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香菜豆千[幺幺] 硬豆腐の細切りと香菜の和え物
「硬豆腐の細切り」、それはまるでハムのような食感の面白いものだった。味は確かに豆腐のものであるような……ないような。ベースはシンプルな塩味という感じだけど、そこに金華ハムとか乾燥貝柱とか、そしてたっぷりの香菜などが絡み合って混ざり合っている。香菜の芳香がそこかしこに漂う、美味しい前菜。
香菜愛好家な私は、上に盛られた香菜もちゃっかりいただいたりした。
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魚翅金腿翡翠羹 ふかひれ、金華ハムとアボガドのとろみスープ
緑色のスープは、料理名のとおりアボガドの色。ピューレにしたアボガドがとろとろとたっぷり入っているのに、不思議とその油っこいバター臭さとか青臭さは全く感じられない、見た目よりもすごくさっぱりしたスープ。
そして生クリームも、端から見ていて「これでいいのか、本当にいいのか?」くらい大量に投入されていたのに、それでもやっぱり油っこくはないのである。帆立がころころ、フカヒレがヒラヒラと入ったスープはサラサラとした食感でトロリと濃度があり、そして1人あたり椀に2杯分くらいの量が用意されたにも関わらず、争うようにして飲み干されたのだった。
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海鮮焼売 海鮮入りシュウマイ
写真のとおり、ブリブリブリブリしたシュウマイが、1人2個。
具は海老と帆立と豚肉らしい。モチモチネチネチした食感の肉あんは、こってりと脂に似た口当たりがあるのに、脂っこくはない。
「コラーゲンみたいだ……」
「スジ肉とか、そんな感じ?」
と言い合っていたら、
「そうそう、スジ肉入ってるよ」
とAndyさんに言われた。食感が残る程度に切られた海老とか帆立がプリプリしていて、良い感じ。
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海苔爆芦笋 アスパラと青ノリのごまごま香り炒め
アスパラを炒め、火を止めてから青海苔と炒り胡麻をたっぷりとまぶしつける。最後に胡麻油を香りづけにチーッと垂らす。味つけは、塩と顆粒鶏ガラスープと日本酒のみ……らしい。
アスパラと青海苔と胡麻の組み合わせは初めてだ。これが妙に良く似合う。青海苔独特の香ばしさとか甘味がアスパラに絡みつき、口い入れた直後から飲み込んだ後まで胡麻油の風味がふわふわと。
お酒も美味しく飲めそうだし、御飯も進みそうな味だった。今度真似して作ってみよう。青海苔大好き。
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浙醋香排骨 スペアリブの黒酢やわらか煮
酸味はほとんど感じられない、甘さ漂うスペアリブの煮物。
日本の酢も入るし、中国黒酢もたっぷり入る。砂糖も入る。が、五香粉だの自家製の梅干やサンザシの入るタレが加わり始めたところで「あ、もう真似はできない……」と断念。骨までもバリバリ食べられそうな程柔らかく煮込まれたスペアリブは、下ごしらえにたっぷり蒸されたものらしい。
「砂糖と重曹、これかけて蒸すと柔らかくなるのよ」
と教えてもらった。
もうひとつ教えてください。つけ合わせのモヤシなんですけど、このひげ根を取る必殺技なんてありますか?
「いや、ないね。地道にやる。とにかくやる、1本1本。大変よ」
そ、そうですか……(ひげ根取りに抜け道はないのね……)。
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回鍋肉片 スパイシーホイコーロー
パプリカとかにんにくの芽とか、野菜たっぷり回鍋肉。
回鍋肉が愛好家の私とだんな、メモを片手に合わせ調味料の配合の秘密を探ろうと、努力した。朴葉味噌を大さじ2ほどボウルに入れる。そこにお玉1杯ほどの湯を注ぎ、調味料をじゃかじゃかと入れて溶いていく。自家製の"酒醸"(甘酒みたいなもの)がレンゲに2杯、甜麪醤は小さじ2ほど、沙茶醤は大さじ2ほど、オイスターソースは小さじ2で、"香糟"(中国の酒粕みたいなもの、奈良漬けの匂いがした)が少々、そして中国醤油が少々、という感じ。メモしたはいいけど、"酒醸"も"香糟"も「そんなん、どこで手に入るのよ」状態だ。困った。
朴葉味噌の甘めの味噌の味が口に広がり、後味にふんわりと"酒醸"の独特な揮発系の香りが漂う、という感じ。そして舌の根がビリリと痺れるように辛くなる。下茹でした豚バラの塊肉をスライスしたものは噛むと肉汁がじゅわっと出てきて、野菜のシャキシャキも心地良い。
豆鼓が入っていたり、山椒の粉が入っていたり、ちょっと独特な回鍋肉。御飯が恋しい。ビールも恋しい。
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牛肉麻辣豆腐 牛肉入りマーラー豆腐
「牛肉入り」に、てっきりひき肉かと思ったら薄切りの小片がたっぷりと入った麻婆豆腐なのだった。こちらもピリ辛系ではあるけど、口に入れた直後から舌全面がビリビリしてくる感じ。なのに辛さそのものは先の回鍋肉が上だった。崩した豆腐と牛肉と、たっぷりの刻み葱なんかが全体的にトロンとした食感になっていて、刺激もじんわぁ〜と柔らかく押し寄せてくる。
皆して白い御飯を片手に、わしわしと食べた。鼻に汗、かきますね。
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酸辣白菜 白菜の甘酢ピリ辛浅漬け
辛くパンチの効いたおかずに嬉しい箸休め。
白菜の他にキュウリとパプリカも入っていて、彩りがとても素敵。間にチラチラと見えるオレンジ色の物体をつまみあげたら、柑橘類の皮だった。
「オレンジ、ですか?」
と聞いたらば
「ううん、みかんだよ」
とのこと。
「オレンジピールだ!」
「陳皮だ!」
と夫婦で口論。いや、どっちも同じものなんですが。
すっきり爽やかな甘酢にみかんの香り。うま〜。
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椰汁布丁 ココナッツミルクプリン
ぎりっぎりのゼラチンの量で固められたココナッツミルクプリン。牛乳をちょこっとかけていただいた。
うっすら膜を張るようにかけた牛乳の、その重みくらいでグズグズと崩れてしまう、そんな感じ。レンゲですくって口に入れると、その途端にひやぁ〜と溶けてしまう儚いものだった。ココナッツミルクの風味がたっぷり、ミルク感もたっぷり、ひやひやでプルプルでホワホワで、悶える。
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お茶うけ、いろいろ
お茶を飲み飲み、お菓子いろいろ。
ココナッツをまぶした黄色いお菓子に、餅粉を使ったような板状のお菓子、殻つきの松の実は独特の香りと甘さがある、たまらないものだった。黒胡麻をまぶしたお菓子も。
目下のところ、人気は松の実。みなさん、リスのように食べる食べる食べる。
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貴妃龍眼銀耳 白キクラゲと龍眼のヘルシーデザート
前回、ココナッツミルクベースの同じ材料のデザートを食べた。今度はココナッツミルクなし。白キクラゲと龍眼、押し麦を煮込んでトロンとさせて、上には彩り鮮やかなクコの実がパーッと散らされている。
「貴妃」という名がぴったりに感じられるような、えらく気品のある味なんである。華のような香りは何だか食べ物の匂いじゃないようで、白キクラゲを煮込むと出るとろみもまた、何だかえらく上品だ。恭しくいただきたくなるような、普段着で鼻ほじりながら喰ったら不敬罪になっちゃうような、そんな味。
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芒果布丁 マンゴプリン
「せりあさんが来たら、当然これだし」
と、最後のシメはマンゴプリン。今回は器に固められたもの。上からエバミルク少々、刻んだ生の果肉も少々。
今日の固まり具合も絶品で、器に入れて固めた分、型に固めて出すものよりも柔らかく作られていた。果肉たっぷり、ミルク感たっぷり、口に入れるとクシャッ……と崩れてしまうその食感は今日も感動しちゃうほど美味しかった。お店でだって、いや、香港でだってあまり食べられないクラスの、すんばらしい味だ。素敵すぎる。
「うーん、まだ熟してないかな……?」
と言いつつ切って乗せてくれた生の果肉は、それでもしっかり甘くて良い香りがした。
8月になったら沖縄産の国産マンゴーが出回ってくるけど、それがもう最高に美味しいのだそうだ。
「1個、1500円くらいするけどね」
とAndyさん。そ、そんなの勿体なくてプリンにはできません、私……。
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