食欲魔人日記 04年01月 第3週
1月12日 月曜日
だんながミートボールスパを作ってくれました
冷凍海老ピラフ
しじみの味噌汁(昨夜の残り)
麦茶

「明日の朝、何食べる?」
「……うーん、やきそば、とか……」
「焼きそば!朝から焼きそば!You are crazy!……俺にはね、グッドアイディーアがあります。海老ピラフ!」
海老ピラフも焼きそばも、あんまり変わらないと思う……と脱力していると、息子も横で
「アイハバ、グレィトアイディーア。バナーナ、エン、ぽっきー!(I have a great idea. Banana and POCKY!)」
素敵な発音でそんな事を言っている。バナナはともかく、ポッキーって、あんた。しかもなんで英語。

ともかく、朝御飯は海老ピラフになった。もう午前も10時を過ぎたところの朝御飯で、私は「石田純一に"ここ、僕のセカンドハウスだけど自由に使ってくれていいから"とやたらと広々としたトイレが2つついている狭っくるしいモーテルを紹介される」という面妖な夢の余韻でぐらぐらしていた。一体どんな意味だその夢。私の夢はいつも総天然色で、しかも内容はかなり変なものが多い。

ぼーっとしている間に、だんなが冷凍ピラフを炒めてくれた。昨夜の味噌汁も温めなおし、冬には見事に陽光差し込む台所の窓際のテーブルで、「いただきます」。ふがふがと冷凍ピラフをつつきつつ、
「しじみの味噌汁、しじみの身を食べない人っているよね。"これはだし取っただけだから、食べない!"って」
「なんかね、そういう文化の地域があるみたいなんだよね」
「……栄養あるのにねぇー。それ以前に美味しいし」
「まー、俺らは食べるけどね」
テーブルの中央に置いたボウルにちゃりちゃりと殻を積み上げつつ、磯の匂いの味噌汁を全員で美しく食べきった。

貝の味噌汁って美味しいなぁ。甘海老の殻どっさり入れてだし取った味噌汁も美味しいんだよなぁ。あ、あと蟹入りの味噌汁も……。

「キムチでやせる」の焼きそば
麦茶

だんなも私も微妙に風邪気味だったりするので、今日は外出しない予定だったのだけれど、近所の薬屋さんで
「CONTREX、1.5リットルペットボトルが198円!」
なんて素敵な安売りをしていたので、箱買いしにお出かけしてみた。

フランスのミネラルウォーターCONTREXは「痩せる水」とか言われていて、いわゆる「硬い水」というもの(超硬水、というものらしい)。料理したりお茶淹れたりするのには全然向かないけれど、じわっと金属っぽい後味が残る独特な口当たりの水だ。私は大好きなんだけれども、でも定価で1.5リットル300円くらい、安売りしててもせいぜい250円くらいだったりするのであんまり頻繁には買えない水だったりした。水のくせに100%ジュースよりお高い。
それが198円!ウレシー!と1ダース抱えてわくわくと買って帰ってきた。

お昼御飯は、先日通販で購入した「キムチでやせる」のやきそば。「そば」というより「うどん」に近いふっとい生麺を茹で、適当に準備したキャベツや豚肉と共に炒めあわせ、麺とセットでついてくるソースをかけて仕上げるという焼きそば。この焼きそばが、しみっじみとクセになっちゃう美味しさだったりして、我が家は数ヶ月おきに
「あー、あの焼きそば、また食べたい」
「買うか……キムチと一緒に……」
とリピーターになってしまっている。このお店、しかもキムチも果物系の甘さがじんわりと感じられてすごく好みな味なのだ。さりげなくファンな私たちだった。

焼きそばのタレは、ソース味というより醤油味。オイスターソースのようなこってりとした甘辛味で、キムチと同じく果物の甘さが感じられる。「甘口」と「辛口」が選べる(更にヤンニョンジャンという辛いタレも別途添付されてくる)のだけれど、甘口でも甘さの中にピリピリッとした辛さが感じられてとっても良い感じ。辛いものがそれほど得意でない私とだんなは甘口だれだけを使って炒め、
「んー、甘辛で、うまっ」
「この地味な辛さがまた、けっこう良いんだよねー」
なんて言いながら食べているのであった。焼き肉の後なんかにビリビリッと辛い焼きそば作って食べるのもけっこう美味しいかもしれないなぁ、と思っているけど、弱気の我が家はいつも甘口。

だんな特製ミートボールスパゲティ
ビール(モルツ)
赤ワイン(チリ・ERRAZURIZ 1997)

ハンバーグが食べたいな、と買ってきた合いびき肉があった。でも、ハンバーグよりもミートソーススパゲッティが恋しくなってしまった私とだんな。ミートソースにするには肉の量が足りないね、どうせだったらミートボールも作ってハンバーグへの飢えをそれで昇華しようよなどと話し合い、牛ひき肉を買い足してきた。

どういうわけか、我が家の「ミートソース作成担当者」はだんなさま。
「その料理をより愛する者がその料理を作るべし」の我が家の掟からすると、多分私とだんな、どちらが作ってもおかしくないほどにどちらもミートソースを愛しているはずなのだけれど、どういうわけかミートソースを作るのは現在だんなの担当になっていた。

「いっつも俺が作るのはなんでだろーなんでだろー」
とか言いながら、でもなんだか楽しそうに台所で立ち働いている我が夫。いくつかのミートソースの作り方を確認した後、
「ま、いいや、適当に作るか」
と何も見ないで作り出したのだけど、ほどなく、
「うぉっワインが多くなっちゃった……トマト、もう1缶入れるかな。うん」
なんて声が聞こえてきてちょっと不安になる。……だいじょぶ?本当にだいじょぶ?と、それでも口も手も出さずに見守ったところ、1時間後にはすごく美味しそうなミートソースができあがっていた。

ひき肉たっぷりのミートソースに、大きめミートボールがごろりごろりと。赤ワイン多めな大人の味で、でも嫌みなほどのワインの味はせず、みっしりと詰まった味のミートボールもとても良い感じ。中華鍋に煮込まれたそれを、「中華鍋使っちゃうところがやっぱりだんなだわ」と笑ってしまいながらどっさり茹でたてパスタにかけていただいた。

傍らには、ミートソースを作るために開封した赤ワインの残り。グラスに入れてちびちびと飲んだのだけれど、「スパイシーな赤」と購入当時のメモ書きが残っていたチリ産のワインはすごく重厚かつ個性的な味わいで、「……あ、ミートソースにしちゃうには勿体なかったかも」と思うほど美味しいものだった。

ワインは一度開封するとできるだけ早く飲み切らなきゃという意識が働いてしまうので、つい飲んでしまうし飲むと酔っぱらってしまう(そして風呂にも入らず寝てしまう)。だからなかなか思い切って開封できず、そんなこんなで貰ったワインとか買ったワインがけっこうごろごろしていたりして、場所は塞いでるし勿体ないしというこの現状。勿体ながってないで、ちゃんと飲まなきゃなぁと改めて思ったのだった。ちなみにこのチリワイン、買ったのは3〜4年前……。

1月13日 火曜日
醤油ダレてらてらカジキマグロ丼
磯部焼き
ほうじ茶

朝から冷たい雨がドバシャドバシャと降っていて、
「うー、晴れろ晴れろ1時間で晴れろ」
と空を見上げて祈りを捧げることで始まった今日。祈りは無事通じ、息子を幼稚園に連れて行く頃にはすっかり止んでいた。雨女の私にしては珍しいことで、それだけでも今日はちょっとわくわく。

朝御飯は、何かあったかいものが食べたいなぁと餅を焼く。昨年末に秋田の親戚が自宅でついた餅を送ってくれたもので、ちょっと不揃いな形がいかにも美味しそう。角餅に仕立てられていたそれを弱火のフライパンでじくじく焼き、醤油に浸して海苔くるんで食べた。

「……これってさ、"いそべまき"?それとも"いそべやき"?それとも"あべかわもち"?」
まだ寝起きでボーッとしながら、それでもだんなと話す私。
「あべかわは……きな粉じゃなかったっけ?磯辺焼きか磯辺巻きかは、好みってことで」
「……どっちが正式名称か、はっきりして欲しいよねぇ……」
「じゃあ"磯辺餅"ってことで」
「……うーん……」
磯部巻きでも磯部巻きでも磯部餅でも、美味しいことに変わりないので気にしないことにする。あ、秋田の親戚はこれを作るときに醤油に砂糖どばどば溶かして作ったりするけど、それもそれでけっこう美味しいのよ。

「モスバーガー」にて
 フレッシュバーガー
 オニポテ
 山ぶどうスカッシュ

きっかけは図書館で借りてきた『100枚のおいしいお皿』(板井典夫・文化出版局)という本だった。もう10年も前に発行された本なのだけれど、業務用の皿からイタリアの絵皿など、平皿のあれこれを紹介しながらその皿を美しく見せる盛り付けなんかにも言及した、なかなか楽しい本だった。

そこで知ったのがアメリカの「Fieta」というシリーズのお皿。
1950年代の、アメリカ家庭で広く使われていた丈夫な手軽な価格のお皿だ。ひまわりのような黄色に深い青緑に黒に白に……と綺麗な色使いのシンプルなお皿をいいないいなと思い、少し欲しいなと思ったのだけれど、どこで買えるのかいまいちわからない。Amazon.comでは復刻版のそれが定価の半額以下で売られているというのに、日本のショップなどは検索してもほとんどヒットせず、あれこれ探しているうちに見つけてしまったのが「ファイヤーキング」。ミルクガラスの世界に、私は足を踏み入れてしまった。

「ファイヤーキング」とは食器ブランドの名前だ。1940年前半から1970年代半ばまでアメリカで作られていたもので、厚手のぽってりとしたフォルムの耐熱ガラス製の食器。有名なのは「ジェイド」と呼ばれる翡翠色(当時アジアブームだったのでその色が人気があったのだとか)、その他にも白とか青とかピンクとか、どれもぽってりとしたミルクキャンディみたいな色をした食器が出ている。つい数年前、復刻版としてキャセロール型などが数種類販売されたけれど、マグカップなどは30〜50年前に作られたものを買うしかなくて、ゆえに「未使用品」なんてレアなものは高値がつく……という次第。

アメリカで、小さな町のアンティークショップなどに入ったときに、何度か見かけていたのである。ずーっとずーっと「あの綺麗な色の食器、いいなぁー。よく見かけるよなー」と密かに思っていたのである。それが日本にも数多のコレクターがいる、ティーセット1客で1万円を超えたりするような人気のアンティーク(厳密にはアンティークと称されるほど古いものではないので「コレクティブル」というものなのだそうだけれど)なのだということを、そのときは全然知らなかった。ああ、1年前にちゃんと出会っていたかったよファイヤーキング。じっくり見て歩きたかったよファイヤーキング。

というわけで、今度はファイヤーキングについて調べ始める私。とりあえずつい最近発行された『ファイヤーキングとアメリカンアンティーク』と『ファイヤーキング&アメリカン雑貨カタログ』を入手して、あーこれはこんなに高いものなのか、とか、あーこういう色のがいつか欲しいものだ、とあれこれ学んでみた。本を読めば物欲が収まるかなぁと思ったのだけど、もう全然収まらない。欲しい!翡翠色の食器、私も欲しい〜1個でいいから〜。(でも一番気になるのは「ブルーモザイク」というシリーズのスナックセット(こんなの))。

昨日の午後、ずーっとムック本を見ながら通販サイトをポチポチクリックしまくって巡っていた私を見ながら、だんなは溜息つきつつ
「おゆきさん……デジカメが欲しいんでしょ?そんな高いお皿買っていたら、デジカメ買える金額になっちゃうよ?やめときなさいって」
と何回も忠告してくれた。うん、とりあえず、注文するのは止めよう。実物をちゃんと見て、どういうものかしっかり触ってから本当に欲しいかどうか決めよう。そう思って、千葉県内にあるファイヤーキングを扱うアンティークショップに今日、行ってみようと思っていたのだった。昼過ぎからの営業だそうなので、息子を幼稚園から拾った後に行ってみよう、と。

……ああ、長い前振りでした。

そういうわけで、ちゃんと身支度調えて、出かける準備もして午前11時半、まだまだ午前のみ保育の幼稚園に向かう。お店が開くのも11時半。一応オープンしているかどうか確認しよう、と電話してみると、
「あー……すみません。今、すんごく品薄でして、お目にかけるほどの商品がない……と思います」
とのこと。1月下旬にドバッと船便が届くまで、ファイヤーキングもほんの数点しかないそうだ。今日見に行くつもりだったので、しょぼーんしょぼーんしょぼーん。吉祥寺とか自由が丘とか下北沢あたりにはその手のショップも多いらしいけれど、このクソ寒い時にそこまで遠出する気力はないのだった。中途半端な気力だ、我ながら。

「あれぇ?おかーさん、あさと服が、ちがうよ?きがえてきたの?」
「あははー、着替えてきたんだけどね、行こうと思っていたお店、お休みだったや……」
しおしおしおーっと息子を拾い、しおしおしおーっと家に戻る。ハンバーガーが無性に恋しくなってしまったので、モスバーガーに寄って昼御飯を食べちゃうことにした。

私はお気に入りのフレッシュバーガー、息子はいつもどおりのチーズバーガー。ポテトつまんでソーダすすって、気分はほのかーにアメリカン。ああ、でも、このハンバーガーがファイヤーキングのお皿に盛られていたらなぁ……(←もう何言ってんだか)。

多分、そのうち、「買っちゃいましたー」とかここに書くことになっちゃうんだろうなぁ、きっとなぁ……。なんでこう、物欲魔人かなぁ自分、まったくもう……。

かじきまぐろの蜂蜜だれ丼
ほうれん草のおひたし
麦茶

幼稚園に行く前も、帰ってきた後もしばらく元気だった息子が、夕方になって
「んー、なんかね、おなかがいたいなんだよ……」
と半べそかきはじめた。病院か薬か!?と私がわたわたしている間に、
「んとね、ねてればなおるとおもうよ……」
自分から布団に入っておとなしく寝始めた。で、数時間後には
「元気になりましたー」
とちゃんと起きてくる息子。な、なんだったの?ていうか、大丈夫なの?

それでも微妙にだるそうなので、夕飯は軽めのものがいいかなと。
「うどんでも茹でましょうか?」
と尋ねたところ、
「たまごのごはんがいいなぁ……」
と呟かれた。腹痛のときに生卵を食べるのはどうよ、と思いつつも新しめな卵もあるからまぁいいかなと卵御飯。卵の量に比して、ちょーっと御飯が少なめになってしまった柔らかめ卵御飯を、息子は喜んで食べていた。

だんなは帰りが遅いということだったので私も適当な夕御飯。かじきまぐろの切り身が1枚残っていたのでフライパンでこんがり焼いて、最後に溶かしバターと醤油と蜂蜜をジャッと絡めてテラテラ光るタレを絡ませて御飯の上に。小さな深皿にたっぷりのほうれん草のお浸しも盛りつけ、それを丼の上にどさどさ乗せながらかっこんだ。

醤油味のテラテラっとした丼ものはステーキ丼とか鶏の照り焼き丼とか、肉の方が似合いそうな印象があるのだけれど、魚を使ってもすごく美味しい。バターと醤油と蜂蜜のタレにかじきまぐろという組み合わせはケンタロウさんの本で見かけたレシピだったのだけれど、かじきまぐろの身の淡泊さと、とろっとした脂の味にすごくよく似合うと思う。かじきまぐろって美味しいなぁ。もぐもぐ。

1月14日 水曜日
ミートソースたっぷりチリドッグ
チリドッグ
牛乳

昨日、微妙に具合が悪かった息子。微妙に熱っぽかったこともあり、今日の幼稚園はお休みさせることにした。明日からは弁当持参だけれど今日はまだ午前保育だし、今日無理に行って明日休むことになっちゃっても……と判断。なーにしろもう、寒くって(←私がやる気ないだけ?)。

だんなは昨夜、飲み会だった。今日は英会話学校、その後はCozimaで一人夕飯。仕事があるうえに英会話もがんばってるんだから応援しなきゃとは思うんだけど、でも、ちくちくといじめたくなったりもする。

「君はいいよね、"今日は飲み会、明日も遅くなるから"の一言で一人でぷらぷらできるけどー。私はどこに行くにも事前にみっちり予定立てたり調整しなきゃいけないし!息子が熱出したらたとえ仕事の打ち合わせでもキャンセルだし!あーもう!都会に行きたいよぅ雑貨屋さん行きたいよぅナマでファイヤーキング見たいよぅ!自由が丘!下北沢!吉祥寺!」
「……あー、要するに雑貨屋巡りしたいのねはいはいはい」
だんなは私のイライラの居所をちゃんとわかってくれているらしかった。

「自由が丘ね、ケーキなんちゃらってテーマパークができたらしいよ。……まぁ、設備はけっこうショボいらしいんだけど」
「ショボいんかい!」
「いや、でもね、ケーキは旨いところ揃ってるって。美味しいケーキ揃ってるって。週末行きましょ?ね?自由が丘、みんなで行きましょ。ね、スープカレーの美味しい店もあるってさ」
……なんでそんなに自由が丘飲食店情報に詳しいんだろう、だんな。確か最後に自由が丘に行ったのは大学2年とかその頃だから……10年くらい昔の話だ。もう、何が何やらさっぱりなエリア。

そんな話を布団ひっかぶったままだんなとゴニョゴニョ話していたら、せっかくホットドッグの材料揃えておいてあったのに作る時間がないままだんなの出勤時間になってしまった。あああー、ごめん……。

で、だんなを送り出してから1時間ほど経ってから息子と2人で朝御飯。腹痛を伴った風邪ということなので、うどんでも茹でるか、おじやでも作るか……と思っていたのだけど、
「ぼくも、おかーさんと同じなHotDogがいいなぁ……」
という息子。「ホットドッグ」のところが「ハッドッ」とやたら格好いい発音なのにクラクラしてしまいながら、息子も私もホットドッグ。

息子はパンにソーセージ、トッピングにチーズのみのプレーンなもの。私は先日のミートソースの余りにチリパウダーを軽く混ぜ込んでチリドッグ風に。チーズも添えてソースもたっぷりかけて、オーブンに放り込んでパンの表面をパリッとチーズをトロンとさせてみた。……こりゃ、ビールとかコーラが恋しくなりそうなホットドッグだなぁと思いつつ、お供に牛乳。

チーズをぴよんぴよんさせながらホットドッグを囓る息子の向かいで、私は口をミートソースで赤くしながらほんのりピリ辛なチリドッグを楽しんだ。ちゃーんとソーセージ炒めて、最後にオーブンでチーズを溶かして作るホットドッグは本当に美味しい。我が家で定番の「カレー風味炒めキャベツ詰め」もすんごく美味しいんだけれども。

さて、そのケーキなんちゃらは「スイーツフォレスト」という施設なのだということが発覚した。……おおー、おもしろそう。

苺 with コンデンスミルク

今日も相変わらず寒い寒い寒い。関東平野の周囲では雪がどかどか降っているらしいのに、我が家の周囲は雲一つない。でも、寒い。どんなに締め切っても隙間風がピープーという感じ。

……これだけ寒かったら、いっそ雪でも降ってくれるほうがわくわくするのに……と思っていると、息子もテレビの気象ニュースを見ては
「ゆきゆき!」
と喜び跳ね、そのまま我が家のベランダに走っていっては
「ここはまだ……ゆきゆきじゃない……」
と嘆いている。ここは……あんまりゆきゆきになりそうにないねぇ……。

遅めの朝御飯をしっかり食べたので、昼はおやつ兼用で苺を山盛り、ビタミン補給。牛乳かけて食べようかな、などと考えながらヘタ取りしていると、息子が
「ミルクにょろにょろしますねぇ〜」
と小皿を棚から出してコンデンスミルクをたーっぷりと絞り、
「フォークもひつようですねぇ〜」
と、フォークを2本準備している。息子はコンデンスミルクをつけて食べる気力満々だった。じゃあ、まぁ、いっか、と深皿にてんこ盛りにした苺を、ちょこりちょこりとコンデンスミルクつけながら食べる。私が1粒つまむ間に息子は2粒3粒とわしわしと食べていて、ふと深皿を見るといつのまにか空になっていた。

みそ煮込きしめん
麦茶

夕飯は、手軽かつ体の温まるものをと、味噌煮込みきしめん。お義母さんがお裾分けしてくれた「宮きしめん」の乾燥麺と味噌だしがセットになったものがたくさんあったので、それをことこと2人前煮込む。具はかまぼこと長ねぎと人参、あと、本当は鶏肉を入れれば良いのだけれど、手元にあったのは豚切り落とし肉だったのでそれを入れてしまう。顆粒のだしとペースト状の味噌を入れて煮込むきしめん、手軽で美味しい。ほんわかと名古屋の味。

「……黒いおうどんなの?ぼくはねぇ、つめたいうどんがすきなんだよー」
と「うどんといったら讃岐饂飩」派な人がぶつくさ文句を言っていたけれど、どんぶりを出したら静かにツルツル食べ始めた。美味しいらしい。

1月15日 木曜日
久しぶりにアクアパッツァ
チリドッグ(風味)
カフェオレ

今日は6時半に起きて、ひっさしぶりに弁当作り。息子がやーっと今日から弁当持参の保育になるのだ。
「ということは、今日からは俺も弁当だ♪」
と、なにやら嬉しそうな我が夫。仕事先での昼の外食は楽しいこともあるそうだけど、一方では「あーもー、今日は何喰おうかなぁー」と考えるのがめんどくさくもあるのだとか。出費も馬鹿にならないし、弁当があるということは嬉しいことなのらしかった。私もまぁ、昼に何も準備しなくて良いのは楽なことだしねー、と3人分の弁当を作成。だが、朝起きるのはめっちゃめちゃ苦しかった。今日もすこぶる寒い。

「がんばれがんばれせりあちゃーん。……まけるなまけるなせりあちゃーん……だ、だめかも〜♪」
弱々しく歌いながら(なぜ歌う)、よろよろと起きあがる私。
「ではせめて俺も一緒に起きて応援してあげよう」
と、歌い声を聞いてかだんなも一緒に起きてくれた。……す、すみません……。

30分ほどで弁当を作り終え、続いて朝御飯の準備。昨日だんなは食べられなかったチリドッグを再び準備した。ソーセージを炒め、バターを薄く塗ったドッグパンに挟み、たーっぷりとミートソースをかけ、ピザ用チーズを散らす。あとはオーブンで5分くらい、チーズを溶かしつつ焼けばできあがり。ミートソースにチリパウダーを混ぜるのをうっかり忘れてしまい、ただでさえ「チリドッグ風」だったのが「チリドッグ(風味)」という感じになってしまった。でも美味しいので細かなことは気にしない。

家族3人チーズをピヨピヨピヨーっとさせて(でも息子のはミートソース抜き)、アツアツのホットドッグを食べた。
「ぼくはおべんともって、ようちえんにいってくるよー」
「とーちゃんは弁当持って仕事に行って来るぞー」
「かーちゃんは、弁当は置いてジムに行ってくるよー」
3人それぞれ弁当を所定の位置にしまったり置いたりしながら、おでかけ。

おうちで弁当
 豚肉の青椒肉絲風
 焼き豚
 海苔入り卵焼き
 ふりかけ御飯
 いぶりがっこ

数日ぶりのスポーツジム。今日からいよいよエアロビクスに参加しましょうということで、「ベーシックエアロ」なる超初心者向けプログラムに出てみた。なにしろエアロビクスはン年ぶり。動きとかはなんとなく覚えているけれど、おそらく40分とか50分動き続ける体力はないと思われるんだなー……と思って参加してみたら、案の定終わる頃には脳裏にお花畑が広がっていた。その後カウンセリングを受けて「このマシンとこのマシンを使って鍛えていきましょう」とマシンジムでのメニューを組んでもらい、みちみち動いてから最後にプール。2時間しっかり動きまくってから帰宅したところ、お花畑が更に広がっちゃった感じ。明日はきっと筋肉痛だ。

無性にビールを飲みたくなるところをぐっと堪えてミネラルウォーターをぐいっと飲み、12時前のちょっと早めに昼御飯。お弁当を作っておいてほんっとーに良かった、と思いつつ、小さな弁当箱をものの数分で空にした。

いつもと同じく、だんなのも息子のも内容はほとんど変わらず分量だけを変えた弁当。おかずは豚の切り落とし肉を使った青椒肉絲風の中華炒めと、それだけだとちょっと肉っけが少なかったのでお義母さんから年末にもらっていた真空パックの焼き豚をちょっと切って詰めてみる。あとはみんな大好きな海苔を巻き込んだ渦巻き模様の卵焼き。これはほんのり醤油味。あとは御飯の上にふりかけをパラパラッとかけて、いぶりがっこを数切れ。今日の弁当もなかなか渋い色合いになってしまったけれど、我ながら美味しかった。きっとみんな、美味しく食べてくれることだろう。

「あは〜ん、早々に筋肉痛だやー……」
とよれよれしながら息子を幼稚園に迎えに行くと、
「おべんと、食べたなんだよー」
今日も元気な息子が楽しそうに近寄ってきた。自転車こぎながら、
「で?今日のおべんとは何が入っていたのかなー?」
と尋ねてみると、
「あのね、ふりかけごはん!あとね、いぶりがっこ!」
即答。いやー、おかあさんとしては、手間をかけたおかずから先に答えて欲しかったかなー、みたいな……。

小さなカサゴのアクアパッツァ
菜の花と半熟卵のパルミジャーノ焼き
クリームマッシュルームスープ(キャンベル缶)
Cozimaのパン(トマト・バジル・ターメリック)
御飯

自家製バナナケーキ
紅茶

英会話学校の帰り道、昨夜もだんなは「Cucina Tokionese Cozima」で夕飯を食べてきた。で、また小さなお土産をいただいてきた。いつものトマト味バジル味のテーブルパンの他に、新登場のターメリックのパン。ふわんとカレーみたいな香りが感じられる、淡い甘さと苦さのあるパンで、紙袋にころりころりとそれらのパンが入っていた。せっかくだからこのパンを美味しく食べられる夕飯にしよう……と魚屋さんを覗きに行ったところ、1尾200円の小さめのカサゴが売られていた。

「カサゴと言えば!アクアパッツァ!」
と、本日のメニューは決定。しかもアクアパッツァの材料になるアサリも1パック100円の特売をしていた。カサゴ3尾とアサリ1パック抱えてうきうきと帰宅。ついでに菜の花も安売りしていたので買ってきた。

アクアパッツァには、ドライトマトも必要だ。市販のドライトマトを使っても良いのだけれど、美味しいアクアパッツァを目指すにはプチトマトを低温のオーブンで1時間ほどかけて焼いて水分を飛ばしてから天日で干して自家製ドライトマトを作りたいところ。もう午後になってしまっていたけれど、急いでドライトマトを作ってみた。午後2時頃からになっちゃったけど一応天日にも干してみる。一番日の当たるベランダの手すり付近にトマトを並べた籠を置いていたら……鳥(多分ムクドリ)に食べられちゃった。気がつくと1/3ほどのドライトマトが消えている。

「……うげー、鳥につつかれた……」
「なに?おかーさん、どうしたの?……あららぁ、とりさん、ダメなのにねぇ。なんで食べちゃうんだろねぇ」
ダメなんだから、ぼくがトマト見ていてあげるよ、とか息子は言ってくれたのだけど、もう日も傾いてきていたのでドライトマト屋内に避難。残った2/3ほどのトマトはそれでも汚れていたりはしなかったので、そのまま調理に使っちゃうことにする。ああ、無精しないでちゃんと網籠の中にでも入れておけば良かったよ。

「アクアパッツァ」は「狂った水」という意味のイタリア料理。それを店名に冠した「アクアパッツァ」というイタリアンレストランで食べてから、この料理が大好きになった。作りかたを本で見てから時々家でも作っているけれど、やっぱりお店の味にはなかなかかなわない。

スキレットをガンガンに熱して、塩をたっぷりしておいた魚を並べ入れる。両面こんがりと焼いたらドライトマトとアサリ、ケッパーとオリーブとアンチョビをうりゃうりゃうりゃと放り込み、強火にかけたそのスキレットに水を1カップくらいジャーッと注ぎ入れる。その水が狂ったように跳ねる様が「アクアパッツァ」という名前の由来なのだとか(あとは、狂ったように揺れる船の上で漁師が作った料理だから……という説もあるらしい)。新鮮な魚貝の他は、イタリアの馴染みの保存食(日本で言えば切り干し大根とか魚の干物とか味噌とかというノリだと思う)を使うだけの、けっこう簡単な料理だ。スキレットごとテーブルに出すと華やかだし迫力もあってとても格好良い。

さて、菜の花はさっと茹でてから耐熱容器に並べ入れ、卵を割り落としてパルメザンチーズをガーリガーリと削ってからオーブンで数分焼く。これはCozimaの料理ページで覚えた料理。簡単でちょっとおしゃれで、ほろ苦い菜の花が卵やチーズになかなか良く似合う。あとはちょっと手抜きしてキャンベルのクリームスープ。

アサリもドライトマトもオリーブも魚と共に取り分けながら食べるのだけど、アクアパッツァはちょっとばかり汁(投入する水)を多めにしておくのが我が家でのお楽しみ。熱い鍋に水を注ぐとどんどん蒸発していってしまうので煮詰まらせる加減などがなかなか難しいのだけど(あんまり煮込んでると魚もグズグズになっちゃうし)、このフライパンの底に残った魚介臭い煮汁を御飯にかけて食べるのが私とだんなは大好きだったりする。こればっかりはイタリアンレストランじゃ味わえないことなので、パンをつまみながらビールを飲んで魚をあらかた食べた後、おもむろに冷凍御飯をチンしてもってきて、煮汁をジョバジョバかけてかっこんだ。ちょっと残ったアサリの身とか魚の肉を乗せるとなお旨い。

デザートは、今日の午後作ってみたバナナケーキ。家に買ったり貰ったりしたバナナが先日から妙に沢山あって、食べきれないまま茶色に変色しつつあったのでえいやっと作ってみた。参考にしたのは『ホテルのお菓子とデザート』(横田秀夫・柴田書店)に載っていた「バナナブレッド」のレシピ。著者はパークハイアット東京のペストリーシェフをしている方で、それゆえに「ホテルのお菓子」とは「パークハイアット東京のお菓子」を指している。あー、そうそう、こんなケーキ、ショップにあったあった!というレシピがたくさん載っていて(美味で名高いマンゴープリンのレシピもちゃんと載っていた)、すごく楽しい本だった。いや、価格がすごく高かったので図書館に取り寄せてもらって読んだ本なのだけれども。

で、パークハイアットのバナナブレッド。何度か買ったことがあるのだけどバナナの味が濃厚でクルミの香ばしさもあって、どっしりと重めの生地でなかなか好みだったのだ。あれは、完熟したバナナを薄力粉などよりも多くたーっぷりと使うことでできるらしい。ホテルのあの味そのものはさすがに再現できなかったけれど、かなりみっしりとした重めのバナナブレッドができあがった。軽く泡立てたホイップクリームでも添えて食べたい味のそれを薄切りにして紅茶と一緒に食後につまんだ。さー、明日はお仕事ー打ち合わせー。久しぶりにPower Pointとか使って資料を作ってしまったさー。

1月16日 金曜日
某店で、ほんのりまかない風なスパゲティ
都内某店にて
 魚介のトマトソーススパゲティ(マリナーラ)
 フランスパン
 アイスウーロン茶

今日の午前中は都内某所にあるレストランで打ち合わせ。ひょんな事から私がお店のホームページ作成を担当させてもらえるかもしれないことになっていて、今日は2度目の打ち合わせだ。話がポシャッたら恥ずかしいので、とりあえず「某店」。10時に伺うことになっているのにちょっと寝坊してしまい、
「キャー!息子息子起きてっ着替えてっ、バナナでも食べてっ!」
「おかぁさんはたべないのかなー?」
「うー、食べられたら食べるけどー、ああ、頭もなんとかしなきゃだわー」
と大騒ぎして息子を幼稚園に送り届け、そのまま駅にダッシュ。……小学生とかじゃないんだからもうちょっと大人な行動をしようよ、と我ながら思う。そんなこんなでバタバタしているうちに朝飯は抜き。

まぁ、今日は話も2度目だし、そんなに込み入った話ができる段階じゃないから早く終わるだろう、そしたら錦糸町の気になっていた洋食屋さんに入りついでにファイヤーキング扱ってる雑貨屋さんも見て……と思っていたのだけれど、話が盛り上がる盛り上がる。先方の質問事項に答えて、私もお伝えしたことを伝えて、更には
「あのね、ほんっとに申し訳ないんだけど、この間パソコン変えてターミナルアダプタっての?それも変えたらね、電話とかファックスが全然使えなくなっちゃって……わたし、何かやっちゃったかしら?壊しちゃった?」
とシェフに懇願され(何故か料理長自らそんなことをやっているそのお店……)、機器の設定までやることになった。

「お昼、時間だいじょうぶ?用意するから食べていってよ。パンが好き?それともパスタ?」
「……パスタ!パスタが大好きですっ!パスタいただきます!」
シェフ、その業界じゃ「重鎮」と言っても良いくらいの人なのに、下町のおばちゃんのようなところがある。細かな気遣いをする、世話焼きで気さくな人だ。とっても良い人。まだそう何度も会っていないのに、私はこのシェフがすっかり好きになっている。

で、「錦糸町わくわく雑貨屋巡りと洋食ランチ」の予定が消えた代わりに、作業していた部屋の隣の応接室にアツアツのパスタが用意された。それはそれで、とっても嬉しい。タダ飯タダ飯♪と浮かれながら、それでも作業の合間だったので急いでパスタをかっこんだ。

可愛い長方形のブルーのトレイの上に魚介のスパゲッティーニ。イカと白身魚と海老と貝がどっさり入って、優しい味のトマトソースに和えられている。上からはぱらっとパセリ。脇には温かいパンが2切れと大きなグラスになみなみとウーロン茶が添えられていた。お店で出されるものより明らかにボリュームたっぷりだし、その具沢山っぷりがなんだか「まかない料理」という感じ。早く茹で上がるスパゲッティーニをチャッチャと茹でてチャッチャと炒めたという風な、でも「まかない」と表現するにはとても豪華な、嬉しくなっちゃう皿だった。

わーい、と小声で呟いて、一人応接室でカメラ構えて撮影しちゃったりなんかして、そしてあったかいうちにツルツルツルーッと急いで食べる。シェフはついさっきまで私と一緒にあーでもないこーでもないとケーブルいじくっていたので料理してくれたのは当然シェフではないのだけれども、塩気も魚介への火の入り方も完璧でとっても美味しいパスタだった。

自家製魯肉飯
大根と腸詰のスープ
ターツァイのにんにく炒め
ビール(ウィンターエール)

結局、息子の幼稚園お迎えは30分くらい遅れてしまった。「すみませんっ30分ほど遅れちゃいますっ!」と事前に連絡してから急いで向かうと、ちゃんとバス待ちしているバス通園組と一緒に遊んで待っていてくれた。担任の先生と入り口で会ったので、これ幸いと、いつもはなかなかできない雑談を少々。息子は最近、特定の女の子(仮名ユウナちゃん)とラブラブらしいのだけれど、それについて先生からも色々聞いてしまった。

「ユウナちゃんの方がね、お熱なんですよぅ〜」
「え!?私はてっきり、うちのが女の子の尻追っかけてるのかとばかり思ってました」
「いえいえ。こないだね、お昼の時間にユウナちゃんが泣いてたんですよ。聞いてみたら、"ごはんのとき、おとなりにすわれなかった……"って。"となりにすわろう、って誘ってみなかったの?"って言ったら、"いえなかったのー"ってまた泣いちゃって……」
先生、苦笑い。私も苦笑い。あーもー、いいねぇ青春だねぇこんちくしょう。

夜に帰宅しただんなにそれを話してまたニヤニヤしてしまい、
「あーもー、そういう心持ちって……」
「一体どこに置いてきちゃったんだ私たち、って感じだよねぇ」
「俺たち、汚れちゃったよね……」
「あーもー、甘酸っぱくて見てられないよ!」
とこっちまで照れくさくなってしまいながら語らったのだった。まぁ……がんばれ、息子。

夕御飯は、ここしばらく無性に食べたくなっていた魯肉飯(ルーローハン)を作ってみることに。「魯肉飯」という字面からすると、何だか魚肉の御飯みたいなのだけれど、その実際は「豚バラ煮込みぶっかけ御飯」。醤油ベースの味でコテコテに煮含めた肉を御飯にかけたもので、お店によってヒレっぽい肉だったりデロデロのバラ肉だったりするのだけれど、素朴に美味しい。あまりにその味に魅了され、つい台湾の本屋で中国語記述の『滷肉飯超好吃』なんて本まで買ってきた私たちだった。いや、その本を買ったのは確かだんな。特価119元(420円くらい)。

漢字だからなんとかなるだろう、と思ってはいたのだけど、案外なんとかならないものだったりした。題名とおり、魯肉飯が「客家滷肉飯」だの「北部滷肉飯」だの「素食滷肉飯」だのと何種類も載っていて(魯肉飯と滷肉飯は同じもの、とみて良いらしい)、その材料もパッと見いまいちわからない。料理写真などから判断して、今回は「台南滷肉飯」を作ってみることにした。この微妙に未知なる言語のレシピ、面白いから書いてしまおう。

【台南滷肉飯のつくりかた 】

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材料 (6人分)
蒜末適量
五花絞肉300公克
紅葱頭末75公克
 
 醤油1/4杯
 水450cc
 鮮鶏粉・黒胡椒粉各1/2小匙
 鹽・五香粉各1/4小匙
 冰糖・米酒各1大匙

  1. 鍋中倒入1大匙油燒熱、爆香紅葱頭、蒜末及猪絞肉、加入A料調味拌堰A以小火煮30分鐘。
  2. 食用時、放上魚鬆、糖醋小黄瓜即可。
参考:『滷肉飯超好吃』

わかるようなわからんようなで、わからない単語を1個ずつ調べてみた。なんとなくニュアンスでわからなくもないところもあるのだけど、何しろ「鹽」が読めない。

えっと、まず「蒜末」はにんにくのみじん切りのこととみた。「五花肉」は豚のバラ肉のこと、で、「絞肉」はひき肉。手元にあったのはバラの塊肉だったので、適当にじゃかじゃか切って使うことにした。「紅葱頭」なる葱は、その本の食材説明コーナーの写真によると、ラッキョウのような形状の赤い葱のことらしい。これは長ねぎで代用。あと、小匙大匙の単位は一緒で、「公克」は「グラム」のことらしい。問題は「杯」という単位で、これは大さじ16が大体1杯ということだった。えーと、だから1/4杯は60ccくらい。問題の「鹽」は「塩」のことだった。……うーん、面白いわぁ。

鍋に大さじ1の油を入れて熱し、葱とにんにく、肉を炒めて調味料加えて30分煮込むだけ。最後に「魚鬆」なる乾燥佃煮魚みたいなものと「糖醋小黄瓜」なる漬物を添えよ、とあるのだけどそのへんは無視。煮込み始めるなり五香粉香りが家中にたちこめて一気に異国情緒が漂った。「五香粉」とはその名のとおり5種類のスパイスを混ぜたもので、その主な材料はシナモンや八角(スターアニス)。煮豚にひとふりするだけで中華な香り漂う面白いスパイスだ。けっこう魯肉飯っぽくなってきたじゃなーい、とわくわくしながら他の料理も準備。

冬にも夏にも収穫されるけど、冬に採れるものは地べたに這いつくばって花のように大きく広がる中華野菜、「ターツァイ」が安売りされていたので、昨日買ってきた。冬の方がどっしりと濃厚な味がしてその縮こまったような深い緑色の葉が美しくて私は大好き。これはたーっぷりのにんにくと共に炒め物に。鶏がらスープに大根を入れただけの簡単スープには腸詰めを輪切りにして加えてみた。ビールと青菜炒めと魯肉飯なんて、いかにも台湾で見かけそうな夕御飯。あとシジミの醤油漬けとかカラスミとかもあったら良かったかなぁと思いつつ、でもここで時間切れ&力尽き。

豚バラ肉はもうちょっと煮込んでも良いかなといった風情だったけれど、味はかなり台湾のそれを思い出させてくれるものだった。上にキラキラと浮いた溶けた脂ごと煮汁と共に肉を御飯にぶっかけ、テラテラ輝く濃厚な肉とタレを御飯を混ぜつつかっこむ。かなり濃厚な味のものなので、どんぶり飯などにはせずに、小碗に1杯。そしてごく軽くもう1杯。

明日は関東平野も雪?数日前から「自由が丘に行くんだー」と楽しみにしていたのに、雪?
そう、私は楽しみなイベントであればあるほど天候が荒れる女で、確か去年のお盆は「数日間だけオープンするすんごく美味しいかき氷屋さんに行くんだもんねー」と前々から言っていたら見事にその期間全てが大雨だったり激寒だったりしたのだった。友人と美味しいフレンチ食べに行ったときも冷たい雨が降ってきたっけ。もしかして、またダメなんでしょうか神様……。

1月17日 土曜日
……あーあ、買っちゃった……(しかもこんなに)
「松下」のうどん(あつあつ)
自家製魯肉飯
麦茶

今日は外出の予定だったのだけど、天気予報では「雪」。千葉も雪なら東京も雪。多分それほど積もりはしないのだろうけれど、万が一大雪になっちゃって電車が止まりでもしたら大変なことになってしまう。今日のお出かけは中止になった。……ちぇ。

朝起きると、ちょうど雪が降り出したところだった。息子はすっかり喜んじゃって
「ゆきゆき!ゆきゆきだ!ゆきつもったら、ぎゅーってして、おかぁさんにぶつけちゃうんだぁ……」
などと不穏な事を言っているけれど、反対に私は「あああああ、やっぱり……」と肩を落とす。まぁ、こんなに寒いと外出する気力も失せちゃうっていうか。

幸い、その外出取りやめの悲しさを打ち砕くがごとく、数日前にあれこれ注文したりネットオークションで落札したりした品物が同時に3箱我が家に届いた。今日の写真は、本日届いた、私が初めて手にしたファイヤーキングのお皿たち。

一気に届いちゃったもんだから、なんかこう「初めてのファイヤーキング」という感慨が薄くなっちゃったけど、嬉しいことに代わりはない。やってきたのはホワイトとアイボリーのDハンドルマグ(どちらもほんのり使い古しな感が漂っていて、その分安かった)、ちょっと安売りしていたジェイド(翡翠色)のベリーボウル、同じくちょっと安売りしていたホワイトのチリボウル、そしてなんといっても一番の一目惚れだった「ブルーモザイク」というシリーズのスナックセット(楕円のプレートとマグのセット)。ちなみに、一番高かったスナックセットは6800円だった。ちょーっと(ちょっと?)散財してしまったけれど、やっと物欲が減少傾向に。あとは多くは望まない。ターコイズブルーとジェイドのDハンドルマグと、願わくばブルーかブルーモザイクのディナープレートがあれば……(←充分高望み)。

アメリカで50年くらい前に一般家庭で広く使われていたという、耐熱ガラス製の食器ファイヤーキング。ひんやりとしたガラス特有の手触りと、マグの分厚くツルリとした口当たりはとってもとても良い感じ。フォークなどを強く擦りつけたりしてしまうと悪い意味でのガラス特有なキュキキッとした手応えがあったりもしそうだけれど、でもとりあえずはとっても満足。マグなどはちょーっと黄ばみなどの汚れが目立っていたので食器洗浄機で綺麗に洗っちゃってから更に漂白剤にも浸けちゃったりして(乱暴かしら……)。使うのは明日から、かな。

朝御飯は、息子の
「うどんが、いーんじゃない?うどんがいいと思うよー」
との提案により、讃岐うどん。千趣会の冷凍もの。息子は冷たいうどんに冷たいだしの「ひやひや」、私とだんなはこの寒さが堪えてしょうがないので「あつあつ」。昨日から煮込まれていた魯肉飯がいかにも美味しそうに煮含められていたので、さらさらっと御飯にかけてそれも食べることにした。
「ラーメンライスって感じだね」
「……うどんと魯肉飯って組み合わせもどうかと思うけどね……」
とか言いながら、うどんをずるずる、魯肉飯をガフガフ。

今回の魯肉飯は、豚バラ肉の塊をざくざく切って作ったのだけど、ちょっと刻み方が荒すぎて「魯肉飯」より「豚角煮ぶっかけ御飯」と言うほうが近いんじゃないかという外見になってしまった。煮汁はまだたーっぷり残っているので、改めてもうちょっとひき肉っぽい肉を使ってリベンジしたいなぁと思う。また豚バラ買ってこよう……。

稲毛 「トラットリア ヴィーノ」にて
 4種のチーズのピッツァ
 一口ビール

ちらちら雪は降ってくるけど一向に積もる気配もなく、ヒマヒマな私たち。CDかけていたら何だか歌いたい気分になってきたのでカラオケに行くことにした。ほんのり空腹な状態だったのでカラオケ前に腹ごしらえ。

「あー、なんか、パスタが食べたい……」
というだんなの意見で、近所のイタリアレストラン「トラットリア ヴィーノ」に行くことにした。値段も安めでカジュアルな雰囲気の、ご夫婦2人でやっているような小さなお店だ。店名のとおり(ヴィーノとはイタリア語でワインのこと)、イタリアワインの品揃えも豊富みたい。夜には煮込み料理もけっこうあって、小皿料理もいろいろ品揃えがあるらしい。……でもまだ、昼にしか行ったこと、ないんだ〜。

このお店でありがたい存在なのが800円のランチセット。3種類から選べるスパゲティとサラダとドリンクがセットになって800円。だんなはこのランチセットで、スモークサーモンとルッコラのクリームソースパスタを注文。私は息子と一緒にピザをつまむことにし、
「どれにする?……これはね、生ハムとチーズ。こっちはハムとか玉ねぎとか、いろいろ。一番下はチーズだけ4種類」
と息子に相談。「チーズのがいいなぁ!」の一言で4種のチーズのピザにしたのだけど、良く見たらこれが一番高い値段だった……(贅沢だわ、息子……)。

このお店のピザは薄っぺらくてパリパリで、なかなか美味しいと思う。4種のチーズのピザは、私も大好き。やってきた香ばしいパリッパリのピザをつつきながら、だんなのパスタとも交換しあい、
「えーと、ゴルゴンゾーラだよね、あとこのへんがモッツァレラでしょ、全体にパラパラッとかかっているのがパルミジャーノで……」
「……あと1種類、なんだろ?」
「……わからん……グリュイエールみたいなセミハードのチーズとか……?」
「あー、わからんわからん、わからないのが気持ち悪い。なんだろなんだろ」

あれこれ食べながら話した後、御主人に「で、4つめのチーズって何ですか?」と聞いてみた。答えは燻製チーズ、"スカモルツァ"とのことだった。お店によって使うチーズも色々で、このピザはシンプルな外見ながらどこで食べてもたいてい美味しい。このお店の、ゴルゴンゾーラの青カビ臭さがビリリッと効いたピザもすごく好みな味だった。

さらさらっと昼御飯を済ませた後、フリータイム制のカラオケボックスに行って2時間半思う存分熱唱。今、だんなも私も鬼束ちひろの「私とワルツを」を練習していて、
「あー、むずかしい、もう1回……」
「私も1回……」
と3回も流しては一緒に歌ってしまったりした。息子をけしかけながら「アンパンマンマーチ」とかも歌ってみたり。

そんなことをしていたらあっという間に5時になり、
「うー、さみさみ」
「今日は鍋だな」
「豚味噌鍋……いや、すき焼きかな」
「いやー、肉っていうより、こう淡泊な……湯豆腐、とか」
「湯豆腐!それ!決定!鱈が安かったらなお良し!」
きゃあきゃあと駅ビルでお買い物して帰ってきた。鱈は特売品になっていた。いぇーい。

湯豆腐(絹ごし豆腐・鱈)
滷蛋油豆腐
魯肉飯バージョン2
日本酒(秋田・がっこ)
麦茶

そういう次第で、夕飯は湯豆腐。冬の鍋料理には、なんといっても日本酒。先日、「ぬる燗につけると旨いです」という、その名も「がっこ」(秋田弁で「漬物」のこと)という日本酒を買ってきてあったので、お勧めどおりぬる燗でいただくことに。土鍋に昆布と水を入れ、ざく切り豆腐を入れて温め、一口大に切った鱈も加えつついただく。

「……湯豆腐につけるのって……ポン酢、とか?」
私の母は「豆腐と魚だけの鍋なんてイヤよ、辛気くさい」という人だったので、私は実家で湯豆腐を食べたことがなかった。で、外出して食べるものでもなかったので、ゆえに結婚するまでは湯豆腐と無縁の人生を送ってきていた。あー京都に修学旅行に行ったときには食べたかな、くらい。だからあんまり「湯豆腐とはなんぞや」ということに詳しくない。ていうかわからない。

「違うよおゆきさん!湯豆腐にはね、醤油に刻み葱と鰹節をたっぷり入れたものを用意して、それをつけながら食べるんだよ!ポン酢じゃないって、葱おかか醤油だって、絶対」
対するだんなは、「冬には湯豆腐よねー」という家庭で育っていた。もう絶対に葱おかか醤油が添えられるのだそうだ。四角いおでん鍋がちゃんとあって、そこに豆腐と鱈をたっぷり入れてくつくついわせつつ食べたのだとか。

湯豆腐だけじゃ物足りないかな、と、昨夜に魯肉飯を作った時に見ていた『滷肉飯超好吃』という本に載っていた新たな品「滷蛋油豆腐」も用意することにした。なんてことない、厚揚げとゆで卵を魯肉飯のタレに漬けるだけの料理なのだけど、テラテラと茶色に光る卵や厚揚げの写真がえらく美味しそうで、豆腐買うついでに厚揚げも買ってきてみた。

鍋とお燗の準備する間にゆで卵と厚揚げを茶色い煮汁にとぷんと漬けておく。ついでに肉も足そうと、新たに買ってきた豚バラ肉の塊をフードプロセッサーでぎゃんぎゃん砕いてそれも一緒に煮ておいた。ひき肉を買ってきてしまうと細かすぎてしまうような気がして、フードプロセッサーで粗挽き状態のひき肉にしたのだけど、これがけっこう「そうそう、魯肉飯って、こんな感じの肉だったよ」という粒になってますます美味しそうな外見に。

かくして、中華なスパイス臭い煮物が少しと湯豆腐という組み合わせな夕御飯に。湯豆腐食べている間にひき肉足して煮込んでいた魯肉飯用の肉もますます美味しそうになったので、鍋の後にそれも食べる。
日本酒「がっこ」は、すんごく辛目な力強い酒だった。「いぶりがっこにも合いますよー」というふれこみだったのだけど、確かに燻製臭の強いいぶりがっこに負けない風味を持っていると言えるかもしれない。くっぴくっぴと日本酒酌み交わしつつ、豆腐と鱈をおおいに食べた。

「ね?美味しいでしょ湯豆腐。鱈入れると、すんごく美味しいでしょ?」
「……でもさ、だんなはさ、煮魚嫌いだったじゃない?焼き魚と刺身ばかりが好きだとばかり思っていたよ、私は」
「いやー、濃い味で煮つけた魚はさ、なんかこうパサパサした感じのが多くてそれが苦手なんだけど、湯豆腐の鱈は美味しいじゃん!ホクホクじゃん!もうさ、どのくらい美味しいかっていうと、"ウマーッ!"ってくらい美味しいじゃん」
「……わからないよ……」
"ウマーッ!"がどのくらいの旨さなのかはいまいちだんなと一体感を感じられなかったものの、鰹節風味の醤油をとぽとぽかけて食べる豆腐は確かに美味しかった。ホクホクな鱈も。辛い日本酒も。

1月18日 日曜日
焼き餃子。今日はとりわけ美味しかった〜
中華ちまき
プーアル茶

降る降る言っていた雪も結局少しも積もらず、寒いけれどもすっかり晴れた日曜の朝。
「さーて、何食べようかなー」
と冷蔵庫を開けて、非常にヤバいものと目が合ってしまった。

あー、あれだあれだ、年末にいただいて、年末年始の休み中に食べようと思っていたけどうっかり忘れちゃってて、年が明けてから気にはなっていたけど、だんなが忙しくて帰ってこなかったり帰ってきても白い御飯を炊いちゃったりしてまた忘れてしまっていた……中華ちまき。年末にいただいたものだから、"20日もの"というところだろうか。
「匂いチェック、OKでーす」
「……大丈夫、だよね」
「うん、こういうのってけっこう味がしっかりついていたりするから……」
戦々恐々と蒸してみたのだけど、ぜーんぜん問題なかった。美味しくいただく。

これを作ってくれたのは、だんなの友人のお母さん。年末にお会いしたとき、「お裾分けー」と3個のちまきをいただいたのだった。ちまきを蒸かす間にお湯を沸かしてプーアル茶の準備。しっかり濃いめの黒々としたプーアル茶が茶碗に注がれた頃、ちまきも蒸し上がった。

甘辛く煮込んだ豚肉と、カリカリッと香ばしいピーナッツがたっぷり入ったちまきだった。もちもちと弾力のある餅米も甘辛くしっかり味が染みていて、椎茸なんかも入っている。いかにも「おっかさんの味」といった風なちまきで、すんごく美味しかった。ああ、早くちゃんと食べてあげれば良かったよ……漬物の陰にしまっておいてて、ごめんちまき。

「吉野家」の牛丼(並)・半熟卵
麦茶

だんなは午前中、スポーツジムへ。私は特にすることもなく、明日でも良い仕事を今日やってしまったりしていた。数時間後、運動終了しただんなから
「今から帰るけどー、昼飯どうする?」
と連絡が。
「牛丼……ですかね」
「牛丼……ですね」
と意見がすぐに一致して、お昼御飯は吉野家の牛丼を買ってきていただいた。何しろ、あと数週間したらアメリカの狂牛病騒ぎのあおりによって、この牛丼が食べられなくなるのだ。吉牛好きとしては、この味を忘れないように食べておけねばならなかった。

「君はさ、吉牛好きとしては当然食い納めに走っているわけでしょ?」
想像に難くはないのだけれど、牛丼がふがふかっこみながらだんなに聞いてみる。もうもうそりゃあもう、いつもの昼食に仕事が忙しくて夕飯の時間に帰れない夕食にと必死になって吉野家に通っているらしい。
「わかってる、わかってるんだよ、それがまた吉野家の牛丼の寿命を縮めてるのわかってるんだけど、でもね〜」
とか言いながら、ここ1ヶ月くらいはすごく頻繁に吉野家に通っているのだそうだ。

「吉野家を愛する者としてはさ、やっぱり牛丼が消えちゃっても通うわけですか?」
更にインタビュー。
「あたりまえじゃないか!他の商品をちゃんと食べて、吉野家の火を消さないようにと!吉牛を愛する者としてはこの危機を共に乗り越えないと!」
もう、熱い熱い。愛されてるのね、吉野家……。

存亡の危機にある吉牛は、でもいつも通りの味。私のにはやけに玉ねぎが多くて、だんなのにはやけに玉ねぎが少なくて、
「……盛りつけ、へたな人だったのかしらん?」
「うん、なんかね、研修中みたいな女の子が盛りつけてた」
と丼から丼に玉ねぎを移動してみたりしながら美味しくいただいた。半熟卵がかなり旨いんだなこれがまた。

だんな特製 焼き餃子
羽釜御飯
ビール(モルツ)

夕飯は、餃子。昨日お買い物しながらあれ食べたいこれ食べたいと話し合い、そういや餃子はしばらく食べていなかったねと豚ひき肉や白菜を買ってきた。

もうね、とにかく餃子だけをお腹一杯食べたいからね、と、た〜っぷりの餃子を作る。2袋買ってきた皮が足りないほどの具になってしまって、包んでる途中でだんながもう一度スーパーに行ってしまったほどのたっぷりな餃子を作った。サラダも副菜もなんにもなし、とにかく餃子だけ、あとはビールと御飯のみ。ストイックなまでの餃子の夕べだ。えへへへへ、わくわくするねぇ〜。……ていうか、我が家での餃子はいつもこんな感じに「ひたすら餃子」というのが多い。

「その料理をより好きな人間がその料理を作るべし」の掟にのっとり、我が家の餃子担当はだんな。もうここ3〜4年はだんなが1人でタネを作ってくれていて焼いてもくれるので、私は包む工程だけをお手伝いしている状態だ。以前は白菜を茹でてからフードプロセッサーにかけ、それを布でくるんでギュウギュウとこれでもかと絞ったものをタネに加えていたのだけど、最近は生のままフードプロセッサーにかけ、それに塩をして少しおいてから水分をぎゅうぎゅう絞って加えている。こちらの方が簡単で、しかも味にあんまり差はないような気が。

できあがった餃子は65個くらい。だんながスキレットをカンカンに温めて焼いては皿に盛りつけ、焼いては皿に盛りつけ、更に焼いては皿に盛りつけ、と3回に分けて出してくれた。ビール2缶をプシプシあけつつ2皿食べて、最後の1皿は御飯と共に。1回目は焼き色がちょっと甘くなっちゃっていたけれど、2回目3回目の焼き方は、もう完璧。適度に下味のついた野菜たっぷりのタネに、香ばしい胡麻油の風味。こんがりパリッと焼けた皮。

「おいしい!今日のはこれまた、めっちゃめちゃ美味しいよー」
「もうね、大袈裟じゃなくて、他の店に餃子食べに行かなくてもいいやー、って思えちゃうよ〜」
なんて言ってしまいながら、これでもかと食べた。食べて食べて、結局「残ったら冷凍しようね」と言っていたのに残りゃあしなかった。なにしろ息子が「おいしいおいしい」と16個も平らげちゃったものだから、おかあさんとおとうさんはびっくりさ。