることにしているのだけれど、参考にしたレシピのままにだし汁の味をつけたらなんだかやたらと甘口に。こりゃ次からは砂糖は抜きで味醂は少なめの方向で良いなぁと学びつつ、キャベツを柔らかく煮ながらスプーン2本で鶏団子をころころ作って土鍋に次々入れていった。鶏の味がだしに染みて、それを吸った色の濃いキャベツがすんごく甘くてすんごく美味しい。2/3玉ほど残っていたキャベツも、鶏団子と一緒にモリモリと消えていった。きのこも盛大に食べて、いつもよりほんのりヘルシー気味な夕御飯。

食後には、昨日も食べたチーズケーキの続きを1切れつず。鍋やボウルを洗っている間に、だんながだばだばだ〜とエスプレッソを淹れてくれた。

3月8日 火曜日
ブロッコリーをやわらか〜く茹でてクリームパスタに
おにぎり(鮭・たらこ)
卵焼き
ほうじ茶
昨夜、8時過ぎに帰ってきただんなは、閉店間際のおにぎり屋さんで1品100円に値下げされたおにぎりを買ってきてくれた。
「でもさー、あんまり残ってなくて。鮭が3個とたらことお赤飯は1個ずつ……」
ということで、今朝はお茶を淹れてそれを朝御飯にすることにした。おにぎりだけじゃ物足りないかなと、卵焼きも添えてみる。

卵料理にどうにも苦手なものが多い(かに玉は苦手、オムレツは輪をかけて苦手……ポーチドエッグもいまいち綺麗にできない……)私だけれど、卵焼きだけは得意。お弁当用に焼くものは幅10cmちょっとしかない可愛いサイズの四角い卵焼き器で焼いていて、それは卵1個でちょうど適度な大きさの卵焼きができあがる。

今日のは親子3人でつつく予定だったので、卵2個使って丸いテフロンフライパンで作った。中央が膨れて両端が頼りないアンバランスな形状になってしまうけれど、まぁいいかなと。フライパンに薄く胡麻油をひいて、少しずつ卵液を流してはパタンパタンと畳んでいく。葱入りとか海苔入りも旨いけど、今日はプレーンに塩と醤油の味つけで。

鮭もたらこもどちらも具沢山に詰まっていたおにぎりで、朝から満足。

ブロッコリーのクリームパスタ
豚肉を入れたトマトと野菜のスープ
ルッコラとラディッシュのサラダ
アイスティー
今日は急ぎの仕事もなかったので、図書館に行ってみたり。帰りにどこかで昼食を……とも思ったのだけれど、いまいちお腹が空かなかったしカレーな気分でも定食な気分でもラーメンな気分でもなかったので昼御飯はスルーして帰ってきてしまった。

今日の夕御飯は息子と2人なのが確定していたので、ちょっと早めに準備を始めてちょっと早めの夕飯を。
息子の好物のクリーム味のパスタを作ることにして、パスタと一緒にブロッコリーを茹でる。柔らかくよ〜く火を通したブロッコリーをソースのようにしたかったので、長めに火を通してクタクタに。にんにくとチーズの風味のクリームソースがいいなぁと思い、以前お義母さんからいただいた「ブルサン」というにんにく味のクリームチーズを生クリームにスプーンにひとすくい混ぜて煮詰めてソースにしてみた。

ブルサンはそのまま舐めるかパンかクラッカーに添えるか、少量をサラダに散らすか……くらいしかいまいち使い道を思いつかなかったのだけれど、公式サイトのレシピページを見るとドレッシングにしたりキッシュの卵液に使ったりと色々な使い道があるらしい。ステーキに乗せても良いらしいのだけれど、どう加工しても「ブルサン味」が濃厚に漂ってしまいそうで、飽きない適度に少量ずつ使っていくのが良さそうに思われる。今日のパスタも、スプーンにひとすくいしか入れなかったブルサンの味は、その分量に比してとても強く感じられた。「クリームパスタ」というより「チーズのパスタ」という感じ。

そして、パスタの具がシンプルなので、スープは具沢山に。刻んだ玉ねぎとにんじんとじゃがいもとセロリとベーコンと豚肉をオリーブ油で炒め、細かく刻んだトマトと共に水を加え、味付けは顆粒鶏がらスープと塩で。参考にしたレシピには「カウボーイシチュー」とあったのだけれど、
「……要するに、これって洋風豚汁?」
と思いながら鍋にたっぷりと作った。ルッコラは2個だけ残っていたラディッシュと一緒にサラダにして。

「きょうはー、チーズのスパゲティなんだね?」
「うん、そんなにチーズ入れてないはずなんだけどねぇ」
「チーズとブロッコリーのスパゲティなんだね?」
「……うん、まぁ、それでいいや」
息子は、「このスープはおいしいな、うまいぼうよりも、100ばいおいしいな」と何やら不穏な事を呟きつつ(……なぜうまい棒……←ラーメン屋さんで時々貰ってきたりするくらいなんだけど)、パスタもスープも旨そうに平らげた。

3月9日 水曜日
北海道土産は不思議な新製品でした
豚肉を入れたトマトと野菜のスープ
目玉焼き丼
麦茶
だんなは昨日今日と北海道出張。
「……ちょっと、寂しい?」
「ううん、さびしくなんか、ないよ。平気だよ〜」
息子は平気だよという割には、昨日から小さなピカチュウのぬいぐるみを抱えて歩いている。「これで、3人」とか言いながら布団に押し込んで一緒に寝てるし。

せっかく美味しい卵があるのに、そういえば「卵御飯」を堪能するのを忘れていたなぁということで、今朝は「目玉焼き丼」(←届いてからちょっと日数経っちゃったので加熱)。黄身がトロトロの状態になるように目玉焼きを作りそれを御飯の上に乗せるだけ。黄身をつついて崩したら、そこに醤油をピャーッと垂らして御飯と混ぜつつ食べる。昨夜のスープもまだたっぷりあるのでそれも並べ、ほかほか湯気たつ朝御飯。

「今日は、やきたまごの、ごはんなのね?」
「……はい?」
「ぼくはね、生たまごのごはんが好きなんだけどー、でもね、やきたまごも好きよ」
「……ああ、それはねぇ"焼き卵"じゃなくて"目玉焼き"って言うんだよ」
「そっかー。うん、そうそう、めだまやき、だね」
トマトや他の具の味がしっかり馴染んだ2日目のスープは絶品だった。

豚肉を入れたトマトと野菜のスープにマカロニ入れて
アイスティー
水曜日はジムに行こう……と火曜の朝までは思っていたのだけれど、昨日からしっかりはっきり筋肉痛。水曜日の朝には治っているかしらとわずかな期待があったのだけれど、今朝起きてもやっぱりしっかりくっきり筋肉痛だった。こりゃダメだー……と、今日はせっせと掃除したり雑誌の整理をしたり。雑誌や本は……捨てようとするとつい読みふけっちゃうんだよね。危険だ。

昼御飯は、ちょうど1人分ほど余っていたスープを平らげてしまうことにした。そのまま飲むのも芸がないなと、茹でたマカロニを加えて火を通し、スープパスタのようにしていただいた。

空弁「若狭の浜焼き鯖寿司」
牛肉の炒めと千切りキャベツ
鰹の叩き サラダ風
ポテトサラダ
豚汁
羽釜御飯
ビール(モルツ)

「六花亭」の
 チーズ&ビスケット
 マルセイバターサンド
 ストロベリーチョコ
カフェオレ

「これから飛行機乗るよー」「羽田ついたよー」
ちょこちょことだんなからメールが届き、どうやら夕食は我が家で食べられるみたい。豚汁を作ると喜ばれそうな気がしたので(←だんなに「ナイス電波!」と誉められた)、豚汁の材料とサラダの材料と、ついでに安かったので鰹の叩きも買ってきてほんのり豪華な夕御飯。

鰹の叩きは、下に「蕎麦の芽」なるかいわれ大根状の野菜とスライス玉ねぎを合わせたものをどっさり敷いて、サラダ風に。ここ最近使っている「馬路村のポン酢」(旭ポン酢もまろやかな味で好きだけれど、こちらも「柚子っ!」って感じで美味しい)に煮切り味醂を少々加えて甘さをつけ、おろしにんにくを添えつつシャバシャバかけて。

このうえなくシンプルなポテトサラダを準備しつつ、このうえなくスタンダードな豚汁も作る。ポテトサラダはじゃがいもの他、塩で揉んだにんじんと玉ねぎを加え、豚汁には豚汁の他、大根、にんじん、ごぼうのいつもの具を。ちゃかちゃか動いて夕飯の準備をしていた途中で、だんなが帰ってきてくれた。手にはお土産どっさり。「マルセイバターサンドだけでいいよー」と言っていたのだけれど、紙袋の中には4アイテムも入っていて私大喜び。わーい、どうもありがとう。

お菓子3アイテム、notお菓子1アイテムだったので、まず夕飯に1アイテムを開封していただいた。ここ数年はやりの「空弁」(←"くうべん"じゃなく"そらべん"と言うのね……)から、「若狭の浜焼き鯖寿司」なる空弁流行のハシリとなったお寿司を食卓に。

「おおっこれが空弁!初めてだぁ〜」
うきうきしながら、メタリックカラーの鯖寿司をビールの肴にしながらもぐもぐと。肉厚の鯖はとろっと甘めなタレが絡んでいて、酢飯と鯖の間に薄いガリが敷かれている。パサパサしていない鯖が想像していたよりずっと美味しかった。なんでも、機内で食べても匂いが広がらないように仕上げてあるとか。いいなぁ、下手な機内食食べるよりこっちの方が確実に美味しい。

たっぷりの夕御飯の後は、残るお菓子3アイテムも「味見♪味見♪」とか言いながら1個ずつ。
どれも「六花亭」のお菓子だったのだけれど、お馴染みのマルセイバターサンドの他に見慣れぬものが2つ袋に入っていた。フリーズドライストロベリーをホワイトチョコでコーティングしたストロベリーチョコと、残る1つは最近発売されたのだというチーズ&ビスケットというお菓子。このチーズビスケット菓子がたいそう面白かった。

箱の中には、12枚の小さなビスケットと、木の葉型の容器に入ったチーズペースト。ビスケットとチーズをそれぞれ別々に食べてもよし(チーズは冷やしていただくと旨い、と説明にある)、2枚のビスケットにチーズクリームを挟んで食べてもよし、好きなように食べてね〜……というお菓子だった。挟んだ後、5時間くらい冷蔵庫にしまっておくとビスケットがしっとりとしてこれもまた良いとか。

子供の頃大好きだった駄菓子に、棒状のクッキーをチョコレートペーストにつけて食べるものとか、ソーダ味やジュース味の粉に棒つきキャンディーつけながら舐めるものなんかがあった記憶があるのだけれど、それと同じようなわくわくが味わえてすごく良かった。

「あー、もっとクリームつけて食べなよ」
「いーの、ぼくはこれで、いーの」
「うん、クリームだけでもうまいかもね」
「私、挟んでおいてしっとりさせてみようかなぁ」
「いや、俺はこのサクサク感がいいなぁ」

そんなこと話し合いながら、セルフチーズクリームサンド。バターサンドほどねっとりこってりしておらず、軽い風味で美味しかった。サイズも可愛いし、次からは
「あのねぇ、お土産はバターサンドと、チーズビスケットがいいなー」
と言ってしまいそう。

3月10日 木曜日
腹ぺこ息子のためにうどんを茹でる
「かのん」のハムチーズパン・チョコブレッド
アイスカフェオレ
今日はてっきり、だんなは朝ジムだと思っていた。だからすぐに食べられるパンを……といつものお店でハムチーズパンを買ってきたのだけれど、
「ちがうよおゆきさん、3月から火金に戻ったんだってば」
と言われ、ショックを受けている私。

明日の朝御飯に食べられるようにと、昨日5尾350円だった鯵を買ってきてワタとエラを抜いて開きにして、ベランダで干している。今日の夜には干しが完了して、明日の朝にはきっと美味しく食べられる。だから、木曜の朝はパンで、金曜の朝は鯵の開きと御飯と豚汁を用意するのよー……と完璧な朝食スケジュールを立てていたのに、だんなは今日じゃなくて明日の朝が5時半起きなのだそうだ。まさか朝の5時半の起き抜けに魚を食わせるのもなぁと、鯵の開きを食すのは週末に持ち越されることになった。せめて美味しく干しておこう。美味しくおなりー。

かくして、今日の朝は家族3人でパンをもぐもぐ。ハムチーズパンを2個と1/2ブロックのチョコブレッドを買ってきてあったので、全てを適当に切って、分けあいっこした。

「ハムチーズ、1人1個取ったよね?……じゃあ、あと1かけ、誰か食べなー」
「息子いらない?じゃあ、俺がもらっちゃおう」
「ぼくはーぼくはー、チーズのパンとチョコのパンと、1こずつだから、2こしか食べてないからー。もう1こ、チョコ食べたい」
「……ん?」
「おとうさん3こ食べたけど、ぼくは2こだから」
「私も2こだよ」
「だけど、ぼくも3こ食べたいんだもん」

最近は親と張り合うようによく食べる息子。チョコブレッドのスライスを追加でもらって満足そうだった。チーズ山盛りのハムチーズパンの中には、じゃがいももゴロゴロ。

ふりかけ御飯(おとなのふりかけ・わさび味)
2日目の豚汁
麦茶
先日、図書館で『まいにちトースト』(たかはしみき/著 技術評論社 2004.12)という本を借りてきた。題名通り、ひたすらに「おいしいトーストの食べ方」についてがカラーイラストで語られていて、どのページもいかにも美味しそう。前半はスタンダードな「マーガリンとジャム」とか「バターとはちみつ」といったものが並び、後半には「納豆」とか「タラモ」とか「肉じゃが」(!)といった不思議なトッピングも出現する。目玉焼きトーストひとつとっても、オーブン使ったりフライパン使ったりと様々な調理法が紹介されていて、とても魅力的な本だった。

「……うう、トースト食べたい……」
当然ながらそんな欲望が沸き起こり、昼御飯はトーストがいいなぁと台所を徘徊。確かこの間買った厚切りパンが残っていたはず……と思っていたのだけれど、それは見事にカビていた。思いっきりアウトだ。

「ああ、トースト食べたかったのに……」
一人愚痴ってしまいながら、しょうがないのでふりかけ御飯をもそもそと食べた。昨夜の豚汁を温め、冷凍御飯をチン。先日ふりかけを欲望の赴くまま5種類ほど買ってきていたので(小袋入りの"おとなのふりかけ"シリーズとか、丸美屋のすきやきとかたらことか……)、その中から欲望の赴くまま1袋手に取って御飯にさらさらふりかける。選んだのはさりげなく美味しくて気に入ってしまった「わさび味」だった。

ふりかけをバタートーストにかけるのも旨いらしいんだよね……と本の内容を思い起こしてしまいながら、でもわさび味はトーストには似合わんだろうと思いつつ、ほんのり辛くてわさび風味の御飯を堪能した。味の馴染んだ2日目の豚汁は、トーストへの未練をぶった切るほど美味しかった。まだまだ残ってるぞー。

豚肉と茄子の和えうどん
鰹の叩き サラダ風(昨夜の残り)
ポテトサラダ(昨夜の残り)
麦茶
だんな激ジョブ。幼稚園から帰るなり猛烈な勢いで外で遊びまくっていた息子は、午後5時きっかり、胃袋をすっかり空にして帰宅した。

「はぁ〜!おなかすいちゃったぁ!ごはんまだ?」
「ん、もうちょっとねー」
「……ごはん、まだかな?」
「……だってまだ5時半だもの。早すぎるよ」
「……まだかなまだかな、ごはんまだかな」
「せめて6時過ぎてからにしない?」

ここでお菓子とかあげても焼け石に水だろうなぁと思いつつ(おやつはおやつで食べてるし、ちゃんと……)、5分おきくらいに「まだかなまだかな?」「6時になった?なってない?」と繰り返す息子をいなしていたのだけれど、ついに根負けして急いで食事の支度をしてやった。だんなが帰ってくるなら新じゃがと鶏肉の煮込みを作ろうと思っていたのだけれど、御飯を炊く時間も待ちかねる様子の息子が血走った目でこちらを見ているので、急ぎうどんを茹でることに。冷たいうどんに甘味噌味の肉トッピングをすることにした。

茄子は胡麻油で一度炒めてから除けておき、肉も胡麻油で炒める。おろしにんにく、酒、醤油、甜麪醤、少しの豆板醤で調味してコッテリとした甘辛味に。最後に茄子も戻し入れてざっと炒め、それを茹でて水にさらしてキーンと冷やしたうどんの上にトッピング。上に香菜を刻んだのをパラッと散らした。

昨夜の鰹とポテトサラダがちょうどいい具合に残っていたので、これも食卓に出して準備時間15分の夕御飯。6時を過ぎたばかりのやけに早い時間の夕御飯になった。

冷たいものと温かいものを一緒に口にするのは、なんでこんなに美味しく感じるんだろう。豚茄子炒めはなんてことない簡単な味つけだったけれど、冷たいうどんに絡むと妙に美味しく感じられた。2玉を親子でぺろんと平らげて
「……おかわりある?」
「ううん、ない。……ちょっと物足りなかったかな……」
と呟く私たち。

3月11日 金曜日
「天狗」に行ったらこれなのです
チーズトースト
牛乳 with ミルメーク(いちご味)
トースト食べたいトースト食べたいと、『まいにちトースト』のせいでトースト熱が高まっていた昨今、近所のパン屋さんで1斤の食パンを買ってきたのでざっくりと厚切りにしていざいざバタートーストに。

砂糖かけちゃおうかなぁ、それともシナモンパウダー、練乳や蜂蜜も美味しいよねぇ……とあれこれ考えたのだけれど、久しぶりの「とろけるチーズ乗せ」にすることにした。ピザ用チーズをこんもり盛るのもゴージャスでよろしいのだけれど、今日はぺろりとスライスされた「とろけるチーズ」を。最近買ってなかったなぁと、雪印の安売り品をみつけて買ってきたのだった。

「……で、牛乳にミルメーク入れようと思います。……どうする?私は苺にするけど」
「ぼくはねぇ、コーヒー!」
「……お、大人っぽいな」
なんて言いつつ、私は苺味、息子はコーヒー味のミルメークを牛乳に混ぜて、いまいち溶けにくいので必死に混ぜて混ぜて混ぜて、焼きたてのパンの隣に並べた。

カリッと焼けたパン、ぴよーんと伸びるチーズ、ふわふわ漂うバターの味。……うまー。
でも、うまーなんだけど、確かにとってもうまーなんだけど、パンがいまいち物足りなかった。菓子パンやお総菜パンはけっこう美味しいのだけれど、食パンをトーストしたものはなんだかちょっと味気ない。もっちりした食感の心地よさが足りなくて、ちょっとパサパサでポソポソで粉の味なんかもあんまり感じられなかったりして。
「……このお店のパンは、トーストにはいまいち……?」
と密かにひとつ学んでみた。クリームパンはかなり旨いんだけどね……。

「MOUTOM」のハヤシライス \500
アイスティー
今日は停電。屋外から屋内への引き込み線の入れ替えだそうで、午前中はずっと停電。週明けにはガス管の交換で丸一日ガスが使えなくなるのだそうで、いろいろと手術中な我が住まいだった。電気止まってもガス止まっても、ガスストーブは動かなくなってしまうので寒い日にはちょっとつらい。

パソコン動かないしテレビも見られないしテレビゲームもできないし、じっとして本読んでるにはちょっと寒いし、しょうがないので先日から手を付けようと思っていた本の整理に着手した。漫画とか料理本とか怪談本とかデザイン本とかパソコン関連本とか京極夏彦とか森博嗣とか、我が家の蔵書はけっこう無節操。置き場所も無節操で、玄関入ってすぐの廊下とか子供部屋とか寝室とかテレビの脇とか、ちょこちょこと色々なところに本棚が作られている。そして溢れている。

「……京極夏彦さんは、"本の整理は愛と執念"って言ってたけど、でもしかし」
整理整頓以前に、最近はちょっと本の溢れ様がひどすぎる。一時期、気になる本を手当たり次第に買っていた時期があって、もう二度と開かないんじゃないかという本も山のようにある(最近はそれを学んで、気になる本はとりあえず図書館でリクエストしてみるようになった。時間はかかるけど、リクエストした本はちゃんと取り寄せてくれる)。

とりあえず、1つのジャンルの本は1ヶ所にまとめておくべきではないかと整理し始めたら、大変なことになった。こりゃ売ることから始めないとどうしようもないな……と、古本屋を2往復して40冊くらい引き取ってもらってきた。それでもまだまだあるので(ゲームの攻略本とかねぇ……)、それはBOOK OFFに売ってしまおうかなと。ネットオークションに出せば多少は良いお金になるかなと思うけれど、もう、いらないとなったら、「今すぐ目の前から消えてくれると嬉しいなぁ」と思ってしまうものだから面倒くさくなっちゃうのね……。

古本屋に出かけたついでに、駅ビル内の気になっていたお店の気になっていたハヤシライス500円也を買って帰宅。「MOUTOM」(モートン)というお店は、千葉にあるハムやベーコンの専門店。このへんではなかなか見かけない本格的な風のボローニャソーセージなどが売られているけれど、お値段はちょっとお高め。ランチタイムに売られるミックスサンドとかハヤシライスも美味しそうだなぁと気になっていたのだった。

赤ワインの香りがぷんと漂う、甘さ控えめの少しサラリとしたハヤシライス。大きくはない容器に茶碗1膳くらいの御飯が入り、ルーの中にはマッシュルームと大きな牛肉1かけ、人参が1かけ。美味しかったけど、もっと下品なほどにドロ〜ンと粘度があって、肉なんか煮崩れんばかりにモロモロになっちゃってる方が、私は好きかな。ガスでお湯沸かして氷満たしたタンブラーに熱い紅茶だばだば入れてアイスティーに。ポットも使えなくて停電はとっても不便……。

「天狗」にて
 あん肝 ポン酢 \399
 厚揚げのおろしがけ \399
 サイコロステーキ \504
 つくねの鉄板焼き \399
 ポテトコロッケ \399
 ポテトフライ \294
 バターコーン \294
 刺身5点盛り \504
 冷やしとろろ蕎麦 \609
 豚味噌鍋 御飯セット \714
 チョコパフェ \294
 ブラウンビール(中) 2×\441
 日本酒 \336
 はちみつレモンサワー \315
 ドリンクバー \294
午前中に始めた本の整理が午後になってますます佳境に。あの棚の中身も気になるこっちの天袋の中身も気になる、と、一度気になってしまうと家中のものを一度全部取り出して詰め直したい欲望が湧き出てくる。午後3時にして、ベッドの上は本だらけ。このままじゃ夜寝ることもできないじゃん……と思いつつも放置して、息子の音楽教室について行き、帰ってきてからまた整理。

午後6時半過ぎてだんなから
「今から帰るよー」
の連絡があったけれど、私は今日の夕御飯を作るより今日の寝床を作るのに専念している最中だった。インテリア特集記事に登場するような家は羨ましいほどシンプルに片づいているけれど、ああいう家は物を増やさないようにしているのか、増やしてもその分消す努力をしているのか、とても不思議。

「ごめんなさい、かくかくしかじかで、とりあえず片づけてるから夕飯の準備してないの……夕飯、外で食べませんか?」
とだんなに伝え、だんながこちらに来るまでの時間で必死にあれこれ片づけた。とりあえず廊下の棚と子供部屋の棚はすっきりしたから良しとしよう。ベッドの上の惨状もなんとかなったし。

傘持ってだんなを駅まで迎えに行きつつ、
「……どこで食べたいですかー?」
と息子と話す。

「ぎゅうかく。おにくやさん」
「……ああ、焼き肉ねー……でも、デカレンジャーセットは、もう終わっちゃったんだよ」
「じゃあ、バターコーン食べたいから、てんぐ!」
「天狗ですか……お母さん、気になる焼き鳥屋さんとかあるんだけどなー……」
「てんぐがいいなぁ」
「んー」
「てんぐがいいなぁ」

一度こうと思うとなかなか曲げない息子と共に駅に到着し、だんなと合流して結局「天狗」に。私とだんなにとっては、学生時代に飲み食いしていたチェーンで、少なからぬ愛着がある。確か昔の宴会メニューには「爆弾おにぎり」とか「オレンジの皮の容器に入ったオレンジシャーベット」なんていうのがあったと記憶しているのだけれど、今はそういう愉快なものはないらしく、「天狗ならこれよねー」のサイコロステーキも年々少〜しずつショボくなっていってるような気がする。

「豆腐取らない?」
「あ、この厚揚げがいいなぁ……あと、あん肝食べたい」
「で、サイコロステーキが必要だろー」
「ぼくねーぼくねーバターコーンとね、ポテトフライと、コロッケたべる」
「……それ、コーンと芋だけじゃん息子……」

小さな皿をちょこちょこ取って、ビールやサワー飲みながらちょこちょことつつく。息子は宣言通りバターコーンとフライドポテトとポテトコロッケを前にして御満悦。でっかいバターのかけらを鉄板の上で炒めコーンに絡めて食べる「バターコーン」が何よりお気に入りで、今日も小皿によそっては食べ、よそっては食べ、嬉しそうにしていた。

シメは、私は冷やしとろろ蕎麦、だんなはガツンと豚味噌鍋セット。甘辛の醤油みりんだしに豚肉や白菜、豆腐などが入り、肉に味噌なすりつけてあっただけの豚味噌鍋だったけれど、
「うん、まぁ、こういうのもありってことで」
「あ、けっこう旨いぞ。御飯に似合うぞ」
なんて言いながら私もちょっとつつかせてもらった。御飯と味噌汁がセットになって、それを綺麗に平らげただんな。私はとろろ蕎麦で腹一杯になり、息子は息子で
「ぼくは、デザート食べるんだよー」
と、バニラアイスとチョコアイスが1スクープずつ盛られたチョコパフェをしっかり完食していた。最近の息子の食べる分量は、ますますもって侮れぬ……。

3月12日 土曜日
超和風な朝御飯
鯵の一夜干し
春菊のおひたし
海苔入り卵焼き
焼き海苔
豚汁
羽釜御飯
麦茶
ベランダで干して作った自家製干物、今日か明日かと食べる機会をうかがっていて、週末の今日、やっと食べる機会が得られた。幸い味の馴染んだ豚汁も残っているし、このうえなく和風の朝食を準備できそう。朝8時半に目覚めてすぐに米を研ぎ、それからベランダの鉢植えに水やったり洗濯したり。だんなが起きるのを待って釜に火をつけ、朝食の支度をする。

冷蔵庫にしまっておいた鯵の一夜干しはグリルで焼き、春菊をさっとおひたしに。卵4個使って醤油と塩で味つけて焼き海苔巻きつつ卵焼きにした。あと何か作れるかなぁ……と思っているうちにあっさりと米は炊け、

「ぼくが、ぼくがお茶いれてあげるね」
「あー、息子ありがと。お箸も並べてくれる?」
「はいはーい」

息子が思いのほか戦力になってくれて(だんなはその間、おひたしにかけるための鰹節をせっせと削ってくれていた)、こんがりと焼けた鯵を皿に盛りつけた。

見た目ほうれん草と変わらない春菊を口にした息子、一口食べるなり
「うげ」
蛙みたいな声を出して「……なに?これ〜」と眉毛がハの字になっている。春菊だよ、体にいいお野菜だよと言ったけれど
「なんかね、でもね……からいよ」
と、ひどく悲しそうだった。やはり幼児に春菊はつらかったですかそうですか。

こんがり焼けた鯵は適度に塩が効いていて、適度にジューシー。背骨は残したけれど他の部分はバリバリ綺麗に食べられた。

「庄や」にて
 週替り鳥唐定食 \680
昨日、我が家の蔵書に埋もれて本の整理をしていた私。今日は居間の大掃除をすること確定だ。

やけに居間の畳がすり切れているなと気づいたのは数ヶ月前で、とうとう一番通る場所が擦れて一部が剥がれ始めたのが数週間前。よくみたら随所にそんな箇所があって、こりゃどうしようもないなとウッドカーペットを購入してみたのだった。それが昨日届いちゃったので、今日はそれを敷く作業。畳の上に乗っている棚類を全てどけてカーペットを敷かなければいけない。一人じゃとうてい無理な作業なので、だんなにお手伝いをお願いした。

ともあれ、その施工前にお買い物に行ってしまいたいなと津田沼にお出かけしてきた。近所の本屋じゃみつからなかった本を買い、ダイソー(100円ショップ)で必要な小物をあれこれ買い、ユザワヤ(手芸用品屋)で布を買い。ずっと歩きっぱなしであれこれ見て歩いたので昼過ぎにはすっかり空腹になった。ユザワヤは今日も大混雑だったし。

「……軽く何か食べたい……マクドとか?」
「あそこの、チキンなんちゃらって定食屋に入ってみる?」
「……あー……庄やで、定食あるらしいよ、けっこう安い……」
ユザワヤから駅に帰るほんの数百メートルの道すがら、どこかで何か食べちゃおうということで、「庄や」のランチを試してみることにした。「庄や」に入るのも久しぶり(いや、ほとんど"初めて"に近い感じ……)なら、ランチメニューがあると知ったのも今日この時だ。

店内は4人がけのテーブルブースに細かく細かく分かれていて、ちょっとした迷路のよう。囲いがあって低めの天井が作られているブースの1つに通されて、「いかにも居酒屋」な店内を想像していた私はちょっとびっくりしてしまった。

ランチメニューは600円前後が主流。私は「週替り鳥唐定食」、だんなは「サラダ付き三色丼」(\650)、息子は「まぐろカレー」(\500)。この値段でソフトドリンクも1杯ついてくるそうで、各々アイスコーヒー頼んだりアイス烏龍茶頼んだりして、それをちびちび飲みながら料理を待つ。店内はおばちゃん2人組とか、昼間っから気持ちよさそうにビール飲んでいるおっちゃんグループとか。

「週替り鳥唐」、今週はみぞれ和えだった模様。4個の唐揚げが甘辛味のついた大根おろしと和えられていたけれど、この大根おろしが実にビミョ〜な味だった。味があるような無いような、やけにぼやけた味で、「……だったら、唐揚げにしたまんまの方が美味しいのに……」という感じ。まんまマグロの味のするカレーとか、ちょっと安くはあるけれど全体的にビミョ〜な内容だった。卓上のメニューを見ると、メニューの品揃えはかなりのものだったけれど(しかも案外安かったけれど)、どうなのかなぁ……ビミョ〜なのかなぁ……と勘繰ってしまう。

とりあえずお腹は満たされたので、急いで帰ってカーペット敷きの作業。棚の中に茶器がみっちり入っていたりするから、なかなか大変。

「ケンタッキーフライドチキン」の
 フライドチキン
 ビスケット
 コールスローとかコーンサラダとか
ポテトサラダ
ビール(モルツ)、コカコーラ
夕方、カーペットを敷き終わったところでだんなはジムに出かけていった。私は散乱した食器や雑貨に囲まれて、とりあえず「現状復帰」を目指すつもりが、「あー……これいらない、捨てよう」とか「これ、どうしようかなぁ……残すべき……?」と整理整頓も始めちゃって止まらなくなる。ゴミ袋1.5枚分ほどになった「いらないものたち」をまとめ、どうにか体裁が繕われつつあった頃、だんなが私の惨状を見かねて夕食を買って帰ってきてくれた。

「なんか、ケンタの看板見てたらケンタ食べたくなって……」
と、夕飯はケンタッキーフライドチキン。そう、CMじゃないけれど、時折猛烈に「食べたくなるなる」気持ちはわかる。ジムでこってり運動してきた後ならなおさらだと思う。私は昼にも唐揚げ喰ってたような気がするけれど(だんなも鶏照り焼きと鶏そぼろが乗った三色丼だったけど)、気にしないことにする。

フライドチキン6ピースと、サラダやビスケット。冷蔵庫に残っていたポテトサラダも出して、ビールやコーラをぐびぐび飲みながら好みのものを適当につまんで食べた。息子はビスケットとコーンサラダにばかり手を出そうとしていて、
「だーめ、ちゃんとお肉も食べてー」
「コーン一人で全部喰うなー」
と注意されつつ、もも肉にかぶりついている。シロップこてこてつけながら食べるビスケットも、やけに懐かしい味がするコールスローも久しぶりで美味しかった。とりあえずあと1〜2ヶ月はいらないかなという気持ちになったけれど、あの独特な味のフライドチキンも。

数日前から「お片づけスイッチ」と「お掃除スイッチ」が入りっぱなしの私は家中の天袋や押入を整理整頓したい気持ちでいっぱいなのだけれど、そっと開けてみた天袋の中には「SPEEDカレンダー」(←昔もらった)とか「阪神カレンダー」(←これも貰った)とか「カリオストロの城ポスター」(←DVD購入特典)が入っていて、「……このまま保存しとくとお宝に化ける?化ける?」とそのまま静かにその扉は閉めてしまったのだった。
他の天袋には一体何がしまわれているのだろう、どきどきどき。(片づけたのは私だけど、引っ越し直後の事なんてもうほとんど忘れてるし……)

明日は「お料理スイッチ」をちゃんとONにして、ついでに「運動スイッチ」もONにして、ちゃんと動いてくる予定〜。

3月13日 日曜日
肉団子ごろごろミートソーススパゲティ
パンケーキ
ブルサン入りオムレツ 生ハム添え
カフェオレ
数日前から我ながら気持ち悪く感じるほどに「掃除の神様」と「整理整頓の神様」が降臨中。いつもは気にならない場所が気になってしょうがない。数ヶ月開ける用事のなかった天袋の中身を引きずり出していらないもの捨てて整理したい。これは春ならではの流行現象なのか、数日後に一緒に飯を喰いに行こうねと言っている友人Nも、神様降臨中で毎日せっせとお掃除中なのだとか。Nさんもお片づけがんばってねー……。

今朝も、8時を過ぎたところで私はおもむろに子供部屋の押入の片づけを始めてしまった。以前絵を描いていた時に使っていたホルベイン社のインクとかアクリルガッシュとか水彩色鉛筆とか透明水彩絵具などがザカザカ出てきて捨てるか捨てまいかさんざん悩む。……とりあえずとっておけば、息子がいつか使ってくれるかしら。その頃には変質しちゃうかしら。

「おゆきさーん、息子も起きてきたから朝御飯にしませんかー?」
煩悶していたら、そんな声が居間からかかり、慌てて朝食の準備。パンケーキが食べたい気分だったのだけれど、ホットケーキミックスは手元にないので薄力粉やベーキングパウダーで作ってしまうことにした。以前一度作ったことのある大川雅子さんの「黄金配合のパンケーキ」の材料を揃えて粉をふるったり泡立て器でかき混ぜたりした。

薄力粉がメインで、そこにベーキングパウダーと塩と砂糖とショートニングと、そして「バターミルクパウダー」を使うのがポイントであるらしい。アメリカのパンケーキ屋さんのメニューには「バターミルクパンケーキ」という文字を頻繁に見ることができて、そしてスーパーには「バターミルク」がごく当たり前に売られていた。バター風味のミルクというわけでなく、「バターをとった牛乳の残りかす」がバターミルクで、かなりはっきりとした酸味がある液体だ。そのまま飲んだりはせず、料理(主としてお菓子)の材料に使われるようだった。液体のバターミルクを買えない場所では「バターミルクパウダー」を使いましょうということなのだけれど、このバターミルクパウダーがそもそもあまり売られていなくて難儀した。

卵と牛乳を加えてできあがった生地はかなりサラリとしていて、お玉でフライパンに流し入れると厚さ5mmほどの薄い薄いパンケーキが焼き上がる。よくあるホットケーキは2枚でお腹いっぱいになれるけれど、これは4枚でその2枚相当という感じだ。小さいサイズが可愛いかなとお玉半分くらいの生地を次々と焼き上げて、11枚のパンケーキを皆で分け合って食べた。

私がパンケーキ焼きまくっている間に、だんなはオムレツ作り。先日パスタに使って余っていたガーリック風味のクリームチーズ「ブルサン」を中央にたっぷり入れたオムレツを焼いてくれた。それはきっと生ハムに似合うだろうなぁということで皿に生ハムをみっちり敷き詰め、その上にオムレツをどかんと乗せてもらった。

パンケーキにバターだけ添えてみたり、蜂蜜を少し垂らしてみたり、チーズ入りオムレツと交互に口に運んでみたり、のんびりしっかり朝御飯。溶けたチーズが絡んだオムレツが生ハムとすんごく良く似合っていて、巨大なオムレツはすぐになくなった。パンケーキも完食。

カップラーメン (スガキヤ 塩味) もやし炒め乗せ
麦茶
午前中はそのまま片づけを続行し、午後には今日は私がスポーツジムに行く予定、そしてその合間に夕食の材料のお買い物。

「……昼は……あんまり時間ないから、こないだ買ったカップラーメン食べちゃおうか。スガキヤの」
「じゃあ、もやし炒め乗せよう。きっと美味しい。夕飯……麻婆豆腐で良ければ俺作るけど?」
「あー、うん、麻婆豆腐賛成。嬉しい。じゃあ豆腐と……」
「お、合い挽き安いじゃん。……これさぁ、ミートボールスパゲティがいいかも……」
「……麻婆豆腐じゃなくて?」
「麻婆豆腐が良かった?」
「いや、肉団子スパ好きだからそっちも歓迎」

どうも、「お料理の神様」は私じゃなくてだんなの方に降臨中らしい。嬉々として「もやしはこれ♪」「肉は何グラム必要かなぁ」などと棚を真剣に見やっているだんなに主材料のチョイスはまかせ、私は50円特売中のハーブのパックを眺めたりしていた。何に使うかいまいちわからないけど「ディル」なるフサフサしたハーブを買ってみたり。……よく魚介のマリネなんかに入ってるけど、さてこれ使って何しよう。

買い物から帰ると「ジムに行くまであと50分」なんてタイミングで、急いでお湯を沸かしてラーメンの準備。だんなが中華鍋ふるって塩とオイスターソースで味つけてとろみをつけたもやし炒めを作ってくれ、それを各ラーメンにトッピング。息子は「海苔がついているから」という理由のみで醤油味を選び、私は塩味、だんなは味噌味。

スガキヤ」は名古屋を中心に展開するチェーンラーメン屋さん。ソフトクリーム類の品揃えがやけに充実しているらしいけれど、基本はとんこつラーメンのお店……らしい。「それが……なにゆえに塩と醤油と味噌?……これは別のスガキヤ?」と思いながら啜ったラーメンは、良くも悪くもインスタントラーメンっぽい、いかにもな味だった。かやくにコーンや肉っぽいものも入っていて、ちょっとカラフル。

だんな特製 肉団子入りミートソーススパゲティ
赤ワイン(ボージョレヌーボー)

苺 with 牛乳・コンデンスミルク

今日のジムもたいそうつらかった。最近週1ペースになってしまった自分の怠慢がいけないのだけれど、帰り道は歩くことさえちょっとつらく感じるありさま。「ただいま〜」とふらふらと帰ってベッドに仰向けに寝ころんだらそのまま数十分動けなくなった。

「いや、ダメ……まだ片づけ途中だし……売る本もまとめなきゃいけないし……」
よろよろと立ち上がって売る本梱包したり、なぜかトイレの床を磨いてみたり、相変わらず掃除と整理整頓の神様が背後にいらっしゃる状態でヨレヨレと作業。だんなはザクザク玉ねぎ刻んで肉こねて、1時間半ほどかけてそれはそれは美味しい肉団子スパゲティを作ってくれた。肉団子作ってそれをこんがりと焼きつけ、それから改めてミートソース作るのは大変そうだ。

「……赤ワイン、使いさしのあったっけ?」
「うんにゃ、赤ワインはないよ……開封しそこねていたボージョレヌーボー開けちゃえば?」
「うん、じゃあ料理に使って……残りは飲むか……」

赤ワインがしっかり使われていたけれどその酸味は全然残っておらず、優しい味だけれど子供っぽい味でもない肉肉したミートソースだった。ミートソースが肉たっぷりなのに、そのソースに和えられてごろごろとトッピングされているのはピンポン玉サイズのミートボール。適度に下味がついていて、もっちりしていて崩れてもいなくて立派な出来映えだった。
なんか、一品一品「私よりだんなが作る方が絶対美味しい」という料理が増えていっているような気がする……悔しい……。

もう、とうに時期はずれになっちゃったボージョレヌーボー傾けながら、同じ風味のスパゲティをちゅるちゅると。
「肉団子、26個もできたからまだまだあるよー」
と言われて肉団子をお代わりしながら、残ったミートソースは小鍋に移してとっておいた。明日の朝はこのミートソース使ってホットドッグにするのだ。更に余ったらラザーニャにでも使わせていただく予定。