食欲魔人日記 03年10月 第3週
10/13 (月)
洋食斉藤(錦糸町)にて、ハンバーグシチュー。でかっ (昼御飯)
「ミスタードーナツ」にて
 ハムタマゴパイ
 エンゼルクリーム
 氷コーヒー

「あと1点で、グッズがもう1つ貰えちゃうよ」
と、ミスタードーナツの思惑にまんまと乗せられている私たち。なんでか知らないけど、このところやたらとミスドづいていて、既に10点分のスクラッチカードが手元にあったりする。で、更に9点分のカードも溜まっているのであった。別に今月のグッズ、たいして欲しいものじゃないんだけどなぁ……なんて言いつつもミスドの思う壺な行動をしてしまう。こんなにドーナツが恋しいなんて、体内を微量に流れるアメリカエキス("名古屋液"と似たようなものかもしれない)が何か反乱でも起こしているのだろうか。ドーナツ屋に入ると、「あ、でも甘いもの2個はいらないや……」と、甘さ控えめ(でもカロリーはでも高そう)なものをつい注文してしまうにも関わらず、なかなか食べ飽きない。

今日は錦糸町にお買いものに行こうということになっていたので、出発前に駅前のミスドに家族揃ってぽてぽてと出かけていき、朝御飯にした。新商品のハムタマゴパイと、この店でのだんなの最大の好物、エンゼルクリームを。息子が食べていた「D−ポップ」(6種類の一口丸ドーナツのセット)が妙に旨そうで、「よし、次回はこれだ」と密かに誓ってみたりした。

錦糸町 「洋食 斉藤」にて
 ハンバーグシチュー \1,000
 ライス(小) \150

錦糸町お買い物の目的先は、ヨドバシカメラとユニクロとJ-PHONEショップ。どれもわざわざ錦糸町に行かなくても良さそうなものなのだけど、
「いつも千葉駅方面ばかり行ってもねー」
「なんかつまらんのよねー」
「……美味しい洋食屋に行きたい気分なのよね」
「あー、わかるわかる。ハヤシライスとかね」
「デミグラスソース系の味が無性に食べたくて、最近」
と、だんなと意見の一致を見、とりあえず東京方面に行ってみようかということになったのだった。東京まで行かなくても、錦糸町あたりで用は足せるのじゃないか?と、市川にあるヨシカミ(本店浅草の支店)はどうかなー、とか、錦糸町に美味しそうなところはないかなー、などと出発直前にちょっとだけ調べてみた。

「錦糸町」「洋食」なんてキーワードで探してみたところ、ハンバーグが美味しいと評判らしい「洋食 斉藤」というお店が気になった。メニューの基本はハンバーグで、1ヶ月もかけて作ったデミグラスソースが自慢のお店らしい。おお、いいねいいね、デミグラスソースだってよー、と、この店に行ってみることにした。

早めに家を出てきてしまったので、12時前には全ての用事が終わってしまった。確かこのへんにお店があったと地図で見たけど……と、適当にお店を探して歩いてみたものの、なかなかそのお店が見つからない。タイミングが悪いことに、雨も降ってきた。
「店の場所をざっと画面で見てきただけだから……ちょっと離れた場所にあるのかも」
「駅前に"つばめグリル"があったから、そこでもいいか……」
と諦め気分が盛り上がってきたところ、前方の看板を見上げるとそこに「洋食斉藤」の文字。あー、デミグラスソースの神様どうもありがとう。

店の前に到着したのが11時53分。週末の営業は12時からだということだったので、雨を避けつつ店の前で待ってみた。私たちが本日最初のお客。開店するなり3組ほどのお客が次々とやってきた。店内はほんのりと薄暗く、どこかロッジのような雰囲気。テーブル席が5つほどにあとはカウンター席の、広くはないお店だった。店のご主人が一人でハンバーグを焼いていくので、出てくるのにけっこう時間がかかってしまうらしい。なんでも、注文が出てからハンバーグの成形から始めるそうで。

私は、「牛乳とデミグラスソースを煮込んだ当店のみの味」と紹介されていた「ハンバーグ・シチュー」を。だんなは「玉ねぎとマッシュルーム入りデミグラスソース」をかけたものだという「ハンバーグ・シャッスール」を。ライスや味噌汁は別注文、更に自家製のコーンスープ(お米入り、なのだそうで)などもある。サラダも数種類、揚げ物類もある。チーズを挟んだチキンカツ、というのもなんだかとても美味しそう。
ハンバーグメニューは、他にも、ミモザ(ゆで卵を散らしたもの)、オランダ(ゴーダチーズを乗せたもの)、CM(チーズの下にマッシュルーム入り)、チポラタ(玉ねぎとハム入りのデミグラスソース)などというのがあった。他のお客さんのオーダーを聞くともなしに聞いていると、ビールやワインなどのアルコールをサラダなどと一緒に注文し、それらを飲み食いしながらハンバーグを待つ、なんて事をしている人が多いようだった。アスパラサラダが人気らしい。あちらこちらでその注文が聞こえてきた。あとは当然ハンバーグ。

お米入りのスープは、ちょっと独特なとろみのある面白い食感のものだった。コーンの味がしっかりするけれど、缶詰のクリームコーンの甘ったるさは全然ない。玉ねぎなどの野菜もたっぷり入っているように思われる、優しい味のスープだった。のんびりスープを飲んで、更にのんびりと待つ。ハンバーグがやってきたのは、注文してから20分ほど待った頃だった。
「鰻屋みたいだねぇ……」
なんて、笑ってしまう。メニューのあちこちに「時間がかかります」的な事が書いてあったので覚悟はしていたけれど、本当に1個1個丁寧に作っているようだ。

やってきたハンバーグシチューは、かなりの迫力だった。茶色がかったクリーム色のソースがたっぷりとかけられたその下には大きな平たいハンバーグ。スパゲッティと甘く煮た人参、ソテーしたいんげんが添えられている。このハンバーグシチュー以外のハンバーグメニューは、アツアツの鉄皿に盛られてやってくる。ジュウジュウ音を立ててやってきただんなの「シャッスール」も濃褐色のデミグラスソースがつやつやと光っていて、これまた美味しそうだった。

ハンバーグは、とても優しい味。あまり肉の粒が感じられない(私がハンバーグを作ると、どうもざっくりしすぎたものになってしまうのだけど)、どちらかというとふわっとした感じのハンバーグだ。適度に玉ねぎが混ざり、ナイフで切ると肉汁がじゅわじゅわと出てきて、かなり良い感じ。ソースの味もとんがったところがなくて、全体的にまろやかーな味のハンバーグだった。

この近辺で気になるなぁと思っていた店がもう1つあったのだけど(錦糸町ではなかったのだけど)そのもう1店の値段のあまりの高さに(ハヤシライスは3500円、ビーフシチューは4500円だそうで……)、そこに行くのは止めたのだった。ハンバーグも含め、この手のものは800円程度だったら嬉しいし、1000円だったらまぁ妥当かなとも思えるけど、2000円超えたらさすがにちょっと考えてしまう。このお店は、高めの品であるハンバーグシチューで1000円、普通のハンバーグなら850円。御飯は別料金だったけれど、充分満足できる内容だった。今度はアスパラサラダとビール注文して、チポラタかミモザを食べてみようかなぁ〜(すっかりまた来る気)。

だんな特製 ニラ餃子
だんな特製 簡単中華スープ
羽釜御飯
ビール

「常夜鍋」をしようと、昨日のうちに豚薄切り肉やほうれん草を買ってきたのである。だが、今日は異様に蒸し暑かった。数日前は今シーズン最初の暖房をつけたというのに、今日は除湿モードと冷房モードを切り替えつつクーラーをつけている。半袖で歩いていても少しも違和感のない気候だった。
「鍋って気分じゃなくなっちゃった……」
「じゃあ餃子やろ、餃子」
なんで「じゃあ餃子」になるのかわからないけれど、だんなは餃子が食べたかったらしい。昼食を摂ったあとはとっとと帰宅したのだけど、駅ビルでひき肉と白菜と餃子の皮を買ってきた。帰ってきた途端に、小雨だった空模様は一気に土砂降りに変化。見つからなかったお店が諦める直前で見つかったり、小雨に遭遇しても大雨には遭遇しなかったりと、今日は小さく色々とついている。

というわけで(どういうわけで?)、今日は餃子。我が家の餃子担当のだんなが、せっせとタネ作りをしてくれた。いつもは白菜を茹でてからフードプロセッサーにかけ、絞ったものを肉に加えて練るのだけど、今日は生の白菜を使用。茹でたアツアツの白菜を絞るのは毎回とても大変で、「生のままの白菜じゃダメだろうか」「水分が後で出て来ちゃうしねぇ」とあれこれ考えた結果、
"生の白菜をフードプロセッサーにかけ、塩揉みした後、水にさらして塩抜きし、絞る"
という手法をとってみることにした。茹で白菜とどのくらい味が変わるのか、やってみよう!ということで。にんにく嫌いな母のためににんにくは使わず、代わりにニラを1束入れた。300gのひき肉に1/4の白菜、1束のニラを使って作ったタネは、見事に緑色。肉より圧倒的に野菜が多い餃子になった。

包むのは私も一緒に。私も餃子は大好きだけど、普段はなかなか作る気になれないのは、「一人で餃子包んでもなんか空しいから」という理由が大きかったりする。こういうのはせめて2人か、できれば4人くらいでわいわい言いながら包むのが楽しい。結婚してから包んだ餃子の個数は多分1000個くらいにはなってるはずで、だからかなり早くなったし上手にもなった。私は左と右の両方から内側に向かってヒダを倒すけど、だんなのは左か右の一方方向だけにヒダが向いている。そっちの方が安定感があるかも、いやいやこっちの方が綺麗かも、なんて言いながら包むのはけっこう楽しい。

できあがった餃子は皮パックを2袋使って52個。昼食時には
「あんまりお腹すいていないからねー、あんまりいらないのよー」
とスープしか飲まなかった息子は、これでもかと餃子をもりもり食べていた。8個、いや、10個くらいは食べたかもしれない。母よりたくさん食べていた。
初めてやってみた塩もみした生の白菜を使った餃子はいつものものと比較してほとんど遜色なく、却って野菜のシャキシャキした食感が感じられ、その割に水っぽくもなくて美味しくできた。もとより、だんなの餃子焼きの腕も隨分上達した。
「いやー、美味しいね!もう、餃子はだんな以外には任せられないねっ。私の腕なんか、とてもとてもー」
とか言うと、だんなはすごくイヤな顔をするけれど(いや、でもホントに美味しいのよ……)。

10/14 (火)
今期初鍋は、「常夜鍋」 (夕御飯)
バタートースト
3日目のクラムチャウダー(アウト)
アイスカフェオレ

運動会の振替休日ということで息子の幼稚園はお休み。ちょうど良いというかちょうど悪くというか、ここ数日の気候の変動からか息子は少々微熱気味。寝かせておいて、だんなと2人で朝御飯にした。

一昨日の夜に作ったものではあったけど、朝晩ちゃんと火を通していたクラムチャウダー。残りはほんのカップに1杯程度のものだったのだけど、それを半分ずつに分けてスープカップに注ぐ。トーストも香ばしく焼け、お供にアイスカフェオレ。うーん、良い感じ〜……とスープを口にしたら、イヤな酸味と苦みが舌に広がった。
「……ヤバくない?この味」
「ヤバいというか……アウトー!って感じ」
「アウト……だね」
「完全にね」
牛乳を使ったスープは日持ちが悪い。魚介を入れるとなおのこと悪い。わかってはいたので気をつけてはいたのだけど、また失敗してしまった。残ったスープは冷蔵庫にでもしまっておけば良さそうなものだけど、冷蔵庫にそういう場所を作り出すのがなかなか大変だったりして。
かくして、スープカップはそそそと流しに移動させ、トーストとカフェオレのみというちょっと寂しい朝食になった。こういう時のために、今度カップスープを購入しておこう……。

微量に悲しい朝食だったけれど、数十分後に出勤しただんなから朗報が届いた。
「駅前の、閉店した飲食店跡地で吉野家開店準備中!」
ずっとずっと、「我が町には、けっこういろんな飲食店が揃ってるけど、吉野家だけはないのよね(でも"松屋"はある)」という状況だった我が町最寄り駅、ついについに吉野家ができるらしい。
「神様っているんだね」
「吉野家の神様がついに降臨したね」
と、今日の我が家は大フィーバー。いや、なにも吉野家でそこまで、という感じではある。

餃子の残りダネのチャーハン
冷茶

風邪気味息子は、「寝てろー」と言ってるのにちょこちょこと起き出してパソコンで遊んでみたりプラレールで遊んでみたり。食事したら少しはおとなしく寝てるようになるかしら、と、早めの昼御飯を作成。昨夜の餃子のタネの残りがあったので、チャーハンにすることにした。豚ひき肉とニラと白菜という内容だったら、チャーハンにしても全然不自然じゃなさそうだし、チャーハンだったら息子の大好物だから少しは食べてくれそうだし。

ほぐしながら餃子の残りダネを炒め、適当に火が通ったところで卵を割り落とす。卵を崩しつつ御飯も混ぜ、塩胡椒と醤油で適当に味付けしつつざっかざっかと炒めたらできあがり。数口でも食べてくれれば、と思っていたところ、息子はたっぷり1膳をぺろりと平らげ「喰ったから、寝る」とばかりにその後すぐに布団に入って寝てしまった。

ニラが異様にたっぷりだったり、生姜が妙にがっちょりと効いていたりしたけど、このチャーハン、案外と悪くない。最初は「ハンバーグみたいに成形してこんがり焼いて、御飯に乗せて醤油垂らして食べたら旨いかもしれない」と思っていたのだけど、チャーハンもなかなか良い感じだ。スープにしたり、冷凍パイシートで包んで焼いたりしても美味しいかもしんない(でもいつもは、タネが余るより皮が余っちゃう方が多いのよね……)。

常夜鍋
 うどん
ビール

今日はいーい感じに寒くなり、今期初の鍋料理に。久しぶりのカセットコンロと土鍋を棚から取り出して、初鍋は一番簡単お手軽な「常夜鍋」に。たまたましゃぶしゃぶ用豚肉とほうれん草が近所のスーパーで一昨日あたりに安売りされていたのだった。

「常夜鍋」と一口に言っても、その内容は各家庭で色々らしい。我が家はだんなの実家で食べていたというものを受け継いで、豚薄切り肉とほうれん草、それに"ミツカンごましゃぶ"の組み合わせだ。土鍋に昆布をぺろっと入れて水入れて火にかけ、そこにほうれん草と豚肉をどかどかと放り込んでは"ごましゃぶ"つけて食べるだけ。ただそれだけだ。スープがほうれん草のせいで綺麗な緑色に染まってしまったりするけど、これにうどんを入れてもけっこう美味しい。うどんなら風邪ひきの息子も食べられるかな、と、息子にうどんを食べさせながら私たちは肉とほうれん草をもりもりと食べた。大人3人で700g強の豚肉と2束のほうれん草が消え失せる。葉野菜をこれでもかと摂取できるのが鍋料理の嬉しいところだ。

「れん草は、やっぱり豚肉と一緒に常夜鍋って感じなのよねー」
「白菜は、味噌鍋にするのよねー」
「キャベツは断然水炊きなのよねー」
鍋料理はいいねぇ……とうっとりしながら食べまくる。あったまっていいねいいねと言いながら、最後は汗をかきはじめてしまって窓全開にしていたりして。

10/15 (水)
朝食はフレンチトースト〜
フレンチトースト ハチミツがけ
牛乳

季節の変わり目にはどうしても体調が崩れがちになるけれど、息子は今日も風邪模様。熱はないけど、喉が大変なゲレゲレ状態。
「お"があ"ぢゃ〜ん……ごえ"がね"、な"んが、ぢょっど、べん……」
愛らしいはずの息子の声は、魚河岸のオヤジな声になっている。今すぐアメ横に連れてってマグロでも売っていただきたい感じ。

だんなは朝食を摂らずに早めに出ていってしまったので、私は息子と2人で遅めの朝御飯にした。
「なに食べたい?食パンがあるからサンドイッチとかジャムトーストとか……」
と息子に尋ねてみる。

「ぢゃーはん"」
チャーハンねぇ……でもあんまり具にできるものがないよ。
「じゃあね"、らーめ"ん」
ラーメン……ますます材料がないよ……。
「んどね"、づめだい、う"どん」
麺がいいのね……。
そうかー、麺がいいのかー……うどんにするかな、と食材棚や冷蔵庫を見ながら考えていると、「あ"、やっぱり"ね、パンがい"い"な。ばぢみづ、づげだいな」と別の意見が出された。あー、ハチミツつけたパンね、だったらフレンチトーストにしようか、と、久しぶりのフレンチトースト。ちょっと固くなりつつある食パンがあったのでちょうどよかった。

卵を溶いて牛乳を加え、砂糖をちょろっと加えて混ぜたらパンを浸しつつ焼いていく。フライパンにはバターをたっぷりと。両面こんがりと焼いたらすかさず盛りつけ、上からハチミツをたらーんと垂らしかける。ホットケーキやフレンチトーストにハチミツをかけるのは贅沢なことだし美味しいのだけど、ちょっとその甘さがくどく思われるときもある。安っぽい軽い味だけど、市販のホットケーキシロップはやっぱり適度にバランスの取れた味なのかもしれない。でも今日は、息子の喉がゲレゲレだということもあり、喉に優しそうなハチミツを彼にはちょっと多めにかけてやる。

食べているうちに少しは楽になったのか、
「牛乳のむとねー、のどが、ちょっとだけラクになるんだよー」
なんて言いながら彼はぬるめに温めた牛乳をぐびぐびと3杯一気飲みしていた。風邪ひいてても牛乳たっぷり飲んで腹下ししない君はけっこうすごいと思う。喉が痛いときにはハチミツのお湯割りとかコンデンスミルクのお湯割りも美味しかったりするね(そしてトドメは大根の水飴漬け)。

総菜屋さんの
 タコサラダ
 きのこのキッシュ・魚介のキッシュ
 かぼちゃコロッケ・カレーコロッケ
茹でアスパラのミモザ風&アンチョビマヨネーズ
刻みキャベツ
食パン
ビール
葡萄
カフェオレ

今日は仕事が詰まっててだんなの帰りは遅くなるらしい、という話だったので、
「息子が風邪だし、私は外出できないから適当なお総菜か食材買ってきてくれる?肉か魚があればいいから」
と母に伝えておいてみた。買ってきてくれたのはコロッケとかキッシュとか、あとはチーズとか焼きたての食パンとか、全体的に油と乳脂肪コテコテといった感じのもの。母の食べ物の好みは、もしかしたら(いや、もしかしなくても)私よりも若者寄りだ。

だーかーらー、息子は風邪だと言ってるのに、どーしてどーしてそういう胃にもたれるものを買ってくるのよママン?と頼んだのは私だけどついママンに愚痴をこぼしてしまいつつ夕飯の準備。遅くなると言っていただんなも帰ってこられることになったので、冷蔵庫内の野菜なども出しつつ品数を適当にそろえた。

長さ10cmほどのミニアスパラがあったので、さっと茹でる。全部をマヨネーズで食べるのも芸がないなぁ……と、2つに分けて、片方には刻みゆで卵を散らした上からマヨネーズをかける。もう一方にはアンチョビペーストを混ぜたマヨネーズをかけ、上から刻んだオリーブをぱらぱらっと散らした。大小24つに区切られた木製平皿があったので、アスパラサラダと買ってきてもらったタコのサラダ、温めたキッシュをそれなりにかっこよく盛りつける。更に大皿に刻みキャベツをこんもりよそって、これまた買ってきてもらったコロッケを並べて置いた。あとはざくざくっと切ったパンを傍らに。私が作ったのは茹でアスパラのサラダと刻みキャベツくらいのものだったけれど、ボリュームたっぷりの夕飯になった。ていうかママン、キッシュもあるのにコロッケ5つはちょっと多いんじゃないかなー、って思うよー(で、私には「太るからそんなに食べるな」と言うのよ、ママン……)。

母はキッシュが大好き。我が夫もキッシュが大好き。母は買ってくるたびに「キッシュねー、好きなのよねー」と嬉しそうにぱくぱく食べてるし、だんなはだんなで
「おゆきさんが、前に作ってくれたほうれん草のキッシュ、旨かったよー。また作ってよー」
と時々言ってくる。でも、私はキッシュよりは茶碗蒸しの方が好き。以前はキッシュ対茶碗蒸しの好みは均衡状態にあったのだけど、今は7:3くらいで茶碗蒸し寄り。私も年を取ったということかしらん。野菜がとみに美味しいし。

明日明後日と、だんなは遙か西(というか南)方面に出張。だから明日明後日は、多分母好みのコテコテ洋食風が続くのだ。……バイキングとか?

10/16 (木)
塩バターコーンラーメンが食べたかったけど……(なんか玉子ラーメンと化してるし)
「アンデルセン」の
 アップルデニッシュ
 チェリーデニッシュ
ミルクティー

今朝は6時過ぎに起きて出かけていっただんな。今日から2泊3日で九州方面に出張だ。そして本日の母は仕事が休み。息子は風邪。色々とイレギュラーな一日だった。
息子は一見元気なものの、咳は止まらないし、声はいかりや長介。常とは違う彼の声が面白く、つい朝から遊んでしまった。

「息子ー息子ー、"おいっす!"って言ってみて?」
「お"い"っす!」
「じゃあ、次は、"声がちいせぇー!"って言ってみて?」
「ごえ"が、ぢいぜぇー……」
「じゃあ次はね……」
「おがーざーん、ぼくはね、ぐあい"がわ"るいんだよぉ"……」
ああ、すまんすまん。つい。熱はないけどこんな状態なので、今日も幼稚園はお休みすることに。数日前は暖房が恋しかったのに、今日は薄めの長袖一枚で大丈夫な陽気。やっぱり微妙に変な気候だ。

朝御飯は母と一緒に、母が買ってきたデニッシュを。
息子は喉が痛くて牛乳しか飲みたがらない脇で、私と母はパンを囓りミルクティーを啜る。2個のデニッシュを母とそれぞれ半分こ。数時間後には早くもお腹が空いてしまった。デニッシュはカロリー高い割に腹持ちが悪い。

稲毛 「旨麺」にて
 チャーシュー麺(パイタンベース)
 トッピング揚げにんにく
 トッピング煮玉子(2個)
 杏仁豆腐

息子は昨日から
「ラーメンが食べたいなー、ラーメンラーメン」
と言っているし、それに呼応してか母が
「私は塩ラーメンが恋しいわ。塩バターコーンラーメン」
などと言っている。だから、昨夜のうちに近所の美味しそうな塩ラーメンが食べられるお店はないかと、密かに調べてみていた私。ちょこちょこ行ってる近所の店は醤油だのトンコツだののスープなので、行ったことない店で近所に適当なラーメン屋はないものかと探してみた。
最近まで全然自覚していなかったのだけど、我が町はけっこうラーメン店があちらこちらにあるようだ。千葉内ではけっこうな激戦区だと言っている人もいるらしい。確かに駅前から伸びているバス通り沿いには5〜6軒のラーメン屋があったなぁ……と思い出し、駅からそう遠くないところにある2軒の北海道ラーメンの店をチェックしてみた。うち1軒には「とうきびバターラーメン」なる、そのものズバリなものもある。

「塩ラーメンが食べられるお店、探したけど?」
と、苦労はなるべく醸し出さずにママンに報告したところ、
「あらー、あんたってば、食べることに関しては本当に仕事が早いわねぇ〜」
と、あまり嬉しくない返事が返ってきた。でも今はスパゲッティって気分でもあるのよね、と、またひどい事を言っている。聞こえなかったフリをして、
「さーさ、行きましょ、塩ラーメン食べに行きましょ」
家を出た。美味しいラーメン食べたら、息子は風邪ひいてることだしとっとと帰ってくることにしよう、とあったかい格好して近所の店を目指してみた。

んが、目指す一軒目は「10/15、16は臨時休業とさせていただきます」の非情なペラ紙が店頭に貼られており、残る1軒は「10月下旬リニューアルオープンします」の看板が店頭に掲げられていた。ひどい、ひどすぎる。背後の母は「だからスパゲティにすればいいじゃなーい」とこれまたひどいことを言っている。もう私は何がなんでもラーメンの気分。塩ラーメンにはこだわらないけど、ラーメン食べなきゃ気が済まない、という感じ。

で、結局駅から近くのところにある「旨麺」を目指してしまった。もう何回も行っているお店だ。それほど心を鷲掴みにされる味ではないのだけど、何種類かあるラーメンはどれも安心して食べられる味。サイドメニューにミニ排骨飯や杏仁豆腐があるのが嬉しい店だ。幸い、新メニューとして塩ラーメンを始めていた。バターコーンラーメンは食べられなかったけれど、ともかく母は塩ラーメンが食べられてまぁまぁ満足な様子。私は5枚のチャーシューが乗るチャーシュー麺をトンコツ風味のパイタンスープでいただいた。とっぴんぐに揚げにんにくと、玉子2個。玉子は息子と私で1個ずつ、小どんぶりに取り分けてやった。やってきたラーメンは、チャーシューの上に玉子が乗って肉はすっかり隠されてしまい、チャーシュー麺というより玉子麺だ。

トンコツスープはほのかにケダモノ臭く、私の好みよりは若干さっぱりめではあるけれど、いつもながらなかなか美味しい。ツルリと冷たい食感の杏仁豆腐も良い感じ。食後は母は図書館に行き、私と息子はとっとと帰ってきた。さー、念願のラーメンも食べられたことだし、とっとと風邪なおして明日は幼稚園に行こうねぇ(じゃあ出歩いてるんじゃないという話もあるが)。

昨夜の残りのタコサラダ・アスパラガスサラダ・コロッケ・キッシュ
グリーンサラダ
コールスローサラダ
バジル入りウィンナー
中華ちまき
ビール
白ワイン(天橋立ワイナリー"とよさか"甘口)

昨夜の残りのおかず類がけっこうある。家ではワインも冷えているし、じゃあ適当にサラダの材料買って、あとはローストビーフかハムでも買って帰ろう、と、ちらりとお肉屋さんを覗いてパストラミを買ってきた。母も全く同じような事を考えていたようで、数時間後にバジル入りのソーセージのパックを買って帰ってきた。でも何故か、「はいこれも」と渡されたビニール袋の中には中華ちまき。

「……息子が食べたいって言うから、クリームソースのパスタでもしようと思ってた……んだけど……ち、ちまき?」
「あらー、だって安かったのよちまき。1個100円!」
「だってワイン飲もうって、言ってたじゃーん……ちまき、合わないよ」
「あらー、だってね、食べたかったのよ、ちまき」
だんながいるときの夕飯はほぼ100%私が食事の支度をしていたりするものだから、母としてはこういう時こそ好きなものを好きなように食べたいのだろう。それを私もわかっているから、なるべく洋風の食卓に、とか、サラダを多めに、とか色々考えるのだけど……でもママン、中華ちまきはちょっと想像外だったかなー、みたいな……。

かくして、バランス良いのか悪いのかよくわからない(いや、確実に悪い……)夕飯になった。昨夜の残りの洋風おかずに、今日作ったサラダが2つ、炒めたウィンナーに粒マスタードを添えたものを1皿、そして蒸籠に入った中華ちまき。天橋立旅行の時に買ってきた"とよさか"という甘口ワインは葡萄ジュースのようなトロンと甘めの果物の味がくっきりはっきり感じられるもの。ちょっと軽めの味だったけれど、さっぱりしたサラダやウィンナーには似合っていた。ハーフボトルのそれを母と2人で空にする頃には、
「中華ちまきおいしいねーえ♪」
「ほーら美味しいでしょう、おかーさんの言ったとおりだったでしょう♪」
と2人で高笑いしていたり。ええ、美味しかったです、中華ちまき。

10/17 (金)
秋はモンブランが美味しい季節〜
「山下」のうどん (ひやひや)
冷茶

息子の風邪がなかなかよくならない。昨夜も深夜、布団の上に起き出して「げーほげほ、げほげほがほがほ」と盛大に咳をすること数時間。こういうときのためにヴィックスベポラップでも買っておくべきだったかしらー、と私も一緒に起きて背中をすりすりしてやってたら、息子共々寝不足になってしまった。しょうがないので今日も幼稚園はお休み。ターミネーターのように頑丈かと思われた息子も、数週間前からちらちらと続いている今回の風邪はちょっとばかり長丁場。昨日、いかりや長介の真似などさせていたのがいけなかったのだろうか。ごめんいかりや長介。

のんびり起きてからの朝食兼用昼食の食事は、息子のリクエストにより「冷たいうどん」。まだ声がガラガラなくせに、
「さーて、何を食べようかなぁ〜」
私が台所に向かう背後から、
「づめたいうどん、づめだいう"どんがう"れじい"なぁ〜」
と呪文のごとく「つめたいうどん」を繰り返す。そういえば数日前からそんなこと言ってたっけ……と、冷凍うどんを引っ張り出すことにした。毎月届く冷凍うどんから、現在冷凍庫内に入っている「山下」のうどんを。もっちりどっしりした讃岐うどん界の中でも、とりわけ弾力の強い、餅のような麺を出すお店のうどんだ。しかも長い。

茹でてから流水で揉み洗いし、キーンと冷えたところにどんぶりに盛る。水で薄めただしをかけ(本当は"湯でのばせ"とあったけれど気にしない……)、長い長い麺をずるずると。途中から揚げ玉も散らし、ぱりぱり言わせながらたっぷり食べた。ここしばらく食欲がいまひとつない息子も、うどんだったらもりもりと食べる。今すぐ香川に住んでも全く問題がないのではないだろうかという勢いで、今日ももりもりと食べた。更に困ることには、奴は外食でうどんを食べると、
「このおうどん、やわらかいねぇ〜?」
と言うことだ。そのうち「このうどん、いりこの味がしないねぇ〜?」とか「ぶっかけがないねぇ〜?」とか「こんなの、さぬきうどんじゃないよねぇ〜?」とか言い出しそうでちょっと怖い。讃岐うどんが世界スタンダードのうどんと認識してしまったら、それはきっと親の責任なんだわ……。

クリームソースのブカティーニ 鶏肉のオーブン焼き乗せ
パストラミ入りグリーンサラダ
コールスローサラダ(昨夜の残り)
コーンスープ
ビール

「オランダ家」の和栗モンブラン
アッサムミルクティー

息子の食欲強化月間ということで、彼の大好きなクリームソースのスパゲティが夕飯の献立。非常にタイミング良く、母がパック入りのコーンスープを買ってきてくれた。あのパック入りコーンスープはそのまま一気飲みしたくなるほど、私も大好き。あのビミョ〜に安っぽい味が妙にツボだ。パスタとスープ、それに昨夜の残りのサラダ類を出し、グリーンサラダには細かく刻んだパストラミを散らした。

パスタは、ごく普通のスパゲティを使う予定だったのだけど、適当な量のものが余っていなかったので、ブカティーニ(マカロニを長くしたようなパスタ。太くて中央に穴が開いている)を使っちゃうことに。鍋で玉ねぎを炒め、そこに生クリームをどぼどぼだばだばと120ccほど注ぎ、適当な濃度になるまで煮詰めていく。茹であがったパスタを絡めたら、オーブンでこんがり焼いた鶏肉を乗せでできあがり。夏の間は冷たいままで飲んでいたスープも、今日はちゃんと温めた。ここ数日猛烈に食べたかった茶碗蒸しも、そういう次第で今日もパス……とほほほほ。

パスタはあまり食べられず、それでもスープとサラダはちゃんと食べた息子は、でも食欲はさほどないみたいで食後のケーキも「いらなぁ〜い」と居間にひっこんでしまった。私は母と2人でお茶を淹れてモンブランを。仕事帰りに
「美味しそうなケーキが出てたのよぉ〜。和栗のモンブランですって!」
と駅ビルで母が買ってきてくれたものだ。お店は「オランダ家」という、千葉に本店があり千葉県内に展開している洋菓子チェーンだ。ほんのり和風な香りも漂うケーキ類は、素朴な風合いでなかなか美味しい。

自然な色の栗ペーストがこんもり盛られたドーム型ケーキの中には、ホイップクリームとカスタードクリームが層になっている。スポンジは少なめで、下の方に少しだけ。ホイップクリームとマロンクリームでほとんどが構成されているような、ふあふあのものだった。一番下は固く焼かれたパイ生地。甘さ控えめで、食べやすいケーキだった。
今は駄菓子類もあれこれ栗ものが出ていて、栗味の「小枝」とか栗味の「たけのこの里」とか、密かに気になるものばかり。

10/18 (土)
初めて食べた「匠味」。でかかったぁ〜
胡麻チーズパン
ヨーグルト
ホットミルク

ここ数日、夜中にがはげへごほと盛大に咳をしていた風邪ひき中の我が息子、昨日は安らかにかつ横暴さをまき散らしつつ熟睡していた。脇腹に鈍い痛みを覚えて明け方に目を覚ますとドロップキックの体勢になって熟睡している。頭はきっちり90度、横方向に移動していた。今日はだんなも出張から帰ってくる。天気はあまり良くなかったけれど午前中晴れ間が覗いたときに数時間布団を干しておいてみたりして。

朝御飯、どうしましょう……と思いつつ台所にテーブルを見ると、紙袋に入ったパンが1つ置かれている。中には黒胡麻パンの中心にチーズが入ったものが1個だけ入っていた。
「これは母からの"そろそろ食べないと不味くなるから食べちゃって"というメッセージなのか、それとも朝食の残りを片づけ忘れたのか……?」
としばし悩み、きっと前者なのだろうなと勝手に判断してそのパンを食べちゃうことにした。チーズが入っているパンは温めて食べるに限る。オーブンで数分放り込み、その間に鍋で牛乳も温めた。子供の握りこぶしほどの小さなパンだったけれど、息子と半分こ。パンだけじゃ物足りないのでヨーグルトも出した。

パンが食卓に置かれていた謎は、やはり私の解釈で正しかったらしい。
「あら、あのパン食べたのね?出しときゃ食べるかなって思ったから、出しといたわよ、あははははー」
夕方帰宅した母に軽やかに言われた私と息子は、ネズミか何かと一緒くたにされているようだ(否定はできない……)。

「モスバーガー」にて
 匠味チーズ
 オニオンリング&フライドポテト
 山ぶどうスカッシュ

午後1時前、めでたくだんな、出張から帰宅。
「九州に行ってたんだっけ?」
「……違うよ、京都だよ……」
夫の行動を今ひとつ把握していない妻。お土産はとんこつラーメンではなく、八つ橋だった。

なんか昼御飯食べた?いや、たいしたもの食べてない、と、荷ほどきしながらあれこれ話す。2時が迫ってきたところで
「2時と言えば!」
「……いえば?」
「たくみ!たくみ食べよう!」
「……たくみ?」
「ほら!モスの!」
「あ〜〜〜〜!!」
わたわたしながら身繕いする。回し始めた洗濯機もそのまま放置して、モスバーガーにお出かけした。

モスバーガーには、現在販売店舗を限定して高級ハンバーガー「匠味」(たくみ)なるものが売られている。我が家近所のモスバーガーには、午後2時から毎日限定10個っきりでそれが売られていた。プレーンは580円、チーズは640円と、値段も強気。それだけにかなりのボリュームもあるらしく、厳選した食材を使って、丁寧に作って云々……という宣伝文句も気になって、一度は食べてみようと言っていたブツだった。でも、なにしろ午後2時からの販売というのが中途半端でなかなかつらい。今日はちょうど良いタイミングで私たちは空腹を抱えていた。

2時5分くらいに到着するように、家を出る。土曜日午後2時のモスバーガーは、平日のランチタイムですか?というほど混みあっていた。匠味目当ての人も、けっこう多そうだ。私たちが乗る自転車を追い抜くようなスピードでタカタカタカと駆けてきたおばちゃんが、私たちの前にレジに並んだ。
「たくみ!4個、4個ちょうだいね!」
鼻息が荒い。レジのおねぇさんに、
「申し訳ございませんが、お一人様2個までのご注文とさせていただいております……」
と言われている。他のハンバーガー類は「○時に取りに行くからね」と電話でオーダーできたりするのに、それも匠味はできないらしい。家族を代表して1人が買いに行くこともできないなどと、なかなか制限の多いハンバーガーなのだった(でもテイクアウト自体はできるらしい)。

匠味チーズ2つね、オニポテセットにして、ドリンクはこれとこれと……と私たちも無事に注文を終えると、
「匠味は、2個ずつお作りしているのですが、1個作るのに10分ほどお時間がかかります。お渡しできるのは2時40分頃となってしまいますが……」
とトドメの一言が告げられた。うわー、ファーストフード店でバーガー1個に30分以上の待ち時間。そりゃランチタイムの販売も、量産も無理だわなぁ……と、値段以上にこれにはびっくりした。
「びっくりだね……」
「洗濯物干してからくれば良かったかなぁ」
「いや、それやってたら売り切れてるし」
席についてぼへーっと天井眺めながら匠味の登場を待つ。テーブルにやってきたのは、本当に2時40分を回ろうというところだった。
店舗によっては整理券を配ったり、午後ではなく午前中早めの販売だったりと、色々あちこちで試行錯誤が繰り広げられているらしい。

大きな白い平皿に、匠味用の巨大な紙包みにくるまれた巨大なハンバーガー。両手でわしっと掴まなければならない、かなりのボリュームのバーガーだった。たっぷりのレタスと厚切りトマトの上から、巨大なハンバーグとチーズが上のパンもろとも横にずるずると滑っていってしまう。ハンバーガー専門店のバーガーのように、上からピクルスつけた巨大な楊枝ででもぶすっと固定した方が良いんじゃないかなぁ……なんて思いつつ、手で具をよせよせして固定し、あんぐっとかぶりついた。

確かに、普通のバーガーの2倍くらいのボリュームがあるかなぁという感じ。炒めた玉ねぎがどっさり挟まり、テリヤキバーガーのような甘辛い醤油ダレの味がする。肉もでっかいし、パンもでっかい。紙の袋の底に、肉汁やらタレやらの汁気がじゅくじゅく溜まっていってしまう中、手と口をべたべたにしながら平らげた。印象としては、「旨い」より「すごい」が先にたつ感じ。美味しいは美味しいんだけど……モスバーガーだったら、もっと美味しいのが作れるんじゃないかなぁという思いがほんのり残った。私はモスバーガーのケチャップの味が大好きだったりするので、そっち系の、ごくごく普通の味の、でも肉や野菜は吟味されててすっごく美味しくて……という方向のハンバーガーが食べたかったな、みたいな。

ところで来週からは「モスライスバーガー ハヤシ」も発売されるそうで。私としてはそちらもちょっと(いや、かなり)気になります。

肉じゃが
茶碗蒸し
ピータン豆腐
鶏肉と舞茸とごぼうの吸い物
羽釜御飯
ビール

ここ2〜3日揚げ物だサラダだ中華ちまきだという夕食が続いていたので、今日は味醂や醤油をガンガン使って何かを作りたい気分。ちなみに3日前から私は茶碗蒸しも恋しくてしかたなかった。鶏肉買ってきて、銀杏も買ってきて、ついでにかまぼこも買ってきて、いざいざと茶碗蒸しを作成する。

メインディッシュは牛肉で肉じゃが。小林カツ代さんの本で見た作り方の、フライパンですき焼きのように肉を炒めて味をつけ、じゃがいもと水を後から加えて煮込むという方法は、ほんの20分ほどでできあがるのにコテッと味がついてすごく美味しい。最初は吸い物を作り、コンロに羽釜と肉じゃがの鍋をかけている間に茶碗蒸しを蒸し鍋にセットする。あとは御飯が蒸らしに入ったところで蒸し鍋をコンロにかけて、10分ほど。1時間ほどでちゃちゃっと夕飯の準備は整った。ちょっと渋茶色系のものが食卓に多かったので、急遽ピータン豆腐なども出してみたり。

茶碗蒸しの具は、鶏肉が好き。海老や帆立などの魚介よりは圧倒的に鶏肉が好みだ。あとはそれに銀杏とか百合根とか、あればかまぼことか、そうそう三つ葉も外せない。外食で食べる茶碗蒸しはかなり薄味のものが多いけれど、東北人の母が作る茶碗蒸しがそうだったからか、私は濃いめのしっかりした味の方が好きだったりする。でも今日は薄口醤油だけで淡い色と味の茶碗蒸しにしてみた。具は鶏肉と銀杏とかまぼこと三つ葉。

数ヶ月前、舞茸を入れた茶碗蒸しが少しも固まらなかったという事があってから、茶碗蒸し作成が地味にトラウマになっていた私。今日の茶碗蒸しはちゃんと綺麗に固まった。"す"も入らず、ぷるぷるふわふわと、とっても良い感じに固まって大満足。「舞茸入りの茶碗蒸しは固まらない」のは、舞茸に含まれる蛋白質分解酵素が原因だということが後にわかったのだけど(だから乾燥舞茸を使うか、あるいは生のものはあらかじめ湯通ししてから使えば大丈夫だとか)、そういう要因以外にも、ぷつぷつと気泡の入らない茶碗蒸しを美味しく作るのはなかなか大変だ。途中で何度も蒸し器の蓋をあけて確認しながら(で、その間蒸気を外にまき散らしながら)作っているので、何度作っても「強火で○分、弱火で○分蒸せばOK」といったコツがつかめない。きっと私は次回も鍋の蓋をぱかぱか開けつつ蒸すことになるのよ……。

10/19 (日)
筋子をほぐしてイクラにしてみた。た、楽しい……
「やまうち」のうどん (ひやひや)
冷茶

出張疲れで、だんなはこんこんと眠りまくっている日曜日。息子が一番最初に目覚め、続いて私が起き出してカーテンあけたり洗濯機を動かしたり。洗濯籠を持つ私の背後から
「ぼくはねー、おなかがすいたなんだよー……」
と息子が囁いてきたので、
「じゃあうどんでも茹でる?」
答えた途端に、「つーめたいうどん、つめたいうどん♪」と奴は踊りだした。息子は本当にうどん好き。

昨日、布団の中で会話したのだけど、
「カレーライスとつめたいうどんは、どっちが好きですか?」
「つめたいうどーん」
「じゃ、ラーメンとつめたいうどんは?」
「つめたいうどーん♪」
「……カレーライスとラーメンだったら?」
「つめたいうどーん!」
「いや、それ、答えになってないから」
もうとにかく"ひやひや"のうどんが彼の好物なのだった。彼的には関東で普通に食べられる「ざるうどん」より、なんといっても「冷やしぶっかけ」もしくは「冷たいかけ」に軍配が上がるらしい。10年くらいして、「かーちゃん、俺、香川にうどん打ちの修行行くから」とか言われたら……なんて考えて、一人ニヤニヤしてしまう(ニヤニヤするなよ)。

今日のうどんは、つい昨日クール宅急便で届いたばかりの「やまうち」の麺。6月あたりから毎月届いている通販会社「千趣会」のうどん頒布会も、そろそろ半年になろうとしている。そのまんま店の味!とまではいかなくても、各店の個性がそれなりに出ているし、だしもちゃんといりこの風味がしているし、と、毎回かなり満足している。今回のは、数ある香川のうどん屋さんの中でも好み中の好み、「宮武」グループの一角をなす「やまうち」の麺とあって期待も高まっていたのだけど、麺もだしもかなり良い具合にツボだった。

「これに、"あのゲソ天"が乗ってればカンペキなのにぃ〜」
「新宿の"東京麺通団"って店は"あのゲソ天"が食べられるらしいぞ」
「おお〜藤原屋のゲソ天かっ!」
「そう、藤原屋のゲソ天だ……」
「行かねばな」
「うむ、行かねば……」
麺やだしはともかく、天ぷらにまでこだわるこたぁないんじゃないかと我ながら思うのだけど、やはり"あのゲソ天"は別格なのだ。でかくて味があって、うどんに良く似合う。あのゲソ天あってこその宮武系だと思いたくなるほどの存在感のある天ぷらだった。

うー、新宿までゲソ天求めに行っちゃおうかなぁ……なんてくだらないことを思いつつ、天かすかけてツルツルと食べる。揚げ玉かけるだけでも、なんとなくそれっぽい気分になれちゃうから我ながらお手軽というか……。

「築地 銀だこ」の
 たこ焼き
 明石焼き

「なんかこう、心に虚脱感があるのよねぇ〜。出張から帰ったばっかだってのにだんなは来週も忙しいっていうしー、母は中華ちまきだし。なんかこう、テイクアウト牛丼買ってきて、家で蓋を開けたら白い御飯しか詰まってなかった!みたいな虚脱感……」
おゆきさん、何言ってんだかさっぱりわからないよ……とだんなが呆れる前で、なおも続ける私。
「これはアレだな。明石焼き!とか、クリームたっぷりのケーキ!とか!さぁ、私にそれを喰わせなさい」
ますます意味不明だよ……と顔をこわばらせながらも、だんなは明石焼きを食べさせに連れてってくれた。駅前にあるチェーンたこ焼き屋の「銀だこ」、先日から「明石焼き、始めました」のポスターが貼られているのが気になっていたのだ。

もう3〜4年も前、銀座にあった会社に勤めていた頃は、週に2度くらいは食べていたのが「銀だこ」のたこ焼きだった。多分一番勢いがあったのがその頃で、店の前にはしょっちゅう長蛇の列が出来ていた。焼きたてのたこ焼きは表面がカリッとしていて綺麗なまん丸の形で、とても香ばしくて美味しかった。大抵は焼きたてアツアツのものが食べられたし。
現在住んでいる家の最寄り駅そばにも店はできたのだけど、最近は滅多に行かなくなってしまった。通りがかりに見てみても、お客はかなり少ない様子。しかもたこ焼き、いつのまにか値上げしているし(確か前は税別400円だったけど、今は税込500円)。

ともあれ、普通のたこ焼き1舟に、明石焼き1舟を注文して椅子とテーブルのある店内ではふはふと食べる。たこ焼きには青海苔かつぶし、明石焼きにはかつぶし刻み葱が散らされ、こちらにはカップ入りのだしも添えられた。「たこ焼き」というより「卵焼き」に近い明石焼きは、ぷるんふわんと柔らかく、優しい味。塩気も少なく、だしに浸してツルリと食べるとかなり淡泊な味わいだ。明石焼きといったら、前に食べたのはもう10年近くも前に神戸で食べたものだったようなものだから、「明石焼きって、こういうので良かったんだっけ〜?」とよくわからないままもりもりと食べた。

食後は食材買い出しのお買い物。
「あのさ〜……」
「ん〜?」
「銀だこ……もしかして……マズくなってる?」
「やっぱりそう思う?」
「なんかこう……年々……」
「そう、じわりじわりとね……」
「なんかビミョ〜にね……」
「階段を下りてるよね……」
ひそひそ話しながら肉屋と魚屋を歩いてきた。私とだんなの間で出た結論では、銀だこの味、じわりじわりと階段を下りている感じらしいです……(うーん、大好きだったんだけどなぁ……)。

いんげんとツナのサラダ ゆで卵添え
刺身 (ブリ・マグロ・タイ)
自家製イクラ
筋子
はまぐりと三つ葉の吸い物
羽釜御飯
ビール

マグロが安いぞー、ブリも大きくて安いね、と、魚屋でうじゃうじゃと刺身用のサクを買ってきた。私たちが魚コーナーで吟味している間、息子は隅っこのコーナーでなにやらひとつのパックを掴んだあと、こちらにやってくる。
「貝なんて、いーんじゃない?」
彼は冷たいうどんも好きだが、貝も好きだった。今日はしじみはいらないから、ね、とそのパックは元の場所に戻し、でもハマグリを買うことにした。これは吸い物に。

そして、ブリブリとやけに大粒の筋子も安売りされていたので、これはイクラに加工してみることにした。

私の実家では、「筋子とイクラは全くの別物であり、筋子が欲しいときには筋子を、イクラが欲しいときにはイクラを買ってくる」という文化だった。対して、だんなの実家では「イクラは筋子の加工品。イクラが欲しいときは(生の)筋子を買ってきて自分家で加工する」という文化。結婚してから、お義母さんからちょこちょこと自家製イクラを貰っていたのだけど、これがなかなか美味しい。いつか私も作ってみようかなぁ……と思っていた折、いかにも「これはイクラに加工しなさい」といわんばかりのブリブリした生筋子が売られていたのだった。ご丁寧に、「イクラだれ」なるタレも一緒にパックに入っている。

ぬるま湯に筋子を浸しつつ、丁寧に粒を1個1個ほぐしていく。薄皮や血管を綺麗に取り去り、バラけたところで塩少々をふって15分ほど起き、もう一度ざっと水洗いしたらタレに浸す。ちと味が薄かったので醤油と酒もどぼどぼと足してみた。本当は一晩漬けておけば良いらいしのだけど、待ってられないので4時間後くらいだけど食べちゃうことに。今日の夕飯は刺身とイクラ〜♪と、うきうきと夕方になって準備を始めたところ、仕事から帰ってきた母が、
「はい、安売りしてたから、筋子買ってきたわよ」
と……。ママン、ナーイスタイミング……(こういうのが重なると、やっぱり親子なのだなぁと思う)。

かくして今日は魚介だらけの夕御飯。ぶりぶり大粒だった筋子はやっぱりぶりぶりと大粒のイクラになった。水分をたっぷり吸って、むちむち膨れたそれを御飯にかけ、刺身もどっさり食べる。さすがに野菜が足りないかと作ったサラダは、茹でたいんげんをツナと一緒にマヨネーズで和えて胡椒をきかし、ゆで卵を添えたもの。