食欲魔人日記 02年08月 第5週
8/26 (月)
Pancake Pantry(Nashville)にて「BLTサンドウィッチ」 (昼御飯)
ジャンボクロワッサン
ベーコンエッグ
カフェオレ

昨日スーパーで買ってきたジャンボクロワッサンで朝御飯。子供の顔くらいの大きさがあるでっかいでっかいクロワッサンだ。別に大味というわけでもなく、普通に美味しい。
スキレットでベーコンカリカリ焼いて半熟目玉焼きを作って添える。
……昼にパンケーキ屋に行くとわかっていればベーコンエッグは避けていたんだけど、朝からもりもり食べてしまった。

Nashville 「Pancake Pantry」にて
 チキンソーセージガンボ
 BLTサンド
 アイスティー

午前中はせっせと洗濯&掃除。メール書いたりぼーっとしていたりするうちに、「今日の予定は終わったよー」とだんなが昼過ぎに帰ってきた。
「どっか食べに行きますー?」
「"P"に行っちゃいますー?」
と、10日ぶりくらいに愛しい愛しいパンケーキ屋さん、パンケーキパントリーに向かう。でも今日はちょっと生クリームとかシロップとかという気分ではなかったので、ずーっと気になっていたサンドウィッチを注文してみることにした。

ベーコンとレタスとトマトが挟まるから「BLTサンド」。以前他の人が食べているのを見て、「うぉー!うまそー」と思ったのである。他にもハンバーガーとかチーズサンドとか、あるいは「あなたのお好みの具で!」なんてものまでサンドウィッチの選択肢も豊富にあるけど、とりあえず今日はそのBLTサンド。だんなはSugar and Spiceパンケーキ、息子はブルーベリーワッフル。「本日のスープ」の中からチキンソーセージガンボを大きなサイズで注文し、家族で飲みつつ料理を待つ。

南部、とりわけニューオーリンズの名物であるガンボスープは、その作り方をレシピブックで見たけれどなかなかに大変だ。小麦粉を炒めてルーを作り、具材を煮込み、それとは別にオクラを炒め、何だかんだと工程が長い。味噌汁を作る気分では作れない、けっこう手間がかかるスープみたいだ。味としては「ハヤシライスをお湯で伸ばして胡椒をこれでもかと効かせたスープ」というとちょっと想像できるようなできないような。魚介にも似合うしソーセージなんかもめちゃめちゃ似合う。この店のはとりわけ胡椒が効いていて、「……からー!」「うまー!」と口の回りをちょっとばかりヒリヒリさせながら飲み干した。

で、やってきたサンドウィッチ。皿の上にこんがり焼かれたトーストが2枚置かれ、一方にはレタスとトマト、一方にはカリカリベーコンがたっぷりと盛られている。ピクルスとじゃがいものグリルが添えられてきた。テーブルにどかんと置かれたハインツのケチャップをこてこて垂らし、マヨネーズを添え、10cmほどの厚みになってしまったサンドを上からぎゅうぎゅう押さえてから一気に囓る。厚切りトマトは甘くて美味しいし、レタスはパリパリだしベーコンは塩気が効いていてカリカリなのにまだ脂たっぷりで、非常に良い感じだ。パンケーキでなくても、この店の料理は充分に美味しいんだなぁと再確認してしまった。

だんなのスパイスパンケーキは生地の中にまでスパイスがたっぷりと練り込まれたもの。シナモンをベースに甘いスパイスの香りがぷわぷわ漂うパンケーキにはアップルソースが添えられている。更にメープルシロップとシナモンシロップも別添でやってきた。甘くしても美味しいし、甘さを加えなくても美味しい。ちょっと男っぽいパンケーキだ。

そして息子が抱え込んで食べていたのがブルーベリーソース添えのワッフル。普通ワッフルというと扇形の90度角のものが2枚ばかり来る(あるいは正方形のものが2枚とか)のが一般的のような気がするけど、ここのは「360度円形」のワッフルだ。扇形のが4枚、焼いたそのままの形にまん丸に出てくる。こちらもかなりのボリュームなのだった。別添容器にたっぷりのブルーベリーソースとホイップバターが添えられてくる。粒がしっかりと残った甘酸っぱいブルーベリーソースは香り豊かですごく美味しい。息子は顔の下半分を紫色に染めて「おいしーねー!おいしーねー!」とがつがつと食べていた。気が付くと90度角のが3枚も消えていて、さすがに最後の90度は食べきれずに私がいただいてしまった。しかし……巨大なワッフル3切れ喰った息子、おそるべし。

目玉焼きのスパゲッティ 焼き肉乗せ
ビール(コロナ)

こっちの塊肉は、でかい。というより肉のパックがでかい。日本でも「300g……いや、400gくださーい」などと1回の食事用の肉をそれなりに大量に買い込んでいた我が家も、こっちの肉パックのでかさには閉口していた。1.5ポンドとか入っていても、1回の調理じゃとうてい使い切れない。さすがに。

で、最近やっているのが「とにかく塊肉を買ってしまい(薄切りじゃなく)、残ったら塩もみしてラップして保存」というやり方。塩をたっぷりゴリゴリすりこんでおくと、とりあえずそれほど腐敗せずに保存しておける。どうも「冷凍」というのは好きじゃないのであった。どうやっても冷凍肉というのは今ひとつ美味しくなくなってしまうと思う。それよりは「塩豚」「塩牛」作っておいて数日後に加工する方が気分的には楽なのだった。

で、現在の「塩牛」をどうしようか考える。「スパゲッティにしよう」「安売り卵いっぱい買ってきちゃったから目玉焼きのスパゲティにしよう」と決まったところで「じゃあ、塩牛はオリーブ油でソテーだー」ということに。
塩をたっぷり揉み込んだ塊肉をスライスし、胡椒ガリガリふってオリーブ油ひいたスキレットでソテーする。

別鍋に目玉焼きを人数分作り、それは飾り用に避けておき、更に人数分の卵を同じ鍋に割り落とし、火が通る前に茹でたパスタを一気に放り込む。あとはグラーナ・パダーノチーズ(が美味しいけど、パルミジャーノが安かったのでそっちで代用)を削ったやつをガリガリガリガリたっぷり混ぜて、皿に盛れば完成。仕上げに更にチーズをかけて胡椒をかけて目玉焼きをトッピング。更に今日は肉をトッピング。何だか蛋白質たっぷりの豪華なパスタになってしまった。

塩が染み込んだ牛肉が、いーい感じに中まで塩が効いていてパスタに似合う。パスタがちょっと塩気不足だった分、肉を囓りながらだと全体的に良い感じの塩気になった。こちらのチーズは日本で買うものとほぼ同じものを買うことができる。ただ、シュレッドチーズや薄切りチーズは恐ろしいほどの種類があるし、カマンベールなどの白カビものよりはチェダーチーズなどの半硬質のものが多いかなという感じ。あと、カッテージチーズやフェッタチーズなどのポロポロとしたチーズも人気があるらしい。「カリフォルニアワイン飲みながらチーズをぱくぱく」というのもやってみたいと思いつつ、ついつい「ビールにポテト」みたいなノリになっちゃう我が家だった。今日もやっぱりコロナビールだし。

8/27 (火)
Cafe Korea (Nashville)にて「Gal-Bi-Tang」 (昼御飯)
ロールパン
カフェオレ

ここんところ、「朝食べ過ぎて昼食がつらい」という経験を何度かしたので、今朝は軽く軽くロールパン1個。スーパーで15個くらい入った袋詰めロールパンが2ドルくらいだったので、先日それを買ってきて朝食用にと冷凍しておいたやつを温めて食べる。……もさもさしていて、味の方は今ひとつ。近隣に美味しいパン屋さんがあれば嬉しいところだけど、最寄りのパン専門店までは車で10分ほど、しかも今ひとつ好みな味じゃないときていて(どうも酸味の強いイーストみたいで、パン全体が渋いというか酸っぱいというか……)、こうなったら自分で焼くしかないという状態。今度コーンたっぷりのリッチなコーンパンを作ってやろう。

Nashville 「Cafe Korea」にて
 Oyster Pancake
 Gal-Bi-Tang 

「美味しいコリアンを食べに行きましょう」
と研究所スタッフMさんに誘われて、我が家含めて合計8人で御飯を食べに行ってみた。目指したのは研究所からダウンタウンに背を向けて車で20分ほどの「Cafe Korea」というお店。純韓国料理屋さんで、焼き肉はなし。スープや麺類、御飯ものや炒め物などの料理がメニューに並ぶ。英語は併記されているけどメインはハングル文字がメニューにも店内の壁にも飛び交っていて、韓国人のおばちゃんが1人で経営しているお店という感じ。席につくなり
「アンニョンハセヨー」
と言われ、「いやいや、私たちはジャパニーズだよ」と答えて笑い合いながら注文した。
ハングルのメニューはわからぬし、あとは英語の説明が頼りだけどその品名と内容を理解するのが一苦労だった。
「……この、"オイスターパンケーキ"っての……」
「パジョンだ!パジョンじゃないの!?」
「このビーフスープって美味しそうなんだけど……」
「あ、それってつまり"カルビタン"?」
と"理解"というより"解読"という感じでメニューを理解。

私の頼んだ「Gal-Bi-Tang」は
「beef short rib soup with potato noodles」
と説明があり、だんなが頼んだ「Cha-Jang Myun」には
「oriental noodles with brown paste sauce vegetable and pork bits topped with shredded cucumber」
と書いてあった。「Oyster Pancake」には
「Korean scallion pancake with oysters and green onion」
だ。

3人で1皿分くらいで野菜のジョンと牡蠣のジョンを注文し、豆板醤入りの酢醤油つけつつ、まずはそれを皆で食べる。久しぶりに食べる本格的な韓国風お好み焼きだった。ちょっと生地がもったりと多めだったけど、わけぎに似た青葱がたっぷりと使われていて、ピリッと辛い唐辛子も入っている。粒の小さなオイスターがたっぷりと散らされていて、牡蠣のジョンはリッチな味わいだ。パプリカなどが入る野菜のジョンもモチモチしていて良い感じ。アメリカで期せずして美味しいジョンを食べてしまった。ちらちらと客が入ってくるが、なんだかほとんどが韓国人みたいだ。

そして私はカルビタン。テールスープの骨付きカルビ版といったものがやってきた。テーブルにはもやしのナムル、ほうれん草のナムル、韓国海苔の胡麻油和え、白菜キムチにキュウリのキムチにカクテキが小皿にずらっと並べられて、皆で喜びながらつつきまわす。豆腐チゲなどを頼んだ面々の前には私も含めて白い御飯もたっぷりとやってきて、久しぶりの「御飯の外食」となった。

白濁したスープに青葱がたっぷり散らされていて、中には骨つき肉がごろごろごろと大きく3つ入っている。「骨髄たっぷり出ております〜」といった色をしたトロンとしたスープはテールじゃない分、幾分ケダモノ臭さが少なくてサッパリ風味。だんなの「Cha-Jang Myun」はつまりジャージャー麺で、こってり濃い色の肉味噌がたっぷり載った麺……というよりうどんだった。私たち以外はチゲ系の辛めのものを頼んでいる人が多く、私は一人さっぱりさっぱりした味のものを食べていたとちう感じ。途中までスープを楽しんでからは御飯を投入してかき混ぜ、おじやにしてたべちゃう。
アメリカの料理は少なからず「甘さ」を感じるものが多い中、久しぶりにビリッと酸っぱ辛いキムチを食べてちょっと幸せだった。そろそろ家でビビンバも作るかなぁ。

マグロの刺身
セロリ with アンチョビマヨネーズ
豆腐と葱の味噌汁
羽釜御飯
ビール(Red Hook Blonde Ale)

夕方のスーパーマーケット。
「マグロが安い〜!」
とマグロを購入し、
「Tボーンステーキが安い〜!」
とステーキ肉も購入し、とりあえず"今日はステーキにしましょう"と帰宅した。

が、昼にけっこうコッテリと食事したので(私はともかくだんなはジャージャー麺が腹にたまりまくっていたらしい)、なんだかステーキな気分じゃないねと急遽マグロの刺身に方針転換。
豆腐と葱の味噌汁を作り、御飯を炊き、ビールの肴には残りもののアンチョビマヨネーズにつけて食べようと、買ってきたばかりのセロリを刻んだ。御飯を炊く間に全ての準備が整ってしまった簡単夕食。

マグロは近所のスーパーマーケットに必ず置かれていて、簡単に買うことができる。「Sashimi Grade」と書かれたそれは、まっかっかな綺麗な赤身のものだけど、そこそこ食べられる。筋っぽいということもない。

シアトルのビールを傾けつつ、やたらと匂いの強いセロリを囓る。こちらの野菜、キュウリは苦いしセロリは一度触ったら30分は手から匂いが取れないほど強烈な芳香を放つし、大根煮込めば茶色く泡がぼこぼこ出てくるし、全体的にアクが強い印象がある。しかも巨大だし。
マグロをおかずにせっせと御飯を食べ、それじゃ物足りず鰹節と醤油と胡麻油ぶっかけて更に御飯をお代わり。
2合の御飯を食べきった食事が、果たして"ステーキよりも軽かった"かどうかは……何も言わないでおこう。

8/28 (水)
チーズマカロニ。けっこう美味しい…… (夕御飯)
Nashville 「Ari-Rang」にて
 ランチバイキング

なんだか不調な私。悪いものでも食べたのか、昨日深夜に腹痛に襲われた。いつもは眠ってしまえば多少痛くてもつらくても無視して寝られているのに、2時頃から「いたいよーいたいよー」と唸って布団をごろごろ。最後は我慢できなくて「だんなー、だんなー、だんなちゃーん」とだんなも起こし、痛み止め取ってきてもらったりしていた。夫も息子も起こした挙げ句、痛み止め飲んですっきりしちゃって爆睡。いい迷惑である。

そんなで、今朝は皆して朝寝坊していた。私が一人起きたのが8時半。だんなが起きたのが10時半、息子が起きたのが11時間近。みなさんどーもすみません、と私も皆を起こさずに放っておいてあげてみた。明日からは朝から大学の授業と英語学校の授業も始まるので、だんながゆっくりしていられるのもこれが最後だ。

昼前、だんなが研究室に向かうところ私と息子も今日はついていき、総勢8人で一緒に御飯を食べに行った。今日は大学近くのコリアン料理店。だが看板には「Korean Japanese Cuisine」という大変怪しい言葉が書いてあり、焼き肉ができるようになっている店内の一角には寿司バーもあるような店だった。日本人の私たちからしてみればチーズフォンデュ屋の一角でフィッシュ&チップス売っているような、そんな違和感があるんだけど、アメリカ人にしてみれば「いやーどっちもアジア料理でしょ?」ということなのかもしれない。良く考えてみれば、私もベトナム料理とタイ料理とインドネシア料理を明確に分けることは難しいかもしれないし。
昼はランチバイキングをやっているとのことで、全員それに臨んでみた。

白い御飯に卵炒飯。プルコギにナムル数種にキムチ……という並びはまぁまぁ韓国料理。だがスープコーナーには ミソスープ」が置かれており、その横には巻き寿司もあり、何故か天ぷらまであり、という状態。更に炒め物系は日本料理でもなく韓国料理でもなく、「それは中華料理だろう……」というものが並んでいる。もうぐっちゃぐちゃだ。

「ミソスープ」は本当に「ミソスープ」で、具も何もない味噌味の液体が鍋に入っているだけ。横に刻み葱があり、それをぱっぱとふって席に持っていく。せめて豆腐が欲しい。
それでもにんじんやいんげんが入っている炒飯はパラッとしていてそこそこ旨く、こってり甘辛いプルコギも食べられる味だった。モヤシのナムルやキムチがあるのが嬉しいところで、「天ぷらがあるよー」なんて笑っていた割にはそのズッキーニと南瓜の天ぷらをいくつも食べてしまったりした。デザートには甘いスイカがたっぷりと。
12時30分を過ぎて、バイキングコーナーの料理はほとんどなくなりかけていたけど、大人6人子供2人の団体がわしわしと食べているものだから「大食らいのジャパニーズが来たぞ」という感じに次々温かい料理が追加ででてきた。ガツンと辛い麻婆豆腐に鶏肉とナッツの炒め物。

最後にはアジア系の店員さんに
「エー、ジャパニーズ、バイバイ??エー、サヨーラ?」
などと首を傾げながらにこにこ言われたので、
「あ、"さようなら"です。イッツ、"さようなら"」
なんて答えつつ、
「サヨナラー」
「さよならー」
と交わしつつ店を出た。

そこそこ美味しい店だと思うけど……でもヌードルメニューに「Nabeyaki Udon」と「Cha-jang Myun」などが併記されているのがやっぱりなんだかとっても違和感。

Tボーンステーキ
チーズマカロニ
アスパラ入りコンソメスープ
ビール(コロナ)

しばし研究室でたらたらしてから夕方帰宅。やっぱりどうも体調が悪いみたいで、午後4時から3時間も昼寝してしまった。ガンボスープ作ろうと思っていたのに、気が付いたら息子が「おなかすいたよー、ごはんたべようよー」と訴えている。ガンボスープ作ってる場合じゃなくなってしまった。すまん、息子。

体調悪くても食事はする。肉は喰う。我が家の家訓は「食べられなくなったら終わり」なので、余程のことにならないと「御飯、いらない……」とならないんである。800gほどの巨大なTボーンステーキ肉を700円ほどで買ってきたので、スキレットでがんがん焼いて食べることに。塩ガリガリ胡椒ガリガリ、おろしにんにくもこてこてすりこんで焼く。

で、主食はアメリカのスーパーでは非常にメジャーな存在である「チーズマカロニ」。各種メーカーから何種類も発売されているそれは、一般的なつけ合わせであるらしい。3箱2ドルだったそれを買ってきてあったので、試しに作ってみることに。
箱に入るのはマカロニと、袋入りの顆粒チーズミックス。マカロニを数分茹で、湯を切ってからチーズミックスと1/4カップの牛乳、1/4カップのマーガリンを加えて弱火で混ぜよ、と書いてある。
「……1/4カップのマーガリンて……多くない?」
「マーガリンはないからバターで代用だー!」
「しかし多いね」
と苦笑しながら、とりあえずはパッケージ通りに作ってみた。できあがりは3カップのチーズマカロニ。仕上げにパセリをぱっぱとふってみた。

シンプルなステーキにチーズマカロニ、更にシンプルなスープも作って、ちゃちゃちゃっと夕御飯。
巨大な巨大なステーキに各自ナイフを入れつつ1枚を皆で取り分けて食べる。肉汁たっぷりの牛肉は今日も旨かった。
今日から、大型スーパー「Kroger」では大セールが催される模様。鶏肉1ポンド20数セント(100g6円とか、そんな感じ)とか、ポークリブ骨なしが1ポンド1ドルちょいとか、とにかくすごい値段らしい。
「角煮だ!」
「煮込みだ!」
と密かに盛り上がっている我が家。

8/29 (木)
ビーフ シュリンプ ガンボ (夕御飯)
チョコチップワッフル
牛乳

今日からいよいよ大学の授業がスタートということで、「木曜日は朝8時10分から授業なんだよー」と半泣きしながらだんなは早起きして出ていった。更に英語のクラスも2つ受けてくるとか。大変だー(やる気のない妻)。

で、ベッドの中から「いってらっさーい」と声をかけ、そのまま息子としばし爆睡。11時近くになって起きてきた息子と2人で、もう昼御飯と言っても良いくらいの朝御飯を食べた。最近ついつい冷凍ものコーナーで物色してきてしまうワッフルの、今回はチョコチップ入り。円形だの正方形型だのストロベリー入りだの何だのと、ワッフルは十数種類も売られている。分厚くて、焼くと表面がカリッとしていて中がしっとりしていて……という、いかにも「蜂蜜たっぷり入ってます」みたいなやつが好みだけど、今のところ理想のそれには出会えていない。どれもちょっと厚さが薄めだし、比較的淡白な味わいだ。

「……んー、チョコチップワッフルってバターとかケーキシロップってかけるものかなぁ?」
と悩んでいたところ、息子が横から「そのまま食べればいーんじゃなーい?」などと言ってくるので、彼の進言のとおりに何もつけずに食べることにした。オーブンで焼いたワッフル生地の中に混ざったチョコチップが柔らかく溶けつつあって、けっこう旨い。

「Krispy Kream Doughnuts」のPowdered Sugar Mini Cake
牛乳

大型スーパーのあちらこちらに置かれているドーナツブランドが「Krispy Kream Doughnuts」で、1個売りのドーナツはミスドなどと同じ感じのチョココーティングされてるやつとか砂糖がまぶされているやつとかがセルフサービスのケースの中に納められている。そっちも買ってみようと思いつつ、ついついいつも籠に入れてしまうのは箱入りのミニドーナツなのだった。一口で食べられるし、シンプルで旨そうなのだ。実際、美味しい。

先日買った一口サイズのボールドーナツに続き、今日は粉砂糖をまぶしたミニドーナツ。こちらはちゃんとドーナツ型をしている。親指と人差し指で輪を作った程度の大きさの可愛いドーナツだ。シンプルな生地に砂糖がまぶされているだけのもの。20個くらい入っていて2ドルくらいだった。

そんなに甘すぎることはなく(日本のよりちょーっと甘いかなー、とは思う)、2〜3個ぽいぽい食べるとちょうど良いおやつだ。

タルタルソースのグリーンサラダ
ビーフ シュリンプ ガンボ
羽釜御飯
ビール(コロナ)
メロン

今日こそ!と、ここ数日の懸案だったガンボを作ってみることにした。ニューオーリンズ名物のオクラのスープだ。先日旅行した折にレシピ本を買ってきてみたのだ。

本来は、「海老とかザリガニ、蟹などの魚介バージョン」と「チキンとピリ辛味のソーセージバージョン」の2つが主流らしい。お店のメニューに載っているのもそんな感じだったし、レシピ本も見てもそうだ。「ビーフガンボ」というのは今ひとつ違うらしいのだった。豚汁に牛肉入れちゃうような感じなのだろうか。でも気にせず余り物牛肉で作る。

けっこう手順はめんどくさい。肉を茹で、茹でている間に輪切りのオクラを炒める。中の種が外に出るまでしっかりくったりと炒めたらボウルに移しておく。そしてルー作り。サラダ油に同量の小麦粉を入れ、焦げ茶色になるまで中火でじっくり炒めていく。この色がガンボの元の色になるのでしっかり黒っぽい赤茶になるまで炒めなきゃいかんらしい。ルーができたらそこにオクラ炒めと刻み玉ねぎと刻みセロリを放り込み、水煮缶のトマトを1缶潰しながら入れる。加えるスパイスはローリエとバジルとタイムとセージとカイエンヌペッパーと白胡椒黒胡椒。肉の茹で汁入れて肉も入れて、あとは煮込んでいくだけだ。小麦粉のルーとオクラでとろんとしたスープに御飯を沈めたり、こんもり盛りつけた御飯の周囲にスープをよそったりして、食べる。

ニューオーリンズスタイルにするなら、やっぱり名物のザリガニなどを使うと良いらしい。あとは殻ごとの蟹を入れたり頭つきの海老を入れたり。殻から出たスープを惜しみなく使うので、魚介入りのスープの方がより美味しいかもしれない。で、途中で思い出して冷凍剥き海老なんかも放り込んでしまう。

ピリ辛なおかずに合わせて、タルタルソースのマイルドなサラダを用意。ケッパーとピクルスと卵をマヨネーズで和えたものをロメインレタスとチコリにぶっかけて食べることに。

初挑戦のガンボは、けっこう良い出来だった。カイエンヌペッパーをこれでもかと放り込んだ割には、煮込みの過程でとんがった味が消え、じんわりとした柔らかい辛さが口に合う。「やっぱりとろ〜んとさせなきゃね」と水分少なめにこってり煮込んだガンボを御飯にかけると、ニューオーリンズで食べてきた「GUMBO」という料理というよりは「ガンボ丼」とでも言った方が良いのでは、という外見になってしまった。

煮込んで煮込んでほろほろになった牛肉もまた、その乳臭い肉がガンボとはちょっと違うんじゃないかとも感じつつ美味しく食べられた。スパイスがきいているからどこかカレーにも似ている。カレー特有のターメリック臭さがないだけで、口当たりなどは限りなくカレーに近かった。「ガンボ丼」をがつがつ食べちゃう。
ちょっと練習して極めて「おふくろの味」領域にまで持っていきたいものだ。ガンボ、旨いよ。

8/30 (金)
Calypso cafe(Nashville)にて、ハーフチキンバーベキューソース (昼御飯)
チョコチップワッフル
カフェオレ

今日は金曜日。だんなの授業は午前中だけということで、午後にはお買物に行こうということに。

とりあえず朝は簡単に冷凍のチョコチップワッフル。1人2枚、オーブンに入れてあっためて食べちゃう。チョコの味は好きだけど、私はやっぱりプレーンのやつにホイップバターとシロップこってりつけて食べるのが好みだ(カロリー高そー)。

Nashville 「Calypso cafe」にて
 Half chicken with two sides,barbecued sauce
 ( Fresh fruit, Spiced sweet potatoes)
 アイスティー
 

昼過ぎに帰ってきただんなと共に家族で外出。
「なんかね、鶏のステーキみたいなのをガツーンと食べたい気分です」
とリクエストし、それならばと「Calypso」なるキューバ風チキン料理屋に行くことになった。メインディッシュはとにかく鶏肉。ファミリー向けなら1羽まるまるのがあるし、あとは「ハーフチキン」「クォーターチキン」と1人分のサイズが用意されている。鶏肉に添えられるのは、リンゴベースのカレーソースと、自家製のバーベキューソース。それに10種類ほどのサイドディッシュから好きなものを添えられるようになっている。キューバの料理が果たしてこういうものなのかどうかは知らないけれど、肉もサラダもしみじみ美味しい。ちょっと甘めのサラダドレッシングはだんなの好みにど真ん中ストライクだとか。

夫婦してハーフチキンを注文、私はバーベキューソースでだんなはカレーソース。添え物は息子も食べられるようにとトルティーヤチップと季節のフルーツ(いっつもメロンなんだ、これが)、ハウスサラダとスパイス風味のスィートポテト。

いつもカレーソースばかりのチキンだったので数度目にしてバーベキューソースは初挑戦。バーベキューソースは市販のソースの味を予想していたけど、酸味が強く甘さ控えめ、トマトとハーブがたっぷりだ。ビリッとくる胡椒の辛さもあって、市販のそれに比べるとかなり色々な方向にとんがった味でかなりいける。アルコールが恋しくなるピリ辛味に肉汁たっぷりの鶏肉がよく似合う。

で、焦げ茶色のスィートポテトはたっぷりのシナモン風味。おやつみたいなその甘く香ばしいのが気に入ったのか、息子がトルティーヤとスィートポテトとメロンを交互に食べ出した。「おにくちょーだーい」と、鶏肉もしっかり食べている。結局サラダ以外の全てに手をつけて、満足そうに腹一杯食べていた。

焼き餃子
羽釜御飯
ビール(バドワイザー)

「Alpha Bakery」のモカロールケーキ
アイスコーヒー

午後には、「Alpha Bakeryに行こう!」と高速道路を10マイルほどかっとばしてお気に入りのパン屋に向かう。日本で修行したという台湾人が経営しているこのパン屋さん、アメリカじゃ普通買えないメロンパンとかあんぱんが売られている。旨そうなデニッシュブレッドなんかもあって、更にはロールケーキの美味と共に近隣在住の日本人の心を鷲掴みにするお店なのだった。私はまだそれほどにはチョココロネやクリームパンへの飢えは感じてないものの、ここのロールケーキだけは一度食べたら恋しくなってしまう。

今日もたっぷりの菓子パンと、更にデニッシュブレッドと、当然のロールケーキを買ってきた。再び高速道路に乗り、家までの通り道で途中下車して今度は「WAL☆MART」に。食料品から衣料、自転車、洋服の布地に至るまで買うことのできるだだっぴろいスーパーマーケットで米を籠に入れ、文房具を籠に入れ、そして「今晩は何にしようか……」と歩いていてだんなは野菜売場で固まっていた。

野菜売場の一角では「AZUMAYA」なる怪しいブランド名で豆腐とか厚揚げなんかが売られている。春巻きの皮とかワンタンの皮も売られている。「WAL☆MART」に限らず大型マーケットなら大概これは置かれているけど、唯一「WAL☆MART」のみで見つけることができるのが餃子の皮なのであった。だんなは
「おゆきさん!今日は餃子にしよう!」
という台詞が早いか手が早いか微妙なタイミングで餃子の皮をカートに放り込んだ。イヤだと言ってもその行動は止まりそうにないし、ていうか既にカートの中には60枚セット餃子の皮パックが入っているし、もとより反対する理由もない。幸い白菜も売られていて、豚ひき肉と共に材料を揃えて買ってきた。

我が家の餃子は、茹でた白菜のみじん切りが大量に入る。茹でた白菜をフードプロセッサーで細かく粉砕し、それを布でくるんでこれでもかと水気を絞ったものをひき肉と混ぜる。醤油と塩胡椒、胡麻油などを混ぜつつこねこねして包むだけ。
初めて買ったアメリカの餃子の皮(餃子の皮が売られていること自体が驚きだったけど)は、ほんのりクリーム色をしている。で、日本で買うそれはたっぷり打ち粉がまぶされていて粉粉しているものだけど、その粉っぽさが全然ない。だから生地が見事にくっついていて、それを1枚1枚剥がすことから始めなければならないのだった。部屋が乾燥しているから剥がすそばから乾いていくし、なかなか大変だ。

「破れたー」
「乾いたー」
「ひび割れたー」
とぎゃあぎゃあ騒ぎながら無事に60個(1個だけ2枚重ねで作っちゃったので正確には59個)の餃子ができた。電気コンロに鉄製フライパンのスキレットを乗せ、カンカンに熱して焼いていく。
どうなることかと思ったけれど、クリーム色の餃子の皮はちゃんと餃子の皮だった。乾いてしまった皮も火を通したら気にならなくなったし、白菜もしっかりどっしり白菜の味がした。「あとはラー油があれば完璧!」などと笑いながらバドワイザー片手に餃子を食べまくる。炊きたての御飯かっこみながら食べる餃子は、ちゃんと懐かしい味がした。

何より息子が「ぎょーざ!」と大喜びで喰うわ喰うわ、気が付くと皿に乗せてやった餃子が消えていて、10個くらいはなくなっていた。60個もの餃子、本当は1/3くらいのこして冷凍しておくつもりだったのである。が、最後に焼こうとフライパンを火にかけたところで、気がついたら「残るとしたら7個くらい?」という状況になってしまった。

いそいそとだんなは同じ住宅内に住む独身の留学生仲間に電話、
「あー、あのね、今晩餃子作ってね、ちょっとだけ余るんだけど良かったら食べない?……え?たった今ラーメン食べちゃったけど餃子なら食べる?……うん、わかった、じゃあこれから焼くから焼いたらすぐに持ってくね」
と話し、最後の餃子を焼くやいなや小皿に7個ばかり取り分けて宅配に行ってしまった。分けるとわかっていれば私も馬鹿喰いしなかったのに……52個も餃子が一家の腹の中に消えたと今更ながらに気がついて、ちょっとびっくり。

それだけ喰っといて、デザートにはしっかりロールケーキ。今日買ってきたのはモカロール。前回食べたバニラと今回のモカの他はチョコレートとタロ芋の2種類があるようだ。
濃いめのアイスコーヒーを準備して飲みつつ食べたロールケーキは、今日もたまらなく絶品だった。ほんのり褐色づいたシフォン生地のケーキ生地、同じくほんのり褐色の生クリームベースのクリーム。スポンジとクリームだけの、これ以上なくシンプルなロールケーキは全体からふわふわとコーヒー豆の匂いが漂ってくる。バニラのどこか子供っぽい匂いもたまらなく良いけど、モカもこれまた旨かった。

「お、俺、餃子食べ過ぎたからうすーくで良いよ、うすーくね」
なんて言っていただんなを前に、たっぷり厚切りロールケーキを食べる私。食べ始めて直後、だんなは
「今ね、やっぱり"おゆきさんくらい切ってちょーだい"と言えば良かったと後悔中……」
などと言っていた。いくらでも食べられてしまう危険なケーキ。

8/31 (土)
マグロの和風リングイネ (夕御飯)
「Alpha Bakery」の
 クリームホーン
 ツナデニッシュ
ビーフシュリンプガンボ
アイスカフェオレ

昨日買ってきた「Alpha Bakery」の菓子パン類で朝御飯。日本のごくごく普通の街のパン屋さんといった品揃えのこのパン屋、日本ではごくごく普通の品揃えになるだろうけどカレーパンやアンパン、クリームパンが並ぶ光景はアメリカではこの店以外にはまだ見かけたことがなく、ついつい嬉しくてあれこれ買ってきてしまうのであった。
今日はデニッシュ生地の中にカスタードクリームとバナナが詰まったクリームホーンと、ツナペーストが乗せられたツナパン。価格は1個1.5ドル〜2ドルと決してお安いとはいえないけど、家に帰ってしげしげと見ると、これが1つ1つ、たいそう巨大なのである。

昨日のうちに作って置いたアイスコーヒーをグラスに入れ、ついでにガンボスープの残りも少しだけ器によそって添える。スープのおかげでますます食べ応えが出たパンをもりもり食べた。
アメリカの食文化にべったり馴染んでみようと思いつつ、でも近隣マーケットで売られているような菓子パン類は「砂糖コーティングどっぷりシナモンロール」とか、「どうやらクリームチーズを乗せたデニッシュだけど砂糖コーティングにより詳細不明物体」とか、「表面が糖蜜でキラキラと輝いちゃってるレーズンパン」とか、そんな感じのものばかり。とにかく砂糖が御馳走なのよと言わんばかりに甘そうなパンばかりなのであった。あとはカップケーキやドーナツのようなお菓子寄りのものと、甘くないパンならばハンバーガー用バンズとかドッグパンとかロールパンとかライ麦パンとか、それはそれで種類は豊富だ。

「ほんのり甘いパンが食べたいのよねー」
「ウィンナーとかツナとか乗ってるのが恋しいのよねー」
という場合、どうしてもこの「Alpha Bakery」に走らなければいけない近隣事情なのだった。
しっとりしたふわふわのパンの中には1/2本分のバナナと、それに添えられたふわふわの甘いクリーム。上にはうっすらと粉砂糖がふられており、全体的に淡い甘さのクリームホーン。そして玉ねぎたっぷり入りのマヨネーズ和えのツナが上に乗るツナパンにはパセリもたっぷり散らされていて、そのパン生地の食感はアメリカのピザにも似たもちもちとした噛みごたえのあるものだった。んー、旨いわ。でも食べ応えあるわ。

「Alpha Bakery」の
 モカロールケーキ
アイスカフェオレ

午前中、私がハンドルを握って我が家と研究所の間を2往復。ハンドル握って4時間目くらいにして初めて公道に出た私。まだ駐車技術もままならぬ私が公道に出て良いのだから、アメリカの制度恐るべし、だ。広い駐車場ぐるぐるとか、住宅敷地内の道路をぐるぐるでは練習に限界があり、なるべく混雑しないルートをということで我が家から研究所までを行ってみることになったのだった。それでも途中にはそこそこ混雑する道路がある。もう、大変。

「あにゃにゃにゃにゃ〜」
と言いながらもたもたと左折し、
「うわー、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい煽らないでー」
と言いながら車線の端っこをもったらもったらと走る。我ながら情けないけど、練習重ねなきゃどうしようもない部分もあり(教習所みたいな施設はないわけで……)、これは公道で練習するしかないんである。後ろから見たらさぞ危なっかしい車だったろうなぁ。ま、そんな車はあちらこちらに走っているので気にしないことにする。

本当だったら片道10分かからずに着くだろう道を1時間くらいかけて2往復。とりあえず一度もクラクションを鳴らされることなく無事に家に帰った頃にはもうぐにゃぐにゃになっていた。車の運転は腹が空く。

で、おやつにモカ味ロールケーキ。昨日1/3ほど食べていたケーキの残りを全て喰っちゃう私たち。息子に厚切り1切れ、私にもだんなにも超厚切り1切れずつ、更に1切れ分残ったので半分に切って私とだんなで分けてしまった。

「2人で平等に分ける秘訣。1人が2つに分けます。で、もう1人が好きな方を選んで取る。これで平等。……で、おゆきさん、どっち食べる?」
と両断されたロールケーキを差し出し「さぁ選びなさい」と迫り来る我が夫。
そ、そんなに熱心に半分こしなくても、なんとなく半分こで妻は良いのだが。「平等平等」と迫る夫は、よっぽどロールケーキが好きらしかった。……とか言いつつ、クリーム多そうな1切れをちゃっかり選んでしまった私にはだんなを馬鹿にすることはできない。

全体からほんのりコーヒー風味が漂うほんのり甘いロールケーキ。低脂肪乳なんかじゃない、ちゃんとした生クリームの風味のクリームは舌にまとわりつく脂っこさもなく、生地もクリームもふわふわだ。トッピングもなく、クリームに果物などが入っていることもなく、ただただスポンジとクリームだけの組み合わせに、「こういうのがやっぱりサイコ〜」と恍惚としながらおやつを楽しむ私たちだった。

最後の一口を食べようとしている時、先に食べ終わっただんながぽつりと
「ああ、今すぐもう1本買ってこようかなぁ……って感じ」
と不穏な事をほざいていた。今回も2回で食べ切っちゃったというのに、何なんだそれは。

マグロの和風リングイネ
ビーフシュリンプガンボ
アスパラのタルタルソース和え
ビール(コロナ)・麦茶
葡萄

先日買ったマグロの切り身がほんの2切れ残っていて、
「火を通して喰いましょう」
「パスタにしましょう」
「どうせだったら葱を散らして和風のパスタに」
という展開になった。

一昨日作ったガンボスープの残りは水を足して濃度をゆるくしてさらっとしたスープにしてしまい、同じく残りものの自家製タルタルソースには茹でたアスパラガスを放り込んでサラダにしちゃう。そんなことをやっている間に、だんながパスタを作ってくれた。

オリーブ油でにんにくを炒めてマグロをほぐしながら火を通し、醤油と味醂と塩とパスタの茹で汁でソースを作って茹でたリングイネと和える。仕上げにはたっぷりの刻み葱。
「……えー、醤油と味醂ベースのマグロのパスタににんにく入れるの?」
と私は最初ちょっとばかり半信半疑だったけど、出来上がったものは不思議とちゃんと和風味だしにんにくは効いているしで旨かった。にんにく入れなくても美味しいかもしれないけど、入れてもけっこう似合っている。

具沢山のスープを傍らにパスタを平らげ、食後には息子リクエストによる葡萄を食べる。ここ数日、スーパーの広告の写真を見るだけでも「ぶどう食べたいなー、ほんっとうに、ぶどう食べたいなー」と呟いていた息子だったので、今日は1房買ってきてみた。黄緑色の葡萄は粒が大ぶりで楕円形をしている。ほのかな酸味とスカッとした甘さがあって、いかにもジュースにするみたいな果汁たっぷりの美味しい葡萄だった。種なしだ。