食欲魔人日記 04年05月 第3週
5月17日 月曜日
こんがりカリカリサクサク。
「アンデルセン」の
 チョコクロワッサン
 マンゴーデニッシュ
カフェオレ

「おゆきさんの通う会社からスワンベーカリーって、遠いの?」
「うーん……遠い、かな。一生懸命歩いて行かなきゃ、って感じ」
「……そっかー……」
4月末に、私は溜池山王の仕事場から飲み会の約束をしている新橋へてくてく歩いて向かうついでに、途中通りかかった「スワンベーカリー」で買い物をして翌20日に皆の朝20御飯にしたのだけど、そのとき食べはぐれたチョコクロワッサンの存在が、だんなの心にずーっと引っかかっていたらしい。だんなはその時それを食べずに出勤してしまったので、私が昼御飯に美味しくいただいてしまったのだ。

数日前にその問いを投げかけられ、そして昨日についに我慢できなくなったか
「チョコクロワッサンが……食べたい……」
と、買い物ついでに近所の駅ビル内にある「アンデルセン」に立ち寄って菓子パンをあれこれ購入。めでたくチョコクロワッサンは売られていたのだった。

私はチョコクロワッサンと、シーズン商品のマンゴーデニッシュ。カスタードクリームの上にマンゴーの果肉が乗り、バタークランチが散らされたデニッシュはいかにも甘そうでカロリー高そうで、実際こってり甘く食べ応えがあった。チョコがみっちり練りこまれたチョコクロワッサンもずしりと重い。でも、たまにはこういうのも食べたくなるもので、ちょっと久しぶりな菓子パンを心ゆくまで堪能。今日はこれからみっちりと運動する予定ということで、カフェオレぐびぐび飲みながら。

稲毛 「太閤園」の
 茄子野菜炒め定食(おかず大盛)

「なんかもう、だーるーいー」
と、ここしばらくめちゃめちゃ忙しそうだっただんなは、本日お仕事お休み。いやいやでもでも仕事に行こうかな行かなきゃな、と踏みとどまっていたところに、
「休んでさー、私と一緒にジム行こうよ。でさ、昼御飯に太閤園♪太閤園♪炒飯♪茄子野菜♪」
耳元で悪魔の囁きをしたのは私。「太閤園」は無敵の呪文。そしてだんなは私と一緒に息子を幼稚園に送っていき、その足で私と一緒にスポーツジムに行くことになったのだった。休息するために休んだはずなのだけど、もう何がなんだか。

45分間のローインパクトエアロビクス、それに続いて45分のボディパンプ、そしてごく軽く水泳。午前中それをこなすと、ちょうど「太閤園」がオープンする11時半過ぎにお店に到着することができる。"今日の負荷"は「中小/大/中小/大/中小/中小」。だんなの「大/大中小/大/大中/大/大」に比べるとぬるいけれど、でも女にしてはそこそこそれなりに頑張ってる方だと思う。/はトレーニング部位(曲)の区切りで、大は5kg、中は2.5kg、小は1kgのおもりをつけているということ。おもりは両側につけるので、"中小"ならバーの重さ2kgを加えて計9kg。それを1曲5分くらいのトレーニング用ミュージックが流れる間中、インストラクターの指示に合わせてゆっくり上げたり早く下げたり、ぶんぶんと動かしまくるのがボディパンプ。……今日も燃え尽きた。

「……それで、せっかく運動したのに、ここに来るのはどうかなって思うわけよ」
自分で誘っておいたくせにそんな事言いながら、昼御飯には大の大のお気に入りの近所の中華定食屋さん「太閤園」に。中華料理屋さんではなくて、定食屋さん。「中華料理にこんな味のもの、あったっけ?」と思えるような味の炒め物が出てきたりするのだけど、ごく普通の食材と調味料を使って作られたようなそれが妙に心を鷲掴みにする。特徴は、どの料理にも惜しみなく油が使われているってこと(←運動の効果は台無し)。

「ぼかぁもう、炒飯だ。炒飯大盛だ。もういっそラージじゃなくてヒュージサイズでもいい」
そんな事を言っていただんなは、「私は茄子野菜炒め定食……」の注文の後に軽やかに
「あ、おかず大盛でね」
なんてことをつけ加えている。かくして私たちの前には炒飯大盛と、おかず大盛の茄子野菜炒め定食。朝もしっかり食べたのに、昼も呆れるほど良く食べた。このお店、盛りがとっても良い。大盛なんぞにしなくても、普通盛りでも炒飯はたっぷりの分量だ。なのに、大盛。

カウンターからは、この店の料理を一人できりもりしている白髪のおっちゃんが立ち働く様子がよく見えた。材料切ったり麺を茹でたりは店員のおばちゃんたちもサポートするけれど、鍋をふるうのは基本的にそのおっちゃん一人。だから料理が出てくるのにけっこう時間がかかったりするのだけれど、ガラス越しに見えたおっちゃんの働く後ろ姿はそれはそれは格好良かった。
「おおー、腰使って鍋ふってるよ。……見事……」
「あ、卵炒めてる。あれ、炒飯だ」
「なんてことない具なのになぁ……うまいんだよなぁ……」
この炒め物の味とか、ぜひ家で再現したいところだよね、とか言っている間に、料理がやってきた。チャーシューとナルトと卵と葱の入ったシンプルな炒飯、白菜やキャベツや人参や玉ねぎなどと共に茄子と薄切り豚肉を炒め合わせた醤油味ベースの炒め物。ごくごくシンプルな卵のスープや漬け物。

「おゆきさん、炒め物多いでしょ?多くない?」
「多くない。食べきれる」
「……俺の炒飯あげるから、そっちの炒め物もよこしなさい」
そんな事言いながら、お互いに料理を交換しながらもりもり食べた。皿の底に広がるタレ、その外周の2cm外側に油の層が広がってしまうほどの油っこさなのだけれど、白菜1切れ1切れ、肉の1枚1枚にその熱い油が膜を作って甘辛いタレを絡みつかせている。不思議とそう油っこく感じさせないし、何十分経っても全然さめない茄子のアツアツさなんかが、いつ食べてもいちいち美味しい。

あーん、美味しいよぉ。今日もやっぱり美味しいよぉ……と悶えてしまいながら、完食。
酢豚も気になるし、青椒肉絲なんかも食べてみたいのだけど、この店に来て恋しくなるのは炒飯と茄子野菜炒め。今度こそ酢豚に挑戦(予定)。

だんな特製 焼き餃子
スティックキュウリとマヨネーズ
だんな特製 適当スープ
羽釜御飯
ビール(モルツ)、麦茶

「今日は餃子にするじゃー」
「餃子じゃー」
と、お買い物。餃子の材料買って帰ってきた。

我が家には
「その料理をより愛するものが、その料理を作るべし」
という鉄の掟があって、それによって、焼き餃子はだんなの担当。包む作業は私も参加するけれど、タネを作るのも焼くのもだんなの担当になっている。

結婚して餃子を作り始めた最初の頃は鉄製の普通のフライパンで焼いていたのだけど、分厚い鋳鉄製フライパン、スキレットで焼くようになってから、格段に香ばしく美味しく焼き上がるようになった。調味料も美味しいものを色々知るようになったし、だんなの調理技術(焼き技術?)も明らかに上達した。あんまり変わっていないようで、我が家の餃子は少しずつ確実に美味しくなっている……と、思う。

400gのひき肉と半玉分の白菜、1束のニラを入れて作ったタネは、包んでみると69個になった。さすがに多いかな残ったら冷凍かな、とか言いながら焼き始める。私はキュウリを切ってマヨネーズ添えて口直しを準備したり、ビールを1人1缶コップに注いだり(いつもは2人で1缶なのよ)。

我が家ではいつのまにか、「餃子の日はとにかく餃子だけをお腹いっぱい食べる」みたいな事になってしまっていて、最初にビール飲みながら餃子食べて、第2弾を焼いたらビールから御飯に移行してまた食べて、という感じ。最初は醤油(お気に入りの横浜醤油)とラー油(お気に入りのへんこのラー油)で食べていたのだけど、
「そうだ、お酢で食べよう」
と、だんなが酢を出してきたり、
「酢っていえばさー、これがあったじゃん、これが」
と、私が鍵屋の柚子胡椒(大分由布院のもの。いただきものの柚子胡椒だけど、これがまた美味しいんだ……)を出してきたりと、味を変えつつ食べる食べる食べる。焼き餃子に柚子胡椒をつけて食べるのは、福岡に旅行した時に知ったのだけれど、爽やかな香りでピリピリッと辛いその練り味噌みたいなペーストが餃子に不思議によく似合う。酢をつけて食べるというのも、これまたさっぱりと目先が変わって美味しかったりして。

「……やばい、止まらぬ……」
「うまい……」
「ぼくもね、もっともっとたべるんだよー」
とかやっているうちに、息子が12個食べ、残りの57個は3:2くらいの割合でだんなと私の腹に消え、そして結局1個も餃子は残らなかった。

「ううう、せっかく運動したのに、今日、いっぱい運動したのに、昼と夜でパァ……」
「あのねおゆきさん、ゴムってね、ちょっとこう、引くと、勢いがついて一気に縮むでしょ?」
「……」
「チョロQも、ちょっと後ろに引くと勢いよく……」
「なにがいいたいの?」
「いや、別に」
「今日の運動は、チョロQが走り出すための準備だったと、昼御飯と夕御飯に勢いをつけるために、やったと?」
「……ちがうの?」
「……そうかも」
私たちがせっせと運動している目的は、最近微妙に違ってきているような気が……しないでもない。

5月18日 火曜日
見た目はアレですけど、すごく旨いんですよ海苔パスタ。
さーたーあんだぎー
牛乳

本日、息子は幼稚園のイベントで遠足に。いつもよりちょっと早めに起きて、"麺類禁止、箸が必要なものも禁止。おにぎりや巻き寿司などが良いですね"などとお達しの出ている弁当を作成した。箸もフォークも使わずに食べられるものが理想なのだそうで、
「……じゃあ、おにぎりかサンドイッチか、あとは串揚げとかスティック野菜くらいしか思いつかない……」
と頭を抱える。

結局、
「あのね、サンドイッチがいいな。ジャムのとね、ピーナッツバターのを入れてね」
という息子のリクエストに応じることにした。甘いサンドイッチは小さめのを1切れずつ。あとはツナと卵のマヨネーズ和えのスタンダードなやつをそれぞれ2切れずつ詰めて、旗つき楊枝に茹でて殻剥いたうずらの卵と唐揚げを刺す。残りの隙間には手でつまんで食べられるようにとプチトマトとさくらんぼ。

朝御飯は、先日購入して残っていた"さーたーあんだぎー"を。ゴワッと表面が固くずっしりと重いシナモン風味揚げドーナツをばりばりと囓って平らげる。晴天とはいかないけれど雨もなんとか降らなさそうだし寒くはなさそうだしで、まぁまぁの遠足日和かな。

ミックスサンド
(卵サンド・ツナサンド・苺ジャムサンド・ピーナッツバターサンド)
唐揚げとうずら卵
プチトマト
さくらんぼ
アイスティー

お弁当にと4種類のサンドイッチを作ったわけだけれど、当然ごっそり残っているのである。だんなのお弁当に持たせてあげたかったのだけれども、でも今日は朝5時半起きで早朝ジムに向かってしまったのだった。さすがに朝5時半合わせで弁当を作ることはできなくて、残ったサンドイッチは私の胃袋に。

「……息子の弁当にツナや卵がたくさんいったってことは、私の分は甘いものがたくさんあるって事なんだわ」
自家製の苺ジャム(苺に砂糖とレモン汁加えてことこと煮込んだ。甘過ぎなくて、うまー)をごってり挟んだものと、市販のピーナッツバターをごってり挟んだサンドイッチを前に苦笑いして、甘さのない濃いめのアイスティーを飲みながらいただく。卵サンドとツナサンドも1切れずつ。どうせ息子と同じ内容の御飯なら、と、プレートに唐揚げやうずら卵、プチトマトなんかも盛りつけて同じ内容にしてみた。

ツナサンドには、刻んだキュウリもたっぷり混ぜた。卵は、ただただ茹でた卵をマヨネーズで和えただけのもの。
「……あ、そうか、ホットドッグ弁当なんかも楽しかったかも」
と今更気づいたりして。

夕方近くなってから、息子をお迎えに。
「家につくまでが遠足です。おつかれさまでした、はいサヨナラ〜」なんて簡単なものじゃなく、幼稚園からは"子供たちが到着する10分前には集合してください。がんばった子供たちを拍手で出迎えましょう。"なんてお達しがきている。一応その時間通りに手ぶらで出向いてみれば、園庭にはばっちり「花道」みたいなものが作られてカメラ構えたお母さんたちが並んでいた。子供たちが帰ってくるのに合わせて園内に「あっるっこー♪あっるっこー♪」と音楽が流れ、「年長さんたちが帰ってきましたー!みなさま拍手でおねがいしまーす!」とマイクアナウンス。演出過剰で……なんだか、げんなり。

息子はそれはそれは楽しかったらしく、
「おべんと、ぜんぶ食べましたー」
「おちゃもね、ぜんぶ飲んだなんだよ」
「あとね、いちご、あったんだよ。おみやげー」
と、ヤマブドウ(それともヘビイチゴ?)だかなんだかの赤い実をビニール袋に数粒詰めてきて、得意気に見せてくれた。ジャングルみたいなところを冒険してきたのだそうだ。
「あのね、ジャングルだったの。ジャングルみたいだったの。……でも、ワニはいなかったなぁ〜」
さぞかし大冒険だったのだろうな。ワニがいたら大騒ぎだよ。

パプリカのアンチョビマリネ
海苔の少し辛いクリームソースのリングイネ
塩豚と根菜のにんにく風味スープ
缶チューハイ(グレープフルーツ)・アイスティー

昨夜、焼き餃子を食べたときに久しぶりに柚子胡椒を冷蔵庫から出し、
「あー、また柚子胡椒のスパゲティを食べたいな」
と思い至った。

焼き海苔を湯に溶いてペースト状にし生クリームと柚子胡椒を加えてパスタのソースにする、というこの料理を最初に作ったのはイタリアンの料理人、日高良実さんだったと思う(このへんにその歴史が)。何度かお店でも食べ、その後作り方も雑誌やレシピ本などで見かけることができるようになって、我が家でも時々これを作って食べている。お店では海老を入れたりもしていたけれど、鶏肉なんかも似合いそう。魚介や肉を何も入れなくても、それはそれで充分美味しい。

パスタはそれで良いとして、あと2品ばかり。冷蔵庫の奥にもう1ヶ月ほども突っ込んであるままの"塩豚"が非常に気にかかっていたので、何度も匂いをかいで
「……大丈夫だな。大丈夫だよね?よし、スープにしよう」
と、薄くスライスして根菜と共にことこと煮込む。安売りの豚バラ肉を、「数日中に食べる予定はないしー……塩揉んでおこう」と、1本のそれに大さじ3ぐらいの分量の塩を全体にしっかりと揉みこんでからぴったぴたにラップを巻いて、半冷凍状態になる冷蔵庫の肉コーナーに突っ込んでおいたのだ。時々気になって様子を見ていたのだけど傷んだ様子もなくて、どこかベーコンのようになってきていたところ。

茹でてみてダメそうなら捨てよう、と決意して、残りものの大根や人参と共に煮込んでみる。中の中までしっかりと塩が染みた豚バラ肉はやっぱりベーコンみたいな味わいで、ちょっと独特なシコッとした歯ごたえがなかなか良い感じ。にんにく風味にした方が美味しいかしら、と2かけ分の薄切りにんにくを放り込んだ。調味料は何も入れない状態で、ちょうど良い塩気のスープができあがり。肉を噛むと肉汁と共に適度な塩気がジュワッと染み出てきて、かつてなく濃厚な味のスープにできあがった。「いったいいつまで保存できるんだろう」という実験も少しあったのだけど、我が家の冷蔵庫でこの状態で保存した場合、1ヶ月は大丈夫、と。ちなみに1週間くらいなら超楽勝。

スープとパスタだけじゃいまいち食卓が寂しいかなと、パプリカをアンチョビでマリネに。赤いパプリカを適当に一口大に切ってフライパンで焼き目をつけるように炒めつけ、刻んだアンチョビと刻んだバジル、オリーブ油でちゃかちゃかっと和えただけ。それだけだけど、テーブルの中央に置くと色合いが華やかだからなんとなくごまかせる〜。(って、ごまかせるごまかせないで料理をしちゃいけないな)

昨日仕事を休んでしまっただんなは、それでも今日は夕飯に間に合う時間に帰ってきた(でも明日から3日間は絶望的らしい……)。
「パスタ、320g茹でたんだよ。……足りなかった?」
「いや、いいんじゃない?具沢山のスープあるし」
とか言いながら、誰も「320g分のパスタは大人用4人前に相当する」ということにツッコミを入れることなく食事は進む。今日のパスタはかなり海苔をたっぷりと多めに使ったので、なにやらイカスミパスタのような外見に。海苔とクリームがほのかに甘くて、柚子の香りがぷんとしてじわっと辛くて、相変わらず美味しい料理だった。ボヤけがちな食材を使う料理なので、塩は割とちゃんと効かせたほうが味が締まってよいかもしれない(でも塩を入れすぎたら入れすぎたで目も当てられないできあがりに……)。

5月19日 水曜日
困ったときのいなり寿司
さーたーあんだぎー
牛乳

いったい何個買ってきたんだという「さーたーあんだぎー」(6個だ)、これが最後の2個。息子は
「かたくってね、おなかいっぱいになっちゃうから……カリカリがいいやー」
と、今日もコーンフレークを選択したので、だんなと私で1個ずつ。ちょっと日にちも経っちゃったし表面のゴワゴワした固さがいっそう強固なものになったようだったので、レンジで数十秒あっためてみる。なんかこう、"ドーナツの中に入ってた油が逆流"といった感じにギトギトと油っこくなってしまったけれど、でも歯触りはふわふわ柔らかに。

これは買ってきたさーたーあんだぎーだけれど、一度だけ自分で作ったこともある(しかも、なぜかアメリカで)。ホットケーキミックスを使ったら簡単にできるそうだし、「さーたーあんだぎーミックス」なんて粉も売られていたりして簡単に作ろうと思えばいくらでも簡単に作れそう。また自分で揚げてみようかな。さーたーあんだぎーに限らず、揚げドーナツは大好物(ベニエとか)。

おうちで弁当
 豚肉とピーマンの回鍋肉風
 鶏の唐揚げ
 いんげんの胡麻和え
 ゆで卵とプチトマト with マヨネーズ
 海苔ふりかけ御飯
 いぶりがっこ
 麦茶

今日は、だんなの分も含めて親子3人分のお弁当作成。
「久しぶりだわ、久しぶりな弁当作成の気がするわ〜」
と、冷蔵庫内生鮮品最古参に分類される豚薄切り肉をひっぱりだしてきて、刻んだピーマンと一緒に回鍋肉風の炒め物にしてみた。炒めた肉と野菜に甜麪醤ひと匙と醤油をひと垂らし。しょっぱめの味になる想定だったのだけど、甜麪醤がちょっと多すぎたようでちょっと甘ったるいものになってしまった。それとバランスを取ろうと、醤油と胡麻だけで和えたいんげんの胡麻和えも準備。ゆで卵とトマトにマヨネーズを添え、余った空間に昨日の弁当の残りの唐揚げを1個詰めた。

12時を過ぎたあたりにジムに行こうと思っていたので、11時過ぎにさくさくと一人飯。私の弁当箱は、息子の弁当箱と同じサイズ。高校時代は、確かこの同じサイズの弁当箱におかずだけ詰めて、おにぎりを別にして持って行っていたように記憶している。このちっこい弁当箱は、一人の昼御飯のときくらいは家飯を軽めに軽めに……と心がけての分量なのだけれど、それでスポーツジムに行くのはちょっと無理だったみたい。もう3時を過ぎた頃からお腹空いちゃってお腹空いちゃって。

駅ビルの総菜屋で入手した数々
 新じゃがフライ・鶏の甘酢和え
 コーンクリームコロッケ
 いなり寿司(釜揚げ・高菜わさび)
塩豚と根菜のにんにく風味スープ
麦茶

今日のジムは大混雑。近くのエリアの同チェーンに属するジムが数日間改装休業なのだそうで、会員がこちらのジム(や他いくつかのジム)に流れることになったらしい。いかにも鍛えてます、みたいな風の人々がフロアを埋め尽くし、「こりゃー負けられないわー」とちょっと無理したら、もう腕も上がらないほど疲れてしまった。しかも今日は息子もジムの日だということで、濡れた髪もまだ完全に乾いていないうちに再びジムへ。いつもは息子が運動している間に買い物を済ませたり図書館に行ったり本屋をぶらついたりと動き回るのだけれど、今日は見学コーナーにへたりこんで動くこともできなかった。

「おかぁさん、おなかすいたねー」
「……うん……かーちゃんも……すっげーはらへった……」
小雨降る中、親子して疲れてヨレヨレと帰宅。魚でも買って行こうか、と駅ビルに寄ったのが間違いだった。もうお腹空いちゃってるもんだから、何を見ても美味しそうに見える。

「あー!おかあさん、コロッケだ!」
「そうねーコロッケねー」
「おまんじゅうもあるよー」
「あー、おまんじゅうねー」
「おいなりさんだ!」
「あー、いなりずし……いなりずし……いなりずし……」

コロッケと"おまんじゅう"(肉まん)では踏みとどまったものの、いなり寿司の誘惑についに負けてしまい、お父さんも今日は遅いしね、と息子と私の分を買い求めてしまう。ひとつ買ってしまうと、「あーもーいいや、適当夕飯でいいや」となし崩し的にコロッケ買ったり安売りのじゃがいもフライも買ってみたり。準備時間10分(スープあっためただけ)のこれ以上なく手抜きな夕御飯だった。でも、いなり寿司は久しぶりな気もするし、大好物だからいいのだ。

先日からハマッているのは駅ビル内に入っている、いなり寿司屋さんの「高菜わさびいなり」。他にも黒糖いなりとか筑前いなりとかじゃこいなりとかがあったりするのだけれど、じわーっと辛い高菜わさび入りのそれが妙に美味しい。今日はキムチも買いたくなってしまったりと、最近一歩ずつ「辛いもの好き」に移行しつつある私。成人したかしてないかの頃にやっとわさびの美味しさがわかった自分にしては、すごい快挙じゃないか、と思ったりして……。

5月20日 木曜日
生野菜をいっぱい食べたいので
卵サンドとツナサンド
アイスカフェオレ

「ほれー、息子、朝だよ」
「……もー、ねーむいよー」
「でも朝だよ。ほれほれ」
「……んーもー!Mess!」

そんな、見事な発音で「メスッ!」とか言わなくても。(ぐちゃぐちゃ、とかいう意味だったかなぁ……)
思いのほか息子から英語が抜けていかないのはありがたい事なのだろうけど、「週4時間は必ずテレビで流れている英語教材」がWWE(アメリカンプロレス)の番組だというのが、ちょっと、どうかな、と。おかげでスラング的語彙ばかりが増えていっているとみられる息子は、今朝も起きるなり父親に膝蹴りからのスタナー(←プロレス技。ストンコールドの必殺技)を繰り出していた。

そんなのを横目にしながら私は朝食の準備。サンドイッチ用の食パンが5枚余っていたので、2枚使って卵サンド、2枚使ってツナサンド、1枚使ってピーナッツバターサンドを作り、適当に分けあいつついただいた。変哲のない、ごくごくごくごく普通なサンドイッチ。

冷蔵庫の中では、数日前からアイスティーとアイスコーヒーが作られ入れられる態勢になっている。冬場は冷茶か麦茶かウーロン茶のどれかを作っているのだけれど、暑くなるとそれでは物足りなくなってくるのでアイスティーとアイスコーヒーの容器も準備されるのだ。どちらも、冷たい水に紅茶葉(あるいは挽いたコーヒー豆)を入れ、一晩放置しておくだけ。水出しのアイスティーとアイスコーヒーはどちらも柔らかな味でなかなか美味しい。手間はかかるけど、買ってくるそれよりも格段に美味しいし。朝一番に冷えたアイスカフェオレをくいーっと飲み干せる悦びったら。

「キムチでやせる」の焼きそば
麦茶

雨の一日、一人飯。弁当もなく、外食の予定もない平日の昼はちょっと手持ち無沙汰な心持ち。カップラーメンじゃ芸がないし悲しいし、パンも食べ切っちゃったしどうしようかなぁ……とあれこれ思案。冷凍庫に「キムチでやせる」の焼きそばが数玉残っているのを発見し、
「豚肉あーる!キャベツあーる!オッケー!」
と、生麺を茹で始めた。

キムチでやせる」はその名のとおり、キムチ屋さん。キムチの味もすんごく好みなのだけれど、「大阪鶴橋コリアタウン繁盛鉄板焼き屋のやきそば」という舌噛みそうなネーミングの焼きそばがとにかく好きで、これを買うために毎回通販している我が家だったりする。

麺を茹でるのに7〜8分。一人前にしては少なく思える外見の袋入り麺は、湯に入れるともこもこと太く太く膨らんでいくのだけど、それを見つつフライパンで豚肉(塩豚をちょびっと角切りにしたやつ)とざく切りにしたキャベツを炒めていく。豚の脂がいーい感じにチリチリになったところで茹で上がった麺を加え、麺とセットでついてくる甘辛ダレをピャーッと回しかけてざざっと和え炒めればできあがり。ソースの色というよりは"味噌と唐辛子の色"に近い赤茶けた色合いで、じわっと辛くてじわっと甘い。ひっさしぶりに食べた焼きそばは、相変わらず美味しかった。焼き肉の後に食べたりしたらさぞ旨かろうと思うのだけど、何しろ麺がモチッとしてボリュームたっぷりなものだから、焼き肉の後にはちょっとヘビィなんだな……。

茹で塩豚の野菜巻き巻き
簡単チーズフォンデュ(フランスパン・パプリカ・いんげん・ブロッコリー)
玉ねぎとワカメの味噌汁
グリンピースご飯
ビール(モルツ)・プーアル茶

先日からちまちま食べている、豚バラ肉に塩を揉みこんだ"塩豚"はまだまだ残っているのだった。そろそろ食べ切らなきゃ、と、1時間ほど水に漬けて塩抜きしてから残りすべてを茹でてしまうことに。"塩豚"の作り方は1年以上前に雑誌『dancyu』で見たものだけれど、そこに載っていた食べ方にすることにした。

茹でた塩豚(雑誌ではバラ肉じゃなくて肩ロース肉を使っていたと思う)は薄くスライスし、レタスやサラダ菜などの葉野菜と、白髪葱やスプラウトやシソやミョウガなどの香味野菜を適当に準備。今日は1パック50円の特売をしていたサンチュと白髪葱・かいわれ大根・キュウリ・ミョウガを準備した。タレは醤油とおろしにんにくと胡麻油を混ぜたにんにく醤油ダレと、コチュジャンと味噌とすり胡麻と日本酒とおろしにんにくと胡麻油を混ぜたコチュジャンダレ。葉野菜で肉と香味野菜を適当に巻いて、適当にタレをつけて食べる。マヨネーズもいいかもねー、と、マヨネーズも準備した。

今日はなんだか無性に野菜が食べたい気分だったので、もう一品、プチチーズフォンデュ。「オーダーチーズ・ドットコム」で以前購入したチーズの福袋に入っていた、レンジでチンするだけで食べられるチーズフォンデュを使って、茹で野菜とフランスパンをちょこちょこと食べることに。いんげんとブロッコリーと2色のパプリカを用意して、ざっと火を通した。フランスパンは小さく角切りに。

そして春ならではのグリンピースの炊き込み御飯。「しまった、味噌汁の具は全然考えていなかった……」と、ありもので玉ねぎとワカメの味噌汁。これだけたっぷり色々と用意して息子と2人ぼっちの夕御飯じゃ寂しいなぁ……と思っていたら、気配を察しただんなは仕事を切り上げて帰ってきてくれた。「今日は帰れそう〜」というだんなからのメールと「今日はどうですかー?」という私からのメールがほぼ同時に送信され、
「今日もナイス電波〜」
「ナイス〜」
と一緒に食える夕飯を喜びあう私たち。

レンジでチンするだけのフォンデュ用チーズはなかなか美味しかった。クリームたっぷりで、アツアツじゃなくなってもしばらくトロンとしている。ミルクの味が濃厚な優しい味のチーズに、息子が大喜びでフランスパンにコテコテつけて食べていた。うまいうまい。
にんにく醤油ダレはちょっとしょっぱかったけれど、肉巻き野菜も良い感じ。
「マヨがいいよ、マヨが」
とか言いながら、肉も食べたがそれ以上に野菜を食べた。そうそう、こんな風に野菜をいーっぱい食べたかったのよー、と、大満足。

5月21日 金曜日
ああ、憧れのパフェ♪
フルーツグラノーラ with 牛乳

今朝早くに、台風が関東をかすめるように太平洋を通過するらしい。
「ジム行きたいんだけど……息子も幼稚園に連れてかなきゃだけど……大雨だったらどうしよう」
昨夜ビクビクしながら床についたのだけれど、起きてみたらなんてことのない小雨だった。テレビやインターネットで確認したところ、直撃コースから外れてふらふらと遠くに行っちゃったらしい。

「大変な大雨と風だったら幼稚園を休ませちゃおう」なんてことを思っていたので心の準備も実際の準備もあまりしていなかったものだから、慌ててお弁当の準備。朝御飯もシリアルでちゃちゃっと済ませることにした。私と息子のお気に入りはカルビー社のフルーツグラノーラ、ここ何回か、これに「JUST STRAWBERRIES」というストロベリーチップを入れることに幸せを感じている。これは先日、Sちゃんがアメリカ土産だよ〜んと、息子にくれたもの。アメリカに住んでいたときに飽きずにフローズンストロベリー入りコーンフレークを食べまくっていた息子にはこれ以上なく嬉しいおみやげだったようだ。

コンビニの
 たらこおにぎり
 卵炒飯おにぎり
麦茶

息子の幼稚園登園時間にはめでたく雨も止み、スポーツジムにも無事行くことができた。今週は月水金と3回行ったぞ。我ながらがんばった。……がんばったのだけど、本当なら11時半過ぎまで粘って動く予定が11時前に力尽きる。もーダメ……おなかすいた……カレーたべたい……と、ジムを出てフラフラとその近くにある「CoCo壱番屋」を目指した。んが、開店の時間まであと10分、待てるほどの余裕もなくて、
「そーいえば、あのコンビニに新製品のマンゴプリンがあるって聞いてたわ……」
と、ファミリーマートに寄って帰宅した。目当てのマンゴプリンを買うついでにおにぎり2個買って、家でもそもそと。

コンビニおにぎりは味気ないものだけど、たまに食べるとそれでもそこそこ美味しく思えてしまったり。大好物のたらこ入りと、あとはイロモノ系も食べてみよう、と、炒飯おにぎり。激しく物足りなかったけど、今日のおやつはパフェだからこのくらいで我慢。

千葉そごう内「タカノフルーツパーラー」にて
 マンゴーパフェ

以前は毎号買っていたのだけど、ここ数年めっきり内容がつまらなく思えてきてたまにしか買っていなかった雑誌『dancyu』。6月号は麻婆豆腐と生姜焼きの特集があったとかで、それらが好物のだんなが買ってきてくれた。で、私が目の色変えて眺めていたのは数ページの「パフェ特集」。

「あー、気になってたお店のパフェが載ってる〜」
「万惣もある〜。あそこ、美味しいんだよねぇ〜」
「チョコパフェ〜チョコパフェ〜」
と、脳味噌はもうアイスクリームと生クリームとチョコレートと各種フルーツでみちみちに。近いうちにたっくさんの果物と美味しいアイスクリームと、あと100円ショップあたりでパフェ用グラスを買ってきて家でパフェ作っちゃうんだもんね、と心に強く強く誓いつつ、
「あー、でも我慢できないから、今日の夕方に高野寄って食ってくるわ!」
と決意する。

その決意を後押ししたのは、我が夫。
我が夫はわざわざ今日の昼過ぎに、私がわびしくコンビニおにぎりなど平らげた直後に、「今日の昼飯は!」なんてメールを送りつけてきやがったのだった。確認したら、私の大大大大大好きな木村屋ペストリーショップ(東銀座にある、サンドイッチがめちゃめちゃイカすパン屋さん)と、これまた私の大大大大大好きなチョウシ屋(東銀座の肉屋さん。コロッケサンドが名物。すごーく美味しい、そして安い)をハシゴしてるじゃないですか。ずるいずるいずるいずるい、私ももう何年も食べてないのにー、とジェラシーストームのただ中に放り込まれる私。いいなーいいなー木村屋いいな、チョウシ屋いいな、私はもう絶対今日はパフェ食べてきちゃうんだもんね、と、燃えに燃える。値段なんて関係ないわ。剛毅なパフェを食べるのよー。

で、金曜恒例の息子の音楽教室後に、千葉そごう内のタカノフルーツパーラーを目指す。とにかくフルーツコテコテのパフェが食べたくて、しかも5月の高野は毎年マンゴーフェアをやっているということで、目当てはマンゴーパフェ。

「ぼくもね、ぼくもね、ひとりでパッフェたべていーい?ひとりで、パッフェ」
"パフェ"が言いにくいみたいで「ぱっふぇ」になってしまう息子が、自分も1人で1個のパフェを食べるのだと主張する。今はほーんのりと懐があったかいところだったので、
「よっし、どのパフェ選んでもいいぞー。君もパフェを食べなさい。ただし、全部ちゃんと食べきること。残しちゃだめよ」
とOKを出してやった。……そしたら、メニューの中で一二を争う高値のパフェを指さす息子。

「んとねー。これ!」
「……マ、マスクメロンパフェ……1300円……?」
私のマンゴーパフェは1100円だ。マスクメロンパフェは1300円だ。合計2400円だ。ランチ2人分、いや3人分くらいはいけそうな金額が、2人のパフェ代。ちょーっと痛かったけど、何しろ今日はパフェを食べるために過ごしてきたので、
「マンゴーパフェと!マスクメロンパフェを!ください」
と思い切ってオーダー。

値段が良いだけあって、ゴージャスなパフェだった。マンゴーソルベにバニラアイス、かき氷みたいなものも間には入り、上にはこれでもかと大量のマンゴー果肉、パフェグラスの中にも果肉。くどくない甘さのココナッツミルクのソースも下に沈み、ホイップクリームやらチョコの飾りやらベリー類の飾りやらがコテコテと積み上げられて、見事なまでのパフェだった。へっへっへ、マンゴーだマンゴーだー、と喜ぶ私の向かいには、これまた大量のメロン果肉が乗っけられたメロンパフェ。こちらはなんとも上品な甘さのメロンシャーベットがアイスクリームと層をなしている。やっぱりグラスの中にメロン果肉がごろりごろりと沈んでいた。

親子してしばし無言になりながら、ひたすらパフェと格闘。台風一過で外はすっかり気温もあがり、ゆえに私たちは半袖だったのだけれど、冷房効いた中でパフェを食べるにはちょっと薄着すぎた。最初の10分くらいは心地よかったのだけれど、食べるのが遅い息子は途中で
「……さむい……」
と唇を紫色にしながら、でもアイスクリームと対峙し続けていた。こういうのは、適当にあったかいところで食べるのが美味しいのよね。かき氷とかもね。

ともあれ、久しぶりのパフェ欲望はきっちり満たされて、大満足。
そして、今一番いきたいお店は四谷三丁目駅近くの「フクナガ」。フルーツサンドが美味しいですよ、とつい数週間前に教えていただいたお店だけど、雑誌に載ってたここのマンゴーパフェ(750円)の旨そうなことったら。

イクラ乗せ鉄火丼
玉ねぎとワカメの味噌汁(昨夜の残り)
麦茶

夕方のデパ地下はパラダイス。パフェを食べている間に、鮮魚コーナーでは続々と値引きの赤マーカーが商品にひかれつつある。

「もう5時過ぎじゃん。こんな時間にパフェなんか食べちゃったからさ、夕飯は軽く……マグロの御飯にでもしない?」
と、鮮魚コーナーを覗いてみれば、2割引3割引はあたりまえ、ものによっては半額近いものもある。800円のが600円になったビンチョウマグロのサクと、1400円のが800円になった中トロのサクをしばらく見比べて、800円のを買ってきてみた。イクラは600円のが400円。ああ、すばらしい。

だんなの帰宅が遅いのは確定していたので、息子と私2人分の御飯を準備。米を炊き、寿司酢を混ぜて食べきれる分量の酢飯を作り、スライスしたマグロとたっぷりのイクラをトッピング。だし醤油をピャーッと回しかけ、刻み万能葱と刻み海苔をこれでもかと散らしてできあがり。パフェを食べたし、ちょっとにしとこうね〜とか言っていたはずなのに、私も息子も大盛りサイズになってしまった。

800円のものにしといてほんっとーに良かった!と思えるトロ〜ンとしたとろけるようなマグロの美味しさは買ったときに感じた見た目以上のもの。イクラをこれでもかとまぶしつけた寿司飯を柔らかな中トロと一緒に口に突っ込む快感ときたら、パフェにトッピングされたマンゴーを囓ったときと同じかそれ以上くらいに感じられて、今日はいろいろと幸せ。ちなみに明日はステーキで、またまた幸せ。

5月22日 土曜日
OUTBACK名物のフライドオニオン。芸術的?
「なかむら」のうどん ひやひや 揚げ玉乗せ

「……モスバーガーから新発売のバーガーが出たらしいですよ。……あさごはん?」
「いやー……だって、夜ステーキ食うんでしょ?」
「食う。それはそれ、これはこれ」
「なんか、違くない?」
そんなことを起きるなり話し合い、ステーキっぽくないもの(アメリカンっぽくないもの)をということで、うどんになった。

昨年の今頃に申し込んで1年食べ続けた千趣会の「さぬきうどんの会」は今月で1クール分終了。現在は「第2弾」がはじまっているそうで、
「池上だってよ、池上〜」
「はりやもあるよ〜」
「あとは……がもうに、田村に山越……たまりませんなぁ……」
と、引き続き第2弾も申し込むことにしてしまった。そこらのスーパーで加ト吉の冷凍うどん買ってくるより全然お高いけれど、でも麺もだしもなかなか美味しいしなぁ……と思っている。

今日のは「なかむら」。薄い色のだしと、若干細めの麺。刻み葱をぶわーっと散らし、スーパーで買ってきた1パック100円の揚げ玉を混ぜてゾルゾルと啜る。4玉茹でて、3人で分け合ったらすぐに消え去ってしまった。いりこの匂いたっぷり、色は薄めで塩気はちょっと強めで……というさぬきうどんのだしの味が、いつのまにか我が家にとってはイコール「うどんだしの味」となってしまっている。何しろさぬきうどん屋に行ったときの息子の喰いつきの良さといったら……。

「不二家」の
 ミルフィーユ
カフェオレ

「夜はステーキ……」
「このまま昼御飯は食べない方向で」
「いや……でも……さすがにお腹すくよ?」
「じゃあ、ケーキ食べようケーキケーキ」

現在、不二家では「定番商品の一度に2個以上のお買いあげで、"ミルキーアイスクリームマグネット"プレゼント」、とかいうことをやっている。期間限定の300円割引券も手元にある。合わせ技一本ということで、ケーキを買いに行きましょう、と数日前から決めていた。

「定番商品」とは、ショートケーキやモンブラン、チーズケーキやチョコケーキ。我が家の構成員で不二家のショートケーキが嫌いな人など一人もいるはずがなく、
「俺、ショートケーキ〜」
「ぼくもね、ショートケーキ〜」
と、定番商品2個は速やかに決定した。じゃあ私は定番商品にこだわることはないのね、と、ずーっと気になっていたミルフィーユを。300円割引は1000円以上の買い物で有効なので、ついでにロールケーキも1本購入。

初めて食べた不二家のミルフィーユは、甘くて子供に愛されるような味で、いかにも不二家の味だった。サクサクの甘く分厚いパイ生地に、ねっとりと弾力のあるカスタードクリームがたっぷりと。たっぷり絞られたクリームと甘い苺がトッピングされて、マキシム・ド・パリの名物"ナポレオンパイ"とはまた違った美味しさ。あれもパイ生地がバリバリとごつくて、そこが気に入っていたのだけれど、不二家のそれも充分美味しかった。
不二家はやっぱり、あなどれぬ。

幕張 「OUTBACK」にて
 ブルーミン’オニオン \900
 リブアイ・ステーキ 275g \2,490
 ビール(ハーフ&ハーフ)12oz \600
 サングリア \600

ここ10日ばかり、私は(そしてだんなも)無性にステーキが恋しかったりした。そして手元には、「OUTBACK20%OFFチケット」なる割引ハガキが届いているのだった。

「そりゃー、行くでしょー」
「アウトバック、行くでしょー」
と、数日前から予定を立てて、鼻息荒く幕張の「OUTBACK」を目指してみる。アメリカでいろんなところにあったチェーンステーキ屋さんで、幾度となくお世話になっていた店だ。ボリュームたっぷりで味もそこそこ良く、しかも安かった。日本だと値段はちょっと高めだし、サイズも小さめ。肉の味もなんかちょっとビミョ〜に違う気がする。それでも、アメリカ〜ンな気分を味わうにはもってこいだったりするので、どうしても嫌いにはなれなかったりする。

せっかく久しぶりに幕張に出たし、と、目当てのものはないけれどアウトレットモールをぷらぷら。2つ買ったうちの1つを欠いてしまって1つきり食器棚にしまわれていた渋い色のどんぶりと同じものを発見できたり、欲しいなぁと思っていたエアープランツをちょっと安く買えてしまったり、だんなはジム用のパンツをアディダスのセール品コーナーで買えてしまったり。何も買う予定はなかったのに、いつのまにか大きな袋を2個も3個もぶらさげて歩くことになってしまった。アウトレットモールはとても危険。

ぷらぷら歩いて空腹になり、そして5時過ぎにOUTBACKに。巨大なステーキをこれでもかと食べたい気分だったので、だんなは400gのオージースペシャル、私は275gのリブアイ。本当は275gのプライムリブが食べたかったのだけど、幕張店ではいまいち人気がなかったらしく大サイズ商品は消えてしまったらしかった。時流に逆らい、巨大ステーキを所望する私たち。

前菜は、この店名物の揚げ玉ねぎ。1個丸ごとの玉ねぎを格子に切り込みを入れ、スパイシーな衣をつけて揚げたもの。菊の花のようにぶわっと広がったそれは見た目は美しいけれど大変な食べ応えがある。中央に納められたチーズソースをこてこてつけて、
「いかんいかん、止まらなくなる」
「でも適当なところで止めておかないとステーキがはいらないようになる」
とか言いながらバリバリ食べる。サクサクでピリッと辛さがあって、とても好き。

で、ステーキにはもれなくサラダかスープ、パン、好みのサイドディッシュ2種類がついてくる。シーザーサラダをばりばり食べ、ステーキにはコーンとフライドポテトを添えてもらって、心ゆくまでアメリカ〜ンな感じを満喫した。塩胡椒だけで焼いたステーキにはどこか照り焼きダレのようにも感じられる甘じょっぱいソースがついてきて、適当にそれをかけながらいただく。100円プラスでマッシュルーム入りグレービーソースも持ってきてもらえるのだけど、これがまたコテコテに「そうそう、こんな味のもの、あったよねぇ……」という美味しさ。大皿が大皿に見えないほど、ドカンと盛られたステーキはなかなかの迫力だったけれど、だんなも私もぺろりと完食した。サイドディッシュは全部食べたし、息子が数口分だけ食べきれなかったマカロニ&チーズも平らげた。ただ、やっぱり揚げ玉ねぎだけは今回も食べきれず……(悔しい……)。

美味しかったわ美味しかったわ、と店を出て、そのまま軒を連ねているゲームセンターにふらふら〜と立ち寄ったところ、500円分のメダルで2時間近くも遊べてしまい、ようやくメダルの手持ちがなくなった頃には満腹だったはずの胃袋に早くも隙間ができていた。
「……今なら、うどん、食べられそう。はなまる……」
「だーめ。やめとこう。やめときなさい。ね?」
幕張の駅の反対側にあるさぬきうどん屋チェーン、「はなまるうどん」に後ろ髪引かれつつ、のんびりと帰宅。戦利品は手と胃袋にたっぷりとあって、今日も充実した一日だった。充実したカロリーを消費すべく、明日はちょっと運動してこよう……。

5月23日 日曜日
まだ夏じゃないけど、夏野菜のカレー&サフランライス
だんな特製 豚肉キャベツのあんかけ焼きそば
アイスプーアル茶

「冷蔵庫に焼きそばがありますが。あと冷凍庫にも」
「焼きそばかぁ……ソース焼きそばは、なーんか違うんだよなぁ」
「塩焼きそばとか。キムチ屋の焼きそばもあるよ」
「うーんー……」
「醤油味でさっぱりと?」
「そうだねぇ。……そうだ!あんかけ焼きそばにしよう!」
「おおー、いーんじゃない?うん、いいよ」

朝御飯に何を喰うかについて、起きるなりそんな会話。朝飯にソース焼きそばはいかがなものか、というのが話の主旨だった。ソース焼きそばや醤油焼きそばはNGでも、あんかけ焼きそばならばOKらしい。判断基準がいまいち不明な、今朝の献立だった。

あんかけ焼きそばを提案してくれたのはだんな、我が家のあんかけ担当はだんな。ちなみに焼きそば担当もだんな。中華風なとろみつけ炒めはだんなの得意とするところで、いつも適当に醤油や片栗粉やスープを用意してチャチャチャッと作ってくれる。私はレシピを確認しながら作ることが多いので、「今日はこんな感じに醤油味〜」「今回はちょっと甘めでオイスターソース入り〜」と適当にそういうものを美味しく作れちゃうだんなはすごいなぁ、と思っていたりする。

具は薄切り豚肉とキャベツ。どっちも冷蔵庫に残っていたもので、「早く食べちゃわなきゃ〜」というものだった。食材は週に何回か数日分のまとめ買いをしているのだけれど、やる気がなくて外食にしてしまったり、突然魚介が食べたくなって魚を買ってきてしまったりして、肉の消費がいまいち思い通りにいかない今日この頃。これから暑くなる一方だし、あんまりまとめ買いはしないようにしよう。

今回のあんかけは醤油味ベース。ちょっと塩が強めに効かせてあって、軽く焦げ目をつけながら焼いた中華麺によく似合っていた。スープたっぷりめで強めにとろみをつけると、それっぽくて美味しい。

「不二家」のスイートロール
アイスカフェオレ

昨日はたらふくステーキなど食べてしまったので、今日は気張って運動に。だんなと私と、入れ違いに一人ずつジムに向かう。息子もジムに連れて行って一緒にわちゃわちゃ動ければ良いのだろうけれど、マシンジムやスタジオなどに入ることができるのはまだ10年近く先の話だ。その頃に、「へーい息子、一緒に行かないかーい?」と誘っても、たぶん一緒に来てくれないんだろうな。

今日参加してみたのは、私は初めての「BODYCOMBAT」。現在週に2度くらい参加しているBODYPUMPと同じく"BODY TRAINING SYSTEMS"なるシリーズのひとつで、格闘技的なエアロビクス。格闘技好きのだんながおおいにハマッていて、
「俺、もしかしたらボディパンプより好きかもしれないー」
と熱烈に愛しているプログラムだった。気にはなっていたのだけれど、平日昼の参加できる時間帯には開催されていなくて、「気になるけどなー、休みの日にしかいけないしなー」と思っていたのを、今回初めて挑戦。

エアロビクスは初めてじゃないし、けっこうやっているから大丈夫だろう……と思っていたら甘かった。
「はい、ジャブジャブ、フックフック、サイドキックは3つですよー」
なんてインストラクターの声に合わせてウネウネとパンチとキックを繰り返し、久しぶりに「プログラムが終了した後、呆然とする」という気分を味わった(同じ気分を味わったのはボディパンプに初めて参加したとき)。もう、グニャグニャ。ずーっとボクシングの基本ポーズみたいな構えを取り続けるので腕も、そしてずーっとボクシングの基本動作みたいに体重を左右の足に交互にかけ続けていたので足も、どちらもヨレヨレになった。た、楽しいけど、楽しかったけど、お花畑が10回以上脳裏に広がった。でも爽快だったのでまたやってみようかな。

運動後にケーキを喰らうというのは最悪な気がするけれど、焼きそば1皿で活動し続けていたのでジムから出るころにはもう空腹で倒れそうな状態に。家に帰ってきてから、昨日購入した「不二家」のロールケーキをごろりと厚切りにしてアイスカフェオレ傍らにもぎゅもぎゅと平らげた。完全なまでに私の理想を具現化したロールケーキ、というのとは微妙に違うのだけれど、でも不二家のロールケーキは値段、味共にかなりお気に入り。徒歩圏内で、予約や取り寄せなしに購入できるというのも、かなりツボ。しっかり甘く、卵の味がするカステラ生地で、甘さ控えめなホイップクリームがたっぷり「の」の字に巻かれていて、今日もしみじみ美味しかった。運動して基礎代謝がガンガンあがったら、一日一本ロールケーキ食べても太らないようになるかしら(それは無理だろう)。

タンドリーチキン
夏野菜のカレー
サフランライス
スティックきゅうりwithマヨネーズ
茹でとうもろこし
ビール(モルツ)

ちょっと前に買った鶏肉が昨夜、ちょっとヤバめな状態になっていた(鶏って、まず表面の水分がすごい匂いになっちゃうのよ)。捨てるには惜しい、「ちょっとヤバい」くらいの状態だったので流水で綺麗に洗って、キッチンペーパーで水分を丁寧にぬぐって、匂いをかいで、
「よーし!腐ってなーい!食べられます!」
と判断。それでも普通に塩焼きにして食べたりするのにはほんのり抵抗があったので、半日スパイスソースに漬けこんでタンドリーチキン風にすることにした。

以前購入した本に、『新宿中村屋シェフが教えるカリー・スパイス料理』があって、これがなかなか本格的な料理のレシピになっている。誌面がほんのりと古めかしい(写真の印象とか)風はあるのだけれど、これでもかと大量の本格インドカレーレシピとかカレーに似合う副菜、デザートまで載っていた。タンドリーチキンのソースもこの本に載っていたもの。

バットに粉末のスパイスをあれこれ用意。クミンとコリアンダー、ターメリックとチリパウダーと、そのほかにカレー粉や塩。別のボウルにヨーグルトとケチャップ、サラダ油とおろしにんにく、おろし生姜などを混ぜ合わせ、そのヨーグルトソースでパウダースパイスを練るようにしてペーストにする。それをコテコテと鶏肉にまぶしつけ、冷蔵庫で半日マリネ。あとは軽くそのソースをぬぐってからオーブンで焼き、レシピには「その後に揚げなさい」と書いてあった。揚げるのはちょっと面倒だったのでそのままオーブン焼きのまま火を通す。

せっかくタンドリーチキンを作ったのだからと、カレーも作ることに。ひき肉のカレー作って、ナンでも焼こうかなぁ……とも思ったのだけれど、野菜のカレーが無性に食べたくなり、サフランライスと合わせることにした。

大さじ3〜4ほどの油でシナモン、赤唐辛子、ローリエを軽く炒めてみじん切り玉ねぎをたっぷり加え、せっせせっせせっせっせと、これでもかと炒めてから刻んだ茄子を投入。ざっと合わせたらトマトと各種スパイス、水を加えて軽く煮込む。茄子がグジャグジャにならないように、トマトが煮崩れる程度に火を通したらできあがり。インドカレーは「煮込んでなんぼ」という手間と時間のかかるものもあるけれど、野菜や挽き肉、海老のカレーなんかはかなり早くできあがる。本格的な味になる割に、手軽に作れる。暑くなってくると、ますますこういう料理が美味しくなる。

野菜だけで作られたカレーを準備しつつ、別のフライパンでシナモン、カルダモン、赤唐辛子を炒めてサフランライスの準備。スパイスの香りがついた油をなじませるように米も加えて炒め、水を加えつつすり潰したサフランと併せて炊いていく。サフランは、どこかの旅行先で嘘みたいに安いものを買ってきたのだけど、ちゃんと雌しべの形がしっかりと残っていて(←サフランはアヤメ科のサフランという花の雌しべ、1輪から3本しか取れない貴重品)綺麗な色の出るものだったので一安心。甘い香りのサフランライスが炊きあがった。

黄色い御飯に黄色っぽいカレーで、やっぱり黄色な鶏肉を添えたものだから、色合いはイマイチだったけれど、今日の夕飯はとっても良い出来。トマトのの酸味と玉ねぎの甘さが程良く漂うカレーはスパイシーだけど辛すぎなくて、サフランライスにもよく似合っていた。ヨーグルトの優しい風味が感じられるタンドリーチキンも、思った以上に美味しくできた。中村屋さんのレシピさまさま。真夏になったら、もっとンガーッと辛いカレーも作ってみたいものだわ(そしてそんなの作ったら我が家じゃ誰も食べられないんだわ……)。