食欲魔人日記 01年04月 第4週
4/23 (月)
山本屋本店(名古屋駅地下街)にて「味噌煮込みうどん」 (夕御飯)
名古屋駅そば 喫茶「ロンシャン」にて
 小倉トーストセット \500
 (アイスティー・小倉トースト)

名古屋2回目の朝。「今日は、小倉トーストを食べに行こう」と午前8時過ぎのホテルを抜け出した。
小倉トーストを食べるのに電車に乗っていくのも少々馬鹿らしいということで、名古屋駅周辺の喫茶店を順々に覗いていく。ビルの地下1階、地下2階などに並ぶ飲食店街に点在する喫茶店はおおむねオープンしており、「モーニングセット」の文字が見てとれる。

店頭の「小倉トースト」の文字を確認して入った最初の店は、注文すると「あいにく切らしておりまして〜」とのこと。小倉トーストが食べたいんですごめんなさい、とそのまま1軒目の店は辞して2軒目へ。「ロンシャン」という名の小さな喫茶店は、客が5〜6人ほど入っていた。小倉トーストセットは500円。ドリンクと小倉トーストのセットだ。だんなの頼んだモーニングホットドッグセットは450円でドリンクとホットドッグとゆで卵のセット、息子用のモーニング卵サンドセットは500円でドリンクと卵サンドとゆで卵のセットとなっている。

小倉トーストは、サンドイッチ用の薄切り食パンがバタートーストにされており、その2枚の間に粒あんがたっぷりと挟まれているものだった。厚切りトーストにあんこが添えられる姿をイメージしていたので、この「シベリアパン」じみた光景に一瞬たじろぐ。あんこたっぷりだ。

薄いパンはサクサクで、バターの香りも濃厚だ。間には甘い甘い粒あんがどっしりと詰まっている。和菓子のようなパンは、だけどバター臭くもあってちょっと奇妙な感じではる。いや、美味しいんだけど。

アイスレモンティーをずるずると啜りながら甘い甘いパンの朝食。

名古屋市車道 「喫茶ユキ」にて
 イタリアンスパゲティー \650
 ミックスジュース \450

名古屋名物としてあまり名が通ってないものではあるけれども、私(というよりだんな)が食べたくて仕方のないものがあった。その名も「イタスパ」。鉄板に溶き卵を流して焼き、そこへナポリタンスパゲッティを乗せたパスタ料理だ。喫茶店にあるメニューということだけど、どのへんにあるものなのかさっぱりと分からない。仕方がないので、『るるぶ』を見て知った、イタスパ発祥の店に行ってみることにした。ここならば確実にイタスパが喰えるはずだ。

「喫茶ユキ」は、栄から2駅離れた「千種」もしくは「車道」駅の中間あたりにある。繁華街からはちょっと離れたエリアだ。駅を降りると、もう生活圏の商店街、という感じの古びた小売店がつらつらと並んでいるような町並みだった。細い通りをてくてく歩き、町並み以上に古びた感じの喫茶店に辿り着く。赤いランプシェードがかかったライトがゆらゆらとぶら下がり、壁には木彫りの魚の額や、亀の大きな壁掛けなどなど。賞状入りの額がかかり、人物画がかかり、なんというかしっちゃかめっちゃかな内装だった。どこか懐かしいような、時が止まったままの喫茶店、という感じ。

客は他に誰もいない。私もだんなも当然注文した「イタリアンスパゲティー」が奥に伝えられるや否や、奥から包丁のトントンという音が聞こえてきた。上方に設置されたテレビからは、えんえんとこちらのローカル放送らしきドラマが流されている。昔の刑事物ドラマの再放送のようで、場面は裁判所で容疑者の追及シーンというところ。検事や弁護士が愛知弁をしゃべっている。
「おみゃあさんは、犯人だにゃぁて…………だも。」
「そぎゃぁこと……」
「ホントの事を教えてちょ。」
……ディープだ。

ほどなく奥からジュージューと野菜を焼くような匂いと音がし始めて、そのうちジュクジュクと音を立てるアツアツの鉄板が木皿に乗せられてやってきた。ナポリタン然としたケチャップ色のパスタの下には半熟卵。スパゲティの上には格子に飾り切りされた真っ赤なウィンナー。すばらしい。これがイタスパか。

良く炒められたスパゲティーは、熱い鉄板の上でなおも火を通されてこんがりと焼き目がついていっている。具は玉ねぎにピーマンにキャベツに豚肉、ころころとグリーンピースも入っている。そして真っ赤なウィンナー。味はごくごく普通のケチャップ味だけど、半熟の卵が絡んで何とも良い感じ。どこか懐かしいようでボリュームのある昼御飯だった。
家でも鉄製フライパンを使えばできなくもなさそうだけど、このステーキ用鉄皿みたいなのが良いのだ、きっと。

食べ終わり際に来たのがミックスジュース。バナナとリンゴの味がメインの素朴なジュースには、しっかりと小皿に乗ったかっぱえびせんが出てきたのであった。さすが名古屋だ。

グラマシーニューヨークの
 パンナコッタ
アイスカフェオレ

今日は、だんなはお仕事。かなり早めの昼食を取った後、栄で別れる。
私は息子と「せっかくだから」とわけのわからない理由をつけつつテレビ塔などを見物しに行き、帰りに名古屋駅グラマシーニューヨークでまたもやケーキを買ってホテルに戻る。今日は息子の3歳の誕生日なのだった。

お祝い用のショートケーキは3つ買ってきたものの、ホテルに戻った直後に食べようと、パンナコッタも買ってきた。仕事中のだんなに「すまん」と心中謝りつつ、1つのパンナコッタを私と息子で半分こ。

バニラビーンズがたっぷり混ざったぷるぷるのパンナコッタはホイップクリームとアーモンド、キャラメルソースが添えられていた。大きな紙皿に盛られたそれを、ケーキ屋さんが入れてくれたスプーンで息子と二人寄ってたかって食べる。ううう、この地域にしかない他のケーキ屋のも食べてみたいのに、ついついここが気になっちゃう。美味しいなぁ。

名古屋駅地下街 山本屋本店にて
 名古屋コーチンねぎま
 帆立入り味噌煮込みうどん(春味)
 ビール

名古屋最終日の夕飯。ここは味噌煮込みうどんを食べようということに。「山本屋本店」がその大手なのであるらしい。本店は地下鉄に乗っていかねばならないところにあるが、名古屋駅前の地下にも支店があるということだ。本店に行きたいという気持ちもあったが、だんながホテルに帰ってきたのが午後6時15分ほど、しかも空腹極まりないということで近場で済ませることにした。

地下街一角にある店はカジュアルな雰囲気ながらモダンな感じの椅子とテーブルが並んでいる。味噌煮込みうどんは1600円くらいから。名古屋コーチンが入ると一気に2100円になる。御飯つきが2200円。

私は正直、ちょっと昨日の味噌カツとどて煮を食したことで「八丁味噌がお腹いっぱい」状態になっていた。メニューに「軽めの味噌煮込み、"春味"がでました」なんて書いてあるのを見て、ついついそちらに流れてしまう。あの甘く濃い味のうどんを1人前食べる自信がなかった当時の自分が情けない。

まずはビールを飲みつつ名古屋コーチンの焼き鳥を出してもらう。2串で950円とめっちゃめっちゃお高いけど、長い葱とでかい鶏がぶっすぶっすと刺さった豪快な串焼きが出てきた。味のある塩がしっかりとふってあり、なかなかに美味しい。
テーブルの上には突き出しの「ふき味噌」と漬け物の盛り合わせが並んだ。漬け物は白菜ときゅうり、きゃらぶきの3種類で、どれもやや薄味でなかなか良い味。

そして、待望の味噌煮込みうどんだ。だんなのはテラテラと赤く光る「これぞ味噌煮込みうどん」然としたもの。私のは白味噌仕立てのいたくあっさりした感じのもの。具は葱やワカメ、名古屋コーチン、かまぼこなどなど。私のには帆立もごろんごろんと入っている。そして上には生卵がぱかんと。
ねっとりした味噌でアツアツのうどんは、鍋の蓋を椀代わりにしてよそいながら食べる。そうできるように、鍋の蓋には通常開いている空気穴がない作りになっている、ということだ。

白味噌仕立ての春味煮込みは、そりゃもうさっぱりとしていて旨味も濃厚な味は確かに美味しかった。美味しかったけど、これは「味噌煮込みうどん」とはやっぱり違うものだ。だんなの鍋から奪っては、赤い味噌の絡むうどんをずるずると啜る。甘くほの辛い味噌。飲み込むとその後から舌の根から喉にかけて味噌の苦いような後味がじわーっと広がるこの味、これがやっぱり味噌煮込みうどんの味だ。濃厚な濃厚な味のだしは、それだけ飲むと何とも喉が乾いてくるので白い御飯を口直しにしながら、というか御飯のおかずに味噌のだしを飲みながら、食事を進める。お代わり可能ですよ、という店員さんの声に、しっかり1膳お代わりしただんなであった。

ああ、旨かった旨かった。だんなの赤味噌スタンダードな味噌煮込みうどんが特に。
何だか悔しいから明日また食べに行っちゃおうかしら、味噌煮込みうどん。

グラマシーニューヨークの
 ショートケーキ
アイスカフェオレ

今日は息子の誕生日。
午後8時過ぎにホテルに戻った私たちは、少々してからケーキでささやかに誕生日祝い。ローソクもなし。とりあえずプレゼントも延期。お祝いディナーというほどのものもなし。全て帰宅してからに延期して、今日のところはささやかにお祝い。

すっかり気に入った例の店で買ってきたショートケーキは、1人1個サイズの小さなもの。小さな丸いスポンジにたっぷりの苺とホイップクリームが盛られ、更にスポンジとクリーム。上には苺とラズベリーとブルーベリーが綺麗に飾られている。シンプルだけどクリームの味がとても良くていくらでも喰えそうなケーキだった。

明日は、できることなら1日に3回焼き上がるというホールのチーズケーキを買って帰りたいものだ。「予約できますか?」と聞いたら「できません」と言われちゃったのだ。焼き上がり時間に行けってか。大変なことだ。

4/24 (火)
スパゲッティハウスヨコイ(栄)にて「ミラカン」 (おやつ)
ホテルそば コーヒーハウスかこ にて
 アッサムティー + モーニングセット \750

ホテルのそばに、コーヒーの美味しい喫茶店があるらしい。朝7時半からモーニングサービスもやってるとのことで、最後の朝をホテルから徒歩1分のそこで過ごすことにした。

コーヒーの良い香りがするお店は渋い木製の床。カウンター席の他に、テーブル席が20席分はあるかという感じの喫茶店だった。入り口そばの円形ソファの席に座り、メニューを眺める。朝は飲み物全てにトーストがついてくる。250円足せば、トーストがハムサンドになったり、ハムエッグが追加されたり、フルーツの盛り合わせが追加されたりする。

私はアッサムティにトーストとハムエッグ、だんなはブレンドコーヒーにハムサンド、息子はアイスココアにトースト。しばし待つと、ポット入りのお茶とトーストがやってきた。たっぷりのバターが塗られたちょっと薄めのトーストが1人1枚。だんなのハムサンドは、レタスも挟まった凝った感じのものだった。ふわんとしたパンにハムと野菜が優しく挟まれている。ハムエッグにはトマトやキュウリの乗ったサラダもついてきた。うーん、いいわー。モーニングセットだわー。

中区栄 山本屋総本家の
 親子煮込みうどん

今日もだんなはお仕事。朝食の後仕事に向かっただんなを息子と一緒にホテルから送り出し、チェックアウトした後は息子と二人で名古屋散策。昼御飯は、昨夜「春味」なる薄味の煮込みうどんを食べてしまったことへのリベンジにと、今日こそ本場の味噌煮込みうどん。本当はきしめんを食べに行こうと思っていたのだけれど、中途半端な味噌煮込みうどんを食しただけで帰ることは私の矜持が許さないのだった。一体どんな矜持なんだ。

しかも、昨夜は「山本屋本店」なるところのものを食べたのだが、これがてっきり発祥の店かと思っていたところ、発祥の店は別に「山本屋総本家」なるものが別店にてあるらしいのだ。暖簾分けしたのか喧嘩したのかわからないけど、とりあえず味も違うものであるらしい。改めてこちらの店の味噌煮込みうどんを食べるためだけに、私は息子を連れて今日も栄の駅に降り立ったのであった。

裏通りをてくてく歩いて駅から5分ほど。古くさい暖簾のかかる、小さなビルの前に辿り着いた。時間は開店直後の11時5分。客は1組の男性客がいるだけだった。ベンチになっている木製椅子に腰掛けて、「名古屋コーチン入りのが食べたいのですが」と尋ね、"かしわ"と"親子"の2種類から親子をいただくことにした。しばし、待つ。

ほどなく、グラグラと煮え立った汁がたっぷりの土鍋がやってきた。穴のない蓋も昨日と同じ。黒々としたスープには生卵が1個落とされており、中にはうどんと名古屋コーチンの他、長ねぎや油揚げ、かまぼこなどが味噌色に染まって沈んでいる。そうそう、この濃厚な味噌の香り。これこそ味噌煮込みうどんだ。

一口啜ると、あまり甘さが感じられない。見た目よりもさっぱりとした、飲みやすいスープだった。コクはあるけどくどくなくて、私のような赤味噌初心者(←どんなだ)でもズルズルと飲める汁だ。うどんはかなり歯ごたえのある、縮れのないまっすぐな麺。固いけれどもコシがあるという感じでもなく、歯を押し戻すことなくプツンプツンと切れていくという感じだろうか。讃岐うどんのような伸びます伸びます、みたいな食感ではないけれど、濃い味噌味のスープには案外とこういうのが似合うのかもしれない。

人が美味しく食べている脇から、息子が「ちょうだいちょうだい」と催促してくる。いつもは椀1杯分も与えれば満足するくらいであるのに、今回に限っては「もっと、もっとちょーだい、スープもちょーだい。」と大騒ぎだ。結局麺を7割ほどとスープも4割ほど彼に持って行かれてしまったのだった。ああ、こうなるのなら、味噌おでんと御飯も注文すれば良かった……と思っても後の祭り。

名古屋駅前セントラルタワーズ内 potager cafeにて
 ココナッツミルクアイス
 アイスティーオレ

午後2時、めでたく仕事を終えただんなと合流。味噌煮込みうどん摂取後の喉の乾きを癒そうと、皆で揃って駅ビルの上の喫茶エリアへ向かう。駅ビル12階には「インドアガーデン」なる、屋内でありながら花や樹木がわんさと植えられたコーナーがある。それを囲むように並ぶ喫茶店群の中から奥まったところにある1軒を適当に選んで入る。お茶だけにするつもりが、思わずマンゴーソースのかかったココナッツミルクアイスなんか喰っちまったりなんかして。

ココナッツの匂いが濃厚なこってりしたアイスに、これまたこってりした感じのマンゴーソースがたらんとかかっているデザートを皆でつつく。

中区栄 スパゲッティ・ヨコイ 住吉店にて
 ミラカン

私たちの名古屋旅行は、あんかけスパにはじまりあんかけスパで終わる。別にそう決めていたわけじゃなかったけれど、結果としてそんな感じになってしまった。
名古屋最後の御飯は(って、3時間ほど前に昼御飯を食べたような気がするけれど)、あんかけスパゲッティーの始祖、「ヨコイ」だ。栄駅を降りて歩いて4分ほどの小さなビルの2階にある住吉店を目指す。

午後3時過ぎて、客はほとんどいない。店員の茶髪のおねえちゃんたちが暇なのか単に子供好きなのか、やたらと息子にかまってくれる。はしゃぐ息子を横目にして待つこと数分、あんかけスパがやってきた。私は「ミラカン」、だんなは「ミートボール」。私のは真っ赤なウィンナーとベーコン、ハム、ピーマン、マッシュルーム、玉ねぎを炒めたものが、炒めた麺の上にかかっている。周囲にはあの独特なとろんとした赤いソースだ。だんなのは、ミニハンバーグ3個と目玉焼きが乗っていた。同じく周囲には赤いソース。ああ、これが元祖の貫禄か。

胡椒の粒々らしき黒い点々が混ざるソースは、日頃愛用しているレトルトパックのソースとほぼ同じ味だった。ピリリと辛さがあり、ほんのりとした甘さがある。ケチャップのようでケチャップでなく、ドミグラスソースのようでドミグラスソースじゃないソース。真っ赤なウィンナーとたまらなく似合うソースだ。

スパゲッティーには、小さな木皿に乗ったサラダもついてくる。千切りキャベツのマリネに懐かしいような味のポテトサラダ。

初日に行った「チャオ」には「チャオ」の良さがあって「ヨコイ」には「ヨコイ」の良さがあった。名古屋においては漫画喫茶ですら、供されているあんかけスパなのだ。町を歩いていると、他にもあんかけスパ屋がいくつかあった。洋食屋さんらしき店頭でも「今日のランチ:帆立のスパゲティー」と飾られたその見本はどうみてもあんかけスパであったりした。もっと食べ歩いてみたかったなぁ、あんかけスパ。

名古屋駅前高島屋内 甘味喫茶にて
 白玉ぜんざい
 アイスグリーンティー

午後5時半の新幹線で帰ることにし、それまでの1時間ほどを土産物探索に費やす。怪しげなお菓子も買ったし、「グラマシーニューヨーク」のチーズケーキも首尾良く購入できた。ういろうに、味噌煮込みうどんに、味噌ソース各種。出発まで少々時間が余ったので、デパート内にあった甘味喫茶で最後の休憩。

昼11時に味噌煮込みうどん喰って、その4時間後にスパゲッティー喰って、その1時間後に喰うもんじゃないよなー、と思いつつ白玉ぜんざい。

駅弁 名古屋ひつまぶし釜めし
麦茶

新幹線の時間まであと15分。
「駅弁、買う?」
とだんなへ尋ねた私の心境は、"まさかこの期に及んでこれ以上喰ったりしないよね?"という確認だったはずだ。
しかし、返ってきたのは
「……やっぱりチキンカツ弁当だよなぁ……」
という非情な一言。しかも味噌ソース。だんなはまだまだやる気だった。

後から聞くところによると、彼は彼で"おゆきさん、まだ喰う気なのか……"と思っていたのだとか。お互いそう思ってんなら、「じゃあ私はひつまぶしね」とか会話を続けなければ良いのである。何故2つの弁当ぶらさげて電車に乗るのか。2時間前にスパゲティー喰っておいて。

名古屋を出た"ひかり"は、浜松と静岡に停車して東京へ向かう。静岡に到着する少し前、バサバサとビニール袋を開いておもむろに弁当を喰い出す私たち。
茶色い御飯に短冊に切られた鰻がみっしり並ぶひつまぶし弁当。タレの入った小さな容器と別添の刻み海苔がついてきた。まぁまぁ旨いけど、でも、刻み葱とワサビと熱いだしが無ければひつまぶし弁当はひつまぶし弁当として完成しないのではないか。

「そのお茶かけたら、ちょっとはそれっぽくなるかなぁ……」
とだんなの飲む熱いお茶のパックを眺めながら言うと、
「いいじゃない?かければ?」
と快い返事が返ってきた。……やっぱ止めとくわ。なんか、違うのよ。

かくして午後7時半着の東京目指して、新幹線はずんどこ進んでいくのでありました。
4日間で喰ったもの。
あんかけスパ×2・味噌煮込みうどん×2・ひつまぶし・味噌かつ丼・天むす・手羽先・イタスパ・小倉トースト・モーニングセット・モーニングサービス(←これって食い物でいいのか、はたして)。
ああ、ラーメンのスガキヤは行けなかったし、そういえばきしめんは食べ損ねたし、台湾ラーメンなんて名物もあったのであった。まだまだ名古屋攻略は遠き道のりになりそうな予感。日本モンキーパークや東山動物園にも行ってみたかったし。

4/25 (水)
名古屋土産、「えびふりゃ」と「みそかつ」 (夜のおやつ)
名古屋土産しゃちほこ焼き(あん・カスタード)
抹茶入り玄米茶

旅行帰りの朝。ああ、やはり自宅が一番ね(←とか思うくせにまた旅行に行くのよ……)。
確かここは我が家で、名古屋から帰ってきているはずなのに、何故か名古屋ものに溢れている状況はどうしたことだ。

テーブルの上には、昨日列車の中で食べようと思って食べられなかった「しゃちほこ焼き」。
冷蔵庫の中にはお菓子の「えびふりゃ」と「みそかつ」。及びグラマシーニューヨークの「ニューヨークチーズケーキ」。
更に食料庫の中には「矢場とん味噌ソース」「コーミ製 ごまみそとんかつソース」「ナカモ製 つけてみそかけてみそ」「キッコーマン みそだれ(八丁味噌使用)」。
別に我が家の調味料をすべからく醤油ケチャップソースから味噌に変更しようという意図はないのだが、何だか壮絶なことになっているのであった。なんでこんなに味噌ソースがあるのだ。

とりあえず、朝食は「しゃちほこ焼き」を喰うことにした。名古屋駅ビル地下で売られていたそれは、人形焼きのシャチホコ版とでも言うべきもので、あんことカスタードの2種類、1つ90円だった記憶がある。
ちょっと甘い生地の中にはあんこ、そして甘くテレンと光るカスタードクリーム。少々固くなっていたのでレンジで温め、熱いお茶と一緒にいただいた。反り返ったシャチホコのラインは妙にキュートで、そしてけっこう巨大なのであった。お腹いっぱい。

卵御飯 with 焼き海苔
大根と油揚げの味噌汁
抹茶入り玄米茶

怒濤の洗濯、及び旅行記の作成などをして過ごす、今日は一日中雨だ。
昼は「普通のものが食べたい。とりあえず味噌じゃなくて。」と買ってきたばかりの卵を御飯にぶっかけて食べる。醤油を垂らして、焼き海苔を用意して御飯をくるみながらばくばくと。何だかシンプルな醤油の味は久しぶりのような気すらしてくる。
大根と油揚げの味噌汁と、日本茶。

M井さん来たりて宴会
 茄子の揚げ煮
 野菜入り鶏そぼろ
 セルフ串揚げ(味噌かつ・うずらの卵揚げ・ウィンナー揚げ・カマンベールチーズ揚げ) with キャベツ
 大根と油揚げの味噌汁
 ビール、アイスウーロン茶

 「グラマシーニューヨーク」のニューヨークチーズケーキ
 えびふりゃ・みそかつ
 アイスカフェオレ

私と息子の誕生日が今月だったということで、我らが友人、M井さんが遊びにやってきた。手には大きな袋を持ち、中からタブレットが登場。誕生日祝いに、Photoshopなどでのお絵描きがやりやすいようにとプレゼントしてくれたのであった。ありがとうM井さん。

もてなしは、買ってきたばかりの名古屋味を満喫していただこうということで、セルフ串揚げ。
カツ用の豚肉を一口サイズにして串に刺し、ついでにうずらの卵、ウィンナー、カマンベールチーズも用意。小麦粉と卵、パン粉を入れたトレイを用意しておいて、各自食べたいものを自分で揚げる仕掛けにした。これなら揚げたてが自由に食べられる。楽しいし。

カツには当然、矢場とんの味噌ソースだ。案外とサラリとしたソースはお店の味と同じ。カツにたっぷりと垂らして食べる。うずらの卵はウスターソースなどでつまむ。カマンベールチーズのフライはチーズが溶けすぎないように衣の色が変わる程度にサッと揚げるのがポイントだ。衣の中から溶けたチーズがとろーんと出てきて、これまためっちゃめちゃ美味しい。

大阪の串揚げ屋には、キャベツをざくざく切ったやつがあったりして、これを串揚げの合間に口直しとして食べる。真似して大きな器にキャベツを入れておくと、だんなもM井さんも大喜びだった。
「味噌ソースつけるとうめー!」
とだんなはバリバリと喰い、M井さんはM井さんでカツを食べるのを忘れてもくもくとキャベツばっかり喰っている。あなたはウサギか。ウサギなのか。

セルフ串揚げをしたのは初めてだったけど、こんなに美味しくて楽しいものだとは思わなかった。アツアツが食べられるのが嬉しいし、皆でわいわいと串持って動くのもまた楽しい。調理する人一人だけが必死こいて揚げて、しかも大量に揚げられて冷めたやつを皆で食べるよりよほど美味しく楽しい。
「油の温度が上がりすぎて焦げたぁ〜」
「あああっ!串が鍋の中に落っこちた!」
「チーズ1つ残ってるけど誰か食べる?」
と大騒ぎしながら串揚げ会。またやろう。

食後に、昨日苦心して買ってきたチーズケーキとお菓子を出す。ワンホール1500円のチーズケーキは、ふわっと柔らかいのに濃厚なチーズの味がしてめっちゃめちゃ美味しかった。満腹なのにいくらでも食べられそうな味だ。

そして、「えびふりゃ」と「みそかつ」。
なんでもJR東海が運営しているお菓子屋さんなのである。店の名前は「なごや菓じまん」。朝のしゃちほこ焼きもここで売っていたものだ。「えびふりゃ」はクリームの入ったシュークリームチックなもの。ちゃんとしっぽもついている。「みそかつ」もチョコレートがかかった焼き菓子だ。どちらも見かけが海老フライ及び串味噌カツにそっくり。だんなが職場の同僚に買っていったら馬鹿ウケされたそうな。
味の方は……普通というか何というか。パン粉大量にかけてフライのように見せるために味は犠牲になっちゃったのねー、という感じだった。でも、面白いから許しちゃうのだ。こういうくだらないもの、大好きなのだー。

4/26 (木)
鶏そぼろ丼 (夕御飯)
チーズトースト
ハムエッグ
レタスのサラダ
カフェオレ

宿泊したM井さんと共に総勢4人で朝御飯。テーマは「モーニングセット」。まだまだ名古屋文化が身体から消えない私である。

厚切りトーストにはチーズも乗せて焼き、大皿にハムを敷いた上に焼きたての半熟目玉焼き。にんじんや玉葱が入るレタスのサラダもどかんと盛りつけた。コーヒーを入れて、焼きたてのトーストを皆で囓る。チーズトーストにハムと目玉焼きを乗せると、豪華オープンサンドという感じ。

「グラマシーニューヨーク」のニューヨークチーズケーキ
牛乳

さすがに、この4〜5日ほどは食べ過ぎているような気がする。昨日もたっぷりの揚げ物を食べてしまった。味噌ソースつけて。

少しは節制しようと、昼飯は小さく切ったチーズケーキ。チーズケーキが節制になっているかどうかはおおいに謎だ。
ふわりと柔らかく、そのくせフォークに絡まるねっとり感があり、食感は軽いのに食べ応えがあるチーズケーキだ。妙に美味しい。透明なプラスチックの箱にはレシピの分量が英語で書いてあって、それによるとクリームチーズやカマンベールチーズ、それにサワークリームが相当量入っているようだった。なんでも、生クリームをかけたり好みのフルーツを飾り付けて食べるのがニューヨーク風なのだとか。でも、何もかけずに喰う。私はこういうケーキはシンプルに食べるのが好きなのだ。もぐもぐ。

鶏そぼろ丼
大根の味噌汁
抹茶入り玄米茶

当初の予定は「海老とルッコラのスパゲッティ」。刻みトマトをオリーブ油で炒めて絡め合わせるさっぱりしたパスタにしようと思っていた。材料も買ってきていたけれど、だんなから「遅くなりそう」との電話。パスタは延期して、残りものでごくごく簡単な夕飯にすることにした。

鶏そぼろは醤油と味醂と砂糖で甘辛く煮付けてある。椎茸やにんじん、玉ねぎ長ねぎをざくざく入れて作ったやつだ。昨夜作ったものだから、茶色く味が染みこんで何とも良い感じ。ほかほか御飯にぶっかけて食べる。
「さっぱりとね、軽めにね」
とか言いつつ、御飯お代わりして喰ってるのである。駄目じゃん……。

4/27 (金)
おかーさんの筍御飯 (夕御飯)
冷凍ジャージャー麺
プーアル茶

我が家の冷凍庫に大変怪しい品々が詰まっていた。入手はもちろんだんな経由。彼は冷凍食品の特売日などに何かと怪しい品々を買ってくる。今朝の御飯はジャージャー麺にあんかけ中華そば。どちらも冷凍食品だ。ジャージャー麺は袋の中に麺も具も入っている。丸ごとレンジでチンだ。あんかけそばは、具はレンジでチン、麺は袋のまま湯で温める。ジャンク色溢れた朝食だ。甘ったるいジャージャー麺は麺がびたっとくっついていて四角いままのその麺に肉味噌が四角くかかっている。あまり美しい見かけとは言えない。味は……まぁまぁ。

同じくテラテラと光る中華あんのかかる麺も、何とも安っぽい味がした。
「……俺が作ったほうが旨いな。」
「……そだね。」
とか言いながら、そのジャンクな味が実は悪くなかったりして。

チョココロネ
メンチ卵パン
牛乳

本日、お仕事。ゴールデンウィークの休みに入るので、やらねばならない仕事が盛り沢山。パソコンに溜まるファイル整理とバックアップをしようにも、この部屋に溜まる一方の書籍とフロッピーディスクの山はどうすりゃ良いのか。
「あの〜、先生。バックアップ作業ですが、フロッピーじゃなくてCD-ROMに焼くのはどうかな、と。」
「ん?それ、どういうの?」
「えーと、この、今あるマシンはCD-ROMのデータを読み込むことしかできないのですが、専用の機器を買い足せば、CDに書き込むことが可能になります……フロッピーよりは便利じゃないかと」
「ん〜、良いじゃないですか?早速買ってきてください。」
買ってきてください、ってセンセ、大根やニンジン買うんじゃないんだから。

で、先生のご希望どおり大根いやCD-Rを買いに生協へ。購入手続きを済ませて、ついでに昼飯はパンを買ってきた。チョココロネと、コッペパンにメンチカツと卵サラダが半分ずつ詰まっているものを購入。こういうものを食べるときはやはり牛乳、と500mlのパックも買った。パックのままぐびりぐびりと牛乳を飲む。

海老のエスニック酢豚もどき with ルッコラ
おかーさんの筍御飯
卵とさやえんどうの吸い物
モルツ、アイスウーロン茶

息子を預かってくれているだんなの実家に息子を迎えに行ったところ、
「筍御飯を作っているのよー」
とお義母さん。しばらく居間に座して炊けるのを待つ。3合ほどもあろうか、たっくさんの筍御飯をタッパーに詰めてもらって、帰宅。夕御飯のメインは筍御飯と相成った。合わせて溶き卵入りの澄まし汁も用意。

スパゲティにしようと買ってきた海老とルッコラは、おかずにすることにした。XO醤で炒めた海老はスープと酢と砂糖とナンプラーで味をつけ、酢豚に似た味の甘酸っぱい炒め物に。生のルッコラと絡めて食べると、適当に作ったわりには良い感じのビールにつまみになった。

筍がざくざく入る炊き込み御飯は油揚げとにんじん入り。小さなタッパーに入れて持たせてくれたのは、木の芽の塩揉み。色は悪いけど、その香りと塩気が筍御飯にとても良く似合っていた。皆でタッパーからざくざく盛りつけてざくざく食べる。筍料理は、春の味〜。

4/28 (土)
自家製「ミラカン」 (昼御飯)
チーズトースト
炒めソーセージ・ベーコン
アイスカフェオレ

今日から大型連休だ。だんなもきっちり5/1〜2も休みを取った。その本来平日の期間を狙って今年は箱根に行って来る。それ以外の予定はなし。
「ねーねーねー、有明でイタリアフェアやってるよー。」
「ねーねーねー、幕張ではペットショーだってよー。」
新聞を眺めながらゴロゴロしている今日の予定はなし。起床も10時。

朝御飯は、パンとコーヒー、ついでに残りもの処理のソーセージ類。ベーコンとソーセージを炒めたやつを皿に盛り、食パンはバターを塗ってチーズも乗せてチーズトーストに。ああ、のどかだ……。

自家製「ミラカン」
カルピス

「お昼はヨコイ?」
「やっぱりミラカン?」
と、確か4日前に名古屋のお店で喰ってきたにも関わらず、おもむろにヨコイ製のレトルトパックを温め始める。名古屋名物あんかけスパと言ったら「ミラカン」がそのスタンダードなメニューであるらしい。「ミラネーズ」はソーセージやベーコンを炒めたものを乗せたやつで、「カントリー」が野菜炒めを乗せたもの。それを合わせたものが「ミラネーズカントリー」略して「ミラカン」となったそうな。具はピーマン玉ねぎマッシュルーム、ハムソーセージベーコン、といったところが基本だ。材料揃えてざかざか炒め、茹でた独特の太麺はバターで炒める。盛り合わせて、レトルトのあんかけソースを周囲にどろりと。使用するソーセージは、「身体にとっても悪いです」みたいな色の真っ赤っかなやつが望ましい。これこそミラカンだ。

「おおおー!まんまだ!」
「まんま、名古屋の味だ!」
妙に感動を覚えつつ麺をすする私たち。ピリ辛のソースに野菜やソーセージの炒めは良く似合う。

冷蔵庫の中には味噌かつ用ソースがまだ残っているのだ。明日の昼は味噌カツ丼予定。まだまだ名古屋熱が抜けきらない私たちなのであった。

茹で枝豆
ハムとレタスのサラダ
モルツ

鶏肉のクリーム煮
御飯
アイスウーロン茶

スイカ

枝豆が1袋100円。お義母さんから今年初めてのスイカも貰ってしまったりと、どことなく初夏の気分が溢れる食卓になってきた。夏は枝豆だ。ビールだ。んでもって、窓開けて蚊取り線香でテレビで野球観戦という感じだろうか。デザートには当然スイカ。

鶏肉のクリーム煮が食べたいね、と鶏肉を玉ねぎなどと一緒に炒めて白ワインを少々ふりかけてクリーム煮に。生クリームをたっぷり使った汁気の少ないシチューっぽいものを作成。

食事の準備をしていたところ、CS放送で名探偵コナンの劇場版をやっていることが発覚。すみませんコナン大好きなんですごめんなさいごめんなさい、とそのまま居間に座りこんで見始めてしまう。ビールを居間に持ってきて、ついでにつまみの枝豆とサラダも持ってきて、お行儀悪く畳の上で食前の酒盛り。サラダは、レタスの葉1枚まるごとを丁寧に剥がしていった大きなやつにハムと玉ねぎやにんじんを乗せて、マヨネーズをにゅるりとかけた後に巻いて食べる。簡単だけどハム巻きレタスはとても美味しい。レタスロールをバリバリと食べつつ枝豆もせっせと食べ、ビールを飲みながらアニメ鑑賞。だらだら気分が連休ぶりを盛り上げる。

番組佳境なところでテーブルにつき、クリーム煮込みをおかずに御飯を食す。
して、デザートにはスイカ。塩をふるのは好きじゃなく、一口大に切って盛り合わせるというのもいまいちだ。やはり1/2あるいは1/4ほどに両断したやつを端からざくざくと大きく切った扇形のスイカがスイカのあるべき姿だ。上からかぶりついて、種は適当にフォークでほじくり出して除ける。口の周りがスイカジュースだらけになっても気にせずに皮のそばまで食べ進む。早い時期の今のスイカは甘みがうっすら穏やかな感じだった。皮の近くはもう果物じゃなくてウリ系野菜を食べているような気分になってくる。それもまたスイカだ。

スイカを食べると、いつも爆風スランプの歌を思い出す。高校時代、皆でゲラゲラ笑いながらウォークマンで聞いていた「すいか」なる歌があったのだった。
「すいかぁぁぁ〜♪かわねぇ〜か♪」

4/29 (日)
キャベツたっぷり味噌カツ丼 (夕御飯)
卵御飯 with 海苔の佃煮
鶏肉のクリーム煮
アイスウーロン茶

朝起きたら10時半。いかん。連休となると全体的に人間がダメになっていくようだ。だらだら〜んと起床し、だらだら〜んと洗濯などをし、だらだら〜んと朝御飯に突入。朝御飯は卵御飯に昨日の残りおかず。

卵御飯に、お義母さんから貰った海苔の佃煮も食卓に。甘辛い濃い味の海苔の佃煮と卵御飯は何とも美味しい組み合わせだ。醤油味だけの卵御飯に海苔のコクや甘辛さは良く似合う。御飯を食べ終えるともう11時過ぎ。あああ、今日も1日無駄になっていく予感。

ホットケーキ
ミルクティー

本など読んだりしながらだらだら〜んと時間が過ぎていく。「明日からアクティブに動く予定だしね」と言い訳になってるようななってないような台詞を吐きつつ、だらだらだら。だんなも私もやる気がなかった。午後2時半、小腹がすいた。
「ホットケーキでも……焼きますか?」
と言うと、だんなの顔が輝いた。でかいボールと泡立て器を出して、ホットケーキ作成準備。ホットケーキミックス使用の簡単なやつだ。卵と牛乳入れて混ぜて焼くだけ。

茶色くふわんとしたホットケーキを焼こうにも、いつもどこか失敗する私。タネを垂らす時のフライパンの温度が高いと一気に焦げてしまうし、敷いたサラダ油やバターが多いと、今度は生地の表面が滑らかにならずにクレーターだらけになってしまう。裏も表もツヤツヤと茶色く滑らかなホットケーキを焼くのはなかなかに難しい。大コンロと小コンロに2枚のフライパンを乗せて同時に2つのホットケーキを焼こうとすると尚更に大変なのだった。

なんとか、茶色く綺麗にやけたものと、若干クレーターが目立つものとが混ざって4枚焼け、フォークとナイフを構えてホットケーキシロップとバターが待つ食卓に腰掛ける。だんなの皿には一番綺麗に焼けた2枚を乗せてあげた。染みていくバターとメープルシロップの香りが漂う。良い感じ。幸せな気分で熱く甘いホットケーキを食べていると、だんながちょっと困った顔で言った。
「おゆきさん……この上の段の、ちょっと生焼け……」
……ホットケーキ焼きは難しい。とほほ。

キャベツたっぷり味噌カツ丼 大根の味噌汁
サラダ
モルツ

味噌カツソース、賞味期限が昨日過ぎ去った「矢場とん」製のを前に、
「では味噌カツをしなければ」
「ならば丼にしないかね」
と家庭内会議を執り行い、本日の夕飯は味噌カツ丼。「ソースカツ丼にはキャベツが添えられるしね」という理由でキャベツつき。

だんなが千切りキャベツを作り、大根の味噌汁などを作ってくれている間にせっせと私は肉の準備。小麦粉は茶こしを通して上からちゃっちゃとふりかけ、卵液くぐらせてパン粉をまぶして揚げ鍋へ。一口サイズの肉を続けて鍋に入れていると、「指も揚げますか?」というくらいに指に小麦粉と卵とパン粉がまとわりついてくる。片手1つで旨く小麦粉→卵→パン粉の過程を通過させるのはなかなか苦労が必要だ。ああ、また指を揚げたいくらいに衣がきちんとついてしまった。

御飯の上に千切りキャベツ、その上に揚げたての一口カツをごろんごろんと乗せる。上から味噌ソースをたっぷりと。
甘く香ばしい味噌カツは、やっぱりきっちり名古屋の味。でも……味噌カツは丼にするより串カツにしてビールのつまみにでもした方がやっぱり美味しいかな。最近揚げ物が多い我が家なのだった。

4/30 (月)
よし鳥(箱根)にて「とりわさ」(夕御飯)
モスバーガーの
 フレッシュバーガー
 フライドポテト&オニオンリング
 オレンジジュース

いよいよ私たちのゴールデンウィークである。いつもは「どこ行っても混んでるから家でゴロゴロするんだもんね」を主張している私たちだが、今年はだんなが5/1〜2と休みを取れたらしい。私も仕事を休ませてもらい、ゴールデンウィークの平日期間を狙って小旅行。箱根だ。小涌園だ。遊べる温泉地なら息子も楽しかろうという理由で選んだ目的地は、多分私が一番行きたかったのだろう。ホテルに予約した直後、『YokohamaWalker』で箱根特集号が出ちゃったりして、何というかゴールデンウィークは箱根色に染まっていくのであった。

朝御飯は、だんなが最寄りのモスバーガーで買ってきてくれた。フレッシュバーガーとポテトとジュースのセット。厚切りトマトがみっちり入るバーガーを10分ほどで平らげていざいざ旅行の準備。あっ、ビニール袋大量に持ってこようと思って忘れちゃったよ。ああっ、息子のおしり拭きも忘れちゃったよ。あああっ……(←まだあるのかい)

ロマンスカー車内で
 生ビール
 プリッツ

労働の後のビールは美味しい。だが更に美味しいのは昼間のビールだ。
「やはり昼間のビールですか。」
「ええ、殊に平日のビールの味わいは素晴らしいものがあります。」
などと言いながら、ついついロマンスカー車内で生ビールを購入。何故ロマンスカーの中に生ビールのタンクを乗せたワゴンがやってくるのか。ゴールデンウィークだからなのか。買ってしまうではないか。

ビールを1杯、だんなと私で分け合って飲む。つまみは、息子がバリバリ喰ってるプリッツを横から分けていただく。昼間のビールは美味しいなぁ。

箱根小涌園ユネッサン内「アンティパスタ」にて
 ガーリックブレッド
 シーザーサラダ
 ニンニクのスパゲティ
 生ビール

午後2時、ホテル小涌園に無事チェックイン。腹がすいたねぇ、と館内案内図を眺め、隣接する「ユネッサン」なる温泉テーマパークを下見に行くことにした。明日か明後日はここでダラダラダラダラする予定なのだ。今回の旅行はダラダラ目的。だからわざわざ遠くまで御飯食べに行くこともしない。

ぽてぽてと館内を歩き、イタ飯屋を発見。「東京で噂の店!」なんて店頭に書いてあって大層怪しい。なんでも恵比寿に本店がある店なのだとか。名物は「ニンニクスパゲッティ」であるらしい。

席につくなり、またもやビールを注文。ビールのつまみにガーリックブレッドとサラダ。スパゲティはニンニクスパとカルボナーラ。
"観光地だしねぇ"と味にそれほどの期待はしていなかったけど、どれもこれもなかなか美味しかった。チーズドレッシングのかかったシーザーサラダはモッツァレラチーズが乗ったりクルトンやカリカリベーコンが程良くかかっていたりで良い感じ。ごろんごろんとしたガーリックブレッドもにんにくとバターがたっぷり染みていた。

で、名物「ニンニクスパゲッティ」はトマトソース。トマトのピューレ状のソースににんにくがこれでもかと混ざっている。辛さはなく、ひたすらニンニクの味と香りがもうもうと漂うようなスパゲッティだ。
満腹した後は、ホテルに戻って温泉へ。全身の毛穴から疲れとアルコールとニンニクとその他諸々が飛んでいったようで、しばし私は抜け殻状態だった。ぐにゃぐにゃ〜。

箱根小涌園ユネッサン内「よし鳥」にて
 とりわさ
 とりせんべい
 串焼き(はさみ焼き・とりかわ・つくね・うずら玉子・ねぎ)
 鳥スープ
 焼おにぎり
 ビール

ホテル小涌園は盛大に"使えない"飲食店ばかりが揃っていた。ゴールデンウィークという超混雑時に来るこちらが悪いのかもしれないが、ほとんどのレストランは要予約の上に「6時から」「7時半から」と決められている始末。あとは「寿司割烹」なるえらくお高そうな和食レストランに、午後8時半まで入場可能なバイキング(しかも1人4500円だ。しかも幼児も1000円取るのだ。普通は幼児は無料だったりするのに……)だけがオープンしているのであった。午後7時半過ぎに昼寝から目覚めてしまった息子を連れた私らはどうすれば良いのか。

結局、昼にも行った隣接温泉テーマパークに鳥料理屋が夜10時までやっているというので行ってみることにした。まんま居酒屋のような店内で、メニューはほとんど串焼きだ。座敷席に上がり、ビールを片手につまみを食べ、串焼きにおにぎりという飲み会のような夕飯メニュー。

「とりわさ」は、生のささみ肉を表面だけさっとゆがいたやつにワサビを添えたものだ。新鮮の生の鶏肉は臭みもなく柔らかでとても美味しい。「何も箱根の山の中でとりわさ喰わなくても……」と思いつつ頼んだとりわさは、ほどよく和えられたわさび醤油が染みてとても良い感じ。肉も新鮮なようでプリプリムチムチとしている。鶏の肉を薄く伸ばして揚げた、パリッパリの「とりせんべい」をバリバリやりながら今日3杯目のビールを飲む。そろそろ人間がダメになってきた。

串焼きは、葱やししとうが肉の間に挟まれた「はさみ焼き」、そして皮とつくね、うずらと長ねぎ。皮と長ねぎ以外は全てタレがかかっていたけれど、甘味の少ない軽い味のタレはなかなか好み。胡椒がガツンと効いたつくねを噛みしめつつビールを飲み干した。

これまた胡椒が効きまくったスープを飲んで、シソの香りのする焼きおにぎりを頬張って夕食終了。
「箱根は観光地だから、美味しいものを期待しないようにしよう……」と思っていたのに、何だか結構美味しいものを食べられてシアワセなのでありました。