食欲魔人日記 01年08月 第3週
8/13 (月)
まぐろと玉ねぎのポキ丼 (夕御飯)
アメリカンドッグ
アイスカフェオレ

日曜の夜だというのに昨日は日付が変わるまでバタバタと活動してしまい、今朝は眠気の塊が頭を覆っているような目覚めだった。ねむ〜い。あつ〜い。
大変珍しいことに、だんなが「僕はアイスコーヒーだけでいーよー」などと言っている。彼の眠気も相当なものらしかった。

息子にバナナと牛乳の朝御飯を食べさせ、私は冷蔵もののアメリカンドッグを電子レンジで温める。ほこほこと温かくなったアメリカンドッグにケチャップをたっぷりぶっかけて、囓る。旨い。

冷やしたぬきうどん
麦茶

お盆の週ではあるけれど、だんなは仕事、息子も保育園。私も家で仕事がある。私たちの夏休みは7月の1週で終わってしまったのだから、文句は言えない。

昨日買った揚げ玉が残っていたので、今日もたぬきうどんにすることにする。冷凍うどんを茹でて水で締め、山盛りの揚げ玉と刻み葱、ついでにすり胡麻もぶっかけて食べる。誰も見ていない一人の御飯なので、いつもは「ザラ」と入れる程度の揚げ玉を「ザラザラ」と入れ、ちょっと食べてから更に「ザラザラザラ」と大量に投入する。つゆを吸ってちょっとしなっとなった揚げ玉も、カリカリのままの揚げ玉も、どちらも美味しい。ついつい揚げ玉入れすぎて、最後は「うどんに揚げ玉ぶっかけて食べる」というより「揚げ玉にうどんをまぶして食べる」みたいな状態になってしまったような気がしないでもないけど、いいのだ。これが一人飯の醍醐味だ(←そうか?)。

まぐろと玉ねぎのポキ丼
牛肉とわかめのスープ
キムチ
麦茶

だんな、しばらく激ジョブ続きで一緒に夕飯を食べられない事が多くなるらしい。今日も息子と2人の夕御飯。
以前作って、「こりゃいいや、また作ろう」と心に秘めておいた「ポキ丼」をまた作ることにした。まぐろと刻み玉ねぎ、小口切りにした赤唐辛子を醤油と油とレモン汁で和え、御飯の上に乗せるだけ。香菜を山盛り上にかけるのがポイントであったのだけど、残念ながら今日は近所のスーパーに香菜が売られていなかった。ので、貝割れ大根でとりあえず代用。

そして、今日はキムチがある。デパートなどで旨そうなやつをたまに見かけて心そそられてはいたのだけど、どうも食べきることが出来なくてあまり買うことのないキムチ。近所にお住まいのWeb日記書き仲間のKさんが、巨大スーパー"コストコ"で巨大キムチ瓶を購入したとのことで、昨日お裾分けに来てくれたのだった。2kgくらい入っていただろうか。で、800円ということだ。
「半分くらい、ガバーッて取っちゃってください!」
と玄関先で巨大キムチ瓶を手渡され、いそいそと密閉袋に取り分けさせていただいたのだった。

で、そのキムチに合わせて、レシピ通りならサラダ油で和えるポキ丼を胡麻油で和えることにする。胡麻の味が入ると、どんな料理もほのかに韓国調になるような気がするのは私だけだろうか。

キムチをつまみつつ、赤唐辛子がほのかにピリリと刺激するレモンの香りのポキ丼を食べる。全体的にピリ辛でさっぱりとした夕飯になった。
息子もわしわしとポキ丼を美味しそうに食べている。んが、そういえば彼の味覚に合わせるということをすっかり失念していたような気がする。
「も、もしかして辛いですか?辛くない……?」
とおそるおそる聞いてみたところ
「からいよー。からいからい」
と"からいからい"を10回ほど連呼された。か、辛かったすか……。それにしては良くお召し上がりで。

8/14 (火)
味噌煮込みうどん (夕御飯)
だんな特製ホットドッグ
アイスカフェオレ

ドッグパンと長いソーセージが残っている。昨夜、
「明日の朝御飯は、御飯〜?」
と聞いてきただんなに
「いや、ドッグパンとソーセージが残ってるよ」
と伝えたらば、「じゃあ、気合い入れて起きなきゃな!」と妙に力強い返事が返ってきたのだった。実際、目覚まし時計が鳴ってからいつも10分はごろごろとしているだんなが、今日は速やかに起床している。ホットドッグの威力や、おそるべし。

ほんのりカレー味の炒めキャベツを敷いて、上からはとろけるチーズをかけて焼いたいつものホットドッグ。それでも本日は、薄く四角なとろけるチーズにプラスしてピザ用チーズも上からかけちゃうという豪華なものだった。ソーセージがほとんど隠れて見えないほどチーズだらけの物体は、オーブンから出した時には「これのどこがホットドッグ?」な形態ではあるけれどめちゃめちゃ美味しい。

茹で豚肉のキムチ巻き
卵丼
麦茶

一人の昼御飯。そろそろ喰ってしまわなければいけない卵がいくつも冷蔵庫内にあるので、それに火を通してミニ卵丼にすることにする。醤油と味醂と砂糖の入った割り下を丼鍋で温め、溶き卵を流して半熟に固めて御飯の上に流すだけ。上から刻み海苔をたっぷりと。

で、冷蔵庫内で香りをふりまいて自己主張しているキムチと目があったので、薄切り豚肉を数枚さっと茹でて、キムチと貝割れ大根を巻いて食べることにした。食べた後、舌の表面がうっすらビリビリしてくる辛いキムチと、ちょっと甘めにできたミニ卵丼を交互に食べる。キムチの辛さも卵丼の甘さも適当に心地良い。……でも食後、「美味しいけど辛いけど美味しいけど辛い〜」とカルピスを1杯飲んでしまったのは秘密。

味噌煮込みうどん
ほうれん草の胡麻和え
麦茶

夕方、不穏なものと目があってしまった。棚の上、籠に入れてしまってあるインスタントラーメン類から、はちきれそうな小箱が実際はちきれて覗いている。あれは……4月の末に名古屋に行って買ってきた、「山本屋総本家」の味噌煮込みうどんだ。常温で保存できるのだと、お土産に2箱買ってきて、そのまま放置してしまっていたやつだ。何故、紙箱がぱんぱんなのか。
恐々としながら箱をおろしてみて、びっくりした。うどんが入っている真空パックのビニールが、怪しげな気体で充満してぱっつんぱっつんになっていたのだ。だし用の小袋と味噌だれには問題なさそうだけど、ただうどんだけが「物体X」と化していた。見ると、賞味期限は5月末である。いくら常温保存できるものでも、1ヶ月が賞味期限であったらしい。4ヶ月も放置していた私が悪い。うう、ごめんよ山本屋総本家。

「これ、針でつついて気体を抜きたいけど、その気体吸った日には卒倒してしまうかもしれない……」
と、ぱっつんぱっつんの袋を前にしばし苦悶。「吹き矢で遠距離から狙ってはどうだろう」などとくだらない事を考えたりもしたけど、結局30秒ほど息を止めて、その間にベランダで気体を抜いてゴミ袋にうどんをしまって部屋に戻る、という作業をするに至った。ああ、ごめんようどん。

うどんの無くなった「味噌煮込みうどん」は、もはや「味噌煮込みだれ」でしかないのだけど、何だか不憫なので夕飯に食べることにした。鰹ぶしや昆布などが入っているらしいだし入りの袋を熱湯で2〜3分煮出してだしをとり、そこに別の袋入りの味噌だれを溶かす。葱や油揚げ、鶏肉などを入れて、うどんも加えて煮込んだらできあがり。本来はちょっと楕円の切り口の、"コシがある"というよりは"固く歯ごたえがある"という麺が味噌煮込みうどんの麺であったと思うのだけど、そこは冷凍うどんで妥協することにする。鶏肉たっぷり、油揚げもたっぷり。

そして、すっかり味噌色に染まった煮込みうどんをずるずると食べる。見た目より甘さはそれほどなく、濃厚だけどそれほど後味に響かない八丁味噌味うどん。ちょっとばかり名古屋3泊4日の喰いまくりの日々を思い出して懐かしくなってしまった。ああ、ひつまぶしも味噌カツもあんかけスパも美味しかったわぁ……。

8/15 (水)
丸善(日本橋)にてハンバーグハヤシ (昼御飯)
コーンマヨパン
レモンブレッド
ポテトコロッケ
アイスカフェオレ

息子を保育園に送りがてら、帰りに買ってきたパン屋のパンにて朝御飯。
好物のコーン山盛りマヨネーズたっぷりのパンに、渦巻き型のレモン味のパン。それだけで止めときゃいいのに、「揚げたてでーす」とレジに近寄った途端、その目の前の棚にどかっと置かれた湯気のたつコロッケに魅了されてこれも1つ。なんだか豪勢な朝御飯になってしまった。

今日の夜は、観劇だ。キャラメルボックスの公演「ミスター・ムーンライト」なるものを見に行く予定。昼過ぎに抜けて、どっかで遅い昼御飯を食べてそのまま行くことにする。

日本橋 丸善にて
 冷たいパンプキンポタージュ
 ハンバーグハヤシ

目的地は池袋。んが、途中下車して日本橋をぷらぷらすることにする。昼御飯は、老舗の本屋さん「丸善」の屋上にある小さな洋食屋で食べることに。ここはハヤシライス発祥の地だ。早矢仕有的(はやしゆうてき)さんが作った料理なのでハヤシライス。黒々とした、甘さの強いハヤシライスは私の好みだ。

数フロアに渡って書籍が売られ、紳士服や食器なども売られていたりするビルの屋上は、小さなゴルフ練習場となっている。そして、その敷地の1/4ほどを使うようにして小さな洋食屋が立っている。20人も入ったら満席という感じの、小さな洋食屋さんだ。海老フライとかカツカレーとか、いかにもなメニューが並ぶ。冷たいかぼちゃのスープと、ハンバーグハヤシを食べることにした。

生クリームがサッと垂らされたかぼちゃのスープは、たっぷりと大きなスープ皿に入ってやってくる。上からは砕いたクラッカーが散らされて、その素朴な外見を裏切らない素朴な味がする。しみじみしちゃうような、どこか懐かしい味だ。
で、やってきたのは以前食べたものと変わらず、黒々艶々としたハヤシライス。上に数粒、グリーンピースが乗っているのがまた何となく嬉しい。

煮込まれた黒々とした肉はホロホロになっていて、輪郭のすっかり取れた玉ねぎやマッシュルームと一緒にソースにこってり絡んでいる。ハヤシライス特有の苦みというか渋みというか旨みというか、な複雑な味が舌の根にじんわり広がって、でも後口は濃厚に甘い。一見、「これぐらい、楽勝じゃない〜」という感じの盛りであるのに、なかなかどうして食べ応えがある。

店は、三越の買い物袋を持ったおばちゃん2人組だとか、帽子を片手に入ってきた髭の老紳士だとかで、午後2時を過ぎようというのにまだまだ盛況だった。冬は、牡蠣のチャウダーがまた美味しいのだ。

ミルククラブ(大手町)にて
 ベークドチーズケーキ
 100円飲み放題牛乳

日本橋から東西線に乗り、大手町で乗り換えて丸の内線にて池袋へ。
大手町と言ったら……「ミルククラブ」があるのである。JAビルの地下にある、JAが運営している国産乳製品のアンテナショップだ。100円で牛乳飲み放題。紅茶やコーヒーもすこぶる安く、ケーキも旨い。ソフトクリームも、相当旨い。
「久しぶりだし、久しぶりだし〜♪」
と地下鉄乗り換えリミット30分の間に一度改札を出てミルククラブに寄り、戻ってくることにする。

小さな店のショーケースには今日もチーズがたっぷり並んでいた。良く見ると、たまにしか見かけることのできない「アドナイ」のチーズも何種類か並んでいる。北海道「アドナイ」のチーズは、どれもこれも高価だけどどれもこれも美味しい。更によく見ると、大好物の"カチョカヴァロ"も1個、ごろんと冷蔵されている。聞くと、1個3500円ほどもする。た、高い。でもたまにしか買えないし。でもやっぱり高い。しばし煩悶した挙げ句、買ってきてしまった。800gほどもありそうな、巨大なチーズだ。

お盆中だというのに(お盆中だから?)店は混雑。のんびりコーヒーを飲んでいる人あり、サンドイッチ類を食べている人あり。私もカウンターの隅に腰掛けて、いざいざいざと紙コップに牛乳を注いでぐいぐい飲みながらチーズケーキを食べる。ケーキ屋さんのケーキという感じじゃなく、「お母さんの手作り」的な味がするたまらなく素朴なチーズケーキは、でもとても美味しい。チーズの味が程良く強く、でも食感は軽い。

昼御飯からたてつづけに牛乳飲んだりチーズケーキ食べたりしてしまい、すっかり満腹状態に。
結局、そのまま7時開演の会場に行ってしまったのであった。久しぶりに上川隆也が出演している劇で、ここ数回の中では久しぶりにかなり面白かった。思えば高校時代から見続けているキャラメルボックス(いや、正確には就職してから2〜3年空白の時代もあったけど)なのだ。ついつい毎回見に行ってしまう。

8/16 (木)
ミルククラブ(大手町)で買ってきたカチョカヴァロ
アメリカンドッグ
牛乳

目が覚めたら、10時半だった。横では息子も口開けて寝ている。
だんなは……ちゃんと8時過ぎに出勤して行ったらしい。……ありゃあ。
昨夜、結局帰宅は11時を過ぎていて、大層疲れて眠くって、だんなは気を使ってそーっと出ていってくれたらしい。突然、半日損した気分だ。

11時過ぎ、息子も起きてきたところで冷蔵のアメリカンドッグをチンして食べる。小さめのアメリカンドッグにケチャップにょろにょろかけて喰い、ひと心地ついたところでだんなから電話があった。
「おはよ〜ございます〜」
「……もう起きてるよ(←起きたの1時間前だけど)」
すっかり見透かされていたらしい私だった。

焼きカチョカヴァロのサラダ
焼き肉のタレぶっかけ牛肉
御飯
麦茶

だんな、しばらく仕事がお忙しいらしい。今日も息子と2人の夕御飯。
昨日買ってきたチーズ、「カチョカヴァロ」を取り出してスライスし、フライパンで焼いて溶かしてからレタスや玉ねぎ、ピーマンなどを刻んだサラダの上に乗せる。上からオリーブ油少々垂らして塩胡椒して野菜と一緒にチーズを食べる。

カチョカヴァロとは"馬上のチーズ"という意味のイタリア発祥のチーズだ。製法で分類するとモッツァレラチーズの仲間……になるらしい。
本来は馬の鞍の両側につるして運ぶような巨大なチーズで、巾着型に固まった面白い形状をしている。表面はかなりカチカチに固く、中も半硬質。焼くとみょ〜んと糸を引くように伸びる。モッツァレラのような食感も感じられるけど、モッツァレラのような生の牛乳臭さはあまりない。けっこう、クセになる。

あとは、牛肉炒めて焼き肉のタレをぶっかけて胡麻をふっただけ、という非常にやる気のないおかずを1つと、あとは御飯。麦茶。簡単すぎる。
レタスでチーズと玉ねぎとピーマンを巻くようにして食べたサラダは思った以上に美味しかった。カチョカヴァロ、まだまだまだまだあるのである。どうしよう。

8/17 (金)
鶏肉の香草パン粉焼き (夕御飯)
アメリカンドッグ
自家製ラッシー

もとより、だんなのお盆休みは無かったのであったが、私は昨日までが一応の夏休みだった。今日から私もお仕事。いつもなら7時半まで寝ているところ、7時20分にふぬぬぬぬ、と起床してもそもそと動き始める。

朝御飯は、ここんとこ定番となってしまっているアメリカンドッグ。12本入りだかを買ってきてしまったので、冷蔵庫を開けるとそこにアメリカンドッグがある。ちょっと嬉しいけどちょっと飽きてきた。
「2本、喰いますか〜?」
とねぼけ顔のだんなに訊いたところ、「うんにゃ、1本でいいよ〜」との返事。……1本じゃ、昼までお腹、持たなくないっすか?

「じゃあ、ラッシー作るよ〜」
と、ちょっとでも腹持ちが良くなるようにプレーンヨーグルト1箱をがばっとボウルにあけ、ラッシーを作ってみた。プレーンヨーグルトと同量かちょっと多めの水を入れ、甘みにハチミツをにょろにょろと垂らし、レモンをぎゅうと絞って混ぜるだけ。「飲むヨーグルト」とはちょっとばかり違う味のヨーグルトドリンクだ。日本のインド料理店では砂糖やハチミツ入りの甘いラッシーがごくごく普通のようだけど、インド本国では塩入りのラッシーの方がメジャーだと聞いたことがある。どころか、ターメリックやカルダモンなどのスパイスを入れるところも珍しくないのだとか。
ぢるぢると手製のラッシーを飲みながら、
「……でも私は甘い方が好きだと思うなぁ……」
ととりとめもなく考える。

コンビニの卵サンド・ツナサンド
アイスティー

今日からお仕事。8月半ばの大学なんぞは勉強熱心な人々か、逆にサークル活動に熱心な人々くらいしか来る者はいないようで、酷く閑散としていた。誰もいない廊下をヒタヒタと歩いて研究室に入り、今日のお仕事。

ここ2週間ほど休業していた学食も、今日あたりから再開するらしい。んが、昼に銀行と郵便局に行く用事ができてしまったので、残念ながらコンビニのサンドイッチで昼御飯を済ませることになってしまった。「午後の紅茶」の500mlペットボトルを1本買い、卵サンドとツナサンドがセットになったサンドイッチを1つ。それらを購入してコンビニを出たところで、蕎麦屋の店頭で売られていた旨そうなテイクアウト弁当と目が合っちゃったりして、今日はちょっとばかり悲しかった。

茹でとうもろこし
鶏肉の香草パン粉焼き
焼きカチョカヴァロ乗せくるみのパン
モルツ

「今日こそは早く帰ってこれるかも……これるといいなぁ……」
と言って出勤しただんなだけど、やはり今日も遅くなるということだ。今週は全然一緒に夕御飯を食べられない。張り合いがなくて、少々つまらない。
「香草パン粉焼きでもしようかな〜」
と買ってきた鶏肉があるので、それで自分と息子用の香草パン粉焼きをやってしまうことにした。
フライパンで塩胡椒した鶏肉を皮目こんがりと焼き、皮がパリパリになったところで、その皮目に粒入りマスタードをたっぷりと塗る。上からそのマスタードの水分でくっつけるように、ドライミックスハーブを混ぜ込んだパン粉を散らし、パン粉を焦がすようにオーブンで数分焼く。鶏をオーブンで焼いている間にとうもろこしを茹で、買ってきたばかりのくるみのパンはスライスして、その上にフライパンで焼いて溶かしたカチョカヴァロをとろんと乗せる。1つの皿に全部乗せ、
「も〜1人でも飲んじゃうもんね〜。労働の後だから飲んじゃうんだもんね〜」
と、冷凍庫に入れてあるビアグラスを取り出してビールを注ぐ。

うむ、「一人飯」にしては上出来だろう。息子用には、量を半分ほどにした、同じものを用意する。
「ほら、同じ料理だよ〜」
と大小の同じ皿を食卓に並べると、
「ぼく、ぎゅうにゅう。かあちゃん、びーる?」
とすかさずツッコミが入った。

8/18 (土)
三和(千葉)にて名古屋コーチン親子丼 (昼御飯)
ベーコン入りオムレツ
焼きカチョカヴァロ乗せくるみのパン
アイスカフェオレ

昨夜堪能した焼きカチョカヴァロ乗せトーストをだんなにも体験して貰おうと、今朝もチーズトースト。くるみ入りのパンをトーストして、フライパンで溶かす程度に温めた輪切りのカチョカヴァロをとろっと乗せてできあがり。ついでに塊ベーコンをざくざくと角切りにしたやつをたっぷり入れたオムレツも。

今日は特に外出予定もないけれど、何故か息子が「でんしゃ、のる?でんしゃでんしゃ」と朝から電車へ熱烈なラブコールを贈りまくっているため、それじゃあ買い物ついでにとちょいと出かけることにした。

千葉駅構内 NATURAL STATIONにて
 マンゴーミルク

新宿の西武新宿駅にほど近い地下街に、伊藤園が運営するジューススタンド「NATURAL STATION」がある。どのジュースも妙に美味しくて、殊に「白いバナナミルク」というバナナと牛乳のミックスジュースが妙に好物だ。西武新宿線を使う時は、かならずこのジューススタンドに寄るのがお約束な私たちだった。

で、嬉しいことにこのお店が千葉JR駅構内にもあるのである。おかげで、千葉に越してきてからというものは千葉駅を利用するときは、かならずこのジューススタンドに寄るのがお約束になってしまった。

季節のジュースとして、「マンゴーミルク」なるものが出ている。キャンペーン中にて、これを飲むと「ジュース1杯につきハンコ1個、10個集めたらジュース1杯サービス」のスタンプカードにハンコを2つ押して貰える。うひひ。
私はこのマンゴーミルク、だんなは水出しコーヒー、息子は白いバナナミルク。店の奥の4人がけ席についてぐびぐびとジュースをいただく。
巨大グラスに入ったジュースは、マンゴーの香りも濃厚な薄黄色のもの。甘味料は入れないポリシーだそうで、甘みもうっすら。良い感じだ。

千葉そごう 地下食料品売り場 「三和」にて
 名古屋コーチン親子丼

お義母さんが、以前
「千葉そごうの地下にある、鶏屋さんに併設されてる親子丼のお店がけっこう美味しいのよ〜、ほほほ〜」
と教えてくれた店が気になっていたので、昼御飯にさくっと食べてみることにした。

たまに買っていた、名古屋コーチンを始めとして旨そうな地鶏の類を売っている鶏肉屋さん、売り場の片隅、奥に入らないと見えないようなところにカウンター席だけが10席ほどしつらえられた軽食コーナーが確かにあった。普通の親子丼は480円。名古屋コーチンの親子丼なら680円。それには名古屋コーチンの肉団子入りのスープもついてくる。私は名古屋コーチン親子丼、だんなは親子カツ丼なるものを注文し、しばし待つ。

半熟の卵がとろっと御飯にかかり三つ葉もたっぷりと、平たいどんぶりに入った親子丼がやってきた。旨味のある名古屋コーチンは、独特の固い歯ごたえがある。ちょっと甘めの割り下が適度に染みていて、確かになかなか美味しかった。

食後、その鶏屋を覗く。串を刺しただけでまだ焼かれていない焼き鳥が売られていて、「こここ、これ、炭火で焼いたらきっと美味しいよねぇ〜」と10本800円のそれをお買いあげ。ついでに向かいの牛肉屋で串に刺さったタレつきカルビ肉もお買いあげ。今晩のおかず用にローストビーフの小さなパックもお買いあげ。麺を買ったりピータンを買ったり1.2kgの巨大豚バラを買ったり、すっかり食料を買い込んで帰宅したのであった。そ、そういえばデパート言って、地下食料品売り場しか歩かなかったような。

茹で枝豆
ローストビーフ
茄子のオーブン焼き
海老と豚肉入り炒麺
モルツ、麦茶

「今晩は、ローストビーフでビールじゃ〜」
「ついでに枝豆も茹でるじゃ〜」
「茄子のトマトチーズ焼きなんかも作るじゃ〜。ビールに合うじゃ〜」
と、とにかく「ビールを飲むぞ飲むぞ」という夕飯の献立。今週多忙だっただんなは、そういえば一度も家でビールを飲んでいないのであった。

茄子は縦に薄切りにして軽くソテーしてから皿に並べ、トマトソースならぬタコスのサルサをぶっかけて(←同じトマト味だから、まぁいいかな、と……)、ピザ用シュレッドチーズをたっぷりかけてオーブンへ。チーズが溶けたらできあがり。ローストビーフは皿に乗せて、ホースラディッシュと添付のタレをぶっかける。茹でた枝豆も適当に冷えたところで、いざいざビールだビール。
自分ちで飲むビールは、適当に酔えてやっぱり楽しい。自堕落な格好で自堕落につまみをつつきながら、ビ〜ル。

で、シメには本日「永楽製麺所」の売り場で購入してきた麺を使って海老と豚肉入りの焼きそば。キャベツもたっぷり。オイスターソースでほんのり味をつけた炒麺ですっかり満腹になった土曜の夜。今日も平和だわぁ。

8/19 (日)
旨麺(稲毛)にて蒸し鶏冷やし中華 (昼御飯)
稲毛 旨麺(うぃめん)にて
 蒸し鶏冷やし中華
 ミニ排骨飯
 絶品杏仁豆腐

目覚めると、11時過ぎだった。うわぁ。なんてこった。昨日12時前に寝たはずなのに、家族全員この有様で、何だか目玉が溶けてしまいそうな日曜の朝。

とりあえず洗濯機など回し、「……どっか食べに行こうか」と家を出た。
歩いてそう遠くないところに、ラーメン屋「旨麺」なる店がある。"あいだみつを"チックな手書き風文字の看板などが店内にかかり、ちょっと洒落たメニューなどとあいまって「この店、なぁ〜んかハズレくさい」という風情を猛烈に醸していた店ではあったけど、一度入って、そう悪くないことを知った。電車乗ったりしてまで行くほどの店じゃないとは思うけど、徒歩圏内にあるには充分ありがたい店、という感じ。

夏メニューの蒸し鶏冷やし中華を注文。200円足すと、小さな排骨飯がついてくる。「絶品杏仁豆腐」などと書かれた350円のデザートも注文。ここの杏仁豆腐は、確かにちょっと独特で美味しい。
だんなは白湯の「熟成うぃめん」なるものに350円足したセットに。鍋貼餃子2つと御飯と漬物がついてくる。テーブルは、何だかすごいことになった。

胡麻だれの冷やし中華は、サラダのようにレタスときゅうりがたっぷりと乗っている。櫛形トマトが3切れと、上にはすりごまのかかった蒸し鶏も。
酢味はあまりない、さっぱりとした味の冷やし中華だ。レタスやきゅうりのシャキシャキが、確かに胡麻味と合っている。素朴な風情の、ほんのりうっすらカレー粉の風味が漂ってくるような小さな排骨飯をだんなと分け合いつつ、彼の鍋貼餃子もちゃっかり1本いただいた。春巻のような棒状の、いまどきな餃子の形のやつだ。こんがり焼けていて、モチモチとした皮の中にほどよく下味のついた肉が詰まっている。

で、最後に杏仁豆腐。うっすら甘みのあるココナッツミルクのソースの中にツルンと適度な硬度の豆腐がざくざくっと入っている。ライチとみかん、メロンの飾りつき。甘さはほとんどなく、杏仁の香りがうっすらと漂ってくる豆腐だけれども、食感がとても"ひやっ"と冷たくて(温度そのものも冷たいんだけど、食感としてより冷たさを感じられるようになっている、というか)良い感じだ。熱いラーメンを食べた後には嬉しくなりそうなこの食感がけっこう好み。

茹で枝豆
炭火焼き鳥
 (正肉・ねぎま・皮・つくね・レバー・牛カルビ串焼き・南瓜・ピーマン)
かきたま汁
御飯
モルツ、麦茶

昨日、鶏肉専門店で串に刺すまでの下ごしらえがされていた焼き鳥の素(←"素"って……)を買ってきた。
正肉、ねぎま、皮とつくねが2本ずつ、レバーと軟骨が1本ずつ。更に向かいの牛肉専門店でカルビの串焼きの素(←だから"素"って……)も買ってきた。

今晩は、炭火をおこして炭火焼き鳥。
きたる大煙に備え、テーブルを窓際に移動し、窓を開け、換気扇とエアコンをフル回転させ、更に窓とコンロと一直線上になる位置に扇風機までセットして万全の備えを調える。

1年ほど前に購入した炭火コンロセットは、
「炭火って、なんてなんてなんてなんてめちゃめちゃ美味しいんだっ!」
と拳をふるわせ号泣するほど美味しく肉だの野菜だのが焼けるものではあったけど、何しろ煙がものすごい。牛肉はともかく、鶏肉(しかも皮なんて焼いた日には)を網に乗せたが最後、防犯設備もばっちりな高級住宅に住んでいようものなら間違いなく火災報知器が作動してしまうんじゃないかというシロモノなのだった。でも、いいの。美味しいから気にしない。

炭火コンロに炭を並べ、ガス台の火で温めること15分ほど。炭の下半分ほどが灰色になったところでテーブルに出す。
「"ねぎま"から行くよ〜」
「ほいじゃ僕は正肉から〜」
と好き勝手に1本ずつ串を置いては焼けるのを待ち、焼けたところから食べていく。塩をふっただけの肉も葱も皮もつくねも、どれもこれも美味しい。普通のレバー料理はほとんど食べられない(というかいまいち食べる気がしない)私だけど、焼き鳥のレバーは不思議と美味しく食べられる。

「皮は、こんがりとね……」
とじっくり焼き始めたが最後、バルサンより大変な煙が部屋に充満して目も開けられなくなったり、ファブリーズがなんの効力も発揮できないほど燻した匂いに居間が満ちてしまったり、色々大変なこともあったけどやっぱり美味しくて楽しいのであった。