食欲魔人日記 00年11月 第5週
11/27 (月)
焼き豚の醤油浸し (夕御飯)
だんな特製ホットドッグ
ホットミルクティー

現在、我が家の冷蔵庫には牛肉豚肉鶏肉生ハムベーコンがぎっちぎちに詰まっている。そういえば今週末から1週間旅行ではないか。この山のような肉をどうするどうする……というわけで、今週4日間、お弁当を作ってみることにした。朝30分早く起きて、昨夜のうちに下ごしらえしておいた材料を炒め始める。目覚めが良くてちょっとご機嫌な私はふんふんと歌を歌う。やはり歌う歌は旬の歌が良いであろう。

「うしなった〜もの〜はぁ、みんなみんなぁ〜食べてぇ〜あげぇ〜る♪」
「あきれる〜ほど〜に、そおさそばに〜いてあげるぅ〜〜♪(−続き失念中−)……あげないかもしれないぃぃ〜♪(←作詞作曲byせりあ由紀)」
妙な替え歌を歌っていたら、だんなからすかさず
「失ったものは食べられないじゃん!」とか
「ええっ!?そばにいてくれないの?」
とツッコミが入った。そう、それが夫婦のあるべき姿だ。

妙な歌と共にめでたく弁当は完成し、そして厨房をだんなに明け渡す。今朝のメニューはホットドッグ。我が家で最もホットドッグを愛する人物が我が家の家訓「その料理を一番愛する人物がその料理を作るべし」にのっとり立ち働く。なんだか楽しそうだ。
今日もバターとカレー粉でしんなり炒めたキャベツが挟まるホットドッグ。ドッグパンにキャベツと焼き付けたソーセージ、とろけるチーズが乗せられて、それがこんがり焼かれている。アツアツのところに冷たいケチャップをうねうねとかけて食べる。今朝のお供はフォートナムメイソンのブレックファーストティー。濃い目に入れて、牛乳だばだば入れて飲む。

昨日だんなが、「お得だったんだよ」と言ってスーパーマーケットで買ってきた数種類のソーセージセット、その中に長いやつが入っているのを見て「ホットドッグだ!……と思いました。」と後にだんなは述懐した。おそらく、
「このソーセージじゃ、ホットドッグにするしかないなー、しょうがないなー、まったくもー。」
と口調だけはしょうがない素振りで、その実嬉しくてたまらないといった風情でパン売場に向かったものと思われる。きっと顔はニヤニヤしていたであろう。「……ちがう?」と尋ねたら、
「おゆきさん……遠眼鏡で見てたでしょ。」
と返された。想像そのままの行動をとっていたらしい彼であった。そんなにホットドッグが好きかね、君。

牛肉とにんにくの芽のオイスターソース炒め
ほうれん草の磯和え
うずら卵の醤油漬け
海苔ふりかけ御飯
いぶりがっこ
 Nestle ネスティー・レモン
バリのパイナップルクッキー
京都の八つ橋
京都の羊羹

久方ぶりに持参した手製弁当。御飯と御飯の間に醤油に浸した海苔を挟み、上からふりかけをパラパラかけた定番の「海苔ふりかけ御飯」、それにおかずはいつも大体3品、今日も同じく用意した。

ざくざく切ったにんにくの芽とにんじんは牛肉と炒め合わせて最後にオイスターソースをちろりと絡める。残りものだったうずらの卵は茹でてから殻を剥いて醤油に軽く浸して味付け卵に。ほうれん草は茹でてぎゅっと絞ってから焼き海苔を刻んだものと一緒にだし醤油で和える。赤・黄・緑とそれなりに色とりどりな弁当ができた。久しぶりに作ったにしては手際も出来栄えも悪くない。

昼休みになったと同時にフロアの110円自動販売機で紅茶を買ってきて、ぐびぐび飲みながら弁当に取り組む。お弁当のおかずはちょっと塩辛いほうが丁度良い。そう思いながら炒めた牛肉はちょっと塩が勝ちすぎてヒヤヒヤしながら弁当箱に詰めてきたのだけれど、蓋を開けてみたら案外と丁度良い塩気だ。インターネットサーフィンしながら弁当をつついていると、先週末に有給取って旅行に行っていた後輩が、
「おみやげでーす」
「おひとつどーぞー」
と次々やってきた。バリ島土産のクッキーに、京都の八つ橋、羊羹。脈絡のない菓子類がテーブルにずらずらと並ぶ。壮観だ。もちろん美味しくいただいた。

焼き豚の醤油漬け with 豆腐、ワカメ、レタス、きゅうり
納豆
豆腐の味噌汁
ご飯
アイス烏龍茶

だんな、激ジョブであるらしい。
「先に食べてて〜」
とおっしゃるので、作り置きのできる料理を作ってみるか、とおもむろに豚ロース肉の巨大な塊を焼き始める。焼く前に塩と胡椒、そしておろしにんにくをたっぷりすりこんでおいて、200℃のオーブンで40分ほどじくじくと。焼き上がったところで昨夜の鍋の残りである、柚子たれに漬け込む。肉を漬けるにはちょっと酸味が強いので醤油と味醂、酒を足してやや甘めのタレにしたところで、肉をとぷんと泳がせておく。

そして、大皿に豆腐乗せてワカメ乗せて野菜も乗せて、肉を薄切りにして飾っていく。肉も野菜も豆腐も一緒に、肉を漬けておいたタレを少々かけて食す。何だか2日続けて柑橘系のさっぱりおかずになってしまった。粗食のようなそうでないような。

でだんなのいない本日、彼の苦手な納豆もこっそり買ってきた。プラスチックの容器でねりねりねりねりして思う存分納豆を満喫。息子に納豆を喰わせてみたところ、嫌がらずにバクバク喰いよる。「我が家の納豆文化におけるだんなマイノリティ化作戦」、成功に終わった模様。

11/28 (火)
きじ焼き丼 (弁当)
だんな特製ホットドッグ
アイスカフェオレ

朝起きると、すっかり7時過ぎなのである。寝坊である。どひ〜。弁当弁当弁当、朝御飯朝御飯朝御飯、洗濯機〜!と一家騒然の危機。
「とっとりあえずお弁当作るわねっ!」
「じゃあ僕は洗濯機回してくるよっ!」
「フライパン1個空くから朝御飯作ってぇ〜」
「よしきたっ!」
とチームプレーの末、なんとか弁当と朝御飯がめでたく完成。時間が無いならパンにバターなすりつけて食うなりすればいいのに、何故かきっちりホットドッグなど用意してしまうのがミラクルだ。

本日の皿は「だんな特製ホットドッグ・チーズ抜き」。
いつもは上にぺろっと一枚、薄切りのとろけるチーズがトロンと溶けてかぶさっているのだが、このチーズを昨日切らしてしまったのだ。いつものカレーバター味キャベツと長いソーセージ。パンにはバターが塗られていて、上からケチャップうねうねと。チーズが無いだけのいつものホットドッグだけど、やっぱりチーズ抜きはちと物足りない。

きじ焼き丼
葱入り卵焼き
白菜とにんじんの浅漬け
 POKKA 水レモンきれい

朝のパニックの中で作ったものは予定通りの「きじ焼き丼」。
いつもの弁当作成のポイントは、「火を使う料理は2品程度にとどめるべし」だ。更に許されるならば2品のうち1品は「フライパンに乗せておくだけ」とか「オーブンに放り込んでおくだけ」であるのが望ましい。今日も鶏肉をフライパンに放り込んでじくじく焼いている間に手間のかかる卵焼きを作ってみた。

卵は醤油とだしでちょっと伸ばして、ごま油を敷きつつ万能葱をパラパラ散らしながらパタンパタンと焼いていく。卵3個で焼き上げれば、それなりに形の整った層状の綺麗な卵焼きが3人分くらいできる。パタンパタンやっている間に焼きあがった鶏肉は、そのまま醤油と味醂と味噌を混ぜたタレに放り込む。弁当箱に御飯を詰めて、その上に揉み海苔をたっぷり散らしたところで鶏肉をざくざく細く切っていき、も一度タレにとぷんと漬けてから御飯の上へ。昨日のうちに作っておいた白菜とにんじんの浅漬けを隅っこに詰めれば、和風弁当のできあがり。15分で完成した弁当、今日も美しいぜベイベ。

午前中の激ジョブの嵐をくぐり抜け、冷たいジュースを買って来てから昼御飯。POKKAのこのジュースを買うとき、ついつい「みず、れもん、きれい♪」と口の中で歌ってしまう自分をどうにかしながら席につく。本当はお茶を飲みたいんだけど、冷たいお茶は現在自販機の中で売られてないのだ。熱いやつだけなのだ。なんとかして欲しいものだ。

速攻で作ったにしては、焼いた鶏肉にはちゃんと醤油や味噌の味が染みていた。たっぷりタレを含ませて置いた鶏肉の下、茶色く染まった御飯がなんとなく嬉しい。丼ものお弁当は、美味しくてちょっと幸せだ。

焼き豚の醤油浸し with ワカメ・豆腐・レタス
焼き肉の宴
 (タン塩・ハラミ・カルビ・にんにく・南瓜・ピーマン・にんじん・長ねぎ・玉ねぎ)
牛肉とワカメの中華風スープ
ガーリックライス
モルツ、インディア・ペール・エール、アイス烏龍茶

ロイズの
 生チョコレート(シャンパン)
アイスカフェオレ

だんな遅くなるとの由で、では簡単な夕食で済ませようと帰宅。んが、帰宅直後に当のだんなから電話があり、「M井さん来るってけどいーいー?」とのこと。M井さんが来るのを拒むわけないじゃないですかー、いやだなー、もー。と急遽、宴の準備をする。折良く焼き肉の材料を揃えてあって、今日か明日にしようと思っていたところだ。
「700g"しか"ないけど、3人分じゃ少なくなーいー?」
「うーん、ちょっと少ないかもね。」
と、食欲魔人民族の会話を夫と交わし、M井さんを待つ。前菜に、昨日作った焼き豚を用意して。

ここ数日、めちゃめちゃ忙しかったM井さんの電話によると
「お茶だけでいーですよ。ご飯は必要御座いません。」
との主張。
「"お茶"ってお茶って、"泡立つお茶"はじゃあ要らないんですか?」
と返すと、
「泡だっても泡立たなくてもお茶はお茶で御座います。」
といつもの口調で想像通りの返事が帰ってきた。で、結局我が家に来てビールをかっくらい、前菜を食べ、ついでに焼き肉を囲っている次第である。

だんながイトーヨーカドーで先日買ってきてくれた肉の山。タンは皿に並べて塩胡椒しておき、胡椒をガリガリ混ぜたレモン汁に浸してから油漬けにしておいた刻み葱を巻き込んで食す。タレに漬け込まれていたハラミも堪能し、ちょっと脂の多いカルビもたっぷりいただいた。それなりに準備しておいた野菜も、M井さんもくもくと食べている。山盛りの肉2皿、700gはそうしてあっというまに消えてしまった。

シメはだんなが炒めるガーリックライス。鉄板に染み出た牛肉の脂とたっぷりのバターと一緒に薄切りにんにくをこんがり炒め、ご飯を加えてじっくり炒めてから醤油で味つけ。シンプルだけど、一度これをやると焼き肉の後はこれ以外には考えられない。
初めて我が家の焼き肉及びガーリックライスを目の当たりにしたM井さんは、
「これっ!美味しいです……美味しいですねぇ……」
としみじみと感動していた。
彼、社宅の独身寮の部屋でチャーシューを煮、煮卵を作り、一人汁なしチャーシュー麺を作成しているらしいのである。彼の食生活、我が家にどうも感化されてしまってるらしい。

11/29 (水)
寿司わん(宅配)のお寿司 (夕御飯)
ソーセージとほうれん草のバター炒め with ゆで卵
グリーンサラダ
油揚げとわかめの味噌汁
ふりかけさまさま・卵味
ご飯
お茶

昨夜やってきて、焼き肉喰った挙げ句泊まっているM井さんと共に4人で食卓を囲む。
「わたくしは、自作汁なしチャーシュー麺の試作3回目を控えておりますので本日は早く帰らせていただきます」と昨夜聞いたような気がするのだけど、きっと気のせいだ。

普段は朝起きてから味噌汁を作ったりなどと面倒なことをすることはない私だが(昨夜に作っておくか、でなきゃインスタントにしちゃうのだ、朝は)、さすがに今日は15分ばかり早く起きてきっちり朝御飯を作る。旅行前ゆえ食材を使い切らなきゃいけなくて、あり合わせのものを喰いきるがごとく残りもの野菜を次々に出す。レタスと玉ねぎとにんじんのサラダ、ほうれん草はざくざく刻んで輪切りにしたソーセージと一緒にバター炒め、ちょっと物足りないかと思っててっぺんに輪切りゆで卵をざくざく乗せる。だしを取って作った油揚げの味噌汁に、昨夜炊いたご飯の残り。「ふりかけさまさま・卵味」を出したら、なんとなくそれなりの食卓になった。

M井さんの職場は我が家から自転車で15分ほどだ。だんなも私より後に出る。M井さんとだんな、息子の3人の男性に見送られて「いってきまーす」と家を出る。……へんな感じ。

銀座 チャコ銀座店にて
 ハンバーグステーキセット \1,000也
 (サラダ・ハンバーグ・パン・コーヒー)

今日の午後は有給を取って切りたくて仕方の無かった髪を切りに行くのだ。荷物になるし準備時間はなかったし、で弁当はなし。今日の午後に有給を取り、予定休暇で明日も取り、そして香川旅行と福岡旅行に立て続けに赴き、次に出勤するのは12/25。最後の4日間で片づけを終えて、そして私は「ぷー」になる。そう、私は大学卒業後5年勤めた会社を実質的に今日で退職するのであった。

「もうこの仕事はイヤだ」と思い続けて3年くらい、口に出し始めて3ヶ月くらい、決意してから3週間くらいである。「辞めるわね」とあっさり言ってあっさり辞表を出してしまった私の周囲の衝撃具合はお察しください。一番嘆いたのはきっと私の母親だろう。ほほほほほ。いや、とほほほほ。

で、職場で人とつるむことの滅多になかった自分なものだから、去る時もさらっと行こうと思っていた。普段どおりに昼休みを終えて、「それじゃ」と鞄ひっさげて美容院に向かうつもりだったのだ。
そう思っていたところに、昨日上長からその旨伝えられた課の人たちが「じゃあ昼御飯を一緒に」と皆して昼休み一緒に外に出てくれることになり、もしかしたらこのメンバーでは初めてかもしれない「担当全員で昼飯を喰う」事態となった。

会社から徒歩でいけなくもない場所にある「チャコ銀座」なる店は老舗のステーキ屋だ。かなり昔からあるところらしく、何でも「銀座に来たらここでステーキを喰う」と決めている人もいるぐらいだとか。入社してから私も5回ほど来たことがある。密かにファンは多いらしい。

煉瓦造りの階段を降りて、薄暗い店内はクリスマスの飾りでいっぱいだった。そこここでライトがチカチカ光っていて飾りつきの先の尖った樹もそこここに置かれている。数限定の、12時半前には売り切れてしまうというビーフ100%のハンバーグステーキセットを皆で食べる。

フレンチドレッシングつきのシンプルなサラダ、パンかライスかでパンを頼んだ私のところにはたっぷりのバターが染み込んだ大きなガーリックトーストがやってきた。しばし待つと、アツアツの銀色の皿に乗せられた、こんがり焼き色のついたハンバーグが。バターで炒めたコーンといんげん、丸ごとのじゃがいもも乗っている。じゃがいもには、テーブルに乗せられているハーブバターを乗っけて食す。

話は私のこれからの事とか、後輩の海外旅行の事とか明日行われる社内のイベントの事であるとか。今頃になって、同僚のおじさんの住む最寄り駅がこれから我らが転居して行く先の駅と同じことが判明したりした。12/15には歓送迎会も催されるらしい。今頃、会社の居心地の良さを再認識しても、もう遅いのよね、辞表出しちゃったのよね。とりあえず髪でも切るか。

宅配寿司 寿司わんの
 握り寿司
 ねぎとろ巻き
 インスタント澄まし汁
 モルツ、アイス烏龍茶

10cmほど髪を切り、すっかりショートボブな髪型になって帰宅すると待っているのは、お仕事。
会社を辞めても別の仕事は(一応)あるのである。ホームページ作る仕事は続いているし、その他のちょこちょことした仕事もちょっとばかりはあるのである。ヒーヒー言いながら文章を打ち画像を加工し、javaスクリプトと戦う。戦っていたら午後6時を過ぎていた。ご飯も炊いていない、洗濯物も取り込んでいない、すまんだんなすまん息子。でも明日中にやることやり遂げておかないと旅行にも行けないし。

そういう次第で、今日の夕飯は宅配寿司。宅配寿司注文のポイントは「いくら・ウニ・穴子が入っているかどうか」である。緊急家族会議を開催し「どこの寿司屋が安くてポイントを抑えているか」について検討する。本日のターゲットは「寿司わん」と決まった。いくらと穴子とウニの入る握りのセットにねぎとろ巻きを別途注文。ビール1缶空けて飲みつつ、寿司をつまむ。

11/30 (木)
ビーフストロガノフもどき (夕御飯)
冷凍ピラフ
アイスカフェオレ

寒い寒い寒い。温かい布団の中でぬくぬくしつつ、鳴り響くケンケンの目覚まし時計が止まるのを、もといだんなが止めてくれるのをじっと待つ。
「シーッシシシシシ(←ケンケンのあの笑い声)時間だよ!早く起きろ!……(ちゅっどーん)あーらら」
だんなが以前異動したときに同僚の皆様が下さったのだというその時計、形もケンケンそのままなら音までケンケンの声そのままだ。かなりの音量なのでどんな眠たがり屋さんでもバッチリだ。いつもはだんなが止めてくれるその時計、一向に鳴りやまないので私が止める。はたしてだんなは居間のソファベッドで寝ていたのであった。

「おゆきさんのイビキがすごくてさー。息子(←息子だ)のもすごくてさー。」
そうは言うけど一番イビキがうるさいのはだんなその人なのである。大体私は昨日から喉が痛くなっていてしかも鼻水満載なのだ、イビキのひとつも出ようものだ。昨夜山盛りの風邪薬を服用して風呂も入らず寝た私は、今日もなんとなく身体がだるい。

「まぁ、今日は寝てなさいねおゆきさん。」
とだんながちゃかちゃか動いて朝飯の準備をしてくれた。炊きおきの御飯も無かったので、冷凍ピラフを炒めてくれる。冷凍ピラフといえどもじっくり炒めて美味しくするのが我が家の流儀。ちょっと多めのバターで炒めたピラフはパラパラと良い色つやでとても良い感じ。

時々冷凍ピラフのこの味がとても恋しくなる。安っぽいコンソメのような味とか冷凍ものの海老の独特の風味だとか。塩気が淡くてちょっと甘さもある冷凍ピラフ、久しぶりに食べたらやっぱり美味しかった。
今日はごろごろしていよう。ごろごろしながら『恐るべきさぬきうどん』でも読み返して明日からの旅行に備えることにしよう。

バナナケーキ with ホイップクリーム
ダージリンティー

うどんチェックも佳境に入ったお昼、私はPhotoshopを駆使して「うどんマップ」まで作成しているのであった。とは言っても参考図書『恐るべきさぬきうどん』に載っていた店名入りマップをスキャナーで取り込んでから拡大し、それに定休日やキーワードを入れているだけ。そもそもそのキーワードたるや
「ゴムのような喉ごし」
「何でも揚げる店」
「おばちゃん軍団」
「ダシはイデじゃ」
「猫がうどん喰いよる」
とわけがわからない。参考図書が参考図書なので、多分これは仕方のないことなのだ。私はわかるので多分問題ないだろう。

うどんの本なぞ読んでいるのだからうどんが恋しくなるのが道理で、しかし今うどんを喰うわけにはいかず冷蔵庫を漁る。食べかけのバナナケーキが発掘されたので、これを一人美味しく食べることにする。だんなが結婚式の引き出物でいただいてきたこのケーキ、「冷やして食べるといっそう美味しいです」などと書いてあったから素直に冷蔵庫に入れてみたらばこれが美味しい。バナナがたっぷり入り、さらにアーモンドパウダーもたっぷり入っているようなケーキは軽い食感で空気も多く含んでいるけどしっとりしている。周囲にまぶされたアーモンドにまぶされた砂糖も冷えてショリショリしていてそれがまた心地よい。

使いかけの生クリームもあったので、これを少しばかり泡立てて横に置く。冷たいケーキに冷たいクリームをなすりつけて食べつつ温かい紅茶を喉に流す。んー、快感だー。
……って、だんなが貰ってきたケーキだったのに喰いきっちゃったよ私。あーらら。

ビーフストロガノフもどき
豚肉と刻み野菜のカレースープ
アイス烏龍茶
洋梨・柿

明日からの外出に備え、ナマモノ一層大作戦中。卵は使い切ったし牛乳ももうすぐ無くなりそうだ。白菜や大根があるけどこれはまぁ大丈夫だろう。問題は残る少しずつの牛肉と豚肉の薄切り、そして生クリームだ。美味しそうな肉だから冷凍するのも勿体ない。これを使っておかずやスープを作らなければ。

で、ごくごく簡単なビーフストロガノフ。
牛肉に塩胡椒して小麦粉ふって、バターで焼く。玉ねぎとピーマンも一緒に炒め合わせ、白ワインをふってから生クリームと牛乳投入。沸騰しない程度に温めてできあがり。御飯の上にどっさりかける。

豚肉は包丁で叩いて粗挽き状態にし、玉ねぎと人参と一緒に炒める。炒めたらカレー粉ふって水入れて、コンソメ溶かしてぐつぐつ煮るだけ。仕上げにドライミックスハーブをさらっと混ぜる。ビーフストロガノフとカレー味スープなんて、ちょっとそぐわないかもしれないけどまぁ気にしない。

午後8時過ぎ、ちょっと遅めに帰ってきただんなと一緒に夕御飯。
思ったより優しい味になってしまったサラッとしたビーフストロガノフもどきを食す。あまり辛くないこれまたさっぱりしたカレー風味スープと一緒に洋風米の飯をがつがつと食べる。明日から醤油とだしに浸かる3日間だ。バターや生クリームに別れを告げる。

食後、洋梨と柿を剥いてもっきゅもっきゅと食べながら「どっちの料理ショー」観戦。
本日の題目はピザVSマカロニグラタン。どちらも我らの大好物。大好物同志の対戦はついつい身もだえしてしまうけど、実は私の更なる好物はポテトグラタンだったりする。これが出てきたのならイッパツ決定だったのにねぇ、私としては。