食欲魔人日記 03年07月 第5週
7/28 (月)
久しぶりのホテルブッフェ。今日はホテルニューオータニ幕張〜。
づけ丼
冷茶

なんでも、だんなは本日「丑の日の翌日なので、職場仲間と鰻を食いに行く」のだそうである。お弁当はお休みということで、だらだらと眠りこけ、朝御飯は昨夜のうちに"づけ"に加工しておいたマグロでもって、軽めのづけ丼。御飯チンしてマグロを乗せるだけ。簡単である。
御飯の上にせっせと切り身を乗せている間、だんなは冷茶の準備をしてくれた。マグロの上からすり胡麻と刻み葱と刻み海苔を散らして、がふがふとかっこむ。酒と味醂を同量ずつ小鍋に入れて煮切り、そこに酒と同量程度の醤油を加えたタレは、思ったよりもちょっと甘み少なめにできあがってしまって、ちょっと大人な味のづけ丼に。

ホテルニューオータニ幕張内「ザ・ラウンジ」にて、サンドウィッチ&デザートビュッフェ
 コンソメスープ
 スモークサーモンのサンドイッチ・野菜サンド・ミックスサンド
 クロックムッシュ・パングラタン・フレンチトースト
 ミニピザ・キッシュ・ホットサンド
 ライスロール・卵焼き
 肉団子・チキンのハーブ焼き・フライドポテト・ミニアメリカンドッグ
 オムライス・スパゲティナポリタン
 洋梨のムース・パンナコッタ・クレームブリュレ
 フルーツタルト・チョコレートタルト
 スイカ・メロン・パイナップル
 アイスティー・オレンジジュース
などなどなどで、大人1人2,200円♪

今日は母の仕事が休みだそうなので、
「ちょっくら泳いでくらぁ!」
と息子を母に託して午前9時前に家を出てスポーツジムに。みっちり1時間以上は泳いで帰ってこようと思っていたのに、トレーナーつきのプログラムでプールのコースがふさがりまくり、しかもプールはなかなかの混雑ぶりで思ったように運動できず、色々疲れて結局10時頃に帰宅。

「あらぁ〜早かったわね。早すぎない?そんなんじゃ痩せないわよー」
思った通り、ちくちくと母にいじめられたけど、その数分後に
「じゃあ……まだ午前中も早いしね。バイキングでも行く?」
と、お誘いが。「そんなんじゃ痩せないわよ」と「バイキングに行く?」は私にとってはものすごく相反する言葉のように思えるのだけど、母の中ではそれはあまり不整合なものではないらしい。勧める母も勧める母だけど、乗る私も乗る私だと思う。結局、息子も含めて3人でお出かけすることになった。

母は、ブッフェ料理が大好きだ。そのへんの町にある、「インド料理ランチ、食べ放題1000円」とかいうのはダメなのである。ホテルのブッフェであることが重要だ。母と一緒に住むようになった昨年春からそうだったけど、まだ母の中では幕張近郊がマイブームまっただ中であるらしい。じわじわと浦安方面にも興味を示している様子だ。遠すぎるところはめんどくさいので興味なし、と。
「……どこ行くのよ?」
「フルーツが多いといいわね。ジュース飲み放題が嬉しいかも。……あ、眺めが良いとことかー」
「……料理はどうでもいい、と……」
よくわからないリクエストだなー、もー、と頭を抱えながら各ホテル公式ホームページの案内などを眺めつつ、行ったところのなかった「ホテルニューオータニ幕張」はどうだという話をした。メインはサンドイッチとデザートらしいけど、サラダや各種おかず類もあるらしい。しかも、大人1人につき幼児1人がタダになる。ソフトドリンクも含まれるようだし、単価は高めではあるけれど、結果として安く済みそうな予感がするのも嬉しかった。

夏休みシーズンだしね、と一応予約を入れておき、開店直後に訪れる。最初はガラガラだった店内も、数十分のうちにほとんど満席状態に。我が家と同じような事を考えてくる人が多かったのか、子供連れがやたらと目立っていた。"おかーさん4人に、ベビーカーの赤ちゃん4人""おかーさん5人に、幼児6人"なんて組み合わせがいたりして、シックな雰囲気のロビーフロアのラウンジは保育園のようなやかましさ。絶えず、「みぎゃー」「あうあー」と子供たちの声が響いている。うちも子供連れだけど、でも……グループの子供連れというのは、それはそれはうるさいものだったりして……ちょっとばかりトホホ。

でも、料理は期待以上に美味しかった。目玉商品であるサンドイッチは、ラップロールが多かったり、具もそれほど個性的なものはなかったり、御飯の巻物なんかも「ライスロール」なんて名前で出ていたり。スモークサーモンのサンドイッチはとろんと柔らかなそれが褐色のパンと似合っていて美味しかった。更に、サンドイッチ以外のパンものも、デニッシュがあったりフレンチトーストがあったりパングラタンがあったり。そしてスパゲティや肉団子やチキンのハーブ焼きなども揃っていて、なかなか食べ応えがあった。サラダコーナーにはポテトサラダや紫玉ねぎのマリネなどもあり、これもまた良い感じ。コンソメスープをカップにとり、サラダをミニボウルによそい、大皿に各種食べ物を盛りつけ、息子の分の小皿にもあれこれ取ってせっせと往復した後、いただきます。息子はミニサイズのアメリカンドッグを両手に持ち、オレンジジュースを前に幸せそうにわしわしと食べている。

「これは、んもぅ、すんばらしき美味!」……というほどのものはないにせよ、どれも安心して食べられる味のもので、半熟状の卵が嬉しいオムライスとか、野菜がたっぷり混ぜ込まれた肉団子を何度か食べてしまった。息子はアメリカンドッグ3個めと、スモークサーモンのサンドイッチに取り組んでいる。

で、かなり気に入ったのがデザート類。「ムース」というよりは「クリーム」といった風合いの、リコッタチーズと生クリームを混ぜ合わせた中に洋梨を落としたようなやわやわとした「洋梨のムース」に、牛乳の香りがぷんぷん漂うぷるんほにゃんとしたパンナコッタ、バニラビーンズたっぷりのクレームブリュレ。オレンジ味のパウンドケーキや、フルーツどっさりのタルトなどもけっこう美味しかった。それほど種類はなかったものの、パイナップルやすいかなどのフルーツも皿に取り、お代わり自由のコーヒーや紅茶をだばだばだ〜と飲みながらのしめくくり。私も食べたが、母も相当食べた。相当食べたはずなのに、
「タルト……まだ食べてないわ。チョコのタルトとか、食べるでしょ?食べるわよね?1切れを半分こってことで。ね?」
などと言い置いてまたわさわさとデザートのプレートを持ってくる。あああ、チョコは腹にたまるから敢えて避けていたのに……と苦笑いしながら、とどめのチョコタルト。胃にずっしりと重かった。美味しかったけど。
朝の運動、これですっかり効果はパァだよ、ママン……(明日の体重計がおっそろしいよ、ママン……)。

枝豆・茹でとうもろこし
麻婆茄子
御飯
ビール(じゃがB、とうきB、サッポロラガー)・冷茶

幕張ランチ後、母のリクエストにより、船橋ららぽーとへ。母の目当ては「アジアな布」。
我が家には、旅行に行くたびにせっせと買い込んでくるアジアな布類がこちゃこちゃと存在していて随所にぶらさがったりしているのだけど、「あらー、この布、いいわー」「これもすてきだわー」と、母はしょっちゅう「いらなかったら、これ、ちょうだい?」オーラを放出している。いらなくないよ、飾ってるんだから……と丁重にお断りし、代わりにそういう布を売っていそうな(そして適度な価格でありそうな)店に連れて行くことにしたのだった。ららぽーとには、中学高校の頃にかなりお世話になった「大中」なるキッチュなお店もあるし、他にもアジア家具やインド綿の服を扱う店などが何軒も入っている。母はけっこう喜んでインド綿ののれんとか、ベッドカバーになりそうな布を買い込んでいた。私もつい、長細い紺色基調のろうけつ染めの布と、バティックハンガーを買ってみたり。よれよれと帰宅する頃には、もう5時をとうに過ぎていた。

夕飯の時間迫るも、まだなんとなく昼の飽食が胃に充満している感じ。軽くでいいや、と、おかず一品スープ類なし、というだんなには申し訳ない献立の夕御飯になってしまった。せめてもと、予定していた麻婆茄子はせっせと作る。
ざくざく切って塩水にさらした茄子を、まずは素揚げ。油たっぷりで揚げ物するのはめんどくさく、お玉2杯分ほどの油で炒め揚げするような感じでジャジャジャジャジャッと油吸わせつつ茄子を炒める。もーっと油を少なくして焼きつけちゃおうかなぁ(めんどくさいし、カロリーが……)とも思ったのだけど、麻婆茄子はあの油吸ってプクプクした食感が信条よね、と炒め揚げ。

茄子は別皿に除けておき、油は油入れに流し、茄子を炒めた同じ中華鍋にみじん切り生姜とにんにくと豆板醤を放り込み、すかさず豚ひき肉を投入してガガガガガーッと炒める。茄子を戻し入れ、調味料投入。醤油と甜麪醤と砂糖が大さじ1ずつ、オイスターソースが小さじ1、顆粒鶏ガラスープをちょっと入れ、熱湯で軽くのばしたやつを入れて炒め、最後に片栗粉でとろみつけ。シャキシャキした葱が好みなので、最後に刻んだ長ねぎを散らしてできあがり。味噌味噌した味の、辛み少なめな麻婆茄子になった。だんなに言わせると、もっともっと汁っぽいシャバシャバしたものが好みであったらしい。

「……というわけで、君以外は皆、今もけっこう満腹なのです……ごめんね」
と、品数少なめな夕御飯。だんなは「いーよいーよ麻婆茄子があれば」と、肉多めなそれをわっしわっしと勢いよくかっこんでくれた。お供は、北海道土産の怪しげなビール。その名も「じゃがB」「とうきB」というそれは、じゃがいもととうもろこしを原料にしたビールだということだ。200mlくらいしか入っていなさそうな小さな缶なのに、1缶250円だったのだという。
「ネタとして、面白いかなーっと思って……」
などと言いつつだんなが買ってきてくれたものだったのだけど、どちらも非常にビミョ〜な味がした。後味がしっかりじゃがいもだったり、とうもろこしだったりするのだけど、苦みとかコクとか、味そのものがなんとも、ビミョ〜な味。ネタとして飲むのは良いけど、いつも飲むものじゃないねぇ……と笑いながら、だんなと半分こして飲んだ。北海道土産は大抵なんでも美味しいけれど、これはちょっと……ネタとしてはOKなんですけれども、という。

7/29 (火)
豚ロースの塩焼きトンナートソース (夕御飯)
「松家」のうどん 太いの・ひやひや

今日は朝からお弁当作り。今日の献立は、豚肉とキャベツのウスターソース炒め(焼きそばの具そのものだわ……)、ほうれん草のおひたし、鶏そぼろのじゃがいもサラダ、茹でとうもろこし。ふりかけを軽くかけた御飯の隅っこには、「油みそ」を梅干し1個分くらいぎゅうぎゅうと詰めた。

「油みそ」とは、沖縄のお総菜で、あちらの言葉で「あんだんすー」というらしい。豚バラ肉を細かく刻み、炒めて炒めて脂を溶かし出して、そこに味噌や砂糖や泡盛などを加えてテラテラに味をつけたものだとか。おにぎりに入れたりすると最高!という話は聞いたことがあるけれど、実際のそれは食べたことがないし、作ったこともない。先日、巨大ショッピングモール「船橋ららぽーと」に行った時に沖縄のアンテナショップがあるのをみつけ、瓶入りのそれを試しにと買ってきてみたのだった。買ってきたそれはあまり肉肉したものではなくて、「甘めのこっくり味味噌」という感じのもの。多分美味しいものはもっと美味しいんだろうなぁと思いつつ、それでもそのこってり味の味噌はけっこうお気に入りだった。御飯にすばらしく合う。お弁当にもばっちりだ。

朝御飯は、冷凍うどん。毎月着々と届いている「千趣会」の「恐るべき讃岐うどん」シリーズの今月は「松家」の太いの細いの2種類の冷凍うどんが4玉ずつ。いつもどおり、冷たく締めたうどんに冷たいだしをかけ、万能葱を散らして食べる。途中で揚げ玉もぽろぽろと放り込んでみたり。

鶏そぼろ丼 半熟目玉焼き乗せ
アイスウーロン茶

息子と2人のやるき無げな昼ご飯は、鶏そぼろ丼。数日前に作った鶏そぼろがまだ冷蔵庫内に残っていて、さすがにそろそろヤバイかと茹でたじゃがいもに混ぜ込んでサラダのような物体に加工し、だんなの弁当に詰めてみた。それでもまだそぼろが余ってしまったので、丼にして食べて一気に消化してしまうことに。

御飯の上に、甘辛味の鶏そぼろをふんわり盛りつけ、上からは黄身をとろとろ状態に柔らかく焼いた目玉焼きを乗せ、黄身をぐずぐず崩しながら食べる。炒り卵と鶏そぼろで二色丼にするのも美しくかつ美味しかったのだけど、目玉焼き乗せも悪くない。とろとろと御飯とそぼろにしみこんでいく黄身がシアワセに美味しくて、息子と二人しばし無言で食べてしまった。

豚ロースの塩焼き トンナートソース
鶏そぼろのじゃがいも団子
刻みキュウリと玉ねぎのサラダ
卵豆腐
冷やしコーンスープ
羽釜御飯
ビール

「トンナート」とは、ツナのディップのようなソースのことで、イタリア料理で出てくる名前。ツナ缶にマヨネーズ混ぜてレモン汁ぶっかけて、ウスターソースを隠し味にほんのひと垂らしし、あとはブランデーで風味づけしたり焼いた肉の肉汁混ぜたりする。裏ごしすると美しい外見になるのだけど、めんどくさいので混ぜるだけ。茹でたり焼いたりした牛肉や豚肉に添えて食べたりする。ツナと肉?となんだか変な感じもするけど、これがなかなか美味しいのだった。ふと思い立ち、今日の夕飯はこれ。

いつもは大皿料理に全員分のおかずを盛りつけるのだけど、珍しく1人1皿のおかず皿。お弁当に作った鶏そぼろ入りじゃがいものサラダを軽く丸めてお団子にし、刻んだきゅうりと玉ねぎとトマトを軽くドレッシングで和えたサラダと一緒に盛りつける。ぺろっと敷いたほうれん草の上に塩胡椒でこんがり焼いた豚ロース肉をよこたえて、あとはそのトンナートソースをかけるだけ。見た目が地味なので、ケッパーを散らしてみた。オリーブとかドライトマトも似合うと思う。

せっかくフォークとナイフで食べる夕御飯のセッティングにしたのだから、フランスパン添えてみたりワインをあけてみたりすれば良いのに、添え物は茶碗に盛られた御飯、そしてなぜか卵豆腐(賞味期限をちろりと過ぎているのに今日気づき、あわてて出した)。安売りしていて買ってきてしまった紙パック入りのコーンスープをあけることにし、洋食のようなそうでないような、微妙な光景の夕飯となった。母は
「御飯、お茶碗に入っているのに、フォークで食べる……の?」
なんて笑っている。ええ、フォークで食べるんです。食べてください。箸出すのもめんどうだし。

久しぶりの、"紙パック入りコーンスープ"は相変わらず好みの味だった。私はアレが大好きで大好きで大好きで、時折無性にそれを一気飲みしたくなる衝動に駆られたりする。さすがに一気飲みはしたことがないけれど、息子と2人で500mlパックを瞬殺したことなら密かにある。冷たいまま飲むのがまた、美味しいんだわぁ。

7/30 (水)
自家製パンに、バターとはちみつたっぷりかけて
自家製パンのバターはちみつ
カフェオレ

昨夜、もう寝ようという頃に「……あ、明日の朝御飯に食べられるもの、うどんくらいしかないじゃん……」ということに気がついた。うどんよりもパンが食べたいなぁ……と思い、久しぶりにパン焼き機にがんばってもらうことになった。牛乳多めの生地材料をセットし、あとは6時間後くらいに焼き上がるタイマーをセットする。6時半に起きる頃には家中に香ばしい良い香りが漂いまくっていた。この匂いで目覚めることができるのがパン焼き機の嬉しいところ。起きあがる前にベッドの上ですーはーすーはーと3回くらい深呼吸して、またそのまま眠りたくなる気分を押さえつけて起床した。

今日は早めに行ってやらなきゃいけない仕事があるそうで、6時半起きの我が夫。一緒に起きて、焼きたてのパンをざくざくっと厚切りにしてバター1かけ落とし、はちみつたっぷりかけてからかぶりついた。アメリカでお世話になった、だんなのボスのA先生からいただいたはちみつ。飾るように台所の棚の目立つところに置いているのだけど、それと昨夜目があっちゃったのが、そもそもパンを焼こうと思ったきっかけだった。
「……ああ……パンにこてこてつけて食べたいなあぁぁぁ〜」
と欲望が渦巻いてしまって、強力粉やドライイーストを準備し始めてしまったのだ。

焼きたてパンは、パン切りナイフがほとんど役に立たないほど柔らかく、ふあふあとしていて1斤くらいぺろりといけそうなところが恐ろしい。いかんいかん、こんなに切っちゃいかん、と超厚切りにはしないように気をつけながらスライスした。すごーく良い粉と、すごーく良いバターなんかで焼いたら、もっともっと美味しいんだろうなぁ。

枝豆
カマンベールチーズ乗せクラコット
ソーセージ with 粒マスタード
いちじく入りフランスパン
ビール

今日は天気もいまいちで、出かける気力もなく家でだらだらだら。息子には納豆御飯とおひたしのお昼御飯を食べさせたものの、私はいまいち食欲がなく、そのまま夕御飯の時間になってしまった。

本日だんなは飲み会で、留学時のお仲間と一緒にTEXMEX(メキシコ風テキサス料理)の店で宴会なのだそうだ。後で聞いた話によると、
「俺、ステーキ350g〜」
「僕はね、300g〜」
なんて注文を揃ってしたものだから、お店の人がびっくりしてしまって
「お客様……よく召し上がりますねぇ……」
と感嘆していたのだとか。……大食らいになっちゃった?俺たち?と数人で大笑いしてしまったのだそうだ。いいなぁステーキ……。

我が家はというと、「だんながいないときはシンプル飯」の鉄則にのっとり、パンとチーズとソーセージとビール、というソーセージ炒める以外に火を使わないような献立になった。大学時代あたりから結婚で家を出るまで、母と私の夕食はだいたい毎日そんな感じだった。御飯は滅多に炊かないし、火を使うおかずもそれほど頻繁に作らない。ダイエットに燃えていた時代でもあったので、酒飲んでつまみ食べて〜な夕食があたりまえだった。いつも御飯炊いたり温かいおかずを作ったり、なので、時々こういう食事も恋しくなる。

「というわけで、仕事帰りにおしゃれなものを買ってきてください!」
と漠然としたリクエストを母にしてみたところ、仕事帰りに「成城石井」(輸入物がっちょりな、小洒落たスーパー)で、美味しそうなソーセージとかカマンベールチーズとか、ドライいちじくを混ぜたフランスパンなどを買ってきてくれた。そうそう、そんな感じ。我が家の近所には日本製の大手メーカーのチーズしか売ってないような状態だったりするので、「そうそうこれこれー、こんな感じー」と嬉しく準備。

茹でて炒めた野菜入りのソーセージに、粒マスタードをたっぷりと。クラコットに塩気強めのチーズを乗せてカリカリ食べながらビールを飲んだ。息子は牛乳片手に
「パンのゆうごはんだー。ソーセージ、食べるよー」
と、素早い順応ぶりを見せつつソーセージ3本目にかぶりついていた。

7/31 (木)
だんな誕生日につき、ちょっと派手めなサラダ
スコーン クロテッドクリーム・ジャム添え
ミルクティー

昨夜飲み会だった我が夫。日付が今日になってから帰ってきたのだけど、やったらニンニク臭かった。今朝もやっぱり臭い。相変わらず臭い。歩く凶器と化している。恐怖ニンニク男である。
「……誕生日だから優しくしてあげたいんだけど、でも、きみ、くさすぎるよ……」
「う、うーん……昨日の夜、ガーリックピラフ食べたんだよ。それかなぁ……」
困惑するだんなと、蒸し暑い中ニンニク臭で目覚めさせられて不機嫌な私。ぎりぎりまで寝てからだんなは朝食も摂らずにせかせか出かけていったので、私は本日仕事が休みな母と一緒に朝御飯をとった。

お休みの日は美味しいパンと美味しいコーヒー(もしくは紅茶)の朝御飯が楽しみなのだという我が母、今日明日と連休になったらしく、昨日はうきうきとスコーンを買って帰ってきた。ぬかりなくナカザワ社のクロテッドクリームも冷蔵庫に入っている。はっさくのジャムを準備しようとしている母に
「……柑橘系のジャムとクロテッドクリームって、いまいちだよ?イチゴとかアンズとか、あとリンゴジャムあたりが似合うと思う……」
と伝えながら私はミルクティー作り。鍋にお茶っ葉を入れ、少量の湯でこれでもかと濃く抽出したお茶に牛乳をだばだばだ〜っと盛大に入れて作る濃厚ミルクティ。そのうち、テーブルにイチゴジャムと、冷蔵庫の奥から発掘されたいちじくジャムが並べられた。

「このときばっかりは、カロリー気にしちゃいけないのよね〜」
なんて呟きながら("このときばかり"って、そういうのが多いのね、私……)、クリームをオーブンであっためたスコーンにこてこてなすりつけ、ジャムもちょいとなすりつけ、スコーンよりもクリームの重さの方が多いんじゃなかろうかというそれにがぶりとくらいつく。ぽそぽそもそもそとした、油っけのないスコーンに、生クリームよりバターに近い乳脂肪含有量を誇るクロテッドクリームのこてこてさがよく似合う。小ぶりなスコーンを1人2個ずつ、ぽいぽいと食べた。

バナナ
胡麻団子・みたらし団子
麦茶

昼ご飯……軽くバナナか何かでいいや……とやる気なさげに牛乳1杯とバナナ1本を食べたところで、ふらりと図書館に出かけて行っていた母が帰宅した。
「お団子食べましょ。お団子お団子お団子」
と、胡麻団子とみたらし団子のパックを抱えている。バナナを食べた10分後に団子2串食べることになり、なんだか良い感じに胃が満たされてしまう展開になってしまった。

初めて知ったのだけど、息子はみたらし団子はいまひとつ好きではないらしい。
「……おいしくないから、いらない……」
と、確かにその団子は妙に柔らかすぎて、タレもテラテラと合成甘味料みたいな味がして実際今ひとつだったのだけど、息子は1口食べて「いらなーい……」と席を立ってしまった。
「あんた、食べなさいよ」
「いつもいつも"痩せろ、食べる量減らせ"とか言ってるのに、そゆこと言う〜?私は2串食べれば充分だってば。いらないってば」
「残ったの、どうするのよー」
「ラップかけて冷蔵庫入れておけばいいじゃん、明日だったらまだ食べられるよー」
今日も母と口喧嘩。

お刺身(マグロ・ハマチ・甘海老・イクラ)
鶏のカリカリ焼き サラダ菜巻きサラダ
ひき肉とししとうの炒めかけ冷や奴
鶏肉とごぼうと舞茸の吸い物
羽釜御飯
ビール・ほうじ茶

誕生日祝いの、昔プリン

今日はだんなの誕生日。明日の夜、2人で一緒に外食することになっているので、今日は我が家でささやかめにお祝い。昨日はステーキ、明日はイタリアンとカロリーたっぷり外食飯が続くことになるだんなであるので、今日は純和風にしましょう、とお刺身を買ってきた。マグロにハマチに甘海老に、息子のリクエストによりイクラ。椀は、だんなの大好物の鶏肉とごぼうと舞茸入りの吸い物。一昨日あたりに作った角切り野菜のサラダが残っていたので、目先を変えて片づけましょう、と大皿にサラダ菜をぺろぺろっと敷き、一口大に切ってこんがり塩焼きした鶏肉を並べ、ついでにゆで卵も添え、マヨネーズをにょろりと絞り、
「角切り野菜も巻いて食べてねー」
という適当なサラダにしてみた。

更に、冷蔵庫の中の豚ひき肉のあまりと目が合ったので、普通の冷や奴にしようと思っていた豆腐の上に肉味噌仕立てにしてかけることにする。結局、魚メインの夕飯にしようと思っていたのに、肉もたっぷり、という感じになってしまった。

大きなサクを買ってきて切った刺身はかなりの分量があり、我が家最大級の平皿に刺身全種類を盛りつけたところかなりのボリュームになった。赤っぽい色合いの魚が多かったので、せめてもと大根だのシソだのミョウガだのを添えてみたけれど、やっぱり全体的に赤っぽーい皿になってしまって、私はそこが少しばかり不満だった。……ま、一見すると「わぁ、ごちそう!」という印象は得られるから、まぁいいかな、と……。

で、ごちそう飯をしっかり平らげた後は、誕生日祝いということで、だんな大好物のカスタードプリン。ケーキを焼こうかそれとも買ってこようかとあれこれ考えたのだけど、洗練された味のものは明日の夜にこれでもかと色々食べられるはずなので、今日は手製の味で勝負しようと、午後の早い時間にせっせと作ってみたものだ。作り方は、こんな感じ。「青柳」という料亭のご主人、小山裕久さんの本『和食のデザート』という本に載っていたものなのだけど、卵たっぷりで、蒸し加減が難しいけれどいかにも懐かしい味にできあがるのでこのレシピがかなりお気に入りだったりした。8人分の材料(でも容器が大きかったのでできたのは5個分……)で作ったプリンは一度では蒸しきれず、二度に分けて蒸してみたら、圧倒的に二度目の方が美味しそうなできばえに。卵白だけが4個分余ってしまったので、それは香港風牛乳プリンに仕立ててしまったりした。もう冷蔵庫内はプリンまみれ。

私や母や息子が食べた、「一度目」のプリンは、ちょーっとだけスが入ってしまってポクポクしたものになってしまったけれど、「二度目」のそれはツルンプリンほにゃんと、はてしなく良い感じ。卵と牛乳の味が濃厚な、お祝いとしてふっさわしいプリンになってくれた。三十ン歳の誕生日でも、プリンは幼き頃と変わらず美味しかったりするものねー。