食欲魔人日記 03年01月 第4週
1/20 (月)
Copper Kettle(Nashville)にて、Meat&3 (昼御飯)
Nashviile 「Copper Kettle」にて
 Meat&3
 (Pot Roast, Mac&Cheese, Eggplant Salad, Strawberry)
 Iced Tea

昨日の帰宅は午前1時前。そのまま風呂にも入らずに、家族揃って傷心のまま床についたのだった。
私が起きたのが9時。息子は10時。だんなは11時過ぎ。だんなの授業は午後からだから良いようなものの、月曜日からこんなダラけた事で良いのだろうか。

昨日の夕食が早めだったということもあり、だんなが起きてくる頃には切ないほどの空腹だった。着替えも終わって「さぁ飯だ」という頃にはますます空腹に。時間も、とっくにお昼御飯な時間帯だった。
「こんなに腹が空いた時には、Meat'n threeに限るよね」
と、数週間前に来てめちゃめちゃ気に入った店に行くことにした。その日のメインディッシュが2種類と、付け合わせの野菜料理が10種類以上。"Meat and 3"でも"Meat and 2"でも、好きなように組合せて食べることができる。今日のおかずは、ポットローストと南部風フライドチキン。
「えーと、ミートアンドスリーでね。ポットローストと、茄子のサラダと、苺と、マカロニチーズ」
とカウンターの向こうにいるお兄ちゃんに声をかけて皿に盛り合わせてもらう。いつもながら素晴らしいボリュームだ。最後に2種類のパンのうちから1個を乗せてくれるのだけど、そのパンを乗せる場所など残っていない。適当に茄子のサラダの上あたりにごろんとパンが置かれてしまうのであった。

"ポットロースト"とは、塊肉を蒸し焼きにした料理。牛肉を使うものもメジャーらしいけれど、この地方では豚肉を使うことが普通らしい。これは薄めのドミグラスソースで煮込んだような豚肉の塊肉に、仕上げにグレービーソースをじゃばじゃばかけたものだった。がばーっがばーっとよそわれたポットローストに、注文する直前にオーブンから出てきた焼きたてのマカロニ&チーズ。茄子とトマトを重ね、香草パン粉をかけてグリルした後キリリと冷やした茄子のサラダ(というかマリネ)。あとは美味しそうな苺。"おっかさんの家庭料理"的な素朴な味のここの料理は今日も大人気。目の前に学校があることもあり、昼休みに入った学生さんたちなどが続々とやってきていた。

だんな特製 豚肉のにんにく生姜焼き
ほうれん草とベーコンビッツの半熟卵サラダ
油揚げとワカメの味噌汁
羽釜御飯

夕方、すごーく眠くなってしまった。だんなが食堂のテーブルで勉強しているのを傍らに見ながら、こっちに来てから入手したレシピ類をぺけぺけと自作レシピデータベース(←私の宝もの)に入力していたのだけど、いつのまにか本を抱えたまま横になって寝てしまっていたらしい。
「毛布かけてあげましょー」
「しょー」
と大小の物体が毛布を抱えて近づいてくる気配が感じられた途端、小さい方の物体がかけたと思われる毛布が頭の上までずぽっとかぶさってきた。
「顔にはかけない、顔は」
「うん。かおには、かけない」
と大小はごにょごにょ話をした後、それぞれ勉強と遊びに戻った様子。いやぁ、何だかシアワセ。

シアワセシアワセ、と1時間ほどだけ寝るつもりだったのに、目覚めたら8時だった。うわぁ、夕飯はどうしましょう。
「薄切りにしておいた肉が残っているから〜……生姜焼き?」
「千切りキャベツを添えたいところだけど、キャベツが無いから……代わりにほうれん草のサラダでも添えるかねぇ」
「すると、やっぱり味噌汁もつけたいところだ」
と、慌ただしくだんなと2人で御飯の準備。米が炊ける間に味噌汁とサラダと肉炒めの支度も出来て、ちょっと遅めの夕御飯は簡単にやった割にはちゃんとしたものになった。

ほうれん草のサラダは、ベビーれん草を皿に盛り、ベーコンビッツを散らし、数分茹でた黄身とろとろのゆで卵を割り落とす。さてドレッシングはどうしよう……と思案して、結局適当に自作することに。醤油に胡麻油を垂らし、砂糖を少量放り込み、白ワインビネガーとバルサミコ酢で酸味をつける。ちと味が濃かったかもしれないけど、まぁまぁ期待通りの味になった。
だんなが炒めてくれた肉は、醤油と味醂、山盛りのおろし生姜と超山盛りのおろしにんにくの味付けで。じっくり炒めた豚バラの薄切り肉は脂がチリチリと縮んでこんがりと。仕上げにドバーッと投入した合わせ調味料はかなり煮詰まり、"肉1切れで御飯3口はいけちゃいます"というほどのこってり濃厚な味になっていた。これがまた……旨い。

「濃いよ、濃いけど……旨いね」
「でしょー、けっこう上手くできたでしょー」
「そうそう、私にはこんな下品な味つけはそうそうできない」
ニヤニヤしながら皮肉まじりの事を言うと、だんなは素直に褒め言葉として受け取ったようだった(だんな、素直すぎー)。
「そりゃそうだよ、こういう炒め物に"上品"を求めちゃいけない」
だそうである。
その炒め物は、学生街の定食屋なんかで出されるような、全然アメリカではない味がした。御飯が進んで、ヤバイ。

1/21 (火)
スコーンを焼いてみました (昼御飯)
チーズトースト
カフェオレ

今朝はシンプルなシンプルな朝御飯。数日前から冷蔵庫の上に置かれっぱなしだったディナーロールを横に等分し、片方にチーズを乗せてオーブンへ。だんなはハム入りチーズサンドで、私はハムなしチーズサンド。熱いコーヒーをいれ、牛乳をだばだばだ〜と入れて好みな配合のカフェオレにしてぐびぐび飲んだ。コーヒー対牛乳が、1対1くらいの配合のカフェオレが好きなんだなぁ……。

自家製スコーン with クロテッドクリーム・杏ジャム
紅茶

今日はどうも身体がだるい。だるいんだけど、今日のお昼はスコーンを焼こうと決めていた。
日本でもあまり見かけることがなかった(知る限りではナカザワ社のものの他には、冷凍輸入しているイギリス産のものが少々あるだけだったような)クロテッドクリームだけど、アメリカに来たらさぞ色々な種類があるんだろうな、と渡米前は勝手に思っていたのだった。

でも、アメリカのスーパーでもクロテッドクリームはなかなか見つからない。オーガニック系の「Wild Oats」、それと「Harris Teeter」でこのクリームが売られていることはわかったけれど、その他のクロテッドクリームは全然見つからないのだ。しかも、そのホームページにはデボンクリーム・クロテッドクリーム・モアデリシャスなんちゃら、なんて種類があるのに、見かけるのはデボンクリームだけだったりする。アメリカ人もクロテッドクリームにはあまり馴染みがないのだろうか(確かに、乳脂肪分60%以上なんていうクリームは、アメリカ人からは嫌われそうな感じがしないでもない)。

ましてやアメリカの田舎町には、"たっぷりの紅茶を傍らに、スコーンにジャム、クロテッドクリームでアフタヌーンティ〜"なんて文化は存在しない。そもそも紅茶の茶葉が売られていない。紅茶専門店もない。Williams-Sonomaなどの洒落た店で高い缶入り茶葉を買う以外で入手可能なのは、甘い液体アイスティーとティーバッグだけなのだった。ティーバッグでアフタヌーンティーというのも、何だかちょっとトホホだ。
ちなみにアメリカでは、紅茶の消費の8割以上はアイスティーとしてのものだという話も聞いたことがある。ますますアフタヌーンティーとは違う方向に行っているような気がする。

そういうわけで紅茶を傍らに&スコーンにクリームをこてこてつけて、という事は自宅でやらなきゃ実現しようがないのであった。
クロテッドクリームに飢えていた私は1週間ほど前にクリームを購入。いざいざと、薄力粉とベーキングパウダーと塩と砂糖を合わせ、その中にバターを練り込んでいって牛乳を加え、のしてコップで丸く抜いて12〜3個のスコーンを作った。200度弱のオーブンで10分ちょっと焼けば、それなりにスコーンっぽい外見の物体ができあがった。さして甘くもなくポソポソするそれ、焼きたてのところを息子と2人、お昼御飯代わりにもきゅもきゅ食べる。

焼きあがったスコーンを横にぱかんと割り、クリームをどっさりつけてから(バターと似たようなカロリーがあることはひとまず考えない)、ジャムをつける。ブルーベリージャムもストロベリージャムも悪くないけど、私はアプリコットジャムをつけるのが大好き。スコーンにクリームとジャムを積み上げるようにして、こんもり高さが出たそれにかぶりつく。お供には日本から持ってきたアッサムティー。最初はストレートで飲み、ポットの中で濃くなってしまってからはミルクティーにしてがばがば飲む。

しかし、おやつみたいな内容の昼御飯というのはいかがなものか……と思いつつ、息子に
「スコーンとベニエ、どっちが好き?」
と聞いてみた。
「んとねー、僕はねー、べにえが好きと思うなー」
と即答された。そっか、ベニエが好きか……(おかーさんも実はベニエの方が好きかもしんない……)。

ドミノピザの
 ソーセージピザ
 マッシュルームピザ
 オリーブピザ
San Pellegrino Limonata

朝からだるくてだるくてだらんだらんしていたのだけど、昼にスコーンを焼いたら力尽きた。
「だる〜い、うごけな〜い……」
と午後はずっとごろりごろりと部屋を転がっていた。今日の夜にあった毎月第三火曜日の夜に開かれているパーティー「3rd Tuesday」にも私は欠席。だんなと息子の2人に行ってもらった。

夕飯……冷凍御飯をチンしてー、バター醤油御飯で食べてー、秘蔵の"サンマかば焼き缶詰"でも開けちゃおうかなー……
と、後にだんなに言われたところによると「そんな、一人暮らしの男子学生の食事じゃないんだから……」というような献立を頭の中で考えつつも、やる気がないまま数時間経過。本当は7時半までパーティーだったはずなのに、7時過ぎにだんなと息子が帰ってきた。手には、そのパーティーで出されていたらしい、ドミノピザの箱を持っている。
「ちょっと冷めちゃったけど、お腹すいてるでしょ?食べる?」
と、1切れずつ、ソーセージピザとマッシュルームピザとオリーブピザ。やる気なしなしだったので、ありがたくいただいた。オーブンでさっと温めてから囓ると、けっこういける。味は日本のものとほとんど変わりない。すっごく巨大、ということを除いては。

1/22 (水)
Shintomi(Nashville)にて、日替わり特製ランチ弁当 (昼御飯)
自家製スコーン
クロテッドクリーム&杏ジャム
ダージリンティー

今日の朝御飯は自家製スコーン。昨日のうちに十数個できた小ぶりのスコーンは、まだ8個ばかりが残っている。テーブルに瓶入りクロテッドクリームとジャムを出し、紅茶の準備をしている間にオーブンでスコーンを軽く温める。2つにバカンと横に割って、クリームとジャムをこてこてつけて食べた。
「クリームだけだとねぇ、甘くないんだよねぇ」
「そうそう」
「ジャムだけだと、今度はぽそぽそして油っけがない、と」
「そうそう」
「……ていうか、君はクロテッドクリームが舐めたくてスコーン焼いたんだからクリームつけなきゃ意味ないわなぁ」
「そうそう……って、なんでだんなはさっきから分析しながら喰ってますか?」
とぽそぽその食感のスコーン食べながらぽそぽそ会話する。確かにクロテッドクリームの味が恋しくてスコーンを焼いたわけだけど、"クリームが舐めたくてスコーンを焼いた"という表現はいかがなものか。いや、確かに本当にその通りなんだけど。

Nashville 「Shintomi」にて
 日替わり特製ランチ弁当 $6.75

今日の午後は「WAL☆MART」にお買い物。トイレットペーパー残り3ロール、牛乳残り1/3パック、野菜も残り少なく、息子のジーンズには膝にでっかい穴。色々と物資が欠乏しているのだった。
「息子のジーンズ買ってあげなきゃ……」
「トイレットペーパーは、きっとあと数日のうちに大ピンチな状況になってしまう……」
と、おでかけ決定。昼御飯は
OUTBACKのランチメニューを喰いに行ってみよう!」
と出かけてみたのだけど、我が家最寄りのこの店は、昼の営業は土日のみなのだった。店の前で途方に暮れる私たち。しかも今日はやたらと寒い。

傷心のまま、じゃあ日本食屋でいいや〜……と、何度目かの「Shintomi」に行くことにした。夜に行くと妙に高くつくお店だけど、昼の定食はお得だ。日替わり特製弁当は6.75ドル。他にも5ドル程度の定食もある。味は悪くないので、この店には昼に行くのがお値打ちだ。
初めて頼んでみた日替わり弁当は、なかなか豪華な内容だった。天ぷらは海老と人参と南瓜とズッキーニ。鶏の照り焼き。蟹肉の入った酢の物と、コーン入りのクリームコロッケと、バターで炒めたナポリタンスパゲッティと手羽の甘辛揚げ。デザートのオレンジの横には枝豆まで4つばかり転がっていた。御飯と味噌汁、サラダがついてくる。

コロッケはほんのり出来合いものっぽい(冷凍ものっぽい)味がしたけれど、どれもこれも懐かしく思える味ばかりで密かに癒されてしまったり。味噌汁の中にワカメと豆腐が入っているのだって、このあたりの日本食屋の中では上等な部類なのだ(何しろ他の店は、味噌汁の具はマッシュルームと決まっている←なんでマッシュルームなんだろうね、ホントに)。

チャーシュー麺
ビール(San Miguel)

がっちょり買い物しまくって、ビニール袋を大量に車に積み込み、帰宅。
ボリュームのある昼御飯だったので、夕飯は軽めにラーメン。だんなが作ってくれた煮豚を元に、取っておいた下茹で時のスープや青梗菜を動員して作成。麺はWAL☆MARTで買ってきたちょっと怪しい生麺。

どんぶりに、調味用の顆粒鶏ガラスープを少々。そこに豚の煮汁の醤油だれを入れ、スープでのばす。茹でた麺を入れたら、茹でた青梗菜を添え、スライスした煮豚をたっぷりと。煮汁に漬け込んでおいた茹で卵を縦半分に割って浮かべ、最後に刻み葱をこれでもかとたっぷりと。鼻に汗浮かべながらはふはふと食べる。しんしんと冷え込むような日にはこういうあったかい料理が嬉しいわよね。

夕食後、それにしてもやけに冷え込むなと思って玄関から外を見てみると、雪がどかどか降ってきている。今日明日は雪が降るかもと数日前から予報は出ていたけれど……これはまた、ちょっと積もりそうだ(ちょっとわくわく)。
天気予報サイトに繋いでみると、今の気温は19度F。ということは、-7度C。明日の夜の予報は「Bitterly Cold」(←ものごっつぅ寒い、という意味のようだ)と出ていて、そこに表示されている予想最低気温は-4度F。ということは、-20度C。ていうか、明日の最高気温がそもそも15度F(-10度C)。
最高気温がマイナス10度って一体どんな世界なんだろう。バナナで釘は打てるだろうか(打てないって……)。

南部ですらこの気温なのだから、ニューヨークやシカゴはめちゃめちゃ寒いんだろうな。ぶるぶる。

1/23 (木)
薄切り牛肉のすきやき風煮 (夕御飯)
自家製スコーン
クロテッドクリーム&杏ジャム
コンデンスミルク入りコーヒー

昨夜から強烈な寒波がやってきている今日のテネシー。
最高気温マイナス10度C、最低気温マイナス20度Cという予報は正しかったようで、晴天なのにめちゃめちゃ寒い。玄関を一歩出ると、スキー場の(しかもここは山の頂上ですか?くらいの)気分が味わえる。

大変なことになったなぁと思いながらの朝御飯。自家製スコーンが2個だけ残っていたので私はそれを。だんなはハムチーズサンドを。息子は干し葡萄入りのコーンフレークを。コーヒーはカフェオレにしたいところだったけど、昨日のスーパーで脂肪無調整ものが売り切れだったため冷蔵庫内の残り少ない牛乳は極力息子用に残してあげることにし、牛乳代わりにコンデンスミルクを入れて飲んじゃう。ベトナムコーヒーの気分が味わえて良い。すごく良い。毎回コンデンスミルク入りにしたいところだけど、それは何だかいかにも太りそうなので、コンデンスミルクはなるべく封印しなければならない。(コンデンスミルクをお湯で割って飲むのも美味しいんだなぁ)

海苔バタートースト
オレンジジュース

先週の大雪のときは1時間ほども外に出ずっぱりで遊んでいた我が息子。今日も元気に
「お外いって、雪であそんできてもいーい?」
と聞いてきて、玄関のすぐ前で遊び始めたのだけど、2〜3分で鼻垂らして戻ってきた。
「さむくてね、もうダメだなぁ〜って思ったの」
と赤い顔をしている。30分後くらいにまた気力が沸いたのか出ていって、また2分ほどで戻ってきた。もう全然ダメらしい。話によると、今日のテネシーはアンカレッジより寒いのだとか。アラスカより寒いということは北極並だということだろうか。

部屋の中はあったかいけど、なんとなくやる気がなくて昼御飯はトーストに。食パンにバター塗ってオーブンに放り込み、焼き上がり間際に海苔を1枚上からかぶせ、更に数十秒オーブンへ。海苔乗せたバタートーストってものは、妙に美味しい。

薄切り牛肉のすきやき風煮
茹でアスパラガス 半熟卵添え
ほうれん草の味噌汁
羽釜御飯

昨日のWAL☆MARTの肉売り場では、非常に珍しいことに牛の薄切り肉が売られていた。中華炒めなどをするのに丁度良さそうな厚さのそれは、多分メキシコ料理あたりに使うためのものだと思う。すき焼きにするにはかなり厚めなその肉を眺めていて、でもムラムラと「すき焼きっぽい味のものが喰いたてぇ〜」という衝動が沸き起こってしまった。買った当初は「うん、メキシカンな感じに炒めてトルティーヤに巻いて食べよう」という予定だったにも関わらず、いつのまにか砂糖と醤油と酒で炒め煮に。予定していなかった献立なので、白滝や春菊などはない。せめてもと、豆腐と干し椎茸を入れてみた。

野菜分が足りないので、サラダ用に買っておいたほうれん草を味噌汁に。更にアスパラガスを茹でて、イタリアチックに食べることにした。
茹でたアスパラガスを皿に盛り、3分ほど火を通した超半熟ゆで卵を(本当は温泉卵にする方が格好良いと思いつつ)割り落とし、おろしたパルメザンチーズをたっぷりふったら塩ふって、黒胡椒をガーリガリかける。
何だかアンバランスな感じがしないでもない献立だけど、御飯をたっぷり炊いて味噌汁作って、家族3人で夕御飯。

牛肉のパックはけっこう巨大だった。1.3ポンドほどもあるそれを、さすがに多いだろうと思いつつ全部煮付ける。今ひとつ味が染みなかった豆腐と、しっかり煮含まれた干し椎茸と、「きっと残るだろうから、それは明日の朝御飯……」と思っていたのにすっかり綺麗になくなっちゃったのだった。
最近の息子は、侮れないほどよく食べる。

1/24 (金)
白菜と豚ひき肉の重ね蒸し (夕御飯)
フローズンストロベリー入りコーンフレーク

今日はちょっと早起き。昼間仕事をしている私の母に電話をしたかったのだけど、日本との時差を考えると、向こうの夜10時に電話をかけたい場合には朝7時に起きなければならないのだ。夜8時頃の電話が一番適度な時間帯かもしれないけれど、それでは5時に起きなければならない。なかなかめんどくさいのだった。

母が丁度寝ようとしていた頃合いに、こちらは起き抜けで電話。
「……あー?はい、もしもし」
……一度布団に入ったような声が聞こえてきた。
「あ、わたしわたし。おはよーございます」
……布団への渇望感をにじませながら話し始める私。お互い眠くてたまらない、という感じでぽつぽつ話をした。

朝御飯は、家族皆でコーンフレーク。息子はアメリカの種類豊富なシリアル類にすっかり魅了されてしまっているようで、スーパーに行くと
「あー、イチゴのカリカリがあるよー」
「ぶどうのカリカリも、好きだなぁ」
「あ"〜!チョコのカリカリだぁ……」
とシリアルコーナーに興味津々なのだった。現在我が家には3種類のシリアルがある。もう少しでなくなりそうなナッツ入りのハニーコーティングコーンフレークと、フローズンストロベリー入り、干し葡萄入り。久しぶりにフローズンストロベリー入りのコーンフレークを食べた。

カスカスに水分が抜かれた苺がピンク色がかったシリアルにたっぷり混ぜられている。牛乳を注げば苺が柔らかく水分を吸い始めて、そのぷよぷよした食感の甘酸っぱい苺がなかなか好みなのだった。

豪華バター醤油御飯
牛乳

今日も寒い。めちゃめちゃ寒い。最低気温は5度(←華氏だから……摂氏にするとマイナス15度C)。勘弁してよー、と嘆きたくなるほどのここ数日の気温だ。積もった雪は全然溶けない。どこがアメリカ南部なんだ、という、ちょっと異常なこの寒さだった。一昨日の夜は「ここ7年のうちでの最低気温」の記録を出したのだそうだ。
雪の上を走る車の摩擦熱で道路の雪は一度は溶けるのだけれど、まだすぐに凍りつく。ランドリーまで行く道路は見事にスケート場のようにツルツルの氷と化していて、息子と二人つるつる滑りながら洗濯に行った。
「調子に乗って歩いてるとコケちゃうぞー」
と息子に注意を促した直後、我が家の棟にたどりつく手前で息子がコケた。尻餅だけなら良かったけれど、そのまま後頭部をゴゲンとぶつけてしまった。言ったそばから……。

昼には今ひとつお腹が空かなかったので、簡単にバター醤油御飯。ついこの間、「"バター醤油御飯"?なにそれ?」と聞いてきたIさんに
「え?だからね、バターと醤油を御飯にかけるの。バター、塊のまま熱い御飯の上に乗せて、溶かしながら絡めて醤油かけて喰うの」
と伝えたら、ものすごくイヤな顔をされたことがある。いや、美味しいんだよ……。すごく美味しいんだって。
それを思い出したら無性に食べたくなったので、久しぶりのバター醤油御飯。バターはMさんからもらった、ファーマーズマーケットでたまに売られるという農家の人が自分の家で少しだけ作って売っているという黄色くこってりしたバターを使う。温かい御飯の上にころりとバターの塊を乗せて埋め、溶かしつつ醤油をチャーッと軽く垂らして食べる。バターの油っこさとか乳臭さが御飯とも醤油とも似合っちゃってなんともシアワセな味になる。
ちょっと、いや、かなり手抜きな昼飯だなぁ。息子、ごめん。

白菜と豚ひき肉の重ね蒸し
だんな特製 煮豚炒飯
ほうれん草の味噌汁(昨夜の残り)
ビール(MICHELOB)

1週間ほど前に煮込んだ煮豚がわずかに残っている。もう煮詰まっちゃって煮詰まっちゃって、肉だかタレの塊だかわからなくなっちゃってるような怪しい物体になっている。
「こういうねー、テラテラになった煮豚で炒飯作ると旨いんだよねぇ〜」
と、一昨日あたりから私もだんなも鍋を見てニヤニヤしていた。そういうわけで、今日は煮豚入り炒飯。

残りものの豚肉も冷蔵庫から発掘したので、同じく残りものの白菜と一緒におかずを一品作ることに。ソテー用の厚めの豚肉はフードプロセッサーでひき肉にしてしまい、醤油や酒、おろし生姜やおろしにんにく、刻み葱なんかを混ぜ込んで餃子のタネみたいなものにしておく。鍋に白菜を敷き、このひき肉をなすりつけ、また白菜を敷き、ひき肉をなすりつけ、と4層くらいの層を作ったら少量の鶏ガラスープを注いで火にかける。中火で10分ほどぐつぐつ煮込んだら、できあがり。煮込んでいる間にだんなが卵たっぷり使って煮豚入り炒飯を作ってくれた。白菜の蒸しものはともかく、こってり味の炒飯が妙にビールの友になっちゃうのがなんだか笑える。

煮豚の鍋には、まだ200ccちょっとの煮汁が残っている。炒飯やチャーシュー麺の味つけにも使われる、醤油と酒が肉の脂を溶かしながら煮詰まったようなトロントロンの黒いタレだ。捨てるにはあまりにもったないので、瓶に詰めて冷蔵庫に。そして次に煮豚を作る時にまた登場してもらうのだ(なんか鰻のタレか何かみたいな扱いになってきたなぁ)。

1/25 (土)
塩胡椒焼きリブ (夕御飯)
磯辺焼き
あんころ餅
抹茶入り玄米茶

ここ数日、妙に牛乳の消費が早い。だんなも私も飲んでいるけど、息子が「そろそろ水にしとけば?」と言いたくなるほど何杯も飲んでいる。これは大変と、近隣では唯一「脂肪無調整牛乳」がガロンボトルで買える「Wild Oats」に買い物に行こうということになった。

朝御飯は、簡単にお餅。だんなは磯辺焼き2枚、息子はあんころ餅1枚、私は磯辺焼き1枚とあんころ餅1枚。正月に作った煮小豆は冷蔵保存していたのだけど、まだカビが生えたりはしていなかった。よしよし、と残り少ないそれを息子と分け合って食べる。醤油をたっぷり浸した塩辛い磯辺焼きとあんこ餅の味の変化が心地よくて、うまー。

たらこスパゲッティ
Outrageous Ginger Ale

朝食後、午前中のうちに買い物に行った。今日の夜から明日のうちにかけて雪の予報が出ているためなのか、「Wild Oats」はすごい人だ。
美味しそうな香菜を見て「中華粥を作ろう!」とカートに入れ、さやえんどうも見かけたのでこれもカートに入れた。野菜売り場から乳製品コーナーに行き、牛乳を2ガロン(←8リットル)と豆腐を1パック。そこで美味しそうなモッツァレラチーズを発見してしまい、
「美味しそうだなぁ……」
「ピザ?」
「ピザ!」
とそれもカートへ。「ピザ作るんだったら、ルッコラも必要じゃないねぇ」と、野菜売り場に再び戻る。我が家の買い物は思いつきでされることが多々あり、こういう展開になるとスーパー内をブラウン運動し始めることになる。日本のスーパーでブラウン運動をしてもあまり疲れることはないけど、WAL☆MARTあたりでやってしまうと泣けるほど運動量が増えることに。計画性のある買い物が求められるところだ。

今日棚に並んでいたルッコラも、ほうれん草のようにもしゃもしゃとした立派なものだった。そのまま生でバリバリ食べてしまいたくなるような青々としたやつだ。
今日は更に、冷凍食品コーナーで枝豆も見つけた。商品名は、まんま「EDAMAME」と書いてある。EDAMAMEキャンペーン中なのか試食販売もされていて、白人のおっちゃんや家族連れが興味深そうに枝豆をつまんでいた。囓ってみたら、ちゃんと枝豆の味がする。
大豆が自給自足できるアメリカなので、大豆商品はおおむね安い。よく見たら豆乳も安い。寒いうちに、憧れの「豆乳鍋(ひきあげ湯葉つき)」をやってみなきゃ。あと、野菜コーナーに売られている生のビーツを使ってボルシチも。あとあと、1個2ドル程度で買えるアーティチョークもここぞとばかりに食べてみたい。もう留学生活も半ばを過ぎたというのに、まだまだやり足りない事ばかりだ。

昼御飯は、冷凍庫に長らくしまわれていたタラコの消費を。農場のバターが手元にあるうちに"たらこスパゲッティ"にして食べなければとずっと思っていたのだった。ほぐし身になっているタラコは室温で溶かして酒で和える。本当は昆布茶を少々入れると風味づけに良いのだけれど、昆布茶はないので顆粒昆布だしを少々混ぜてごまかしてみる。盛り皿にたらこを乗せ、バターの大きな塊をごろりと乗せ、パスタが茹で上がるまでに余裕があったらバターとタラコを一緒に練って柔らかくしておく。あとは茹でたてスパゲティーを上からどばっと盛りつけて、フォークとスプーンにて皿の上でせっせとまんべんなく絡まるようにかき混ぜたらできあがり。刻み海苔をかけて、いただきます。

美味しいバターを使って作るたらこスパゲッティは、あからさまに美味しかった。バターでコーティングされた麺がキラキラ光り、ピンクの粒々が美しく絡んでいる。山ほどかけた揉み海苔を歯茎にくっつけてしまいながらツルツルと食べた。
お供には「Outrageous Ginger Ale」(=とんでもねぇジンジャーエール←意訳)なる、何だか凄い名前のジンジャーエール。「Wild Oats」で買ってきた。レジ近くにあった冷蔵ケースで売られていた瓶詰めジンジャーエールで、見慣れないボトル。他にも何種類か見慣れないラベルのジンジャーエールがあったので、一緒に数本買ってきてみたのだった。ラベルには「NATURAL BREW」で「HAND CRAFTED」なのだと書いてある。カリフォルニアの「Smucker Quality Beverages」という会社のもので、説明文には「ジャマイカの生姜と中国の生姜をブレンドしています」なんて書いてあった。

……濃〜い。から〜い。
想像以上に濃い味のジンジャーエールだった。生姜の味が舌中に広がって、飲み込んだ後に舌がビリビリ痺れてくるほど辛い。甘さはあるけれど控えめで、一口飲んだ息子が泣きそうな顔になって「いらない。これ、いらない」と言っている。
もーちょっと軽い口当たりで、もーちょっと甘いジンジャーエールが好みなのだけど(そいでもって、大手メーカーのは、それはそれで好みのものよりちょっと薄い)、私が「これぇ!」と思えるジンジャーエールはどこかで売られているのだろうか。

塩胡椒焼きリブ
 じゃがいも・マッシュルーム・にんじん添え
チキンクリームスープ(キャンベル缶)
羽釜御飯
ビール(Sierra Nevada Pale Ale)

葡萄
プーアル茶

牛の骨付きあばら肉がやけに安くて、数日前に買ってきておいてみた。テネシー州の民としてはコテコテに甘辛いバーベキューソースを染みこませてグリルするのが良いのだろうけれど、それだと後でめちゃめちゃ喉が乾いてしまいそう。シンプルに塩胡椒、そしてすりおろしにんにくを揉みこんで焼くことにした。
カンカンに熱したスキレットで肉を焼き付け、裏も焦げ目をつけたら火を弱めて野菜を放り込み、蓋して10分ほど。肉が巨大すぎて1回では焼き切れず、じゃがいもも10分では火が通りきらなかったので、肉を2回に分けて焼きつつじゃがいもにもじっくり火を通した。

スープは手抜きしてキャンベルのチキンクリームスープ(4個2ドルだか1ドルだかだった超特売品)。ペーパータオルをテーブルにたっぷり用意し、焼けた肉を手で持ってかぶりついた。部位によっては脂だらけでギトギトだけど、しっかり肉がついているところは肉汁たっぷりでたまらなく美味しい。たっぷりまぶした塩胡椒とにんにくが染みこんで、ビールが何杯でもいけそうな味になっていた。コンロのあたりも油まみれだし、皿もテーブルも私たちの指もギトギトコテコテの油まみれ。塩胡椒の味に飽きてしまいそうになったところでバーベキューソース(ジャックダニエルのグリルソース、No.7がこのあたりの定番らしい)を取り出し、肉や野菜につけつつ食べた。そのソースをぶっかけるだけで、「このあたりで食べるベークドビーンズ」そのものの味が舌に広がる。こちらにきてからすっかりお馴染みの甘辛い味だ。

明日はIさん、Mさんと一緒に南部料理屋さんのサンデーブランチブッフェに行ってみる予定。ただし、雪さえ降らなければ。

1/26 (日)
Copper Kettle(Nashville)にて、サンデーブランチブッフェ (昼御飯)
Nashville 「Copper Kettle」にて
 サンデーブランチ $14.00

最近お気に入りの南部料理屋さん的デリでは、毎週日曜日に「サンデーブランチ」なるものが14ドルで供されている。お店のパンフレットには「A Bountiful Buffet」(たっぷりのブッフェ料理)なんて紹介があって、すごく気になっていたのだった。エッグスベネディクト、オーダーして作ってもらうオムレツ、ワッフル、スモークサーモン、フルーツやペストリー、日替わりの温かいおかずにデザートなどが用意されているらしい。ずっと気になっていたので、IさんとMさんを誘って5人で食べに行くことになった。

10時から14時までとのことなので、10時早々に行ってみることに。今日はスーパーボール(アメフト全米ナンバー1決定戦)がある日なのでもしかしたら休みだったりして……と気にしながら行ってみたのだけれど、店頭の黒板には「Super Bowl Sunday Brunch」と書かれていて、力一杯営業しているようだった。
いつもはデザートやパンが並ぶカウンターはブッフェ台と化している。いつもはお店の人が盛りつけてくれる温かいおかず台はこちら側から取れるようになっていて、厨房では今日も「僕らは美味しいものを作るのが楽しくてしょーがないんです」といった風情のおっちゃんや兄ちゃんたちがニコニコと立ち働いている。相変わらず気分の良いお店なのだった。開店後10分後に入った私たちは、今日最初のお客。2つのテーブルを繋げてもらい、いざいざと皿を取って料理を盛りつける。

たっぷりのハム、冷たいローストビーフ、スモークサーモンにサラダに果物。スモークサーモンの脇にはチーズや刻み卵、ケッパーなどが美しく盛られた皿があって、ベーグルの籠が横に置かれている。保温用のオレンジ色のライトが灯る台の下には美味しそうなローストビーフとローストポークの巨大な塊が。「スライスしてちょーだい」と言うと、お兄ちゃんがにこにこしながら好きなだけカットしてくれるのだ。
温かい料理のコーナーにはエッグスベネディクト(薄切りパンにハムかベーコンと共にポーチドエッグを乗せ、少しだけ酸味の効いた卵ベースの黄色いソースをかけたもの)をはじめ、カツをミートソースとペンネで和えたようなものだとか、マッシュドポテトだとかが合計10種類近くも用意されていた。ハムやサラダがいつも入っている冷蔵ケースの上には、パイやケーキなどのデザートが6種類くらい。高低を作った皿がみっしりと並べられた棚はホテルのバイキングなどとは違って素朴で温かい光景だ。しかも美しい。

最初はサラダやフルーツ、冷菜類を取って席についた。オリーブ油の香りが豊かな野菜のマリネなどもある。魚に飢えていたのでスモークサーモンをここぞとばかりにケッパーをたっぷりまぶして囓る。IさんとMさんは早くも温かい肉料理を盛大に盛りつけ、エッグスベネディクトなどにかぶりついている。どれもこれも美味しい。苺やメロン1つとっても、甘くて新鮮でとても良い感じだ。

2皿目に温かい料理。パンがパイのようにパリパリとしたエッグスベネディクトは酸味控えめなソースがとろんとたっぷりかかっている。全員がローストビーフを切ってもらってきて、ホースラディッシュ風味のクリームソースをこてこてつけながら食べた。
そして、だんなが頼んで焼いてもらっていたワッフル。「2枚かい?」と聞かれ、きっと小さめなやつが来るのだろうと思っていたらしいだんなは「うん……2枚」と答えたらしい。やってきたのは写真のようなフルサイズのワッフルだった。苺とホイップクリームまで添えられたやつが、2皿。
「うはー……すごいね」
「2枚ね、って言ったらこれが来ちゃったんだよ……」
と笑ってしまいながら、全員でつつきまわす。軽い食感の、素朴な味のワッフルだった。旨い。

仕上げにしっかりアップルクランブル(ぐずぐずに崩したアップルパイのようなもの。ホイップクリームつき)も平らげて、午前11時にして超満腹な状態になってしまって帰宅したのだった。
10時を30分も過ぎた頃から、店は続々とお客さんがやってきていた。11時に店を出る頃にはほとんど満席状態だ。いかにも「教会に行ってきました〜」といった風情の6人家族などもいる。お父さんはスーツ、小学2年生くらいの男の子はベージュ系のジャケットをはおり、ツータックのズボンなんかはいている。家族全員さりげなくお洒落していて、5〜6歳くらいに見える女の子もピカピカな黒い靴を履いていた。日曜の礼拝の後に家族全員で美味しいブランチなんて、優雅だなぁ。

チキン照り焼きピッツァ
ビール(Abita Amber)
Hard Lemonade

昨日美味しそうなモッツァレラチーズとルッコラを買ってきたので、夕飯はピザ。
500gの強力粉を計量して、お湯を沸かして、さぁドライイーストを混ぜよう……としたところ、本来小さじ2必要なドライイーストが小さじ3/4ほどしかないことが判明した。しばらく計量スプーンを持ったまま固まって考えた挙げ句、そのままドライイーストが足りないまま生地を作ることにしあ。1時間寝かせた後見てみると、やっぱりあまり膨らんでいない(あたりまえだ……)。
本当は4枚分作れる生地だったけれど、3等分して使ってしまうことにした。

具は、最近我が家内でブームの照り焼きチキン。今日は具沢山にすることに。
下焼きした生地の上に茹でたアスパラを散らし、スライスしたマッシュルームを散らし、スライスしたゆで卵も散らす。醤油と味醂でテラテラに炒め煮した鶏肉をたっぷり乗せた後はタレも回しかけ、モッツァレラチーズで表面を覆い、最後に刻み葱をかけた後、再びオーブンへ。3分ほど焼いてチーズを溶かしたら最後にルッコラを散らしかける。見た目はもう、何が何だかわからない物体に。同じ組合せで2枚のピザを立て続けに焼き上げた。

パリパリのピザ生地に照り焼きチキンは良く似合う。その甘辛味に、刻み葱と卵なんかがまた似合っちゃってたまらない。
チーズをぴよよよよ〜んと延ばしながら、1枚目のピザを平らげる間にビールを飲み干してしまい、引き続いて「Hard Lemonade」なるチューハイもどきを1瓶あける。日本じゃチューハイは「ビールよりも安くて手軽」という位置づけだけど、アメリカではビールもそれもたいして値段は変わらない。美味しいのかなぁ?と半信半疑ながら気になるので先日買ってみたところ、"アルコール入りレモネード"といった、そのまんまの味わいでなかなか美味しかった。他にもオレンジ味とかベリー味とかライム味とか、このテのものは色々あるようだ。また買ってこよう……。

で、我が家周辺では割とどうでも良い存在になり果てていたスーパーボール。先週我が町のTITANS(タイタンズ)をくだしてくれた(くだしやがった)憎きオークランド(カリフォルニア)のRAIDERS(レイダース)対タンパベイ(フロリダ)のBUCCANEERS(バッカニアーズ)という戦いになった。どっちもトレードマークがドクロっぽくてなんだか凄い。しかもトレードカラーは一方は銀と黒、一方はえんじ色ときて、闘争心溢まくりといった感じのスタジアムの色合いになっていた。
「よくもオラが町のチームを破ってくれたなぁ〜」という憎さもあって、バッカニアーズの応援をする私たち。フロリダのチームなら、なんとなく「同じ南部」というよしみもあるような。
テネシー時間で午後9時過ぎに終わった試合は、圧倒的なバッカニアーズの勝利で終わった。

今まで全然興味がなかったアメフトだけど、来年からは「今年はタイタンズ、強いかなぁ……」と衛星放送をチェックしてしまいそうだ。