食欲魔人日記 03年11月 第3週
11/17 (月)
塩漬け豚バラ肉を茹でて、野菜と共に(夕御飯)
3日目のおでん
御飯
納豆
麦茶

土曜日の夜に作ったおでん、全然なくなっていないのに昨夜はビビンバをやってしまったものだから、鍋にたっぷりのおでんがまだまだまだまだ残っている。
「そういう次第で、有無を言わせず朝御飯はおでんになるわけです」
と、朝食は皆そろって「おでん」。

我が家のおでんのしきたりは「セルフ盛り」。各々鍋の前に立ち、好きな具を自分の皿に入れるのだ。ただし卵2個入れ、牛すじ2本入れなどは基本的に禁止とされる。一応まんべんなく全ての具を取るように心がけてはいるのだけど、どうしてもガンモではなくウィンナー巻き、ウィンナー巻きより餅巾着、と好みの具に菜箸はのびてしまう。そうして鍋の中の魅力値はどんどん低くなっていくのだ。それがまた、おでんのもの悲しいところなんだなぁ……。

早くもおでんの味に少々飽きがきていた私は御飯の上に納豆ぶっかけてねばねばねばねばさせながらおでんもつつく。今回の選択は大根に牛すじ、ウィンナー巻きと餅巾着(また好きなものばっかり……)。

あんずジャムのホットサンド
牛乳

我が家の掃除、整理整頓、その他良好な環境に導くべくここ数日妙に熱心になっている私。本日気になるところはベランダだった。そういえば、母にまかせっきりで草木の手入れもろくにやっていなかった。枯れかけていた鉢植えを一掃し、まだ花がついているものもあれこれ整え、久しぶりに花の苗でも買ってこよう……と、近所の割と大きめの花屋さんでサクラソウとビオラを買ってきた。まだまだ改善の余地はあるけれど、ベランダの掃除も終えてなにやら良い感じになった。

一人の昼御飯は、残っていた食パンを使って一人ホットサンド。一度作ってみようと思っていたジャムホットサンドに挑戦してみた。マーガリン塗ってセットしたパンの間にあんずジャムをたっぷりと。こんがり焼けるまでしばし待ち、ジャムがアッツアツになった香ばしいパンにかぶりついてみた。……うまー。

サクサクッとしたパン生地の間からおっそろしいほどの熱さになったジャムがとろんとこぼれてくる。これってつまり、リンゴジャム入れたらマクドナルドのアップルパイになるんじゃないかなぁというシロモノだった。
「あ……あちー。めちゃめちゃ、あちー。火傷する……」
手と口をあんずジャムから必死に防衛しつつ、最後の方は皿の上に乗せたパンに直接口つけて囓っちゃったりして。
うむ。ジャム入りホットサンドも美味しいということが立証されて、私は満足。じゃあ次は……あんこ入りかな(←冗談じゃなく美味しいらしい)。

塩漬けバラ肉の香味野菜とレタス巻き
3日目のおでん
2日目のビビンバ
ビール、麦茶

おでん、まだまだある。昨夜のビビンバの残りのナムルもまだまだある。
「かといって、夕食がおでんとビビンバってのは、どうよ?」
と、おかずを1品作ることにした。

1週間ほど前、安売りの豚バラ肉を買ってきたのだけど、しばらく食べられそうにないからと塩揉みしてラップにくるんでおいたのだ。塊のままの肉に大さじ2ほどの粗塩を全体に散らし、もーみもーみとなじませてからみっちりと隙間なくラッピング。保存もきくし、塩の染みた豚肉は普段のそれとまた違った美味しさがあって、けっこう気に入っていた。今日は茹でてスライスして野菜を巻いたり野菜で巻いたりして食べることに。

野菜はクレソン、キュウリ、香菜、白髪葱、それにレタス。おろしにんにくと醤油を合わせたタレや、コチュジャンに味噌や酒を混ぜたピリ辛ダレを用意した。あとは適当に、肉にタレだけつけて食べるなり、野菜と一緒に食べるなり、適当に。

1週間近くも塩漬けになっていた肉は、すっかり中まで塩味が染みていて、茹でてスライスするとそのまま食べて程良いほどの塩気になっていた。脂から適度に水分が抜け、とろんと甘くなっていて美味しくなっている。
「お、普通の茹で豚よりこっちの方が美味しいぞ」
なんて言いながら、あれこれぐるぐる巻き込んで食べた。……しかし、豚バラ1本スライスしちゃったから、またけっこうな量になっちゃったよ。全然食べきれない。

おでんも食べたし御飯に残ったナムルを散らしてミニビビンバにして食べたにも関わらず、どちらもなくなるには至らなかった。かくして事態は一層困ったことになり、明日に持ち越しの料理は「4日目のおでん」「3日目のナムル」「2日目の茹で豚&野菜」ということに。
……明日のお弁当はいっそのことおでん弁当(もしくはビビンバ弁当)にしちゃおうかしら。

11/18 (火)
大中小3個の弁当、中身は同じ
4日目のおでん
ほうじ茶

おでんは不思議と傷まない。
「まぁーだまだ食べられますなー」
とか言いながら、そろそろ魅惑的な具が減少しつつある鍋から、今朝もおでんをつつくことに。鍋の中には少しばかりの卵とかハンペンとかちくわぶとかこんにゃく、そして大量の練りもの、最初からたっぷりあった大根もまだまだまだまだ残っている。御飯は用意せず、ただただおでんだけをハフハフと食べた。

「ぼくはねぇ、おでんよりは、カリカリがいいなぁ〜」
と息子は一人フルーツグラノーラをバリバリと食べている。明日は私もシリアルにしようかな。

おうちで弁当
 焼き肉丼
 ほうれん草のナムル、にんじんのポックム
 海苔入り卵焼き
 塩茹でブロッコリー マヨネーズ添え
 プチトマト
麦茶

日曜の夜に弁当の仕込みをするのは大変だから月曜の弁当はなしねー、なんていう私の都合とか、今週の○曜日は約束があって×曜日は日帰り出張で、なんていうだんなの都合なんかもあって、なかなか家族みんなの弁当を作る事が継続できていない我が家。

だんなの弁当を作るときには、特に私の予定がなければ私の分も作ってしまうことにしている。息子の弁当も、大人用のをそのまま縮小させたもの。今日の焼き肉丼は、家族3人全く同じ構成で大きさだけが異なる弁当となった。並べてみると、「白雪姫」に出てくるこびとの食事のようでなんだか笑える。

御飯の上に、焼き肉のタレで炒めた安売りカルビ肉をぺろぺろと並べる。上からすり胡麻をたっぷりと。箸休めにビビンバ時の残りのほうれん草やにんじんを並べて詰め、あとは海苔を巻き込んで渦巻き模様にした卵焼き。残りもののブロッコリーは塩ゆでにしてマヨネーズをちょっとだけつけてから箱に詰める。さほどの手間はかかっていない弁当だけど、でも、焼き肉丼は妙に嬉しい。だんななぞは、
「おべんと作るの大変な日はさ、弁当箱にぶわーっと御飯敷いて、上に焼き肉ぶわーっと乗せてくれるだけでいいから。ほんと、それだけでもけっこう嬉しいものだから」
なんてすごい事を言っている。実際、だんなが高校時代にはそんなお弁当がたまーに登場していたらしい。

「……うん、確かに旨い。冷めても美味しいし」
と、一人納得しながらこたつに足を突っ込んで一人弁当。数時間後に帰ってきた息子は、
「今日のおべんとうは!ごはんとおにくでしたー!にんじんと、ほうれんそうも入ってましたー。あとはね、ブロッコリーとね、ぐるぐるってなった卵とね……」
今日もなにやら楽しそうに"全部食べました"報告をしてくれた。いや、でも、何が詰まってたかってのは、詰めたのはおかーさんだからして……。

生牡蠣
塩漬けバラ肉の香味野菜巻き(昨夜の残り)
自家製イクラ
白子の味噌汁
羽釜御飯
ビール・麦茶

今日明日とだんなは帰宅が遅い模様。今日はともかく、明日は英会話学校に通う日なので終了後には美味しいものを食べてくる(毎週毎週某レストランに予約を入れてン千円の旨いもの食べてくる……)ということが確定していて、私はなんとなく面白くない。

「おとーさんはいないけどー」
「いないけどー」
「美味しいもの、食べちゃおうか」
「たべちゃいまっしょー」
と、息子と2人魚屋さんで買い物してきた。1パック700円の生筋子を買ってきてイクラに仕立てる。あとは5個入り490円の殻つき生牡蠣。白子も買ってきた。今日は魚介尽くしの夕御飯だ。ふっふっふっふっふ。

生筋子はぬるま湯に浸しながら粒を壊さないようにしごいてバラバラにする。水気をきったら塩をして数十分放置し、ざっと水で洗ってから酒と醤油に漬けていく。安くはないけど、でも同量のイクラを買うことを思えばかなり経済的。しかも大粒でプリプリとして美味しい。お義母さんから教えてもらったのだけど、市販のめんつゆを使えば旨み調味料も入っていて味の調整もできていて、そのまんま使えて楽なのだそうだ。

白子は味噌汁に。友人のKさんがちょっと前に「白子の味噌汁を作った」という日記を書いていて、非常に非常に気になっていたのだ。白子は、あんまり買ったことがない。鍋の具にもあんまりしない。味噌汁にするという発想すらなくて、美味しそうだなぁと思っていたのだ。いりこだしの味噌汁に、具は白子だけ。食べ際に刻んだ万能葱をぶわーっと散らして食べる。黒胡椒をちょっとガリガリ挽くと、それが案外と似合っていたり。プリプリとした食感の白子は、魚のような味でいてその割に磯臭くなく優しい味。多分初めて白子を目にする息子は、「なんじゃこりゃぁ〜?」とか言いながらもお代わりして食べていた。旨い。

で、昨夜の残りの豚バラ野菜巻きをつつきながら、ビールなど飲みながら、生餓鬼……じゃなかった、生牡蠣。
数日後には、友人3人を招いての「牡蠣パーティー」を予定しているのである。思いっきり、私一人でフライングである。
「ほら、でも、生牡蠣の剥きかたなんて忘れちゃったしぃ、牡蠣ナイフ、どこにしまったか思い出さなきゃいけないしぃ」
とか適当に理由をつけてうきうきと準備。

が。

牡蠣ナイフ、なかなか見つからない。あっちの引き出しこっちの引き出しとひっくり返して、ナイフ1個探索するのに十数分。
牡蠣、なかなか開けられない。爪と指の間に殻の破片など突っ込んでしまい「ほぁちゃぁ!」と怪しい悲鳴をあげつつ、必死こいて何分もかけて殻あけ。心境、若干、修行僧のおもむき。
「生牡蠣にはコレでしょ!」のホースラディッシュ、みつからない。どこだー?どこだー?こないだだんな、買ってきてくれたんじゃなかったっけー?と探しまくり、そういや未だ買っていなかったんだと思い出す。結局、ウスターシャソースと大分土産の"かぼす酢"など使って適当に食べることに。
しかもトドメ。
5個のうちの1個、おもいっきり腐ってるしー!(中が真っ黒けにドロドロになってるしー!)

ああ、神様……一人抜け駆けして生牡蠣喰っちまおうというバチが当たってしまったんでしょうか。なんだか色々とトホホです。

でも、まぁ、4個の生牡蠣はしっかりくっきり美味しかった。別に傷んでいるという風でもなかったし、かぼす酢垂らしてツルリと食べると、それはそれでけっこういけた。ウスターシャソース&刻み万能葱という組み合わせも、なかなか。

これで、牡蠣にあたらず無事に明日の朝を迎えられたら……とりあえず私の「勝ち」ってことで(どんな勝負なんだかな)。こんな恐怖を味わいつつ、でも私はやっぱり生牡蠣が大好き。

11/19 (水)
そうそう、こんな味のものが食べたかったのよー。
「Johan」のコーンパン
ココア

昨日、色々なものを届けにお義母さんが夕方ちらりとやってきた。
「これねぇ、なんだか2箱も貰っちゃったのよ。うち、これ食べられるのお父さんしかいないから良かったら食べて?」
とめちゃめちゃ辛そうな韓国チゲ風カップラーメンを1箱(12個……?)。
「はい、これは1箱あったから、半分あげるわ」
と名古屋の味噌きしめん6袋。
「あとね、これも」
と、「Johan」のコーンパン6個。一番嬉しかったのはコーンパンだったりした。

「じゃあねー、全部一気に食べちゃだめよぉ〜」
お義母さんは高笑いしながら去っていった。……食べませんってば。お義母さま。

コンロの上には5日目のおでん。もうラストスパート段階に入り、鍋の底も見えるようになった。けど、まだ微妙にコンニャク2切れとかちくわぶ2切れとか、大根は4〜5切れとか、あれこれ残っている。でも、私はもうおでんの味に少々飽き飽き。
「ぼくは毎日続いても飽ーきーなーい♪」
とか言いながら、だんなの朝御飯は今日もおでん。飽きずにおでん。私と息子はありがたくコーンパンをいただいた。オーブンで軽く温めてから何もつけずにそのまま囓る。お供にはホットココア。私はカフェオレにもミルクティーにも砂糖はあまり入れないけれど、ココアはちゃんとしっかり甘くしたほうが美味しいと思う。ちゃんとお湯で砂糖とココアを練って、レンジでチンした牛乳じゃなくてホーローの鍋で温めた牛乳を注いで混ぜる。これが断然美味しいと思うのだけど、でも後片づけは断然大変なんだなぁ……。

おうちで弁当
 豚とキャベツのチャーハン
 ゆで卵
 海老グラタン(冷凍もの)
 きぬさやのおかか醤油和え
白子の味噌汁(昨夜の残り)
麦茶

今日も昨日と同じく、親子3人おそろいのお弁当。今日の御飯は、料理本で見かけて「お、美味しそうかも」と思って作ってみた豚とキャベツのチャーハン。豚を炒め、キャベツを加えて更に炒め、ケチャップとウスターソースを同量加えて混ぜたら御飯を加えて炒め合わせる。味としては、ソース焼きそばのそばを抜いて御飯を足したような感じ?文字にしてもけっこう美味しそうな印象があるのだけど、できあがったものは「……んー、なんか、もちょっと、改善の余地があるような……?」というものになってしまった。単に塩気が足りなかっただけかもしれない。

おかずはゆで卵と青み野菜。ちょっと手抜きさせてもらって冷凍食品の弁当用グラタンを1個。

「不二家」のショートケーキ
牛乳

さて。昨日の夜から私は無性にロールケーキが恋しかった。
10時過ぎて帰ってきただんなの前でせっせとネットサーフィンし、
「この店は……通販してくれるのかぁ……」
「ここのも美味しそうだけど……冷凍で届くの?それはなんか……ヤだなぁ……」
などとブチブチ呟きながらひたすらロールケーキに思いを馳せる。私の脳裏はスポンジと生クリームのぐるぐるでいっぱいいっぱいだった。

「あーもう!届くのなんて待ってられない!コンビニ行って買ってきちゃおうかなぁ!」
と天を仰いで叫んだところ、だんながちょっとばかり脅えた声で
「……だったら"帰りにコンビニかどっかでロールケーキ買ってきてきてー"ってメールでもくれたら買ってきてあげたのに……?」
とのこと。いや、恋しくなったのは、だんなが帰ってくるほんの数分前だったのだ。「あ、食べたい」と思うと、もう止まらない。そもそも最近、生クリーム分が不足してきていると思っていたのだ。

辛抱たまらず、息子を幼稚園を迎えついでに駅ビルのケーキ屋にダッシュしてしまった。
「おかーさぁん、何かうのー?」
「ロールケーキ!絶対ロールケーキ!ロールケーキ確定!」
「うわぁ!ぼくねぇ、ロールケーキ大好きだから、うれしいなぁ〜」
のんびりした声を出す息子と裏腹に、一人だけ血走っている私。この店は?あの店は?と6店ほどもあるケーキ屋全てを眺めたのだけど、「これ!」というロールケーキは売られていなかった。フルーツごてごて巻かなくていいのー、アーモンドスライスとかも散らさなくていいのー。ただただ、スポンジとクリームのロールケーキが食べたいのー。

駅ビルはダメだわ……と諦めて自転車置き場に向かい、最後の頼みは別のコーナーにある「不二家」。とにかくこれ以上なくシンプルな味のものが食べたくて、結局ロールケーキは見つからなかったけれど不二家のショートケーキを買ってきた。クリーム多め、駅ビルの他の店よりサイズちょっと大きめショートケーキは値段もお手軽。しかも素直な味でけっこう美味しい。私は不二家のケーキが密かに大好きだったりした。

はふーん、これこれ、これなのよこの味なのよ、とうっとりしながら帰宅早々に荷物もほっちゃらかして牛乳傍らにショートケーキにむしゃぶりついた。甘酸っぱいイチゴが上に1個、中にも数個。シンプルなスポンジに、ごくごくシンプルな味のホイップクリーム。上のニョロリと絞られたクリームのボリュームにもうっとりしながら、
「ああ、スポンジとクリームバラして巻いたらロールケーキになるわね」
とかどうしようもない事を考えながらぺろっと食べた。ああ、幸せ。

同じく幸せそうにショートケーキを食べている息子を見ると、上部に絞られ塗られたクリームを全てすくいとり、てっぺんの苺も食べ、怪しい三角柱の形状になった物体の上部に張り付くスポンジをぺろりと剥がしてそれを食べようとしているところだった。……そういう食べ方はやめようよ……。

味噌煮込みきしめん
「R1/F」の蟹サラダ・ポテトサラダ
5日目のおでん
麦焼酎(大分・酔うちょくれ)

ショートケーキを食べるなり、スイッチの入っていないこたつに足突っ込んで昼寝を始めてしまった息子。珍しいことじゃないので放っておいたら、
「トイレ……」
と途中で起き出しトイレに行った後、今度はベッド方面に移動して布団にくるまって眠ろうとしている。寝始めてからもう2時間は経過していて、やっと様子が妙なことに気がついた。

「そんなに寝てると、夜寝られなくなっちゃうよー?」
と近づくと、小さな声で
「おかーさぁん……ぐあい、悪い……」
それを!早く言え!なぜ早く言わない!?と額に手をやると、わずかに熱い。そういえば、幼稚園は風邪が猛威をふるいまくっていてクラスの1/3ほどが休んでいると聞いていた。
はい風邪薬、はい氷枕、はい冷えピタ、パジャマ着たらもう寝なさいね、と「風邪ひきセット」を整えて、一息。さほどの高い熱でもないし、一晩たてばけっこう回復するだろう。

だんなは本日英会話学校。息子と2人の夕飯確定だったので、クリームソースのパスタでも作ろうかと、サラダを2種類ほど買ってきていた。……一人じゃ全然食べきらないなと明日に持ち越すのを覚悟して、少量ずつ小皿によそう。おでんも少し。で、お義母さんにもらった味噌きしめんを早速煮ていただくことにした。乾麺を数分茹でてから別添の顆粒だしと液体味噌を溶き入れて具を適当に入れて更に煮込む。入れたのは、鶏肉と油揚げと人参と長ねぎ。一人食卓で食べるのはなんだか寂しかったので、居間のこたつに盆に乗せた「夕飯セット」を持ち込んでテレビ見ながら食べることにした。もー、一人で飲んじゃうもんねー、とだんなの大分土産の焼酎をお湯割りにしておでんつつきつつくいくいと飲む。

あー、困ったぞ、今現在のヒット曲は全然わからんのに、平成3年のヒット曲は全部歌えちゃうぞ……。(「歌の大辞テン」を見ているらしい……)

11/20 (木)
白い御飯に赤いイクラをどっぷぁーとかけて (夕御飯)
「Johan」のコーンパン
ミルクティー

昨日の夕方から発熱していた息子。今朝になっても赤い顔してハヒハヒと苦しそうな息づかいになっている。うーーーーーん、今日の幼稚園はもちろん、夜の外出もこりゃ絶対無理だなという感じ。
「おかーさぁん、ひやいの、ひやいのつくって?」
と、ひやいのひやいの言う息子は、「氷枕を作ってくれ」と要求しているのだった。「もひとつ、ひやいのー」と言うそれは、冷えピタを所望している模様。あれこれ整え整え、洗濯して幼稚園に電話して、だんなと二人で朝御飯。

だんなは飽きもせず(いや、さすがに飽きてきたらしい)おでんの朝食。私はコーンパンの朝食。濃いめのアッサムティーを淹れ、ミルクティーにしていただいた。わずかな塩気とコーンの甘さが感じられるJohanのコーンパンはやっぱり美味しい。

ベーコンとチーズのホットサンド
「R1/F」の蟹サラダ・ポテトサラダ
ダージリンティー

昨日一日中ロールケーキロールケーキと念仏のように唱えていたところ、「ここのが美味しいですよー」というお話をいくつかいただいた(ありがとう、ありがとう)。前回のロールケーキマイブーム時にいただいたお話と併せて、こんなに美味しそうな話が集まった。値段もいろいろ。1本3000円近くするゴージャスなものから、800円くらいのものまで色々ある。

で、いただいたお話の中で「これは!」と思ったのは山梨にあるお店、「清月」というお菓子屋さん。1本1200円と、なかなか手軽な価格のロールケーキは、生地の周囲を薄いクレープ皮でくるまれているというものらしい。マロンや抹茶などもあるけど、それらも良い感じにシンプルだ。
「あぁ〜ん、ロールケーキロールケーキ♪」
と何種類か注文してしまった。早く届くといいなぁ〜。

そんなことをやっていた午前中、息子は全然何も食べられそうにないので彼にはポカリスエットだけを飲ませ、私は一人で昼御飯。残っていた食パンでベーコンとチーズのホットサンドを作り、昨夜の残りのサラダもつつく。あったかい紅茶をずるずる飲みつつチーズをぴよぴよさせながらこたつにはまって食事した。テレビでは今日も見ているX-FILESが今日もずーっと流れていて、怪物に引っ掻かれた被害者からピューッと体液が出ていたりしている。はっはっは、悪趣味よねぇー、とか言いながらチーズをぴよーん。

豚ヒレ肉の中華風煮込み 茹で小松菜添え
イクラ御飯
麦茶

「ねぇね、買い物行ってきちゃダメですか?すぐ帰ってくるけど」
「ダメです!バツです!おかーさんはね、ぼくといっしょに、ずーっとおうちにいるんだよ」
「でも、お買い物行かなきゃなんだよ……」
「おとうさんがね、おかいものしてきてくれると思うよ?だからバツなんだよ」
息子にそうアドバイスされたこともあり、今日もあまり早くは帰れないらしいだんなに、お買い物を頼むことにしてしまった。飲まず喰わずで帰ってきただんな、帰宅時間は10時近く。
「あーもー、腹減りまくりだよー」
とがふがふと御飯をかっこんだ。私はその1時間くらい前に同じ内容の御飯を食べ終わっていた。今週はすれ違いが多いー。

さらさらっと、冷蔵庫内の残りもので作った夕御飯。安売り品だった豚ヒレの塊肉はざくざくっと厚めにスライスして両面こんがり塩胡椒で焼きつけてから醤油と味醂が入った甘辛いタレで軽く煮込む。ほんの1かけ放り込むと、それだけでなにやら中華風な香りが漂うのが八角のありがたいところだ。八角は、スターアニスという名もある星形の可愛い形のスパイス。星形のそれまるまる1個放り込むと鍋の中は大変なことになるので、入れるのは大抵1かけか2かけだ。独特な甘い匂い漂うこのスパイスは、料理に使うようになる以前からポプリの材料として知っていた香辛料だった。私は大好きだけど、だんなや我が母はそれほど好きな匂いではないらしい。

小松菜を敷いた器に肉を盛りつけ、それをつまみながら御飯をさらさら。御飯の上には一昨日生筋子をほぐして作ったイクラをぶわーっと盛大にぶっかけて食べた。自家製イクラは、買ってくるイクラとはちょっと違った味。醤油も酒も適当に入れて作るものだから微妙に毎回味が違ってしまったりするのだけど、それもまたならではだ。ブリブリと1粒1粒が大きなイクラは、それだけでほのかに贅沢な気分にさせてくれる。いつでもこの生筋子が出回ってくれれば良いのだけど、なかなかそうもいかないのよねぇ。

で、本日の息子は結局ヨーグルト2個、ポカリスエット数杯を飲んだだけ。ずーっと湯たんぽのような体温で、こりゃ明日も布団の中かなぁ……と思いきや、
「うわぁ!ころんじゃうよぅ〜ぐるぐるしちゃうよぅ〜」
フラフラしながらもやけに元気な声を出しつつトイレに行ったりしていたのだった。……けっこう大丈夫?

11/21 (金)
写真に撮るようなもの食べていなくて、玄関に置いたオブジェなど撮影してみる
フルーツグラノーラ with 牛乳
ヨーグルト

だんなは先日、スポーツジムに入会した。運動不足な肉体をなんとかしようと思ったらしく、職場近辺の早朝オープンのジムに通うことにしたらしい。今朝は6時に起きて静かに準備し、静かに出かけていった。息子は今日も風邪でお休みということで、私と息子は幼稚園に連絡しなければいけないぎりぎりの時間まで寝ていることに。ぐーたらぐーたら寝ていたら、起きようと予定していた8時半より1時間近く早く息子に起こされてしまった。

「おかーさんおかーさん、なんかね、おなかが空いちゃったなんだよー」
肩をつんつん。
「おかーさんおかーさん、着替えてもいーい?」
鼻をもげもげ。
「おかーさんおかーさん、おきよ?ね?」
頭をなでなで。
あーもー、なんだよなんだよー、と目を開ければ、やけに瞳が輝きまくっている息子と目が合った。……全快ですか?快癒ですか?もしかして。……子供は回復が早いなぁ……。

「……何か食べられそう?ていうかお腹空いてるでしょ」
昨日はほとんど食べられなかった息子に聞いてみると、
「カリカリー、カリカリーがいいなー」
と冷蔵庫横の棚の前で飛び跳ねている。先日買ってきたばかりのコーンフレークを御所望らしい。私も息子も大好物のカルビーフルーツグラノーラは、現在フローズンストロベリー入りでますます好みな味になっている。私も息子と一緒にコーンフレークの朝御飯にすることにした。

「……もっと食べてもいいですかー?」
……治った途端に食欲も全開になったらしい。

「やまうち」のうどん ひやひや
麦茶

数時間おきに「おかーさん、おなかが空いちゃったなんだよー」と食べ物を求める息子。昨日消費してしまった分のカロリーを一気にここで供給しようかというように見える。いっそ幼稚園に連れてってしまえば良かったか?と思いながら眺めていると、でもやっぱり本調子ではないようで、「おぉ〜、ふらふらー、ふらふらするねぇ〜」と楽しそうに千鳥足になって歩いている。元気なのかそうじゃないのかどちらかはっきりしておくれ。

「お昼はね、冷たいうどんがいいと思いまーす。そいでね、夜にはね、イクラのごはんがいいと思いまーす」
一人で献立まで組み立てていたので、今日はその息子の意向に沿ってやることにした。昼は冷たいうどん。先月届いて2玉だけ残っていた「やまうち」のうどんがあったので、しっかり茹でた後、水で揉み洗い。キンキンに冷やしてから刻みねぎをかけ、冷やしただしをかけて食べる。関東で食べるうどんは、冷たいのといったら「ざるうどん」がほとんどだろうに、息子にとっての「冷たいうどん」は讃岐うどんで言うところの「冷たいかけ」「ひやひや」以外のなにものでもないらしい。嬉しいような、「そんな食文化で育ててしまってすまん」というような。

「あぁ〜、おいしいね、冷たいうどん、おいしいね」
ものすっごく嬉しそうにツルツルうどんを食べる息子。……香川に住んでも、もしかして君も困らないね……?

イクラ御飯
鶏肉とミックスベジタブルのスープ
豚ヒレ肉の中華風煮込み 茹で小松菜添え(昨夜の残り)
ビール

今週は月曜しか一緒に夕食を摂れなかっただんな、今日は今日で職場の飲み会なのだとか。私も飲み会行きたい……と思いつつ、午後はメリケン料理の仕込み。明日は友人夫妻とアメリカ留学に一緒だったIさんがやってきて生牡蠣パーティーをする予定。せっかくだし、とニューオーリンズ料理っぽいものをあれこれ作ることにした。ガンボスープとか、マカロニ&チーズ(これはニューオーリンズ料理じゃない……)とか、ほうれん草ディップとナチョス(これもニューオーリンズ料理じゃ……)とか。夕方5時頃から仕込みを始めたところ、台所がわやくちゃになって夕飯の仕込みどころじゃなくなってしまった。……えーと、ほうれん草は全部刻んじゃって良かったっけ?刻み玉ねぎはあとどれくらい?えーとえーと。

かくして、息子のリクエスト通りのイクラ御飯と、ガンボスープの仕込みついでに作った2杯分ほどの鶏肉のスープ。昨夜の残りの煮豚も温めたら、なんとか体裁が整った。周囲にいーっぱい食べ物があるのに、まだまだ仕込み中で食べられるものが全然ないというのはけっこうつらい。ガンボスープも……もうちょっと煮なきゃ食べられないし……。

台所中に怪しいスパイス臭が漂う中、イクラ御飯という醤油と酒の味のものをがふがふと食べる。昼食に続いて、またもや息子も
「イクラ、おいしいなぁ〜、ほんっとに、おいしいなぁ〜」
とまたもや幸せそう。手抜きでごめーん。その代わり明日は御馳走よー。マッケンチーズよー。(マッケンチーズが御馳走かどうかということは置いておいて)

11/22 (土)
70個の生牡蠣を剥いて剥いて、焼いて焼いて (夕御飯)
「Johan」のコーンパン
ミルクティー

今日も息子は元気。すっかり元気。一人7時半ころに起き出して、
「なにか飲んじゃおっかなー」
と台所を散策し、
「パソコンも、うごかしちゃおっかなー」
と一人パソコンで遊び始めた。まだまだまだまだ眠いのに……と思いながら、つられて私も8時前に目を覚ましてしまう。今日の夜は牡蠣パーティー。生牡蠣70個で牡蠣パーティー。おおむね準備も整っていたのでのんびりと洗濯機を動かし、簡単に掃除をした。

「おかーさん、おなかすいたよー」
とのいつもの息子の声で、朝食の準備。9時過ぎにはだんなも起きてきて、息子はシリアル、私とだんなは残っていたコーンパンを1個ずつ。ちょっとばかり固くなってしまっていたけれど、温めて食べたらちゃんとふわふわ。ほんのり塩気があってコーンたっぷり、相変わらずJohanのコーンパンは美味しい。

稲毛 「高円寺ナイルカレー」にて
 カツカレー ゆで卵トッピング

パーティーの時間にはまだまだまだまだ早いけれど、午前11時半にメンバーの1人Iさんがやってきた。アメリカ留学時にご近所さんだった(かつだんなの高校時代の同期生でもある)Iさん、そろそろアメリカ料理も恋しくなってきたらしい。

「え?生牡蠣?うん、食べたい食べたい。絶対行くよ」
ということでうきうきとやってきた。ちなみに彼は大のカレーライス好きでもあり、
「君ん家の近くのカレー屋さん、あそこも行きたい行きたい」
ということで、昼食も一緒にすることになったのだった。数ヶ月前にやっぱりカレー屋目当てに遊びにやってきたことがあったのだけど、あのときは臨時休業だかで目当ての店はお休みだったのだ。

夕飯はちと早めになるだろうから昼食も早めにしようねと、すぐにお店に向かう。目指す店は「高円寺ナイルカレー」。
「ハンバーグカレーがおいしいよー」
「カツカレーもいけるよー」
「卵乗せもいいよぉ」
とか言いながら歩き、ランチタイムにはちと早くお客のいない小さな店にたどりついた。

私はカツカレーにゆで卵のトッピング、だんなはハンバーグカレーの大盛り、Iさんはエッグカレーの大盛り。
「おー、黒いね」
楽しそうにカレーを食べるIさん。揚げたてのカツが乗せられたカツカレーは、ほのかに甘く、サラリとしているけど濃厚な味。相変わらずちょっと風変わりでとても美味しい。Iさんの好みはスパイス臭強めのサラサラカレーなので、感想は「稲毛のカレー屋さんだったらShibaが好きだな」ということだったけれど、でも我が夫の好みはその正反対で、圧倒的にこの高円寺ナイルカレーの味が好みなのだということだ。私は……どっちも好きかなぁ……5.5対4.5くらいの僅差でわずかにShibaが好みかも。
ともあれ、近所に美味しいカレー屋が2軒もあるというのはとても幸せなことだ。

友人たちと牡蠣パーティー!
 生牡蠣40個くらい
 オイスターロックフェラー35個くらい
 タルタルソース乗せ焼き牡蠣5個くらい
 ほうれん草ディップ & ナチョス
 いんげんのキャセロール
 マッケンチーズ
 ガンボスープ
 ボジョレ・ヌーボー(Georges Duboeuf Villages)
 シャンパン(Laurent-Perrier Brut L.P.)

 バナナフォスター
 Mさんお手製スィートポテト
 「清月」のスペシャルマロンロールケーキ
 カフェオレ

午後4時頃、Tさんと奥様のMさんも無事到着。我が家とIさんは、Tさん夫妻の結婚式に出席したりもしていたので、全員が顔馴染み。広くはない居間なのでこたつ布団をとっぱらってテーブルにし、更に別のテーブルも持ってきてなんとか5人座れるように整えた。

Tさんらがやってくるのと前後して、届いたのは70個の生牡蠣。
「1人1ダースは食べるよね」
「焼き牡蠣とかもしたいから……」
「1人15個くらいかなぁ?」
「信頼のおけそうな店で買いたいよね」
と、このパーティーを企画してからずっとあれこれ考えたのだけど、顔なじみのシェフKさんに
「そういうわけで牡蠣パーティー開くのですが、こう、おすすめの卸しの店、ないですか?」
と聞いてみたらば、厚岸で一番最初に牡蠣の養殖を始めたのだというところを紹介してくれた。1個100円ちょっとの牡蠣は、大きさはそれほどでもないけれど、中にはふくふくぷりぷりとした身が鮮度抜群の状態でおさまっていた。うきゃうきゃと剥き始めたところに、Tさん夫妻がやってきたのだった。

「あ〜、私も、剥いてみようかなぁ。はじめてだわー」
とMさんも一緒に台所に立ち、私とMさんの2人で牡蠣を剥き始める。Mさんは、本業がお医者さん。メスナイフにも似た牡蠣ナイフを扱うのは造作もないことのようで、見極めにくい貝の合わせ目を即座に見つけてはカッパカッパとあけていく。私もけっこう巧くやるほうだと思っていたけど、牡蠣剥き初体験なはずのMさんの方が圧倒的にうまかった。殻をあけた牡蠣は、塩を入れた氷水の中でしゃばしゃばと振り洗いして細かい殻屑を落としてから皿に並べる。

添えるのはレモンとライム、タルタルソース、そしてカクテルソース。カクテルソースは、友人コリスケさんのサイトKolis Inn内のコラムで登場した生のトマトを使う作り方でだんなが準備してくれた。そして焼き牡蠣用には"オイスター・ロックフェラー"用に炒めほうれん草。一般的にはバターで炒めたほうれん草(ただ刻んだだけのほうれん草を使うときも)を生牡蠣の上に乗せ、パン粉と粉チーズをふってオーブンで焼く……というものなのだけれど、私はほんのり生クリーム感が漂う方が好み。ちょっと強めに塩をきかせて刻みほうれん草と玉ねぎとセロリをバターで炒め、少量の生クリームを入れて軽く煮つめてから刻みパセリを混ぜこんだ。これを牡蠣の上に乗せて、魚を焼くグリルで数分焼く。台所はそろそろ牡蠣だらけになりつつある。

あと、準備したのは息子が大好きな(Iさんやだんなも大好きな)マッケンチーズ(作り方を参考にしたのはfood network内レシピコーナー)、いんげんのキャセロール焼き、鶏肉とソーセージのガンボスープ(作り方を参考にしたのはGUMBO SHOP内レシピコーナー)。アメリカのパーティーでしょっちゅう出てきていたほうれん草のチーズディップとナチョスの組み合わせも用意した。

【 ほうれん草ディップのつくりかた 】

材料
ほうれん草(細かく刻む)80g
玉ねぎ(細かく刻む)小さじ1
クリームチーズ120g
生クリーム大さじ2
パルメザンチーズ(おろす)大さじ1
ガーリックパウダーひとつまみ
ウスターソース小さじ1/2
適量

  1. 鍋にクリームチーズと生クリームを入れ、弱火にかける。焦げないように気をつけながらチーズを溶かす。
  2. 残りの材料を全て加え、適当に火を通す(ほうれん草がグダグダになっても美味しいし、生っぽくてもそれはそれで美味しい)。ナチョス(トルティーヤチップ)をつけつつ食べる他、パンや生野菜につけて食べても美味しい。冷えると固めるので、食卓には温かい状態で出す。

ディップは固まらないように、以前購入したバーニャカウダ用の器に入れてテーブルへ。

酒は、Tさん夫妻が「生牡蠣に合うっていうのを探してもらった」と買ってきてくれたシャンパン、だんなが解禁日に銀座で買ってきてくれたボジョレ・ヌーボー。
「いっひっひ、酒だ酒だ」
「生牡蠣だぁ〜」
と、テーブルの上を食べ物と酒でわやくちゃにしながらパーティーのはじまり。とはいっても、いまいち優雅さには欠けている雰囲気だったりして、生牡蠣はえらい勢いでなくなっていく。
「焼き牡蠣、どんな具合かなー」
と台所に様子を見に行っている間に生牡蠣がごっそり減っていたりして、全体的に「負けられない」といった風にやや血走った状態で牡蠣をひたすらばっふばっふと食べている私たちだった。

牡蠣は臭みぜーんぜんなく、とろんと甘い。キーンと冷たくて磯の香りが漂って、プルンツルンと喉を滑り降りていく。めっちゃめちゃ、おいしーい。トマトをすりおろして作ったカクテルソースも、これまたおいしーい。結局、1時間ほどで70個の生牡蠣はなくなってしまった。正直言って、「まだ物足りない、まだまだいけそう」という感じ。

どことなくニューオーリンズ風にまとめた食事だったので、デザートはやっぱりニューオーリンズ名物のバナナフォスター。それに先日通信販売を頼んでちょうど今日届いた「清月」という山梨のお店のスペシャルマロンロールケーキ。そしてMさんお手製のスィートポテト。しっかり裏ごしして作ってくれたというスィートポテトは、さつまいもをくりぬいた皮を型にした手間のこんだもので、ふわんと滑らかでクリーミーだった。甘く炒め煮した熱いバナナをアイスクリームに添えるバナナフォスターと、山梨出身のMさんが「あぁ!清月だぁ!なっつかしい〜。ここ、ホントに美味しいんだよ」とイチオシしてくれたロールケーキをごく薄く1切れずつ。

飲んで飲んで食べて食べて、甘いものもしっかり平らげ、4時過ぎから始まった宴会は日付が変わるちょっと前まで続いたのだった。
「あー!またやろうね」
「今度は真冬になるだろうから……豚味噌鍋がメインディッシュってことで」
「で、生牡蠣は70個また用意する、と」
「また70個!?」
「鍋なのに!?」
今度の回は……1月かな。牡蠣は70個ということで。

11/23 (日)
朝御飯は、ビスケットとガンボスープ
ガンボスープ
ビスケット ハチミツ添え
カフェオレ

昨日のパーティーの疲れで、一度は7時半に目覚めたものの、次に目が覚めてみると11時。「あーらら」「あらららー」「もう11時?」と皆そろってかなり遅めの日曜日スタートとなった。ま、たまにはこんな週末もあるさー(たまには?)。

朝御飯は、昨夜パーティーの残りのガンボスープ。他の料理も色々あるというのにダッチオーブン1個たっぷり作ってしまって、「こりゃ2〜3日食べ続けになっちゃうかなぁ」と危惧していたのだけど、昨夜の面子のIさんがこれでもかとおかわりしてくれて、残りはほんの1回分。私とだんなと息子で分け合うと、ちょうどぴったりくらいの分量しかなかった。煮詰まってとろんとろんになり、スパイスの尖った香りもまろやかになってすごく良い感じ。

本来はこれにスチームドライス(つまりご飯)を入れて食べたりするのだけど、アメリカの朝御飯でよく出てくるビスケットも焼いちゃうことにした。あまりこういう組み合わせはない……ような気がするけど、気にしない。ビスケットが食べたかったのだ。お菓子のビスケットとは違う、ケンタで出てくるそれのような、塩気のあるスコーンに似たものがビスケット。作り方もスコーンのレシピとほとんど変わらない。粉にバターを指先で混ぜ込んでいき、牛乳を混ぜて焼きあげる作り方は、Williams-Sonomaサイト内のレシピコーナーから見つけたもので、レシピの内容からして、スタンダードな類のものだと思われた。

普通、ビスケットには卵料理とベーコンだとか、ホワイトグレービーと呼ばれる白いシチュー状のものを添えたりするのだけど、今日はお供にガンボスープ。
「うー、ニューオーリンズ行きたいね」
「めちゃめちゃ行きたいね」
なんて言いながらあったかい朝御飯を楽しんだ。……ていうか、もう昼ですか、もしかして。

「清月」のイタリアンロール
アイスアールグレイティー

「昼食」といっても全くさしつかえないような時間帯に本日1回目の食事をしてしまったので、次の食事は夕飯ということに。で、おやつにロールケーキを食べた。

先日来のロールケーキマイブームというかロールケーキ欠乏症に負け、買ってみたのは山梨のお菓子屋さん「清月」のロールケーキ。プレーンなものは「イタリアンロール」という名前がついているようで、それを1本、他にもマロンと季節限定のスペシャルマロンの2種類をハーフサイズで購入してみた。昨日はスペシャルマロンをスライスしたので、今日はいよいよ本打ちのプレーンを。

私の理想は、スポンジとクリームが美しく均等の厚さでぐるぐると渦巻きを巻いているロールケーキなのだけれど、これは「の」の字の輪の部分にあたるところに多めのクリームが包まれ、他の部分は少々薄めになっているというもの。そしてスポンジに密着して薄いクレープ状の生地が1枚、クリームを巻き込んでぐるりと巻かれている。色々と「理想のロールケーキ」として思い描くそれに対してイレギュラーな部分を感じつつ、でも、このロールケーキは確かにすっごく美味しかった。シンプルなスポンジにシンプルなクリーム。どちらも甘さは控えめで、ふわんふわんとした良い感じの食感。厚切りにしたそれを、たっぷりと食べた。……やっとロールケーキ熱はちょっとだけおさまったかな。

300g和牛ステーキ
フライドポテト・にんじんのグラッセ・クレソン
コーンスープ
羽釜御飯
ビール(コロナ)
ボジョレ・ヌーボー(Georges Duboeuf Villages)

「こう、にんにくがガッツリきいたものを食べたい気分なのです」
と、当初は外食にでも行こうかと言っていた今日。でも行きたい店は今ひとつ見つからず、遠出するのもめんどくさく、
「外食する金があったら、ぶあついステーキ肉なんか余裕で買えちゃうわよねぇ」
という方向に欲望が定まった。今日の夜は、おうちでステーキ。

アメリカでたらふく分厚いステーキ(横のものを縦にしても自立しちゃうようなゴツいステーキ)を食べまくった記憶を染みつかせてしまっている今現在、
 ・ 厚さ2.5cmにも満たない牛肉はステーキ肉とはいえない
 ・ そもそも300gに満たない牛肉は以下同文
 ・ 1ポンドあると嬉しいわよね
という、なんともイヤな好みになってしまっていたりした。肉屋に行ったら、当然そんな肉は売られていない。別に、キレイに霜降りになんてなってなくて良いのである(逆に、そんな脂っこい肉は300gも食べられない)。適度に脂身がついていれば赤身で充分。で、スライスしてもらって買ってきたお肉は1枚300g強で、1枚1200円くらいだった。それで満足できるステーキが食べられるなら、高くはない。

「いっひっひ、ステーキステーキ♪」
「ひたすらステーキ♪」
と、大皿ににんじんのグラッセを乗せ、オーブンでこんがり温めたフライドポテトを乗せ、クレソンを飾る。にんにくを最初にカリッと揚げ焼きにしたスキレットで、常温に置いておいて塩胡椒たっぷりした肉を香ばしく焼く。ソースは「なんといってもこれ!」のバター醤油。バターと醤油と牛肉とにんにくの組み合わせは、もう想像するだけで御飯1膳いけちゃうような、極めつけの組み合わせだと思う。大きな皿に、大きな肉がどかんと盛りつけられた。焼き肉も美味しいし大好きだけれど、ステーキはやっぱり「肉喰ってるぞー」感が一番強く感じられて、これまた大好き。

「うーん、食えるねぇ」
「食えちゃうねぇ」
「ていうか、もっと大きな肉でも良かったかも」
危険な意見も出てしまいながら、フォークとナイフをせっせと動かす。分厚く重い鋳鉄のフライパン、スキレットでステーキを焼くようになり、その火の通りかたなどを把握するようになった後、だんなの焼いてくれるステーキは店で食べるそれと大差なく思えるほど美味しく仕上がるようになった。家庭でのコンロの火力の弱さはカンカンに熱されたスキレットがカバーしてくれるし、あとは素材の違いだけ、という感じ。

ライムを入れたコロナを1本飲み干した後、昨夜の残りのボジョレヌーボーもくっぴくっぴと飲んでしまい、たっぷりの肉とワインで御機嫌になった私たちは風呂も入らず沈没してしまったのだった。あー、なんか、幸せな連休。