食欲魔人日記 10年1月 第2週
1月4日 月曜日
今宵はポトフ。
お餅(いそべ・あべかわ)
ほうじ茶

「やっぱりお正月はお餅食べなきゃね〜」
ということで、今日の朝御飯はお餅。
 
家族皆、醤油つけて海苔巻いた「いそべ」が良いということだったけれど、私はきなこ餅も食べたかったので1人あべかわ餅の準備を。きな粉と砂糖を2:1くらいの割合で混ぜておいて、焼いた餅を熱湯に浸して、きな粉砂糖をたっぷりまぶす。
 
蔵王で今年も2度ばかり昼食を食べた「雪ぐら」というお店にはお餅のメニューもあって、「きなこ餅」とか「納豆餅」とか「ずんだ餅」などの種類がある。今回は私は滑らなかったし、お昼は軽くにしとこうかなと「次来たらきなこ餅食べるんだー」なんて思っていたのに、最終日にカツ丼なんて頼んでしまったものだから、「きなこ餅心」が宙ぶらりんになっていたのだった。やっときなこ餅を口にすることができて、私は満足。
 
だんなは今日からお仕事で、私も今週中にある程度の成果を報告しなければいけない仕事を抱えているので、今日からお仕事。
今日は初仕事でもあり「初野菜」の日でもある。
 
我が家は月曜到着のスケジュールの「三越くらしの御用達便」なので、今日が今年初配達の日。新年早々の「ベジタS」の内容は
 人参3本・ごぼう3本・キャベツ1玉・ピーマン1袋・さやいんげん1袋・青じそ1束
という感じだった。おお、この季節に青じそ……。冷や奴とかに添えるかなぁ。
 
人参もごぼうも、全体的に日持ちがする野菜が多くて使い勝手がよさそうな感じ。大きなキャベツは早速今日煮て食べることにする。

ハンバーグ丼
カップスープ(クリーミージンジャー)
麦茶

息子は普通に冬休み中なので、お昼御飯の準備をしてやらないといけない。
どうせだったらだんなにもお弁当を持たせてしまえと、昨日買ってきた合い挽き肉でハンバーグを作った。ハンバーグ焼いて、昨日のカルボナーラの残りチーズ(おろしたパルミジャーノ・レッジャーノ)をトッピング。ハンバーグを焼いた後のスキレットにソースとケチャップ、そして赤ワイン少々を入れて軽く煮詰めてソースにして、目玉焼きと茹でほうれん草を添えた。
 
だんなのお弁当にはカレーソースを添えて(本当はフレークタイプのドミグラスソースを使おうと思っていたのだけれど、うっかり使い切っていて、冷蔵庫からはフレークタイプのカレーが出てきたので代用にそれを使用……)、炒めた人参や、昨日の芽キャベツのグラッセもつけてみた。私たちは小丼にご飯と共に盛りつけてしまって、「ロコモコ」というよりも「ハンバーグ丼」という感じに。
 
何の気無しに昨日挽き肉を買ってしまったのだけれど、よく考えたらだんなの昨日のお昼御飯(ココイチ)はハンバーグカレーだったし、一昨日の夜のアカシアのお弁当もだんなはデミグラスソースかけハンバーグだった。うわ、3日連続ハンバーグにしちゃった……と反省しつつ、実は明日のお弁当用に考えているのは「ラム挽き肉の料理」だったりして、もうどれだけ挽き肉を続ける気なのかと。味は違う風にするので勘弁してください。

リッツとおつまみいろいろ
 鮭のリエット、蔵王クリームチーズ
 ブルーチーズといちじくジャム、スモッち
 牛タン燻製
ポトフ(豚肉、ペコロス、キャベツ、人参、じゃがいも)
羽釜御飯
ビール(キリン復刻ラガー 明治)

昨日買ってきた、豚肩ロースのブロック肉。
今日届く野菜を見て、適当に焼くか煮るかしようと思っていたところ、大きなキャベツと美味しそうな人参が届いたので「これはポトフしか!」という安直な結論に。ありもののじゃがいもと、半端に残っていたペコロス(ミニ玉ねぎ)も使うことにして、ここぞとばかりに持ち出したル・クルーゼでごとごと煮込んでみた。
 
「肉を食べる」というよりは「キャベツと人参を食べる」風のポトフを目指していたので、添え物は酒の肴を色々と。
リッツに添えて食べる用にと鮭のリエット(年末に三越の宅配で買ったもの)と、山形で買ってきたクリームチーズとスモッちと牛タン、あとは家にあったブルーチーズ。
 
ポトフは塩味のみつけたものの、かなり薄味に仕上げたので、各自フルール・ド・セルだの黒胡椒だの粒マスタードなどを添えつつ食べる。
自分で用意したものといえばポトフくらいのものだけれど、今日は昼夜となんとなく洋風のものが続いて、やっとこう、ひと心地ついた気分になれた。年末年始の旅行は1日目の昼に焼肉を食べた後、連続9食和風のものを食べ続けていた(中日の昼にモツ煮定食とか月見そばとか食べてしまったのが我ながら敗因だったかと)から、多分そのあたりが限界だったのだと思う。
 
ちょうど同じようなこと(3日和食が続くとパンが恋しくなる、的なこと)を友人がtwitterで呟いていて「そうなのよー」と頷いていたのだけれど、日本で生まれ育った日本人の嗜好として、この嗜好の有り様はいかがなものかと思う反面、便利でもあるなと思ったり。海外に旅行したり住んだりして、3日経たずに「米の飯!味噌汁!」となってしまうよりは、「パンOK!芋OK!麺ウェルカム!」てな感じで居られた方が、多分自分がらくちんだ。
 
でもねぇ、もしまた海外に住む機会が得られたとしたら、今度は「秋!秋刀魚!塩焼き!」とか、「自家製イクラ!おでん!モツ煮込み!」などと悶えることになってしまいそう。なまじその美味しさに目覚めてしまったものだから、そのあたりの味はきっと恋しくなるのだろうなと空想している。まぁ、そのときはそのとき、「イクラがなければキャビアを食べればいいじゃなーい」とか「モツ煮込みがなければブーダンノワール(豚の血入りのソーセージ……)食べればいいじゃなーい」とか「おでんがなければ臭豆腐食べればいいじゃなーい」とかいうノリでなんとかなるんじゃないか、とも思っている。

1月5日 火曜日
ラムの挽き肉使って、「ケフタ」なるものを。
ミニピザまん
ウーロン茶

三越の宅配で昨日届いた「ミニピザまん」。
そういえば、朝食か昼食に食べられるかなあと年末に注文していたんだった……と思い出して、さっそく蒸して朝食に出してみることにした。
 
直径8cmほどのミニサイズのものが4個入りだったので、お昼を早くするなりお腹が減っても対応できる私と息子が1個ずつ食べて、だんなに2個。だんなの弁当の準備をしながらピザまんを十数分蒸し、併せて湯を沸かして中国茶を淹れる。
 
今日はペニンシュラホテルのウーロン茶。ホテルの名を冠した茶葉、専門店のそれにはとうてい敵わないだろう、なんて思っていたのだけれど、さすがペニンシュラホテルというべきか、すごく良い風味。以前福袋を買った時に入っていた品なので正規の価格を知らずに使っているのだけれど、きっとこれ、けっこうな値段がするものなのだろうなぁ……(←調べてしまった。60gで2310円……うひょー)。
 
で、ピザまんの方は、「あー、こういう味なのかー」という印象のもの。コンビニなどでお馴染みのピザまん、これまで食べる機会がなくて、口にしたのはこれが2度目か3度目かというところだから「標準的な味」すらわからないのだけれど、うん確かにトマト味だねぇ……と、「すごく美味しいってものでもないかな」という感想だった。
 
お茶の方はたいそう美味しかったのでお代わりしつつ、出がらしくらいになるまで湯を注ぎ足して冷茶用ポットに入れておいた。粗熱とれたあと冷蔵庫で冷やせばアイスウーロン茶が夜には美味しく飲めるはず。

ポトフの残りのスープ仕立て
フェットチーネ添え 羊のケフタ
アイスカフェオレ

近日中に、冷凍食材がどかーんと届くことになっているので、冷凍庫整理の一環でラム挽き肉500gを解凍した。1ヶ月ほど前、「Meat Guy」で買ったお肉3kg特価品セットに入っていた1つで、残りは牛ひき肉とラム挽き肉のパティの2種類というところだ。
 
で、ラム挽き肉。ラムの挽き肉というのはそもそも近隣の肉屋などでは見たことがなく、ゆえに買ったこともない。
「ミートボールかハンバーグ、でなきゃドライカレーとかそんな感じの料理になるのかなぁ……」
と少し調べて、「ケフタ(Kefta)」なるものを作ってみることにした。
 
元々はモロッコ料理で、広くフランスやアフリカ、トルコ、ギリシャなどでも食べられている料理だという。ケフタ=挽き肉という意味らしく、すなわち「モロッコ風ミートボール」ということらしい。羊肉を使うのが本来のありかたで、でも「牛肉のケフタ」「魚のケフタ」といったものも存在するとか。
 
で、作り方ざっと調べて、
ラムに塩胡椒、おろし生姜、コリアンダーパウダーとクミンパウダーを加えてこねこね
(更にシナモンとかミントの葉とか、パウダーではなくコリアンダーの葉(香菜)を加えたりするらしい)
→鍋にオリーブ油を熱し、刻みにんにくと刻み玉ねぎを炒める
→そこに水煮缶のトマトを加える、パプリカパウダーも加えたら煮込み開始
→トマトがフツフツと沸騰したら、ラム肉を団子に丸めて次々投入、蓋して煮込む
→食べ際に溶き卵を回しかけ、卵が固まったらできあがり
という感じに調理してみた。
 
モロッコ料理って食べたことないんだわ私……と思いながら、それでもなんとなく異国の香りが漂う、ケダモノ臭いスパイシートマト煮込みができあがったのだった。
 
このミートボールとトマトソースを、ポトフの野菜(キャベツとか人参とか)と共にお弁当箱に入れて、それがだんなのお弁当。私と息子は残りのミートボールを、「……むしろパスタの方が似合うかも」と、ディチェコのフェットチーネを茹でて添えることにした。ポトフの残りは具を小さく切って湯を足して味調えてスープとして一緒に食卓に並べた。
 
ラムというよりマトン的な、かなり濃厚に羊の香りが漂う肉団子で、それがクミンやにんにくの香りによく似合う。息子は
「なんか、知らない匂いがする……」
とちょっと閉口気味だったけれど、私はこういう味のもの、好きなんだなぁ……。ラムの薄切り肉を買ってきてわざわざ挽いて、というのもちょっとめんどくさいけれど、またラムの挽き肉を買う機会が出来たら改めてたくさん作ってみたい。

黒豆・きんとん・わかさぎの甘露煮・鮭といくらのこうじ和え
人参と蓮根のマリネ
牛タン味噌焼き 肉みそキャベツ
カラスガレイの煮付け
鶏肉とごぼう、舞茸の吸物
羽釜御飯
ビール(モルツ)

スキー宿に持っていってちまちまと食べていた黒豆、栗きんとん、わかさぎの佃煮などなど。さすがに全部食べきることはできなくて持ち帰ってきたのだけれど、これもそろそろ食べてしまいたいところ。夕飯に出すなら、やっぱり洋風の料理ではない方が良いよねと、魚の切り身を買ってきて醤油味醂味で煮ることにした。鱈や金目鯛、あれこれお店に並んでいた中から、財布と相談しつつ「カラスガレイ」を購入。生姜をきかせた煮物にしてみた。
 
魚に添えた人参と蓮根は、ケンタロウさんレシピのバジル風味のマリネに。オリーブ油とビネガー、ドライバジル、おろしにんにく、塩と砂糖で茹でた蓮根と生の人参を和えた「軽めのピクルス」風のもの。そういえば自家製雑煮を食べていないわと、翌朝雑煮で食べるつもりで鶏肉、ごぼう、舞茸、豆腐(そして仕上げに三つ葉)の吸物を用意して、あとは味噌焼き牛タンも。
 
山形の駅ビルの「かまぼこの鐘崎」(山形じゃなくて仙台のお店だけど……)で買ってきた3000円牛タン福袋。内容は炭火焼き牛たん(塩&味噌)(\2000)、牛たん燻製チップ(塩味)(\880)、牛たん燻製チップ(ペッパー味)(\880)、テールスープ(\315×2)というもので、普通に買ったら4390円分。牛たんは好物だし、けっこうお得な買い物だったわと、"炭火焼き"の箱を開けてみたらちょっとびっくり、焼かれた牛たんが1枚ずつ真空パックになっていた。湯煎で温めて食べろとのことで、味噌味牛たん5枚を温めて皿に盛りつける。パッケージには少し驚いたけれど、香ばしい炭火焼きの香りがちゃんと残っていたし、柔らかく適度な歯ごたえも良い感じのもの。生のキャベツと肉みそを皿の端に盛っておいた。
 
なんとなく和風の夕食、ホッとした気分になるのは"勝手知ったる自分の味"だからかな。4日も続けば"自分のご飯の味"に飽きてしまったりするのだけども……。

1月6日 水曜日
初太閤園!
うちのお雑煮
麦茶

今日はだんな、お仕事お休みなのだそうで、お弁当作りは不要だからと若干のんびり起床(でも6時半)。
 
朝御飯はお雑煮で、昨日作った鶏肉入りのおつゆに焼いた切り餅を入れていただいた。
息子は面白いことに「あんまりお餅は好きじゃないんだ……」とのこと。この雑煮のつゆも、ご飯と一緒に普通に飲む方が美味しく感じるのだそうで、息子の分は「おつゆ&ふりかけご飯」。小学生男児なんて、正月は「お前もうやめろ」というくらいに餅を食べ続けるもんだと思っていたから、ちょっとびっくりだ。ほら、加藤清史郎くんもテレビで「お正月はお雑煮食べました。お汁粉も食べました」と満面の笑みで言ってるよ。
 
で、私の方はお餅大好きで、1月はここぞとばかりに餅を食べる。
一度スーパーで特売のやっすい餅を買って、それがもう歴史に刻みたいくらいに美味しくなかった(なんかね……建築資材でも食べてるような感じだった、食べ物ではなく)から、そう大量に食べるものでもなしと、以来なるべく良いものを買うようにしている。
 
今回のは、年末に三越の宅配で一緒に頼んでおいたもの。1個1個のサイズは小さめで、でもちょっと厚めなのでコロリとした外見の餅は、綺麗に粘って伸びて、ちゃんと米の味がするものだった。

「太閤園」にて
 酢豚定食
 餃子
 ビール

「お昼は太閤園?太閤園?」
と、だんなは何だかわくわくしている。今日から息子も学校だけれど、今日は給食なしで昼までには帰ってくるしねと、息子が帰るのを待って駅前の中華定食屋さんに行ってきた。途中、帰宅途中の息子の同級生とすれ違って
「どこ行くのー?」
「んー?たーいこーうえーん!」
なんて言葉を交わしていたり。
 
しばし悩んで、私は酢豚定食、だんなは大盛炒飯、息子は「ジャンボラーメン」。
私の向かいにだんなと息子が並んで、片やすごい量の炒飯、片や洗面器サイズのラーメンという光景に、「ここはどこのチャレンジメニューのお店ですか」と軽く目眩を覚えてしまった。たっぷりなだんなの炒飯を、息子と2人「いいなー」と眺めて、炒飯を少し取り分けてもらう代わりに私の酢豚もお裾分け。
 
以前、もう10年くらい前は、炒飯も酢豚も、テーブルにやってきて15分くらいはとんでもなくアツアツ(=ものっすごく熱い油がまんべんなく食材に絡んでいる)な感じだったのだけれど、やっぱり最近、そういう感じではなくなってきた。その分あっさりと食べやすい口当たりにはなった気もするけれど、寂しく思うのも事実。
 
でも太閤園の味は太閤園の味だし、やっぱり好きなのよねと、今日も餃子をしっかり食べて、ピーマン玉ねぎ人参、そしてきゅうり(!)が入った酢豚をおおいに味わった。ケチャップが使われていない、甘さ控えめのちょっと大人な味の酢豚だけれど、これが好き。

人参と蓮根のマリネ
回鍋肉
いんげんとコーンのかき玉汁
羽釜御飯
ビール(モルツ)

「シュークリーム食べたいな、ロールケーキも食べたい」
なんて言いながら昼御飯後に帰宅して、少ししたら買い物に行こうなんて言っていたのに、うっかり昼寝。布団にもぐって本格的に眠り込んでしまった。だんなに起こされ、目覚めたのは4時半。
 
あららーシュークリームもロールケーキも買わずに食べずに夕方になってしまったー……と呆然としつつ、夕飯について思いを馳せて「回鍋肉にしましょ」ということに。ちょうどキャベツもピーマンも今週届いたのがあるし、それはちょうど良いねと夕飯は回鍋肉。いつも通り、豚バラのブロックを茹でてスライスして作った。めんどくさがりやで手抜きが好きな自分だけれども、回鍋肉だけは薄切り肉を買ってくる気になれない。1時間ばかり余計に時間もかかるけれど、塊肉を茹でてスライスして使うのが最高に美味しくて、しかもその豚の茹で汁を使えばスープも簡単にできる。
 
今日は刻んだいんげんと冷凍のコーンをスープの具にして、最後に溶き卵でとじた。野菜を刻んで合わせ調味料を用意したところで、息子から順番に済ませていたお風呂の順番がまわってきたので、入浴。最後の炒めるところはだんながやってくれた。
 
材料を切ったり合わせ調味料を用意したりした私も、最後に炒めて(その前に野菜も湯通しして)水溶き片栗粉でとろみをつけただんなも、2人して
「今日の回鍋肉は"自分が作った料理ではない"って感じ」
と呟いていたのが面白い。私は私で、最後に炒めるところ(=肝心なところ)をやっていないから自分の料理という気分になれないし、だんなもだんなで「俺がやったのは炒めたところだけで調味(=これも肝心なところ)をしていないから、なんていうかクックドゥとか使った感覚」なのだそうで。
 
夫婦共同作業のそんな回鍋肉は、でもちゃんといつもの味がした。辛味は全然つけていないので、卓上に香辣脆を出して、適宜大人は添えつつ食べる。昨日の残りの人参と蓮根のマリネも出して、今日使った野菜は冷凍のコーン以外は全部三越の宅配(=野菜は「大地を守る会」のもの)を使ったことになって、私は密かに満足だった。

1月7日 木曜日
早起きして粥を炊く〜
中華粥仕立ての七草粥
アイスウーロン茶

今日は早起き。
昨夜のうちから胡麻油をまぶして干し貝柱と共にたっぷりめの水に浸しておいた米を火にかけ、中華粥を炊き始めた。今日は七草。
 
ほぼ毎年の定番となっている中華粥仕立ての七草粥で、沸騰しはじめたところで適当に刻んだ大根とかぶを入れ、残りの葉ものは最後の最後に刻んだものを混ぜ込む。塩味つけて、干し貝柱の旨味たっぷりの七草粥のできあがり。中華粥にはこれがなくては、の油条を添えて、しかも私は皮蛋まで。
 
「七草粥を食べる」という趣旨から微妙に遠ざかりつつあるなと自覚しつつ、でも皮蛋入り、油条入りの七草中華粥は今年も美味しかった。冷凍してあったのを胡麻油をうすくひいたフライパンで焼きなおした油条の売れ行きが良すぎて、慌てて冷凍庫からもう1包み出して解凍したりしていたら、お粥なのにやたら腹持ちが良くなってしまったりして。
 
また中華街に行って油条仕入れてこなければ。これがないと中華粥の魅力半減なのよね。あ、あと皮蛋も。

ミックスリーフのサラダ
サーモンのクリームソースフジッリ
アイスティー

「そういえば最近、僕、全然料理してないよね?」
と、息子。
 
そういえばここしばらく、息子も7時近くまで習い事がある日があったり、あるいは私の方に余裕がなかったりして、「何か手伝うことあるー?」と息子が言ってくれているのに、「自分でちゃっちゃとやった方が早いわ」とばかりに「いや、だいじょぶー」と断ってしまったりすることも続いていて、息子が台所に立つ機会が激減していた。
 
「せっかくマイ包丁買ったのに、あんまり使ってないし」
だから今日の夕飯は一緒に作りたい、ということだったので、では息子1人でも作れそうなものをということでサーモンのクリームソースパスタに。
 
玉ねぎをバターで炒めて、トッピング分を除けておいたスモークサーモンも軽く炒める。白ワインを軽くふってアルコール分飛ばしたら、生クリーム加えて半量ほどになるまで煮詰め、パスタを絡めて(煮詰まりすぎていたらパスタの茹で汁もちょっと加えつつ)できあがり。トッピングのスモークサーモンとパセリを散らしてできあがり。好みでパルミジャーノ・レッジャーノをかけつつ食べる。
 
ポイントといえば「生クリームを軽く煮詰めること」くらいしかないクリームソースのパスタは案外と簡単で、おそらくはカルボナーラよりも簡単なくらいで、息子は
「これなら……自分1人で作れるかも!」
と、えらくやる気になっていた。
 
あとは簡単に用意したサラダと共に夕御飯。
だんなは激ジョブで帰宅が遅いそうで、なんとなく軽めに(クリームのパスタは重いけども……)してみた夕御飯なのだった。

1月8日 金曜日
サイゼリヤ!肉サラダ!
あべかわ餅
鶏肉とごぼう、舞茸の吸物
麦茶

昨夜、息子と2人で夕御飯食べてしばらくしたら、だんながフラフラしながら帰ってきた。体調が悪いそうで、何も食べずにそのまま寝室へ。そのままこんこんと朝まで眠り続けていた。
 
今日も朝のうちは起きるのもつらそうな感じで、息子の朝御飯は息子のリクエストで久しぶりのコーンフレーク。私はお相伴程度に牛乳をちらりと飲んで、9時過ぎてようよう起きてきただんなと、お餅を焼いて食べた。お雑煮よりもこちらの方が、ということで、だんなは磯辺焼き&吸物、私はあべかわ餅&吸物。
 
最近、私の中できな粉が小さなブーム。餅を食べきってしまったら、今度は「きなこミルク」にでもして飲んでしまおうかしらん。

「サイゼリヤ」にて
 肉サラダ \499
 シーフードグラタン \499
 ビール(ジョッキ) \390

猫の餌も買いに行かなきゃだし、昼御飯なにか調達して来ようか?と言っていたところで
「じゃあ俺も一緒に外に出ようかな。……サイゼリヤ?」
とだんな。なぜ、具合悪い今、サイゼリヤ。
 
「んー……具合悪いなら何かあったかい……ラーメンとか」
ただし"虎"以外で、とラーメン屋を提案したら("虎"は、ちょっと私がそういう気分ではなかった)、
「……あ、なんかモチベーション下がった、すごく下がった」
と。なに、そんなにサイゼリヤ行きたいの?と笑ってしまって、買い物ついでにサイゼリヤに寄ってきた。
 
去年、どういうわけかやたらと「王将」が安くて美味しいと取り沙汰されていたけれど、同じ傾向だったらサイゼリヤだって侮れないんじゃないかと思っている。こちらの方が若い女性には受けが良さそうだし、生ハムとフォカッチャの盛り合わせが399円だったり、グラスワインが1杯100円だったり、ミラノ風ドリアが299円だったり、とにかく変に安い。味も「すごく美味しい」というわけではないけれど、そこそこちゃんと食べられる。ちなみに私は肉サラダと、生ハムとフォカッチャの盛り合わせが大好き。
 
ランチセットなどにこだわらず、好きなものを思うさま食べるといい、と、だんなに言われたので、お言葉に甘えてつい「肉サラダ」と「シーフードグラタン」を注文。サウザンアイランド風の「サイゼリヤドレッシング」のかかった、甘辛く煮付けた(炒めつけた?)豚肉が乗る肉サラダは、レタスたっぷり、トマト3切れ、けっこう食べ応えがある内容だ。だんなはランチセットを頼んでミニサイズのサラダがついてきていたので、肉とレタスとトマトを私の皿からお裾分け。
 
グラタンはやや軽めのボリュームで海老と小柱入り。うっかりビールまで私は注文してしまって(で、だんなには一口お裾分け)、「サイゼリヤで豪遊」という風の私の今日の昼御飯なのだった。
 
で、けっこう「サイゼリヤ」、気に入っているのに、いざ日記を書こうとすると「サイゼリア」か「サイゼリヤ」かで毎回悩んでしまう私。
「俺、"サイゼリ屋"って覚えてる」
とだんなが言っていた。それいい。屋、いい。
 
「ああ、"よしのや"の"や"か」
「違う、それは"家"。むしろ"ふじや"の"や"」
「それも"家"だ……」
と話していて「あれー?」となってしまったので、もういっそ「サイゼリ家」で良いと思う。

豚味噌鍋
 (白菜・長ねぎ・豚肉・うどん)
ビール(琥珀ヱビス)

「肉じゃがを作って食べたい」とか「家でお好み焼き焼いて食べたい」という小さな野望を抱えつつ、今日の夕御飯は体調悪い時でも美味しく食べられる豚味噌鍋がよろしいんじゃないでしょうかということで、材料買って帰ってきた。幸い、巨大な白菜が1/2玉で90円ほど。
 
いつも通りに白菜たっぷりの豚味噌鍋を今日はこたつに用意して、大晦日に録画しておいていた「ダウンタウンのガキの使い大晦日年越しSP!!笑ってはいけないホテルマン24時!!」を流しながらもぐもぐ。千葉某所のホテルをロケ地に使っているようだったけれど、どうにも見覚えがあると思ったら、「ターザニア」のある「生命の森リゾート」がロケ現場だったよう。やたらと見覚えがあるところばかりが流れていて、そこもまた楽しかった。あまりに長い番組なので、今日は半分まで。続きはまた連休中にでも。

1月9日 土曜日
今年初さぬきうどん♪
バタートースト
炒めウィンナ&目玉焼き
カフェオレ

今日から嬉しい三連休〜♪
お正月休みに旅行していて伺えなかったので、今日はだんなのおばあちゃん宅に年明けのご挨拶に行くことになっている。
 
朝御飯は、厚切りバタートーストとカフェオレ、ウィンナーと目玉焼き。
今週は餅とか粥とかピザまんとか、"notパン"であるところのものばかり朝食に続いていたので、
「パンが食べたーい!美味しいパン!美味しいパン!」
と昨日大騒ぎして、勢い余って1/2本(確か1.5斤分)の「アンデルセン長時間熟成パン」を買ってきたのだった。
 
食パン食べるなら、分厚いのが好き。6枚切りより4枚切りの方が望ましいのだけれど、3人家族で4枚切りのパンというのはいかにも使いづらいものだから、たいてい妥協して6枚切りのを買うことが多い。塊の食パンなら思うさまカットできる!ということで、今日は4枚切り相当の厚さにザシザシ切ってバター乗せてトーストした。ああ、幸せ。トーストはこうでなくては。
 
……で、確かイギリスあたりの伝統的な朝食って、8枚切りよりも更に薄いようなトーストが出てくるんじゃなかったっけ?と思い出して画像検索していたところ、こんな画像がヒットした。いやいや、こういう画像を探したかったのではなくて、と思いながら、凝視して笑ってしまっていた私。

「銚子丸」にて
 中トロ握り
 鯖炙り  シマアジ握り
 ブリ握り
 イクラ軍艦
 蟹3貫盛り
 牛頬肉煮込み軍艦
 炙りサーモン握り
 あら汁、お茶
などなど

ちょうど昼過ぎ、西東京のおばあちゃん宅に到着。銚子丸のお食事券あるし、テイクアウト寿司買ってきて皆で食べようか?なんて話していたところ、「だったら食べに行きましょうよ」ということになって、おばあちゃん、E叔母さん、うちの家族3人で車に乗って「銚子丸」へ。千葉界隈はともかく、そのあたりにも普通に銚子丸があることにけっこう驚きだし、普通に混んでいたことにもけっこう驚いた。人気あるのねぇ。て、こっちの店もやっぱり変わらず賑やかなのだわー。
 
混雑してはいたけれど、食べたいものを随時にぎってもらいつつ、レーンを流れる「炙りサバ」などにも手を出してしまいつつ。
「今日はおばあちゃんが御馳走したげるからね、たっくさん美味しいのを食べるといいよ?」
とのおばあちゃんの言葉に、息子は大トロを注文したて「これ!おいしい!」と目を輝かせていたりした。大人も「蟹3貫」(蟹みそ軍艦、たらば蟹、爪揚げ、だったかな)を頼んでみたり、今日のおすすめだったシマアジ、ブリなどももらってみたり。
 
このお店はランチ無料のあら汁がセルフサービスになっていたのも新鮮で、「これなら遠慮なく飲めるね」と、ついついお代わりしてしまった。今日のブリは最高に美味しくて、その美味しいブリのアラが大量に入っていた味噌汁だったからあら汁の美味しさも格別。
 
おばあちゃん、もう今年90歳なのだけれど、しゃきしゃき歩くし(どころか自転車にも乗っちゃうし……)、お寿司もあら汁も美味しそうに食べていて何よりだった。
 
食後は、そのままA叔母さんの家に新年のご挨拶に。
私は伺うのは今回初めてで、A叔母さん宅の素敵な庭を見せてもらってひたすらびっくり。それは見事なローズガーデンで、立派に育ったバラの蔓が、「そっちはオールドローズの○○で、こっちは白い○○、ここはね、ブルームーンでね」と、これからの成長期に向けて見事に誘引されている。あいにくこの季節ではバラの花はおろか葉っぱも出ていなかったけれど、5月6月はそれはそれは綺麗な庭になるのだろうなと想像できる素晴らしさだった。
 
「ほとんど全部自分でやったのよ」
という手作りの柵やレンガを敷いた地面、こちらも春になるとグラウンドカバーのシバザクラや、その奥にはチューリップが咲き乱れるのだそう。今の季節はクリスマスローズがひっそりと咲いていた。
 
私はどうにもズボラなので、お花は好きなのにすぐに枯らしてしまい、相談しながら嘆いていたところ
「だったら多肉植物いいわよー、綺麗よ、種類たくさんあるのよ」
ちょうど今日、このリース作ったところだったの、と、これまた綺麗な多肉植物の寄せ植えリースを見せてもらった。こっちの鉢あげるから持っていくと良いわ、と、赤みがかったバラのように葉が重なる綺麗な多肉植物の鉢をいただいくことに。もっとこう、多肉植物ってストイックな外見のものばかりかと思っていたのだけれど、すごく綺麗だ。このところやる気が盛り上がらずにあまり花を植えていなかった(=夏の花が終わって枯れてしまったまま放置プレイ状態だった)ので、ベランダの花もこれを機にちょっとなんとかするかな。

新宿「東京麺通団」にて
 ひやかけ(小) \290
 半熟卵天 \100
 かしわ天 \100
 かぼちゃ天 \100
 豚角煮 \200
 芋焼酎ロック(不二才)

A叔母さんの家からおばあちゃん家に戻り、ケーキ食べたり羊羹食べたり、しばらくのんびりと。夕方になっておいとまし、「新宿で少しお買い物してから台南担仔麺寄って軽く夕御飯にしようか」と言っていたのだけれど、あいにく台南〜は本日貸し切り営業。ならばと、「東京麺通団」に足を向けて、さぬきうどん食べて帰ることにした。
 
かなり久しぶりな麺通団、うどんメニューも「肉汁つけ麺」とか「けんちん」とか「チーたま」などとあれこれ増えていてちょっと心が揺らいだのだけれど、ここに食べに来たいとき=冷たくて美味しいいりこだしが恋しい時が常なので、「……結局、私は"ひやかけ"以外頼む選択肢はないんだったわ」と、いつも通りひやかけで。
 
なんとなくお酒を飲みたい気分だったけれど、ビールという気分でもなかったので芋焼酎のロックをいただきつつ、つまみに小皿の豚角煮とか、かしわ天とか。
今日は笑っちゃうほど野菜を食べてないわと反省しつつ、その対策に「かぼちゃ天」(あと、うどんに刻み葱山盛り)というのもどうだろうとも思いながら、うどんのだしに天麩羅浸しながら美味しくいただいた。半熟卵天とか、おでんとかがあるのがとてもすてきだ。
 
ただ、久しぶりの麺通団、うどんの味が落ちたな……と思った。今日がたまたまだったのかもしれないけれど、でもうどんもだしも両方「あれ?」となってしまったのは……全体的に落ちちゃったのかなぁ。

  • うどんがやけに太かった。高松にうどん食べに行って、こんなに太い麺を出すお店あったかな?……いや、なかったよな、というくらい。家で食べる冷凍うどんの1.5倍近いくらいの太さだったような。
  • しかもそれが芯の残る茹で具合で、「あつかけ」だったらあるいは問題なかったのかもしれないけれど、「ひやかけ」を頼んだ私は「かたっ!」と驚くほど。こう、ねっちりもっちりした、さぬきうどんのコシを味わいたかった……。
  • で、肝心のおだしも、なんか薄くなってしまっていた。くどいくらいの、あの風味の強〜いいりこだしが最高だったのになぁ……。
  • 更に悲しいことに、「半熟卵天」が半熟じゃなかった。2/3熟卵くらい(かなり普通のゆで卵に近い)だった。あの、黄身がとぅる〜んとした卵が恋しかったの……

オープンしたての頃は、「なんじゃこりゃ、高松行きたくなったらここにくればとりあえず解決じゃない!」とすごく喜んだものだけど、「ふつうのさぬきうどん屋さん」然としてきてしまったのはがっかり。「はなまる」は醤油醤油しているし、「丸亀」もあんまり「いりこっ!」という感じではないし、麺通団、大好きだったんだけどなぁ……しょんぼりだ。

1月10日 日曜日
峠の釜めーし!
バタートースト
カフェオレ

「お昼はラーメン食べましょ、ラーメン」
と、だんな。
「だから朝御飯は軽めにトーストだけ、くらいにしない?」
と。
 
コンロには先日の豚味噌鍋の残りもあって、だんなはそれを見て「……うどん?」とも呟いたけれど、私のリクエストで今朝もトースト。どうも昨日から私は「パン禁断症状」が出ているようで、パンが恋しくて仕方がないのだった。どうも、5日ほどパンを口にしない日が続くと、限界が訪れるらしい。多分、米の飯も同様で、5日口にしないとやっぱりうずうずしてしまいそうな気がする。
 
で、今日もバタートースト。息子の分は無塩バターを使ったトーストにして、「これ使う?」と苺味のお砂糖出したら「使う使う!」と俄然はりきっていた。未だに息子は「いちご味もの」が大好きだ。

峠の釜めし
鶏肉とごぼう、舞茸の吸物
抹茶入り玄米茶

午前中、「ではご飯の材料など買いに行きましょう」とだんなと2人、スーパーへ。ラーメンじゃなくてスパゲティにしない?ジャリコにしない?なんて話がまとまったところで、でも向かったスーパーでは駅弁フェアを開催中。うっかり「峠の釜めし」など見つけてしまい、
「……あ、これ食べたい……」
と立ち止まってしまった。つい先日も同じスーパーで駅弁フェアをやっていて、その時は目の前で残り2個だった釜飯が売り切れてしまったのだった。それが微妙に悔しかったものだから、今日は買える状態で見つけてしまって「これは買わないと」、と。
 
そういうわけで、今日のお昼は急遽駅弁。この釜飯にはさほど興味はないだろう息子には"前沢牛と白金豚の対決弁当"なるものを買っていった。
 
「峠の釜めし」、私にはソウルフードみたいなところがあって、たいそう懐かしく美味しく感じた。子供の頃、毎年夏になると清里や原村といった高原のペンションに泊まりに行っていて、電車で向かう道すがら、横川の駅でこれを買って食べるのが定番だった記憶がある。釜飯の容器を捨てるのがもったいなくてそのままペンションに持ち込んで、原っぱで摘んだ花を釜飯容器に飾ったりして。
 
そうそう、栗と椎茸とうずら卵が幸せな味だったんだよなぁ……でも、あんずって昔から入っていたっけ?と思い出しながら、鶏肉とごぼうが入る1合分の釜飯を平らげた。
食材どっさり届きました  
買い物から帰って少ししたところで、届いたクール宅急便。
 
中身は「ハイ食材店」から届いた「闇市号ブラックバッグ」という名前の1万円福袋だ。フォアグラとか入ってるかなー楽しみだなーと、年末に買って楽しみにしていたその内容は、こんな感じだった。

  • イベリコ豚ベジョータロースブロック
  • オーシャンビーフステーキレディサーロイン×4
  • マグレカナール(鴨ロース)
  • バルバリー種キュイスドカナール×2(バルバリー種鴨の骨付きもも肉)
  • バター入りエスカルゴ6粒
  • ハモンセラーノスライス
  • スカンピ1kg
  • ガーベルデリカテッセンソーセージ4種セット×2

おおー、なんか確実に、見るからに、「普通に買ったら1万円以上するよね!?」という内容で、かなり幸せ。イベリコ豚のブロックなんか調理するの初めて(人肌でとろける融点の低さの脂身、ロゼでも美味しく食べられる!そう)だし、サーロインステーキも、良い感じに分厚いもの。「マグレカナール」の「マグレ」とは、フォアグラ採取後に採れる鴨ロースにつく名前とのこと、1kgものスカンピは「解凍してお刺身でも召し上がれます」だそうだ。
 
うーん、豪華な食材ばっかりだなぁ。1つ1つ調理していくのが楽しみ。「塩胡椒してスキレットで焼いて喰うのが一番うまいよ!」みたいなものが多くて、あまりいじくらないで食べたい感じのものばかり。いじる自信のないものばかり、とも言う。

チーズやサーモンリエット with クラコット
だんな特製"ジャリコ"
ビール(モルツ)

夕御飯は、だんなが「ジャリコ」を作ってくれた。
 
ジャリコ」とは、銀座(というか、有楽町?)にある「ジャポネ」という"日本的炒めスパゲティ"のお店の名物メニュー。麺は太く、味付けもまた独特で、イタリア人もびっくりなスパゲティメニューが並んでいる。熱烈なファンが大量にいて、だんなもその一人。
 
だんな、時々テイクアウトで買っては職場で食べているらしく、
「何食べているんですか?焼きうどん?」
と周囲の人をハニワ顔にしているらしい。見た目が"普通のスパゲティとは何か違う"という証左だと思う。
 
で、"ジャリコ"とは、
「バジリコ入りのジャポネがジャリコなの。で、バジリコはシソなのね」
と、立て板に水のごとしのだんなの説明。
「ちょっと待って!もう一度プリーズ!」
と説明を要求したら、今度はゆっくり説明してくれた。
 
「塩味の、シソ入りの炒めスパゲティがバジリコなの。で、醤油味の割とプレーンなスパゲティがジャポネなの。で、シソの入ったジャポネがジャリコなわけ」
「ジャポネは店名でありつつ、お店の看板メニューの名前でもあるわけですね?」
「そうそう」
「バジリコと言いつつ、バジルは一切入ってないわけですね?」
「うん、シソが入ってるの」
もうね、ほんと、イタリア人もびっくりよ。
 
で、その"ジャリコ"は、「麺は2.2mmの極太麺、茹でおいたものをマーガリンで炒める(ジャリコに限らずジャポネのメニューは全部そう)」「醤油味」「具は豚薄切り肉、小海老、玉ねぎ、小松菜、トマト、椎茸、青じそ」というものなのだそうで、私は座して待つべしとばかりに、食器の用意とかチーズなどのおつまみの用意などして、だんながありえない量の麺を中華鍋でわしわしとふるっているのを眺めていた。もうね、作ってる光景からして「今日はパスタ料理です」という雰囲気じゃないし。
 
かくして、薄く醤油カラーに色づいた麺が皿に盛られてやってきた。シソは、しそが今ひとつ好きではない私のために控えめにしてくれたそうだけど、でもほとんどシソの存在感は感じない。「豚肉、小松菜」という組み合わせは「焼きそば?」という感じだし、そもそも醤油味だし、でも上からかけていただくのは粉チーズ、という、不思議な組み合わせの麺料理だった。でもチーズ合うのね。不思議にね。
 
それにしても、ジャポネの説明をするだんなの楽しそうなこと。
「こうね、タッパーにどかーんと茹でた麺が入っててね、そこからわしっと手で掴んで鍋に入れるわけよ」
「炒め終わって盛りつけたらね、油吸いまくったような布で、鍋をざっと拭いて、で、次のを炒めるんだなぁ……神経質な人なら、それ見るだけでイヤーッ!ってなりそうな」
と、目をキラッキラさせながら語るものだからたいそう面白かった。