食欲魔人日記 01年04月 第2週
4/9 (月)
釜めし太郎の「特製釜めし」 (夕御飯)
水餃子
御飯
冷茶
風邪薬

昨夜から、喉の痛みと腹下し。だんなも同じ症状だったりして、どうやら夫婦で風邪をひいてしまったらしい。息子だけ元気だ。週末に出かけた時にでもどこからか伝染されてしまったらしい。今日はせっかくジムに行こうと思ったのに、これはおとなしくしている他はなさそうだった。

昨夜の肉団子スープに、残りものの餃子も入れて豪華水餃子スープ。手間暇かけてだんなが作ってくれた餃子は焼いても当然美味しいけれど、スープに入れてもやっぱり美味しいのであった。
「風邪、治さなきゃね。とりあえず喰って寝るから。」
と言ってもりもりと御飯を食べ、餃子を囓り、スープを飲み干し、お代わりまでした私を、だんなはちょっと呆れた目で見ていたような気がしないでもない。
いや、だって、食欲はあるしー。(味覚もパァになってないしー。)

ツナチーズホットサンド
ヨーグルト
牛乳
風邪薬

午前中昏々と眠り続け、ついでに午後も眠り続けようと思っていたけど風邪薬を飲まねばいかんと昼飯の準備。昨日のツナサンドの具の残りがあったのでそれにてホットサンドを。ツナたっぷり、チーズも乗せてホットサンドメーカーにてこんがり焼く。ヨーグルトに牛乳を並べて、何やら充実した栄養の昼食になった。苦い風邪薬も飲んで、また寝ることにする。

「釜めし太郎」の
 特製釜めし
 もつ煮込み
レタスのサラダ
ビール、冷茶
風邪薬

養生して、夕飯は手抜き。
ちょっと気になる宅配専門釜飯屋があったので、これを頼んでみることにした。1個700〜1300円くらい。安くはないけど、それなりに美味しそうでもあった。

驚いたことに、木製の枠に鉄製のお釜、あのお店で見るそのまんまの釜飯容器でやってきた。つまみに頼んだもつ煮込みも、息子用のうどんまで同じ器に入っている。テーブルに釜飯容器が4つも並ぶと何やら壮観だ。

帆立にイクラ、鶏肉、卵に椎茸、山菜、きぬさや、にんじん、蓮根となかなか豪華な釜飯だった。さすが1300円。それなりに美味しい。茶色い御飯はなかなか良い味だし、ちゃんとお焦げがあるのがまた泣ける。御飯茶碗にせっせと盛ってはせっせと食べる。3膳も4膳も心おきなく食べられるのがまた釜飯の良いところだ。

味噌味の、ケダモノ臭いもつ煮込みもまぁまぁ、うどんもまぁまぁ。
だんなも私も鼻水スビスバの全身風邪症状だったのに、やっぱり良く喰っていたのであった。

4/10 (火)
JINNAH(田町)にてCセット (昼御飯)
スクランブルエッグ
海苔バタートースト
アイスカフェオレ

本日の朝飯は、厚切り食パンにて久しぶりの海苔バタートースト。バターをまんべんなく塗ったトーストの上に焼き海苔1枚乗せた奇怪なトーストだ。でも、美味しい。

バターを塗ったところへ最初から海苔を乗せてトースターへ入れてしまっては、海苔がバターを吸い込んでクタクタになってしまって宜しくない。だから、バターが溶けてパンにほとんど吸い込まれた段になってからおもむろに海苔をぺらりと乗せるのだ。それが遅すぎると海苔が浮き上がってしまうし、早いと海苔はやっぱりクタクタになってしまうので、それなりに気を使って作られるトーストなのだった。バターと海苔と食パンは良く似合う。

海苔を乗せるタイミングを見極めながら、
「何か卵料理でもしますかー?」
とだんなに聞いたところ
「スクランブルエッグきぼんぬ。」
という返事が。えっさえっさと卵3個でスクランブルエッグを作成する私なのであった。

田町 JINNAHにて
 Cセット 950円也

本日は労働の日。仕事は大学教授の秘書だからして、勤務地も大学内だ。大学周囲には安い飯屋やファーストフード店が山とある。私が学生の頃はあった店が消えていたり、無かったはずの店が出没してたりでなかなか侮りがたい。あまり学生ばかりが行く店に一人で行くにはちと恥ずかしくもあり、でも「美味しいところ見つけちゃるもんね」と密かに燃えている私だった。

高校時代にさんざん利用したお気に入りのパン屋はいつのまにか「SUBWAY」に変化しており、その横のビルの2階には見たことのないインド料理屋ができていた。風邪気味の身体には、スパイスがガツンと効いたインド料理はきっと良いんじゃないだろうかと、大学近くのその店に入ってみる。テーブル席が10人分ほど、あとはカウンター席が6人分ほどの小さな店だ。2畳ほどしかない厨房であるのに、本格的ナンの匂いが漂ってきて良い感じだった。カウンターの隅に腰掛け、3種類あるランチセットのうち一番高いやつを注文。マトンカレーにベジタブルカレー、タンドリーチキンにサラダにヨーグルト、それにナンかサフランライスがついてくる。950円なり。

「ハイ、Cセットのお客サン」
とインド人の店員がカウンターの向こうから皿を寄越した。小さくない盆の上にボウルがいくつか。その上に溢れんばかりに、いや、溢れまくっている状態で巨大なナンがどかんと乗っている。ナンの上にもボウル。そしてチキンが。なんともアバウトな盛りつけで笑ってしまう。

巨大なナンは、期待以上に美味だった。ふかっと柔らかく、表面はパリパリ。何しろ摘むのもつらいくらいのアツアツなのが嬉しい。ビリビリと辛いベジタブルカレーと、じわじわと辛いマトンカレーを交互にナンになすりつけつつバクバク食べる。スパイスがガツンと効いていて、これまたちょっと良い感じだった。これまたガツーンと辛いタンドリーチキンに、キャベツの簡単なサラダ。デザートのヨーグルトはたまらなく甘く味付けされていて、これが唯一の救いという感じだ。

入りやすい店を早速大学近所に見つけて嬉しい私。
シアワセにナンを食べまくっていたところ、学生の男女二人組が横のカウンターにやってきた。何度も来ている男性が、友人の女性を連れてきたという感じだ。
「ランチが3種類あってね……」
と男性が話す中、女性はメニューを開いて
「サラダはないの?サラダサラダ。」
とサラダを物色。注文を取りに来た店員さんに
「このサラダ、ください。」
とメニューの一部を指さしている。
「あー、ゴメンね。昼は、ランチセットだけ。」
と店員さん。確かに、小さな店は行列するほど混雑していて、普通のメニューはとてもできそうにはない状態だった。

「え!?サラダないの?私ダイエットしてるんだぁ。サラダがなきゃ、食べるものないよ。」
とその女性、カウンターをさっさと降りて「じゃあねぇ〜」と男に手を振り、去っていってしまった。
男性、呆然。店員さんも、唖然。その横にいた私も、少なからず唖然とした。

何だかねぇ。「ダイエットダイエット」と騒いでレストランに入ってからとんずらするような子より、「おいしいおいしい」と出てきたものを美味しそうに食べる子の方が魅力的だと思うけどなぁ。それとも、その女の人、男の人が嫌いだったのだろうか。「サラダサラダ」は単なる口実だったとか。
甘い甘いヨーグルトを食後に舐めながら、一人寂しそうにAセットを食べる男性を横目に見ていた私であった。

鶏肉とじゃがいものオーブン焼き
御飯
冷茶

だんな、帰り遅し。私は私で7時からCSで放映していたとある番組に釘付けになっていた。演劇である。CMは、ない。
「あらあら、目が離せないわ〜」
とテレビの前に根を生やし、ちょっと落ち着いた場面のところで鶏肉とじゃがいもをオーブンに放り込み、続いて御飯をレンジでチンし、それらをいそいそと居間に運んで畳に並べ、行儀悪くテレビを見ながらの夕飯。

塩と胡椒をガリガリふっただけの鶏肉とじゃがいも。鶏の油がじゃがいもに染みて良い感じだった。
テレビを見ながらの、だらだらと力の抜けた夕飯も悪くない。

4/11 (水)
鮭とかぶらの柚子スパゲッティ (夕御飯)
エビピラフ
ミニアメリカンドッグ
アイスカフェオレ
グレープフルーツ

眠い。
ぼへぼへと頭ボサボサのままボーっとしていたら、だんなが御飯の準備をしてくれた。すまぬすまぬと呟きつつ、テーブルにつく。
冷凍もののエビピラフを炒めたものと、同じく冷凍もののアメリカンドッグ。あとはアイスカフェオレとグレープフルーツ。

アメリカンドッグが、私は大好物だ。ソーセージにホットケーキみたいな生地をつけてこんがり揚げたアレ、動物園に行ったり屋台を見つけたりするとついつい買いたくなってしまう。ケチャップたっぷりつけて、ほのかに甘いそれを囓るのが何とも快感。
ミニサイズ12個入りの冷凍パックも、マーケットで安売りしているのを見つけて買ってきたものだった。だんな、そこで何故6個も温めるのだ。いや、嬉しいけど。

小さな小さなアメリカンドッグに、チープな味のエビピラフ。何だか良い感じ。

ピザトースト
アールグレイアイスティー

一人の昼飯。厚切り食パンににょろにょろとピザソースを敷き、トマトとピーマンと玉葱とベーコンをたっぷり敷いてチーズを乗せて、ピザトースト。アールグレイの紅茶を濃いめに出して、氷を詰めたグラスに注いでアイスティー。平和だ。のどかだ。

海老と帆立のオーブン焼き
鮭とかぶらの柚子スパゲッティ
えのきだけとソーセージのスープ
モルツ

生シュークリーム
アイスカフェオレ

なんとなくさっぱりしたものが食べたかったので、柚子醤油の味のさっぱりしたパスタ料理にすることにした。

蕪を生のままスライス。葉もざくざく刻んで、塩で揉んでおく。こんがり焼いた鮭をほぐして混ぜて、そこへ醤油と柚子酢とレモン汁とオリーブ油を適当にぶっかけておく。茹でたてのパスタを絡めればできあがり。最初にレシピを見たときは、それほど美味しくできないかもと思いつつ作ったものだったけど、なかなかどうしてこれが美味しい。塩で揉まれてくたっとなった蕪と、カリッと焼けた鮭。多めに絡んだオリーブ油が醤油と柑橘の味をほどよくなじませてくれる。今の季節より、真夏に食べたらもっと美味しいようなパスタだった。

蕪も鮭も、全てが「冷蔵庫の中身処分大会」という実状だった今日の夕飯。ソーセージとえのきだけ、玉ねぎとにんにくを炒め合わせた具沢山のスープに、海老と帆立は塩胡椒してバターを落とし、ホイルで包んでオーブンへ。魚介だらけの夕飯だ。

ちと遅めに帰ってきただんなは「美味しそうだったからー」と駅前のパン屋で生シュークリームを買ってきてくれた。握り拳大の巨大なシュークリームを食後に満喫。「さっぱり」を目指した夕食は、最終的に何となく「こってり」になったのであった。でも悔いなし。

4/12 (木)
茄子の揚げ煮 (夕御飯)
ジャムパン
コーンマヨネーズパン
アイスカフェオレ

昨夜、だんなに買ってきて貰ったパンにて朝御飯。私もだんなも何となくお互いのパンの好みは知っているので、互いに買ってくるものについての信頼感は割と高い。

私はマヨネーズ味のものと、クリームやチョコのものが好き。だんなはソーセージものとカレーパン、チョココロネあたりがお気に入りだ。袋の中には、チョコパンが2つとソーセージパン、ジャムパンとコーンマヨネーズパンが入っていた。閉店間際の全品100円均一と化していたパン屋でそれなりのものを揃えてくるのはなかなか大変だったらしい。いつもとちょっと違った選択が伺えたブツがそれを物語っている。

毒々しい真っ赤なイチゴジャムが入ったパンと、溢れんばかりのコーンの上にマヨネーズがかかったパン。自家製アイスコーヒーに牛乳をじゃばじゃば入れたアイスカフェオレを盛大に飲みながらパンを囓る。

焼き鳥丼
塩揉みきゅうり
冷茶

冷蔵庫に残る地鶏で、昼は一人うきうきと焼き鳥丼。塩胡椒を擦り込んだ肉をフライパンで1枚のままガーッと焼き、焼き上がりに醤油と味醂を垂らして少々煮詰める。急いで切り分け、白い御飯に揉み海苔を散らしたやつの上にどかんと乗せる。七味唐辛子ふって、白髪葱もちょっとばかり盛りつけて、いただきます。

きゅうりも大量に冷蔵庫にあったので、これをまな板の上に置いて塩をふり、ごりごりと転がして揉みこむ。塩でちょっとばかりくたっとなった1本のきゅうりは、なんだか学校給食で出てきたやつみたいだ。そう、確か給食で1本まるまるの塩揉みきゅうりが夏にはしょっちゅう出たものだった。カッパかコオロギにでもなった気分でいつもショリショリと喰っていたものだ。当時はあまり好きなもんじゃなかったけど。
面白いので、切らずに1本そのままどかんと皿に乗せてテーブルへ。それなりに綺麗にできた焼き鳥丼を食べつつ、丸ごとのきゅうりを片手で持ってバリバリ食べた。
ああ……やっぱり昆虫のエサみたいだ。悪くないけど。

青椒豚肉絲
茄子の揚げ煮
えのきだけとソーセージのスープ
御飯
モルツ、アイスウーロン茶

折しも、豚肉とピーマンと水煮たけのこが冷蔵庫にあったりした。そしたら、チンジャオロースを作るのが妥当というものだろう。赤ピーマンも買ってきて、色とりどりの野菜をざくざく刻む。肉には塩胡椒して醤油と片栗粉を揉み込んでおき、あとは炒めるだけ。塩胡椒とスープと醤油とオイスターソースあたりがあれば、ちゃんとそれなりの味になる……はずだ、確か。どうも抵抗があって「C○○k Do」系の市販合わせ調味料は使えない私だった。せっかく手間かけて材料刻んでも、最後にそういうもんで味付けしちゃったら、それって自分の料理とは言えないような気がする。

あとは、茄子の揚げ煮。茄子を輪切りにして素揚げして、醤油と味醂と砂糖と酢を大体同量ずつ合わせてXO醤も放り込み、熱したタレにどかどかと放り込んでいく。刻み葱と刻みにんにくと刻み生姜も混ぜ合わせて、しばらく漬け込めば完成。

ほんのちょっと塩味強めにできてしまった青椒豚肉絲は、御飯にぶっかけて食べたら丁度良い味だった。
その昔々、両親に近所の中華料理屋に良く連れて行かれた。父の好物がこの青椒豚肉絲で、いつでも必ずこの料理が出てきていたのだ。当時の私はえらく偏食家で、ピーマンはもちろん筍も食べられず、いつもいつも肉だけより分けて御飯の上に乗せて食べていた。残りの野菜は両親の皿へ。それが許されていた、わがまま放題の一人っ子だった。

さて、目の前の息子はやはりピーマンとたけのこを選り分けようとしている。
「ダメだよ、野菜もちゃんと喰いなさい。オラオラオラ。」
と喰わせる私。それでも息子の皿には肉を多めに乗せてやってたりするのだから、親ってもんはそういうもんなのかもしれない。

食後に見るは何だか久しぶりの「どっちの料理ショー」。カレーパンVSメロンパンとは、どちらもそれほど大好物とは言えない私にとって、珍しく食指が動かない対決だ。
しかししかし、メロンパンはいつから「メロン味パン」になってしまったのだろう。あのパンって、確か表面の模様が「マスクメロンに似てるから」がネーミングの由来じゃなかっただろうか。メロンは入ってないパン生地の周りに、メロンは入っていないビスケット状の生地がかぶせられていて、それを焼くとマスクメロン模様になったから、だったような気がする。どこかメロンエッセンスの香りが漂ってきたりもする、あの素朴な安っぽい味がメロンパンの信条だからして、マスクメロン味クリーム入りのメロンパンというのは私にとっては少々不気味な存在なのだった。
でも、今はそーゆーのが人気あるのよね。私は時代に迎合できない女なのでしょうか、もしかして。
(ちなみにメロンパン情報はこのサイトが凄くて圧倒されてしまうのです。)

4/13 (金)
大学学食にてビビンバ定食 (昼御飯)
茄子の揚げ煮
さつまあげ
納豆
御飯
冷茶

鹿児島土産で以前いただいた、さつまあげが冷蔵庫から発掘された。賞味期限は3日後というなかなかにタイムリーな品だ。いそいそと真空パックのそれを温める。昨夜の茄子の揚げ煮と共に並べ、御飯のお供には久しぶりの納豆。この腐れ豆は、私の大好物なのである。

いつも思うことだけど、納豆の容器ってやつは何故あんなに色々とちまちましているのだろう。
発砲スチロールの容器を開けると薄いビニールで蓋をされた納豆。ビニールの上には小さな小袋入りのタレとカラシ。ビニールを剥がし、小さな袋をちまちまといじくってタレをかけている間に、不器用な私はいつも指がねばねばねばねばしてきて困惑してしまうのだ。
いいじゃないか、紙コップに蓋したような適当な容器で。蓋をぱかっと開けて、家にある醤油でも何でもジャーッとかけてかき混ぜるというようにはできないものか。リサイクルとか環境保全とかそういう心理とは全く別の心境で、納豆の過剰包装を憎む私なのだった。ああ、美味しいけどねばねばねばねば……。

大学学食にて
 ビビンバ定食 \620

本日、お仕事。12時前に「お昼、適当に行ってきて良いですよ〜」と教授に言われたので、ふらふらと外に出る。このタイミングなら、学食であまり並ばずに食えるやもしれない。多少の勇気を携えて(←だって周囲は現役大学生のピチピチ若人だらけだ)、ぽてぽてと一人学食に向かった。

大学構内に学食は2つある。「山食」という名の昔々からある学食と、私が卒業する年にできた新しい館の中にある通称「カフェテリア」。研究室棟のすぐ裏手の「カフェテリア」に行き、入口の「今日のメニュー」のショーケースを眺めつつ定食コーナーに。今日の定食は「ビビンバ定食」、620円なり。あんまりお安くはない。カレーライスもハヤシライスも400円だ。やっぱりお安くない。ああ、でも、学食の雰囲気は嫌いじゃない。もろもろの思い出が沸き上がってくるの反面、自分の年を思い知らされたりもしてちょっと感慨深くなってしまったり。

さて、ビビンバ定食はスープとデザートがついてきた。大きなどんぶりに御飯、上にはもやしとほうれん草、肉に白菜に椎茸、そして温泉卵。それぞれ何となくナムルチックにはなってはいるけど、椎茸は何だか佃煮のような感じがしないでもない。白菜もキムチというには辛さが少なく塩味が強くて漬け物のようだ。それでも、てっぺんに乗る卵がちょっとばかり嬉しかったりして、学食の隅っこでざかざかとどんぶり飯をかき混ぜている私。

ワカメが漂う中華風のスープと、デザートは杏仁豆腐。めっちゃ美味しいというほどの味じゃなくて、それもまた学食の味なんだわぁ。

鶏じゃがさつま煮
きのこと野菜のサラダ
大根の味噌汁
御飯
モルツ

午後6時、帰宅してとりあえず米を研ぎ炊飯器をセットし、お義母さんのところへ息子を迎えに。そのまま帰ってどりゃどりゃと夕飯を作り始める。だんなは早く帰ってくるらしい。調理時間は40分ほどしかない。がんばれ、がんばれ私。

鶏のひき肉に生姜と片栗粉を練り込んで団子にして、それを醤油と味醂と砂糖と酒を合わせて煮立てたタレの中にぽんぽん放り込んでいく。こてっと絡めて煮詰めたところで、ざくざく切ったじゃがいもとさつまいもを投入。ここで水も加えて、あとは水気が少なくなるまで強火でひたすら火を通す。水気が少なくなるころには芋も鶏のだしの染みたタレを吸ってふっくら煮えている。確か小林カツ代さんの本で見たレシピだ。芋と芋で鶏団子を煮るとは、美味しそうだけど何だか変な感じ。じゃがいももさつまいもも、甘さはあるけど系統の違う甘さだ。ほくほく感もちょっと違う。似たもの同士なのにそれなりに違う味の、妙に調和のある煮物になった。やっぱり変ではあるけど美味しそうだ。

あとは、残り野菜の処分も兼ねて、盛大なサラダ。しめじとえのきだけ、絹さやレタスきゅうりピーマン玉ねぎにんじんなどなどを適当に、茹でたり切ったり千切ったりして混ぜ合わせる。ドレッシングはピエトロがお気に入り。独身時代から母が気に入って使い続けていたのが、そのまま結婚後も習慣が持ち越されて現在も使用中。ライトだの梅だの胡麻だの色々種類が増えたけど、やはりスタンダードなやつが一番美味しい……と思う。何にでも合うし。

大根の味噌汁も作った。御飯も炊けた。労働で若干疲れた身体には、やはりビールでありましょう。ビールを喉に流し込んで、生姜が効いたアツアツの肉団子を囓る。ああ……至福。

4/14 (土)
【今日の一枚】
目覚めると何故かイチゴが2パック……
鶏じゃがさつま煮
大根の味噌汁
目玉焼き乗せ御飯
アイスウーロン茶、ほうじ茶

朝9時半。思い切り夢の中だったところにピンコンピンコンと玄関チャイムが鳴った。だんながもそもそと出ていった。
「おはよう〜。そこの八百屋でイチゴが安かったものだから。はい。」
お義母さんであった。イチゴ2パックに出迎えられた、土曜日の朝。

ほどよく良い天気であったけれど、だんなは本日同僚の結婚祝いの食事会があるらしい。仕方がないので、ここは息子と近所に買い物でも行くことにしよう。冬布団をしまうために布団圧縮袋が早急に必要だ。

朝御飯は昨夜の残りと、目玉焼き乗せ御飯。
昨日からの2食続きの「鶏じゃがさつま煮」であるが、自分で作っといてやはり奇妙なおかずである。じゃがいもとさつま芋がダブルでたっぷり、なんだかデンプン質に満ちあふれたおかずだ。お腹がふくれて良いかもしれないけど、やっぱり変だぞ小林カツ代(←この人のレシピだったと記憶する)。

モスバーガーにて
 てりやきチキンサンド
 オニオンリング&フライドポテト
 ジンジャーエール

ぽてぽてと近所に買い物。布団圧縮袋も2枚1000円也のものを買ってきた。
息子と一緒に、昼飯はそのまま近所のモスバーガーへなだれ込む。普段着の家族連れやらカップル連れやらで店はなかなかに混雑。なんでも今月末にピリ辛系の新商品が出るらしい。そう記されている店内のポスターやら黒板やらを眺めつつ、私はいつものてりやきチキンバーガー。フライドポテトとドリンクのセットも注文、息子にはチーズバーガー。

「その量食えるかどうか」という問題以前に、幼児にハンバーガーを食べさせるということは困難を要する。まず、袋から美しく出すのが難しい。両手でパンと具をずれぬようにしっかり押さえて、かぶりつくのがまた難しい。手を汚さないように指をずらしつつ美しく食べ進むのもまた難しい。ましてモスバーガーのハンバーガーときたら具とパンがふわっと重なりソースもたっぷり、大人は簡単に食べることができても、なかなかどうして難しい食べ物なのだった。

「食べてみる?食べられる?」
と尋ねる私にうんうんと息子は頷き、"自分だけのハンバーガー"を堪能し始めた。
あっ、早速胸にソースを落としやがったっ。
ああっ、何故鼻の頭にケチャップがつくんだっ。
あああっ、レタスが、レタスがこぼれてるぞ膝の上にっ。
ああああっ、不器用なのに片手でハンバーグ持ったままジュースを飲もうとするんじゃないっ!

見てる親としてはヒヤヒヤもんだけど、大人と一緒のものを自分で喰ってる息子本人は至って満足そうだった。
「おいしーねぇ!」
はいはい、わかったから早く帰って着替えような。

だんなの実家にて
 鰹のたたき
 鰺のたたき
 帆立の刺身・イカの刺身・ウニ・イクラ
 大根とイカゲソの煮染め
 御飯
 ビール
 りんご

さて、買ってきた2枚1000円の布団圧縮袋は大失敗だった。掃除機でズゴゴゴゴと空気を抜き始めた途端、どこかで「ぷしゅー」と不穏な音がしたかと思うと、袋に亀裂が入ってしまった。シングル用の布団袋にクィーンサイズの冬用羽毛布団をぎゅうぎゅう詰めたのはやはり失敗だったらしい(←あたりまえだ)。

途方にくれつつふて寝していたところ、だんなが帰ってきた。本日は、だんなの実家に義弟が帰ってきているらしい。現場を飛び交う仕事に就いている義弟が帰ってくるのは長い休みの時くらいだったりするので、本日はだんなの実家で食事会。
「あーちゃん(←義弟のこと)が帰ってくるとね、おかずの数が一気に増えるんだよ」
義妹がニヤニヤとそう言っている。確かに今日の食卓は皿で溢れかえっていた。どうやら山ほどの魚介を買ってきたらしい。

大根とゲソを茶色く煮染めた甘辛い煮物に、刺身の山。葱やきゅうりを刻んだものがたっぷり添えられた鰹のたたきと、鰺のたたき。帆立やイカに、イクラやウニまで並んでいる。ビールを飲みながら、総勢7人でワイワイと食事。ビールの肴に刺身を食べまくり、御飯の上にウニやイクラを乗せて食べまくり、5合炊いたという御飯はほとんど空になってしまったらしかった。
午後10時、よれよれと強い風の中帰宅。腹一杯。

4/15 (日)
だんな謹製天津丼 (夕御飯)
カスタード原宿ドッグ
ハムコーンパン
アイスカフェオレ

近所のパン屋では、毎月15日に「600円以上購入でお皿プレゼント」キャンペーンをやっている。以前貰った皿が1枚。せっかくだから2枚目が欲しいということで、日曜の起き抜け早々、だんなにパン屋へ行ってもらった。店の思惑通りに動く我が家。情けない。

数分後に帰ってきただんなは、少しばかり眼が輝いていた。
「おゆきさん!原宿ドッグにカスタードクリーム入りのがある!」
……はい?
「しかも、チョコがけ!」
……はい?
呆れた返事を口ではしながらも、ちゃっかりそのブツをいただいている私なのだった。

ワッフル生地的な凹凸のある筒型のパンにチーズが詰まっている「原宿ドッグ」、原宿で売っているのを見たことはないような気がするけれど、何故「原宿ドッグ」と言うのでしょうか。密かに私はアレが好物だったりした。
本日だんなが発見したというカスタードクリーム入りは、チーズの代わりにクリーム入り、しかも上からチョコレートコーティングが成されている。甘いパン生地にカスタードクリームとチョコレートはこよなく合うけれど、やっぱり「原宿ドッグ」はあの安っぽいチーズの味がするのが元祖の風格ありでよろしい。

サンドイッチやノーマル原宿ドッグ、カレーパンなどなどによって、めでたくお皿が1枚増えたのだった。

ピザハットの
 ラバーズ・フォー
 焼きたてポテト
 コーンサラダ
ダイエットコーク

快晴の本日、ホームセンター日和とばかりにホームセンターで盛大に買い出し。花の苗を買ってきた。「風呂ジャバ」を買ってきた。「洗濯機ジャバ」も買ってきた。昨日のリベンジとばかり「布団圧縮袋」も買ってきた。網やゴムなど「網戸補修セット」も買ってきた。我が家の網戸は、入居したときからベキバキにぶっ壊れている。蚊どころか人まで通り抜けられそうな網戸の網を張り直すべく、だんなは苦戦奮闘してくださった。私は風呂ジャバで風呂を洗い、洗濯機ジャバで洗濯機も洗い、今度は布団もちゃんと圧縮し、花の苗を植えたりなどしてバタバタと午後を過ごす。午後3時過ぎた。腹が減った。

「だんなー、お腹が空きましたぁー。」
と網と格闘している彼に声をかけ、おやつの時間だというのにしっかりと昼御飯。「ラバーズ・フォー」なるピザはシーフードスペシャル、アイダホスペシャル、シシリア風ピザ、バーベキューチキンの4種盛り。止せばいいのに、「チーズクラスト」なるボリュームのある生地で注文。割引クーポンでポテトとサラダもついてきた。ああ、4時前だといのにこんな時間にこんなに喰っていいのか。

じゃがいもが乗ってたり、茄子とミートソースのこってり味のものだったり、照り焼きチキンが乗ったちょっとあっさりめのがあったりとバラエティに富んではいるけど、どれもこれもやはりジャンクな味なのではある。おまけに生地の端までチーズがたっぷり。空腹には嬉しいピザだったけど……ああ、もう8時だというのに全然お腹空かないじゃないか。夕飯が食えないじゃないか。(夕飯を食わない、という選択肢はあんまり無い)

だんな謹製天津丼
だんな謹製中華スープ
モルツ、アイスウーロン茶
イチゴwith牛乳・コンデンスミルク

だんなはスーパーの総菜売り場で「蟹玉」を見かけ、食べたくなってしまったらしい。
「今晩は、天津丼にしませんか?」
と提案してきた。淡い酢と砂糖の味がするタレのかかる、基本醤油味の天津丼が彼の好みだ。筍や長ねぎ、椎茸もたっぷり入る蟹入り卵焼きを作って御飯に乗せて、グリーンピース入りタレをぶっかけて食べる。

「よりその料理を愛する者がその料理を作るべし」
の我が家の掟にのっとり、だんなが鍋をふるう天津丼。まずは御飯は抜きの「蟹玉」を作り、ビールを片手に1枚つまむ。2枚目はお茶とスープを傍らに山盛り御飯で。ほの甘く、ほの酸っぱいタレの味もばっちりの、半熟卵が美味しいナイス天津丼だった。
スープは、椀に顆粒鶏ガラだしと刻み葱と胡麻油を入れ、湯を注いでかき混ぜるだけの自家製インスタント。胡麻油を垂らすだけで、顆粒スープのインスタント臭さが少しだけ薄まる。お手軽だ。

私もちょうど、蟹料理が食べたくて仕方なかったので嬉しい献立だったのだった。
何故ってここ数日で『ギャラリーフェイク』(細野不二彦・小学館・1〜21巻(以下続刊))を全部読み返したから。漫画である。贋作専門画廊のオーナーが主人公の、専ら美術に関する題目ばかりの漫画である。なぜ、蟹か。そりゃー、読めばわかりますって。特にカニチャーハンが食べたくなること、うけあいなのだ。

(読み返しのキッカケは、4/21から東京都美術館で開催される「アール・ヌーヴォー展」の案内。ルネ・ラリックの「蜻蛉の精」なるブローチの写真を、この漫画の中のどこかで見た記憶があったので必死に探していたのだった。結局全部読み返していたという次第。この展覧会は行かねばならぬ。ステキな展示がいっぱいだ。むふふー。)