ハムチーズパン 1/2個
ハイジの白パン 1/2個
ミルクフランス 1/2本
ミネストローネ(やっとファイナル)
カフェオレ
昨日うっかり買い忘れて、「何か朝御飯になるものを買ってきてください」とだんなにお願いしてみたところ、あれこれ色々なパンを買ってきてくれた。
ハムとチーズの乗ったパンと、ウィンナーロール、シンプルな"ハイジの白パン"、そして家族皆が好物のミルクフランスは2本。
きっとミルクフランスは全員が口にしないと気が済まないのであろう、と、ミルクフランスの1本を半分に切るついでに、他の全てのパンも半分に切った。適当にあれこれと手を伸ばしつつ、私が食べたのは3種類。さりげなーく、息子がミルクフランスを2切れ(つまり1本)持っていった。
添えていたのが、鍋底にちょうどぴったり3人分ほど残っていたミネストローネだったために、ハイジの白パンがやたらと似合う。ハムチーズパンもやたらと似合う。
「でも一番好きなのはミルクフランス……」
とうっとりのんびり食べていたら、クリームのかけらをテーブルに落としてしまった。
フレッシュトマトを添えたオムレツ
鶏肉とごぼう、舞茸の吸い物
羽釜御飯
麦茶
今日の私は、1日ずっと真剣に真面目に粛々とお仕事を。
嬉しいことに、
「夕飯は、僕が作るよー!」
と息子がはりきってくれている。
先日息子にねだられて、初心者向けお料理の本を1冊買ってあげたら、それがいたく嬉しかったようで、いつ作れる?月曜は作らせてくれる?と、ページをめくっては何やらわくわくしていたのだった。……が、あいにく今日はだんなの帰りが遅いらしい。
「今日はお父さんが遅いらしいよ?お父さんにも食べさせてあげたかったら、明日とかの方が良いかもしれない……」
と息子に伝えたら、
「明日は明日!今日は今日!」
要するに今日も作る!と、大変な意気込みになっている。結局、予定していた麻婆豆腐は明日作ってみんなで食べることにして、今日は今日で何か作ろうということになった。
学校から帰ってきた息子と、料理の本を見ながら相談。
「……どれ作っていい?」
「どれでもいいよー。昨日のお吸い物残ってるけど、別に洋風のおかずだって似合わないわけじゃないし、作りたいもの作ってみれば良いじゃん」
「じゃあ、これー」
息子が指さしたのはトマトのソースが乗った「オムレツ」だった。どちらかというと朝御飯的なものかもしれないけど、夕飯のメインディッシュはオムレツに決定。
じゃあ材料を確認して、家にないものをメモして買っておいで?明日の献立も決まったなら、明日のも一緒に買ってきて良いよ。あと、夕飯のおかずがオムレツだけだと少し足りないと思うから、コロッケ買ってくるのはどう?……と、材料をメモさせて、小銭入れに数枚1000円札入れて持たせて、習い事の帰りに駅ビルで買ってきてもらった。
絹ごし豆腐2丁に豚ひき肉、しいたけ(ここまで明日用)、トマトにコロッケと、「おつかい」にしてはなかなか難易度が高めな内容。駅ビルはスーパーも入っているけれど各生鮮品は専門店なので、肉屋さんに八百屋さん、お総菜屋さんとあちこち覗いて息子は帰ってきたのだった。おお、すごいな、ちゃんとレシピ通りに絹ごし豆腐買ってきたよ。おお、肉もパック詰めのじゃなくてちゃんとカウンターで包んで貰っている。しかも「特売」の豚ひきだ。
オムレツは、初心者向けの料理本なだけあって、「フライパンの向こう側に、ぐるぐるかき混ぜながらゆるく固めた卵を寄せて、寄ったところでお皿にパタンと倒して、キッチンペーパーでキュッと上から抑えて形を整えてできあがり」と、幾分か簡単なものになっていた。フライパンの上でポンポンと形をまとめなくて良いのは何よりで(私もそれがいまいち上手くできない……)、そうして息子が作ったオムレツはしっかり立派なちゃんとした「オムレツ」になっていた。上に添えたトマトソースは、角切りにしたトマトをケチャップで軽く和えたもの。
手は出さずに口だけちょこちょこ出させていただいていた私は、でも注意したことは
「フライパンの上で箸をギザギザ動かしちゃうと、外側の卵が混ざらないよー。フチからぐるぐる回すように菜箸動かしてごらんよ」
ということくらいで、あとは「中火」「弱めの中火」「弱火」の設定も、卵の割り方も、トマトの刻み方も、全然危なげなかった。皿に盛りつけて、「あち、あち」言いながらキッチンペーパーで形を整えて、トマトソースかけてドライパセリをパラパラかけて、完成!
卵3個に対してバターが30gという分量のオムレツだったのだけれど、なるほど、ふわふわとするしバターの良い香りがするしでこのくらいバターを使って良いものなのであるらしい(いつもその1/3くらいしか使ってなかったわ……)。
ケチャップを添えるのではなく、生のトマトにケチャップを和えたものを添えるというのもなるほどなぁという感じだった。トマトだけだとものによっては青臭くなってしまうけれど、少量ケチャップを和えるだけでずいぶんと食べやすくなるし、ケチャップのベタベタした甘さも軽減されるし、かなり良いかも。
で、オムレツは最高に美味しくて、
「僕のオムレツ、超美味しい!」
「うん、息子のオムレツ超美味しい!」
と、あったかいうちにとえらい勢いでオムレツは消えたのだった。あとはお総菜屋さんで見つけたのだという牛肉のコロッケと、「僕は好きじゃないけど、お母さんはカキ好きだって言ってたから」と、私用にカキフライのおまけが1個。
「鉄のフライパンは……乾かさないと、悪くなっちゃう?……違う、錆びちゃう?んだっけ?」
と言いながら、最後は使ったフライパンをタワシで洗って乾かすところまでやってくれて、今日の息子はいつもの息子の3倍増しくらいカッコ良く見えた。ついこの間まで踏み台使わないとコンロの鍋には届かなかったのに、いつの間にか踏み台なしでフライパン持てるくらいの背丈になってたんだねぇ……。
カフェオレ
いちご
昨夜、息子と2人夕食を終えた後で、「明日の朝用に、パンでも焼いておこうか」という話になった。
この時間から1次発酵2次発酵と本格的なパンを作るのはちょっと大変だけれど、手元に「インスタントポンテケージョの素」がある。水と卵とサラダ油入れて、混ぜたら等分して丸めて焼くだけ。オーブンの余熱の時間で生地はできるし、あとは20分ほど焼くだけだということで、夕食の片付けをしてからそのまま息子と2人でパン焼きをした。
「ヒビ入らないように綺麗に丸めてね、焼いてる時に割れたらカッコ悪いじゃん?」
などと話しつつ、手に薄くサラダ油つけて生地を丸くまとめていく。パンというより餅に近いような食感のパンで、ほのかにチーズの香りがする。焼きたてはそりゃもう美味しそうだったのだけれど、そのまま冷まして朝食用に置いておいた。
で、朝御飯に1人3個のポンテケージョ。1個がピンポン玉くらいのサイズで、バターもジャムも特に添えずに、温めたものをそのまま食べた。独特のモチモチ感が心地良いけれど、やはり「パン」と表現するには違った風合いの食べ物で、やっぱりここはちゃんと自分で作ったパンの方が好みではあるかも……と思いつつ。
じわじわと「パン焼きの欲望」が高まり続けている最近なのだけれど(特にベーグルとか作りたい……イングリッシュマフィンもいい……)、でもここ数日の震えが来るほどの寒さを考えると気温の低い台所には正直なところ、あまり立ちたくない気持ち。息子は「今日も料理する!」と張り切ってくれているのに、ふがいないお母さんですみません。
息子特製麻婆豆腐
中華風コーンスープ
羽釜御飯
ビール(モルツ)
昨日に続いて今日も頑張ってくれた息子の選んだ献立は、「麻婆豆腐」。
「お父さんがよく作ってくれるし、僕も好きだし、作れるかなーっと思って」
だそうで、昨日のうちにレシピの材料を見て、あれこれ材料を自分で買ってきた。
「じゃあね、今日はちゃんと夕飯らしく、ひととおり作ってみよう。御飯炊いて、スープ作って、で、最後に麻婆豆腐を作ります!」
と、今日も「手は出さない、口だけ出す」方針で、炊飯の準備と中華風コーンスープの準備と麻婆豆腐の準備をする息子を応援した。麻婆豆腐は息子所有のレシピ本に作り方が載っているけれど、中華風コーンスープの作り方はその本には載っていない。
「コーンクリームスープは牛乳っぽい味がするよね?中華風のコーンスープって、何が入ってると思う?」
「……卵!」
「そう、卵。あとは?牛乳っぽいの入ってる?」
「牛乳っぽくないから……水?」
そうそう水でね、あと必要なの何だと思う?と、逐一味見させながら最後まで作らせてみた。顆粒の鶏ガラスープ入れます、ほら、こんな味。入れすぎちゃうと、インスタントスープみたいな味が強くなっちゃうから、ほどほどにして後は塩で調整ね?と、顆粒のそのスープなども舐めさせてやったら、やけに気に入ったようで何度も味見していた。作りながら「スープ、うめー」とか言いつつ、お玉にたっぷりすくった調味済みコーンスープをそのまま飲み干そうとしているし。こらこらそんな味見の仕方は止めてください。もはや味見という体裁にすらなっていない。つまみ食いという域も超えそうな勢いだ。
ともかくも、卵も上手く割れるようになった息子は中華風コーンスープをちゃんと仕上げた。
あとは麻婆豆腐。レシピの麻婆豆腐は甜麪醤抜きの、日本の味噌を使ったものらしい。その割に何故か花椒が使われている(←甜麪醤以上に馴染みの薄い中華食材じゃないかと思う……我が家にも一応はあるけど滅多に使われない)あたり、ちょっと不思議。麻婆豆腐なら八丁味噌の方が良いのかなと思いつつ、多分家に普通にある調味料を使うことを想定されてる本なのだろうなと、普通に味噌汁用の田舎味噌を出してやった。
肉は少なめ、その代わりに刻んだ生の椎茸がどっさり入る麻婆豆腐で、「肉たっぷり、甜麪醤ベース」のいつもの我が家麻婆豆腐を思うととても新鮮な味だった。でもちゃんと麻婆豆腐で、「そうそう、こういう味の麻婆豆腐あるよね」と頷けるもので、ちゃんと計量して加えた調味料のバランスもばっちり。豆板醤も少なめながら、ちゃんと入れた。
我が家の中華鍋は分厚い鉄製の、なかなかに重いものだったりするので、さすがに息子にはまだ振れず(腰じゃなく胸の高さほどの位置にある鍋をふるうってのがそもそも無理な話で)、ひき肉をポロポロに炒めるところだけは少しだけ手伝うことになった。でも他は息子がほとんどやり遂げて、豆腐もちゃんと角切りにしたし、水溶き片栗粉を用意して円を描くようにピャーッと混ぜ込んだりもした。
サラダの1品くらいは私が作ろうかなと思っていたのだけれど、結局息子の応援に全力を傾けてしまってそれはだんなに買ってきていただくことに。コンロに一番近い「シェフ席」(普段は私の席、餃子の時とかはだんなが座る)に今日は息子がついて、「シェフだから!」と御飯やスープをよそう役もやってくれた。
「シェフ、そろそろ御飯よそってください」
「はーい」
「シェフ、レンゲ取ってください」
「りょうかいしましたー」
「シェフ、麦茶が欲しいです」
「少々お待ちくださーい」
と、シェフ大忙し。普段は私がバタバタやっている事を今日は息子が全部やってくれちゃって、私は「なに?今日私の誕生日だったっけ?」的な錯覚を覚えてしまった。
こうなったら、合羽橋で子供用のコックコート(こんなの)買ってくるしかないかしら。もちろん赤いスカーフとコック帽つきで。コック帽は奮発して30cmくらいのでどうだろう。
スライストマト
中華風コーンスープ
羽釜御飯
麦茶
今日の朝御飯は、「リベンジポーク卵」。
数日前に、「スライスしてフライパンで焼いたランチョンミート+目玉焼き」という組み合わせで「ポーク卵」(沖縄のメジャーな朝御飯らしいです)を作ったのだけれど、だんなから
「……スクランブルエッグじゃね?」
とダメ出しされ、調べたところどうも目玉焼きでもスクランブルエッグでもない、「オムレツ的な卵焼き」を添えるのが一般的ではないかという結論に達したのだった。洋風のオムレツほどふわふわした感じではなく、スクランブルエッグをあまり混ぜずにゆるくまとめてお皿に出したような、そんな感じの卵焼き……みたいな。で、今日はそういう卵を添えたポーク卵を用意することにした。
フライパンにバターを薄く溶かして、軽く塩した溶き卵を流し入れて、オムレツの要領で。適当に折るようにたたんでまとめてお皿に出し、両面こんがり焼いたスライスランチョンミートを添えた。ついでにトマトのスライスも添えたら、けっこう立派なおかずになった。昨夜のスープもちょうど残っていて、御飯とポーク卵の組み合わせの朝御飯。
「パンとポーク卵」も美味しいけれど、どちらかいうと「御飯とポーク卵」の方が似合うし美味しいと思った。表面がカリッと焼けた塩気のあるランチョンミートは、危険なほどに御飯に似合う。でも、御飯に添えて食べるなら、やっぱり「卵焼き」よりも「目玉焼き」の方が美味しいと思うんだなー。黄身とろとろのところを御飯に乗せてなー。
ビール(モルツ)・カクテルチューハイ
「昨日も一昨日も息子に御飯作ってもらったので今日は私ががんばりたいと思いますがー、でも、豚味噌鍋食べたいんだよねぇ……こないだお父さんが味噌練ってくれたしね……」
と朝食時に呟いたら、息子が諸手を挙げて
「ぶたみそなべー!」
と賛成してくれた。
でも、豚味噌鍋だと、お母さん今日も料理しないで終わってしまう……と、考えたけれど、ほんの数秒で思い直して「ま、いいか」と。
練ってある味噌さえあれば(「その味噌を練るのが大変なんだよ!」とだんなの声が聞こえてくるようだ)、しゃぶしゃぶ用の豚肉用意して、白菜と葱を刻むだけ。15分ほど事前に白菜を煮ておいたりはするけれど、準備する時間はほとんどないに等しい、これ以上なく簡単な鍋料理なのだった。しかも素晴らしく旨い。我が家は3人が3人して、白菜から肉からうどんから、最初から最後まで良く食べる。白菜を一気に1/2玉とか食べられてしまう鍋料理は偉大だ。
練り胡麻はへんこ、仙台味噌は佐々重と、手に入りやすい中で美味しい材料を使っている練り味噌、今回は地元千葉の酒蔵の酒粕を使ったそうな。圧縮せず、吊して絞ったのだというそれはいかにもふわふわとして美味しそうな香りだったけれど、練られてみると不思議とあまり香らない。
ここ数年、菊姫大吟醸の酒粕を使うことが多くて、そちらはフワフワさも香りの良さも、申し分ない感じ。やっぱり菊姫の酒粕の方が美味しいのかね、などと言いつつ鍋をつついたのだけれど、口にしてみるとじわじわと香りが漂ってくるし、体もいつも通りぽかぽかと温まってくるしで、ちゃんと美味しかったのだった。酒粕は練り味噌の材料の半分も使われていない(どころか2割も入っていないくらい)のだけれど、でもこれが入らないと激しく物足りない味になるのだろうなと思う。
シメのうどんは、1人1玉。豚のエキスが存分に溶けた味噌のスープを吸ったうどんが旨くて旨くて、たらふく飲み食いした後だったというのにしっかり食べてしまったのだった。
カップスープ(粒コーン)
牛乳
最近、だんなが割と早めに帰ってきてくれているのを良いことに、
「何か買ってくるものある?」
「あ、朝御飯を……」
と、頼んでしまうことが多い私。
私はパンの朝御飯が好きで、だんなは(そしてどうやら息子も)白い御飯の朝御飯の方が好きなのであるらしい。買い物に行くたびに「明日の朝御飯……」と思いを馳せつつ、私はついついパンを買ってきてしまうことが多いので、だんなにお願いしたらちょっとヒネッた回答が返ってくるのではないかなと期待しているフシがあったり、なかったり。
で、昨日だんなが買ってきてくれたのは、私の予想をおおいに裏切ってくれているもので、楽しかった。手にはハムカツと、ハンバーガー用のバンズ。
「ハムカツサンド、しようと思います!キャベツ、残ってたよね?」
うん、ちょうど半端な感じに残ってる。……というか、面白いもの買ってくるねだんな……と、思わず笑ってしまった。丸い形のハムカツに、近所のスーパーではあまり見かけないハンバーガー用のバンズ。計算しつくした風のシルエットの朝御飯だった。
「俺は、パンにバター塗って、あっためたカツ乗せて、チーズ乗せてもう1回焼くんだよ?」
と、朝からやる気に満ちあふれているだんな。
「僕もチーズ乗っけて焼くんだよ?」
と、お父さんに追従する気満々の息子。いや、私はチーズは要らないです……カツで充分。
なんだかスープも恋しかったのでインスタントの粒コーンスープを用意しつつ、冷たい牛乳も用意しつつ。ハムカツには御丁寧に中濃ソース(ウスターでもとんかつでもなくあえて中濃というのがまた素晴らしい)がついていたので、これをかけつつキャベツと一緒にサンドして食べた。
「あんぱんに牛乳」というのも反則だろってくらいに美味しいんだけど、「ハムカツサンドに牛乳」というのも悶えるほどに美味しいじゃないか、という事を初めて知った。
サニーレタスとトマトのサラダ
息子特製チキンソテー
ミックスベジタブルと角切り野菜のスープ
羽釜御飯
ビール(モルツ)
「僕の次の料理は、これにすることにしましたー!」
と、昨夜息子が「チキンソテー」のレシピページを広げて私に見せてくれた。
「……幸い、というか、何というかね。明日、鶏肉料理のつもりだったんだよね。鶏肉の買い置きあるから、食べなきゃって」
でも、今度はお母さんも料理したいよ、このままじゃお母さんが料理の仕方忘れちゃうよ、と、息子と相談の結果、今日は「チキンソテーだけ息子が作る」ということで話がまとまった。
息子が一度台所に立ち始めてしまうと、「このくらいなら脇でできるだろう」と想定していた作業はたいていできないまま終わってしまうので、だったら早めに他の料理を作るしかないなと、夕方早めにスープと副菜の準備だけはしておいた。ミックスベジタブル的な粒々したスープが飲みたかったので、そのまんま、チキンコンソメで煮たミックスベジタブルのスープ(あとは同じ大きさに刻んだ玉ねぎとピーマンも加えた)を、そして
「夕飯のメインはチキンソテーだけど、ひじき煮と切り干し大根煮と、きんぴらごぼうあたりで、どれか食べたいのある?」
とだんなに尋ねてみた結果、リクエストをもらった切り干し大根の煮物も。
切り干し大根は、ごくごく普通に油揚げとにんじんと一緒に、鰹だしと薄口醤油、味醂で煮込んだ。水で戻した切り干し大根を他の材料と一緒に胡麻油で炒めてから煮ることが多かったのだけれど、今回は他のレシピを参考にして、炒めずに温めただしにそのまま材料を入れてみることに。そうしたら「炒めない」ことのデメリットも特に感じず、逆に変なアクのようなものがなくて良いような気もしたので、これからは炒めずに煮る方向で行っても良いかなと。
で、サラダの葉っぱもちぎり終わり、「さ、あとは息子さんのフォローを存分にできますよ」という状況にしてから、いざチキンソテー。熱したスキレット(フライパンではなく、容赦なく重々しいスキレットをコンロにセット……)に肉を入れればジューッと油がはねるし、レシピには「肉の両面に焼き色がついたら、水を大さじ2加えて蓋をして加熱します」などとあるし(それは、もっとはねるでしょう)、これは難易度が高いなと思いつつ、今日は口だけじゃなくて手もけっこう出してしまった。
肉はちゃんと黄色い脂身を取り、皮にフォークでぷすぷすと穴を開けてから、塩胡椒を全面にまぶして小麦粉も茶こしで薄くかけてはたく。スキレットに油を薄くひき、にんにく1かけ入れて弱火でじっくり香りを出してから肉を皮を下にして入れ、中火で両面じっくり焼く。最後は水を少量入れて蒸し焼きにして中までしっかり火を通し、塩味だったらこれでできあがり。和風の照り焼き味なら、最後に醤油と味醂、酒を絡めてできあがり。
塩味だったらクレソンとプチトマトを添えよ、照り焼き味ならタレに長ねぎ和えてそれを添えよと、なかなか芸が細かいレシピになっている。
「えーと、フライパンがよく熟したら、お肉を入れます、だって」
「……え?なに?じゅくすの?じゅくしちゃうの?」
「うん、熟すって、書いてある」
「……熟すじゃないよ、その漢字は"ねつ"ね。熱したら。熱くなったら、って書いてある」
「……だよね、フライパンは熟さないよね」
「熟したら美味しく料理できそうだけどね……熟さないね」
油が馴染んだ黒光りするフライパンは充分「熟した」って言えるかもなぁと思いつつ、息子は「フライパンを傾けて、油ににんにくの香りを移します」のところでスクワット態勢になって筋力トレーニングさながらの状態になっている。ごめん、やっぱりスキレットは重かったか。
半ば想定通り、油がはねれば悲鳴をあげて逃げる息子と一緒にぎゃあぎゃあ騒ぎながら肉をなんとか焼き上げた。炒め物、焼き物系は料理の中でもけっこう大変だ。始めたらもう最後までいくしかないし、煮物のように「煮ている間にレシピをもう一度確認」とか、そういう余裕がほとんどないし。油がはねれば息子は逃げるし。
というわけで、肉を焼く部分は私がおおいにお手伝いしつつ、でも照り焼きの合わせ調味料を用意したりするところは息子ががんばってくれた。全部一人でやったとは言い難い今日の料理ではあったけど、でも「竹串を刺して、赤い肉汁が出てこなくなったら肉の焼き上がり」とか、色々学べるところはあったと思う。「スキレットはものっすごく重い、でも美味しく焼ける」とか。
ババーンと1人1枚の鶏もも肉のソテーにサニーレタスとスライスオニオンのサラダを添えて、息子は今日も「シェフ席」。
「シェフー、御飯ください」
「あ、お母さんも。スープもくださーい」
シェフ席に座る人間はいつも大忙しで、でも息子はまんざらでもない様子で御飯よそい係もがんばってくれた。
……で、肉焼きで少しめげたかなと思ったら、
「じゃあね、次はこれー」
……た、卵チャーハン……(また難しいものを……)。