食欲魔人日記 06年12月 第2週
12月4日 月曜日
ちょーっとキャベツを煮すぎた感があるけど、ポトフ
自家製鰺の開き
わかめと牛肉の韓国風スープ
御飯
抹茶入り玄米茶

昨日の朝、馴染みの店クック&ダインから、「佐島・最高のあおあじ干物」が届いた。一年で僅か数週間しか摂れないという、脂がしこたま乗った美味しい青鰺。一般的な時期の青鰺は真鰺よりも味が劣るそうだけれど、今の季節の青鰺はたいそう美味しいものらしい。それを干物にしたとのことで、だんながうきうきとお買い物してくれたのだった。

だが、しかし我が家の冷蔵庫にはまだ自家製干物が2尾分残っている。真鰺だけれど、一尾たったの50円だったそれ、私が開きにしてベランダで干して作った干物だ。届いた干物は冷凍されているものだったのでそれはそのまま冷凍庫に直行してもらい、今朝のところは自家製のものを食べてしまうことにした。それでも美味しい。とっても美味しい。塩が身にじわっと染みていて、でも乾きすぎていない良い具合の塩加減。昨夜のスープを温めなおして、御飯と一緒に。

卵かけ麦御飯
麦茶

すごく鮮度の良い卵……があるわけではなかったのだけれど、なんだか猛烈に卵御飯が食べたい気分。「目玉焼き乗せ御飯」も美味しいけれど、「ゆで卵」も大好物だけれど、でも今日はなんとしても卵御飯が食べたい。なんとしても食べたい。でも新しい卵を買ってくるのもなぁ……という感じで、自分の胃腸を信じて6日前に購入した卵を卵かけ御飯で食べてしまうことにした。冷凍庫から麦入り御飯を出してチンする。

卵はどうやら全然問題なくて、とても美味しく卵かけ御飯をいただけた。たまたま残っていた麦御飯と素晴らしく良く似合う。
今日は仕事も少し落ち着いていて、午後には時間をかけてポトフでも作ろうかなと。

ツナディップ
スティックきゅうり・クラッカー
スモークチーズ
ポトフ
羽釜御飯
ビール(キリン樽生)

「レーブ ドゥ シェフ」のロールケーキ
カフェオレ

かなり前に買ってあった豚王の肩ロースブロック肉。いつでも食べられるしと冷凍庫に入れっぱなしにしてあったのだけれど、そろそろ食べてしまわないとなと昨夜のうちから冷蔵庫に移してある。

ダッチオーブンで作るローストポークも捨てがたいけどどうしようか考えていたところ、昨日だんなから
「ポトフみたいなのにしない?煮込んで」
とリクエストがあったのでポトフに加工。沸騰させた湯ににんにくとローリエ、ローズマリーと共に塊のままの肉を入れてアクを取りながらひたすら煮込んでいた。にんにくはほんの一片しか入れなかったけれど、台所中に茹で肉とにんにくの良い香り。「たっだいまー!」と今日も語尾を跳ねさせながら帰ってきた息子が、家に入るなり
「あ!匂いするよ?なんか、あったかい匂いがするよ?」
と言いながら台所にやってきた。「あったかい匂い」という表現は、なんだかステキだ。

肉以外に加えたものは、玉ねぎとにんじん、じゃがいもと大きなキャベツの塊。塩以外の調味料は特に加えず、まずは肉とハーブだけで4時間ほど煮込み、野菜を加えて1時間、最後にじゃがいもを加えて30分。スープボウルに盛って粒マスタードを添えてテーブルに出した。

ビールの肴にと用意したのがツナディップ。ツナ缶とクリームチーズ、刻み玉ねぎと刻みピクルスを混ぜ合わせ、塩胡椒、おろしにんにく、少しの砂糖で調味する。『ケンタロウ「魚(さかな)!」ムズカシイことぬき!』(ケンタロウ 講談社 2003.11)に載っていたレシピを初めて作ってみたのだけれど、ただのツナペーストよりもコクがあって良い感じ。クラッカーやスティックきゅうりに添えて食べた。

デザートにロールケーキとカフェオレ。

12月5日 火曜日
密かに大好き、バームクーヘン
2日目のポトフ
ツナディップ
「BAGEL & BAGEL」のベーグル(ヴォルケーノ)
カフェオレ

塩味系のベーグルとツナは良く似合う。クリームチーズも勿論似合う。今朝はベーグルがあるなと見越していたので、昨夜ツナディップを用意していたのだった。私とだんなのベーグルは、「ヴォルケーノ」というチーズトッピングのもの。半割にして温めたベーグルにツナディップこてこて塗りつつ、昨夜のポトフもスープボウルに一杯よそう。

久しぶりにベーグル食べたいねとBAGEL & BAGELで買ってきたベーグル、久しぶりにモチモチネチネチとした食感が楽しめて美味しかった。野菜が少々煮崩れるほどに煮込まれた2日目のポトフもあったかくて良い感じ。

「KONNICHIWA Italian DELI」のチキンサラダ
紅茶

日曜日、ちょっと気張りすぎて腕も胸も腿も華麗に筋肉痛。明日ジム行けるかなぁ、この調子じゃどうも無理っぽいなぁと、午前中は食材の買い出しにお出かけしていた。でかけたついでにお昼御飯を購入。「今日和」という千葉県内に展開するイタ飯屋さんのデリ、KONNICHIWA Italian DELIでフライドチキンをトッピングしたサラダが売られていたので、それをひとつ買ってきた。ほんのりハーブの香りのフライドチキンに、たっぷり葉野菜、ドレッシングはほんのり和風なオリーブ油ベースのもの。

うう、それにしても腕が痛い……。

豚味噌鍋
焼酎(黒瀬)

バームクーヘン
紅茶

「近いうちに豚味噌鍋やりたい」
とのだんなからのリクエストで、週末のうちに豚薄切り肉を買ってきた。なんだか今年は豚味噌鍋の頻度が高めだ。私とだんなに加えて、今シーズンは息子が熱烈に
「豚味噌鍋、する?今度、いつする?」
と非常に前向きだからかもしれない。豚味噌鍋のうどんも最高だけれど、お肉も野菜も美味しいから豚味噌鍋はとっても嬉しいのだそうだ。夕飯が豚味噌鍋だと、準備が異様に簡単だから(その分、味の決め手の味噌を練るのは大変なのだけれども……だんな、毎シーズンどうもありがとう……)私も多方面に渡って嬉しい。

いつも通りに、白菜たっぷり長ねぎたっぷりの豚味噌鍋。今回は冷凍庫にしまってあった豚王のしゃぶしゃぶ肉も出すことにした。常温でやわやわと溶かしつつ、先日買ってきた薄切り肉も出しておく。

「おなかすいた。もーね、大変におなかがすいた」
と、息子は肉も野菜もしっかり食べてうどんを一玉平らげ、その後に更にもう半玉分ほどのうどんを平らげていた。私とだんなも負けじと鍋に取り組んで、そして今日のお供は焼き芋焼酎「黒瀬」。

デザートは、箱根で買ってきていたバームクーヘン。真空パックになっていた円形に分厚くスライスされていたそれを「食べたいなー早く開けたいなー」と日々眺めていたのだけれど、辛抱たまらず夕飯後に開封。一人「60度」くらいな感じで美味しくいただいた。
私はバームクーヘンを、層を剥ぐようにピラピラさせて捲って食べるのが好きなのだけれど、このバームクーヘンは程良い感じにピラピラ剥がれてくる。
「うん、いいバームクーヘンだ。すてきすてき〜」
と、一人ニヤニヤしながら食べていた私。

12月6日 水曜日
写真全然撮れなかったので、これは箱根のステンドグラス
「アンデルセン」の
 ハムチーズパン
カフェオレ

先日、牡蠣に大当たりしただんな。大当たりの直前に「アンデルセン」でシーフードパイを買ってあったのだけれど、それはだんなの口に入ることはなくて、だから昨日、改めてシーフードパイを買ってきてあげてみた。朝ジムに向かっただんなはしっかりこれを食べていった模様。

私の分はハムチーズパン。だんなが淹れていってくれたコーヒーをカフェオレにして、苺と一緒に。
息子が登校してすぐにパソコンに向かって私はお仕事お仕事。今日はちょっと忙しいことになりそうだ。

ショートパスタを入れたポトフの残り
紅茶

今日は小山のように英文のドキュメントファイルが次々と届いて、それをhtml化する作業のお仕事。それと平行して「今日仕上げてください」という少し大きな仕事もあって、平行して作業しながら一日ずっとモニター前。

ひとつ大きなファイルを片づけたぞー、というところで、
「ごめんなさい、さっきのファイル訂正入りました」
と直しのファイルがどどーんと届いて、頭が真っ白になった。

「ノーン……」
なんだそりゃー、と呻きながらベッドに倒れ伏したところ、それは乾燥機から取り込んだばかりの洗濯物の上。ふふふ、だんなのシャツだー私のパンツだーわーいわーいと半ば自暴自棄になりながら布団の上をごろごろと転がって20分ほど現実逃避していたところ、私の背中の下からだんなのワイシャツがぺちゃんこになって出てきた。……ノーン……。

お昼御飯は、残っていたポトフのスープにショートパスタを少し加えて「スープパスタ」状に。お肉はホロホロ、キャベツもじゃがいもも柔らかく煮崩れたポトフ、スープは綺麗なコンソメ色。色がつくような調味料は全く加えなかったので、黄金色の綺麗な色は野菜と肉から出たものなのだろう。
美味しい肉とたくさんの野菜から作られたスープを吸ったパスタがあんまり美味しくて、午後の活力が沸いてきた。午後もがんばろう。

「坐・和民」にて
 カマンベールチーズフライ \380
 豆鱈の唐揚げ \380
 有機ほうれん草とスモークサーモンのサラダ \580
 だしまき卵 \280
 なめろう \480
 寒鰤の握り寿司 \480
 ホッピー
 焼酎(紅一刻)
などなど

で、結局、仕事は押して押して押しまくって、
「今から帰るよー。……何か買っていくものは?」
のだんなからの電話に
「……ゆうごはん」
と答えることになっちゃったのだった。作業はほぼ終わりが見えたけれど、夕飯の支度は全然出来てない。出来そうにない。

「……"ザ"かな?」
「うん、ザ、だね」
ザだ、ザだ、と呟きつつ、駅でだんなと待ち合わせて向かったのは「坐・和民」なのだった。略して「ザたみ」。

「いちごミルク」なる魅惑的な飲み物があるので、息子はこの店がすっかりお気に入り。私とだんなもビールやらホッピーやらで乾杯しつつ、小魚の唐揚げとかほうれん草のサラダ、だしまき卵になめろうに、と、好き勝手あれこれ注文して今日もよく食べた。もう12月ということで、メニューには「キムチ鍋」とか「牡蠣鍋」とか「ちゃんこ鍋」などの案内もあれこれ載っている。もちろん牡蠣フライもメニューには載っていたのだけれど、

「……なんか俺、今シーズンは牡蠣避けた方が良さそうだなぁ……」
「……そうかもねぇ……」
と、牡蠣は避ける方向で。なめろうは、なめろうというよりも「生姜風味の鰺のたたき」という感じで、なめろう特有の粘っこくぐちゃぐちゃした感じがなくて美味しかったけれども今ひとつ。
「おちゃづけ♪おちゃづけ♪」
と、やけに幸せそうに鮭茶漬けを啜っていた息子が面白かったのだった。

12月7日 木曜日
カレイを煮てみた
豚味噌うどん(ぴらぴら)
冷茶

土鍋の中には、一昨日食した豚味噌鍋の残りスープがまだたっぷり。いつもは「豚味噌鍋の翌朝は味噌おじや」ということになっていたのだけれど、昨日はだんなが朝ジムということで味噌おじやは見送られたのだった。
「味噌スープがけっこうあるんだよ。おじやでも良いし、うどんでも良いけど?ぴらぴらうどんも残ってるよ」
今朝起きるなりだんなと息子に話しかけると、まさか返事があるとは思わなかった息子の口から
「……ぴらぴらうどん……」
と半分寝ているような口調で応答があった。で、今朝はぴらぴらうどんの豚味噌うどん。

「ぴらぴらうどん」だったか「ひらひらうどん」だったか、ともかく幅が2cmほどもあろうかという薄っぺらな不思議な乾麺は、母がくれた食材の中に混ざっていたもの。何しろ薄っぺらいから乾麺なのにすぐに火が通る。幅広の独特のモチモチ感があって、スープの味が良く染みるので豚味噌鍋のスープにもよく似合う。
残りスープの中には白菜がまだまだ残っていたので、豚薄切り肉だけを適当に足してうどんと煮込み、食卓に出した。

バームクーヘン
紅茶

朝のうどんはさほどの量ではなかったのだけれど、
「……お昼はバームクーヘンつまみたいなー」
と、おやつのような昼御飯。バームクーヘンが甘いので紅茶はミルクも砂糖も抜きの、ちょっと濃いめなアッサムティーを用意した。

バームクーヘンってやつは、ほんとに美味しい。しみじみ美味しい。
自分で作れそうもないからこその愛着なのかしらと思って、思わず検索してしまったのだけれど、ドーナツ型ではなく円形のものならフライパンで簡単に作れるらしい。更に、手間さえ惜しまなければあのドーナツ型のいかにもなやつを作ることもできるらしい(参考:こことかここ)。

「自分で作れるのか……作ってみたいかも……」
と、バームクーヘンを食べた後にバームクーヘンにドキドキしている私だった。

ニラチヂミ
カレイの煮付け 茹でほうれん草添え
肉団子入り白菜と椎茸のスープ
羽釜御飯
ビール(キリン ブラウマイスター)

抹茶入り玄米茶
雪見だいふく

今週は土日と家を空ける予定。かなり綿密に食材消費の計画をたてていたのだけれど、昨日の夕飯は外食してしまって早くも計画は崩れまくっている。更に今日の午後には、お義母さんが野菜をしこたまお裾分けに来てくれた。お義母さんたちも今週末からしばらく家を空けるのだそうで、
「ごめんねぇ、これ、食べちゃってくれる??」
と、ニラとキャベツとキュウリと万能葱がどさどさどさーっと我が家の冷蔵庫に追加される。ああ、どうしましょう。キャベツは来週まで待ってもらうとして、でもニラは早めに食べたい感じがする。

で、今日の夕飯は手持ちの野菜をなるべく食べてしまいましょうという観点で料理。昨日買ってきてあったカレイの切り身は醤油味のあっさりな煮物にして、皿の底には茹でたほうれん草を一束分敷いてみる。
ニラは1束使ってチヂミにした。卵や薄力粉を混ぜたものに刻んだニラを混ぜ合わせ、胡麻油でこんがりとお好み焼き風に焼き上げる。本当はあさりの身とかイカを入れると美味しいのだけれど、今日は副菜ということでシンプルなチヂミに。

そして少量残っていたポトフのスープは一度漉してから水を足し、半端に余っていた豚薄切り肉と半端に残っていた餃子のタネをお団子にしたものでスープに。
「白菜似合いそうだから白菜入れよう」
と白菜をざくざく刻んで鍋に加え、それから勝手に手が動くような感じで
「あ、椎茸も入れよう、残ってたし……」
と生椎茸もざくざく刻んで鍋に加え、更にほとんど無意識に
「あと春雨とか入れたら完璧だなー」
なんて食料庫を漁りはじめた私。

春雨がないなぁ残念……と食料庫をひととおり漁った後で、
「……私、もしかして無意識にピェンロー作ろうとしていた……?」
と思い至った。豚肉と白菜、椎茸と春雨と言えば、ピェンローだ。あと鶏もも肉入れたら完璧ピェンロー。いつのまにかスープには胡麻油もしっかり垂らされていて、すっかりピェンロー風のスープになっているのだった。そんなに好きかピェンロー。

ともかくも、ポトフの残りスープのおかげもあってかとても美味しくできたスープ。中華なようなコリアンなような和風なような謎夕飯になったけれど、どれもちゃんと美味しくて幸せだった。問題は、そこそこのサイズの鍋いっぱいにできた肉団子と白菜のスープが土曜の朝までになくなるかな、ってことで……。

12月8日 金曜日
予想以上の茄子の量でした。幸せ〜
レーズンパン
目玉焼き
茹でブロッコリーと刻みきゅうり
自家製いちごミルク

今日の朝御飯は小ぶりなサイズのレーズンパン。家族全員1個ずつ食べれば良いかなと3個買っておいたのだけれど、だんなは昨夜のスープと御飯で朝御飯を済ませてジムに行った模様。
「1個は冷凍しておくか……」
と息子と2人の朝御飯の準備を始めたところ、
「ぼく食べる!2個食べる!」
と息子から素早いリクエストが入った。目玉焼きと少しの野菜も用意して、なかなかに食べ応えのある朝食に。

出始めの苺が案外と安かったので買ってきたのだけれどまだまだ酸っぱく香りも少ない。生のまま半パック以上はつまんだのだけれど、残りは今朝ジュースにしてみた。果肉をハンドミキサーにかけ、牛乳だけを加えて薄ピンク色の飲み物に。外で飲む苺ジュースより格段に甘さは少なめだったけれど、でもちゃんと美味しかった。息子よ息子、そんなにごっくごっくと喉をならしていちごミルクを飲まなくても。

肉団子入り白菜と椎茸のスープで雑炊
麦茶

今日は一日家でお仕事。鍋にスープが残っているという状況は嬉しいものだなぁと、昨夜の残りの具沢山スープに冷や御飯入れて雑炊仕立てにした。椎茸がしっかりと味を出してくれていて、なんとも滋味深いこっくりした味のスープになっている。ほんのカップ1杯ほど残っていたポトフのスープを入れたのも悪くなかったのだと思う。

今、白菜やキャベツが採れすぎて廃棄処分が行われているのだとか。夏から秋にかけてはずっと「葉ものが高いなぁ」と思い続けていただけに複雑な心境になる。

千葉 「壁の穴」にて
 茄子のミートソーススパゲティ Aセット \1950

金曜は息子のピアノ教室で、本当は1時間のレッスン時間が最近は1時間じゃ終わらない。たいていあれこれと延長になって、70分レッスン、90分レッスンなどになったりする。

レッスン後に軽く買い物を済ませると、もうすっかり夕飯時だ。
「お母さん……どっかで食べて帰る?食べて帰らない??」
息子が上目遣いで聞いてきて、そうだなぁスパゲティでも食べて帰るか……と。冷蔵庫の中には野菜も肉も入っているのだけれど、だんなは飲み会に参加の模様だし、じゃあ私たちも外で食べて帰っちゃおう!と足取り軽くデパートのレストランフロアに移動した。

「ぼくねぇ、"うまうま光線"が出ちゃう食べ物がいいなー」
と息子。具体的にはねぇ、銚子丸とか、串焼き屋さん(←串揚げバイキングの店を指していると思われる)とかがビーム発射!なんだよーとか、隣でごにょごにょと呟いている。

「……太閤園とかナイルカレーとかでも出ちゃうんじゃない?」
「出るよー、いっぱい出るよー」
「……母ちゃんの作った料理じゃ出ませんか?」
「出るよー、超出るよー、いつも出してるじゃん」
「……そうなの?……ていうか、出ない料理屋さんなんて、そもそもあるの?」
「あるよー、"キムチ屋"」
「……きむちや……」
「あとね、"スパイシーソーセージ屋"」
「……すぱいしー……」

たいていの食べ物はもりもり食べてくれる息子だけれど、やっぱり辛いものやスパイシーすぎるものは苦手なのであるらしかった。キムチも、慣れると美味しいんだけどねぇ。チョリソーとかも。

で、「うまうま光線が出そうなお店」ということで、
「ほら、ヤクルト入りのジュースが出てくるお店行こうよ」
「ああ、壁の穴だね」
クレオパトラとか楊貴妃とか、変な名前のヤクルト入りジュースがあるんだよねぇ、あれは光線でるよね、いっぱい出るよねー……と、千葉そごう内の「壁の穴」を目指してみたのだった。
……が、残念ながら、そのクレオパトラとか楊貴妃とかはメニューから消えちゃったのであるらしい。私が高校生の頃、もう十数年前からメニューに載っていて、つい半年前くらいにも、ここのお店で息子が注文して「わぁ久しぶり」と飲んだばかりだったというのに、最近になってメニューから消えちゃったようだ。

「しょぼん……」
「ビーム消えた……」
「でも、たらこスパゲティあるからビーム消えない、まだ大丈夫」
注文したのは、むすこがいくらトッピングのたらこスパ、私が茄子入りのミートソーススパ。私はサラダとデザート、ドリンクつきのAセットにして、息子はデザートとドリンクつきのBセットに。セットのハーフサイズサラダ(シーザーサラダ)は息子を半分こして食べた。

現在このお店では「中盛、大盛無料」だそうで、
「あー!じゃあ、ぼく、大盛り!」
と告げようとする息子を制して「いや、さすがに多いと思うよ、中盛にしとこうよ」と2人で中盛。思った以上に茄子が大量に入っていたミートソーススパは食べ応えがあって、「しまった、中盛じゃなくて普通サイズで良かったかも」と少しだけ後悔した。息子は息子で
「中盛、余裕じゃん!大盛で良かったじゃん!」
と別の方向に後悔していたのであるらしい。軽く110g(←1人分の乾麺量)ほどはあったと思われた中盛サイズのたらこスパ、息子にはどうやらいまいち物足りない分量だったようで、私のミートソースを少し分けてやりつつ、デザートにアイスティー飲みながら松の実とカスタードのタルトをつつく。

「壁の穴」、子供の頃からあった(最初は母が新宿の地下街にある店に連れてきてくれたのだ)お気に入りの和風スパゲティ屋さん。各地に増殖しまくっているのはこちらの系列のお店だけれど、私はこの新宿のお店がやっぱり一番好きだったりする。

12月9日 土曜日
とにかく圧倒された漁師宿の夕御飯
上越新幹線車内にて
 焼きたらこおにぎり
 海老天おにぎり
 蟹おにぎり 1/2個
 鶏唐揚げ
 お茶

山形県鶴岡市には、世界一のくらげ水族館がある。

くらげ好きな私はずっとずっとずーっと気になっていて、でも鶴岡は遠かった。上越新幹線で新潟まで出て、そこから更に羽越本線で1時間半。時間もお金もかかりそうだなぁと思っていたのだけれど、JR東日本の「土日きっぷ」なるものがけっこうお得に使えるらしい。連続した土日の2日間有効で、大人\18000、子供はたったの\3000。東京を中心に、酒田、古川、女川、下田や甲府、松本あたりまでの区間が新幹線も含めて乗り降り自由で、4回まで普通車指定席も利用できるとか。鶴岡はちょうどフリーエリアの端に近く、普通に行くよりもこの切符でかなり安く移動できそうなのだった。

「しかもしかも、何この"きらきらうえつ"って!?」
羽越本線、1日に1往復だけ「きらきらうえつ」なる特別列車が走っているとのこと。カラフルな車体に大きな窓、軽食コーナーに展望コーナーありと楽しいことになっている電車。これに乗ったら息子も喜ぶかなぁと、「きらきらうえつ」に乗ることも盛り込みつつ今週末、鶴岡を目指すことにしたのだった。

で、「きらきらうえつ」に乗るためには東京を8時頃に出る新幹線に乗らなければならず、がんばって早起きして家を出る。朝御飯にと買ったのは、新幹線乗り場にほど近い場所にある「ほんのり屋」というお店のおにぎりだ。JAが運営しているお店で、種類豊富な大きめおにぎりが購入できる。味噌汁や唐揚げ、角煮などの類も売られている、だんなのお気に入りのお店。

たらこ2個と鮭まぶし2個と海老天2個と蟹1個……あれ?なんか1個多くない?1人2個じゃなかった?とやいやい話しつつ、でも人気のお店で売り場は大混雑、結局7個のおにぎりを買って出てきた。私の取り分はたらこ1個と海老天1個、蟹おにぎりはだんなと半分こして食べることに。

二階建て新幹線の二階席に3人並んで、おにぎりもぐもぐ食べながら新潟を目指す。
しっかり火の通ったたらこおにぎりも、油の溶けた天つゆが御飯に染みた海老天おにぎりも、どちらも甲乙つけがたい美味しさ。ほぐした蟹の身がたっぷり混ぜ込まれた贅沢なおにぎりも幸せな味だ。
ガーラ湯沢は今日が営業開始だということだけれど、越後湯沢にはほとんど雪は積もっていなかった。今年の冬は、まだまだあったかいらしい。

チーズちくわ
お寿司弁当
地酒お試しセット

そして新潟で「きらきらうえつ」に乗り換え。1号車に乗った私たちの前方には、運転席もよく見える展望コーナーがあって、息子はその展望コーナーに張りついてなかなか席に戻ってこない。3号車にスタンプがあるってよー、2号車には売店があるってよー、と、4号車までしかない車内を探検して歩いてみたりした。新しい車両だけあって、トイレから何からすごく綺麗。客席の窓もすごく広くて、村上を通り過ぎた頃からは左手にずっと日本海が見えていた。

車内の売店では日本酒のコップ売りなどもされていた。1杯500〜600円で飲める他に、好きなもの3種を選択しての少量ずつのお試しセットのようなものもある。 「〆張鶴(雪)」「初孫(生元純米)」「菊勇(純米熟成秘伝)」の3種類をもらって、だんなと2人飲んでみた。おつまみに、しっかりチーズちくわなども買ってみたりして、更には鱒や鮭、いくらや蟹を散らしたお寿司(「まさかいくらなんでも寿司」なる、すごいネーミングのお弁当……)なんかもだんなと半分こ。

「荒波日本海、恋歌慕情殺人事件……って感じ??」
何がそういう感じなのかはわからないけれど、岩に白く波が砕ける様など眺めつつ、ゆる〜く宴会。列車は満席で、グループ客のおばちゃんらなどもビール片手にわいわいと賑やかにやっている。

「あー……大量に大根干してるね。何にするんだろ」
「たくあんでしょ」
「家の軒下でさ、干し柿作ってる家がすごく多いよ」
「ああ、このへん庄内柿の産地だしね」

「あー、そうだねー」くらいのゆるい返事を期待してだんなに声をかけると、いちいち的確に「おまえはおばあちゃんか」的な返事が返ってきて、「そういう返事を期待してるんじゃないんだよー違うんだよー」などとぐだぐだ言っているうちに列車は鶴岡に到着。

鶴岡市立 加茂水族館」にて
 くらげコーヒーゼリー \250

鶴岡からタクシーで20分ほど、やっと、本日のメインである加茂水族館にやってきた。
市立の小さな水族館でありながら、世界唯一の「20種類以上のクラゲ常時展示」を誇る「クラネタリウム」が有名な水族館。クラゲ飼育への特化は、地方の小さな水族館の復興計画の一環だったとのことだけれど、そうした復興計画の希有な成功例のひとつとしても注目を集めているらしい。他ではあまり見ることのできないクラゲがとにかくいるらしい、ということで、私はそりゃもう大変に楽しみにしていたのだった。

思った以上に小さな水族館で、海水魚、淡水魚の類は見たことのある、しかも「魚屋さんで見たことがある」ものがたくさん。
「あー、アジとイワシだー」
「……美味しそう」
「こっちは黒鯛とかカマスとか……あ、ホッケもいるや」
「……ますます美味しそう……」
という感じ。実際、その水槽の説明札には「庄内で揚がりました」「漁師さんにいただきました」なんてコメントがついていて、ますます「魚屋さん気分」が高まってしまったり。

そんな可愛らしい水族館だったけれども、冬季はショーが開催されないアシカの「ショー練習風景」にたまたま遭遇することができたり(輪投げの練習していて、息子が「やってみますか?」とお手伝いさせてもらえたり)、ラッコやアザラシやミズクラゲの餌付けが見られたり、最後にはアザラシの赤ちゃんに触ることができたりと、クラゲ抜きでも楽しいことが盛り沢山。今年の春に産まれたというアザラシ「しずかちゃん」はつぶらな瞳でたまらなく可愛かった。短い毛がみっしりと生えているアザラシの身体は、脂肪層が厚くて良い感じにムッチムッチした手触り。

で、待望のクラゲの山〜♪
気持ち悪いほど大量にいるミズクラゲタコクラゲ、実物を初めて見たウリクラゲカブトクラゲ、フリルのような触手が本当に美しいアカクラゲや、「お食事中」とのことで、ミズクラゲをもりもり食べていたユウレイクラゲオワンクラゲチョウクラゲフウセンクラゲ。残念ながら、美しいと評判のハナガサクラゲは公開休止中だったけれど、小さく儚い容姿のくせに毒性は猛烈だという「カギノテクラゲ」(この水族館の職員が刺されちゃって3日入院したとか……)などというものも見ることができた。もうもう、天国。クラゲ天国。クラゲラブ。大変に幸せな数時間だった。だんなと息子には売店やアザラシコーナーなどを見ていてもらい、その間にずーっとクラゲ水槽にへばりついている私。満喫いたした……♪♪

館内には小さなフードコーナーもあって、そこでは「クラゲ料理」が食べられる。「クラゲ定食」「クラゲ入りおひたし」「クラゲ入りさといも」「クラゲあんかけごま豆腐」「クラゲかまぼこ」などに加えて、「クラゲあんみつ」「クラゲコーヒーゼリー」「クラゲジュース」「クラゲカプチーノ」「クラゲソフトクリーム」「クラゲアイスクリーム」と、とにかくクラゲだらけの品揃え。休憩がてら、だんなと息子はクラゲアイスクリームを、私はクラゲコーヒーゼリーを試してみた。

アイスもゼリーも、普通のそれの中に5mm角ほどにカットしたクラゲの身が混ぜ込まれているような感じ。ところどころで無味無臭なコリコリプチプチとした食感のものが感じられる。味のあるものではないし、その食感はナタデココほどにクニュクニュしたものではなくて「心地よい」というほどのものでもなく……「面白いもの食べたな」といった感じのものではあった。

水族館からタクシーを呼んでもらって、今日の宿のある湯野浜温泉に移動。

湯野浜温泉 「福宝館」にて
 魚介とフルーツのサラダ
 サザエの壺焼き・アワビ
 イカの塩辛
 アワビとイクラ、大根おろしの和え物
 刺身(ブリ、タイ、ウニ、甘海老)
 紅ずわい蟹
 カレイの塩焼き
 子持ちハタハタの味噌焼き
 ブリと野菜の煮物
 湯上げハタハタ
 茶碗蒸し
 鮭の粕汁
 渡り蟹の味噌汁
 鮭の混ぜ御飯
 みかん
 ビール ・ 日本酒(熱燗)

「温泉だよ」
「漁師宿、だってよ」
「展望風呂もあるって、すごい量のお魚料理が出てくるって」
「しかもけっこう安いねぇ……」
ということで決めた、今日の宿「福宝館」。最上階には男女別の展望風呂があり、階下には「空いている時に自由にどうぞ」という家族風呂もあるとのこと。チェックインが早めだったからか日本海がババーンと見える隅の部屋に案内してもらい、早速皆で家族風呂に入ってきた。硫黄臭くもなく濁ってもいないので一見温泉っぽくないお湯だけれど、加水も加温もなしの源泉かけ流しの贅沢な温泉とのこと。塩気のあるお湯で、お湯からあがった後の肌はツルツルになった。

夕飯は、1階の食堂で。
「準備ができましたー」
と連絡をもらって階下に降りると、卓上には溢れそうなほどの魚介尽くしの御馳走が並んでいた。息子には子供用のお弁当が用意されていたけれど、その子供用の膳だけでも少食なおねぇさんは(いや、多分普通のおねぇさんでも)音を上げそうなほどの分量がある。ビール飲んでお酒飲んであれこれつつき、胃袋が破れそうなほどに腹一杯になった。

まず、小鉢に自家製らしき塩味控えめなイカの塩辛、別の小鉢に薄切りアワビとイクラを大根おろしで和えたもの。左の角皿にサザエの壺焼きと薄切りにしたアワビ(を茹でたの?)、みかん半個。中央にはドドーンとカレイの塩焼き、その左に子持ちハタハタに甘味噌を添えたものがそれぞれ丸1尾ずつ。カレイの右奥にはブリとタイ、ウニと甘海老のたっぷりとしたお刺身で、刺身の隣には蟹が1人あたり足4本ほどがどどどーんと。更に奥にはサーモンを乗せた和風味のサラダ、その脇にブリと野菜(大根、アスパラ、茄子)の甘辛煮。

「すげぇ……」
と、その分量に圧倒されながらもあれこれ食べ始めたのだけれど、更に次々と茶碗蒸しが来て、「湯上げハタハタ」が来て、粕汁が来て、とどめとばかりに1/2ぱい分の渡り蟹がごろりと入った蟹汁までもがやってきた。御飯もしっかりと、鮭と胡麻、海苔がたっぷり入っている混ぜ御飯で、どれも素朴な感じながら手がかかっているものばかり。分厚く切られたお刺身や、こっくりした味の粕汁などはどれもしっかり美味しかった。

それにしても本当にすごい分量で、息子の前にも、海老フライ、串カツ、ハンバーグ、オムレツ、プチトマト、ブリの照り焼き、みかん、でかサイズプリンが盛られた弁当箱の他に、刺身(大人と同じ盛り)と紅ずわい蟹(これまた大人と同じ盛り)まで並んでいる。茶碗蒸しも追加され、御飯も大人と同じ混ぜ御飯。さしもの息子も苦戦していて、お刺身や蟹には手をつけられなかった模様。

「もう、ほんっとに腹がすいちゃってー」
と言うだんなは、自分の分は全部綺麗に平らげた。息子の分のお刺身も蟹も手伝った。私は、息子の分のお刺身や蟹は手伝ったものの、自分の分の煮物や汁物(粕汁と蟹汁が……)はさすがに全部は食べきれず。だって、煮物も粕汁も、その他のあれこれも、全てが「それ1品でお昼の定食のメインおかずに充分なり得ます」という分量で、食べても食べてもなくならない。
「うう……あと3時間待ってくれたら、蟹全部食べられるのに……」
と自分の胃袋の容量に歯がみしながらヨレヨレと部屋に戻ったのだった。

明日、朝風呂入る頃にはちゃんとお腹がまた空いてくれているかしら。今はもう、「この先お腹が減るなんてことがあるのかしら」というほどにお腹一杯だ。漁師宿、おそるべし。

12月10日 日曜日
本日のメインイベント、「イタリアン」
湯野浜温泉 「福宝館」にて
 ハムエッグ
 こんにゃくとさつま揚げの煮物
 自家製いくら・昆布の佃煮・小魚の佃煮
 あさりの佃煮
 鮭の粕漬け
 梅干し・漬物
 豆腐とわかめの味噌汁
 御飯
 お茶

昨夜はすっかり満腹して早々に家族全員布団にもぐりこんだ私たち。……で、今朝は案の定早起き。展望風呂でのんびり朝風呂を楽しんでから身支度して、朝御飯を食べに階下の食堂へ。

ホームページの紹介では「朝食はさっぱりと」とあった、漁師宿の朝御飯。
「いや、全然さっぱりじゃないよ」
「すっごい御馳走だよ」
と、昨夜の大変な大御馳走は胃袋のどこへ消えたやら、朝から一同良く食べた。肉っけのあるものはハムエッグだけで、あとはひたすら魚介がたっぷり。息子は朝から「自家製いくらで一膳」「ハムエッグの目玉焼き部分でもう一膳」「最後はハムを乗せてもう一膳」と、小ぶりの茶碗ながら御飯を3膳も食べていた。私とだんなも「おかず多いね」「つい御飯進んじゃうよね」などと言いつつついついお代わり。

自家製らしき粕漬けの鮭は脂が乗りまくり、素朴な味のさつま揚げの煮物も良い感じ。朝からしっかり食べて、そして湯野浜温泉から鶴岡までバスで移動。特急に揺られて新潟まで戻ってきた。

新潟 「みかづき」にて
 チキントマトシチューイタリアン \410
 カレーイタリアンポテトセット(ウーロン茶) \580
 ホワイトイタリアンポテトセット(メロンソーダ) \580
 ソフトクリーム(めろんいちご)
を、皆で分け合いつつ

長岡 「フレンド」にて
 ペア \400
 オムレツイタリアン \380
 ドリンクセット(ウーロン茶・アイスコーヒー) 各\110
も、皆で分け合いつつ

昨日のメインイベントは「クラゲ」、そして今日のメインイベントは「イタリアン」。
新潟には「イタリアン」という不思議な麺料理がある。ソース焼きそばの上にミートソース(やカレーソースやホワイトソースやその他諸々)をかけた、イタリア人が見たら卒倒しそうな食べ物で、一度デパートの催事で東京にやってきたのを食べたことがある。

「新潟の名物」というより、正確には「新潟にチェーン展開しているみかづきというお店の名物」であり、そして社長さん同志に親交があったということで、長岡に展開するフレンドでも後発で「イタリアン」がメニューに載るようになったとか。新潟市民、特に価格の手頃さから学生さんたちに人気のお店ということだけれど、新潟県民以外にとっては摩訶不思議な存在だ。だんなは一度口にしてから、すっかりこの「イタリアン」に夢中だ。
「違うんだよ、みかづきとフレンドは全然味が違うんだってよ、やっぱりどっちも食べてみなきゃなぁ〜♪」
と、新潟駅、長岡駅最寄りの両店の場所を事前にしっかり調べていたりするのだった。乗り降り自由の土日きっぷ、今日も大活躍。

まず目指したのは新潟駅から徒歩10分ほどの距離にある、伊勢丹デパート脇のバスターミナルビル内にある「みかづき」。
ここはとにかくソースの種類が豊富で、「カレー」とか「ホワイト」とか「トマトツナ」とか「黒ごま」とか、様々な選択肢がある。セットにするとフライドポテトとジュースがついてくる。

「1人1つ……かな、私と息子は食べきれないかもだけど」
「だいじょうぶ!俺が喰う!」
いつも頼もしいだんなは、今日は輪をかけて頼もしい。

「俺が喰う!」の一言に、新発売の「チキントマトシチューイタリアン」と「カレーイタリアン」「ホワイトイタリアン」を注文するに至り、私は
「香草焼きしたチキンをトマトソースでシチュー風に仕上げました」
なる「チキントマトシチューイタリアン」をメインに食べた。香草焼きしたチキンとトマトソースでシチュー風に煮込んだそれが、もやし入りの焼きそばの上にかけられているこの不思議フード。あんかけスパゲティに通じるような、ねっとりととろみのあるソースが、それでも不思議に太麺のソース焼きそばに似合っているからおそろしい。そしてこの不思議フードを、お店に続々とやってくるお客さんたちが普通に注文して普通に食べているのが……また、おそろしい。いや、美味しいんだけど、確かにやみつきになる何かがあるんだけど、でも本当に不思議な食べ物だ。今日の写真は、「みかづき」のイタリアン。手前が噂のチキントマト〜で、その奥がホワイト、一番奥がカレーだ。ホワイトソースの下に茶色いソース色の麺が透けて見えるのが、こう、なんとも。

ホワイトイタリアンをおおむね平らげた息子、「ソフトクリームが食べたい」と言い出して、メロンとストロベリーのミックスソフトを買ってきたのだけれど、これがまた笑っちゃうような美味しさ。メロンソフトの味は、メロン型の容器に入った昔懐かしいシャーベットそのまんまの味で、ストロベリーのもそんな方向の「香料たっぷり&人工着色料で色づけ」という感じのもの。今時珍しささえ感じるそのソフトクリームの味がやたらとツボで、ついつい何口も息子から分けてもらって舐めてしまう私だった。

新潟でのイタリアン堪能後は、長岡でイタリアン堪能。今月末にスキー合宿に行く息子のためにスノーブーツや手袋、分厚い靴下などをスーパーで買ってやりつつ(雪国で買った方が品揃えが豊富だしお手頃価格のもあるしね)、長岡駅ビル内にある「フレンド」で最後の休憩。

こっちのイタリアンは、「餃子」がセットになっている。単品でも注文できるけれど、「ペア」は餃子4切れと餃子だれ、紅生姜とイタリアンが1つの発泡スチロールプレートに収まっている。ソースは普通のと「カレー」の2種類しかなく、代わりに「オムレツトッピング」とか「ハンバーグトッピング」「コーントッピング」「キムチトッピング」(!!)などと色々なトッピングメニューが揃っている。

「オムレツ!オムレツ美味しそう!」
ということで、私はオムレツイタリアン、だんなが「ペア」を注文していた。ドリンクセットにすると通常価格140円のドリンクを110円でつけることができる。

そして食べてみた、初体験の「フレンド」イタリアン。ソース焼きそばの上にミートソースという組み合わせは当然ながら新潟のそれと同じもので、でもこちらの方が麺とソースの味の馴染みが良いような印象。甘め……なのかな?具はもやしであるところは新潟と同じ。ケチャップ感の強めなソースはほんのり甘口で、オムレツの卵とケチャップにも良く似合う。

要するに高校生のおやつになるような、ジャンクフードの類なのだけれど、やっぱり何だかクセになりそうな美味しさ。私はフレンドの味の方が好みだったかも。

「CoCo壱番屋」の
 ロースカツカレー
ビール(キリン復刻ラガー)

そして、予定より1本早い新幹線で無事に東京に戻ってきた。都心で夕飯食べて帰ろうか?という話も当初あったのだけれど、イタリアンのハシゴの後ではそれも無理、ということで家を目指す。やる気のないまま夕御飯時間になり、
「あー……このやる気のなさは、ココイチ?」
「いいかもーココイチ……」
ということで、久しぶりにCoCo壱番屋の宅配を頼んでしまった。ビールが要るよね、とだんながひとっぱしり買ってきてくれたのはキリン復刻ラガーの明治版。深い青い色のパッケージがとても綺麗だ。

何の気無しに「肉喰いてぇ〜」とロースカツカレーにしてしまったのだけれど、それを食べ終えた今、微妙に胃もたれ、後悔中。