食欲魔人日記 09年03月 第1週
3月1日 日曜日
最後の食事はジンギスカン!
札幌 宿の朝食
 サラダ、ハム、スクランブルエッグ
 ナゲット、コロッケ
 かつとじ煮
 パンプキンスープ
 御飯
 りんごジュース、牛乳

札幌旅行も今日が最終日。今日は8時半頃の電車に乗らなければいけないので、昨日よりも少しだけ早起きだ。
旅行時の常で、私が6時前に目覚めてしまってぽちぽち日記をつけているうちに7時にセットしたモーニングコールが鳴り、皆起きたので急ぎ朝御飯に。

昨日の朝食は少々食べすぎた感があったので、今日は軽めにあれこれ少しずつ。それでもおかずにナゲットがありコロッケがあり、しかも「かつとじ煮」まであったものだから
「これ御飯に乗せたらカツ丼だよねぇ……」
「朝からカツ丼だねぇ……」
と呟きつつ、結局家族全員朝からプチカツ丼を堪能してしまった。いかにもな安っぽい味なんだけど、その安っぽい感じがまた美味しいんだ……。

荷造りも無事に終了、ホテルをチェックアウトして札幌駅から週末に出ている臨時特急「旭山動物園号」に乗った。旭山動物園に向かうのだから、旭山動物園号に乗ればちょうど良いのじゃないかという単純な思いで予約したのだけれど、これがなかなかすごい電車。

まず外観からして動物園。色鮮やかに動物のイラストが描かれ、「○号車はライオン号」「○号車はオオカミ号」と各車両毎に名前がついている。私たちが乗ったのは「ペンギン号」。床も天井も壁もペンギンモチーフのペイントがされていて、座席カバーも動物柄。各車両の端には、座席にぬいぐるみをかぶせた特別シート「ハグハグチェア」なるものが用意されていた。ペンギン号にはもちろんペンギンのぬいぐるみシートが。

先頭車両はラウンジカーで、靴を脱いであがれるスペースとハグハグチェア、そして記念スタンプ台が用意されていた。面白がって、カメラ抱えて息子と2人車両の端まで探険して、1時間半ほどの電車の旅を満喫。乗車記念の絵はがきがプレゼントされたり、到着間際にはバス乗り換えの案内のペーパーが配られたりと、至れり尽くせりな電車での移動に息子のみならず大人たちもわくわくしてしまった。

旭川駅への到着後は、直通のバスに乗って30分で旭山動物園に。
到着と同時に「まもなくペンギンの散歩がはじまりまーす!」というアナウンスが。今すぐ見られるなら見ましょう!と早足で見学ポイントまで急ぎ、「ディズニーランドのパレード鑑賞ですか?」的なけっこうな混雑の中、なんとか場所をみつけて最前列で待っていた。遠くからよちよちとキングペンギン、ジェンツーペンギンがやってきて目の前を通り過ぎていく。すごいすごい、可愛い可愛い。

ペンギンたちがやってくる前に飼育員さんの説明があったのだけれど、これがなかなか面白かった。
「このイベントは、ペンギンたちの自主判断による、完全自由参加のアトラクションとなっております。気分が乗ったペンギンだけ、時間が来てドアを開けると自分で出てくるんです」
「歩くスピードもペンギンたちの判断によるものですから、日によって移動時間はまちまちです。昨日はここまで25分かかりましたから、今日は若干早いペースでのお散歩となっております」
「キングペンギンは、群を作る性質なんですね。先頭の1羽が止まると、ピタピタピタッと全員が止まってしまいます。ジェンツーペンギンの方はマイペースで、1羽でも勝手に歩いて行くんです」
といった風の事を話していた。

ペンギンたちは思った以上に近くを歩いていくものだから、たいそう楽しかった。ジェンツーペンギンは、クチバシが触れるようなところまで近寄ってきては興味深そうに人の手元などを眺めてはペタペタと去っていく。到着早々可愛いものを見てしまって興奮しつつ、でももう11時になろうというところ。混雑する前に食事できるところに行こうということになった。

旭山動物園内「MOGMOG TERRACE」にて
 モグモグプレート3品 \1200
 大雪地ビール 大雪ピルスナー \650

園内での食事は、東門近くにある「MOGMOG TERRACE」というセルフサービス式のレストランで。
好みのおかず3品〜5品を選び、ライスかパン、2種あるスープから1種、サラダがセットになって1200〜1800円。小学生以下の子供には、おかず2品のセットが格安価格700円で用意されている。美味しそうなケーキ類もあれこれあり、おかずも手がこんでいるものが多く、とても満足できるランチだった。御飯も美味しい動物園だなんて、幸せだ。なんでもこのお店、旭川ターミナルホテルが運営しているものなのだとか。

10種類ほどからあるおかずから選んだのは、知床鶏のスープカレー、とうもろこし入りハンバーグ和風ソース、帆立と海老のクリームパイ包み。息子も道産豚のフランクフルトとコロッケをもらって、好物なおかずに御満悦だった。だんなはスープカレーととうもろこし入りハンバーグ、ビーフシチューのパイ包みで。

ついついビールも貰ってしまい(旭山動物園ラベルの大雪山ビール)、「午後もいっぱい見て歩きましょー!」と乾杯しつつ心持ち急いで料理を平らげる。今の時期の動物園は閉園が3時半とけっこう早いのだそうで、さくさく見ないと閉園までに回りきれなくなりそうだ。

で、午後は精力的に動物園巡り。昔ながらの動物園の雰囲気とあまり変わらない風のエリアのサイやキリン、カバなどを見た後は、ニホンザルやクモザル、チンパンジー、そしてオオカミなどを見つつ1時過ぎからの「ペンギンのもぐもぐタイム」を見にペンギン館へ。ダイバーが水槽に潜り、ジェンツーペンギンが水中でオキアミを食べる様を見せてくれる。ただ、かなりの混雑になるので、行列につきつつ、水槽の前に立ち止まれるのは30秒ほどという展示。ホッキョクグマもアザラシなどの人気の「もぐもぐタイム」もそんな感じで(15分前から並んで見るような感じ)、あまりの混雑ぶりもあって、他はあまり熱心にイベント時間に合わせて見ることはしなかった。

ひょんな事で見られてしまったのが、ヒョウのもぐもぐタイム。
「あと10分くらいしたら、トラのところで何かやるらしいよー」
と言いつつ「もうじゅう館」を歩いていたら、ヒョウの檻の前に来たところで「これからここのヒョウ3匹について、皆様に少しお話しようと思います」とイベントが。私たちはちょうど、檻がせり出している場所の真下にいたところだった。せり出した檻の部分はお気に入りの場所なのだそうで、ユキヒョウが2匹並んで寝そべっている。ヒョウの肉球が見えるよーと見上げているところでそのイベントが始まり、「餌ね、餌だわ!」と動き出すヒョウたちの動きを檻の下からじっくり見ることができた。檻はほんの上空1メートルほどのところにあって、今にも手が届きそう。

いかにもヒョウらしいヒョウといった風のアムールヒョウに、高い山に住むという、もっさもっさした毛皮を持つユキヒョウ、よくよく見るとちゃんとヒョウ柄になっているクロヒョウを、これ以上なく近くでじっくり見ることができた。骨格がいかにも猫で、動作も猫。肉球の間からも毛がもっさもっさ生えているユキヒョウの足の裏を見られたのはとても面白かった。

精悍な顔つきのオオカミを見られたのも良かった。「犬だ」「犬だね」「大きな犬だ」と言いつつ見ていたけれど、愛玩動物としての犬猫と野生の動物の面構えは全く異なっていて、愛玩動物は目を可愛らしく大きく大きくするように改良され続けてきてるんだなぁ……と思ったり。

あの有名な、天井と床を垂直に突き抜ける透明チューブを泳ぐアザラシも見ることができたし、これはちらりとだけれど、見事な泳ぎを見せるホッキョクグマも見ることができた。この季節は猿たちなどは屋内施設にいたりもしたけれど、雪の中を楽しそうに活動する動物たちが見られて、この季節に来て良かったなという感じ。もちろん夏にもまた来たい。

最後は「こども牧場」でアオダイショウを撫でたりもしつつ、お土産は海洋堂のオリジナルガチャガチャを何個か。ペンギン出た!ホッキョクグマ出た!と、フィギュアやマグネットを何個か抱えて園を後にした。

旭川 「成吉思汗 大黒屋」にて
 梨 水菜 あさつきのサラダ \400
 生ラム成吉思汗 3×\600
 骨付生ラム \800
 岩塩ハーブラム \700
 ビール
 サイダー

3時半のバスに乗り、旭川駅前に戻ってきたのは午後4時過ぎ。
夕飯は駅近くのジンギスカン屋を予約しているので、予約の時間まで駅前をぷらぷら、デパ地下などを見ることにした。

生麺タイプの旭川ラーメンとか、持ち帰れそうなジンギスカン用のラム肉が見つかれば、との気持ちだったのだけれど、西武デパートに足を踏み入れたら、そこここに貼られたポスターに「花畑牧場販売会」の文字が。4時半からの販売があるそうで、「あと10分くらいだねー、きっとすごい行列だろうね」と地下に降りたら、行列は思いの外少なかった。20人くらい。

で、10分待ってかのキャラメルを買うことができるのならと、並んで買ってみた。
1つ850円のキャラメルはプレーンの他、チョコ、ホワイト、抹茶、いちごなどがあるらしい。よくわからないまま、プレーン数箱とホワイト、いちごを買ってみた。あとは1050円のカチョカヴァロと、980円の生キャラメルクリームと。

思いがけず買えてしまったキャラメル持って、目指したジンギスカン屋さんは「成吉思汗 大黒屋」。人気のお店で、タイミングによっては行列もするとか。半端な時間なら大丈夫だろうなと思いつつも、念のため夕方の営業の始まる5時に予約を入れてみた。そのタイミングではさすがにガラガラで、注文すれば数十秒で肉が出てくるようなスピーディーな対応で、ものの30分ですっかりお腹いっぱいに。

肉の種類は非常にいさぎよく、3種類。「生ラム」と「骨付生ラム」どちらもたれで揉まれてない生肉が皿に盛られてやってくる。そしてハーブと岩塩を揉みこんだ、たれなしでいただける「岩塩ハーブラム」、その3種類だ。その他のメニューも、キムチとサラダが数種類ずつ、あとは御飯とトマト素麺(?だったかな?)くらい。非常に潔いメニューの少なさで、でもジンギスカンを1口食べて、「あ、他のもの要らないんだ、ひたすら肉と野菜食べていれば幸せなんだ」と。
「こちら、焼いちゃって良いですかー?」
と、最初は店員さんが手早く野菜や肉を鍋に乗せていってくれた。

梨と水菜、あさつきのサラダも注文してみた。フルーツの甘さを感じるさっぱり味のサラダで、これも美味しい。ビール飲み飲み、炭火の上に乗ったジンギスカン鍋に次々肉を乗せては焼いて、焼いては食べた。おいしーい!

肉は良い感じに柔らかく、でもただ柔らかいだけではなく、深い旨味がある。「羊臭さ」ではなく「羊の風味」を程良く感じる。骨付きラムは「テクセル種」という羊肉らしい。ラムよりも匂いの強い、マトンに近い肉だということだけれど、これまた肉厚で柔らかなものが4本で800円。どれもこれも安くて美味しかった。

ちょっと変わった感じの、ハーブ塩で調味されたラムは、スライスされた厚めの肉と共に骨つきも1本皿に乗っていた。甘辛いジンギスカンだれと共に食べるラムは、いかにもジンギスカンな味でもちろん美味しいけれど、ハーブ塩はまた目先が変わり、これまたいくらでも口に運べてしまいそうな感覚。ちなみにジンギスカン用の野菜はサービスで食べ放題。玉ねぎメインでかぼちゃやにんにくの芽、長ねぎ、ピーマンなどが盛られていた。でも最初に持ってきてもらった分以上は頼めずに(何しろ肉に夢中……)、とにかくせっせと肉を食べた。羊ってこんなに美味しいんだなぁ、としみじみ。

結局、食事時間にと1時間半くらいはみていたのだけれど、頼むと次々出てくる肉をせっせと食べて、40分ほどで早々にお店を後にした。
まだバスの時間まであるしと、目をつけていた「ラルズマート」というスーパーで最後のお買い物。
・松尾ジンギスカン 特上ラム500g (735円)
・ソラチ 十勝豚丼のたれ (258円)
・ベル 丸鶏がらスープ (268円)
を買ってみた。

ベル食品と言えばジンギスカンのたれで、これは千葉のスーパーなどでもそれなりに容易に買うことができる。が、この旅行中にベル食品の鍋用のたれやスープカレーの素など色々な商品を見かけてその度にわくわくしていた。顆粒のラーメンスープも便利そうだなと思ったけれど、とりあえず何かと使える鶏ガラスープを試しに買ってみたのだった。あとは既に1本別のを買っているけれど、メーカー製の豚丼のたれを。豚丼は十勝帯広発祥なのだそう。こんな感じに、炒めてタレを絡めた豚肉の他には白髪葱だけがトッピングされているのがスタンダードな外見であるらしい。だんなのお弁当に重宝しそうな予感。

かくして、来た時の倍くらいの荷物の重さになったような感じの大荷物になり、空港行きのバスに乗って夜8時過ぎに発つ便で旭川空港から羽田空港に。
電車を乗り継いでの帰宅は、もう日付も変わりそうな時刻になっていた。

私は15年ぶりくらいだった冬の北海道。当初の予定よりは幾分のんびりな感じであちこち巡って食べてきたけれど、外食したもの全てが美味しかったし、目にしたもの全てが楽しかった。今度は是非夏に、富良野とか洞爺湖とか知床、小樽(今度こそ!)あちこち行ってみたいなーと思っている。密かに釧路のカツスパが気になっている。

今回の旅行は、たくさんの方に美味しい飲食店の情報やお土産の情報をいただきました。
北海道旅行は「次」もきっとあると思うので、行けなかったお店の情報は次回また参考にしようと思います。本当にありがとうございました!

3月2日 月曜日
買ってきたタレで、豚丼。
カチョカヴァロのせトースト
カフェオレ

北海道旅行の興奮さめやらぬ月曜日。

朝御飯はさっそく買ってきたチーズ、"カチョカヴァロ"をパンに乗せて食べよう!ということで、昨夜旭川のデパートで買ってきた食パン(確かDONQの)をオーブントースターに。花畑牧場のとアドナイのと2種類買ってきたカチョカヴァロは、アドナイの方のを適当にスライスしてフライパンで焼いた。火を通すと良い感じにとろ〜んと柔らかくなるこのチーズ、あの「ハイジが食べてるチーズ乗せパン」的な感じなものができる。フライ返しですくってトーストしたパンに乗せてかぶりついた。

チーズ臭さのあまりない、むしろ牛乳の風味を強く感じるタイプのセミハードタイプのチーズ。そのまま囓っても充分美味しいチーズだけれど、このチーズの美味しさは、やっぱり加熱した時の食感と味にあると思う。フライパンで焼くとこんがりと焼き目がついて、でもドロドロに広がったりせずに、実に良い具合の「チーズのステーキ」ができあがる。

びよーんと伸びるチーズを堪能して、今日から仕事に学校にと皆眠い目こすって出かけていった。
私も山のような洗濯物を片づけつつ、昨日は半端にしかできなかった家の掃除をきっちりやって、仕事して旅行中の写真整理して、可能なら旅行記を少しずつ書いて……と、そんな予定の一日。

きのこのバター醤油炒め
茹でスナップえんどうのおかか醤油
豆腐と油揚げの味噌汁
豚丼
麦茶

せっかく買ってきたあれこれがあるので、今日の夕御飯はさっそく「豚丼」を試してみることにした。冷蔵庫の中は空っぽなので買い物に行き、本当は生姜焼き用のようなある程度の厚さの豚肉を買い求める予定だったのだけれど、今日は切り落とし肉がやたらとお買い得価格になっていたので、つい切り落としの方を買ってきてしまった。だんなの弁当に使うには厚切りより切り落としの方が食べやすくて良いかもと思い直して、豚丼を実行してしまうことに。

ごくごく普通に、「焼き肉丼」を作る時のように、肉を炒めてからたれを絡め、御飯にもたれをまぶすようにしながら肉をトッピングすればできあがり……という感じらしい。今日使ってみたのは「居酒屋十一のたれ」なるもので、「焼き肉のたれ」が若干「牛丼のたれ」に寄ったような風の甘辛い味がした。いかにも御飯が進みそうな味で、いかにも「豚肉のためのたれ」という感じ。基本にのっとって、トッピングは白髪葱だけということにした。

味噌汁は好きな具の組み合わせにしようと、豆腐と油揚げに。野菜の皿も欲しいなと、スナップえんどうをさっと茹でておかか醤油を添えたのと、えのきとしめじをバターで軽く炒めて仕上げに醤油を回しかけ、青海苔をパラッと混ぜたきのこ炒め。

「焼き肉丼っぽい味がするね?」
「いやいや、豚丼ですよー、焼き肉丼じゃないよ、北海道で買ってきた、"豚丼"のためのたれ使ったんだよ」
「ふーん……」

わかってくれているのかそうでもないのか、「うん、美味しいねー」と、息子はすごい勢いで豚丼を堪能していた。美味しいらしい。
私もこういう味、とても好きだわ。薄切り肉だと味が強くつきがちだから、やっぱり生姜焼き用のある程度の厚さのあるお肉の方が似合うかもしれない。

3月3日 火曜日
「アイスクリームの天ぷら」の元祖のお店で。
イングリッシュマフィンのトーストサンド ハムエッグ&カチョカヴァロ
ミルクティー

昨日に続いて、今日も「北海道のお土産を満喫しましょう」をテーマにした朝御飯、カチョカヴァロをこんがり焼いてハムエッグと共にイングリッシュマフィンにサンドした。チーズだけというのも美味しいけれど、カチョカヴァロは味は割と淡泊なので、ハムやベーコンなど塩気のあるものと良く似合う。

今日のカチョカヴァロは「花畑牧場」のもの。
「花畑牧場で売るようになったことでカチョカヴァロというチーズの存在を知った」、という人が少なくないらしい。で、それが転じて「カチョカヴァロと言えば花畑牧場」という方向になってしまったりもしているようだけれど、カチョカヴァロ自体はかなり昔から、それこそ北海道内の複数のチーズ工房で作られて続けてきているもの。これまであまり知られていなかったカチョカヴァロが広く知られるようになったことは嬉しいなぁと思いつつも、でも「カチョカヴァロ=花畑牧場」みたいになってしまうのは、ちょっと複雑な気分だ。

ともあれ、花畑牧場のカチョカヴァロ。熱するととろんと柔らかくなり美しく伸びて、確かにちゃんとカチョカヴァロ。充分美味しいけれど、でもミルクの風味はアドナイの方が少々濃厚だったかな……という感じ。
厚切りにして焼いたカチョカヴァロをハムエッグと共に挟んだトーストサンド、しっかりと食べ応えがあって美味しかった。

新宿「つな八」にて
 上天麩羅膳

「火サスの先輩」と私が称している人がいる。

私の大学時代の先輩で、数年前からちょこちょことWeb制作の仕事を紹介してくれている。ちょっと前に某社の応接ブースで打ち合わせをしていた時に先輩の携帯に着信があって、その着メロが火曜サスペンスのオープニングだった。しかもたっぷり30秒ほど流してしまい、「チャチャチャッチャ!チラリラチラリラチラリラチラリラ♪」と緊迫した音楽をえんえんと周囲に流す展開に。それを聞いた全員が意味もなく緊迫した表情になってしまっていた。「殺人事件だわ!」みたいな。

「先輩……なんでまた、火サスですか」
「いやー、最近知り合った人たちの着信を火サスに設定したんだわー」
「いや、だからなんで火サスですか……」
以来先輩は「火サスの先輩」。その先輩と今日は打ち合わせ。

「時間ある?あったら打ち合わせついでに昼飯一緒に食べよう」
と誘われて、でもランチにしてはやや遅めの時間に新宿駅に呼び出された。「天ぷら屋さんに行こうと思うけど、いいかな?」と連れて行かれたのは、旧三越南館近くにあるつな八
「これから色々お願いするから、どーんと食べてね。で、どーんと仕事してね」
と不穏な事を言われながら(それこそ脳裏に火サスのオープニング曲を流してしまいながら)、ゴチになってきた。

いただいたのは、「上天麩羅膳」。お座敷のテーブルについて注文を終えると、ほどなく「本日はこちらを揚げさせていただきます」と桶に盛られた食材を見せられた。最初に海老が2本とイカと蓮根、菜の花の天ぷらがやってきた。卓上には天つゆと大根おろし、塩はしそ入りと抹茶塩とで3種類。御飯とあさりの味噌汁、お新香。

次の皿がキスと大アサリ、更に次の皿が穴子と小海老のかき揚げ。昼から大変に豪華な事になった。
「つな八」はデパートなどに入っているのを良く見かけるけれど、この本店で食べるのは初めて。大変に古めかしい建物で趣があった。水分が抜けすぎない程度に、カラリと揚がった天ぷらはどれも良い具合で、大きな穴子もサクサクの蓮根も、どれも美味しかった。面白かったのは「大アサリ」。強めに下味をつけた一口大のアサリの身が巨大なアサリの殻(中ぶりの帆立くらいある)に詰められ、貝殻ごと揚げられている。間に椎茸と生姜が挟まれていて、食感の妙と香りの良さが感じられる面白い天ぷらだった。

「甘いものは好き?好きだったらアイスクリームの天ぷら、この店が元祖だよ」
と教えてもらって、「デザートは別腹です!全然いけます!」と、アイスクリームの天ぷらもいただいてしまった。バニラアイスに薄くスポンジを巻いてごく軽く揚げてある、熱くて冷たいデザート。ベリーのソースが添えられて、「こちらのスプーンでソースをかけていただいて、お箸でお召し上がりください」と供された。アフォガット(バニラジェラートの上から熱いエスプレッソをかける)といい、麻布茶房のクリームスイートポテト(温かいスイートポテトの上にソフトクリームが乗っている)といい、なんで温かいのと冷たいのを合わせたデザートってこんなに美味しいんだろう。

すっかりゴチになりました。お仕事がんばります。

スナップえんどうの白和え
「崎陽軒」の焼売
デパ地下で買ってきたちらし寿司
豆腐と油揚げの味噌汁
麦茶

「LeTAO」の
 パフェ・ドゥ・フロマージュ
アッサムティー

打ち合わせを終えて、帰りは5時過ぎ。
今日はそういえば雛祭りで、家に帰ってから酢飯を用意してちらし寿司を作ってもなぁ……と、デパ地下に寄って何か買っていくことにした。

幸い、雛祭りだからということであちこちのお店で綺麗なちらし寿司を販売中。手頃な価格で美味しそうな内容だったちらし寿司2人前パックを買って帰ってきた。そういえば崎陽軒の焼売もスーパーで安売りされていて買ってきたところだったんだわ、と、それらで簡単に済ませることに。焼売を蒸している間に時間で、スナップえんどうをさっと茹でて、白胡麻、醤油、塩、味噌汁の残りで半端にあった豆腐を使って白和えを用意した。

「わ!今日はお寿司だ!」
「うん、今日は3月3日だしね。何の日でしょう?」
「耳の日!」
「そうだねー耳の日だねー……うん、いいやそれでいいや」

そうか私たちは耳の日のお祝いにちらし寿司食べてるのか、と微妙な表情になってしまいつつ、さやえんどうや海老や錦糸卵が綺麗に盛られたちらし寿司をもぐもぐ。

ほどなく
「あ、そうか。雛祭りだ。給食に雛あられ出てきたんだった」
と息子が正解にたどり着いてくれた。

デザートに、小樽のお菓子屋さん「LeTAO」のチーズケーキを。
クリームチーズとカマンベールチーズ、マスカルポーネチーズを使って、低温のスチームオーブンで蒸し焼きしたのだという真っ白なレアチーズケーキ風のチーズケーキ。値段もけっこう良かったのだけれど、冷凍でなんとか持ち帰りできそうな感じだったから試しにと小さな箱を買って帰ってきたもの。

酸味はほとんどなく、しっかりとした甘さの、とてもチーズチーズしたケーキだった。むしろ、チーズそのまま、みたいな濃厚さ。濃厚なのに口の中に残らず、溶けていくような軽い食感の面白いケーキだった。「美味しいけど……もっとね、こう……軽い酸っぱさがあるほうが、僕は好き」と息子は評してしたけれど、でも私は美味しいと思ったなぁ。北海道のデパ地下のケーキショップは、なにしろチーズケーキ系やプリン、シュークリームあたりがどこもとっても美味しそうで、生菓子はほとんど買えなかったのがすごく悔やまれる。毎日夕飯が豪勢だったから、おやつには手が出なかったのだな……。

3月4日 水曜日
生キャラメルいろいろ
「中村屋」のピロシキ
カフェオレ

昨日新宿をぷらぷら歩いていて、中村屋の前を通りかかった。私にとって「中村屋」は肉まん、そして次点でカレーパン。カレーも昔懐かしい味わいで美味しいと思うけれど、でも「中村屋」の文字を目にした時に真っ先に「カレー」を思い出すことはなくて、「あ、肉まん買って帰ろうかな」「あ、カレーパン食べたいかも」とか、そんな感じで足を止めてしまう。昨日も止めてしまった。

「明日の朝御飯、カレーパンかなー……でも最近、カレーパン率高いからなぁ」
とお店を覗いて、ピロシキも売っていたので「これだ!」と思った。カレーパンと同様、新宿のお店でこんがり揚げては売っているピロシキを1人1個買ってきた。

で、朝起きるなり寝ぼけながらコーヒーメーカーをセットして、「そういえばカレーパンじゃなくてピロシキ買ってきたんだった……」と思い至る。ピロシキだったら気分出してロシアンティーとかの方が良かったかなと思いつつ、いつも通りに牛乳少し多めのカフェオレにしてしまい、温めたピロシキを囓った。

外側はカリカリと心地よい食感、中はふわふわ。玉ねぎの甘さを感じる挽き肉フィリングがくるまれていて、とても優しい味。
カレーパンとピロシキは(というかパン類全般)、千葉界隈の中村屋のショップでは扱いがないので、「新宿の味」という印象がある。

北海道の生キャラメルいろいろ

北海道で買ってきたお菓子いろいろ。
「生キャラメルまだ食べないの?僕、生キャラメル食べたいなー」
と息子が言うので、学校から帰ってくる息子を待って、生キャラメルをずらりと並べてみた。

「左がノースプレインファームね、真ん中がサクラ・ドゥ・ノールね、んで右のが、並んで買った花畑牧場のね」
どうよ?と並べて息子と2人もぐもぐ食べる。

結論。花畑牧場の生キャラメルは、確かに美味しかった。
どれも美味しかったけれど、食感とか後味とか、一番好みな味だったのが花畑牧場の生キャラメルだった。花畑牧場の、大衆慣れしたマスコミ業界の匂いを感じる売り方はどうにも好きになれないけれど、やっぱり美味しいんだなぁ……。「別に、花畑牧場の生キャラメルなんてそんなに美味しいものじゃないよ〜」なんて言ってみたかったのだけれど、ごめんなさい美味しいです。何時間も並んでまで欲しいかというと、そこまでしなくてもいいかな、とは思うけれども。

ノース〜のものは、少々固めで普通の「キャラメル」に寄った食感。ちょっと独特な甘さがあるのはハチミツの存在感が強めだからかな。この甘さの感じも嫌いではなかったけれど、花畑の方が素直な味に思えた。
サクラ〜は、柔らかさは花畑と同じ感じ、でも口溶けはゆっくりめで、より長く口の中で転がして楽しめる。最後にスッと口の中で溶けていく感覚は他にはない心地よさだったけれど、乳脂肪のこってりした風味が私にはやや強いように感じられた。

あえて私感で順位をつけるなら、花畑>サクラ>ノースという印象だったけれど、でもどれも甲乙つけがたい美味しさ。
花畑に並ぶくらいなら(で、あそこにお金を落とすくらいなら)、他のお店のを買う方が心の平安も保たれるかなぁ、と思った。

生キャラメル全体、生クリームでありバターでありという風味だから、乳製品の脂っぽさを好きではない人にとっては「甘ったるくて脂っこいキャラメル。普通のキャラメルの方がずっと美味しい」と感じるだろうなとも思った。そんなに何粒も続けて食べられる味ではないし、喉が乾くことこの上ない。

お店の名前を伝えても「ふーん」という感じであれこれつまんでいた息子は
「これが美味しい!これはたくさん食べたい味!」
と一直線に花畑のを指さしていた。そっか、君もそれが一番か……。おのれ義剛め……(←要するに彼が嫌いなだけなのかしら、私)。

市川 「和多屋」にて
 モツ煮込み 2×\390
 お刺身3種盛り \980
 あんきもポン酢
 白子ポン酢
 おでん5種盛り合わせ \550
 おでん(こんにゃく、がんも、ちくわなど)
 串揚げ(盛り合わせ10種) \980
 串揚げ(肉5種)
 串揚げ(ウィンナー、うずら玉子)
 アスパラと帆立のグラタン
 鶏飯茶漬
 しらす御飯
 ビールとか日本酒とか梅酒とか
などなど。

今日は夕方遅くまでぼちぼち仕事をしていて、「さて、あと20分くらいしたら夕飯の支度をするかなー」と思ったタイミングで友人から電話が入った。「もし良かったら今日一緒に食事しないー?飲まない〜?」と。飲み!いいね!行きましょ!と、「どこで飲む〜?」と相談しながら急ぎ身支度して外出の準備。友人が見つけてくれた魚介料理と串揚げが充実した居酒屋に行ってきた。

「あんきもだ!白子だ!」
「由紀さん、北海道で色々食べて来たところじゃないの?」
「うん、いやでも、大丈夫。全然大丈夫。食べる、食べるよ」
メニュー見ながら大人たちはあんきもだ白子だモツ煮だと盛り上がり、子供も子供でおでんや串揚げメニューに釘付け。

息子は
「おでん、好きなのとっていい?がんもとこんにゃくとちくわ、あと、串揚げはウィンナー3本!」
「……3本?2本にしとけば?」
「3本!」
「……はいはい……」
という感じで、おでんと串揚げと、シメの鶏飯茶漬に御満悦だった。おでんが食べられる居酒屋って良いよね。大人たちも盛り合わせを頼んでつついたけれど、かなり幸せだった。

味噌味のモツ煮込み、大根と人参とこんにゃく入りでモツもたっぷり小椀によそわれ、それで400円しないくらい。全体的に値段はお安く、揚げたてサクサクの串揚げもどれも美味しいものだった。おもしろ半分に注文した「肉5種串揚げ」は、牛、豚、ささみ、猪とダチョウ肉の5串。「こっちイノシシね」「こっちがダチョウか〜」と、交換しながら味見してみた。野生の味がするイノシシに、淡泊で歯ごたえのあるダチョウも、どちらもちょっと面白い串揚げだった。卓上にはウスターソースと生キャベツ。

調子に乗ってビール飲んだ後に日本酒2合くらい平らげてしまって、すっかり良い気分になって帰宅。
出かける前に「お友達に誘われたから飲みに行ってきまーす」と報告しておいただんなに「今から帰るよー日本酒飲んだよー」などとメールしたら、息子の携帯宛に「大変だ!母ちゃんが酔ってる!がんばって連れて帰るように!」と着信が。……失敬な。ちゃんと歩いて帰れたよ。酔ってたけど。

3月5日 木曜日
ジンギスカンのような、そうでないような……
「アンデルセン」のチーズパン
カフェオレ

昨日パンを買いに行ったところ、何やら山積みになったチーズパンを売っていた。あまり耳慣れない名前のついた、甘いチーズスプレッドを中央にくるんだパンなのであるらしい。美味しそうだなーと私の朝御飯はそれにして、だんなの分にとウィンナーロール買ったり、あれこれ買って帰ってきた。今朝はコーヒー淹れて、そのチーズパンを1個。

そうサイズの大きなパンではなかったのだけれど、チーズが思ったより多めだったので、しっかりとした食べ応え。チーズ味のパンはハムやベーコンと合わせた塩辛い系も美味しいけれど、甘いタイプのもやっぱり美味しいんだなぁ。チーズ大好き。

味付ラムで肉野菜炒め
わかめときのこのスープ
羽釜御飯
麦茶

旭川のスーパーで見つけて買ってきた、松尾ジンギスカンの「味付特上ラム」。多めのタレに浸ったラム肉のパック詰めで、そのまま野菜などと炒めれば美味しくいただけるらしい。

ラム肉はもやしとニラとの組み合わせが大好きだけれど、ニラを入れると全体的にニラ味になってしまうので、今日はニラ抜きで炒めることにした。商品ページに記載されていたところによると、なんでも「ジンギスカンに合う野菜」のアンケート結果は「1位 もやし ・ 2位 玉ねぎ ・ 3位 キャベツ」という順位だったらしい。その基本にのっとってやってみましょうと、もやしと玉ねぎ、キャベツを用意した。あと、彩りが良いように人参とピーマンも。

つい調子に乗ってキャベツを多めに刻んでしまい。「ジンギスカン風炒め物」というよりはただの「肉野菜炒め」以外の何物でもないものができあがってしまった。肉が浸っていたたれも使いつつ、それだけでは薄味になってしまいそうだったので塩胡椒で味を調える。大変に具沢山な炒め物になったので、他のおかずは用意せずに、具沢山のわかめ入りきのこスープを鶏ガラスープベースで用意した。

「お!肉野菜炒めだ!ヒットポイントと攻撃力がアップする組み合わせだ!」
「……でも、この炒めものにはシモフリトマトもオニマツタケも入ってませんよ。肉はラムですよ、リュウノテールとかギガントミートとかじゃないですよ?」
息子の話に乗ってモンハンの話になってしまいつつ、ヒットポイントと攻撃力はアップしないだろうけど美味しい肉野菜炒めを平らげた。

味付けはやや甘め、たれに浸っている肉だから、中までしっかり味が染みていて、ジンギスカンとして焼き肉のように食べるよりはむしろ今回のように野菜と一緒に全部を炒め合わせた方が似合うかなという感じの肉だった。

手軽にこういうものが買えると便利で良いなあと思うけれど、最近我が家最寄りのスーパーや肉屋ではむしろラム肉の扱いがどんどん減っていっているような感覚がある。元々は米国産の牛肉が輸入できなくなった時に、「安い牛肉の代替品」のような扱いでラムが並ぶようになったという経緯があるから、米国産牛肉の問題が解消された今、ラムは要らないよねということなんだろうか。ラムチョップあたりはここ最近ほとんど見かけなくなってきた。牛の代替品とかじゃなく、ラムはラムですんごく美味しい肉なのになあ……。

「今度、新しいお友達家に連れてきてもいい?」
と息子。テニススクールで友達になった別の学校に通う子が、家で一人でモンハンやっているのだそうだ。集会所上位のラオシャンロンがなかなか倒せないのだそうで、「だから僕、手伝ってあげたい」と。いいよー連れてくればいいよー、私がいるタイミングだったらG級でも何でも一緒に行ったげるよーと返事しながら柔らかいラム肉をつついた。そう、よく考えたら息子のモンハン仲間は大人ばっかりなのよね(つまり、私とだんなのモンハン仲間ばっかりということなのね……)。

3月6日 金曜日
シチューにコーンとブロッコリーを入れたら、息子が大喜び
ハムエッグ&カチョカヴァロトースト
アイスカフェオレ

冷蔵庫には、カチョカヴァロがまだまだたくさん。
水分が抜けて美味しくなくなってしまう前に食べてしまいましょうと、今日もフライパンで焼いて、パンに乗せて食べることにした。半端に残っていたパンは、イングリッシュマフィンと食パンと。

「どっちが良いですかー?どっちかなんだけど」
「イングリッシュマフィンがいいでーす」
だんなのリクエストがイングリッシュマフィンだったので、私は食パンで。

大きなフライパンだけれど、ハムと卵とチーズを全て一度に焼くのは至難の技で、卵を焼きつつ横でまずハムを焼き、卵の白身が固まったところでそっと持ち上げてハムの上に卵を移動、空いた空間にチーズを乗せてほんのり焼き色がつくまでチーズも焼いて……という感じで作ってみた。パンにはごく薄くバター塗ってトーストし、焼けたあれこれをパンに積み上げていく。

とろりと焼けたチーズは、「アルプスの少女ハイジ」に出てくる、棒に刺してたき火で炙ってパンに乗せて食べる、あのチーズを思い出させる。
「ほぅら、焼けたよ〜」
と、こころなしか"おんじ"の表情になってしまいつつ、とろけて収拾つかない感じになりかけていたチーズをなんとかパンの上に盛りつけた。ハイジのあのチーズパンの描写は反則だってくらいに美味しそうだけれど、多分このカチョカヴァロ乗せトーストと同じような美味しさなんだろうなと思う。思うことにする。

ロビオーラチーズ・冷たいチーズフォンデュ with 薄切り食パン
ロメインレタスのサラダ
ブロッコリーとコーン入りのチキンクリームシチュー
羽釜御飯
麦茶

今日は一日雨降りで、気温はそれほど低くないはずなのに肌寒い一日。
当初、エスニック風にバジル炒めにしようと買ってきた鶏肉があるのだけれど、冷たく湿った空気の一日でそんな気分ではないなと、シチューにしてしまうことにした。

石油価格高騰云々の流れでカレーのルーやシチューのルーも軒並値上げされる、という報道があって、安売りしているときにちょこちょこ買いだめしていたのだけれど、「買いだめにするにもほどがある」というほどに在庫があることに気付いたのが1ヶ月ほど前。シチューのルーはこれから先1年(賞味期限無視していいなら2年くらいは)買う必要がありませんってくらいに我が家に溜まっていた。なんでこんなにクリームシチューのルーばっかり……。

なので、古いものから使って行きましょうと、鶏肉と玉ねぎと人参でスタンダードなクリームシチュー。なんとなくじゃがいもを入れたい気分ではなくて、代わりにコーンとブロッコリーを入れてみた。

ちぎったロメインレタスと玉ねぎ、キュウリを合わせたサラダも用意して、あとは北海道で買ってきたチーズをいくつか。かなり匂いの強い、どっしりとした味わいのロビオーラと、どんな味なんだろと気になって仕方がなくて買ってきた「冷たいチーズフォンデュ」を食卓に出した。ロビオーラは酪恵舎のもので、チーズフォンデュはひがしもこと乳酪館のもの。綺麗な薄紅色の表皮のついた、本格的な味わいのロビオーラがとても美味しかったし、「冷たいチーズフォンデュ」もまさに「冷たいチーズフォンデュ」そのものの面白い味。とろんと柔らかく、食パンを薄切りにして一口大にカットして出したところ、すごい勢いで私と息子2人して平らげてしまった。

チーズそのものとは思えない滑らかな口当たりで、味の方はしっかりチーズフォンデュだから面白いなぁと思ったら、材料にマヨネーズや牛乳が加えられているらしい。なるほどなぁ、面白いわ……これは夏に食べたいわ……。

コーンの存在でほのかに甘くなったシチューをお代わりしつつ、「あ、チーズ出したんだからワインか何か開ければよかった」と思った夕御飯。

3月7日 土曜日
これが「たちかま」。美味しかった〜
マルセイバターサンド
牛乳

私の起床は7時過ぎ、息子の起床も同じくらい。
「おはよう」「おはよう」
とひそひそと挨拶して、猫に餌をやって、居間でテレビゲームに興じること数時間。いつもの週末は9時、遅くとも10時過ぎには起きてくるだんなが、一向に起きる気配なくぐーぐーと寝ている。

昨日の帰宅もずいぶん遅かったみたい。食事は父ちゃんが起きるのを待ちましょうかと、小腹が空いたところでマルセイバターサンドを1人1個食べた。お供に牛乳。

北海道みやげはまだあれこれ冷蔵庫に入っていて、お菓子は少しずつ食べているものの、海鮮加工品が未開封。今日の夕飯はそれを食べるかなぁとぼんやり思いつつ、ほんのりとホワイトチョコの甘さを感じるレーズンサンドを堪能した。私はホワイトチョコはそれほど大好きというわけではないのだけれど、マルセイバターサンドは大好物なんだなぁ……"ホワイトチョコサンド"というほどでもない存在感の薄さが良いのかしら。

バタートースト
ブロッコリーとコーン入りのチキンクリームシチュー
カフェオレ

昨日作ったシチューはまだまだたっぷりあるので、夕飯にするよりはと遅めの朝御飯(もはや昼御飯)に食べることにした。だんなが起きてきたのは11時半になろうという頃で、昨夜の帰宅はなんと朝5時半だったらしい。「父ちゃん起きたー!」とバタバタと家事を始め、シチューの鍋を日にかけてバタートーストの用意をした。

しっかりめにバターを塗ったトーストとクリームシチューの組み合わせは素晴らしいものがある。要するに私は乳製品が大好きという結論になるのだけれど、パン美味しいなぁ、コーン入りのシチューもいいなぁと思いつつ、すっかり空腹だったこともあってシチューを軽くおかわり。

冷たいチーズフォンデュ、じゃがいもとスナップえんどう、パン
お刺身(マグロ・サーモン・アジのたたき・シメサバ)
たちかま・ほっけの燻製・干しほっき貝
豆腐と油揚げの味噌汁
羽釜御飯
ビール(ヱビス)

生キャラメルいろいろ
カフェオレ

このところ週末は遊び通しな感があったので(明日も遊びだ)、今日はひたすらのんびりと。旅行記をぼちぼちまとめたり、家族でモンハンやったりしていた。

夕飯は、「北海道土産をいろいろ食べましょう」というコンセプトで、「冷たいチーズフォンデュ」用の野菜を茹でたり、ほっけの燻製などを切って並べて「おつまみセット」を用意したり。「たちかまを食べましょう」という前提で似合うおかずを考えて、スーパーで特売していたお刺身をいくつか買ってきてみた。私の好きなシメサバと、だんなの好きなアジのたたき、息子も好物なマグロとサーモン。

刺身とチーズという組み合わせも妙だけれど、でも休みの日でなければなかなかこういうものをだんなに食べてもらうことができないこともあって、北海道土産をあれこれ並べてみた。
息子は相変わらず「冷たいチーズフォンデュ」に御執心。御飯を食べ、味噌汁を啜り、でもおかずはお刺身そっちのけで「フォンデュチーズつけたパン」という大変にわけのわからないことになっていた。

「君は何をおかずに御飯を食べてるのかな?」
と聞けば、真面目な顔で
「パンとチーズ」
と。
「なんでお刺身食べないで、パンとチーズばっかりなのよ」
と重ねて聞けば、即答で
「旨いから」
と。
うん、そうだよね、美味しいと思うものを食べたいよね……でもお刺身も食べてください……。

チーズももちろん美味しかったけれど、大人たちの執心はもっぱら珍味類。
北洋食産というお店のものはどれも美味しい。ちょっと変わった「ほっけの燻製」はほっけの味はそのままに燻製の香りが濃厚に染みて、旨味が凝縮した感じ。干しほっき貝は、鮮やかな紅色がそのまま残り、適度に塩気もつけられた酒の肴にぴったりなものだった。

一番変わっていて面白いなと思ったのは「たちかま」。たち(=鱈の白子)を使ったかまぼこで、岩内、利尻あたりの名物なのだとか。今回買ってきたものは魚の身は一切入れていない、「魚介の材料は鱈の白子だけ」というもので、普通のかまぼことは少し違ったねっちりもちもちとした口当たり。丸く成形して茹でられたそれがパック詰めになっていて、そのまま適当にスライスしてポン酢などで食べるもよし、味噌汁や鍋の具にするもよし、という感じらしい。説明書きによれば、バターソテー、塩炒めなどにしても美味しいのだとか。

「ああ……バター炒めはいいよねぇ」
「すごく美味しそうだよねぇ」
と話しつつ、今日のところはスライスしてポン酢で食べることにした。ぷにょんぷにょんしたかまぼこを、苦心しながら一口大にナイフを入れて、他の珍味と盛り合わせる。

今まであまり口にしたことがない食感と味で、かなり好きになってしまった「たちかま」。
通常、12〜2月頃に作られて売られる品なのだそうで、3月の今はもうそろそろ販売も終了になるらしい。冬の北海道に行ったことで出会えた新しい味に感謝しつつ、パックに残った残り半分ほどのたちかまは、お勧め通りバター炒めにしてみようかと。

3月8日 日曜日
すっかり好きになりました、スープカレー
マーガリン入りバターロール
ブロッコリーとコーン入りのチキンクリームシチュー(ラスト)
カフェオレ

鍋に残るのは、ちょうどあと3人分ほどのクリームシチュー。朝御飯に食べてしまいましょうとそれに合わせてスーパーで買ってきたのはマーガリン入りのバターロール。思った以上の分量のマーガリンが詰められたバターロールをちぎっては、シチューと一緒に平らげた。

今日はこれからお出かけ〜。

綱島 「ハンジロー」にて
 ハンジロー風 豚の角煮と野菜と半熟玉子のスープカレー

「いろりちゃんに会いにきてくださーい」
とお招きいただき、今日はいろりちゃん(旧名いーちゃん)の里親さんになってくれたお友達(兼モンハン仲間)の北条くんのお家に遊びに行った。

「ここのスープカレー、美味しいんですよ」
と教えてもらって、目的地の手前で途中下車して待ち合わせ、綱島駅から歩いて少しのところにあるスープカレー屋さん「ハンジロー」に寄り道。札幌で食べてきたものとはまたちょっと違った風味で、海老のだしを使っているというスープはとっても濃厚、スパイシー、こちらも素晴らしく美味しかった。人気のお店のようで、半端な時間に訪れたのに満席状態。ほどなく待って、各自違う種類のスープカレーを楽しんだ。

私が選んだのは、「数量限定」の文字に惹かれた(いつもそんなのばっかりね私……)「ハンジロー風 豚の角煮と野菜と半熟玉子のスープカレー」。
大きな大きな豚の角煮が2切ればかりどどんとスープに沈んでいて、揚げたかぼちゃや茄子、大きなじゃがいもや人参、蓮根などが添えられる。浮かぶ卵も見事に「半熟」で、鶏と野菜のカレーにしていただんなの方には固ゆで卵が浮いていた。

辛さも色々選べて、「小さいお子様も安心」の0番から、「体力気力に自信のある方どうぞ」の5番、それ以上まで。私は「しっかりとした辛さの中辛タイプ」にしてみたけれど、そのとおりに「しっかりとした辛さ」だった。ほんのりと口から火を吐くくらい、でも程良く旨味も甘味も感じられてバランスの良い味のカレーだった。うーん、スープカレーって美味しいかも。

この店のご主人は信州の出身なのだそうで、御飯の隅に野沢菜漬けが添えられていたのが面白かった。

ケーキいろいろ、お菓子いろいろ
宅配ピザとか、ポテトとか
お茶

美味しいスープカレーの後はまた電車に乗って移動して、北条くん家にお邪魔して、猫愛でたり狩りしたり、おおいに楽しみまくった。
さすがに、生後1ヶ月の猫を1ヶ月ちょい世話しただけなので、すっかり私たちのことは忘れている様子。「このお客さんはダレ?」とばかりに最初は脅えていたいろりちゃんも、最後はなんとか撫でさせてもらえるくらいにはなった。

かすみさんにもりゃんりゃんにも良く似た顔の、でも少しタレ目ないろりちゃん。保護した当時も愛らしい声だったけれど、今は輪をかけて素晴らしい美声の美猫になっていた。かすみさんの声も素晴らしいけれど、それに更に可憐さを加えた美少女の声という感じ。脅えて「ニャーン」と鳴いているのに、私とだんなは「かーわいいー」と身悶えしまくっていた。

噂だけは沢山見聞きしていた、先住猫「ぐれさん」も会えた。大変に臆病な猫と聞いていて、ひと目見られるくらいかなと思っていたけれど、グレーにグレーのしましまといった感じの、ロシアンブルーのような色合いの精悍なぐれさんは、案外普通に撫でさせてくれた。かっこいいなぁ、でっかいなぁ。

私たちの持参したロールケーキと、北条くん家で用意してくれていたケーキをつまみつつ、猫を愛でる以外の時間はひたすらモンハン。遅めの昼御飯と充実したおやつに夜になっても全然お腹が空かず、宅配ピザを頼んで軽く済ませた。バジルソースの茄子ベーコンが乗ったのと、クリームソースベースで魚介が乗ったのと。あとはきのこトッピングのサラダとフライドポテト。

お茶などいただきつつすっかり長居してしまって、ちょっと遅めの時間においとました。
うっかり帰り途中の階段で足を踏み外してしまい、ほんの数段落ちただけだったのに変な方向に足をひねってしまったらしく、左足首がじんじんと痛くなってきた。とりあえず電車に揺られて最寄り駅まで帰ってきて、でも「なんか、これはちょっとヤバイ気がする」と、息子には家で寝ていてもらって、私はだんなに付き添ってもらって外科の夜間外来に。

待っていたのは衝撃の事実だった(以下次号)……