食欲魔人日記 09年04月 第1週
4月1日 水曜日
お花見弁当、だそうです。
バタートースト
カフェオレ
ジョア(苺味)
苺・キウイ

美味しいバターがあるから〜……と、ここ連日バタートーストを堪能中。
やれ有塩がいいの、やれ無塩がシンプルで旨いのと、ジャムやチーズも食卓に出して、賑やかに食べている。

今日はジョアの買い置きがあるしと食後用にジョアも用意し、テーブル中央には苺とキウイ。「苺が山盛り食べたい」と呟いてから数日、「あらあんたそんなに苺好きだったの?」と母が切らさず買ってきてくれるようになり、連日苺が食卓に出るようになった。"あまおう"は大粒だけれど中までしっかり赤く、甘くて美味しい。

春休みも今週で終わりの息子、今週どこも出かけないのもかわいそうだと、母が台場のリスーピアに連れ出してくれた。さすがに1日息子のレジャーにつきあえるほどの体調ではないので、私はお留守番。ここぞとばかりにテレビゲームとかしてのんびりしようと思っていたのに今日に限って次々とお仕事が舞い込んできてしまい、結局一日中仕事し続けることになった。

ミックスサラダ
「鎌倉ハム」の豚の角煮
「なだ万」のお花見弁当
いくらおにぎり・天むす風おにぎり
ビール(プレミアムモルツ)

天気が悪くなかったら夕方都心で待ち合わせて母と息子と3人で夕飯食べて帰りましょうと話していたのだけれど、どうも空模様は芳しくない。
昼過ぎから何度雨雲レーダーを確認しても、夕方から夜にかけて千葉のあたりは雷雨になるという雲の流れは変わらない。傘を持って歩けないという状況はもとより、雨に濡れて滑る歩道ほど今の自分に恐ろしい場所はないので、泣く泣く「どうも天気悪くなりそうだから、出るの止めるわー」と息子の携帯にメールを入れた。

で、夕方から予報通りのすごい雷雨。雷もどっかんどっかん響く中、デパ地下であれこれ見繕ってきてくれた母と息子が帰ってきた。私の外出を取り止めたのは正しい判断だったようで、「出てこなくて良かったわよー、雨も降るし、電車もなんか遅れてたし」とのこと。

先週末に外出した時にも、都心の桜の開花はまだまだだなという感じだったけれど、今日もまだまだ都心の桜は2分咲き程度だったとか。
「でも、こんなの売ってたから買ってきた〜」
たまには和食っぽいのも良いでしょと、母が選んで買ってきてくれたのは「なだ万」が出していたというお花見弁当、大小1つずつ。御飯ものはセットになっておらず、四角く区分けされた器に和風のおかずだけがきっちり綺麗に詰められていた。桜の花をかたどった人参や百合根などが飾られて、目にも鮮やかな綺麗なお弁当だ。

御飯も炊かなくて良いようにと、おにぎり屋さんでおにぎりも見てきてくれたらしく、私の取り分はいくらおにぎりと、天むす風の海老天入りおにぎり。冷蔵庫の中のありものも出し、華やかな弁当は皆で好き勝手な風につついて食べた。

燻製鴨肉の薄切りとか、冬瓜と海老と煮たのとか、蓮根の天ぷらとか、海老しんじょを揚げたのとか、筍の煮物とか。同じお店のお弁当なのに、大きいのと小さいのとでメニューがほとんど全くかぶっていなかったのがすごかった。かぶっていたのは玉子焼きくらい。

春らしいお弁当で、「これ、桜の下で食べたら美味しいだろうなぁ」と思いつつ、さていつになったら花見ができる陽気になるのかと。
今週末にどこかでお花見できるかなと思っていたけれど、この分では来週末の方が桜は楽しめるかもしれない。

4月2日 木曜日
こういう大ぶりな海老炒めは、家じゃなかなか作れない
チーズトースト
アイスカフェオレ
苺 with コンデンスミルク・牛乳

冷蔵庫の中に、北海道で買ってきたチーズの残りがまだあった。とうに賞味期限は過ぎているけれど、きちんとパック詰めされていることだし大丈夫でしょう、と出してみることに。アドナイのチーズはどれもがすごく美味しく、その中でも1個が500g前後もあるカチョカヴァロはまた格別の美味しさ。カビも生えてない!OK!匂いもOK!問題なし!と、カチョカヴァロを薄切りにしてフライパンで焼いてトーストの上に乗せた。

熱が通って表面にうっすら焼き色がついたカチョカヴァロは、とろり柔らかくなり、強い粘りも出てくる。パンに乗せると、まさに「アルプスの少女ハイジ」に出てきそうなチーズ乗せパンになるのだけれど、今日はうっかり焼きすぎてしまってクリスピーな食感のチーズトーストになってしまった。少し火を通しすぎたかなと思いつつ、そのクリスピーな食感もまた悪くないもの。

お供には、練乳と牛乳をかけて潰しながら食べた甘い苺。

「和幸」の
 かつ丼(半分)
 ひれかつサンド
麦茶

今日も朝からお仕事お仕事。息子は外に遊びに行ったり、母は家のガラス窓を拭いてくれたり、家中をお掃除してくれたり、猫はマイペースで今日もごろごろしていたり。

「お昼御飯どうする?どっか食べに行く?」
「んー……まだ仕事が一段落しない……」
意識半分がパソコンに向いてしまっているまま生返事していたら、「あんたたち、かつ丼好きだって言ってたわよね〜」と、母がお買い物に行ってくれた。「ドーナツはどうかしらねぇ〜」とか言いながら。

で、帰ってきた母の手には、とんかつ屋さんのひれかつサンドとかつ丼、ミスドの箱が。ど、どういう組み合わせなんだろう、これは……と、食卓に置かれたそれらを見て苦笑い。

想定では、私と息子がサンドと丼を半分こ、ドーナツは母用、ということだったらしい。でもドーナツの箱の中には息子の大好物の苺のドーナツも入っていたものだから、息子はかつ丼の丼を前に苺ドーナツを手にするという、大変異様な景色を繰り広げていた。さすがに色々食べすぎ……というか、ポイズンすぎな感があるので、かつ丼は私と半分こに。かつサンドは母も一緒に皆で少しずつつまむことにした。

先週くらいにかつ丼を食べていたはずなのに、「美味しいわ、やっぱり美味しいわ」と別碗に取り分けたかつ丼をおおいに堪能。合間にかつサンドをもぐもぐ。あらゆるとんかつ料理の中で、かつ丼こそ最強の食べ物だと思っているけれど、でもソースがじゅわっと良い感じに染みたかつサンドも美味しいんだ……。

「これ、このドーナツも買ってきたのよ。マンゴー味だってよ。食べない?」
母が大変危険な誘いをかけてきたけれど、それは勘弁してくださいと断った。肉好き揚げ物好きの私でも、「かつ丼+ドーナツ」なんてデンジャラスな事はようやりません……。

お花見弁当(昨日の残り)
ローストビーフのサラダ
海老とオクラの中華炒め・春巻
羽釜御飯
ビール(プレミアムモルツ)・お茶

秋田ではずっとおさんどんをしている母。
かの地では「デパ地下」などというものは近所になく、そして「自分で作ったものを食べるのも飽き飽きよ」といった感じらしく、母は連日ちょこちょこと出かけては色々なお総菜を買って帰ってくる。

私の方は自炊する気満々なのだけれど、ここ何日か調子に乗ってギプス無しで家の中を歩き回っていた結果、爪先側のギプスが割れてきてしまったので、自重中。ギプスが取れる予定の明日まではおとなしくしていようと、今日も母のお買い物成果に期待させていただくことにした。

冷蔵庫には昨日のお花見弁当の残りもあったわよねと、デパ地下の中華総菜屋さんで母が買ってきてくれたのは、海老の塩炒め。オクラと椎茸、ふくろたけ、マッシュルームなどのきのこ類が大きく切られてざくざく入ったものだった。春巻も1人1本。あとは何やらゴージャスな風のローストビーフ入りのサラダ。
御飯だけは家でちゃんと炊いて、今日もビールを1缶母と半分こ。

そもそも海老を買って料理することもあまりない(値段が安くないうえに、息子もあまり喜んでくれない食材なので……)けれど、家でこれだけ大ぶりの海老を扱うことはほとんどない。大きなプリップリの艶やかな海老は見た目以上に食べ応えがあった。にんにくや生姜の風味もほとんどないあっさりとした塩味で、オクラが入っているのがちょっと面白い。

お花見弁当の方の残りは、筍の煮物だとか切り干し大根だとかきゃらぶきだとかの野菜ものが中心だったので、それも御飯のおかずにしながら夕食を終えた。

台所に心おきなく立てるようになったら作りたいなぁと思うものの一つがタモリさんのカレー。レシピがpdfで存在していて、ネットサーフィンで記事を見つけ、ちょっと手間はかかるけれど美味しそうだなと入院中にブックマークした。

ターメリックやクミンを使ってつくるスパイシーな(でもそれほど辛くはなさそうな)チキンカレーに、カレー風味のマッシュポテトを添え、御飯と混ぜつつ食べるというもの。コクを出すのに炒め玉ねぎが使われるけれど、これは朝岡スパイス製のが使われたらしい。タモリさん曰く
「玉ねぎを1時間も炒めるなんて時間がもったいない。買え」
「玉ねぎを一時間炒めるのなんか付き合ってらんない」
「何十分もかけて玉ねぎ炒めるなんて!買えばいいんですよ買えば!」
(色々なサイトで色々な口調での記述が……)
とのこと。

そう、そういうストイックな作業もやっていて楽しい時もあるけれど、「玉ねぎを時間をかけて炒めなきゃアレが作れない」となってしまうくらいなら、おっしゃるとおり買ってきて料理すれば良いのだなーと、心が軽くなった。とっとと足を治して早くこのカレーを作りたいものだ。

4月3日 金曜日
一足早く。
「サンジェルマン」の
 レーズン入りフレンチトースト
 白パン
カフェオレ
グレープフルーツ

今日は朝一で病院、長らく待ったギプスカットの日。
ずっと肌寒い日が続いていたし、幸いにしてギプスの中が痒くてたまらんという事は一度もなかったけれど、でも肌寒いがゆえにお風呂で湯船に浸かれなかったりしたのはつらかった。嬉しいなぁ嬉しいなぁと早めに起きたら、もっと気の早い母が早々に食卓を整えてくれている。

「朝一番でお医者さんなんでしょ?」
とパンもコーヒーも用意されていたけど、でも出かけるのはだんなの出勤後で間に合うから、食事の時間はいつも通りで大丈夫なんだよ……。

駅前のパン屋さんで見てきたのだという、一度も私は買ったことのないレーズンパンのフレンチトースト、そして「ハイジの白パン」風の白パン。ふわふわの白パンは、トーストせずに無塩バターをちょこちょこ塗りつつ口に運び、フレンチトーストは軽くオーブンで温めてから母と半分こした。

「CoCo壱番屋」の
 キャベツメンチカツカレー
 ほうれん草トッピング
麦茶

病院到着後、早々にギプスカット、そしてレントゲン撮影。
ギプスを取ったままの裸足状態の左足にギプス用のサンダルひっかけて、レントゲン室と整形外科の窓口を松葉杖つきながらガツガツ往復。素足だからスースーするし、今までギプスでガードされていた安心感もなくなってしまったので、体重をかけて良いものか悩みつつ、「別にサポーター巻けとかって言われてないしなー」とおそるおそる移動した。

で、めでたく「はい、問題ないですね、ではまた来週この時間に」と。

「……足首にサポーターみたいなの巻かなくても大丈夫なんですか?」
「ええ、必要ありませんよ?」
「じゃあ、歩けるなら松葉杖も要らないってことですか?」
「歩けそうなら大丈夫ですよー……でもまだしばらくは歩きづらいでしょうから松葉杖ついちゃった方が楽でしょうねぇ」
「じゃあ、必要なら松葉杖使いつつ、使わないで大丈夫そうと判断できたら使わなくても足には問題ない、と?」
「ええ、そんな感じです」

ではまた来週、と、「足首がんばって曲げましょうね、ついてはリハビリ室に寄って今後の生活の指導をね」などということも一切なく、実にあっさりと今日の診療は終了した。一応は、「足首固まっちゃってますからがんばって動かすようにしてくださいねー」くらいは言われたけれども。

「早く社会復帰するための手術」とは聞いていたけれど、こんなに簡単で良いのでしょうかという感じ。松葉杖つかなくても良いですよと言われても、まだ若干足首まわりに腫れは残ってるし、ゆえに普通の靴は履けないし、家の中をヨチヨチ移動するだけならまだしも外を松葉杖なしで歩くのはまだまだ怖いしで、無理せず自分のペースでがんばりましょうという感じだ。

とりあえず風呂!足洗い!ということで、帰宅早々風呂場に駆け込んで、一心に左足のお掃除。いやー、大スペクタクルでした。文字通り「一皮剥けた」感じでした。

帰宅して数時間後の昼御飯、母は
「幕張行って、ランチブッフェ?」
と言っていたけれど、さすがに勘弁してくださいということで、カレーの宅配。CoCo壱番屋の期間限定カレー「キャベツメンチカツカレー」を試してみた。想像以上に大きなメンチカツにちょっとびっくり。たいそうな食べ応えがあった。

いつものココイチのカレーの味はココイチ以外の何物でもなくて、でも盛り上がりかけた「カレー心」がこれでけっこう解消されてしまうのが何とも。いかんいかんこんなところでココイチ食べていたら、懸案の「タモリさんカレー」が作れないぞと思いつつ。

稲毛 「串じまん」にて
 おつかれさまセット \1100
 鶏ユッケ \480
 豚しゃぶサラダ \577
 串焼き(もも) 2×\136
 串焼き(白レバー) 2×\189
 串焼き(皮) 2×\136
 串焼き(ねぎま) \136
 串焼き(チーズ焼き) 3×\189
 串焼き(アスパラ巻) 2×\189
 串焼き(しいたけ) \189
 串焼き(エリンギ) \157
 串焼き(ししとう)\126
 寒干しししゃも \550
 お茶漬け \420
 鶏がらラーメン \357
 とろける杏仁豆腐 \252
 ビールとかサワーとか梅酒とかラムネとか
母も私もけっこうあれこれ食べました

夕飯は、「ギプス外れておめでとう記念」に外食。駅前の焼き鳥屋さん「串じまん」に行ってきた。手元には数日前に届いた「誕生日おめでとう」クーポンもあるので、それも持参。結果的に数日早い誕生祝いの席みたいになった。

私は串焼き5本(ハツ、ぼんぢり、つくね、にんにくの芽巻き、しそ巻き)とビールがセットになった「おつかれさまセット」から。好みな串焼きだけあれこれ注文したいという母は単品であれこれ頼み、息子も好物のチーズ焼きとかももだとかを中心に。
「肉!生肉!」
と、私が鶏ユッケを頼んで(で、食べるのは私だけ……)、母は母で「寒干しししゃも」なる焼き鳥屋さんにそぐわぬ品を頼んでみたり。

今回初めて串焼きのきのこ類を頼んでみたけれど、これも期待以上に美味しいものだった。ぱらりと塩ふったり葱かけたり、たれがかけてあったり、それぞれ食材に合った仕事がしてあるのが良い感じ。火の通った椎茸ってなんでこんなに美味しいのかなぁ。

おろしポン酢味の豚しゃぶサラダも堪能して、シメには息子はお茶漬け、私と母は軽めのサイズの「ちょこっと鶏ガララーメン」を半分こ。
デザートには、誕生日特典の大きな皿が私の前にやってきた。

ブリオッシュ生地らしいパンを小さめサイズのハニトーにして粉糖とチョコソースをかけ、アイスクリームを添えたデザートメニュー「プーさん自慢のおやつ」の特大版といった感じで、パンは4切れ、アイスはバニラと苺のがそれぞれ1スクープ。たいそうな食べ応えで、母と息子にも手伝ってもらいながら完食した。

ついつい浮かれてサワーとかあんず酒とか飲んでしまい、退院以来初めてのほろ酔いっぷりで帰宅。でももう足が多少むくんでも痛くなーい。

4月4日 土曜日
フルーツ山盛り三段重ね!
「サンジェルマン」のチョコレートスコーン
クロテッドクリーム
カフェオレ
グレープフルーツ

冷蔵庫の中に、クロテッドクリームの残りがまだ少し。
「このクリーム食べちゃいたいわねぇ、どこかにスコーン売ってるかしらねぇ」
と、ここ数日、母は千葉のデパートやら地元のパン屋さんやらを覗いては、スコーンを扱うお店を探していたらしい。……が、どこにも売ってなかったらしい。

昨日、「駅前のお店で、これだけ見つけたの……これしか無かったの……」と、チョコレートがしこたま練りこまれたチョコレートスコーンを買ってきたのだった。品名こそ「スコーン」とついていたらしいけれど、サイズは大きめだし、とにかくチョコが大量に入ってるし、いわゆる「オオカミの口」もあいてないし、見かけからしてなんだかスコーンっぽくないスコーン。

それでもと、クロテッドクリームには合いそうな味だったので、クリームこてこてつけながら朝御飯に食べた。
甘さ強めのチョコスコーン食べつつ、苦めにしたカフェオレ飲んで、お出かけの準備。

日本橋 「千疋屋フルーツパーラー」にて
 フルーツフルアフタヌーンティーセット \2625
 を母と半分こ
 フルーツフレーバーティー(ハニーレモン) \840

今日は青山で夕御飯、午後はデパートでお買い物。
ギプスも取れたし、ご心配をおかけした親戚筋の方々に快気祝いを送らなきゃと、夕食の外出ついでに早めに家を出て買い物しようということにした。大きなデパートだったら車椅子が借りられるはず……と、目指したのは日本橋三越。遅めの朝御飯ではあったけれど、このまま夕飯を迎えるにはお腹が空きすぎてしまうということで、まずは軽く腹ごしらえすることに。

改装後、母はまだ一度も来ていないと言っていたこともあって、寄り道したのは千疋屋日本橋本店2階のパーラー。ちょうどおやつ時ということもあって店内はけっこうな混雑で、5分ほど待って、同フロアのダイニングレストラン「デーメテール」側の窓際の席に案内された。窓からは中央通りが見下ろせて、「日本オランダ年」を記念するチューリップの花壇が良く見える。天井もすごく高い吹き抜けになっていて良い気分。

で、2600円もするゴージャスな苺パフェやらたまらない感じのプリンアラモードやら「究極のモンブラン」やらに目移りしつつ、母と「アフタヌーンティーセット」を半分こすることにした。

豪華な内容の三段重ねはフルーツ専門店ならではの内容で、一段目が「季節のフルーツの盛り合わせ」、二段目が「オレンジジェリーとグレープフルーツジェリーの盛り合わせ」、三段目が「フルーツサンドイッチ」。オレンジとグレープフルーツの皮をそのまま活かしたジェリーは6つも乗っているし、サンドイッチも4切れあるしで「いかにも1人で食べるには多いでしょう」という内容だったので、
「このセット一つと、あと別に単品でハニーレモンティーください」
と注文したら、意図するところを正確に汲み取ってくれたようで、紅茶だけを注文した私の前にもアフタヌーンティーセット用のカトラリーを並べてくれた。

息子は季節のストロベリーメニューから「ストロベリーヨーグルトパフェ」、だんなはスポンジケーキにアイスクリームをサンドした「アメリカンショートケーキ」。全体的に春らしい苺色のテーブルだった。

果物はオレンジ、パイナップル、メロン、スイカ、マンゴー、バナナ、キウイ、そして苺。どれも申し分なく甘く美味しいものばかりで、果汁そのままの味がするツルリとした口当たりのジェリーも良い感じ。メロンやマンゴーの入った豪華なフルーツサンドも上品な、期待通りのものだった。

食後は日本橋三越をぷらぷら。受付で車椅子を借りることもできて不自由なく館内を移動できたけれど、おりしも「大誕生祭」のイベント中で、大変な混雑だった。入り口にはかつての呉服店を彷彿とさせる紫色の大きな暖簾がかけられ、大きな桜の生け花なども飾られてなんとも粋な雰囲気。

洋菓子店、和菓子店をいくつか覗いて歩いたところ、それぞれの店で大誕生祭関連で福袋やお得なセットものを販売していて、本来の目的そっちのけで福袋に釘付け。結局、「彩果の宝石」(果物のゼリー)の1000円の「おたのしみ袋」と、ペニンシュラブティックの福袋を購入してしまった。

5000円のペニンシュラの福袋の中身はショートブレッドとココナッツメレンゲ、陶器入りのシャンパントリュフチョコレート、常温保存可能なマンゴープリンが3個、ローズティーのティーバッグと缶入りの鉄観音茶、袋入りの紅茶(クラシックブレンド50g)、缶入りのトマトクリームスープとヴィシソワーズ。
「通常価格9000円以上のお品が入っていますよ〜」
とのことでついつい買ってしまったのだけれど、この内容なら後悔はないかも。……ていうか、鉄観音茶が3000円ほどというその普段の価格の高さむしろびっくりだった。

うっかりフォートナムメイソンのお得セット袋にも反応してしまいつつ、用事も終えて散策終了。もし残ってるなら「堂島ドール」をと思っていたけれど、こちらは当然のように売り切れだった。あと、もう一度買いたいと思っていたマフィナリーズが閉店していたのがとっても残念。

南青山 「Cucina Tokionese Cozima」にて
 グリーンピースのムース
 人参の一口スープ
 フランス産 鴨とフォアグラのパテ ドライいちぢくと葉野菜のサラダ添え
 海老と道産ホワイトアスパラガスの温かいサラダ シェリービネガーとナムプラーのドレッシングで
 佐世保産の鯛のスモークと野菜のスパゲティ
 ジェノベーゼのリゾット じゃがいもと春野菜
 耶馬渓豚の大きなカツレツ トマトと葉野菜、じゃがいも添え
 チーズ盛り合わせ
 ヘーゼルナッツとチョコレートのジェラート
 パンプディング
 プチフール(生チョコレート、フィナンシェ)
 エスプレッソ

 みかんのピュレのスプマンテ割り
 白ワイン(確かシチリアのシャルドネ 詳細失念)
 食後酒(リモンチェッロ)

自分では荷物をろくに持てないくせに、あれこれ買ってしまったものだから、母とだんなは大荷物(すみません……)。
予約の時間になるのを待って、南青山のリストランテ「Cucina Tokionese Cozima」に久しぶりに赴いた。ギプスも取れたし明日は私の誕生日だしということで、お祝いを兼ねての外食。いつも通りおまかせのコースで、今日から息子も「パスタ単品」ではなく分量を軽めにしてもらった大人と同様のコース料理。母もコース全量を食べきるのは大変でしょうということで、息子と同じくらいの分量軽めの内容にしてもらった。

肉も魚もがっつりいただけるけれど、野菜も美味しいここのお料理。こちらの嗜好が変わってきたのか、だんなと同い年のシェフが「ほんっと、ここ最近野菜が美味しく感じられて……」とおっしゃるようになったのが料理に反映されているのか、その両方の要因でか、ますます最近このお店の野菜が美味しい。今日も一口サイズの濃厚なグリーンピースのムースから始まり、続いての人参のポタージュに「あまーい」「おいしーい」と大騒ぎ。続く料理も、濃厚なパテにこんもりと葉野菜が添えられたり、パスタ料理にたっぷりの野菜が混ぜ込まれていたりと最後まで野菜が良い存在感を出していた。何しろ美味しいのが、高知産の甘いフルーツトマト。家では自ら率先して生のトマトを口にすることはほとんどないのに、ここでは「トマトだ!ばんざい!」と前向きにトマトの存在が嬉しくなる。

みかんのピュレのスプマンテ割りを舐めつつ口にした野菜のアミューズ2品の次は、シチリアの白ワインをボトルで1本いただいきながら前菜2品、プリモ2品、そしてメインディッシュの耶馬渓豚のカツレツを。

濃厚にフォアグラの旨味を感じるのに臭みはない鴨肉のパテには甘いいちじくとイタリア野菜のサラダが添えられ、続いての温かい前菜は海老とホワイトアスパラガス。こちらも葉野菜たっぷりで、ドレッシングはシェリービネガーとナムプラーというちょっと変わった組み合わせ。ナムプラーの強い個性が嫌味にならないくらいの存在感で、絶妙な味付けだった。

ちょっと大人っぽいフォアグラ入りのパテの代わりにと、息子の前には同じ冷たい前菜をということでカプレーゼ。ころりと丸いモッツァレラチーズに、ころりと丸いフルーツトマトという組み合わせの面白い光景の皿に、息子は「なんか、初めて見る料理だ」と目を丸くしていた。カプレーゼ自体は初めてではないはずだけれど、これはちょっと面白いよねと、「チーズ切って、トマトも切って、一緒にフォークに刺して食べてみ?すごい美味しいから」と教えたら、たどたどしくフォークとナイフを操りつつ「おいっしー!」と。

その後、料理をほとんど残すことなく(メインディッシュに添えられた葉野菜だけ、もう満腹だと断念)、海老も肉も野菜もちゃんと食べていたから、先日のフレンチディナーに続いてまたまたびっくりしてしまった。なんだ、君、イタリアンだろうがフレンチだろうが普通にコース料理食べられるじゃない……。

プリモピアット2品は、大人たちは佐世保産の鯛をスモークしてたっぷりの春野菜とアーリオオーリオ仕立てにしたスパゲティと、春の香りのジェノベーゼのリゾット。息子は「リゾット要らないから、クリームのパスタをたっぷり食べたい!」とのリクエストで、リゾットは抜きで山盛りのスモークサーモンと春野菜のクリームソーススパゲティ。

ほろっと崩れる上品な味の鯛からはほのかな燻製臭。ズッキーニなども入って歯ごたえのある具が楽しめるパスタは、リゾットも同様で、じゃがいもやいんげんなどがふんだんに使われていた。

メインディッシュは、この記事を見て、食べたいなぁと思ってリクエストしておいた、大分耶馬渓の黒豚のカツレツ。以前から、「そういえばCozimaで、ミラノ風カツレツ食べたことないよね」と話していた矢先の記事だったので(ミラノ風ではなさそうだけれど)「これー!」とお願いしておいた。

出されたのは、ごろりとかさ高い、「イタリアンのカツレツ」で想像するカツの厚さ10倍くらい、日本のトンカツで想像するカツの厚さ3〜4倍のカツだった。その分大きさは小さく、故に皿の上には「直方体の肉」が鎮座ましましているような感じ。横には甘いトマトとちょっと変わった風味のマッシュポテト、赤キャベツのピクルス、葉野菜のサラダが添えられていた。

分厚いカツなのにナイフが抵抗なくするっと入る柔らかさで、しっとりと脂の入った肉なのに少しもくどくなく、味のある肉。がぶーっと囓りつくことができるカツレツというのも新鮮なもので、メインディッシュらしく、がっつりとかぶりついて平らげた。

シェフ小嶋さん曰く、
「あのブログの記事見て気になりました?記事書いたTが"絶対そうですよー!"って力説していたから、そうだと知ったら喜びますよ」
とのこと。ええ、ほんとにその通りで。でも、小嶋さんの真のお勧めは
「鳩のね、新しい調理法を編み出したので、こちらもメインディッシュに試していただきたかったです」
という感じらしかったので、これは遠からずまた伺って、こんどはその鳩をいただかなければと思ったのだった。

でも、よくよく見返したらこのところ鳩、うずら、ホロホロ鳥……と、鳥料理の頻度が高かったから、だから無意識に「今度は牛か豚ー!」という気持ちが今回は働いていたのかもしれない。

メインディッシュ後は、母の
「なんか、飲み足りなくない?私、甘いデザートワイン飲みたい」

との一言で、チーズ盛りと食後酒を。だんなはグラッパ、私はリモンチェッロをリキュールグラスにいただいて、ゴルゴンゾーラやパルミジャーノ、カマンベール、名称失念の羊乳チーズ、これまた失念のウォッシュタイプの(でもマイルドな)チーズの5種類に、ハチミツと干しいちじくとレーズンを盛り合わせたお皿を出してもらった。息子も一緒になって「これ、このチーズ美味しい」と、少なからずくせのある羊乳チーズとウォッシュタイプチーズに興味を示していて、私は主にゴルゴンゾーラあたりをもぐもぐと。

そんなこんなで大変にお腹いっぱいになった後は、銅鍋にたっぷりとシェフ自ら持ってきたヘーゼルナッツとチョコレートのジェラート、そしてバットごとたっぷりとやってきたパンプディングのドルチェ。さすがに全員腹一杯です、と、心もち少なめの分量をよそってもらったけれど、黒蜜のソースをかけたやわやわとした滑らかなパンプディングも、ほのかにナッツの食感が残る優しい味のジェラートも賑やかなディナーにふさわしいものだった。

食後にエスプレッソと共に生チョコレートとフィナンシェを。

帰りは東京駅までタクシーを使ったところ、時折見える東京タワーが、「ダイヤモンドヴェール」の特別ライトアップになっていた。「東京タワー、なんか青い光になってるねぇ」なんて話していたけれど、今月の金曜土曜は自然と環境がテーマの緑色のライトアップなのであるらしい。
ちなみに4/22のライトアップは白、3/3はピンクと赤と緑の雛祭りカラー、3/19-20は春分の日で黄色と青のライトアップだったのだとか。

4月5日 日曜日
私と息子から「かにたまー」「かにたまー」言われて
「マンダリンオリエンタルホテル」の
 パン・オ・ショコラ
 マロンデニッシュ
 白桃のミニパン
を少しずつ
ミルクティー(ペニンシュラブティック クラシックブレンド)

昨日お茶した日本橋千疋屋の建物の上にあるのはマンダリンオリエンタルホテル
「上にホテルあるんだよ、1階にペストリーショップもあるよ」
と話したら、私以上にホテルが好きな母のこと、予想通りに「あら、じゃあ是非寄りましょう」ということになって、そしてやっぱり予想通りな感じにあれこれ買い込んでいた。朝食用にと私たちの分も買ってくれたのは、パン・オ・ショコラやマロンデニッシュ。あれこれ食べられるようにとパンそれぞれを切り分けて、白桃のコンポートを乗せたパンも含めて色々な味を楽しんだ。

香港のホテル繋がりということで、お茶はペニンシュラのクラシックブレンドをミルクティーで。
良い感じにさくさくのパン・オ・ショコラも、上品な味のマロンペーストが挟まれたマロンデニッシュも、いかにもホテルメイドといった風の美しさ、美味しさ。お茶もとっても良い香り。

だんな特製 味噌ラーメン
麦茶

お昼はラーメン食べたいなー……と呟いたら、息子が「僕も、僕も!」と。
じゃあラーメンにしようかと、だんなが買い物に行ってラーメンを作ってくれた。

母と息子は醤油ラーメンで、私とだんなは味噌ラーメン。中華鍋で豚肉ともやしを炒め、醤油味の分は取り分けてから、鍋にラーメン添付の濃縮味噌スープと分量の湯を加えて作る我が家の(というか、だんなの)味噌ラーメンは、インスタント臭さもかなり消え、具沢山でとても美味しい。

味噌ラーメンだしねとコーン缶とバターも出したら、「僕も、僕も!」と息子も一緒になってコーンとバターをラーメンに入れていた。味噌バターコーンラーメンというのはよく聞くけれど、醤油バターコーンラーメンというのは、果たしてどうなんだろう。

だんなが選んだのは、札幌の「西山ラーメン」。北海道に行ったのはほんの1ヶ月前の事なのになんだか懐かしい感じがして、スープまで飲み干してしまった。

初挑戦 自家製焼売
だんな特製 天津丼
ビール(アメリカンエール)

ペニンシュラブティックのシャンパントリュフチョコ
鉄観音茶

「だんなの作る天津飯は絶品だよ」
「そうだよ、お父さんの作る蟹玉はすんごく美味しいんだよ」
と、母が来てからこっち、かにたまかにたま言っていたら、「じゃあ今日蟹玉にしよう!」と、昼に続いて夜もだんなが台所に。良い機会だしと、一度手作りしてみようと話していた焼売も作ってみることになった。

「私、私も何か手伝います……」
と、グリンピースを剥いたり蟹を剥いたりしているだんなの背後をうろうろしていたのだけれど、
「今日お誕生日の人は座っていればいいと思うよー」
と言われ、手伝ったのは焼売の包みの部分だけ。

ケンタロウさんのレシピを見ながらだんなが用意してくれたタネは豚ひき肉と玉ねぎベースの基本的なものに、戻した干し貝柱も加えたもの。「貝柱焼賣」なんて名前で売られている市販の焼売よりもよっぽど大量の貝柱が入っているよという感じの、豪華なものになった。てっぺんにはいかにもな感じでグリンピースも。

家族全員焼売を作るのは初めてで、
「まず左手の親指と人差し指で輪を作りまーす」
「その後、そこに皮を乗せて、タネ乗せて、こう、キュッとやってー」
と、たどたどしく焼売の成形。慣れれば餃子より簡単と聞いてはいたけれど、なかなか要領がつかめず、難しい。謎めいた三角形型になってしまったり、皮のピラピラが過剰に余ってしまったり、息子も一緒になってぎゃあぎゃあ騒ぎながら焼売を成形した。でも確かに、ちょっと慣れたら餃子よりも手早く綺麗に包むことができるかも。

筍と葱、そして蟹肉もどっさり入った、これまた"市販の蟹玉よりもよっぽど"的な蟹玉は、今日も素敵な出来映えだった。醤油と酢がベースのあんも、だんなのお手製。焼売に使ったグリンピースの残りをてっぺんに散らして、中が良い感じにふわりと焼けた蟹玉で、「まだ卵液残ってるからもう1枚焼けるよー」の声に、「あ、1枚は要らないけどちょっと欲しいです」とお代わりを要求してたらふく食べてしまった。

今日の写真、本当は初挑戦の焼売をと思ったのだけれど、皆で苦心しいしい成形した焼売は、さすがにちょっと悲惨な形状のものもあったりして、掲載は断念。でも味の方は素晴らしかった。「すごいよ、崎陽軒より美味しいよ」と言ったらだんなは微妙な表情をしていたけれど。