食欲魔人日記 04年05月 第1週
5月1日 土曜日
ひさしぶりの、じゃんがら〜
神楽坂 「亀井堂」の
 クリームパン
 栗あんぱん
牛乳

今日から5日間、カレンダー通りのゴールデンウィーク。遠出する予定はないけど、ちまちま近場で行きたいところはある。今日の目的地は秋葉原〜。

朝御飯は、だんなの高校来の友人Fさんからのいただきもの、神楽坂「亀井堂」のクリームパン。だんなとFさんは昨日、数年ぶりの再会を祝しつつ一緒に昼飯を喰ったそうなのだけど、この日記を読んでいたFさんが自宅の近くだからとわざわざ寄り道して買ってきてくださったのだった。そう、数日前の日記で私は「美味しいクリームパンが食べた〜い。今気になるのは亀井堂のクリームパン」なんて事を書いていて、それをFさんは目に留めてくれたのだった。Fさん、どうもありがとうございます。

で、その「亀井堂」なるお店は、本来はパン屋さんではなくて和菓子、しかも老舗のお店なのであるらしい。神楽坂にある工場の売店の一ヶ所だけでパンを販売しているのだけど、シュークリーム用のカスタードクリームを詰めたクリームパンが人気だということだった。私は『東京早起き案内』(交通新聞社 2002.05)という、『散歩の達人』の特集本でその店のそのクリームパンを目にして、以来ずーっと気にしていて、でも
「うー、でも、午後には売り切れちゃうの?神楽坂に午前中に到着してクリームパンを購入?ムリっぽい……」
と半ば諦めていたものだった。なのでことさらに嬉しい。わーいわーい。

クリームパンと栗あんぱんを適当に分けつつ皆で食べる。クリームパンは、だんなが持ち帰るときにちょっぴり圧縮してしまったらしいのだけど、でもどうやら元のサイズもかなり巨大なものであったらしい。わらじサイズのババーンとした迫力ある大きさで、ずっしりと重かった。ふわんとした艶やかな生地の中には、「これこれ!こういうの!」という感じにどっしり重いカスタードクリーム。卵たっぷり牛乳たっぷりという風情の、ねっちりもっちりした私のとても好きな感じのクリームだった。甘さは全体的にそれほど強くなく、優しい味。1個で充分お腹がいっぱいになりそうなサイズだったけれど2個3個と恋しくなってしまう美味しさだった。

大粒の栗(の甘露煮)が中央に入った栗あんぱんも、これまた誠実に作られた味がした。あんこよりも明らかに栗が多く場所を取っているような感じで、でもパン生地とあんこと栗の量のバランスがとても良い感じ。
いいなぁ亀井堂。すっかり好きになってしまった。もう、神楽坂方面に住んでしまいたいと思うほど(ムリだって……)。

日本橋 「九州じゃんがら」の
 ぼんしゃん 角肉・味玉子入り
 おじやセット

この日記、これまで長らく"Libretto ff 1100"という可愛らしいサイズのノートパソコンで書いていたのだけど(他にデスクトップマシンがあって、画像加工とか仕事はそっちでやっている)、数ヶ月前からブラウザを立ち上げたり何か作業をするたびに"……カチョン。カチョンカチョンカシャン!"とイヤーな音を内部から発するようになった。同時に「いかにもウィンドウズのシステムファイルが壊れていっています」みたいな挙動になって、とうとう起動して数分経たないうちにフリーズするようになってしまった。もう、どっから見ても"ハードディスク、ぶっ壊れつつあります"みたいな状態で、なんとかしなきゃなぁという状態になってしまっていた。

で、このままノートパソコンを放置しておくのもしのびなく、秋葉原までハードディスクを買い求めにおでかけ。
「この店のこの容量だと○○円で、その店よりちょーっと遠いけどそっちの店だと××円……」
などと、だんながあれこれ調べてくれたので、末広町寄りの裏通りに面した小さなパソコンショップに行って60Gで1万3千円ほどのハードディスクを買ってきた。

お昼御飯は、
「なんかね、猛烈にじゃんがらラーメン食べたい気分……」
と、日本橋まで。秋葉原に「九州じゃんがら」の本店はあるのだけど、だんなは何度かこの秋葉原店で食した結果、
「他のどの支店よりも秋葉原のじゃんがらは美味しくない」
という結論に達したのだそうで、別のお店に向かうことに。帰り道に便利だねということで、日本橋店に行くことになった。

日本橋、最近オープンした「COREDO日本橋」のすぐ近く、老舗洋食屋さん「たいめいけん」のすぐ近くにじゃんがらはある。
「俺は……"こぼんしゃん"、だな」
「あー、だんなはにんにく味の方にするのね。じゃあ私はぼんしゃん〜」
角煮入れるぞー、玉子も入れちゃうぞー、息子に分けるから替え玉も必要だよね、とあれこれあれこれ注文して、ひっさしぶりの"じゃんがら"を堪能した。

このお店、基本の味は「九州じゃんがら」というもの。それよりもトンコツこってりこっくり味に仕立てたのが"ぼんしゃん"で、にんにくをガツンと効かせたのが"こぼんしゃん"。手や顔が後でネカネカになるほどのコラーゲンたっぷりスープが好きな私はなんといっても"ぼんしゃん"が好み。今日もむわんと適度に心地よいケダモノ臭〜いスープがやってきた。縮れのない細い麺、入れたスプーンが少しも透けて見えない濃厚なスープは相変わらずとても好きな味。小さめに見えるどんぶりに入った麺とスープは、それでもなかなか食べ応えがあって、なのに私は最後に「おじやセット」とか頼んでいるのだった。茶碗1杯のご飯と、海苔と刻み葱、漬物や辛子高菜のセットで200円。御飯全部をガパッと残ったスープの中に入れ、ぐーるぐーるとかき混ぜてから海苔と葱を散らして啜った。……うーまー……。

醤油ラーメンも塩ラーメンも味噌も、それぞれ嫌いじゃないのだけれど、私はなんといってもトンコツスープが一番好きなのだなぁと、今更ながらに思い知らされた。豚さんの骨に、今日も感謝。

「忍」のゆでたん切り落とし
生わさびのすりおろしと、刻み葱の胡麻油和え
キャベツとかぶの塩もみ
水菜のおひたし
「長楽」のうどん ひやひや
ビール(モルツ)
日本酒(神亀 純米上澄)

「ドゥリエール」の抹茶ミルクレープ
カフェオレ

昼食後、COREDO日本橋をぷらぷらしてみたり、日本橋三越をぷらぷらしてみたりしながら帰宅。つい三越でケーキ買ってみたりマンゴプリン買ってみたり、COREDO内のマーケットでほんのり安かったパスタやアメリカンチェリーを買ってしまったりして、大荷物で帰ることになってしまった。あ、そうそう、ここ数日美味しい美味しいと騒いでいた「エーデルクロレン」というチーズが、私が購入した6割ほどの価格で売られていて、それもショック。
「うわーん、悔しい悔しい、とっても安いわ」
とか言いながら、それも1個買ってきてしまった。冷蔵庫の中のチーズは減るどころか増える一方。だんなが背後で
「おゆきさん、そういう時はね、悔しがっちゃいけない。その安くなったチーズを買いなさい。1個あたりの単価を低くすれば腹も立たないでしょ」
と理屈をこねるのもよろしくなかった。エーデルクロレン(いや、エーデルクロレンに限らず)そんなに喰ったらニキビがもりもり湧き出てきそうだ。

秋葉原を歩くのはたいそう疲れるもので、午後4時頃に帰宅した頃には皆へろへろに疲れていた。洗濯物を畳む気力も、パソコンのセットアップを始める気力もなくてボヘーンとベッドに横たわっていたのだけど、

「夕飯……どうしよ?」
「あのさ、"忍"で買ってきた牛タン食べようよ。ジップロックみたいなのに入ってるから湯煎であっためてさ、同じようにワサビ添えてさ」
「湯煎よりさー……蒸した方が旨くない?」
「あー、いいね、いいね。刻みネギとか添えたらどうかな、胡麻油垂らして」
「おおーいいねー」
「で、ビールをキューッと……」
「いやー……ビールよりさ、日本酒でしょ。よし!日本酒冷やそう!」
「じゃあ、夕飯の前に風呂入っちゃおう」
「おーし、やる気出てきたー!」

簡単な事でやる気が出てくる私たち。パソコンのセットアップも着々と進み、洗濯物も片づき、夕飯の仕込みをしながら順番でお風呂に入る。まだ外がほんのり明るいうちに入浴を済ませ、風呂上がりのビールを1/2缶ずつキューッと飲み干してその後は日本酒で牛タン。

分厚く巨大な美しい"ゆでたん"の切り落とし肉は、外見こそ確かにグズグズと"切り落とし"状態だったけれど、味はお店のものとほとんど違わない。混ざる肉の一部はさほど煮込まれていない状態の、煮込む前の段階で落とされたような感じのものもあったのだけど、十数分蒸したらちゃんと食べられる状態に。塩ふって胡椒ふってワサビ添えて、刻み葱添えたりしながらつついて食べた。ひととおり食べたところで、シメに冷たいうどん。

「はぁ〜、早めにお風呂入ってさ、日本酒飲んでさ、シメに麺啜ってさ、なんか大晦日みたいだー。シアワセだー」
と、すっかりペロペロに酔っぱらって御機嫌に5月の第一日は終了。

5月2日 日曜日
鶏肉を塩焼きにして、油淋鶏風に
万かつサンド
牛乳

「うー、せっかく日本橋まで来て何買ってるんだろね、もー」
とか言いながら、昨日はCOREDO日本橋の地下マーケットで大好きなカツサンドをみつけてしまい、買ってきてしまった。そのカツサンドとは「万かつサンド」。秋葉原に大きなビルを持つ肉屋さん「万世」の名物カツサンドだ。私はともかく、だんなはこのカツサンドが大好きで大好きで、一緒になって食べているうちに私まで見つけるたびに心ときめいてしまうようになってしまった。なんてことない外見の、なんてことないカツサンドなんだけれども、どういうわけかとっても美味しい。

昨日見つけてしまったのは、いつもの茶色のパッケージではなく、オレンジ色で印刷された「特選万かつサンド」だか「特製万カツサンド」だかいう名前の、ちょっぴりお高いものだった。
「お高い分、美味しいのかしらねー」
とか言いつつ、朝御飯に1箱をだんなと半分こして食べた。息子は一人でフルーツグラノーラ。

最近はけっこう色々なところで見かけるようになったので、すっかり身近になった万かつサンド。キャベツは挟まれておらず、ソースが染みてじわっと衣が柔らかくなったカツが耳なしの食パンの間に挟まれ、ざくざくっと6等分に切っただけのカツサンドは今日もしみじみ美味しかった。

稲毛 「サイゼリヤ」にて
 焼き肉ディアボラ風ハンバーグ盛り合わせ \580
 ドリンクバーでレモンスカッシュとかメロンソーダとか

お昼に私はスポーツジムへ。その後だんなと交代しようか?と話していたのだけど、
「ん〜……たるいから、今日はいいや。明後日か明々後日にいこうかな」
とのこと。私が運動を終えて出てくる頃、待ち合わせして一緒にお昼御飯を食べることにした。

「豚丼でもいいし、カレーでもいいし……」
「マクドナルドが、なんか、キャンペーンやってるよね」
「……ダブルチーズバーガーかー……それもいいかも」
「……!そうだ!おゆきさん!サイゼリヤ行こうサイゼリヤ!スーパーの地下にできたじゃん」
「サイゼリヤ?……いいよー」
私が「サイゼリヤでいいよー」と言ったのに、だんなはすごく驚いた様子だった。

千葉県内ではうじゃうじゃと見かける(でもお台場にもあったし、最近六本木あたりでも看板をみてしまった……)、イタリア料理チックなファミレスのサイゼリヤ、だんなはここが、割と好きなのであるらしい。ことあるごとに、「ほら、おゆきさん、サイゼリアだよ」と、「食べに行かない?」と誘われていたのだけど、微妙にチープな感じが漂っていて、「えー」とか「うー」とか言って毎回拒否し続けて5年以上が経ってしまった。

「だってさぁ、……おいしいの?」
「んー……俺はね、けっこう好きなんだよ……。あとね、とにかくやすい!すんごくやすい!」
「ますます怪しい……」
なんて会話を時々しながらずっと遠ざけていたのだけど、でもついにスポーツジムが入る大手スーパー地階のフードコートにそのファミレスがオープンしてしまったのだった。ついこの間まではランチブッフェをやっていた、いまいち人気のなさそうな店が入っていた場所だ。これもひとつの機会だし、と、今回私は初めて行ってみることにしたのだった。

ハンバーグや鶏肉料理が1皿500円くらい。スパゲティは400円くらい、ピザも400円くらい、と、ほかのファミレスに比べても、かなり安く思われるメニューの表示にちょっとびっくり。ハンバーグにシンプルなパンか御飯かをつければプラス100円程度で、それをガーリックピラフにしても180円、ドリアにすると290円。お子さまプレート(お子さまランチ)は190円!
「よーし、パパ、グレービーハンバーグにドリアつけて、ドリンクバーも頼んじゃうぞー」
てな注文をして900円弱で済んでしまうのだった。

私は、焼き肉とハンバーグのセットにガーリックピラフを足して。息子が
「これこれー、これ食べるー」
と目を輝かせたのは"生ハムピザ"。適当にソーダ類を持ってきて運動後の腹にぐーいぐーいと流し込んで(ああ……運動効果がこれでゼロ……?)、いかにもファミレス的な味の料理を楽しんだ。

コテコテ生姜焼き味の豚バラ肉と、刻み葱が盛られたちょっと小ぶりのハンバーグ。いかにもなフライドポテトとコーンが添えられ、これまたいかにもな味のガーリックピラフが平皿に盛られてやってきた。
「冷凍したのをあっためましたー……みたいな味なんだけどね」
「うわ……けっこう、美味しいかも。なんていうか……」
「でしょー、美味しいでしょー。このいかにもな味がね、けっこう好きなんだよ」
「なんていうかさ、スーパーの試食コーナーで食べるウィンナーとか肉炒めとかが妙に美味しいみたいに、おいしい」
「わけわかんない……」

初めてのサイゼリア、充分満足している己にちょっとトホホとなってしまいながら、「……ジム後の一人飯か何かでまた来よう……」と思っている自分に、またトホホ。今度はスープも頼んでみよう〜。

チーズ盛り合わせ
揚げ茄子のおろし醤油
鶏肉の塩焼き 油淋鶏風
にんにくの芽としめじと卵のスープ
羽釜御飯
いかなごのくぎ煮
ビール(モルツ)

昨日買ってきたハードディスクに、午後はいそいそとデータ投入。あれインストールしてこれインストールして、バックアップしておいたマイドキュメントの中身をコピーして……と、気の遠くなる作業が続く。やっと、とりあえず日記はまたノートパソコンで書けるようになって、一安心。

夕飯は、だんなのリクエストで塩焼きにした鶏肉を油淋鶏風に。スキレットに皮目をぎゅうぎゅう押しつけて焼いた鶏肉に刻み葱をかけ、甘酸っぱい醤油だれをかけて食べる。本当は鶏肉1枚丸ごと、平たくカリッと揚げてから葱とタレを添えるのが本来の「油淋鶏」なのだけれど、揚げ鶏ではなく焼き鶏でも、それはそれでなかなか美味しい。

あとは冷蔵庫内を適当に片づけつつ、にんにくの芽としめじ入りの中華スープに卵をたっぷり溶いてみたり、茄子を多めの油で揚げるように炒めたものに大根おろしとだし醤油を添えてみたり。全体的に和風(中華?)な雰囲気漂う食卓だったけれどチーズも出してみたりした。

5日間の休み、明日にはもう折り返し地点。新宿でデザートブッフェを楽しんでくるのよー(ああ、運動の成果がもう全然ゼロというか2週間分くらい消滅しそうな勢い……)。

5月3日 月曜日
デザートたべほーだい♪
新宿 「東京麺通団」にて
 ひやかけ(小) \290
 ゲソ天 \150
 半熟卵天 \100
 炊き込み御飯のおにぎり

今日は一日、新宿におでかけ。
朝、ちょっと早めに出て、朝御飯はうどんにしようということになった。8時半頃に起きて、いそいそと準備。10時過ぎに新宿に到着するべく、けっこう混雑する電車に揺られて向かってみた。

新宿でうどんと言えば、「東京麺通団」。いりこ風味たっぷりのだし、モチッキュッとしたうどんのコシ、セルフサービスの天ぷらやおにぎり類がいちいち香川のうどん屋さんを思い出させてくれる、すばらしいお店だ。行きやすいところにあるということもあって、もう大好き。うどんの味もだしの味も、東十条にある「すみた」というお店の方が絶対美味しいと思うのだけど、でもつい讃岐うどんに飢えると新宿に用事を作ってこの店に来てしまうのだった。

私はいつも通り、ひやかけ。息子もひやかけ、だんなは釜玉の大。午後にはケーキブッフェが待ちかまえているのが確定しているのに、
「ゲソ天は必須でしょー。あと、卵天も必要なわけよ。……で、おなか空いちゃったから、おにぎりも1個もらっちゃおうかなー……」
「俺は、ゲソ天とかしわ天にしてみました」
と、後のことを考えないで食べる食べる食べる。息子もえらい勢いで1人分のうどんを無駄話ひとつせずに啜りまくっている。

関東のうどんのだしとは全く違う澄んだ薄い色のだしは、店内にその香りが充満してしまうほどに濃厚な風味のいりこだし。塩気もけっこう強く、コテコテに風味が強いそのだしを、うどんが浸るくらいにシャバシャバっとかけていただく。上には刻み万能葱と、好みで炒り胡麻とか生姜もたっぷりと。好みの天ぷらをじゃぶじゃぶ浸しつつ、その天ぷらの油が溶けてかすかに甘く感じるようになっただしを啜るのもまたシアワセ。バリバリとごつい衣のゲソ天も、完璧に黄身がとろんとろんに半熟状態になっている卵天も、今回も相変わらず美味しかった。

毎回ついつい「ひやかけ」(冷たいうどんに冷たいだし)ばかりを頼んでしまうのだけど、気になっているメニューは「ねばたま」。納豆入りの釜玉なんですって。うー、気になる。次こそは、これ。

新宿 ヒルトンホテル内「ブラセリー チェッカーズ」にて
 ブリュレ&フルーツタルトフェア \2940/人

今日一番の目的地は、新宿パークタワーOZONEで開催中の「くらしモノ見本市2004」。調味料を入れるための器を100人が提案・販売するコーナーがあったり、館内でデザイナーたちによる"フリーマーケット"のようなものがあったりと、雑貨好きには興味津々のイベントで、数ヶ月前からちょっと楽しみにしていたものだ。

だんなと息子、とくに息子にはつまらない内容かしらと思ったのだけど、息子はさっそくスタンプラリーのブースを発見して、「さぁ、じゃあ、全館まわってスタンプを集めましょうか!」という感じで鼻息を荒くしている。だんなもあれこれ出店を覗いてはお店の人と話したりしながら着々とパンフレットをもらっていたりして。

アクセサリーや磁器や陶器、ガラス細工から木製雑貨まで、色々なお店があったのだけど、見ている分にはすごく楽しくても「……これが我が家にあるのは……ちょっと想像できないなぁ」というものも多かったりして、気になるものはポツポツあったものの(6万円もする革製の鞄とかね……)、結局そういうものは何も買わずに歩き終わった。工夫を凝らして細部までこだわったものよりも、「くらしの根っこ-モノ・モノ展」というブースにあった、「もう誰がデザインしたかもわからない、四半世紀以上も愛されている品々」の展示品の方がぐっときてしまったりして、色々と感じるものの多かった楽しいイベントだった。手には訪れて最初に買ってしまった「松田のマヨネーズ」なるマヨネーズが2個。

で、午後2時過ぎ。ぽてぽて歩いて向かったのはヒルトンホテル。
最初、「新宿に行こう!」と決めたときには「じゃあ、パークハイアットホテルでお昼御飯でも……あの、前菜とデザートが食べ放題になるやつ……私、おごるし……」という野望があったのだけど、休日のランチは7000円近くすることがわかり、それはさすがに懐が痛いので断念。みんなが楽しくて美味しくて、適当な値段で腹一杯になるのって、何かないかしらん?とあれこれ検索して、ヒルトンホテルのブリュレ&フルーツタルトフェアというものに心惹かれてみた。だんなも私も(たぶん息子も)クレームブリュレは大好き。おなかいっぱい美味しいクレームブリュレが食べられる(そしてタルトも食べられるし、軽食もちょこちょこあるらしい)のはシアワセなことじゃないか、と予約して行ってみたのだった。

で、1時間ほどかけて、あれこれ食べまくり。……といっても、思ったほど料理の種類はなくて、思ったほど「食べたいなぁ」と思えるものもなかったりして、微妙に欲求不満になりながらもお気に入りの料理をもぐもぐ食べて出てくることに。

タルト他、その他諸々、エグゼクティブ・ペストリーシェフのクリストフ・ウィドマーさんの力作だったのだそうだ。大きなタルト台にこんもりと、これでもかと大量のフルーツが盛られたフルーツタルトには金箔まで散らされていたりして実に美しく、それゆえに「どないしてカットしろっちゅーねん!」という大変なものだった。各種タルト、各種ブリュレ、実に手が込んでいたのだけど、でも、ごくごく普通な感じのシンプルなブリュレやタルトも食べたかったかな、という思いも少し。

フルーツタルトにパイナップルタルト、カカオのブリュレにオレンジと人参のパンナコッタ、フルーツの盛り合わせに、 バナナとパッションフルーツのアイスクリーム、レモンのシャーベット。軽食はトマトソースのスパゲッティーニにクリームソースのラビオリ、クリームソースのコンキリエ、クロックムッシュにピザ。

うどんの朝食だけではとっくに空腹になっていたらしい息子は
「ピッツァだ!サンドイッチも!スパゲティも!」
と、それら"しょっぱい系料理"をもりもりと。私は数品の甘いものからスタートして、そのすぐ後にしょっぱい系料理もがさがさと食べ始めた。なにしろ、デザート類、かなりあまーい。タルト台もしっかり濃厚に、甘い。全体的に洋酒がガツンと効いていて、どころなくアメリカンな味わい。まずいわけじゃなく、充分美味しいのだけどあまり数多く食べられる類のものじゃなかった。数点のタルトとブリュレをもらった後は、盛大にフルーツなぞ皿に盛りつけてきたりして。スイカにパパイヤ、イチゴにブルーベリーにラズベリーに……というフルーツ類は、特にとろんと甘い熟れたパパイヤをはじめとして、どれもすごく美味しかった。

「……このさ、ホットサンドイッチがすっごく美味しい……」
「あー、チェダーチーズ入ってて、チーズが入ってて、なんかこう、アメリカ〜ンな味だよね……たしかにおいしい……」
「ぼくも、ぼくもおいしいよー」
と、ケーキとブリュレを食べに来たはずなのに、なぜかサンドイッチの売れ行きが好調な私たちのテーブル。でも、一番美味しかったのは「オレンジと人参のパンナコッタ」。柑橘系のさわやかな酸味が感じられるクリームたっぷりのふわふわ生地に人参のカリッとした食感のチップが刺さっていて、綺麗なサーモンピンクの見た目と共に、とても軽やかでいくらでも食べられそうなデザートだった。

私はけっこうな甘党だと思っていたのだけど、「……やっぱりケーキバイキングってそんなにいっぱい食べられるものじゃないのね……」と思い知りつつ、久しぶりのブッフェを堪能。あんまり満腹になったので、このまま電車に乗るのはヤバイと、新宿駅近くのデパートの屋上で花を見たりペットショップを見たりしてから帰宅。

「R1/F」の味噌串カツ
厚揚げの網焼き おかか醤油添え
茹で枝豆
きゅうり with 松田のマヨネーズ・もろみ味噌
おばあちゃんのお赤飯
ビール(モルツ)

午後4時近くまで甘ったるいものやしょっぱいものを食べまくっていたので、当然夕飯時になってもいまいち空腹感が沸いてこない。
「……駅ビルで、適当なもの見ていこうか」
「こう、ビール飲んで枝豆つまんで……ってくらいでよいかも」
「あー、厚揚げ買っていこう、あと、ネギトロとか」

そんな事話しながら我が家最寄りの駅ビルに到着し、到着したところでサラダ屋さんの味噌串カツと目があった。
「これ!これこれ!こんな感じ!」
「うん、いいねぇ〜」
と、3本お買いあげ。その他にイボイボが痛いキュウリやら、2パックで安売りされていた豆腐屋さんの厚揚げを買ってきたりした。帰るなりとっとと入浴を済ませ、まったりとビールくぴくぴ飲みつつ軽めに済ませた夕御飯。

ああ、ちょうどよい主食があるじゃない〜、と出したのは、昨日義弟が持ってきてくれた"おばあちゃんのお赤飯"(息子のおばあちゃんじゃなくて、だんなのおばあちゃん。息子にとってはひいばあちゃん)。このゴールデンウィークの初日にお義父さんお義母さん義妹義弟はそろっておばあちゃん家に行って来たのだそうで、「これ、お裾分け〜」と、たっぷりのお赤飯を持ってきてくれたのだった。

優しい味の赤飯をつつき、買ってきたばかりの"松田のマヨネーズ"で買ったばかりのキュウリを堪能。ゴールデンウィークもあと2日〜。これからの予定はまっさら〜。

5月4日 火曜日
本日のデザート、異国の果物。
「551蓬莱」の豚まん
麦茶

だんな、本日は数駅先の別のスポーツジムで運動してくるそうなのである。なんでも、ボディパンプのイベントがあるとか。
「んとね、9時半からだから、8時半には家を出ようかなー」
なんつってるので、私もつきあってちょっと早起きすることにした。朝御飯は、だんなと2人で最後の残りの「551蓬莱」の豚まんをふかす。

今日は朝からすっごい風。昨日や一昨日ほど涼しくはないけれど、いまいち"レジャー日和"とはいきそうにない一日になりそうだった。インドアのスポーツジムで運動したりカラオケ行ったりするのがちょうど良い日かもしれない。

ホカホカの豚まんを平らげた後、だんなはスポーツジムにと出かけていった。数十分後に布団から出てきた息子は、台所に残る蒸籠や紙くずを見て、
「あ!おとうさんとおかあさん、おまんじゅう、たべちゃったの!?……ぼくのは……?」
と、いきなり涙目になっている。あるよあるよ、ちゃんと1個残してあるから今すぐふかしてあげるから、と、正真正銘「最後の1個」を温めてやった。親子全員、この豚まんがどうやら大好物らしい。

「ミスタードーナツ」にて
 Dポップ
 チョコファッション
 氷イチゴ

だんなの帰りは昼過ぎになるよ、と事前に聞いていて、午後は一緒にカラオケ行こうか?という話にもなっていた。
「うーん……これから出てそこらへんで昼飯食べたら、だんなとタイミング良く落ち合えるかな?」
と計算して、息子と2人、ぷらぷらと駅前まで行ってみることに。

「息子さーん、昼御飯、どうします?豚丼?カレー?」
「ぼくはねぇ、つめたいうどんがいいなぁ〜」
「……うどん屋はねぇ……心あたり、ないわぁ。……マクドナルドは?ほら、あの、なんとかディップってやつ」
「マクダーナル?」
「そうそう、マクダーナル。……あ、ドーナツもあるね」
「ドーナツ!ぼく、ドーナツ!ドーナツ行こう!」

息子の脳内順位は
冷たいうどん >>>>>>> ドーナツ >> マクドナルド > 豚丼&カレー
といった具合になっていたらしい(たぶん、「冷たいうどん」と同位置に「クリームのスパゲティ」とか「マッケンチーズ」とか「餃子」があると思われる)。そうね、ドーナツにしようか、と、ちょっと久しぶりのミスタードーナツに入ってみた。

息子と私の大好物「Dポップ」(6種ミニドーナツ詰め合わせ)を1個ずつ。あとはチョココーティングのドーナツを1個ずつ。息子はコーラで私は新発売の「氷イチゴ」。苺味のシャーベットに牛乳入れて、シャーベット溶かしつつ苺ミルクドリンクにして飲むという、「氷コーヒー」の苺版。

Dポップの内容はその時々によって微妙に違うのだけど、クリーム入りとかバタークランチとか、好きな味が何種類もいただけるのがありがたい。今日のはコテッと甘い苺クリームコーティングのふわふわドーナツがはいっていた。あとはエンゼルクリーム、バタークランチ、ココナッツ、チョコファッション、オールドファッションの小型版。

枝豆
だんな特製 豚肉スタミナ炒め
千切りキャベツ・薄切りキュウリ with 松田のマヨネーズ
鶏肉と銀杏の茶碗蒸し
いかなごのくぎ煮
豆腐とわかめの味噌汁
羽釜御飯
ビール(モルツ)
マンゴスチン・アメリカンチェリー

無事に駅で落ち合えただんなと合流して、午後はカラオケを2時間半ほど。懐メロ歌ったり洋楽入れたり、アニソン熱唱したりミュージカルソングで奇声を発したりと今日も節操なく色々歌ってきた。鬼束ちひろも難しいけど、「ジュピター」も全然無理だった。玉砕。

歌った後はなおも続く強風にあおられながら、
「夕飯……豚肉、残ってたね。茶碗蒸しは作るとしてー」
「生姜焼きしよう、生姜焼き」
「じゃあ、キャベツがいるじゃん。キャベツ、買っていこう」
「茶碗蒸しするなら、銀杏も買わなきゃ。鶏肉も」
「ああ、そうそう、花屋さんに菖蒲があったよ。菖蒲湯用の」
「そっか……明日は子供の日だっけ」
だったら柏餅も買っておく?とかあれこれわちゃわちゃと小さなお買い物。

「俺は……豚肉の炒めを作る使命があるからな。とりあえず、だしでもとるか」
「私は〜……茶碗蒸しの準備しよ」
夫婦を7年近くやってると、お互いに、今何をやっていて、これからどうしたいのか、みたいなのがわかってくるので、味噌を冷蔵庫から出していると横から味噌こしが手渡されたりする。だんなと一緒に台所に立つのはすごく動きやすい。

私がちょっと別のことをやっている間に、だんなは食料庫の前に座り込んで、遙か奥にしまわれた缶入り胡麻油を日常使いの瓶にとぽとぽと補充していた。
「……あ、胡麻油、補充してくれたんだ?」
瓶の中身がほとんど空になりかけていたのを知っていながら、調味料棚の奥から缶を発掘するのがひたすら面倒で補充していなかった私。
「おゆきさんが!どれだけ見守ってても全然やってくれないから!やってるんじゃないかー!もー!」
ええ、今日という今日は言わせていただくわ、ええ、アナタって、いつもそう!……だんなはおねぇ言葉でお説教を始めた。
そう、家事の基本は「我慢ができなくなった方がやる」。家の片づけも服の繕いも、我慢ができなくなった方がやる。家の中の整理整頓だったら私が間違いなく最初に我慢できなくなって動き出すのだけど、服のボタンが取れたとかいうことだと、だんながいつのまにか繕いものをやってくれていたりする。胡麻油の補充は、だんなの方が先に我慢できなくなった、と。

「はい!おゆきさんが、"おそろしくてそんな味つけにはできない"という炒め物を今日も作りました!」
と、茶色くテラテラ光る豚肉の炒め物が完成。汁気多めで、汁を吸ったキャベツがクシャッと茶色に染まっている。大皿の端には斜め薄切りにしたキュウリを並べ、昨日買ってきた"松田のマヨネーズ"をにょろにょろっと絞ってみた。肉は生姜とにんにくの味がガツンと漂い、コテコテの醤油みりん味。ほーんのりと胡麻油の風味。

あとは、卵が山のように冷蔵庫に入っているので茶碗蒸し。鶏肉と銀杏入りのシンプルなやつで、上には葉だけを摘んだ三つ葉を散らす。"す"がたつのがイヤで、蒸し鍋の蓋をずらしてシュンシュン弱めに蒸らしていたらいまいちちゃんと火が通らず、四苦八苦しながら作ってみた。茶碗蒸しは簡単なようでなかなか難しい。プルプルした食感も優しい味も大好きなんだけれども。

枝豆出したり、柿の種なんかもつまみに出したりしながらビール飲みつつゆったり夕食。
キュウリにつけて食べた"松田のマヨネーズ"はやっぱり美味しくて、やっちゃいかんと思いつつ肉炒めにもちょっとつけて食べてしまったり。酸味が柔らかで全体的に優しい味で、なんてことない感じはするのにじわっと美味しい。私はこのマヨネーズの事は全然知らなかったのだけど、昨日のイベント会場でこれを見つけただんなが
「あ!松田のマヨネーズだ!これ、旨いんだよ。すっごく旨いよ」
と買ってくれたものだった。販売ブースのお兄ちゃんも
「あぁ、このマヨネーズは美味しいですねぇ。ほんっと、美味しいです」
と太鼓判。「辛口」と「甘口」があるのも不思議な感じだけれど、辛口を使っても別にピリ辛というわけじゃなかった。甘口は蜂蜜が入っているらしい(まだ開封してないのよん)。

今日のデザートは、アメリカのさくらんぼに、タイのマンゴスチン。さくらんぼはコレド日本橋の食料品店で1パック200円、マンゴスチンは日本橋三越のフルーツ屋さんで4個840円。安くはないけど、小さな贅沢。なにしろ私はマンゴスチンが大好きで大好きで、あらゆる果物の中でたぶん一番好物で、でも1個300円近くすると思うとなかなか手が出せなくて、今回も
「うー……高いから……いらない……」
と背を向けた私に、だんなが「いいよいいよ、買っちゃいなさい」と言ってくれたものだった。ありがたいありがたいマンゴスチン。南国のマーケットに行けばスーパーの袋にみっちりいっぱい買って300円くらいしかしなかったりするのにね。

息子はさくらんぼを食べて超御機嫌(チェリーは息子のリクエスト)。私とだんなは1個ずつマンゴスチンを持ち、
「えとね、ヘタに親指添えて、実の中心に向かってぐいっと押すと……縦にヒビが入る、らしい」
「お、ホントだ」
とか言いながら赤紫色の表皮をメキョッと割って白くプリプリの果肉を味わった。表皮は分厚いし種も大きいしであんまり食べるところはないのだけれど、ライチの甘さをもっとまろやかにして香りも別な方向に花のようなものにした感じのジューシーな果肉はすごく甘くてすごく美味しかった。生のマンゴスチンが輸入されるようになって、ホントにホントにうれしい。1個300円でもうれしい。タイからやってくるマンゴスチンは、これから夏一杯が旬なんだってさ。……そんなに頻繁に買えるもんじゃないけれども。

5月5日 水曜日
ベニエ♪ベニエ♪
ベニエ
チコリコーヒーのカフェオレ

1週間前くらいに、だんなとこんな話をした。
「職場でさぁ、"先輩が他の女の子と2人で御飯食べに行ったら、奥さんは怒ったりする人ですか?"と聞かれた」
「んー……2人で行ったかどうかについては怒らないけど……"あ!また私の知らないところで美味しいもの食べて!"って怒るかもしれない」
「……そう……。……でも俺は怒らないよ?」
「たとえば、息子と2人で君のいぬ間にベニエ揚げて食べたとしたら、どうよ?」
「それは……怒る怒らないの問題じゃなくて、もう許せないっていうか?訴訟問題に発展っていうか?」
「……そしょうもんだい……」
そのくらい、ベニエというのは重要な存在らしかった。

その話をしてから、「ゴールデンウィークのどっかでベニエを揚げるかなー」と思っていたのだけど、思っているうちにとうとう最終日に。今日は起きるなり"ベニエミックス"の粉をボウルにどかどか入れ、水入れてこねてベニエ作成に励んでみた。「作成」と言っても、水入れてこねてのばして揚げるだけだからすごく簡単。

「ベニエ(Beignet)」とはフランス語でふんわかしたフライの事を意味していて、お菓子に限らず魚介などのフライも指すらしいのだけど、アメリカはニューオーリンズ名物の揚げドーナツのことでもある。我が家で言うところの「ベニエ」とはその揚げドーナツのことで、以前アメリカから大量に日本未発売のその"ベニエミックス"を買って持って帰ってきたのだった。必死になって持ち帰ってみれば、日本でも「Cafe du Monde」に行けば普通に食べられるということがわかって、嬉しい反面ちょっと脱力。それでも、時々家で揚げるベニエはそりゃもう美味しくて、もったいぶりながらチマチマ使って食べているのだった。

2カップの粉に200ccくらいの水を入れ、適当に混ぜてから適当にまな板の上でぺたぺたと広げ、適当にナイフで切ったら180度くらいの油で揚げていく。んぷーっとふくれてきつね色になったらできあがり。ドーナツ自体はたいして甘いものじゃないので、上から粉砂糖をかける。これでもかと、ドーナツが見えないほど大量にかけると、お店で食べてきたような味になる。お供には、これまたニューオーリンズ名物のチコリコーヒーを1:1に牛乳で割ってカフェオレにしたのがとてもよく似合う。

「うー……久しぶりに作ったらいまいち勝手がわからなくて。ちょっと分厚くなっちゃったね」
とか言いながら、それでもこんがりふんわりと美味しく揚がったドーナツを大皿にこんもりもりつけ、適当に鷲掴んでもりもりと食べる。粉砂糖で口や手をベッタベタにしながらモチッとした素朴な味のドーナツを食べるのは今日もすんばらしい快感だった。ベニエ、うまー。

柏餅
抹茶入り玄米茶

昨日買い物に行ったとき、
「あ、柏餅だ!……こういうのは、季節ものだし。ね」
とか言いながら、だんなが3個入り1パックの柏餅を買ってくれた。そういえば、今日は鯉のぼりも兜飾りもなんにも出していないけれど、何の予定もないけれど、子供の日。お風呂に入れる菖蒲の葉はちゃんと買ってきた。

今日の夕飯は「焼き肉!」と確定していたので、昼食は抜きにして昼過ぎに柏餅をつまむ(……う、今気がついたけど、甘いもの2連チャン……)。今日は長袖を重ね着したくなるほどの涼しさで、あったかいお茶とあんこ入りの緑色の餅がしみじみと美味しかった。

稲毛 「牛角」にて
 国産牛タタキ \490
 牛タン塩 \590
 さがり(タレ) \550
 牛角カルビ(塩) \550
 チーズチャック \550
 にんにく黒豚カルビ \490
 ホルモン4種盛り \630
 特選ソーセージ盛り \390
 にんにくのホイル焼き \390
 キムチ盛り \490
 やみつき塩キャベツ \290
 サンチュ \390
 キッズカレーセット \580
 ニラ冷麺 \630
 プルコギ丼 \480
 ごはん(中) \220
 生ビール \490×3  生グレープフルーツ&ピンクグレープフルーツ酎 \490
 ピンクレモネードサワー \390
 牛角アイス \180
 タピオカココナッツミルクあずき \180
……を、親子3人で今日もたらふくモリモリと。

連休の最終日は焼き肉にしようね、ということになっていた。美味しいタレもあるころだから家で食べようか、とか、近所にはいつもの「牛角」の他に「牛繁」もあるし「安楽亭」もあるしその他に非チェーンの店もいくつかあるし、電車にちょっと乗れば美味しいと評判のお店にも行けちゃったりするので、どうしようどうしようと昼過ぎから家族協議。結局、
「食べに行っちゃいましょ〜」
「値段とか色々考えると……まぁ、牛角ていいかってことで」
と、いつも通り、代わり映えもせず「牛角」に足を向けてしまうのだった。ちょっと待たされたりもするし、たまんなくジャンクな味のものもあったりするのだけれど、でもどうもこのチェーン焼き肉屋がお気に入りなのであるらしい。

今回は、なにやらキッズメニューも登場していて、ソーセージやらジュースやらプリンやらがセットになった「キッズカレーセット」なんてものがメニューには。焼き肉屋でカレーってのもどうよ……と思いつつ、息子のリクエストに応じて注文したところ、シアワセそうに平らげていた。うーん、焼き肉屋でカレー……ヘン……(お子さま向けなので当然こてこて甘口カレー)。

数年前までは、焼き肉屋ではとにかく肉だけを食べていれば満足だったのだけど、最近キムチとか野菜のおつまみが美味しいお年頃。今日はキムチ盛りを最初に持ってきてもらったところ、タンを食べ終わるまで保たないんじゃないかという勢いでだんなと2人、「うまー」「うまー」と食べまくってしまった。キムチの後は、刻みキャベツに塩ダレと胡麻油をまぶしただけのようなおつまみを取ってしまい、それまた「うまー」「うまー」とつつきまくる。再来年あたりは肉と一緒に野菜焼きなんかも注文してせっせと食べるようになるのかな。

でも今日も、肉をしこたましっかりと食べた。薄切りチーズが添えられて、食べ際に肉の上に乗せて軽く溶かして食べる"チーズチャック"やら、煙がもうもう出てくる薄切り豚バラ肉やら、シンプルな味のホルモン盛りやら。

シメは、新メニューのニラ冷麺。胡薬味は刻み葱と刻みニラだけで、冷麺の麺に酸味や辛味のないあっさりした味のスープ。胡麻油の香りはぷんぷん漂うけれどあっさりあっさりした味で、不味くはなかったのだけど私はいつもの盛岡風冷麺が好きかなぁ……という味だった。だんなのプルコギ丼も新メニューらしく、コテコテ焼き肉味の牛丼。だんなが妙に喜んでいた。

「明日から仕事だってのに、にんにくたっぷり焼き肉……」
「まぁ、我が家らしいんじゃないでしょうか」
なんて言いながら、ぽってぽてと寒いくらいの気温の中、帰宅。なんてことない5日間だったけれど、楽しかったわぁ。ノートパソコンもめでたく復活したし。

5月6日 木曜日
タンカレーをつくりました
「中村」のうどん 釜玉
ほうじ茶

「木曜日、お弁当作らない?できれば作って〜」
とだんなに頼まれたので、今日はちょっと早起きして弁当作り。私は今日は出勤日なのだけれど、仕事場に行く前に食べれば良いやと3人分の弁当を手抜きしながら作ってみる。作り終えて、脱力。私は昨夜、読みかけの漫画がどうしてもやめられなくて夜更かしして読んでいたのだった(←田村由美の『BASARA』……別に新しく買ったわけじゃなく、手持ちの漫画。なのに2時まで……)。

「ねむいーねむいー、しぬーしぬー」
弁当を作り終えたところですべてのやる気がなくなってボヘ〜ンとしていたところ、だんなが
「だからもー、言わんこっちゃないー」
とか言いながらも洗濯機を回して朝御飯の支度をしてくれた。本日朝のメニューは、釜玉。冷凍うどんをたっぷりの湯でグラグラと茹であげ、鍋からそのまま器に盛りつけるのが釜揚げ。器の中に溶き卵を用意しておいて、熱い麺とチャチャチャッと絡ませれば、それが「釜玉」。味つけはだし醤油で、チャーッと上から回しかけて啜る。

我が家愛用のだし醤油は、香川の鎌田醤油のもの。先日新橋駅前にある四国のアンテナショップで鎌田の「うどん醤油」なるものも売られていて、それも買って冷蔵庫に突っ込んである。どちらも小さなミニパック入りなのだけれど、だし醤油はなぜか恵比寿三越の地下食料品売り場で安売りされてことが多い。見つけると3〜4個まとめて買ってきては使いまくっている。

今日うどんにかけて食べたのはだし醤油。チャチャーッとかけて卵液と共にうどんに絡ませ、卵が半熟状になったところをアツアツのうちに平らげた。我が家はうどん頻度がけっこう高いなぁと今更ながらに思う。結婚前はあんまり食べなかったので、なおさら。

おうちで弁当
 焼き肉丼
 焼売
 茹でブロッコリーとプチトマトのマヨネーズ添え
麦茶

手抜きの弁当といえば、何と言っても「焼き肉丼」。切り落とし牛肉炒めて焼き肉のタレまぶして、それを御飯に乗せるだけ。仕上げに炒り胡麻でもかければ、「まぁ美味しそう♪」という外見になる。美味しいけど、このうえなく手抜きだ。……でも美味しいからまぁ、いっか、と。

添え物もこれまた手抜きで、茹でたブロッコリーとプチトマトを詰めて脇にマヨネーズを絞っておいたものと、既製品の焼売を数個。卵焼きでも作ろうと思っていたのだけど、これだけ詰めたら弁当箱が埋まってしまった。ブロッコリーとプチトマトは形も綺麗だし彩りも良いしで、弁当につい使ってしまいがちな食材だ。息子の大好きな野菜でもあるし。

「食べたら行かなきゃ、ちゃっちゃと行かなきゃ」
と、11時過ぎ、冷たい麦茶を傍らに弁当をカカカカッとかっこんで仕事場に向かう。まだまだ勉強することが多いのだけど、少しはあれこれ理解できてきたかなと思う。思いたい。思わせて〜。

牛タンカレー
温泉卵・福神漬け・チーズ盛り合わせ・干し葡萄
コールスローサラダ
わかめと豆腐の味噌汁(残りもの)
ビール(モルツ)
パイナップル

夕御飯。冷凍庫に先日行った四谷の牛タン屋さんの切り落とし冷凍牛タンがまだ1袋あったので、それをカレーにしてしまうことに。カレーなどの味の濃いものに加工するには勿体ない気もしたのだけど、お店の威勢の良いおばちゃんは
「これねぇ、カレーにすると美味しいわよ。たーっくさん、できるからねぇ」
と、カレーが良いよと勧めてくれたのだった。タンカレーは、そりゃ美味しいだろうよ……と、ニヤニヤしてしまいながら作業開始。

いつもは玉ねぎごろごろじゃがいもごろごろの大ぶりの具がこれでもかと入ったカレーが好みなのだけど、今日は"細かいカレー"を目指してみる。スライサーで刻んだ玉ねぎとにんじんを大量に用意して、これでもかこれでもかこれでもかとせっせと炒め、繊維がグダグダに柔らかくなったところでカレー粉と塩をぱらぱらとふり混ぜ、煮込み開始。1時間ほど煮込んだ後でタンを加えて引き続き煮込み。ルーを溶かしたら最後にパパッとガラムマサラふって、バターひとかけ落として完成。今回はじゃがいもも入れず、全体的にトロトロしたカレーになると良いなぁと思って作ってみた。

カレーを煮込んでいる間に温泉卵も準備して、あとは「ビール飲みながらつまんでも良いし、カレーに入れたい人は入れれば良いし」とチーズりーをコロコロ小さく切ってみる。干し葡萄も出してみた。

だんなは仕事が忙しそうだったのだけど、
「タンカレーだよー。温泉卵も添えるよー」
と報告したら、
「タンカレーだから帰る!温泉卵もあるから、もう絶対帰る!」
と、鼻息荒く職場を抜けてきたらしい。ほんのり遅めの時間になってしまったけれど、親子3人一緒にカレーに食らいつくことができた。予想通りというかなんというか、息子は
「チーズ、チーズ、カレーに入れるよ〜」
と嬉しそうにチェダーチーズ鷲掴んでカレーにトッピングしている。私もだんなもチーズをちょこちょこ混ぜながら、良い具合に黄身がトロンとなった温泉卵をカレーと御飯にまぶしつつ食べた。

もともとしっかり下茹でされているタンなので、作ったばかりだというのにもう「2日目のカレー」のようにぐずぐずとろとろ。玉ねぎやにんじんも良い具合に溶けつつあって、見た目はもう「何が何やら」という風情だったのだけど、めちゃめちゃ美味しかった。
だから、明日の朝もカレー。飽きずにカレー。

5月7日 金曜日
ホントに息子はクリームスパがお好き……
カレーシチュー
バターロール
牛乳
パイナップル

朝早くから、カレーの良い匂い。早起きしてジムに行こうとしているだんながカレーをあっためて食べているらしかった。
「あー、いい匂いいい匂い……シアワセ……」
寝ぼけながらそんなことを思いつつ、また寝てしまった。約1時間後に、だんなが再セットしてくれた目覚まし時計の音で起床。

昨夜作ったカレーは5人前分のルーを使って小さな鍋にタプタプに作ったので残りはもう半分以下。ちょびっとずつスープカップに温めたそれを入れ、温めたバターロールを傍らに食べることにした。カレーはカレーライスとして食べるのが一番美味しいのに違いないのだけど、バタートーストをじゃぶじゃぶ浸しながら食べたり、うどんにかけたり、スパゲティにかけたり、オムライスにかけたりしてもやっぱり美味しい。美味しいカレーだったら、もう何をやっても美味しい。
めちゃめちゃ手慣れた様子でバターロールをちぎってはカレーに浸して食べている息子を眺めつつ、私もさらさらっと朝御飯を済ませる。

昨夜に続き、今朝もデザートにパイナップルを。
1個100円程度の超安売り状態だったパイナップルは2〜3日前に買ってきてものだけど、息子がもう
「ぱいなぷるー、ぱいなぷるー。たべたいたべたい。……買って?」
と欲しがって欲しがって欲しがって買わされたものだった。

生のパイナップルは滅多に買わないものだから、切り方も忘れたというかわからないというか。ちょっと調べたりしつつ、缶詰のパイナップルの形状にざくざくとカットした。パイナップルの上下を切り落とし、縦に6等分くらいにしてから中央部分の芯を落とし、皮を剥く。あとは適当にザクザク切るだけ。あまりパイナップルを買わない理由のひとつは「だって、丸のままのパイナップルってあんまり甘くないんじゃない?」という思いがあったからなのだけど(←昔、母に何度か買ってもらって何度も失敗した……)、このパイナップルはすっごくすっごく甘かった。色はなんてことない薄い黄色なのに、こってりと甘い。初めて知ったことだったのだけど、パイナップルは葉がついている方じゃなくてお尻の方が甘いのね。しかも、食べるところもたっぷり。100円ちょっとで大変に美味しい思いをしてしまった。

昨夜、「パイナップルなんて切ったことないかも」と言ったら、だんなが
「え、おゆきさん、切ってたじゃん。新婚旅行のとき」
だそうで。ホテルのウェルカムフルーツのトレイに小ぶりのパイナップルがあって、私はそれを
「おやつに食べるわ♪」
と、日本から持って行ったフルーツナイフでザクザク切り始めたのだそうだ。だんなはそれを見て、「うわ、この人パイナップルバラし始めたよ……」とちょっとびっくりしたのだとか。

皮を剥いたりしなきゃいけないウェルカムフルーツは、ルームサービスに頼めばちゃんと綺麗に剥いて出してくれるらしい。でも、わざわざ頼むのはめんどくさいし、食べたいときは「今すぐ食べたい!」な気分だったりするので、旅行にはいつもフルーツナイフを持参。ウェルカムフルーツが出てくるようなホテルにはまず泊まらないけれど、スーパーや市場で「マンゴスチンだわ♪マンゴーもあるわ♪」と買ってきたりすることもあるしー。

2日目のタンカレー 特盛 チーズ乗せ
2日目のコールスローサラダ
福神漬
麦茶

今日も1人の昼御飯。うどんを食べようかな、ラーメンとかにしようかな、とも思ったのだけど、鍋に残るカレーを見ていたらムラムラきてしまった。
「3人分もないし……あと1人前ってとこだし……食べちゃう?食べちゃう?」
と冷凍御飯をあっためる。1包みの御飯じゃ物足りなさそうだな、と、2包みチンしたら大変な量になった。大変な量だけど、ルーの残りの量にはほどよくぴったり、という感じ。

「あちゃー、特盛になっちゃった……」
とか呟きながら、なのに「今日はチーズを溶かしてみよう♪」と固めな種類のモッツァレラチーズがちょっと残っていたのをスライスして散らしてみる。すぐにカレーの熱でヤワヤワと溶けていくチーズをぴよーんと伸ばしながら特盛カレーを堪能した。あああ、特盛サイズなのにチーズまで散らしちゃって、もう(でも後悔はなし)。

昨日の段階でグズグズ2日目カレーな風情のカレーだったのだけれど、今日は昨夜の何倍も美味しかった。肉も野菜もドロンドロンのグデングデン。見た目は悪いけど、かつてなく美味しいカレーになっていた。仕上げにひとふりしたガラムマサラが効いたのかしらん。

ブラックタイガーとブロッコリーのトマトクリームリングイネ
「R1/F」の
 鶏のYUAN GRILLサラダ
 茄子のバルサミコマリネ
シークワーサーバヤリース

パイナップル
リモンチェロのソーダ割り

今日から息子は週に1度のペースで音楽教室に通う。半年くらい前から「ぼくも、ピアノひいてみたいな?」と言うようになった彼を、3月頃に音楽教室の体験レッスンに連れていってみたのだけれど、それが気に入ったようで「これからもいくー」と。幼児コースの初回なので、"メリーさんのひつじ"を歌ったり、リズムに合わせて拍手したり、エレクトーンをびよよーんと手の甲を使うように流し押ししてみたりと、そんな軽い内容ばかりで、でも息子は楽しそうにあれこれやっていた。ピアノが弾けたり耳にするメロディを音符に直せたりする能力なんてものは、生きていくにはたいして必要なもんじゃないと思うのだけど、興味があることを「もういいや」と思うまでやってみることは悪くないと思う。まぁ、がんばれ。

教室が終わって教室近くのデパートの食料品売り場に寄ってみれば、ちょうど鮮魚などの"閉店前割引"が始まったところだった。ブラックタイガーが15尾ほど入ったパックが398円の価格から298円に修正されていたので、それを購入。息子が背後からずーっと
「ねぇね、ゆうごはんはクリームのスパゲティにしよ?しよ?ね?」
と小さく囁き続けていたので、根負けしてその海老はクリームソースのスパゲティの具になることとなった。ついでにサラダも100gずつちょこちょこと購入。「おいしそう!」と買ってきた、シークワーサー味のバヤリースをグラスにどぼどぼ注いで、簡単な夕飯を済ませた。だんなはお仕事。

海老は風味づけ程度の少量の薄切りにんにくと共に炒め、刻んだトマトを加えて、生クリームをどぼどぼどぼ〜っと。その海老鍋はそのまま生クリームを煮詰めるように弱火にかけ続け、パスタの茹で鍋にはパスタと共にブロッコリーも入れてみる。ブロッコリーは短く茹でればしっかり形が残ったものになってそれはそれで美味しいのだけど、パスタと同時に入れるとパスタが茹で上がる頃にはぐずぐずな状態になる。そのぐずぐずをソースに混ぜても、それはそれで。最近どうもぐずぐず野菜が好きになりつつあって、今日もまたぐずぐず系の仕上がりを目指してしまった。トマトとクリームでサーモンピンク色になったソースをパスタやブロッコリーと合わせたらできあがり。

トマト入りのクリームソースじゃ「なんか、ちがう」と言われるかしら?と思ったのだけれど、息子は
「おぉー、この、スパゲティ、おいしいね」
と気にせずガツガツ食べてくれた。生クリーム使っていればもう何でもOKらしい。プリプリの大ぶりな海老は思った以上に美味しかった。トマトクリームソースに魚介を合わせるのはなかなかよく似合う。

そしてデザートに飽きもせずパイナップル。昨夜から今晩までで1個のパイナップルを食べ切ったことになったのだけれど、今晩もモリモリ食べていた息子が、途中でヘンな顔をして
「……おかーさん、ベロがね、いたい……」
泣きそうな顔になった。気がつけば、私の舌もなんかイヤな感じにシカシカした感じがする。
「いたいー」
「ん……たしかに、いたいね……」
と言いつつ、もう残り3切れ程度しかなかったパイナップルを平らげたのだけど、食べ終えた後、またなんともいえぬ違和感が舌の表面に。パイナップルに含まれるタンパク質分解酵素のせいだということは知っているのだけれど、「パイナップル食べ過ぎて舌が溶けちゃった!?」と思うとちょっと怖い。

5月8日 土曜日
三越のイタリアフェアで遊んできました
千葉三越「イタリアフェア」にて
 ホタテ貝のスモークパスタ
 サンペレグリノ

 ジェラート盛り合わせ(パンナコッタ・ゴルゴンゾーラ・フラゴーラ)

数日前から、千葉三越でイタリアンフェアなるものが開催中。食材売ったり美術品売ったり、特設レストランコーナーでは"人気イタリアンシェフ"のパスタ料理を供したり、昨日の金曜と今日の土曜は料理教室やらサイン会やらもあるらしいのだった。で、昨日やってきたのは「カステッロ」の山田直喜さんと「アクアパッツァ」の日高良実さん、今日やってくるのは「アルポンテ」の原宏治さんと「アルポルト」の片岡護さん。「アクアパッツァ」は仕事相手だったりして、ついでに現在は「アルポンテ」も仕事相手だったりして(←先月、ホームページを開設したのでした)、
「原さんがいらっしゃるなら御機嫌伺いに行ってこよう〜♪」
と、家族揃ってぞろぞろと行ってみることにしたのだった。

たっぷり寝て寝坊したのも理由の1つだけれど、何も食べずに11時前に会場に。特設会場の一部が仕切られ仮設のレストランになっていて、そこでは1260円でパスタとパンのセット、1951円で前菜、デザート、コーヒーつきのセット料理が楽しめるようになっている。
「んーんーんー。美味しそうかも。食べようか?」
「1人1種類食べてみようか?」
と、各シェフがプロデュースしたパスタ料理を食べてみることにした。私は日高さんの「ホタテ貝のスモークパスタ イタリアンパセリのペースト添え」、だんなは"コラボレーションパスタ"なる「アンチョビのスパゲティ からすみ添え」、息子には原さんの「ミートソースのスパゲティ パルミジャーノチーズ風味」。ちなみに片岡さんのは「海の幸ラグースパゲティ」、山田さんのは「茄子を入れたトマトソース」。5種類のものから好みの1種類を選ぶようになっている。

いかにも"まにあわせ"的なテーブルや椅子で、"私ら、普段は皿運んだりする仕事じゃないんだけどね"といった給仕のおばちゃんたちが運んできた料理だったけれど、皿を適当に交換しながら食べたパスタはそれぞれどれも美味しかった。
私の皿は美しくグリーン一色のもの。イタリアンパセリがぷんぷんと香る緑色のソースが麺に絡み、表面が茶色くなった香ばしいスモーク帆立がごろごろと。そして上には水菜を刻んだものがごそっとトッピングされていた。

だんなのからすみパスタは、とっても濃厚。タラコスパゲッティのタラコをからすみに変えたように、粒々からすみが麺にこってり絡まっている。上からもスライスしたからすみがちらちらと。そして息子のミートソースは、麺にミートソースがしっかりと絡められ、上からどっさりパルミジャーノチーズをかけたものだった。なんてことない外見のミートソーススパゲッティだったけれど、これがとても好みな味。
「……からすみスパも旨いけど、このミートソースが……うまい」
「うん、帆立のスパゲティも美味しいけど、このミートソースが案外と……」
「なんだよぅ、おとーさんもおかーさんも、ぼくのスパゲティとらないでよー」
とか言いながら、つい息子のスパゲティを奪い取ってチュルチュルと。

パスタの後は、「デザート食べなきゃねー」と、「アルポンテ」が出店しているジェラート屋さんで盛り合わせジェラートを。ピスタチオだオレンジだレモンだバニラと20種類ほども種類があったのだけど、パンナコッタとゴルゴンゾーラとフラゴーラ(苺)をいただいてみる。パンナコッタジェラートにはキャラメルのソースが添えられ、ゴルゴンゾーラジェラートにはマスカルポーネチーズが添えられる。デザートのパンナコッタをそのまま凍らせたような濃厚なミルク味のジェラート、見た目は青カビチーズを感じさせない綺麗なクリーム色なのに味はガツンと青カビチーズのピリ辛感が漂うこってり味のジェラート、優しい色で優しい味わいの苺味のジェラートをたっぷり堪能。「アイス、アイス、おいしいねー」と息子は大喜びで、その後さらにマンゴージェラートやら紅茶のジェラートやらもいただいてしまったのだった。どれも、うまー。

パスタを平らげた後、午後1時から原さんの「クッキングショー」なるものがあるということで、整理券いただいてそれも見ていくことに。目の前でシェフが数品の料理作成をデモンストレーションし、レシピペーパーを無料でいただける。試食つき。メニューは「サラミのリコッタチーズ詰めとピーマンのマリネ」「渡り蟹とスカンピのリングイネパスタ」「ファルファーレパスタ、玉ねぎの白身魚のソース」の3種類。

息子にはつまらんだろうなぁ……と思っていたのだけど、シェフの手元を映しているテレビ画面などを見ながら、
「うっわー、おいしそうなスパゲティだなぁ。ね、おかあさん、おいしそうなスパゲティだよね」
などとゴニョゴニョと楽しそうに呟いている。1品できあがるたびに手元に一口分ずつの試食もやってきて、これまた息子は
「チーズだー」「おおっ、スパゲティだぁ」「またまたスパゲティだぁ」
と、嬉しそうにそれぞれ食べ、あげくに
「あの、テレビでやっていたあのスパゲティはおいしかったからー、また作ってね、おかあさん」
とか言っている。また作りたいけど、手長海老と渡り蟹を用意するのは、おかあさんちょっと大変かなー、みたいな。

仕事の話をしなきゃいけなかったのにここ数週間すっかりご無沙汰してしまっていたシェフにも無事に挨拶できて、その後はぷらぷらとお買い物。生ハム買ってパンチェッタ買ってイタリア産のカラスミフレーク買って、水牛のモッツァレラチーズを買って(←本来水牛の乳で作るものだけど、最近は牛乳で作られているものの方が多かったりする)、ちょっと安売りされていたマロンペースト買って、岩塩なども買ったりして、三越の思惑どおりに「イタリアンフェア」にお金を落としまくって帰ってきた。北海道フェアも危険だけど、イタリアフェアもすっごく危険……。

チーズ盛り合わせ
カプレーゼ
マグロのカルパッチョ仕立てサラダ
サンダニエーレ産生ハム
北海道のソーセージ
スパゲティ アーリオオーリオペペロンチーノ
ビール(モルツ)・天橋立ワイン

エスプレッソ
チョコレート
マンゴスチン

買ってきた生ハム、さっそく食べちゃおう、水牛のモッツァレラはカプレーゼにして食べよう……と、夕飯もたっぷりイタリアン。冷蔵庫に突っ込んだままだったワインをあけちゃえ、チーズもいろいろ切っちゃえ、と、豪華な食卓になった。

生ハムは早めに冷蔵庫から出して脂身をトロンと柔らかくさせておく。チーズはブリーとスモークとエーデルクロレン、チェダーを適当に盛り合わせ、生ハムと一緒に一皿に。薄切りにしたトマトは塩胡椒しておろしにんにくを薄く塗っておき、果汁がじわっと出てきてからスライスしたモッツァレラチーズ、ベランダで栽培中のバジルの葉と一緒に盛り合わせる。魚屋さんで安売りしていたマグロは、刺身で食べるよりも薄く薄くスライスしてレタスやキュウリと一緒に平皿に盛りつけてから海苔マヨネーズを格子状に絞ってみる。あとは、冷蔵庫内に残っていた北海道フェアで購入したソーセージ類を茹でてこんがり焼きつけた。粒マスタードをどっさり添える。

「……こういうおかずだとさ、"白い御飯"って感じじゃないよねぇ」
「……簡単なスパゲティ作ろうか?超シンプルにアーリオオーリオ……」
「うんうん。いいねぇ〜」
と、私があれこれおかずを用意して、だんながスパゲティを作成。ビールくわーっと飲んで、ワインもくわーっと飲みながらだらだらと食事した。酒呑みなおかずなような感じだけれど、息子には好評。
「生ハム、すきなー」
とか言いながら誰よりもたくさんの生ハムを食べ、チーズを掴み喰いし、ソーセージとマグロとスパゲティをばりばりと食べていた。

デザートには久しぶりにエスプレッソを淹れてチョコとマンゴスチンをつまむ。エスプレッソマシンは、結婚祝いにと友人M井さんが買ってくれたもの。コーヒーメーカー兼用なのでコーヒーを淹れる頻度の方が圧倒的に高いのだけど、エスプレッソがいつでも飲める環境というのはとっても幸せ。……でも、ミルク泡立て装置もちゃんとついているのだけど、こちらはまだ使ったことがなかったりするのだった。使いこなせてなくてごめん、M井さん……。

5月9日 日曜日
おむすぱ(卵の下にはナポリタン)
「ミスタードーナツ」にて
 エビマヨネーズパイ
 シナモンクルーラー
 氷コーヒー

今日は一日だらだら予定の日曜日。だらだら予定にはぴったりの、外は朝から小雨模様だった。ここぞとばかりにベランダの花の世話をしてみたりしながら、のんびりと朝御飯。
「……何か、食べようか。……外、行く?」
「あー……今日は9日で"ニクの日"だから、お肉屋さんに行かなくちゃ。安くなってるはずだし」
「じゃあ、肉屋ついでにミスド行くー?」
とか言いながら、ぽてぽて歩いて駅前のミスタードーナツに向かってみた。最近、"カニグラタンパイ"が発売されたのでミスドのグラタンパイ好きなだんなに食べさせてあげたいというのもあったりして。

軽くにしとこうね、ドーナツ1個ずつとか、と最初は言っていたはずなのだけど、だんなはパイを2個トレイに乗せてるし、息子もお気に入りのD-ポップの他にチョコドーナツを所望してるし、私も負けちゃいられないわとパイとドーナツを1個ずつ選んでしまった。皆揃って朝からハイカロリー……。

ナゲットのような形状の海老のフライ(コロッケみたいな?)がくるまれ、ほのかにマヨネーズ風味漂う新発売のパイ。今日初めて食べたのだけど、「うーん……こんなものか……」という感想。昔売られていたエビグラタンパイがすごく好みだっただけに、あんまり"海老感"が感じれられなくてやたらとオイリーに感じられるこのパイの味はちょっと残念だった。
「だんなは?だんなのカニグラタンパイはおいしい?」
と聞いてみれば、
「うーん、こっちもね、こんなもんかな……って感じ」
という返答。

オールドファッションとかエンゼルクリームの味は変わっていないと思うのだけど、ミスドの新製品は年々イマイチになっている気がする……と思うのは私だけ?(あ、でも、氷コーヒーと氷いちごはとても好き)。

とんこつラーメン (チャーシュー多め)
麦茶

お肉屋さんでうきうきと挽肉やら豚肉やらを買ってきた。ついでにチャーシューも買ってきて、買い置きのインスタントとんこつラーメンを昼御飯に。具はチャーシューと刻み万能葱だけだけど、チャーシュー多めでほんのり豪華。
安売りされていた、なんてことないとんこつラーメンだったけれど、家でできたてのを皆で食べるとそれはそれで美味しい。

午前中に買い物を済ませたことだし、あとは一日中だらだらしていようと思ったのだけれど、
「おゆきさーん……冷蔵庫の中、整理しない?最近特にぎゅうぎゅうじゃない?」
というだんなの一言で冷蔵庫の大掃除を始めることに。前のものを使い切ってないのに別のものを開封してしまったドレッシングだとか、面白がって以前あれこれ買ってしまった焼き肉のタレだとか、何種類もあるチーズの塊だとか、そういうもので冷蔵庫は最近とみにギチギチ状態だったりした。

「いけないのはさ、ドレッシングが入る高さがあるドアポケットに豆板醤とかのミニ瓶を入れちゃってることだよね」
「100均行って、冷蔵庫の中を整理できる何かカゴとか、買ってこよっか」
冷蔵庫の中を見ながらごにょごにょ相談しあい、小雨降る中、再び100円ショップにお出かけ。小瓶が整理できそうなトレイだとか、重ねカゴだとかをちまちま買ってきて、冷蔵庫の中のものを一度全部取り出して大掃除をした。こぼれた調味料とかで棚の一部がカピカピになってしまったりしていたので、棚も全部とっぱらって水洗い。私が整理整頓、だんなが棚洗いを担当して、1時間ほどかけて冷蔵庫内の配置をリニューアルした。「昔ジャムだった何か」とか「昔漬け物だった何か」みたいなものはほとんどなかったので(でも、"昔メンマだった何か"はでてきた……)、 捨てるものもたいしてなかったのだけど、冷蔵庫内はすごく広々と。

片づけ途中、
「だんなー……生チョコだったもの(もうカチカチに固い……)が出てきました」
「よし、今、喰ってしまおう」
「あとね、4月末に賞味期限が切れているヨーグルトも出てきましたー」
「よし、それも喰ってしまおう。じゃ、コーヒー淹れとくから」
なんてことになって、チョコ食べたりヨーグルト食べたりしながら一休み。そう、捨てたものはあんまりなかったのだけど、賞味期限切れのものはうじゃうじゃ入っているのよ、我が家の冷蔵庫……(ダメじゃん……)。

だんな特製 オムスパ
お刺身サラダ
炭火焼き鶏レモン風味(既製品)
ビール(モルツ)

ここ数週間、私はなぜか猛烈にスパゲティナポリタンが恋しかった。
「ナポリタンが食べたいなー、食べたいなー」
と、我が家のナポリタンスパゲッティ担当の夫にお願いしていたところ、
「よーし、オムスパにしよう!」
と提案された。

「……おむすぱ?イタスパじゃなくて?」
「ちがう、オムスパ。卵が下じゃなくて、上にある」
「あー……うん、おむすぱ。OK、おむすぱ」
ということで、オムスパ。カロリーたっぷり朝御飯やら遅めの昼御飯やら、期せずして食べることになったおやつやらであんまり空腹になってはいなかったので、スパゲティの他には昨夜の残りの刺身と小さなパック入りチキンで適当に。

だんなの作るナポリタンは、これでもかこれでもかこれでもかと、私はおそろしくて入れられないほどのバターが使われている。ケチャップとバターのコテコテ味で、ある意味下品なのだけれどとっても美味しい。具はそのときあるもので適当に作られるのだけど、今日はベーコンと玉ねぎとピーマンという超定番な組み合わせ。我が家最大級の深皿にたっぷりのナポリタンスパゲティを盛りつけて、その上から大きなオムレツをどーんと乗せる。ナポリタンもバター風味でオムレツもバター風味なので、全体的に乳臭〜い料理だったりした。でも、それが美味しい。

「やっぱりさ、こういうナポリタンにはクラフトの粉チーズじゃないとね」
「そうそう、"パルミジャーノ・レッジャーノ"をすりおろしたりするのはダメなのよね」
とか言いながら、緑色の缶から粉チーズをカッシャカッシャとふりかけまくって太めの麺を啜る。卵が乗ってるだけだけど、いつもより5割増しくらいに美味しく感じたナポリタンだった。

冷蔵庫はすっきりしたし、ここ数週間食べたかったものも無事に食べられて、シアワセな週末。予定どおり、きっちりだらだら。