食欲魔人日記 05年08月 第2週
8月8日 月曜日
白玉茹でて、あずき缶開けて、白玉宇治金時。
イングリッシュマフィン
ポーク卵
アイスカフェオレ

昨日はだんなの帰りを待ちながら、夜遅くまで息子とポケモンカードバトル。だんなが帰ってきて、あれこれ話して、結局寝たのは日付も変わろうという頃だった。今朝は9時過ぎまで皆でぐーぐーと盛大に朝寝坊。だんなの夏休み期間中だけれど、今日はこれといった予定はない。

朝御飯は、残っていたイングリッシュマフィンに「ポーク卵」を挟んで。「ポーク」とはランチョンミートのこと。SPAMとかTULIPとか、人によって好みは色々らしいけれど、沖縄料理をあれこれ覚えてからというもの我が家に「ポーク」は欠かせない存在になった。節操なく、安売りしているのを見つけるとSPAMもTULIPもかまわず買ってはストックしている。炒めるとこれでもかと油がじくじく染み出てくる、大変に危険な食べ物だ。でも、ベーコンだってこんなに油は出てこないよというほどにオイリーなこれが、ゴーヤーチャンプルーには欠かせない。……で、ゴーヤーチャンプルーを作るたびに缶を開けて、余ることになる。

余ったポークは、今回のように、大体朝御飯で食べることになる。ベーコンエッグならぬポーク卵は、ベーコンエッグに負けず劣らず美味しい。いや、ベーコンエッグより美味しい。少なくとも、だんなはそう思っているみたいで、
「ランチョンミート……余ってるから、ポーク卵にでもしようか?マフィン余ってるし」
と言ったら、起き抜けのだんなの顔がぱあああと輝いた。そんなに嬉しいかポーク卵。このクソ暑いのに、起き抜けに食べられますかポーク卵。

薄くスライスしたポークをフライパンでこんがり焼きつけ、ひっくり返したところで卵を真上に割り入れる。卵を半熟に焼いたら、トーストしたイングリッシュマフィンに挟んでできあがり。ノリとしてはボローニャソーセージやサラミなどにも似ているけれど、でもなんというかコッテコテのアメリカ〜ンな味がする。

「スガキヤ」のカップ麺
麦茶

「ふりかけが無くなっちゃったんだよ。買いに行かなきゃ」
「コーンフレークも、もう無いねぇ」
「あ、あと銀行も行かなくちゃ」
「俺、郵便局行きたいんだよなぁ」
と、だんなとごにょごにょ話し合い、用事を済ませがてら駅前のスーパーに行くことに。

息子も行くよね?どっかでお昼食べてこようか?と息子に声をかけたところ、
「……あついから、るすばんしてたい」
だそうで。「おうちにあるもので、お昼ごはん食べたい」とも言われ、家にあるもので軽く済ませることにした。

現在我が家には、怪しい名古屋ものカップ麺が色々と存在している。スガキヤのとんこつスープのカップ麺、CoCo壱番屋のカレー味焼きそば、若鯱家のカレーうどん。なんで自分の故郷でもなんでもないのに、コンビニで名古屋系の食べ物みつける度に
「ややややや、だんなさん、見てくださいよ」
「おお、これは買わねばなりません」
とか言いながら、外出先でもカップ麺を買ってしまうのか。確かカレーうどんは、新宿を歩いていて見つけてしまって、その後何時間も持って歩き続けることになった品だ。カレーのだしパックが入っていると思われるカレーうどんは、たいそう重かった。

「じゃあ、俺、カレー焼きそばね」
「私、スガキヤね」
「ぼくはー、赤いきつね、ね」
息子は名古屋に関係なく自分の欲望の赴くまま一番好みな品を選択し、各自思いのままのカップ麺を堪能した。

私はスガキヤ(名古屋が誇るファーストフード的ラーメンチェーン。なんとラーメン一杯たったの280円)は一度も行ったことがないのだけれど、だんなに言わせると
「うむ、限りなくあの店のあのスープを再現している」
だそうで。和風とんこつのスープはあっさりさっぱりで、とんこつなのに磯臭い。メンマや葱と共にチャーシュー1枚もぺろりと薬味に加わっていて、これがなんというか笑っちゃうような美味しさだった。すごくファーストフードそのまんまな味なのに、やけに美味しい。だんなに分けてもらった太麺のココイチカレー焼きそばもオリジナリティに溢れる味で、今日も名古屋の偉大さに打ちのめされた。

スガキヤはつい先日高田馬場にオープンしたそうで、これは行ってみなくちゃだわ。……値段も名古屋とちゃんと同じなのかな?

氷 白玉宇治金時

本日は、おやつに氷宇治金時を。先日焼き肉屋でだんなが「いかに俺は白玉が好きか」ということについて熱く語っていたので、その帰り道酔った勢いで白玉粉買って帰ってきたのだった。水加えてこねこね、赤血球の形にして茹でて、団子を作る。息子が喜んで粉をこねたり、茹であがったところを氷水にとってくれたりのお手伝いをしてくれた。

我が家のかき氷機は、あの喫茶店の暖簾の「氷」と同じ字体の「氷」の文字がサイドに入った、手動のもの。確か、結婚して最初の夏に上野の松坂屋デパートでみつけて買ってきたのだった。
「電動じゃなく、手で地道にかくのが良いよ」
「んで、子供向けなキャラクターとかついてるのはNGね。シンプルなのね」
「……こういうの?」
「そうそうこういうの!きゃーカッコイー!買っていこう!」
と、即決して買ってきたかき氷機。以来、毎夏活躍してくれている。

器の底に宇治シロップ入れて、氷かいて、またシロップかけて、白玉と缶詰の茹で小豆乗せて。宇治シロップはいつもの「明治屋」のじゃなく、新宿三越地下の製菓材料店で見つけて買ってきた、高級感溢れた、ちっこい1瓶500円のシロップを使ってみた。……おー、濃厚でお茶の味ぷんぷんで、美味しいぞー。白玉も、外の店で食べたら3個くらいだったりするけど、今日は1人5個。とても贅沢な白玉宇治金時だった。

枝豆
バターコーン
ジーマミー豆腐
カツオのたたき オニオンスライス
アジのたたき 薬味たっぷり
シジミの味噌汁
羽釜御飯
ビール(エチゴビール3種)

スイカ

ここ2日ステーキが続いていたのでさすがに魚が恋しくなって、魚屋さんをうろうろ。御立派な大きさの1尾160円のアジがあったので2尾買ってきた。1サク350円のカツオもボリュームたっぷりでぷりぷりと美味しそうだったのでそれも1つ。じゃあ味噌汁も魚介にしようとシジミも買ってきた。

カツオのたたきには、山盛りのオニオンスライスを添えるのが大好き。皿にこれでもかとオニオンスライスを盛りつけ、そこにカツオを並べ、刻んだ万能葱をカツオが見えなくなるくらいぶっかける。タレはたいてい自家製で、酒と味醂を同量ずつ小鍋に入れて煮切り、醤油と柚子酢を加えて適当に味を調整したもの。そこに刻み茗荷とか刻みシソとかおろしにんにく、おろし生姜を別添にして、あれこれ合わせながらいただく。

今日はアジのたたきもあったので、薬味は山盛り用意した。アジより葱の方が多いんじゃないかというほど葱を入れて混ぜ、生姜もしこたま混ぜ、胡麻油を風味づけ程度にちらっと垂らして、粗塩ガリガリ上からかけてまた混ぜて、それをそのままつまんだり、御飯の上に乗せたり。
「よりその料理を好きな人が、その料理を作るべし」
の我が家の掟に従ってだんなが作ってくれたアジのたたきは、小骨もなくて皮も綺麗に剥いであって、適度にざっくり粗めで身がぷりぷりとしていてサイコーだった。だんなは「アジのたたき」への愛ゆえにその手間を惜しまないけれど、私はそこまでの愛がないゆえか小骨が残ったりしてしまうのよね……やはりアジのたたきはだんなに作っていただくに限る。

なんだか魚介系居酒屋みたいなメニューだねと、枝豆茹でて、息子好物のバターコーン(バターで缶詰のホールコーン炒めただけ)も。3種類立て続けに空にしてしまったビールは、昨日だんながお友だちからいただいてきた(ありがとうございます〜♪)「エチゴビール」なる、ピルスナー・ビアブロンド・こしひかりのセット。どれも味のあるビールで美味しかったけれど、エールタイプのビアブロンドが特に好みだった。こってりしているのに後味はさっぱり。脂の乗ったカツオにお似合いだった。

食後は今シーズン何度目かのスイカ。果物屋さんの店頭で、あまりにも良い香りのカットスイカが並んでいて(一緒に桃も並んでいたにも関わらず、売り場がスイカ臭かった……)、思わず買ってきてしまった1/8カットのスイカは期待通りに甘かった。暑い日が続く今年の夏はしんどいけれど、でも暑いからこそビールもスイカもしみじみ美味しく味わえて、幸せ。

8月9日 火曜日
1年半ぶりに食べた、好物の咸水角
車内でおべんと
 おにぎり(ごはんですよ・あんだんすー)
 醤油味の卵焼き・いぶりがっこ
 麦茶

今日は早起きして遙か江ノ島にお出かけ。目的は海水浴じゃなくて水族館。
今年の4月にリニューアルオープンした新江ノ島水族館は、深海魚とクラゲに力を入れているという、とても私好みの水族館。いつか行ってみようと楽しみにしていたのだった。息子は息子でペンギンやアシカやイルカが好きなようで、イルカショーがあると聞いてわくわくしっぱなし。

今日の夜は鎌倉で花火大会があるらしい。あまり遅くに行くとその混雑にぶつかってしまって大変だろうということで早めの出発にすることにした。昨日のうちに朝御飯用のおにぎりを作っておいて、今朝になってから卵焼きを作っていぶりがっこをスライスし、おにぎり2個と卵焼き2切れ、いぶりがっこ3枚をそれぞれセットにしてアルミホイルにくるんで1人前のお弁当にしておく。

東京から、東海道線に乗って藤沢へ。そこから小田急線で数駅先の片瀬江の島駅へ。片瀬江ノ島から水族館までは徒歩3分だ。東海道線に乗り込んだところで、東京駅で買ったペットボトルのお茶飲みながら家族でもぐもぐと朝御飯を平らげた。瓶の底にちょびっとだけ残っていた「あんだんすー」(沖縄の油味噌)を使ったおにぎりがたった1個できていたのだけれど、
「いいよ、おゆきさんはそれをお食べ。俺は"ごはんですよおにぎり"だけをお腹一杯食べたいから」
とだんなに譲っていただいて、私はそれを1個と"ごはんですよおにぎり"を1個。

江ノ島 「和食処 永谷園」にて
 とんかつ茶漬け御膳 \1300
 生ビール \520

10時頃、無事に水族館に到着。入り口近くで「イルカと握手 お一人様500円 13時30分から空きあります」なんて案内があり、
「……イルカと握手……したいかも」
「したいしたい!ぼくしたい!」
「俺もしたい」
と、イルカ握手券をまず購入(多分子供向けイベントなのだろうけど、家族3人イルカと握手)。それから館内をのんびり見て歩いた。

大水槽には東日本にはここだけという「シノノメサカタザメ」なる巨大なサメがいたり、深海から採取してきた貝や海老の類がいたり。クラゲは8種類ほど、期待していたほどの種類はいなかったけれど、大型水槽にどっさりと「パシフィックシーネットル」がいたり、洋菓子のような綺麗な色合いの「ブルージェリーフィッシュ」がいたり、萌えに萌えまくる私。ああ、クラゲってステキステキ。大型水槽の前に張り付いて、
「マイフェイバリットジェリーフィッシュ〜♪癒しのクラゲ動画〜♪」
なんて呟いてヒラヒラ漂うクラゲの動画を撮影していたら、だんなが背後で苦笑いしていた。今日の私のデジカメには、食べ物写真じゃなくてクラゲ画像が山盛りだ。

水族館堪能の間に、一度館を出て(手の甲に再入場用スタンプ押してもらって)お昼御飯。館内にはファーストフード店のようなところしかなさそうだったので、もう少し落ち着いて食べるところはなのかしらー?と館の周囲を見渡すと、道路を挟んだ向かい側に「永谷園」のファミレスと、「カプリチョーザ」があった。もうちょっと歩けば地元の定食屋さんなどもありそうだったのだけれど、そこまでの時間的余裕がなくて
「永谷園……かな」
「かな?」
と、初めて入る永谷園のファミレスへ。

和食中心のメニューかと思いきや、メニューの中心は「とんかつ」という店だった。目玉商品は「とんかつ茶漬け」であるらしく、私はそれを。
「おおー、とんかつ茶漬け、食べたことないよ。話には聞いたことあるけど」
「あ、食べたことないんだ?おゆきさん」
そうか、だんなは食べたことあるんだ……と軽いジェラシーを感じつつ、私は初めてのとんかつ茶漬け。ロースカツと刻みキャベツ、添えられたソースはウスター風のサラサラしたもので、梅肉っぽい酸味が感じられる。トレイの上にはだしの小鍋が火にかけられ、小さなお櫃に御飯。薬味としておろしわさび、三つ葉、海苔、あられがついてくる。あとはお新香少々。

これがなかなか美味しかった。茶碗に少量御飯乗せて、ソース浸したカツ乗せてキャベツ乗せて、薬味をあれこれ添えてから鰹風味のだしをたっぷり。「天茶」は、より自然に全体が馴染む味だと思うけれど、「カツ茶」は「なぜ、茶漬けにカツが」という違和感が漂ってくる。でもその違和感が美味しいというか、わさびや三つ葉の香りのカツがやけに美味しく感じられたり、そのカツのソースやらが溶けた御飯もまたけっこういけたり。微妙な違和感が逆に美味しくて、案外いくらでも食べられる。

「あ、美味しいよ、美味しいよ、けっこう美味しいよ」
と、額に汗してさらさら茶漬けを食べまくる私の向かいでは、だんなが「かつ煮御膳」に取り組んでいた。息子は「お子さまうどん」(うどんの他に、たこ焼きとフライドポテトとフルーツ盛り合わせがついたお子さまランチ……これまたちょっと不思議な組み合わせ)。

鶴見 「翠華樓」にて
 本日の三品小鉢 \500
 大根餅 \450
 海老蒸し餃子 \500
 ショーロンポウ \500
 五目入り揚げ餃子 \450
 豆腐と蟹肉の煮込み \1200
 蟹炒飯 \700
 マンゴープリン 2×\500
 生ビール(ジョッキ) 3×\500
 青島ビール \500
  親子でもぐもぐ。

午後も再び水族館を歩きまわり、イルカのショーを見たり、「イルカと握手」イベントに参加したり、触れ合いコーナーでネコザメやトチザメに触ってみたり。間近で見たイルカはやたらとキュートで、でも握手したヒレはやっぱり限りなく魚っぽいヒレだった。固くて冷たくてツルツル。で、子供向けイベントかと思われた「イルカと握手」は、案外大人も楽しそうに参加していた。みなさんイルカとお近づきになりたいらしい。

魚を満喫した後は、そのまま海岸に出て息子は波と戯れまくる。ロケーション的にこうなることを予想していて息子の着替え一式は持ってきていたので「濡れてもいいよ、びしょびしょになってもいいよ」と伝えた途端に、息子のリミッターが外れた。シャツもズボンもずぶ濡れにして遊ぶこと数十分。頭から塩水ばたばた垂らしながら「たのしかったー」と戻ってきた。シャワー浴びさせて拭いて着替えて、
「水族館と海、どっちが楽しかった?」
と聞いたら「どっちも!」だそうで。そろそろ花火客で混雑してくるだろう鎌倉を避けて、モノレールで大船に出て、そこから横浜へ戻っていった。さすがに、夜の花火見物まで楽しむほどには体力は残ってなさそうだったし、花火を見てしまったら帰宅は11時過ぎになる。

で、夕飯にはまだちょっと早い時間ながら、せっかく横浜あたりまで出てきたのだからと1年半ぶりくらいに「翠華樓」に寄ってきた。もう何年も前に「マンゴプリンが美味しいですよ」と教えてもらったお店で、マンゴプリン含む全ての料理(ことに点心類)の美味しさと安さに惚れて、何回もこの店だけを目当てに鶴見に寄っている。その間、何度も「美味しくなくなった」という噂を聞いたり、身近な友人にも「一緒に行ったときは美味しかったのに、次に行ったらすごくイマイチだった」なんて話を聞いてしまったりして、最近は行くたびにロシアンルーレットを試す心境になりつつある。我が家も一度だけ、「……あれ?」という料理やマンゴプリンを出された時があった記憶がある。

久しぶりだったけれど、いつも通り点心類とビールから。海老蒸し餃子(蝦餃)に、息子の大好物大根餅。スタンダードな味の小龍包に、私の大好物五目入り揚げ餃子(咸水角=ハムスイコ)。500円の前菜3種盛りがあったので、それも頼んでみた。

3切れずつのチャーシュー、蒸し鶏、そして少量のクラゲがシンプルに盛り合わされた前菜3種盛りも、プリプリした海老蒸し餃子も、こんがり焼けた大根餅も、不安はよそに相変わらずの美味しさ。五香粉の香りのない、優しい味の咸水角も相変わらずの味だった。醤油味ベースのとろみのついたあんでくるまれた野菜や肉を餅皮で包んで揚げたお団子のような「咸水角」は、私の一番好きな点心だ。メニューにあると必ず注文してしまうけれど、この店の優しい味のこれが大好物。お店によってはスパイス臭がちょっと強めについていたりして、それもそれで楽しかったりする。地味だけれど、美味しく作るのはなかなか大変そうな点心だ。

「なんかさ……豆腐料理とか食べたい」
「あ、わかるわかる」
じゃあ「豆腐と蟹肉の煮込み」にしよう、その後は「蟹炒飯」ね……なんか蟹ばっかだね、そんな蟹好きかお客さんって感じだけど、まぁいいか……と相談しながらビールあおって、そんな感じで。あれこれつまんでいると、「昔は"すさまじく美味しい"くらいだったのに、ここ何回かは"すごく美味しい"くらいになっちゃったかなぁ……」なんて思いも少しよぎったのだけれど、でも相変わらず美味しいは美味しいし、お値段も手頃だと思う。なにしろたっぷりの蟹炒飯が700円!すばらしい。

最後に果肉たっぷりプルプルツルツルのマンゴプリンもいただいて、電車に揺られて帰宅。水族館も海も楽しかったけれど、息子を見守っている間に顔や腕が盛大に日焼けしてしまったらしくてちょっとお疲れ……。

8月10日 水曜日
だんなの作るナポリタンは黒胡椒風味
ロールケーキ
アイスカフェオレ

昨日、湘南の海の波打ち際で息子を見守っているあたりから「なんかヤバイ」と思っていた。日射しが強いからかなぁ、なんかグラグラするなぁ、だるいんだよなぁ、水分は取ってるのになぁ……と感じていたのだけれど、昨夜夜半過ぎにいきなり発熱。咳も喉の痛みもなくただ熱だけが上がっていって天地がぐるぐる。ここのところ外出が続いて人混みに揉まれる機会が続いていたし、昨日は昨日で愛しのクラゲや深海魚を前にして興奮しまくってしまったのが原因なんだと思う。そんなに興奮してたのかしら私。

そういうわけで本日はぐにゃぐにゃな私。朝御飯はどうしようと冷蔵庫を覗いたら、数日前に「おやつに食べよう」と買ってきたロールケーキがそのまましまわれていたので、親子で分けっこして食べた。悲しいことに、不調になっても食欲は絶対落ちないのよね。冷たいロールケーキがやけに美味しかった。

だんな特製 ナポリタンスパゲティ
アイスカフェオレ
すいか

私は一日おとなしく布団の中。今日も明日も、明々後日とその次も楽しみにしている予定があって、どれもこれも絶対行きたいと思っているのだけれど、どうも今日は無理っぽい。友人に「ごめん。ダメっぽい」と一報入れてぐーぐー寝る。

お昼御飯は、久しぶりにナポリタンスパゲティが恋しいねと、だんなが作ってくれた。具はスタンダードにベーコンと玉ねぎとピーマン。いつもの太麺(←あんかけスパゲティ「ヨコイ」用特別太麺)が使われた、だんなの作るナポリタンは、私には絶対入れられないだろう分量のバターが使われていると思われる。バターとケチャップで絶妙のコクがついて表面がキラキラと輝き、クラフトのパルメザンチーズがこよなく似合う喫茶店チックな味のナポリタンスパゲティ。黒胡椒が適度に効いていて、ちょっとだけ大人の味だ。

熱の下がらない私もしっかり一緒にいただいて、水分多めに取って、午後もぐーぐー。夕方になってやっと少し楽になってきた。

だんな特製 ポークカレー
ゆで卵
福神漬
サニーレタスのサラダ
冷たいコーンスープ(パックもの)
麦茶

「カレーは喰える?」
のだんなの声に全力で頷いたところ、夕飯はポークカレーになった。昼食に続き、
「最初に肉にカレー粉揉み込むんだっけか……」
とか言いながら、だんなが最初から最後まで作ってくれる。給食のカレーを食べるようになって「自分ちのカレーは、けっこう辛いらしい」と気付いてしまった息子のために、たまには絶対辛くないカレーをという趣向で本日は「甘口」カレーになった模様。

4時くらいから仕込んでくれたポークカレーは、良い具合にとろんとろん。肉の脂も柔らかく溶けて、良く煮えた絶妙な美味しさだった。ビーフもチキンもラムもいけるけど、最後に辿りつくカレーはやっぱりポークかな、というほどに、私はポークカレーが大好き。

さ、さっさと寝て、明日元気にお出かけしよう。
カブトムシもらいに行くんだもんね。

8月11日 木曜日
つくば市の、担々麺の旨い中華屋さん
ホットドッグカレーソース
スイカ
アイスカフェオレ

昨日ヒーヒー言わされていた熱、昨夜9時頃にやっと平熱に戻り、心配していた咳や喉の痛みにも悩まされることなく無事に朝を迎えられた。やっぱり風邪とかじゃなくて知恵熱(というか興奮熱というか……)のようなものだったのかしら。普段は人混みに揉まれる生活をしていないから、ここ数週間のいかにもな夏休みイベントの連続がちょっとお疲れだったのかもしれない。

ちょっとまだ体はだるいけれど、でも今日はお出かけ。茨城在住のお友だちMさん家にカブトムシをいただきに行くのだ。

「うちの近所、街灯とかにカブトムシ飛んでくるよー欲しかったら捕まえておいてあげる」
と、Mさんののだんなさん(=だんなの高校来の友人)から嬉しいお申し出をいただいたのは、もう去年の夏か一昨年の夏か。子供の頃、あたりまえのようにカブトムシを飼ってトンボ捕りに熱中していた私は、「ちょうだいちょうだい、捕っておいて!」という気分だったのだけれど、当時の息子はまだ虫を怖がっていた。なのに今年はうってかわって「カブトムシ!欲しい!」と騒いでいる(全てはムシキングのせい……)。

もしも捕れたら、連絡くれる?いただきに行くよーとお伝えしていて、「捕れたよー」と連絡いただいたのが数日前。開店直後の「ル・パティシエ・ヨコヤマ」でシュークリームとロールケーキ買って、電車に揺られてMさん家を目指した。

朝御飯は、昨日だんなが材料を揃えておいてくれたホットドッグ。いつもはカレー粉を少しふって炒めるキャベツをただのバター炒めにして、その代わりにカレーソースをウィンナーの下に敷く。チーズも散らしてオーブンで表面をこんがり焼き、とろけたチーズとぷりぷりウィンナーとカレー味のホットドッグをいただいた。

昨日、お義母さんが大きなスイカや良い香りの桃、種なしぶどうや野菜類をどっさりくれたので、台所には果物がいっぱい。甘いスイカを大きく切って、それも囓ってから家を出る。

Mさん家で
 水餃子
 ひよこ豆のコシード
 麦茶

お昼頃、Mさん家に到着。餃子のタネを仕込んで待っていてくれたMさんと一緒に餃子を包んで茹でて食べる。キャベツ入りの餃子に醤油と酢と胡麻油、そして好みでラー油を落としたタレを用意して、テーブルには昨夜圧力鍋で煮込んだのだという「ひよこ豆のコシード」というお料理も。キャベツやじゃがいも、にんじんなどの野菜と一緒にスペアリブや鶏もも肉、ひよこ豆などを煮込んだポトフのような料理で、シンプルな塩味ながら複雑な旨味が染み出ていてとっても美味しい。

コシードを小皿にいただきつつ水餃子をもぐもぐ。久しぶりに会った娘さんをいじりたおす。1歳を過ぎた娘さんは足取りもしっかりとして、私のデジカメを「なにやってるのー?」と覗き込んできた。かわいいなぁ……。

主目的のカブトムシ(オス1匹、メス2匹)もいただき、我が家から持参したケースに移す。あらかじめ「マット」なる専用の土を入れていったところ、全員がモソモソと土の下にもぐっていった。長生きするといいねぇ。一応、卵を産んでくれるのを前提に(来夏の羽化目指して幼虫育てるのも一興かと)思っているのだけれど、うまくいくかどうか。

つくば「百香亭」にて
 雲白肉 \680
 皮蛋豆腐 \580
 蝦長粉 2×\380
 蘿蔔餅 2×\380
 葱油花捲 2×\200
 家常豆腐 \780
 干張肉 \680
 菜脯蛋 \780
 油淋魚 \980
 糖酢肉 \1180
 蟹炒飯
 担々麺
 杏仁豆腐
 時果布丁
 ビールとかワインとか、いろいろ
大人5人子供2人でもぐもぐもぐ。

そして夕方。Mさんの運転する車に乗せてもらって「百香亭」という中華料理のお店へ。つくば市にはTさんが住んでいる。MさんもTさんも大の料理好きということもあって、「いつか一緒に御飯でも食べられるといいね」なんて言っていた。せっかく大人数でテーブルを囲めるんだしと、我が家+Mさん親子+Tさんご夫妻の総勢7名で中華料理を満喫してきた。

このメンバー、大人5人のうち4人が食いしん坊ときている。Tさんのだんなさん、タローさんだけが、食べるものにあまりこだわりを持たない人だ。4人でがっつりと
「……あ、これ美味しそ」
「こっちも食べたいよね、気になる気になる」
「……この料理取ったら、お子さまたちも食べられるんじゃ?」
なんてわいわいとあーだこーだ言っているさまを、ライオンの群の脇に立つシマウマのような表情でつくねんと座ってらした。食事中もわいわいと、食べている料理に関する会話のみならず「どっちの料理ショーでさぁ」なんて話題で盛り上がると
「なんでこの人たちは、食事しながら"ここに存在しない料理"についてここまで熱く語れるのだろう」
とハニワ顔になっている。あはは……すみません、我が家じゃいっつもこんなです。

ほんのり台湾よりの中華料理屋さんという雰囲気のこのお店、食事時には行列ができる人気店ということだ。つくば市の本店を中心に、続々と支店もオープンしているらしい。「百香亭」という名前の店なのだけれど、すぐ近くの大通り沿いには「百香園」という、看板もそっくりな、どう見ても「パクリ」としか思えないお店(メニューも名物料理も似ているらしい……)まで作られていた。「百香亭」のお店入り口には「紛らわしいお店がありますが、無関係です」的な貼り紙までされている。……色々と大変らしい。

さてさて、で、注文した料理は、雲白肉にピータン豆腐、点心類は長粉(チョウフン。「腸粉」と書くことの方が多いかな)、大根餅、花巻とそれに合わせて豚肉の角煮。更に家常豆腐、大根と海老入りの卵焼き、油淋鶏の魚版「油淋魚」、ゲンコツ肉の中国黒酢の酢豚(お店の人気メニューらしい)、そしてシメに蟹肉入りのチャーハンと、イチオシの担々麺。クーポン持参で杏仁豆腐まで人数分しっかりといただいて、全員がイヤというほどお腹いっぱいになった。

醤油色をしたニンニクだれではない、透明な塩ダレベースの雲白肉に、やはり塩味ベースのピータン豆腐。ピータンと共に刻んだきゅうりや山芋が混ぜられていたのが面白かった。酢豚はその名のとおり「げんこつ肉」。本当に大人の拳のサイズの肉がごろりごろりと皿に盛りつけられ、真っ黒な黒酢のソースがたっぷりと。酢豚というと肉の他は「にんじん・玉ねぎ・ピーマン・パイナップル(賛否あり)」あたりが代表的な具だろうと思うのだけれど、この酢豚には玉ねぎの他、山芋と里芋という組み合わせの具が添えられていた。それもまたちょっと不思議で面白い。

スタンダードなものあり、ちょっと独特なものありで、楽しい料理に楽しい会話。最後の担々麺は太麺に濃厚なスープが絡むガツンと辛い重量感のあるもの。既にけっこうお腹一杯だったけれど、1碗ずつ皆で取り分けて「カラーイ」「でもウマーイ」とか言いながら平らげた。

Mさんからはユープン(油飯=台湾風おこわ)をいただき、Tさんからは自家製パンと沖縄のグアバ、ゴーヤーをいただいて、カブトムシと共に帰宅。楽しかった〜。

8月12日 金曜日
朝御飯に、フルーツプレート

種なし葡萄
スイカ
グアバ
アイスティー

昨夜はさすがに食べ過ぎて、アンニュイな朝。だんなはそれでもカレーライスを食べてジムに向かったらしく「……すごいわー……」と、台所のシンクに置かれた皿を見て感嘆のため息をつく。
朝御飯には果物があれば良いかなと、起きるなり桃を1個冷蔵庫に入れておく(←桃は冷蔵庫に入れっぱなしにすると甘さが薄れるわよー、とお義母さんに聞いたので、食べ際に冷やす以外は常温保存してみている)。昨日一昨日はほとんどできなかったお仕事を早速始めたところで息子も起床。桃も少し冷たくなったので、
「朝御飯、フルーツたっぷりでいいかな?パンも食べる?」
「いいよ、フルーツ食べるよ、いっぱい食べるよ」
なんて会話の後、1人1プレートのフルーツ盛り合わせを作ってみた。

スイカに桃に葡萄。グアバは昨日Tさんからいただいてきた沖縄産のもの。グアバ、以前ジュースで飲んですごく美味しかったのだけれど、果実を触るのは実はこれが初めて。半分に切ってスプーンですくって食べれば良いですよと教えてもらったので、まずはそのように食べてみることにした。プラムくらいの大きさで、独特の良い香りが漂う果実はすっかり完熟しているようだけれど、でも表皮は案外とあっさりとした薄い黄緑色をしている。中央にナイフを入れると、鮮やかなピンク色の果肉が顔をみせた。

濃厚な甘い香りに反して、果肉の甘さはそれほど強くない。独特の渋みもあって、味もあるがクセもあるといった風の生の果実のグアバ。トロピカルフルーツらしいコッテリとした食感だった。パッションフルーツのように小さく量の多い種と一緒に果肉をミキサーにかけてピュレにするのも良いらしく、ソーダや牛乳、ヨーグルトなどと合わせると美味しいらしい。何個かいただいたので、生でそのまま食べる他にちょっと遊んでみようかしら。なんでも血糖値上昇抑制作用があるとかなんとか、みのもんた的効用がグアバにはあるそうで。

最初に桃食べて、次に葡萄食べて、次にスイカ食べて、最後にグアバ食べて……と皿上の果物に手を出していたところ、息子も全く同じ順序で食べていた。

3日目のカレーライス
塩揉みゴーヤーのおかか醤油
福神漬
麦茶

フルーツで胃が刺激されたのか、昼にはすっかり空腹に。今日の私は一日お仕事、てっとり早く昼食を済ませなきゃというのもあって、
「……カレー、喰うかね?」
「食べる食べる!」
と、昼御飯は木曜日にだんなが作ってくれたカレーを食べることにした。箸休めに、グアバと一緒にいただいてきたゴーヤー(←Tさんの御実家の庭産)を。

これでもかと深い緑色をしたゴーヤーはイボイボもしっかりしていて重量感もあって、なんだか武器になりそう。最近はそのへんのスーパーであたりまえにゴーヤーを買えるようになったけれど、ものによっては「深緑色」じゃなくて「黄緑寄りの緑」だったり(「白ゴーヤー」なるものもあるけれど、そうではなくて)、イボイボもやけに軟弱で陳列されている間にボロボロ削れてきてしまったりするものもある。手元にあるこれは、なんと立派なゴーヤーよ……と、びっくりしながら半割にして、いかにもニガニガしていそうだったのでスライスしたのを塩揉みして10分ほど置き、その後水にちょっとさらしてアク抜きを試みた。おかか醤油で和えてテーブルに。

じゃがいももにんじんもすっかりトロントロンに煮崩れそうになっている3日目のカレーを、福神漬とゴーヤーつまみながらぱくぱく。ゴーヤーは、期待通り、これでもかと苦かった。太陽浴びて光合成した全てが苦みになりましたよー……という深い味。このニガニガがなんとも美味しく思われるようになった今日この頃だけれど、でも惰弱な私はついついアク抜きしちゃうんだな……。スライスしただけのものをバリバリ食べられるようになるのはいつの日か。

枝豆
サンマの中華風刺身
空心菜のにんにく炒め
塩揉みゴーヤーのおかか醤油
Mさんの油飯(ユープン)
わかめのスープ
麦茶

夏休み明けで本日からお仕事のだんなは全然帰ってこられそうにないということで、息子と2人の夕御飯。昨日Mさんからいただいてきた油飯(ユープン=台湾風おこわ)があるので、それをふかしてメインディッシュに。ならば中華風のおかずが良いだろうなと、買い置きの空心菜をにんにく炒めにし、お刺身買ってきて「中華風刺身」にして食べることにした。

白身魚のお刺身を千切りにした野菜や揚げたワンタンの皮、ナッツ類などと一緒に胡麻油風味の酢醤油ドレッシングで和えていただくサラダ風の料理「中華風刺身」(こんなの)。子供の頃、母がたまに連れて行ってくれた中華料理屋さんのメニューにあって、当時野菜嫌いだった私には珍しくお気に入りの野菜たっぷりな料理だった。

本当は、淡白なタイの刺身あたりが良いのだけれど、本日のタイはとってもお高くて「サンマのお刺身」を試してみることに。そろそろ店頭に出始めた新サンマはまだお盆時期だというのにブリブリと太っていていかにも美味しそうで、刺身も脂が乗っていた。青魚の中華風刺身は何かがちょっと違う気がする……と思いながら、390円のサンマ刺身を買ってきた(で、実際、「やっぱりちょっと何かが違う……」と思いながら食べることになった)。

準備した野菜は、大根、にんじん、長ねぎ、スプラウト、レタス、きゅうり。同じくらいの長さ太さになるように千切りにして皿に並べ、上にお刺身を並べる。胡麻をふり、刻み万能葱を散らし、アーモンドを砕いたものとコーンフレーク(甘くないプレーンなもの)も散らす。タレは胡麻油と醤油と酢と砂糖を3:3:2:2くらいに合わせたものにラー油をひと垂らししたもの。美しく盛りつけたところにタレを回しかけ、ビビンバのように豪快に混ぜ合わせてから食べる。

「お母さん、たいへん!ゆうごはんなのに、コーンフレーク入っちゃってるよ!」
盛りつけた皿を見て、息子が衝撃を受けていた。コーンフレークは甘さがついているもので、朝御飯に食べるものだという理解でいるらしい。
「いや、これは、揚げたワンタンの皮の代わりね。甘くないからサラダに合うよ、カリカリして美味しいよ。ほれ」
綺麗に盛りつけた皿から1つとって味見させてやったのだけれど、いまいち腑に落ちない様子。それでもタレと混ぜ合わせてサラダに仕立てたものを小皿に取ってやると、かなり好みな味だったらしく、えらい勢いでこの「中華風刺身」ばかりを食べ始めた。
「コーンフレーク、入れてね。いっぱい入れてね」
とか言っている。ほらー、コーンフレーク入れると美味しいでしょ?本当は春雨揚げたのとかも入れるともっと美味しいんだけどね。

中華風刺身の他、空心菜や昼食の残りのゴーヤーなどの野菜料理もあれこれ平らげつつ、餅米がほくほくするおこわもいただく。豚肉と貝柱、干し海老、椎茸などが入るこっくりした味のおこわはMさんの得意料理。旨味が出る材料がこれでもかと入っているので、御飯1粒1粒に各具材の味が染みてなんとも複雑な味わいになっている。何度かいただいたことがあるけれど、毎回すごく美味しくて、結婚3年目くらいにして「おばあちゃんの味」の域のものになっているのがおそろしい。だんなの分をちゃんと残しておいてあげようと思ったのに、あやうく食べきってしまいそうだった。あぶないあぶない。

8月13日 土曜日
この、葱乗った感じは旨そうだったんだけどなー……
シナモンレーズンベーグル
カレーシチュー
アイスカフェオレ

Tさんからいただいた自家製のベーグルを、横2つに切ってバター少し塗ってトーストして。
「……カレーも残ってるけど、シチューのつもりでちょっと食べる?」
「うん、食べる食べる」
と、残ったカレーも温めた。ベーグル食べる傍らでカレー啜ったり、ベーグルをちょっと浸して食べてみたり。

ベーグル、何度か食べたことはあったのだけれど、その食べたものがイマイチだったようで私の中での位置はそれほど高いものじゃなかった。「なんか、固くって、味があるようでなくて、目が詰まっていて食感が今ひとつ楽しくないパン」という印象だったのだけれど、いただいたパンは全然固くなくて(かといって柔らかいわけでもなくて)、小麦粉とレーズンとシナモンの味がしっかり感じられ、もっちもっちとした独特の食感が心地よいものだった。前に食べたのは、もっちもっちしてたことはしてたけど、固さの方が気になっちゃってあまり楽しめなかったのね……。

綺麗にンプーッとドーナツ型に膨れていて、とても可愛らしいベーグル。ベーグルって手作りできるのか、すごいなぁ……と驚きながら、クリームチーズを添えながらもぐもぐ。
今日は楽しみにしていた東京湾の花火大会。

晴海トリトン「Alice collection」にて
 まぐろのステーキ丼 \1000
 マンゴープリン \350
 トリトンビール(アロマ) \450

今晩は晴海埠頭で花火観覧、明日は池袋で昆虫展と演劇鑑賞。2日続けて都心に出てくるのがめんどくさくて、会場近くの宿に宿泊してしまうことにした。花火大会メイン会場の入場券も入手し、「天候が荒れて土曜の花火が日曜に順延したら全てがパァ」という態勢で臨む。天気予報は金曜の夜から土曜の午前中まで「雨」となっていてずっとハラハラしていたのだけれど、幸い土曜に決行されることになった。

晴海には、数年前にオープンした「晴海トリトン」という複合施設がある。会社とマンションが入ったビルが立ち並び、ショッピングモールのようなものはないけれど、「クイーンアリス」「トゥーランドット游仙境」「BASARA」といった人気レストランがあれこれ詰まっている。
「一度も行ったこと、ないんだよね……行ってみる?」
「……でも、あまり、行きたいお店、ないんだよねぇ……」
「なんか、地ビール出してるらしいですよ?地ビール」
「行く!」

実にあっけなくだんなが「行く!」と宣言してくれ、初めてのトリトンスクウェアに昼過ぎに到着。1階フードコートでも地ビールが飲めるそうなので、あれこれ好みなものを買ってきてだらだらと昼御飯を楽しんだ。

なんでもここのフードコートはクイーン・アリスの石鍋シェフがプロデュースしたのだそうだ。
「今までのフードコートの概念を覆す食の空間。陶器の器を使い、厳選した専門店が集まったレストランです。」
とパンフレットに記されていて、でもそれは「陶器の器を使ってちょっと高級めに仕立てた代わりに、お値段はお高めですよーしっかりお金取りますよー」というフードコートだった。よく見かけるチェーン店などは入っていないフードコートなので確かに目新しさはあるけれど、「概念を覆す」というのはちょっと大袈裟かな……という。

まずは、これが目当てだった「トリトンビール」を、ピルスナータイプの「アロマ」、アンバータイプの「ブラウン」をだんなと1杯ずつ。
メニューの写真が美味しそうだったんで、
「1000円もするんだから、大トロ……は無理でも、中トロくらいのマグロを使ってレアに焼いてくれるのかな?」
と判断して、「海神丸」という店の「まぐろのステーキ丼」( \1000)を私はひとつ。息子は「SPUNTINO」という店のマルゲリータSサイズ(\850)を、だんなは「Wo麺'S HO!」という店(なんて店名だ……←ベトナムアリスの系列らしい……)のフォー(\600)を。

ピザはちゃんと焼きたてのが出てきて、息子好みのチーズたっぷりのもの。
でも、だんなのフォーは香菜の香りがぷんぷん漂うものの、トッピングのモヤシやハーブ類は超少なめで麺は超茹でおきなブヨブヨのものだった。んで、私のまぐろ丼も悲しいほどにイマイチ……。

単なる赤身のまぐろを、端で見ていて「もういいっ、おばちゃん、もうそれ以上焼かなくていいっ」というほどにしっっかりと中まで火を通し、照り焼き風の醤油味醂で味をつける。御飯の上に刻み海苔敷いて、そのマグロが5切れくらい。上にこんもりと白髪葱が盛られたのだけが少し嬉しかったけれど、「単に、生で出せない鮮度のマグロを焼いて誤魔化して出しているだけなのかな?」と思いたくなるほどの料理だった。わかめの味噌汁がついてきて、それで1000円。解せない。

「しまった……失敗した……」
と言いつつ、それでも昼間っからのビールが美味しくて、滝の見える大きなガラス窓に面したほり炬燵式のカウンター席でだらだらり。
デザートにいただいた「游点心」(「トゥーランドット游仙境」経営)のマンゴープリンは果肉たっぷりでつるつるとろとろの柔らかさ、それはさすがに美味しかった。

各お店の配置とか、テーブルや椅子の置き方、グループ客が宴会できるように個室として使えるスペースが用意されているところなど、確かに少し面白いフードコートだったけれど、その配置の複雑さが足を引っ張っているのか、通路に各店の食材やら何やらの棚が溢れだしていてものすごく雑然としていて不衛生ささえ漂う印象。閉店していたお店もいくつかあって、オープンしてそれほど日数は経っていないはずなのにどこかくすんだ雰囲気が漂っていた。とりあえず、このフードコートにはもう来ることはないかも……と思いながら、トリトンを後に。

花火会場にて
 えびせん
 焼き鳥(つくね・ねぎま・砂肝)
 たらこおにぎり
 「翠江堂」の和風パウンドケーキ
 ビール・カルピスサワー・お茶

トリトン内のスーパーで買ったビールや氷やお茶、途中で買った焼き鳥やおにぎりを抱えて、いざいざ花火大会会場へ。海上で打ち上げられる花火はお台場からも汐留からもよく見えるらしいけれど、至近はやっぱり晴海の主会場、それもフェンスで囲われた球場の芝生の上から見るのが一番の「かぶりつき」の席になる。夕方4時くらいからビール飲んでおつまみつまんで、持ってきたUNOやったりしてだらだら。雷が鳴ってるなぁーと思っているうちに絵に描いたような「夕立」に見舞われたりもした。服もシートもびしょびしょになりつつも、ともかくも予定どおりの花火大会。

焼き鳥屋さんで何故か売られていた「えびせん」(ナシゴレンなんかに添えられてくる、ごわっと大きな揚げ餅のようなもの)が、とても良いビールのおつまみになった。あと、デザートに、トリトン内に入っていた「翠江堂」(すいこうどう)の和風パウンドケーキ。八丁堀近くの隅田川沿いにある和菓子屋さん「翠江堂」、いちご大福が美味しくて美味しくて大好きなお店なのだけれど、唯一の支店がトリトンにオープンしていた。

人気のあまり、今ではいちご大福を通年わたって販売しているそうだけれど、お盆の3日間だけはいちご大福お休みだそうで。かわりに買ってきた和風パウンドケーキは、カステラのような味のパウンドケーキ(カステラほどしっとりしていなくて、パウンドケーキの食感)。バターと卵の味が濃厚に漂ってきてとてもステキな味だった。

1万2千発の花火、今年は尺玉100発、尺5寸玉10発というなんともゴージャスな内容だ。尺玉クラスがぼっかんぼっかんスターマインのように贅沢に打ち上げられたり、「虎の尾」と呼ばれる地上から火柱が上がる花火もこれでもかと。フィナーレの尺5寸は「昇り木付き混色小花入り錦カムロ先大かすみ」なる、なんだかすっごいものだった。晴海の花火大会は、中央区民だった学生時代から見ている馴染み深い花火大会。相変わらず盛況で迫力満点で、良かった良かった。
……来年は、また船の上から見るかなぁ……。

8月14日 日曜日
ファミレス朝飯、じゃが芋のガレット
築地「デニーズ」にて
 じゃが芋のガレット \580
 オニオングラタンスープ \400

都内某所に宿泊した昨夜。朝御飯はついてない。
「……どこに朝御飯食べに行こうか……東銀座の木村屋ペストリーショップ……は日曜休みか」
「築地市場の吉野家は年中無休だよ」
「……朝から、牛丼?」
「うん、朝から牛丼」
などという会話の後、「でも、日曜って築地市場は休みだよねぇ……?」と言いながらバスに乗って築地方面へ。築地場内の吉野家は、今でも牛丼を販売している。吉野家の牛丼を愛する人にとっては「聖地」だ。信者のだんなは何度かここまで牛丼を食べに来ているらしい。

私は一度も築地市場の吉野家には来たことがなかったので少なからず楽しみにしていたのだけれど、お休みの市場はいつもの通用門もびっちり固く閉じていた。「御用の方は正門へ」と看板が出ていたけれど、中は少しも人気がなく当然ながら閑散としている。これって吉野家もやっていないんじゃない……?と、吉野家は諦めて近くの「デニーズ」での朝御飯となった。お盆の日曜日、チェーン店以外の店というと、24時間営業年中無休のお寿司屋さんくらいしか見あたらなくて。

私は、「じゃが芋のガレット」という、ジャガイモで作ったクレープのような料理を。ぱたりぱたりと畳まれた生地の中央にはポーチドエッグと炒めたベーコン、粉チーズ。温かいスープが恋しい気分で、オニオングラタンスープもつけてもらった。
思ったよりもポテトポテトした、ぽくぽくした生地に卵の黄身など絡めながらもぐもぐ。牛丼が食べられなかったのは残念でした……。

池袋「カプリチョーザ」にて
 2名様セット \3780
 スモークサーモンのサラダ
 カルボナーラスパゲティ
 ピッツァ カプリチョーザ
 アフォガット・チーズケーキ
 生ビール
 アイスコーヒー・アイスティー
……を、家族で分けつつ。

池袋に移動して、午前中はサンシャインシティ内で開催中の「大昆虫王国」へ、午後はキャラメルボックスの「スケッチブック・ボイジャー」の観劇。一日中遊び歩いてきた。

昼はあまり時間もなくて、サンシャインシティ近くのカプリチョーザで簡単に。「お二人さま3780円セット」なるものがあって、数種から選択できる前菜とパスタとピザとデザート2人前、ドリンク2杯と食後のコーヒー紅茶2杯がセットになっているものがあった。これを注文して、息子と3人で分け合いつつ食べる。

前菜は角切りにしたスモークサーモンが散らされたちょっと甘めのサラダ。パスタは息子の大好物のカルボナーラ、ピザは具沢山のが恋しくて、カプリチョーザ。デザートはアフォガットとチーズケーキ。選択ドリンクをついつい「生ビール」にしてしまい、これから観劇だというのにまた今日も昼から酒を飲んでしまった。
サラミやベーコン、ルッコラが散らされたカプリチョーザピザがなかなか美味しくて、しかもビールにすこぶるお似合いで、昼から御機嫌。

息子は昆虫展を満喫し、私とだんなは演劇を満喫。1990年代前半の頃のキャラメルボックスらしい演劇「スケッチブック・ボイジャー」は、不思議と魅力的なドタバタSF活劇。期待通りに楽しい劇だった。ベテラン勢も若手さんたちも頑張っていて、創立20周年らしいちょっとお祭り騒ぎっぽい劇。ああ、楽しかったー。

モヤシとニラと豚肉の塩炒め
チャンジャ
わかめのスープ(インスタント)
羽釜御飯
ビール(モルツ)

帰宅は夜7時近く。
「さっぱりと、モヤシとニラの炒めものみたいなの喰いたい……豚肉入れてさ」
「ああ、わかるわかる、すっごくわかる。……あ、ビール冷えてないや」
「じゃあ、食材買って、ビールも買って帰るか」
と、野菜と肉とビール買って帰ってきた。

2日分の洗濯物を整理し、買ってきたものを整理し、ばたばたと。だんなが手早く、モヤシとニラと少しの豚肉で塩味炒めを作ってくれた。チャンジャつまんでビール飲んで、御飯は炊いて、スープはインスタントので簡単に。モヤシを2袋も買ってきたものだから、皿は「モヤシばっかり」な外見になったけれど、それがまた美味しくて。ああ、良い週末でございました。