食欲魔人日記 04年02月 第3週
2月16日 月曜日
鶏肉をパリッと焼きました
フルーツグラノーラ with 牛乳

最近すっかり体育会系夫婦な私たち。だんなったらアメリカ滞在時についた肉が着々と削ぎ落ちつつあって、私も負けちゃいられないわと思う。だんなは早起きして出勤前のひと運動に向かい、私は息子を送り出した後、午前中にジムに向かう予定。

息子と2人の朝御飯は、今日も飽きもせずフルーツグラノーラ。食パンもあるし今日はご飯もたっぷりあったしで
「トーストとかホットサンドとか、卵のごはんでもいいんだよ?」
と言ったのだけど、「フルーツのカリカリがいいの!」だそうで。安くはないのに着々と今日も減りゆくフルーツグラノーラ。

「アイムジャ、セクシボ〜イ♪セクシボ〜イ〜♪アイムナッチュアボイトイ♪ボ〜イト〜イ♪」
sexy boyだtoy boyだと食後の息子が御機嫌に歌っているのは、某アメリカンプロレスラーの入場テーマ曲。ちなみに歌詞は「I'm just a sexy boy, I'm not your boy toy,」というもので……割と意味深?
「おら、歌ってないでセクシーボーイくん、幼稚園に行くよー」
と今日も元気に登園。

豚キムチ丼
麦茶

今日のジム、今回初めて挑戦したのが「ボディパンプ」という究極のスタジオプログラムだった。だんながだーい好きなプログラムだけど、私は話を聞いただけで二の足を踏んでいたプログラムだ。ジム通いをしている、だんなと仲良しの同僚氏(男性)も、ガラス仕切りの外側で見ていて「ありえねぇ」と感想を漏らしたのだという。
「だってさ、インストラクターの体型からして"ありえねぇ!"って感じだし、そいつが30kgくらいの重り抱えて平然と指導したあげくに片手外して"そこ休まなーい!"とかって指さすんだぞ!? もう絶対ありえねぇ!」
……と言ったとか言わなかったとか。

えーと、1kg・2.5kg・5kgの3種類の重りを自分の能力に合わせてバーベルのバー(このバー自体が2kgある)にセットし、音楽に合わせてバーベル持ち上げつつ上腕二頭筋鍛えたり背筋鍛えたり、とにかく色々鍛えまくるプログラムなんである。「いたって簡単。はじめての方でも楽しく参加できます」とか書いてあるけど、このへんの写真を見ると、「どこが簡単なんだどこが!」と激しく突っ込みたくなってしまう。バーベルというその器具のインパクトからして、濃厚さ漂うプログラムなのだった。……でも、人気あるらしい。何しろ痩せる!らしい。一度だけ出てみて、合わないと思ったらもう出るのは止めよう、と思って、今日参加してみることにしたのだった。

黙々とステップ台を組み立てる人たち(寝っ転がってバーベル持ち上げる動作もあるので、段差をつけて寝転がらないと手が床にぶつかっちゃうのね)。運動する部位によって負荷を変えるので何種類もの重りを準備していくのだけど、だんなからは
「初めてなら、一番ぬるそうな感じの重り使ってるおばちゃんの負荷を真似しながらしなさいね」
とアドバイスを受けていた。部位によっては重りつけないでバーだけ持ってやってる人もいるから、と。

だんなー!そんな人、全然いないよ、小1個の人だっていないよ。最低でも中1個は皆さん、つけていらっしゃるよぅ……と泣きそうになりながらも、負けず嫌いの私は悔しいので中1個を両端にセットする。これで、えーと、7kg?……と、前を見ると、いかにも継続的に鍛えてますみたいな見事なプロポーション及び筋肉のおねぇちゃんが5kgの重りを楽しそうにバーベルにセットしている。すごい……。

で、結果としては、「楽しかった」。こわごわとやった7kgの負荷(ところにより9kg)はでもそんなに筋肉痛になりそうなほどでもなかったし、一人黙々マシンジムにこもってストイックに鍛えるよりは、
「はい、溜めて溜めて溜めてゆーっくりゆーっくり……次いきますよシングル!ハイ!ハイ!ハイ!自分に負けない!」
と指導してくれる方がそりゃ楽しい。私はジタバタ動き回るのが好きなのでやっぱりどちらかというとエアロビクスの方が好きなのだけど、それでも「あ、これならけっこうできるかも」と判断できし思っていたよりもずっと楽しかったので、週一くらいでパンプにも出てみようかなー。アンダーテイカーみたいな体型になれるかなー(ならんでよろしい)。

帰ってきたのは午後1時。あと小一時間で息子のお迎えに行かなきゃだわと急いで昼御飯を作って急いでかっこんだ。肉!てな感じのものが食べたかったので、冷蔵庫に残っていた豚の切り落とし肉を刻みにんにくと共に炒めて残っていたキムチを投入。ザッと混ぜたら酒と醤油と味醂をチャチャチャっとふってその水気を飛ばすようにザザッとあおってあっためたご飯の上からぶっかけた。豚キムチ丼のできあがり〜。

私は長らくキムチに対して「嫌いじゃないけど自ら買うほどまでには……」といった程度の嗜好でしかなかったのだけど、「キムチでやせる」のキムチを買ってからというもの、かなり前向きな「キムチが好き」に変わりつつある。この豚キムチはその店で買ったキムチの最後の残りを使ったのだけど、適度な酸味に適度な辛さにほんわかとした甘みもあって、相変わらず絶品だった。ああ、そのへんのスーパーとかでこのキムチが買えるなら、いつでも常備したいほどなのに。

鶏肉のカリカリ焼き ポン酢ねぎぶっかけ
だんな特製 モツ煮込み
白菜漬・たくわん
なめこの味噌汁
羽釜御飯
ビール(モルツ)
抹茶入り玄米茶
みかん

昨日の夕飯でも出てきたのにうっかり書き忘れてしまった。現在、我が家のコンロには巨大な両手鍋が乗っていて、その中にたぷたぷとモツ煮込みが煮えている。だんなが作ってくれたそれは、豚味噌鍋の味噌で煮込んだもので、大根やにんじんもどっさり入っているものだ。仕込んだのは土曜日で、日曜日からぽちぽちつまんでいるところ。こっくり濃いめの味のそれに、刻み万能葱と七味唐辛子をふって食べるのだ。

「モツ煮込みがあるからー……夕飯は和風だよな、やっぱり」
と、御飯を炊く準備をする。味噌汁の具は、ヘルシーなものが良いかしらんと秋田の親戚が送ってくれたなめこの缶詰を開けて入れてみる。大粒のぶりっとしたなめこは、味噌汁にするにはちともったいないほど良いものだった。あと、秋田の親戚がくれたのは、ひめたけ(ちっこい筍)と、ぜんまいの水煮と、……あと、何もラベルがついてなくてマーカーで「栗」とだけ書かれた謎なものが。

メインディッシュは鶏肉のカリカリ焼きに。あまりゴテゴテ味をつけたものじゃない方がいいなぁ、と、塩胡椒してこんがり焼いて、刻み万能葱とポン酢を大量にぶっかけて食べることにする。

よく料理の本などに「皮目をパリッと」なんて鶏肉の調理法に出てくるのだけど、いまいちその「パリッと」の仕方がわからなかった私。皮を下にしてじくじく焼いても、うまくいくこともあるしいかないこともあるし、色は良い感じなのに、なんだかブヨブヨとしたいまいちな歯触りになることが多かった。で、数ヶ月前に雑誌で
「鶏の皮をパリッとさせるには、フライパンで焼くその鶏の上からもう1つフライパンを置いて重石にすると良い」
とかいう記事を読んで、ああそうかとやっと理屈がわかった私。要するに、皮が"蒸された"ような状態になることなく、鉄板にみっちりくっつけて皮を焼けば良いんである。多分そういうことなんだと思う。

「じゃあ別に、フライパンを乗せなくてもいいわけで……」
と、フライ返しで上からきゅうきゅうと押しつけつつ鶏肉を焼いてみる。押した脇からじくじくじくじくと溢れ出てくる溶けた脂はキッチンペーパーでちゃんと吸っていくと、いーい感じのパリパリ具合になった。鶏の皮のパリパリは、それだけでビール3杯くらい飲めちゃうほどに美味しい。かけたのは今年の冬から手放せなくなった「旭ポン酢」(関西圏の人にはすんごく馴染み深いポン酢だというけれど、関東じゃあんまり見かけないのね……通販で買った)を。野菜が足りないなぁと肉の下にはルッコラを敷き、トマトも添えた。

肉も野菜もそれなりに食べたけれど、最近熱烈に好きらしい「生卵かけ御飯」を嬉しそうに食べている息子。一体自分の日記に何回「あしたは、たまごのごはん、たべるなんだよ」とか書けば気が済むのだろう。今日も食べたのに、明日も食べるつもりらしい。ていうか、日記に「明日食べたいもの」を書くのは反則なような気がするのだけど、いかがか。

「ぼかぁね、昨日のパンプが響いて今日は足も肩も痛いのよ」
「私はね、今日のパンプできっと明日はあちこちが痛いのよ」
なんて筋肉質な会話を繰り広げながら、こってりモツ煮とさっぱり焼き鶏をもりもりと食べた。
デザートはみかん。最近果物屋さんでいっぱい見かける「三ヶ日みかん」はすんごく甘くて美味しいねぇ。

2月17日 火曜日
初めてのお店で日替わり定食たべてみる
鰺の干物
4日目のモツ煮込み
なめこの味噌汁(昨夜の残り)
卵御飯
焙じ茶

だんなは和朝食が大好き。願わくば毎日炊きたて御飯と味噌汁と焼き魚とかで朝御飯を食べたいなぁと思う人なのだった。わかっちゃいるけど、頻度は低め。お皿洗うの大変だし昨晩の味噌汁は飲みきっちゃったし、おかずもないしー……なんてあれこれ理由があったり理由をつけたりして朝食は洋食寄りな最近だった。

今朝は味噌汁が残っている。御飯もある。モツ煮込みは鍋にたっぷりあるし、そういえば冷凍にしてあった鰺の干物もあったんだっけ……と、久しぶりに和朝食を準備することができた。鰺を焼き、モツを温め、味噌汁を温め、御飯はチン。湯飲みにたっぷりの焙じ茶。ずらりと並んだ食器をカチャカチャ言わせて食べる朝食はゆったりした気分になれる。ちょっと火を通しすぎてしまったけれど、鰺の干物も香ばしくて良い感じ。私は和朝食が続くとパンが恋しくなってしまう嗜好なのだけれど、でも和朝食も和朝食で美味しいわぁ。

しっかり朝食摂った後は、本日は外出。

稲毛 「魚菜蔵」にて
 日替わり定食 \850

向かったのは清澄白河にある東京都現代美術館。2月頭から開催されている球体関節人形展を見るのが目的だ。私の大好きな天野可淡さんという人形作家の人形が展示されているということで見に行くことにしたのだった。

東西線の木場駅から歩いて歩いて歩いて木場公園を抜けて美術館へ。10時の開館直後に入った平日午前中の会場は明らかに人形より人間の方が少ない状態で、思う存分見てくることができた。フリルとかレースとか薔薇とか吸血鬼とかバロックとかロココとか注射器とか包帯とか血とか、思春期の女の子が一度は通過するであろう世界のアイテム満載で、久しぶりにわくわくしてしまった。

写真集を持ってるほど好きな恋月姫さんの人形も何体もあったけど、これまた壮絶なまでの美しさ。ほとんどの人形はまつげに触れそうなほど近くまで行って眺めることができたのだけど、肝心の可淡さんのはがっちりと柵つきの黒いブースに飾られていて2m以上近寄ることもできないような厳戒態勢だ。しかも著作権上の理由から、展覧会のカタログにも写真等が一切掲載されておらず、そこのところだけ微妙に消化不良な思いを抱えて帰ることになった。数年前に交通事故で急逝した天野可淡さん、人形好きには今も変わらず絶大な人気を誇っている(と思う)のだけれど、現在著作権を有する人が写真集の復刊も許してくれないのであるらしい。人形というのはある程度「怖い」ものだけれど、この人のは別の世界に連れていかれそうな凄みがあるんだなー。もう大好き。

何年かぶりに乙女ゴコロをくすぐられるものを見てしまったわー、と満足しながら常設展も覗き、帰宅。途中下車して美味しいランチでも、と思ったのだけれどそこまでの時間的余裕はなく、我が家最寄り駅まで帰ってきてから周囲のお店に入ることにした。

我が家周辺はさほど多くの会社はないのだけれど、それでもけっこうお得なランチセットを供するお店がちょこちょことある。平日の昼間に一人で店に入るなんて久しぶりのことで、
「えーと、こっちはパスタセットで850円……」
「おおっこっちはハラミ炒めに飲み物とデザートまでついて800円!」
と興味津々ぷらぷらしてしまう。「よっしゃ、ここにしてみよう!」と入ってみたのは魚料理がメインの和風居酒屋といったお店、「魚菜蔵」(さかなぐら)。前から微妙に気になっていたのだけど、先日「ここ、美味しいですよー」とお勧めメールをこの日記を読んでくださっている方からいただいたのだった。

日替わり定食、今日のおかずは鶏肉のカレー炒めと卵とベーコンの炒め、そして豆腐フライとハムカツだそうである。「ハムカツ」のひと文字に「あ、いいなぁ」と思い、これを注文。ミニサラダと味噌汁と御飯と好みのドリンク1品がついてきて850円。

そこそこ手軽な値段だけあって、おかずの量はちょびっと物足りなかった。エリンギと一緒に炒め合わせたカレー味のコロコロとした可愛いサイズの鶏肉のぶつ切り、ふわんと炒めたベーコンエッグ、「豆腐フライ」は確かに紛れもなく豆腐のフライで、そして両断されて盛りつけられた直径10cmくらいの可愛らしいサイズの丸いハムカツ。上からすでにソースがかけられていた。

豆腐とわかめの味噌汁を啜りつつ、「あ、ここの御飯、けっこう美味しいかも」と思いつつわしわしと白い御飯をかっこむ。醤油味ドレッシングはちょっと甘さが強めだけどさっぱり味、おかずそれぞれ、シンプルだけどなかなか美味しかった。お店には絶えずお客がぽちぽちとやってきて、ああ活気があっていいなぁ〜と思われるお店だった。今度は夜に来てみよう、日本酒の品揃えも良いみたいだし。

焼きサンマの玉ねぎソース ルッコラ添え
牛肉と茄子の生姜煮
ブロッコリーとコーンのサラダ
おにぎり
麦茶

だんなは明後日からお好み焼きの国に出張らしい。その準備とか色々あるということで今日はもう夕飯時には絶対帰れそうにないということだった。

で、どうしても息子と2人ということになると手抜き料理になりがちなんである。先日、(確かそのときは私の体調が悪かったか仕事が忙しかったかしたんだけど)すんごく貧相な夕飯をテーブルに準備してしまい、息子に
「……これだけ?」
とめちゃめちゃ悲しそうな顔をされたことがあった。それ以来あからさまな差をつけることはするまい、と密かに密かに誓っている。

今日は私の分は作らなかったけれど息子とだんなの分の弁当は作っていて、そのおかずが「牛肉と茄子の生姜煮」。醤油と味醂でこっくり味つけて生姜をきかせた煮物は冷めてもけっこう美味しいので何度も弁当おかずに作っているものだ。ほんのちょっと余ってしまったのでこれを小鉢に盛りつけ、同じく弁当おかずに準備したブロッコリーとコーンを和えたサラダもテーブルへ。

で、メインディッシュはサンマの塩焼き。ここ1ヶ月ばかりスーパーに「解凍サンマ」なるものが大量に出回っていて、しかもすごく安いので「解凍かぁ……でもなぁ……さんま、美味しそ……」と気になっていたものだ。いつものとおりのシンプルな塩焼きではいまいちつまらないと、カレー風味の炒め玉ねぎをトッピングすることにした。確かケンタロウさんの本で見かけた料理だ。玉ねぎの薄切りをジャジャジャッと炒め、酒と醤油と少しの味醂とカレー粉ふってクッタリさせたものを塩焼きしたサンマにかけるだけ。醤油と味醂が入っているからか、白い御飯にもよく似合う。

ちまちまとしたおかずが多かったので冷凍御飯をチンしておにぎりにし、大きな楕円の皿に全てのおかずを盛りつけて"ワンプレートディッシュ"にしてみた。息子も私もワンプレート。

いつもは、サンマの時はちゃんと骨とってやった身を一口サイズにして息子にあげていたのだけど、今日は半身をごろりと皿に乗せ、「さぁ喰え〜」と息子の前に出してみる。
「……おかぁさん、お魚、いたいよ……」
「……痛いのは、骨がちゃんと取れてないからだよ、自分で除けてごらん」
「……お魚、にがいよ……」
「……そこはね、"ワタ"ってとこだから食べなくていいよ」
「ぼくねぇ、このお魚は、ちょっとダメと思うなぁ……」
「ダメじゃないよー、美味しいよー、わからないかなぁ」
……やっぱり骨つき魚をサンマで初体験させるのは難しかったようだ。ごめんよ息子。

2月18日 水曜日
具沢山のフジッリ。おいし♪
海苔トースト
カップスープ(コーン)

月曜日に初めて参加してみたスポーツジムのプログラム、「ボディパンプ」。それほど疲労も感じていなかったので油断していたのだけど、実は大変な筋肉痛に悩まされていた昨日一日。二の腕の後ろ側とか肘と手首の間とか、肩胛骨のあたりとか、とにかくあちこち大変なことになっていた。やっぱり効くのね、これ……。

で、水曜日の今日は本来ならジム通いすることになっているのだけど、体中が大リーグ養成ギプス(しかも油切れのものが)でもはまっているかのような状態なのでそれは断念。仕事もあることだし、家でおとなしくしていることにした。

朝御飯は、
「んー、卵料理とかまではいらないかなー」
というだんなのリクエストに基づき、シンプルに「海苔トースト」。バタートーストの上に一枚、焼き海苔をペロッと乗せただけのものなのだけど、パンにじわっと染みたバターと焼き海苔のバランスがなんとも良い感じなものだから、だんなも私もこれが大好き。息子は今日もマイペースに
「んとねー、トーストよりは、カリカリがいいなぁ」
だそうなので彼はシリアルを平らげ、私とだんなはカップスープに海苔トーストの組み合わせ。

「ヨッゴナペーイ♪ヨッゴナペーイ♪」
本日の息子はアンダーテイカーのテーマ曲を口ずさみつつ登園。もうちょっと、こう、なんとかなりませんか息子さん……(一応アニメとかも多少は見ているんだけど、でもなぜかプロレス……)。

モツ煮ぶっかけ飯
麦茶

なんだかんだで忙しかった今日の昼間。
「あーもー、お迎え前にモスバーガーにでも寄るかなぁ」
なんてことも考えつつ、でも昼過ぎにはすっかり空腹になってしまった。目に入ったのは、コンロの上の「モツ煮」の鍋。ああ、いいやいいやこれ食べちゃおう、と、冷凍御飯の小さな包みをチンして、小さめのどんぶりに盛り、その上からこれでもかと大量のモツ煮を煮汁と共にぶっかけた。上からパラッと刻み葱ふって、七味唐辛子ふって、パパッとモツ煮ぶっかけ飯。

何しろ大量にぶっかけたものだから、とても写真なぞには残せないような下品な外見になってしまった。丼のフチぎりぎりまで盛られたモツ煮はかなりの迫力。煮汁もたっぷりめにかけてしまったので汁吸ってゲショゲショになった御飯もまた何とも言えず良い感じに下品で、一人飯を楽しんだ。大根が溶けそうなほどに煮込まれたモツ煮は今回もとっても美味しい。……でも、作ってくれただんなは、今回あまり食べられていないのね……(毎日帰りが遅いからね……)。

粗挽き肉と菜の花のサルサローザフジッリ
ベーコンと玉ねぎのコンソメスープ
缶チューハイ(イチゴ)

いよいよ菜の花の季節到来で、八百屋に並ぶ菜の花の価格がどんどん安くなってくる。あの独特のホロ苦さは昔は苦手だったのだけれど、今では大好きな味だ。本来なら菜の花ではなく、イタリア野菜の「チーマ・ディ・ラーパ」という菜の花とブロッコリーを足して2で割ったような野菜を使うパスタ料理のレシピを先日Tさんからいただいたので、それを作ってみることにした。クリームベースだし、きっと息子も喜んでくれるだろう。

オリーブ油でにんにくを炒め、刻んだトマトを加え炒める。更にナツメグやタイムを揉み込んだ豚ひき肉をほぐしつつ炒めていく。適当に火が入ったらパスタの茹で汁を加えて軽く煮込み、更に生クリームも加えて軽く煮つめ、そこに一緒の鍋で茹でたフジッリと刻んだ菜の花を加えて和えつつ軽く煮て、できあがり……と、簡単に言えばそんな感じの料理。本来なら菜の花ではなくチーマ・ディ・ラーパを使うべきで、更に豚ひき肉ではなくてボロボロッと崩れる生ソーセージを崩しながら使うのであるらしい。どちらも日本じゃ入手しにくいので菜の花と豚ひき肉でつくってしまった。

イタリアでの本来のパスタ料理というものは、パスタを食べ終わった時にあまり皿にソースが残らないのが望ましい、とされているのだそうだ。ゴテゴテとソースばかりが皿に残るのはバランスがよろしくない、と。今日作ったのは、その点、すごくソースとパスタと具の分量のバランスが良くできたなぁと自画自賛。ワインの栓のようにグルグルと捻れのついたショートパスタ"フジッリ"はざっくりした肉のソースに良く似合うと思う。

トマトが入る生クリームソースというのはちょっと不思議な気がするけれど(イタリア料理屋さんの日替わりパスタというと大抵"オイルベース""トマトベース""クリームベース"と用意されているように、なんとなく「対極のソース」という印象がある)、これがとてもよく似合う。この組み合わせ(トマトと生クリーム)を試すのは今回が初めてではなかったけれど、「やっぱり美味しいなぁ」という思いを新たにした。

「ぼくはねぇ、長くてチュルチュルーのスパゲティに、まっしろなクリームのソースが好きだなぁ〜」
鍋を覗きながらそんな事を言っていた息子も、
「ぅお!これ、おいしーじゃない。おいしーよ」
としっかりもりもり食べてくれた。野菜も摂れるし肉もたっぷりだし、夕飯の一皿料理には嬉しい組み合わせのパスタ料理だった。で、手抜きしてサラダとかはなしでシンプルなスープだけを傍らに。
風呂上がりにはデザートにアイスクリームを食べることにしよう〜。

2月19日 木曜日
こっくり煮てみたブリ大根
「万世」の万かつサンド
森永 あじわい練乳いちごヨーグルト
牛乳

今日からだんなは牡蠣とお好み焼きの国に2泊3日の出張だ。お土産はなにかな。牡蠣かなー生牡蠣かなー焼き牡蠣かなー(どんなだ)。

心づくしの手作り朝食で送り出そうかなぁー、と昨日買い物に行ったところ、パン屋さんで万世のカツサンドを見つけてしまった。
「心づくしの品を発見しましたー!」
と、朝食はこれに決定。なにしろだんなはこのカツサンドが大の大の大好物なのだ。

息子はチョコカスタードクリームが詰まったコロネ、私とだんなは1パックのカツサンドを半分こ。カツサンドには絶対牛乳だ何がなんでも牛乳だというだんなの意見により、お供は牛乳ということに確定。1人1個の練乳いちごヨーグルト(これが私と息子の大好物)も前に置き、別れを惜しみつつの朝御飯になった。

「はい、だんなが嫌悪する練乳いちごヨーグルトだよー」
「……いや、別に嫌悪してないよ。好きだよ」
「んとね、じゃあね、だんなが忌避する練乳いちごヨーグルトだよー」
「だから忌避してないって、別に」
だんなはしょっちゅう「女子供が好きそうな味だなぁ」とこのヨーグルトを評しているので、これが嫌いなのかと思ったのだけど、私や息子ほど熱狂的に好きではないということで、だんなもちゃんと気に入っているらしかった。この季節、いちごヨーグルトはあちこちのメーカーから出ているけれど、未だダントツトップが森永のあじわい練乳いちごヨーグルト。甘さ強めなんだけど、美味しいんだなぁ。

おにぎり弁当
麦茶

そろそろ仕事が忙しくなってくる気配。今日もやることがあったので
「どうしようかなー、ジム行ってる余裕ないかなー……」
と思いつつ、でも我慢できなくて10時過ぎに自転車またがってジムに向かってしまった。

本日参加したのは「カロリーバーナーエアロ」という、これまたすごい名前のもの。その名のとおり、カロリーを消費すべく60分かけて適度な心拍数をキープしつつ動き続けるプログラム。マシンジムでもしこしこ鍛えたし、2時間しっかり動いて正午ちょうどくらいにジムを出てきた。ちょっと疲れてしまったので昼食を自炊する気力がなくなってしまい、駅ビルをプラプラ。おにぎり屋さんの前を通りかかり、「これだぁ!」とばかりに買ってきた。500円ちょっとのおにぎり弁当は、タラコと鮭と梅の3種おにぎりが1個ずつと卵焼き、鶏から揚げ、柴漬けがセットになったもの。

「こういうときのために、自分の分の弁当もつくっておくべきなんだよなぁ……」
と、息子1人前だけの弁当を作ったことをほのかに後悔しつつ、でもおにぎりは割と美味しかった。"カリカリ梅"系の梅干しは私は苦手なのだけれど、ここのはふくふくの柔らかいもの(これなら食べられる)。焼きタラコをほぐしたものと鮭は大好物なのでどっちを先に食べようかと悩みつつ鮭から食べた。……さ、仕事しよ……。

ぶり大根
もう何日目だかのモツ煮込み
菜の花のおひたし
ワカメと油揚げの味噌汁
羽釜御飯
白菜漬・たくわん
ビール(モルツ)
みかん

「おかあさん、あしたはね、チャーハンが食べたいなぁ」
と、昨夜言っていた息子。えー、でも、ブリのアラ買ってきちゃったから、明日はそれを食べないとなぁ……と思いつつ、
「んー……考えとくね」
と答えたら、しっかり日記に書かれてしまっていた。「あしたは、おかーさんがちゃはん、かがえてるなんだよ。」だそうで。息子には「考えておく」というのは「考えるだけで、多分実現しない」という大人のニュアンスはまだ伝わらないものであるらしい。ちょっと可哀想なので明日のお弁当はチャーハンにしてあげることにした。でも今日はぶり大根ね。

1/2尾分と思われる、たっぷりのアラのセットが300円。このプヨプヨした部位はなんだろうなぁと、ひっくり返したらでかい目玉と目が合ってしまって「……いやん……」なんて呟きながら調理。大根は米のとぎ汁と一緒に下茹でしておき、生姜1かけ、ブリと共に醤油と味醂と砂糖で煮つけていく。以前は鰹だしをちゃんと取ってそれで煮たりしたこともあったのだけど、「……だしでも水でも、どうせブリの味が出てくることに変わりないし?」と、最近は水に酒を混ぜるだけ。そんなにコトコト必死で煮込まなくても、ちょっと強めの中火くらいでガーッと煮ていくとすぐにコッテリと炊きあがる。見た目はあんまりよろしくないけど、気にしないことに。

メニューはブリ大根に、まだまだ残るモツ煮込み、野菜が足りないわねと菜の花をおひたしにし、あとは味噌汁に炊きたてアツアツ御飯。もう圧倒的にチャーハンとは似合わない夕飯になった。
ビールくぴくぴ飲みつつ、モツつまんでこってり味のブリ大根を食べる。目玉も盛りつけたら、ずーっと凝視されているようでちょっとつらかった。

チャーハンのリクエストは叶えてあげられなかったので、
「明日の夜は、何食べたい?」
と、今一度意見を聞いてみる。外食でもいいんだよ?と言ってみたところ、
「おうちでねー!つめたいうどん!」
と高らかに宣言された。……ま、また、隨分安そうな(そして低カロリーそうな)。よし、明日は冷たいうどんに決定。揚げ玉かイカの天ぷらでも買って来よう。

2月20日 金曜日
うどんと巨大天ぷら。ばばばーん。
おいもとあずきグラノーラ with 牛乳

だんな出張中につき、息子と2人だけの朝。7時半に起きればいいやなー……と目覚まし時計をかけておいたのに、無意識で止めたあげくに、息子に仮病使わせて幼稚園を休ませたあげく朝寝をむさぼっている夢を見た。目覚めると、8時。わー、何やってんだ、今すぐ起きないと幼稚園に間に合わないじゃない!と慌てて息子をたたき起こし、息子との約束だったチャーハン弁当を作成し、急ぎシリアルで朝御飯。

たまたま手に触れたのが息子がいまいち好きではない「おいもとあずきグラノーラ」だったのだけれど、かまわずそれをスープカップにあけて息子と私の食卓定位置に置く。ほらほら早く食べちゃいな、と息子を誘うと、一瞥して
「……フルーツのじゃない……」
と呟いていた。いーじゃーん、これもけっこう美味しいんだから。小豆がサクサクで芋がポクポクで美味しいよ、ていうか、今はこれしかないからこれを喰え!と告げて二人でパリパリ。

おうちで弁当
 焼き豚入りチャーハン
 鶏の唐揚げ(冷凍もの)
 プチトマト・キュウリ
麦茶

予定では、今日もスポーツジムに行く予定だった私。が、昨日ちょっと張り切ってマシンジムでガチャガチャやって遊んでいたら、見事な筋肉痛になってしまった。腕を上げるたびに「……ピキュゥ〜」とか奇声をあげているようじゃ、行っても変人扱いされちゃうわね、と断念。筋肉痛のときにムリに動いても良いことないしー。

昼御飯は、バタバタの朝の中、息子の分と私の分と2人分作った超簡単お弁当。弁当箱の8割ほどの容量をチャーハンが占め、あとは冷凍の唐揚げ2個とプチトマトとキュウリ。野菜の下にはマヨネーズをちょこっと絞っておいた。

チャーハンの具は、超定番の卵とねぎ、そして手持ちの焼き豚(お歳暮品をお裾分け〜と義母が以前くれたもの)。チャーハンチャーハン言っていた息子にはこういうのが嬉しいのかな?とあえて他の具は何も入れずに作ったのだけど、息子にはけっこうツボだったらしい。
「今日のおべんとうはね!チャーハンでしたー!やったー!」
と迎えに行った私に報告してくれたのだった。いや、報告してくれても、作ったのは私だから当然知ってますし、と苦笑い。

「長楽」のうどん(ひやひや)
穴子天ぷら
麦茶

朝から夜まで今日はきわめつけに不健康気味(野菜は足りないし炭水化物ばっかだし……)だなぁとは思うけれど、息子との約束だったので、夕飯は冷たいうどん。うどんの添え物のために揚げ物するのもちょっと面倒だな、と私には穴子天、息子にはイカ天を1本ずつ買ってきた。

通販会社「千趣会」から今月届いた冷凍さぬきうどんは「長楽」というお店のもの。数日前に届いたばかりのそれを茹でて冷たい流水でキュッと締めてから、だしかけて刻み葱かけて、上に天ぷらをトッピング。迫力溢れる外見が、香川で巨大ゲソ天乗せて食べたうどんを彷彿とさせ、ちょっとニヤニヤしてしまう。

息子にはこれ以上なく嬉しいメニューだったはずだけど、不幸なことに少しも空腹じゃなかった今日の息子。
3時におやつ(ビスケット3枚)を食べた後、「外であそんできまーす」と出ていった息子は、数十分後に近所の女の子を連れて帰ってきた。「おうちで遊んでもいいですかー?」とやってきた息子より1歳くらい上と見える女の子(今日初めてやってきた近所の子)は、けっこう大きなスナック菓子を1箱持参していて、
「おばちゃん、いっしょにおかし食べても、いいですか?」
と。うーん、うちはおやつ食べちゃったんだけどね……まぁいいか……と頷いたら、結局息子と彼女2人で1箱の菓子を食べ切っちゃったのだった。「あんたはおやつ食べたんだからね、少なめにしておきなさいよ」と言ってもそんなこと聞く子供はいないわけで。

我が家にくる男の子たちは大抵口調少なめであまり私には話しかけてきたりはしないのだけど、女の子は(いや、今日来たこの子が特に、なんだろうけど)
「おばちゃん、上着はどこに置けばいいかな?」
「おばちゃん、何か飲みたいな」
「おばちゃん、こっちのお部屋でお絵かきしたいな」
と、物怖じせずに話す話す話す。しっかりしてるなぁと驚いてしまった。

そういうわけで、夕飯時に全然お腹が空かなかった息子。我が家では、
「おやつで腹膨らませたあげくに夕飯が食べられないなんてのは大論外」
という教えがあって(だんなの実家の教えなのね)、「おやつでお腹いっぱいになったから」という理由で夕飯を残したりすることは許されない。ゆえに今日も
「冷たいうどんが良いって言ったのは君だよね?イカ天食べたがったのも君だよね。だから残さず全部食べなさい」
と厳命し、息子は後半ちょっと苦しそうになりつつ必死にイカ天を囓っていた(でもうどんは1玉弱、盛りつけた分だけちゃんと平らげた)。

色の薄い、ぷんと香りの強いだしに、キュキュッとした歯触りのうどん。昨年6月あたりからとり続けていた12ヶ月シリーズのうどんも、残すところあと3〜4回。今はちょっと内容を変えた第二弾が売り出されているし、更には山菜だ煮込み肉だかき揚げだと麺とつゆの他に具までついたシリーズが発売されていて、
「次はどっちを買うのかなー」
「……りょうほう……?」
と冷や汗かきつつわくわくしている私とだんなだった。ていうか、そういうの1年間注文して消費するお金で香川に行って来いという気がしないでもない。(いや、どっちもどっち……?)

2月21日 土曜日
か〜き〜♪♪♪
稲毛「元氣一杯」にて
 元氣一杯ラーメン(大盛) \720
 餃子 (無料)

「フジッコ」の杏仁豆腐

「あっさでっすよぅ〜」
息子が私の枕元に座って小さな声で囁いている。
「もう朝からね、ぼくはきがえたなんだよ。おかあさんも、きがえた方がいいと思うよ〜」
「……まだ、眠い……」
「じゃあね、ねむくなくなったらね、きがえてくつしたもはくんだよ〜」

朝8時半から元気な息子だった。私がやっと活動できるようになったのは10時近く。だんながいない事を良いことに、昨夜は2時頃まで布団の中で本を読んでいたのだった。あ、起きましたか〜?はい、いいこいいこ、と私の頭をなでなでしている我が息子。息子の枕の上には、息子のパジャマがちゃんと畳まれて置かれていた。……おかしいなぁ、私もだんなもパジャマを畳むことなんか教えてないはずなのに、私もだんなも脱いだら「とりゃっ」って枕の上あたりに放り出しているのに。一体誰が息子にパジャマを畳むことを教えたんだろう。

「……で、お父さんは今日の午後に帰ってくるわけですが、朝御飯は何が食べたいですか?」
すっかり空腹らしい息子に、起き抜けの麦茶一杯を飲みながら聞いてみる。
「んとね、ぎょうざ」
「…………ぎょうざ?」
「うん、ぎょうざ」
「朝から、餃子なの?」
「そうなの、ぎょうざなの」

そいじゃもうすぐラーメン屋が開く時間だし、ラーメンと餃子食べに行く?と息子を誘い、近所のラーメン屋さんに行くことにした。今日目指したのは、私と息子は初めて行く店、「元氣一杯」。もう20年近くも前に、ラーメン愛好家たちが集まって理想のラーメンをと作ったお店なのだとか。本店が稲毛にあって、千葉県内に現在4店舗ほど展開しているお店だった。その、できたばかりの頃はすごーくすごーく美味しかったらしい。だんなは「こんな旨い店が近所にできてもうサイコー」とばかりに通ったのだそうだけれど、店の数が増えるのと反比例するように味はどんどん落ちていったのだとか。だからこの店はもう行かないんだ、と聞いたことがあった。

私と息子はその昔の味を知るよしもないのだけれど、けっこう今でも人気があるみたいだし、杏仁豆腐も美味しいらしいし、ちょっと気になっていたのだ。ホームページのクーポン印刷して、餃子無料券を使い、ラーメンは大盛にしてもらって息子と分け合いつつ食べることに。開店直後に行ったら、最初から最後までお客は私たちだけだった。

「はい、麺はいりまーす!」
「おねがいしまーす!」
「はい、よろこんで!」
2名の店員さんが、2人だけのお客を前にして、威勢良いこと威勢良いこと。カウンターだけの10席ばかりのお店で、ケダモノ臭がそこそこ漂ってる割にはテーブルや醤油入れなどがベタベタしてなくて良い感じ。それぞれの席から手が届くところに冷たいお茶のポットがあるのも良い感じ。

「はい、餃子焼けましたっ!」
「はい、おねがいしまーす!」
「よろこんでっ!」
やっぱり色々なやりとりのあった後、餃子が出てきた。皮がパリッと焼けてて、あんにしっかりめの味がついた、普通に美味しい焼き餃子。ほれ、朝から餃子食べたがってた君の餃子だよ、と息子の側に皿を押しやり、6個の餃子を半分こ。

で、ラーメン。「にぼし系和風だし」のラーメンだそうで、スープの表面には鰹節の細かな切れ端がふわふわと浮いている。でもスープのベースは、とんこつ。表面にテカッと脂が光っていて、けっこうコテコテな味なのだけど、不思議とスープからのけだもの臭さは少なくて、食後もあんまり口の中がネカネカしない。
「たべるー、たべるよー」
「はいはい」
「もっとね、たべるよ」
「……もっと?」
なんてやりとりしながら、結局「大盛」にした増量分以上の麺を息子に奪われた。海苔も奪われた。半割りにしたのが乗っていた半熟卵は半分こして、直径10cmくらいはあった巨大なチャーシューは私がいただく。あと乗っていたのは、ワカメと刻み葱、メンマ。適当に息子と半分こ。

だんなが酷評していたほどの不味さは感じず(ていうか、美味しかった。けっこう好き)、満足して店を出た。残念だったのは、杏仁豆腐が仕込んだばかりということで食べられなかったこと。杏仁豆腐を食べる気満々でラーメンを啜っていたので、我慢できずに通り道のスーパーでフジッコの杏仁豆腐を買ってきて家で食べてしまった。そういえば、我が家にも杏仁豆腐の材料があるから作ろうと思えば作れるんだなぁ。今度作ろう。

広島「木村家」のもみじ饅頭
広島「亀屋」の川通り餅
緑茶

4時頃に出張から帰ってきただんな。
「はいこれね、もみじ饅頭。クリームチーズのが入ってるけどこれだけ賞味期限短いから早めに食べちゃおうね。いくつかお店あったんだけど、冷めても美味しいって評判だっていう店で買ってきたから。そいで、これが川通り餅ね。ちっちゃいの買ってきたんだ。あとねあとね牡蠣が25個!お店のおばちゃんがすげぇいい人でさぁ、"おまけしときますねー"って何個か追加で入れてくれてしかも代金が3150円とかってなったのを3000円にまけてくれてさぁー、さらに"おっきいの選んでいれとくねー"って。んで、息子にははい、これ、おみやげー。あとねあとね……」

早口でベラベラベラーッと話しまくる我が夫。ここ3日ばかり、非常に無口(会話相手は息子だけ)な生活をしていた私が「……へぇ」「……ほぅ」と言葉少なめに相槌を打っていたら
「奥さん冷たい!だんなは出張から帰ってきて色々話したいのに!」
と言われてしまった。

私は女性で"おばちゃん気質"もそこそこありつつも多分に"おやじ気質"が少なからず混入していると自覚しているの(群れるの苦手で単独行動好き、社交性低め、人を世話するより世話されてるほうが多い、日常会話が少ない状態より多い状態のほうがストレスになりがち……とか、まぁそんな感じ)だけど、だんなときたらすっごくおばちゃん度が高い人なのであった。日頃の会話で「ちょっと聞いてよー」な態度に出るのは、多分私よりだんなの方が多い……と思う。サランラップの安売りをチェックするのもだんなだし。

で、帰ってきたおばちゃんだんなと一緒に、ちょっと遅めのおやつタイム。あんことチョコとクリームとクリームチーズ味のもみじ饅頭が2個ずつパックになったのは「木村家」というお店のもので、以前、「広島のお菓子は、これも美味しいですよー」と教えてもらったことがあった「川通り餅」は「亀屋」というお店のもの。

毎回、だんなの出張土産お菓子は全てを食べ切らぬまま固くなったりカビてしまって別の物体になり果てたりすることが多いので(なんかね……忘れちゃうのよお菓子があることを……)、そこらへんを学んだだんなは生牡蠣以外は8個入りとか6個入りとかの小さめサイズを買ってきてくれたのだった。生牡蠣だけは、呆れるほどたっぷり。

「ぼくはねぼくはね、クリーム〜」
「えっと、とりあえずクリームチーズから食べなきゃいけないんだよね」
「そうそう」
と、クリームチーズもみじ饅頭から攻めて、クリーム味も1個。んで、「一口サイズくるみ入り餅、きなこまぶし」といった風の、可愛らしい川通り餅も、1個。ちゃんと1個1個に楊枝が刺さっていて、川通り餅はとても食べやすかった。味も好み。

生牡蠣・焼き牡蠣
自家製カクテルソース・レモン
ン日目のモツ煮込み(まだある)
ベビーリーフのサラダ
羽釜御飯
ビール(ギネス)

「サンルイ島」のチーズケーキ
紅茶

んで、夕飯は広島直送の生牡蠣。なんでも今朝、広島を発つ直前にだんなはわざわざ宮島まで行って(電車で1時間……)買ってきてくれたのだそうだ。お店の名前は「沖野水産」だそうで、養殖場を持っているお店なのだとか。どうもおばちゃん受けの良いだんなは、今回もおまけだ何だと色々サービスされてしまったのであるらしい。
「1個130円だったんだけどね、結果的に100円くらいになっちゃったーあははははー」
と笑っているだんなとお店のおばちゃんに感謝しつつ、今晩のメインディッシュは生牡蠣♪広島の生牡蠣♪えーへへへへへー(ちょっと壊れ気味)

ガラガラと殻つき牡蠣を台所の流しにあけて個数を数えてみると、25個購入したはずの袋の中に27個入っている。
「えっと……俺はね、今日お店で5個食べてきちゃったからおゆきさん多めに食べな」
「んとねー、じゃあねー15個もらうよ」
「生牡蠣だけじゃなくて、焼き牡蠣にもしようね」
などと言いつつ、だんなと2人で夕飯の準備。27個の牡蠣の殻をあけるのは1人じゃけっこうつらい作業だ。左手でしっかり牡蠣をホールドし(膨らんでる方が下ね)、右手に牡蠣ナイフを構え、殻の右側に殻の合わせ目をみつけてグリグリッと貝柱をえぐり切っていくのだ。大根おろしで洗ったりとかいうことはせず、塩水でシャバシャバッと洗ったらおしまい。焼き牡蠣は、軽く貝柱を切ってから魚焼きのグリルに放り込む。

牡蠣にはこれ!のカクテルソースも準備。食い道楽仲間のコリスケさんのサイト内のコラムに登場していた、トマトをすりおろしてケチャップやホースラディッシュ、ウスターシャーソースなどと混ぜ合わせるソースがすっかりお気に入りで、今日も1/4個にカットしたトマトをシャリシャリとすりおろす(トマト1個全部すりおろしちゃうと、ものすんごく大量のカクテルソースができちゃうのだ……)。くし切りレモンも用意して、いざいざ、と大量の牡蠣が積まれた皿に向かい合う。

お供には、ギネスビール。牡蠣にはシャンパンという組み合わせがメジャーだけれど、なんでもギネスビールもすんごく牡蠣に似合うらしい。たまたま買い置きしていたギネスがあったので、冷えてはいるけど冷えすぎていない状態のそれをグラスに注ぐ。生のトマトの風味たっぷりのカクテルソースをごそっと牡蠣の身に乗せて、いただきまーす。

「……う〜、あっまーい」
「うううう〜プッリプリ〜」
だんなは今日の昼にも食べてきたはずなのに、それでも旨い旨いと何やら涙目になっている。厚岸の牡蠣は美味しいなぁと思っていたのだけど、広島の牡蠣もごっつぅ美味しかった。大粒の身はプリップリ。かといって大味でもなく、生牡蠣はツルンプリンとしたすっきりした甘さがあり、焼いた牡蠣にはこっくりとした濃厚な香りとコクがある。食べても食べても飽きたらぬー、と、私は8個の生牡蠣と7個の焼き牡蠣をぺろりと食べきった。

牡蠣も、たっぷり食べると「回る」んだなぁと、今回思い知った。ギネスビールと一緒に血液の中を牡蠣エキスがぐるんぐるんまわって、何だか酔っぱらったような気分になる。これで体が弱っていたら悪い方向に「当たって」しまうのかしらん、なんて考えた。牡蠣は、たとえ鮮度が同じものを食べたとしても、食べた個々人の体調いかんで悪い方向に効いてしまいそうな怖さがある。明日外出の予定があるのに、牡蠣にあたってぶっ倒れてたら洒落にならない。やっぱり1度に食べるのは1ダースくらいに抑えておくべきかもしれない、と妙な高揚感に体をふわふわさせてしまいながら思った今日の夕飯だった。

デザートには、本日届いた「サン・ルイ島」のチーズケーキ。葉山にある洋菓子屋さんなのだけど、三浦半島の食材を扱うネットショップのクック&ダインがこのお店のお菓子を扱いはじめてから何度か購入するようになった。

クック&ダインが扱うチーズケーキといえばホルトハウス房子さんのチーズケーキがなんといっても有名で、それまた「ああ、こりゃ確かに高いだけのことはあるかも」と思わせるなんとも濃厚でこってりどっしり(でも胃にもたつかない)した美味しさがあったのだけど、こちらもこちらでしっとりねっとりした濃厚な好みなタイプ。土台には胡桃がたっぷりと使われて香ばしく(香ばしすぎて、いや、普通のビスケットタイプの土台でも良いかも……と少し思わなくもなかったけど)、口の中でとろけていくのに、変な軽さはない存在感たっぷりのチーズ生地。軽い味の紅茶を淹れて、本日何度目かの甘いものを楽しんだ。

そうそう、今日の日記を書くにあたって「広島弁で"とっても美味しい"とかって、なんて言うのかなー」と検索してみたところ、広島弁変換サイトなるものを発見。この日記を変換してみると、
「冷たいうどんが良いって言ったのは君だよね?イカ天食べたがったのも君だよね。だから残さず全部食べなさい」
というフレーズが
「ひやいうどんがええってゆぅたなぁ君だよの?イカ天食べたがったのも君でのぉ。じゃけぇ残さずみな食べんさい」
などと変化して、面白いことこのうえなかった。広島弁、めちゃめちゃかっこいい。

2月22日 日曜日
Fireking Cafeで巨大チョコケーキ♪
「Cozima」のトマトパン・バジルパン
干し葡萄
もみじ饅頭(チョコレート)
ホットミルク

今日は高校来の友人Sちゃんと一日お遊び。9時に上野での待ち合わせだったので、私は7時起きだ。目覚ましが鳴る前に目を覚まし、だんなと息子を起こさないようにそーっと起きあがると、気配を察してだんなも起きてきた。
「……寝てていーのよ?」
「いや、二度寝するからいいのよ?見送ってからまた寝るから」
と、だんなは朝御飯を食べる私につきあってテーブルについてくれた。昨日の夕飯、つまみにと出したスライスしたトマトパンとバジルパン、そして枝つき干し葡萄が半端に残っていたのでそれをモギュモギュと食べる。ちと物足りないので広島土産のもみじ饅頭も食べる。

「……ちょっと、トイレ」
だんなが立ち上がっても、「ああ、早く食べて出かける準備しなきゃ」(でも食べないで出かけるときっと昼食前にお腹空いちゃうし)と、せっせと食べ物を口に運ぶ私。だんな不在のほんの数分でパンと葡萄の皿は空になり、
「うわっ、いつのまにか全部ないし……」
驚かれてしまったのだった。

青山 「Le cafe BERTHOLLET」にてランチBコース \1800
 牛タンと塩漬け豚のテリーヌ
 鴨とフォアグラの網脂包み
 ココナッツのブランマンジェ
 紅茶

9時に上野の東京都美術館でSちゃんと待ち合わせし、マルモッタン美術館展を見る。公開1ヶ月間弱にして入館者数が10万人を越えた人気の展覧会だということで、開館直後を狙って行くことにしたのだった。同様の事を考える人は少なくないようで、午前9時の上野には続々と人が集まってくる。結局、「常にそれぞれの絵の前には3人以上は立っている状態」という風な混雑ぶりだった。

飾られた絵画はクロード・モネとベルト・モリゾの作品を中心とした、印象派の作品ばかり。有名な、"睡蓮"を題材にしたモネの絵が多く並んで、ほわほわとした独特な色合いに浸ってきた。……でも、それほど絵画の点数があったとは感じられず、入場者がここまで多いのはCM効果によるものが強いのかなー、みたいな。「お、なんか人気らしいぞ、行っておこう」という風に来ている人が多いのかなー、みたいな……(なんて、人のことは私も言えぬ……)。

で、10時頃には展覧会も見終わって、
「アレッシ屋さんに行きましょう〜」
と銀座線に乗って外苑前に移動。ALESSIはもう10年くらい前からSちゃんが好きなブランドで、私もけっこう好き。本日の目的は昨年末に発売されたアンナちゃん(ワインオープナーを筆頭にあれこれ揃っている女の子キャラクターのキッチンツール)の恋人、サンドロ君(このへんに写真が)を見ることだったりして、念願叶って何体も並んだサンドロ君をしっかり見てくることができた。何でもサンドロ君のモデルはデザイナー自身なのだとか。可愛いけど、家にいくつもワインオープナーがあってもしょうがないし、と見るだけで購入は断念。

そしてまた青山をぷらぷら。通りがかりに気になる和食器屋さんを覗いてみたり、漢方薬のお店を覗いてみたりしながら、昼食にと入ったのはSちゃんがチェックしておいてくれた「Le cafe BERTHOLLET」(ル・カフェ・ベルトレ)というカフェ(というかビストロ?)。
半地階にあるお店なのだけど、天窓から光が入って明るく洒落た内装のお店だった。ランチコースは1500円と1800円。前菜とメインディッシュとデザートとドリンクで1800円というのはけっこうお得だねと、お高い方のBコースにしてみることにした。全ての品を数種類の中から選ぶようになっているプリフィクススタイル。私は牛タンと塩漬け豚のテリーヌ、鴨とフォアグラの網脂包み、ココナッツのブランマンジェ、紅茶という組み合わせ、Sちゃんはタスマニア産サーモンのマリネ、牛リブアイのステックフリット、フルーツのスープという組み合わせ。

盛りはちょっと少なめ(まぁ、1800円で鴨とフォアグラ食べられるということはそういうことで……)だったけれど、味はなかなか本格。みっちりとゼリー寄せしてある塩気は少なめでも濃い味の牛タンのテリーヌと、ギュッと強めに網脂を巻き付けた歯ごたえのある鴨、それぞれ美味しかった。料理に対してボリュームたっぷりといった風のデザートも良い感じ。ぎりぎりのゼラチンの濃度で固められたブランマンジェはぷんぷんとココナッツの香りたっぷりで、とても好みの味だった。横に座ったお客さんがクラブハウスサンドイッチを注文していて、これがまた素晴らしいボリュームで美味しそう。

美味しいもの食べて、久しぶりの友人との会話を楽しんで、えーへへへへーと御機嫌に次の目的地に移動。

代々木上原 「Fireking Cafe」にてケーキセット \1000
 チョコレートボム
 紅茶

青山の次は、代官山。アランジアロンゾのショップを覗いてあれこれ物色し、タクシーに乗って次なる目的地、代々木上原へ。10年ぶりに東京にでも出てきたおのぼりさんのように、今日の移動はせわしない。向かう場所は、全て私が行きたい場所。Sちゃん、すみません……。

代々木上原での目的地は、「Fireking Cafe」。その名のとおり、アメリカ製の古食器、(私が現在おおいにハマッている)ファイヤーキングの食器で料理が出てくるお店なのだそうで、ファイヤーキングが好きになってからというものずっと気になっていたお店だった。何故か料理はアメリカンではなくインドネシア寄りなものが多いそうで、ナシゴレンとかミーゴレンとかがメニューに並ぶ。

「……ケーキセットは1000円だよー。ケーキとかコーヒーとか頼むとファイヤーキングで出てくるんだってさ」
とか言いつつ、つい1時間前くらいにデザートつきの昼食を摂ったばかりな気がするけれど「チョコレートボム」なるすっごい名前(チョコ爆弾……?)のケーキを注文。紅茶つき。Sちゃんはニューヨークチーズケーキにコーヒーのセット。

やってきたのは、ファイヤーキングの翡翠色の皿に盛られたケーキと、それぞれタイプの違うカップ&ソーサーで出てきた紅茶とコーヒーだった。爆弾のように、まんまるなチョコケーキはチョコクリームの塊の中、わずかばかりにチョコスポンジが挟まっているというもの。こっっってり濃厚で、でも甘さはそれほどには強くないのでけっこうペロリと食べられた。おいしい。

「はふー、このお皿、このまま紙袋か何かに突っ込んで持って帰りたい気分だよ〜」
「せりあちゃんのカップはちょっと違うね?」
「んとね、そっちがレストランウェアってやつでね、こっちはジェーン・レイってシリーズもの、だったと思う。んでね、私が好きなのはそっちの分厚い、レストランウェアなんだよ〜」

ごにょごにょとファイヤーキングの魅力について語りながら、だらだらと飲み食い。アメリカのちょっと昔臭い風なフォルムの椅子が並び、壁のモノクロ写真もそんな時代っぽいもので、でもそこらでお客さんが食べているのはナシゴレンやカレー類。ちょっと不思議なお店だった。実のところ、ファイヤーキングの翡翠の器に和食系料理はいまいち似合わないと思うのだけれど(醤油と味醂のテラッとした感じとミルクグラスの艶はなんか違う方向で……)、洋風の料理やケーキ類はとてもよく映える。どっしり濃厚そうな黄色いチーズケーキとファイヤーキングのトロンとした色合いは、とても綺麗に調和していた。このお店、料理がまた美味しそうだったんだな。

代々木上原を後にして、最後に向かった場所はなぜか中野。今現在、必死に探している本(漫画)があって、それはそこらの本屋や古本屋じゃ見つからないもので、ならばとマニアな人々の殿堂のような場所に足を踏み入れてきたのだった。
「あ、あっちだよね。私、場所わかるー」
……なぜわかる。Sちゃん、おそるべし。

印象派からALESSIからファイヤーキングからおたくの殿堂までカバーした濃密な一日は、中野散策で終了。目当てな品は結局手に入らなかったのだけれど、Sちゃんがとある棚の前で
「うちにね、この棚の本、だいたいあるわー……最近に出たのは置いてないのかしら?ここ数年買ってないし」
と呟いたことに少なからず戦慄を感じつつ駅の改札で別れてきた。

だんな特製 デミグラスハンバーグ
だんな特製 にんじんのグラッセ
だんな特製 ほうれん草のバター炒め
クレソンたっぷり
わかめと油揚げの味噌汁
羽釜御飯
ビール(モルツ)・麦茶

「サンルイ島」のチーズケーキ
カフェオレ

「いまから帰りまーす」
我が家の慣例として、帰る前に連絡メール。だんなからの返事は
「今日の夕飯、ハンバーグにしない?そしたら俺、作るし」
というもので、異論のあるはずもない私は速攻でOKの返事。じゃあひき肉買って帰らなきゃね、いやでも残金あんまりないのよ……とかぺけぺけ携帯メールのやりとりをし、結局最寄り駅でだんなと息子と待ち合わせすることにした。

「おかえりなさーい、おゆきさーん」
「おかえりなさーい、おかあさーん」
遊び歩いてきて、笑顔で夫と子供に出迎えられるというのはなんとも気分の良いことだ。しかも遊び歩いてきて晩飯まで作ってもらえるとは、バチあたりそうな気がしないでもない。

やっぱりね、ハンバーグはでっかい方が美味しいよね、と買ってきた肉はなんと700g。だんなが玉ねぎ刻んで、こねてこねて成形して、こんがり焼いてくれた。添え物はほうれん草のバター炒めとにんじんのグラッセ。私は米を炊く準備と、味噌汁作成を担当。野菜が足りないねとクレソンも皿にごわっとたっぷり盛りつけ、こんがり焼けた大きな大きなハンバーグを平らげた。しっかしさぁ、でかいよ、でかすぎるよ、だんな。なのになんで、でかいハンバーグの「お代わり」まであるんだよ、だんな。
「……最初、800g買おうか、って言ってたんだよね」
「買わなくて良かったね、ほんっとーにね」
などと話しつつ、親子3人で700gのひき肉をハンバーグにて完食。……ちょっと食べ過ぎ?