食欲魔人日記 06年7月 第2週
7月10日 月曜日
ナンプラー味の角煮に香菜添えて。
ミニ麻婆丼
味噌汁
ほうれん草のおひたし
麦茶

今日は、というか、今回は、大失敗。

週末に、なかなか旨そうな、手頃なサイズの鰺が売られていたのだった。1尾120円くらいだったと思う。いかにも一夜干しにしたら良い朝御飯になりそうなサイズの鰺だったので、4尾(息子は朝から魚丸一匹を食べることはないので、親子3人で2尾、それを2回分という計算で)買ってきた。で、開いた鰺の水気を取って、その後に塩しっかりふって、隠し味の魚醤も軽くふって、外で干すこと一昼夜。いつもだったらこれで美味しい一夜干しができるのだけれど、今回はどういうわけか、あかんかった。うまくいかんかった。今朝確認したら、干物ではない怪しい匂いの物体に変化してしまっていて、鰺はグリルでなくゴミ箱に移動していただくことになってしまった。あああ、鰺、ごめんよ。この季節にそんな事やろうとするのが多分間違っていたのだろう……。

で、本当だったら「鰺の干物・ほうれん草のおひたし・納豆・味噌汁・御飯」という素敵な和朝食になるはずだった月曜の朝。
「ごめん……おかず、なくなっちゃった……」
と、とりあえず昨夜の残りの麻婆豆腐などチンして、ミニ麻婆丼にして食べた。
あああ、それにしてもショック。

リッツ with シュリンプサーモンペースト・レーズンバター
ベトナム風角煮
野菜どっさりソト・アヤム
羽釜御飯
ビール(キリン樽生)

先週半ばに買って、結局調理してなかった塊の豚バラ肉。氷温室の奥でカチカチになっていたのを引っ張り出して、煮込んで食べることにした。雲白肉もいいなー、肉厚ピーマン買ってきたところだからキャベツ買ってきて回鍋肉も捨てがたい……と思いつつ、結局ナムプラーで煮込むちょっとアジアな味のおかずにすることに。

さりげなく美味しいレシピがちょこちょこ載っているお気に入りの本、大田垣晴子さんの『小さなモンダイ』。中でもすごくお気に入りになったのが「豚肉と卵のナンプラー風煮込み」という料理だった。適当に切った豚バラ肉に醤油1/2カップ、ナムプラー大さじ1、砂糖大さじ1、みじん切りにんにく2片分を軽く絡め、放置すること20分くらい。そこにおもむろに水を加えて煮込めばできあがりの、実に簡単な角煮だ。最後にゆで卵も一緒に煮ると更に幸せ。できあがりに香菜など添えると幸せ最高潮。気に入って何度も作った料理だった。

角煮を煮ながら「……野菜たっぷりのスープも作ろう……」と思い至って、考えた結果ナムプラーつながりのアジア系ということでソトアヤム(ソト=スープ、アヤム=鶏 で、インドネシアの鶏スープ)を用意することにした。昔アジア食材屋で買ってきたインスタントソトアヤムがあるので、鶏を1枚茹でてスープをとり、そこに怪しい蛍光イエローカラーのソトアヤムの素を投入。具は鶏肉の他に春雨ともやしと青葱、揚げ玉ねぎ、ゆで卵あたりがあればそれっぽくなるのだけれど、今日はあえて玉ねぎやいんげん、ピーマンなどもどさどさ加えてみた。独特の旨味があって、ターメリックの香りが漂うスープは、インドネシアの気候にも似合うカラッとした味がする。

角煮とソトアヤム、炊きたて御飯、それだけじゃテーブルがちょっと寂しかったので、ビールのアテにリッツとレーズンバター、お義母さんから以前いただいていた缶入りのシュリンプサーモンペーストも開けてみた。適度に塩気のあるディップをクラッカーにつけつつビール飲んで、甘辛く良い具合に煮えた角煮をつついて、角煮にもソトアヤムにも香菜てんこ盛りにして、なんとなく夏っぽい夕御飯。最近だんなが「香菜、そんなに嫌いじゃなくなってきた」という嗜好に変わってきてくれて、香菜ラブな私は嬉しい限り。

7月11日 火曜日
なんとも不思議な、「フォアグラのクレームブリュレ」
お茶漬け
麦茶

やっと7月も初旬が去ろうという、梅雨明けもまだのこの時期に、今日はうんざりするほど暑い。朝からもう暑い。天気予報によると昼間は軽く30度になるらしく、
「……なんかこう、お茶漬けって感じ……?」
サラサラした感じのものが食べたいなぁと、御飯チンしてお湯も沸かして、永谷園のお茶漬け海苔を用意して、家族でサラサラお茶漬けを食べる。今日は昼から外出予定。こう暑いと、一体何を着て行けば良いやらな……。

日本橋 「merveille」にて
 Aコース \2,800
    フォアグラのクレームブリュレ 玉ねぎのブリオッシュ添え
    カレー味のリゾットを詰めたいわいどりもも肉のグリル
    ロールケーキ ヨーグルトのジェラート添え
    パン
    ミニフィナンシェ・エスプレッソ
 グラスシャンパン

今日は友人4人で、日本橋でランチ。「第1回セレブランチ」と銘打ってはいるけれど、その実は「第1回セレブになりたいランチ」というか「第1回セレブをネタに盛り上がるランチ」というか「第1回セレブととりあえず言ってみたいランチ」というか、そんなところ。選んでいただいたお店は、日本橋高島屋の裏手にある「merveille(メルヴェイユ)」という小さなフレンチレストランだった。フレンチ久しぶり。とってもとっても嬉しい。んで、とってもとっても楽しかった。

4人全員、頼んだのは一番お安いコースの「Aコース」。4種から選択できる前菜に、2種(魚か肉)から選択できるメインディッシュ、そして3種から選択できるデザートと、カフェ、パンがセットになったプリフィクススタイルだ。前菜だけは全員別々、あとは全員肉、そして全員同じデザートという選択になって、楽しく御飯を食べてきた。

イタリアンも中華も、そしてもちろん和食の盛りつけもそりゃもう美しいものなのだけれど、フレンチならではといった風の華々しい盛りつけの美しさ、豪華さが目でも味わえる美しい皿の数々だった。しかも前菜からデザートに至るまでボリュームもたっぷり。特に手の込んだ前菜の味と外見に魅了された。

今日の前菜は、魚介をコンソメのジュレで固めたえんどう豆のスープに浮かべた「本日の前菜」と、フォアグラ入りのテリーヌ、そしてこのお店のスペシャリテであるらしい「しま海老のブランマンジェ」、そして私が選んでみた「フォアグラのクレームブリュレ」。

クレームブリュレと言うからには、表面に砂糖を散らされ、バーナーで焼かれ、キャラメリゼされているのであって、その砂糖の味がフォアグラとどう似合うのかというのが興味津々の皿だった。少しは違和感があるかと思ったのだけれど、その甘みとフォアグラのふんわりとしたムースが不思議と良く似合う。添えられた玉ねぎ入りのブリオッシュのトーストにフォアグラの甘苦さが感じられるクレームブリュレをこてこて塗りつけて囓った。4人で、「食べます?」「こっちもどうぞ?」とお皿を交換したりしてそれぞれ味見してみたのだけれど、一番美味しい!と思ったのは、さすがのスペシャリテの「しま海老のブランマンジェ」だったかも。口にした途端にスッと溶け、クリーミーな中にも濃厚に漂う海老の上品な味。素晴らしく美味しかった。

4人お揃いの「本日のお肉料理」は、岩手のいわいどりのもも肉の皮と肉の境にたっぷりなカレー味リゾットを詰めて焼いたもの。肉の下には九条葱と茄子、エリンギというちょっと和風な取り合わせで、皮目は「一度揚げたのかな?」と思われるほどにパリッカリッと香ばしく焼けていた。なのに肉の部分は固くもならず、良い具合の火の通り。

更に続く4人お揃いの皿は、デザートの「ロールケーキ」。これまたこのお店のスペシャリテなのだそうで、「のの字ロール」のようにゆったり巻かれたケーキにはこれでもかとクリームがたっぷり。薄切りにされたそれが皿に横たえられて、脇にはヨーグルトのジェラートとマンゴー果肉が添えられていた。スポンジ生地とクリームだけのシンプルなロールケーキは「素材で勝負!」という感じで、生地の濃厚な卵の黄身色が印象的なものだった。しっとりめの生地も美味しかったけれど、クリームの風味の良さに最後までうっとり続きだった。

接客もとても心地良いもので、「お客さんに楽しんでもらおう、居心地良く過ごしてもらおう」という配慮が隅々まで行き渡っているのが感じられたのも嬉しかった。本当はもっともっとのんびりしていたかったのだけれど、今日の午後は別件の打ち合わせも入ってしまっていたので食後のエスプレッソをいただいた後は早々にお店を後に。また是非「第2回」を開催しましょう。

スパゲティ ボンゴレ ロッソ
ブロッコリーと茄子のチーズ焼き
ソトアヤム(昨日の残り)
アイスティー

午後の打ち合わせが予想より少々長引いて、最寄り駅まで帰ってきて電車を降りたところで「おかあさーん?」と息子から連絡があった。一応、万一息子の帰宅に間に合わなきゃ困るなと今日は鍵を持たせていたのだけれど、良かった良かった。

「いま、どこ?ぼく、帰ってきたよ?」
「あ、ごめん、もう電車降りたから、もうすぐ帰るよ」
「雨、降ってきてるよ?迎えに行こうか?」
「いや、まだ小雨みたいだし走って帰るから大丈夫よ」
「じゃあ、お風呂の用意して待ってるね。気をつけて帰ってきてねー」

うわぁ。お風呂だって。雨の中帰ってきた息子に「お風呂沸かしてあるよ?」と何度か言ったことはあったけれど、まさか私に同じ事を返してくれるとは思わなんだ。嬉しいなぁ嬉しいなぁと、急ぎ夕飯の買い物だけして帰ると、ちょうどお風呂が沸いたところで、ありがたく濡れた服を早々に脱いで早めの入浴をさせてもらった。

買ってきた夕飯の材料は、アサリ。ボンゴレ食べたい、ボンゴレロッソが食べたい、とずっと思っていて、さほど準備の時間もかからないしと今日の夕飯にすることにしたのだった。中華鍋(←スパゲティに炒めるのには中華鍋がやっぱり便利……)にオリーブ油入れてみじん切りにんにくと赤唐辛子を弱火で炒め、良い具合に焼き色がついたところでパスタの茹で汁をオリーブ油の同量ほど加え、刻んだトマトと殻つきのアサリ、刻みパセリを投入。強火にして蓋して貝の口が開くまで火を通したら、茹であげたパスタと合わせてできあがり。油と茹で汁の分量を合わせてうまいこと乳化させるのがコツだと聞いたけれど、今日はそれがすばらしく上手くいった。塩加減もばっちり。

スープは昨夜の残りのソトアヤムを用意して、あとはオーブンでできるものを1品作るかなとブロッコリーと茄子のチーズ焼き。事前にごく軽く茹でておいたブロッコリーと、薄切りにした茄子を耐熱皿に重ならないように並べ、刻んだオリーブ、アンチョビを散らしてとろけるチーズを適当にトッピングしてオーブンへ。

「……こういう、魚介とトマトのパスタは嫌いですか?」
「……ふつう」
「そっか、普通か」
自分的にはすっごく良くできたボンゴレだったけれど、クリームスパゲティ至上主義の息子にはさほど大きな感銘は与えられなかったらしい。

「ていうかさー、お母さん!全然豚みそ鍋、食べてないじゃん!」
「へ?」
「豚みそ鍋!」

だって、豚味噌鍋は、鍋だよ?冬の御飯だよ?こんなに暑い日にコンロとか出して食べられないよー……と息子に説明を試みたのだけれど、「でもぼくは、豚味噌鍋のうどんが、すごく食べたいんだよ」だそうで。そこまであの味噌味が好きになっていたとは私も予想だにしていなくて、じゃあ夏休みになったら、お昼御飯におうどんにして食べようねと約束したのだった。鍋にするにはちょっと無理かもだけど、2杯分の煮込みうどん仕立てにするくらいなら何度か楽しめるくらいの練り味噌は冷蔵庫に残っている。

7月12日 水曜日
このニラ感が息子のツボ?
「DOUGHNUT PLANT」のプレーンベーグル
 スモークサーモン・クリームチーズ・スライスオニオン
アイスカフェオレ
国産さくらんぼ

昨日の午後、仕事の打ち合わせを終えて急ぎ駅に向かって歩いているところで「DOUGHNUT PLANT」のショップの前を通りかかった。今、おそろしい勢いで増えつつあるこのドーナツショップ、まだ日本にやってきていなかった2002年の秋にニューヨークの中華街からてくてく歩いてドーナツを買いにこのお店の本店を目指した事がある。店頭で食べた、まだ温かさの残る、シュガーコーティングがシャリシャリしていたドーナツは本当に美味しかった。

でもこのドーナツ、持ち運びにはいまいち向かない。この蒸し暑い季節にはますます向かない。家に買って帰る事は諦めて、店内で売られていたベーグルを買ってみることにした。1個200円とお値段お高めだけれど、ずっしりと重くすばらしく大きい。3個買って、パンが入ってるとは思えない重さになったビニール袋をぷらぷらさせて帰宅したのだった。

せっかく美味しそうなベーグル買ったのだからと、スモークサーモンとクリームチーズも買ってきた。半分に横割にしてオーブンで温めたベーグルにチーズ塗ってサーモン添えて、玉ねぎもたっぷりはさんでからかぶりつく。持った時に感じた重量感そのままに、おっそろしく目の詰まった、気泡がほとんどないような重く固いベーグルだった。息子は発酵バターを塗って囓って
「……固ーい!かみきれなーい!」
と声をあげ、確かにこれは、大人でもなかなか囓るのが大変、というか。

あるいはこのような密度の詰まりっぷりこそがベーグルなのかもしれないけれど、私はどこか緩さも感じられる「BAGEL&BAGEL」のベーグルの方が好みかも。あまりに食べ応えがあって、昼過ぎまでしばらくお腹が空かなかった。息子もようよう半分だけ食べて登校していった。

豆乳
野菜サンド

仕事も山積みなれど、今日は歯医者とジム。親不知を抜いた後を診てもらい(そして「あとは下の親不知で……ほら、真横に生えていて顎の神経にぶつかってるんですよ……これはですね、抜くとなったら大学病院ででもないと……」と不穏な事を言われ)、その後に60分のボディパンプと水泳。果たして午後はきっちり仕事ができるのだろうかと不安になりながら、スーパーで夕飯用の食材と、お昼御飯用の食べ物を見て帰ってきた。

お蕎麦も丼ものもサンドイッチも、いまいち食べたい気分じゃないなぁ……とあちこち見て歩き、どういうわけか無性に「豆乳」が飲みたくなる。豆乳豆乳、甘くない豆乳。でも「スゴイダイズ」ほどにはすごくない豆乳。さらさらしてるけど甘さはないのが良いなぁ……と、小さなパックを1つ買ってみた。豆乳に合うお昼御飯って何だろう?と再び思案し、結局サンドイッチ屋さんの野菜さんどを買ってきた。

豆製品なんで少しも美味しいと思っていなかった十代。なんとなく美味しさがわかるような気だけはしていた二十代。三十路になって、やっとしみじみと「大豆って美味しいなぁ、大豆に限らず、煮た豆とかって美味しいよなぁ」と思えるようになった。豆乳も前向きに飲みたくなってきたのはほんのここ数年の事だ。

メーカー名とかは忘れちゃったけど、期待どおりに適度に薄くて甘さのない豆乳を飲みつつ、レタスときゅうりと玉ねぎとトマトが挟まった野菜サンドをもぐもぐ。

ラム肉とニラともやしの炒めもの
冷や奴(風に吹かれて豆腐屋ジョニー)
御飯
麦茶

冷蔵庫内に、ソトアヤムに使ったもやしの残りがそこそこたっぷり。もやしを美味しく食べるにはー……と考えて、月並ながら結局ラム薄切り肉とニラを買ってきた。甘辛くニラと薄切り肉を炒めたものは、息子の大好物。で、私はニラもやし炒めなら豚肉よりラムの方が好きだなぁと思っている。結局、なんだかんだで「豚肉の生姜焼き」などよりも頻繁に食卓に上っているかもしれない、ラムニラ炒めの存在であったりするのだった。

そして、安売りしていたので思わず買ってきてしまった、「風邪に吹かれて豆腐屋ジョニー」。豆腐にあるまじきネーミングと、その独特の形状。売られているのは1年くらい前から把握していたのだけれど、「なに、このイロモノ豆腐は……」と、毎回スルーしていたのだった。値段も、「それならお豆腐屋さんで買う方が安いくらいだし」というほどのやや高値だったこともあった。

んが、「冷や奴だったら、ジョニー美味しいですよー」と友人に先日教えてもらい、ならばと一度試してみることに。この会社からは「喧嘩上等やっこ野郎」とか「男前豆腐」とか、個性的というにはあまりにも個性的すぎるラインナップの品々が他にも色々あるのだけれど、とりあえずはと一番キテレツなジョニーから攻めてみることにした。……ていうか、今頃ジョニー初体験はきっと遅すぎですね、私。

楕円の形状のパックは中央で切れるようになっていて、その切れた1パックを息子と私で半分こ。シンプルにおかか醤油で食べてみた。ラム肉炒めは、醤油と味醂とおろしにんにくで味つけつつ、ちょっとこってり感が足りないなぁとへんこ焼き肉のたれ(醤油味)も加えてみた。ちょっと甘めになったけれど、こっくり味の御飯が進むおかずのできあがり。

で、炒めものはいつも通りに美味しかったのだけれど、それにしてもジョニー!侮っておりました。柔らかめのふわふわした豆腐は胡麻豆腐に似たねっちりとした舌触りもあって、大豆の味がとても濃厚。「豆腐だけで充分いける」とても美味しい豆腐だった。高いけど、確かに美味しいなジョニー。今度は男前とか番長とか野郎とか、そのあたりの別の品々も試してみよう。

7月13日 木曜日
でかい蕪をゴロゴロと
ピザトースト
アイスカフェオレ

久しぶりにピザトーストが食べたいなぁと、厚切り食パンを買ってきてみた。ピザソースは家にあったはずだし、ピーマンも玉ねぎもベーコンもある。ピザトースト久しぶりだなぁ〜と、朝起きて準備し始めて、冷蔵庫に残っていたと思っていたピザソースがどこにもない事に気がついた。……あれ?

野菜は切ってしまったし、オーブンも温めはじめてしまったし、何より「今日はピザトースト!」な気分が高まりまくって今更別のものに変更したい気分にもならないし、しばし考えトマトピューレで代用できないかなという考えに至った。以前カルフールで買ってきた大瓶のトマトピューレは、かなり濃厚なトロッとしたもので、悪くなさそう。市販のピザソースの味に比べると塩とスパイスが足りない感が強かったので、ピューレを塗った上から軽く塩とドライバジルを散らしてみた。あとは薄切りの玉ねぎ、ピーマン、ベーコンを散らして、ピザ用チーズをこんもり乗せてオーブンへ。

今日も30度を超える暑さになりそうだという事だけれど、こんがり焼けたピザトーストは美味しかった。

鶏肉と蕪、厚揚げの煮物
さやいんげんの胡麻和え
卵豆腐・チャンジャ
きぬさやと油揚げの味噌汁
羽釜御飯
ビール(アサヒスーパードライ)

無性に蕪が食べたくて、しかも煮た蕪が食べたくて、この暑さには少々酷かなとも思いつつ鶏と厚揚げと一緒に煮込みにすることにした。今日はだんなも帰ってこられるということで、スーパーに寄った時に安売りの卵豆腐も買ってくる。

あとは手持ちの野菜で何か作ろうかなと思っていたところ、夕方にお義母さんがやってきて、
「はい、野菜、食べて〜!」
と、大きなトマトと、太くて長い立派なさやいんげん、ブラウンマッシュルームを持ってきてくれた。いんげんは、早速胡麻和えにすることに。胡麻も砂糖も少なめの、醤油味を強めにしたあっさりした味の胡麻和えにした。

蕪の鶏の煮物は、我が家はたいてい薄口醤油だけで調味する。割烹料理店「青柳」の小山さんのレシピ本で見たやり方だけれど、味醂や酒はおろか、だし汁すら使わない。それでもちゃんと味がついて、シンプルな鶏の味が染みた蕪がとても美味しく感じられるので、お気に入りの作り方だった。

まずは油を敷かないまま行平鍋を熱して、そこで一口サイズに切った鶏肉を入れる。無理矢理剥がすと肉が鍋底にくっついてしまうのであまりいじらず、適度に脂が染み出てきて鍋から綺麗に外れるようになってから適当にひっくり返して鶏に焼き色をつけていく。適当に火が通ったら切った蕪を加え、軽く鶏の脂を蕪に馴染ませるように混ぜたらひたひたに水を注ぎ、中火で15分煮込んでいく。ここまで調味料は何も加えず、最後に薄口醤油を加えて調味すればできあがり。今日は煮込む段階で厚揚げも加えてみた。

大根を煮たのとはまた違う柔らかい食感がとても好みな蕪。塩揉みして生で食べたり、味噌汁に入れたり、あとは蒸したりパスタの具にもなったりする蕪だけれど、煮蕪が一番好きな私。鍋に入れても旨いよね。

7月14日 金曜日
うっかりデジカメ忘れて、だんなの携帯借りました……なんだかすごい猟奇的色合いです……
「アンデルセン」のレーズンパン
アイスティー

昨日、野菜を届けに我が家に寄ってくださったお義母さんに誘われて、息子が一緒にお買い物に行ってきた(私は家でお仕事継続)。行き先は本屋さんと郵便局と聞いていたけれど、帰ってきたその手にはお菓子が1つと、パンの袋が1つ。
「ぼくねぇ、この、チェリーのパンが大好きなんだよ?」
などとのたもうて、パン屋さんでちゃっかり朝食用のパンを買ってもらったのであるらしかった。「お母さんとお父さんは、きっとこのパンが好きと思うなー?」などと続けたらしく、私とだんな用のレーズンパンまで袋の中に入っていた。

お義母さんに感謝しつつ、朝御飯はふかふかのレーズンパン。柔らかい筒状のパンを3切れほど食べる私の向かいで、息子はカスタードクリームがトッピングされているらしいチェリーのパンを嬉しそうに頬張っていた。

鶏肉と蕪、厚揚げの煮物
御飯
麦茶

今日で息子の学校は終わって明日から夏休み。その危機感が十二分にあるので(夏休み期間、仕事の効率が下がることはあっても上がることはないから……)、ここ最近は真面目に真面目にお仕事している。興に乗ると午後2時頃までぶっ通しで仕事して昼御飯を抜いてしまうこともこのところ多いのだけれど、今日はちょうど12時頃に一息つきたい気分になった。

クーラーをつけている家の中でもじわじわと蒸し暑くなり、外気温を想像するのも嫌になりそうな蒸し暑い今日。クーラーの温度を下げに席を立ったついでに電子レンジで昨日の煮物を温めなおした。左手に御飯茶碗、右手に箸、そして目の前に煮物の入った小鉢と麦茶の入ったコップを置いて、ちょっと急ぎめの昼御飯。

暑い暑いと思っていたら、なんと今日は静岡で38度にもなっていたらしい。洗濯ものを取り込みにベランダに出た時、ものすごい熱風が吹きつけてきてそれだけで体中から汗が吹きだした。なんだ、この暑さは……。

海浜幕張 「ジュン&BEER」にて
 ファミリーセット \5000
   キムチ・ナムル・サンチュ・牛タン・ロース・カルビ・野菜盛り
   ライス・スープ・ライチシャーベット
 ユッケ刺し \800
 ハラミ \850
 特選中落カルビ \1250
 豚トロ \500
 にんにく焼き \300
 生ビール(大) 2×\800
 

今日は息子の音楽教室。終わってからだんなからの頼まれものを買いにあっちをふらふら、こっちをふらふらし、ついでに久しぶりに大型書店にも立ち寄って新刊を眺め歩く。
「今から帰れるけどー」
とだんなから連絡があった時には、私は十数冊の本を抱えてレジに向かうところだった。

もう、ここ2週間ほど「焼肉食べたい、焼肉食べたい」という欲望がせり上がり盛り上がり大変な事になっていた私。今日がちょうど良いかも、と、一度行ってみたいと思っていた海浜幕張の「ジュン&BEER」というお店に行ってみることにした。もともとは焼肉食べ放題があるらしいということで知ったお店なのだけれど、ホテル経営の焼肉屋さんでなかなか悪くないらしい。今日は結局、食べ放題にするほどには食べないだろうということで、セットメニューにあれこれ追加して食べることにした。

「うううーん……中ジョッキ安くないなぁ……あ、でも大ジョッキは中ジョッキの100円増しだ、安いかも」
「じゃあ、大だな大」
「だよね、大だよね」
などと言いつつ、今日は大ジョッキを飲みつつ、「2〜3名様用」のファミリーセットを注文した。

牛タン、ロース、カルビが8切れほどずつと、けっこうな分量のあるキムチ盛り合わせ(白菜キムチ、カクテキ、オイキムチ)とナムル盛り合わせ(もやし、ほうれん草、ぜんまい、大根)がやってくる。あとはサンチュと野菜盛り。ライスとスープとライチシャーベットは人数分やってくる。キムチやナムルの存在が案外と嬉しくて、野菜もあれこれじゅうじゅう焼きながら肉も数皿追加した。何しろ息子が「このお肉おいしい」とか言いながらカルビをもりもり喰いよる。

揉みだれの味は均一な感じだったし、タンに添えるレモンは生のじゃなくて卓上の容器に入ったレモン汁だったりしたけれど、でも総じて美味しいお肉だった。中落ちカルビがとろけるようで良い感じ。秀逸だったのが「にんにく焼き」で、300円という値段からすると、せいぜい6〜7かけほどがやってくるのだろうとばかり思っていたのに、胡麻油が満たされた小容器と、それと別の小皿ににんにくが20片ばかりが小山になって出されたのだった。

「うわっ!すごっ!」
「すごいねぇ、壮観だねぇ」
「とりあえず、次々揚げて次々食べろ、と」

と、今日はなんだか最初から最後までにんにくをひたすら揚げては食べていたような気分。サンチュに御飯一口分ほど乗せて、揚げにんにく一粒乗せて、焼いた肉乗せてサンチュ味噌つけて巻いて食べるのが、たまらなく美味しかった。期せずしてカクテキやナムルもお腹いっぱい食べられたし、デザートのライチシャーベットも美味しかったしで、満足。でも、うっかりデジカメ(のメモリカード)を家に忘れてきてしまって、だんなの携帯借りて撮るしかなくて、しかも勝手がわからなくてピンぼけになるわ怪しい猟奇的写真になっちゃうわで、この一点だけ不満足……。

7月15日 土曜日
牛すじ入り焼きそば
ピザトースト
アイスカフェオレ

毎日毎日蒸し暑くて、今日もやっぱり蒸し暑い。
「あーつーいー……」
とのろのろ起き出して、でも厚切りパンが残っていたので満場一致の意見にてピザトーストにすることになった。今回も市販のピザソースではなくトマトピューレを使用。

こちらのトマトトマトした味に慣れてしまうと、逆にピザソースのやけに完成された化学調味料くさい味の方こそ懐かしく思えない存在になってくるような気がする。トマトは生のものを使う時以外には水煮缶を使うのが常なので、トマトピューレを買ったところで出番はさほど無いのではと思いつつ、「安いから」と買ってきたものだった。これが案外と美味しいし、案外と便利。じっくり時間をかけて焼いたピザトーストは、パンがサクサクの歯ごたえになっていて、前回以上に美味しかった。

稲毛 「粉もん屋」にて
 神戸長田セット \980
   ミモザサラダ・3/4サイズ豚玉・ハーフサイズぼっかけ焼そば・ミニ愛玉子
 生ビール(中) \480

明日から数日、宮崎旅行。プールにも海にも行く予定で、だから息子用の浮き輪やビーチボールを買いにお出かけした。あれこれ目当てのものを買いつつ、お昼御飯は初めてのお店、「粉もん屋」というお好み焼きと焼きそばのお店で。通りかかる度に気になっていたお店で、当初はその店構えから「……うどん屋さん?」と思っていた。よくよくメニューを見るとお好み焼きと焼きそばの品名が各種並んでいて、そばは手打ちなのであるらしい。各テーブルに鉄板はあるけれど、それは保温用であって、注文した品は厨房でできあがりの形まで仕上げられてからやってくる。

息子が食べたのが醤油味の豚焼きそば、だんなはぼっかけ(牛すじ煮込み)入りのオムそば(写真で奥に写っている物体がそれ)、私はあれこれセットになった「長田セット」。小さめの豚入りお好み焼きと、これまたミニサイズのぼっかけ入りソース焼きそば、ゆで卵を散らした胡麻ドレッシングのサラダに、片手の平におさまるくらいのミニグラスにはいった愛玉子がやってくる。結局、お好み焼きは家族皆でつつくことになり、私はソース焼きそばと息子の醤油焼きそばを多くいただくことになった。独特なお好み焼きで、私はとても好きな味。関東圏にはあまり進出していないチェーンのようだけれど、すっかり気に入ってしまった。

なんでも山芋と共にだし汁が大量に入っているらしいお好み焼きは、キャベツなどは入っていないようでペタペタとした柔らかい口当たり。まるでお餅のよう。オムレツのような、お餅のような優しい食感のお好み焼きには薄くソースが塗られていて、あとは卓上の鰹節を散らしたり青海苔散らしたり心赴くままマヨネーズなどもかけたりしつつ、コテで適当にざくざく切って口にした。私はもとより息子が気に入っちゃったようで、醤油焼きそばそっちのけで食べる食べる食べる。デザートの愛玉子も、器抱えて食べる食べる食べる。

焼きそばもまたちょっと独特なシコシコした太麺で、ケダモノ臭さ漂う牛すじ煮込みのしっかりした味と良く似合っていた。定番のソース味ももちろん美味しかったけれど、息子の醤油味のものもまたシンプルながら美味しい。

テーブルについてすぐ生ビールを注文し、その1杯目は早々に飲み干してしまってだんなも私もお代わり。暑い時に食べるアツアツのお好み焼きも良いものだねぇと思いつつ、午後は引き続きお買い物をした。

お祭りで
 かき氷・わたあめ・アメリカンドッグ・唐揚げ・生ビール

家で
 醤油味冷やし中華(蒸し鶏・錦糸卵・刻みきゅうり)
 ビール(サントリー ゴールデンハーモニー)

買い物から帰って、旅行の荷造りして、あれやこれやとバタバタしつつ夕方また家を出る。今日は神社のお祭りがあるそうなので、夜店をひやかしつつお参りしてくることに。

私が子供の頃は、たいていなんでも100円あれば遊べたし買えたし楽しめたけれど、今は300円が基本ライン。わたあめは500円800円も珍しくなく、お好み焼きやたこ焼き、ドネルサンドなども500円するのが普通。あんまりあれこれ買おうという気にならないねぇ……と歩きつつ、地元の商店がやっている「1個100円」のわたあめとか、酒屋さんの大サイズ生ビール500円なんかをちょこちょこ選んで買い食いしてきた。かき氷も地元のお店がやっていたお店でミニサイズながら1杯150円。数年前に買ってきたお守りを納札所に納め、二礼二拍手一礼でお参りもして、また参道歩いて夜店眺め歩いてから帰宅した。

夕方ずいぶんあれこれとつまんでしまったので、夕飯は軽めに冷やし中華。冷蔵庫に1枚だけ残っていた鶏肉を具にして、あとは卵ときゅうり。今日はさんざんビール飲んできたというのに、つい今日買ったばかりのゴールデンハーモニーなるイオングループ限定ビールなども一缶飲んでしまって、すっかり良い気分になってしまった。まだ荷造りも万全じゃないというのに、もー。日焼け止めはどこいったー。

7月16日 日曜日
初めての美味、鶏の炭火焼き(今日撮影できなかったんで、これは翌日のビヤガーデンで食べたもの)
当日の模様は旅行記でもご覧いただけます
おにぎり(焼きたらこ・ごはんですよ)
お茶

息子の夏休みも始まったということで、この連休に早々に家族旅行に行くことになった。目的地は宮崎。食べ歩きは今回大きな目的ではなくて、海水浴したりシーガイアに行ったりしつつ適当にのんびり楽しもうねという事になっている。でも、「チキン南蛮」ほか、「地鶏の炭火焼き」「レタス巻き」といった名物の情報だけはきっちり集めてみた。どのくらい食べられるかなー……。

朝、かなり早めの便ということで、朝御飯は家から持参したおにぎり。
「旅行前に冷蔵庫の中のたらこ、食べておかなきゃ」
数日前にそんな事話していたら、「じゃあおにぎりにして持っていけばいいじゃん」と、だんなが昨夜作ってくれたのだった。たらこおにぎりの他、息子の大好物の"ごはんですよおにぎり"も用意して、1人分ずつ2〜3個のおにぎりをパック詰め。空港に向かうバスの中でコンビニで買ったお茶傍らにもぐもぐ食べた。

宮崎 青島海水浴場にて
 焼きそば
 鶏の炭火焼き
 フランクフルト・フライドポテト
 梅じそおにぎり・昆布佃煮おにぎり
 霧島ビール(ゴールデン・アンバー・スタウト)
 かち割り氷割り霧島焼酎
 お茶
などなど、皆で

午前10時前に無事に宮崎到着。空港を出てほどなくやってきた路線バスに乗って、今日は青島海水浴場へ向かった。今日の宿は、青島にある古き良き温泉ホテルといった感じのところ。まだチェックインの時間ではなかったので、大浴場の更衣室で着替えだけさせてもらい、荷物を預けて徒歩数分のところにある海水浴場へ移動した。

宮崎に住んでいたことのある人の話によると
「海は綺麗だけど、何しろ混雑するから……東京あたりで言うところの、江ノ島みたいな?」
ということだった青島海水浴場。確かに江ノ島の雰囲気を少し思い起こさせる「青島」が長い橋の先にあり、そこを訪れる人あり、海水浴のお客さんもあり、という雰囲気。でも予想ほどには混雑していなかったし、砂浜も海もとても綺麗な海水浴場だった。食べ物飲み物の値段も、おおむね良心的だったし。

折しもこの連休中はこの海岸で「青島サマーフェスティバル2006」なるイベントが開催されているところだったようで、今日はビーチバレーボール大会あり、うなぎのつかみ取り大会あり、スイカ割り大会ありと、なかなか大変なことになっている。宿泊ホテルのすぐ近くにあた第二会場では今晩様々なステージショーや打ち上げ花火などもあるらしい。

「……じゃ、ビール買ってこようかね」
パラソル借りてゴザ敷いて、軽くひと遊びしたところで「もうすぐお昼だし」とだんなが地ビールを買ってきてくれた。霧島ビールのゴールデン、アンバーを1杯ずつ飲んで、「おかわりー」とスタウトも買いに行っただんな、手には小さな紙コップも共に持って帰ってきた。なんでも、そのビール販売ブースで、でっかい氷をガツガツ砕いたもので割った霧島焼酎を無料でふるまってくれていたらしい。そして更に、手には鶏の炭火焼きと、焼きそばと、フランクフルトなどなどなど。期せずして早々に砂浜で「鶏の炭火焼き」なる宮崎名物を口にすることになった。

炭火の上にでっかい網を置き、クマデのような形状のヘラで鶏肉を塩味炒めにしたものが、宮崎の「鶏の炭火焼き」なのであるらしい。肉のサイズは焼き鳥として串に刺しても違和感がないくらい。玉ねぎなどの具は一切なく、肉だけがこんがりと炒められて出てくるのだった。一見地味な料理なのに、これがもう、たいそう旨い。焼酎ロックと合わせていただくと、酒も肉もどちらも止まらなくなる。ビーチパラソルの下、「この幸せな組み合わせは、一体何なのだろう……」と思いながら焼酎飲んで炭火焼き肉つついて、昼からすっかり良い気分になってしまった。ちなみに、結局焼酎はだんなと2人で3杯飲みました。

午前中からたっぷり遊び、昼御飯の後もひたすら遊び、ヨレヨレになってホテルにチェックイン。
先週あたりに出ていた予報では、雨のマークもついていた今日の宮崎、雲がほとんどない快晴になって、しかも気温は34度。なんとも素敵な海水浴日和の一日だった。雲も適当に出てるしと、ろくに日焼け止めも塗らずに遊んだら、一同日焼けしてしまい、けっこう大変なことに。

ホテルの夕御飯
 鰻ときゅうりの酢の物
 茶碗蒸し
 刺身(鯛・ハマチ・イカ)
 マグロのカマと野菜の甘辛煮
 地鶏の鉄板焼き
 焼き鯖
 天ぷら盛り合わせ(海老・茄子・かぼちゃ・オクラ・ししとう)
 寄せ鍋
 御飯・吸い物・漬物
 スイカ
生ビール(中)

ホテルには大浴場があるにも関わらず、部屋にも小ぶりながらお風呂があった。しかも、その部屋風呂の蛇口をひねっても独特の硫黄臭さが漂ってくる温泉宿だ。ヌルリトロリとした触感のあるアルカリ性の温泉なのであるらしい。大浴場は広々としていて心地よく、露天風呂をはじめ「檜風呂」とか「五右衛門風呂」などの面白いお風呂が何種類もあるのに、肩も背中も、更には腿前面や脛まで日焼けでヒリヒリしてしまい、あまり温泉を満喫できない私。ホテルの人にまで
「あらー……焼けましたねぇ。それは痛いでしょう」
と言われてしまう始末だ。

夕飯は、ホテルのプランについてきたもの。指定の時間に食堂に行くと、天ぷらと茶碗蒸し、御飯と吸い物以外の全ての料理が既にテーブルに並べられていて、卓上にて固形燃料で熱して調理するものが2種類(鶏の鉄板焼きと寄せ鍋)。いかにもな内容の食卓に「こういうの……ひっさしぶりだねぇ……」と笑ってしまいながらあれこれ箸を伸ばしてきた。

……が、多い。多すぎる。もう大変に量が多い。2種類くらいで「昼の定食一人前のおかず」くらいの分量があるようなおかずばかりで、大変にお腹がいっぱいになってしまった。
結局、だんなはなんとか完食したものの、私は焼きものと揚げ物、鍋ものと御飯を食べきることはできずにリタイアしたのだった。

「地鶏の鉄板焼き」は、「地鶏の炭火焼き」を元にしたようなもので、熱した鉄板の上で一口大の肉をジャージャー焼きつけて食べるもの。味は塩胡椒とレモンだけで、他の具はやはり一切なし。肉に添えられたきゅうりとキャベツを適当に生のまま囓りつつ、肉を焼いてはビールと共に口に運んだ。歯ごたえのある地鶏、旨味があってとても美味しい。

息子には子供用ということで、お子さまランチがやってきた。海老フライ、大きなハンバーグ、唐揚げ、ナポリタンスパゲティ、サラダ、そして山盛りの御飯。更に「チョコまん」なる肉まんサイズのチョコレート色のお菓子と、オレンジが1/2個。海で遊びたくて遊びたくてうずうずしてしまい、昼御飯はろくに口にしなかった息子は、海遊びを終えて大変に空腹だったらしい。おかずも御飯も全て平らげ、
「……チョコまん、さすがに多くない?部屋に持って帰って後で食べたら?」
なんて言っていた私とだんなの目の前でチョコまんも平らげた。もちろん果物も。

夕飯の後はもう一度お風呂に行って、お風呂を出たところで部屋からも見えた打ち上げ花火。旅行初日から盛りだくさんだった。