食欲魔人日記 04年09月 第1週
9月1日 水曜日
息子に超不評だった夕御飯……しくしくしく
海苔バタートースト
チーズウィンナ
ゆで卵
アイスカフェオレ
葡萄

「卵、まだあったよね」
「あるある。目玉焼きかな?それとも……ゆで卵?」
「うん、ゆで卵がいいかなー。……あ、ウィンナも残ってたじゃん」
「ああ、チーズ入りのね。あるある」

今日は珍しく、やる気に溢れた朝御飯。厚切り食パンをバタートーストにして焼き海苔1枚ぺらりと乗せ、テフロンフライパンの上でころころ転がしながら焼いたチーズ入りウィンナーも用意。6分茹でた茹で卵は、もっと黄身がとろりとするかと思ったけれど、「ちょっと黄身が柔らかめだけど」くらいの火の通り具合になった。あとは、アイスコーヒーと牛乳と葡萄を冷蔵庫から出して、適当にテーブルに並べる。

なんてことないけれど、ちょっと豪華な今朝の食卓。ゆで卵は、卵料理の中でも一二を争う手間のかからないものだけれど、食べるとちょっと幸せになる。食べるたびに、アメリカ国内を旅行してさんざん泊まりまくったモーテルの無料朝飯を思いだしちゃう。
ショボいモーテルの朝御飯は、ドーナツとホットコーヒーだけ。1泊50ドルクラスなら食パンにバターにジャム、シリアルやデニッシュやマフィンやジュース類、牛乳なんかも用意されていた。更に1泊70ドルを超えたりすると、ゆで卵や各種フルーツや"グレービー"と呼ばれるソーセージ入りシチューみたいなものなんかも朝食コーナーに用意されていたりして、そのゆで卵がものすっごく嬉しかったりした。蛋白質よ、蛋白質があるわ、なんて言いながら2個3個と食べてしまったりして。

最上納豆
玄米入り御飯
刻みきゅうりwithにんにくみそ
麦茶

今日は一日、お勉強。せっかくDTPソフトを持っているのに一向に使い方がわからなくてパソコン内の肥やしとなっていたので、
「じゃあ、たとえばこの日記をA5版の横書き原稿にしようとすると、どんな処理が必要なのかしらー」
と試しにいろいろいじくってみる。……はまる。
息子は目下夢中のXI[sai]を今日も1人でやっていて、着々とパズルモードをクリアしていたり。

ボリュームたっぷり朝御飯だったので、昼御飯にはさらさらっと納豆御飯。先日いただいた山形の「最上納豆」を1パック、しっかりと混ぜて粘らせて息子と2人で半分こ。経木にくるまれた納豆はたっぷりの分量で、スーパーのパックものをねばねばさせていて「うーん、なんか物足りなーい」と思うような事がなくて幸せ。大粒で匂いも強めで粘りも強めで、それもまた幸せ。

納豆と一緒にいただいたにんにくみそに、刻んだキュウリをなすりつけてポリポリポリポリ食べながら納豆御飯を各自どんぶり1杯かっこんだ。あまりの"強い"風味の納豆に、食後1時間は台所一体が納豆臭くなっちゃったりするのだけど、それもまた良し。でも納豆嫌いのだんながいるときには遠慮しとこう……。

豚ロース肉のステーキ マンゴーサルサ
かぼちゃとエリンギのバター焼き
コーンスープ(インスタント)
六穀飯
アイスティー

ここ1年ばかり毎号買っている隔月刊の料理雑誌『ELLE á table』。レシピもたくさん載っているけれどレシピ主体の雑誌という風ではなくて、どころか1ページ全面を使っての料理写真が並ぶ様は料理写真集かメニューカタログか何かのよう。ちょっとかっとんだレシピ(高級な食材を使っていたり、「スープ一品にそんなに手間かけられないよ〜」というものだったり)も載ってるので私にとってあまり実用性の高い内容とは言えないのだけれど、でも眺めているだけで幸せになる雑誌だ。先日9月号(8月頭発売)のレシピを整理していて、
「お、これ作ろうかな、作ってみようかな」
と思ったのが「豚ロース肉のステーキ マンゴーサルサ」という料理。できあがり料理写真とはちょっと(いや、かなり)違ったものになったけれど、なかなか色鮮やかな華やかな品ができあがった。

豚ロース肉は塩胡椒してスキレットでこんがりと。トマトとマンゴーは角切りにして(レシピではライムの果肉やミントの葉も混ぜて)、スイートチリソースとワインビネガーで和える。そのマンゴーのサルサ風ソースを皿に敷き、肉を上に乗せればできあがり。脇にはこんがり焼いて仕上げにバターを落としたエリンギとかぼちゃを添えた。あとは紙パック入りの粒入りコーンスープと、"六穀"(あわとかひえとかのミックス穀物)を混ぜて炊いた羽釜御飯。

スイートチリソースは生春巻のタレなどによく使われている、ナムプラーなどと並ぶ"お手軽エスニック調味料"のひとつ。ハチミツに似たねっとりとした甘さと唐辛子のピリッとした辛さのある味で、刻みキャベツや刻みにんじんを蒸し鶏と一緒にこのソースで和えたりすると簡単にそっち系の味のサラダができあがる。私は大好きなのだけれど、息子にはちょっとつらい調味料かも……と、本来大さじ3入れるべきところのそれを大さじ1くらいにしてみる。……が、やっぱり息子には辛かったらしい。

「おかーさーん……これ、この、マンゴーとトマト、すごくからいよ……」
「うーん……これね、このソースを混ぜたのよ。そういう料理だったの」
「……まちがえちゃった?入れるりょう、まちがえちゃったの?」
「間違えてない間違えてない、わざわざ少なくしたんだよ、本当はもっともっと辛いの」
「マンゴーもトマトもおいしくて好きなのに、なんでおいしくなくしちゃうのかなぁ……」
息子はとても悲しそうだった。ごめんねごめんねと必死で謝る私。ちょーっとならいいかな、と思ったけど、中辛のカレーを平気な顔して食べる息子もスイートチリソースは苦手らしかった。そっか、息子用にはマンゴーとトマトだけを合わせるくらいにしておけば良かったんだな。

私はちょっと物足りなくてスイートチリソースを追加がけして食べたのだけれど、その向かいに座る息子は
「お肉は……からくない。でもー、トマトとマンゴーはからいから、舌をお茶でひやすと……からくなくなる……これが、からいものをたべるウラわざ……」
なんてゴニョゴニョ呟きながら必死で「おいしくなくなっちゃったマンゴーとトマトのりょうり」と格闘していた。

あー、ごめんね息子。今日は生筋子を買ってきて自家製いくらを仕込んだから、それで許してね。明日は自家製いくらでいくら丼。それなら絶対辛くない。

9月2日 木曜日
いよいよ手作りイクラの季節が到来しました
海苔バタートースト
アイスカフェオレ

昨日、夕方6時を過ぎた頃に
「明日、お弁当作ってくれると嬉しいなぁ」
なんて連絡してきた我が夫。
えー、肉とか魚の余分なもの冷蔵庫に入ってないよ、お肉買って来られたら作ってあげるけど……と答えておいたら、夜の9時過ぎ、遅くまで営業しているスーパーに寄り道して弁当に似つかわしい肉を買ってきてくれた。薄切り牛肉と生姜焼き用の豚肉。見切り品の30%オフシールつき。見事だ。見事なチョイスだ。よくわかっていらっしゃる。

そういうわけで、息子の幼稚園再開も弁当開始もまだ来週の話だけれど、その予行練習のように久しぶりのお弁当作成。だんなの分1人前を作るのも、それに私と息子の分を加えて作るのも労力に大差ないので、親子3人分まとめて作っちゃうことにした。久しぶりの6時台の起床。

弁当を作る時は、たいてい前日の晩のうちに献立を決めておいて、野菜も肉も切ってまとめて「あとは煮るだけ」「あとは焼くだけ」な状態にしておくのが常。サラダやおひたしは前日のうちに作ってしまっておくことも多い。今日はなんの下準備もなく弁当を作り始めたのだけれど、なんとか30分で全員分の弁当をそれぞれの弁当箱に詰め終わることができた。効率よく、電子レンジとガスコンロを使いまくる。切ってそのまま食べられるきゅうりなんかも詰めてみたりして。

食卓の上に広げたわやくちゃな物体をあれこれ片づけながら、
「あ、だんな、朝御飯どうしよう。手が空いてたらなんか準備して?」
とだんなにお願い。きっと残った食パンで海苔バタートーストを作るのよこの人は……と思っていたら、本当に海苔バタートーストを準備していて、思わずニヤニヤしてしまう。バタートーストに焼き海苔1枚ぺろっと乗せただけのパンなのに、ほんとにだんなはこのトーストが好き。バターをけちらずたっぷり塗るのがポイントかしら。

おうちで弁当
 豚肉とピーマン・玉ねぎの生姜焼き
 枝豆と卵入りのポテトサラダ
 刻みきゅうりとプチトマト with にんにくみそ
 壺漬・魚の佃煮
 六穀飯
 麦茶

久しぶりに自分の弁当箱を見た息子は、やけに嬉しそうだった。
「わ!お弁当だ!ぼくのお弁当だ!……お弁当、どこで食べるの?」
「……どこで食べたいの?ベランダ?」
「うん!ベランダ!」
「……じょ、冗談だわよ……」
最近のお洒落なマンションの広〜いベランダならまだしも、我が家のベランダじゃ花こそあれこれ咲いてるけれど蜂来るし蚊も飛ぶし椅子なんて置くスペースないし駐輪場駐車場から丸見えだし、ちょっと無理め。おとなしく食卓で食べましょう。

息子はなぜか知らないけれどお弁当が大好き。「僕だけの○○」みたいなのがとにかく好きで、旅行先のホテルにエクストラベッドがあって、「これは君専用のベッドだ!」と言えば「わーい」とそこで喜んで寝てくれるし、「これは君専用のお子さまランチだ!」と言えば「わーい」と食べてくれるし、1〜2歳の保育園時代でも「これは君の給食だよ」と出されればお代わりしてまであれこれ食べていた模様。普段はちょっとイヤな顔をして食べるピーマンも葱類も、弁当に入れておけば文句も言わず食べるのだった。さすがにスイートチリソース味のものは詰めるまい、とは思うけれど(昨日の夕御飯からの教訓)。

来年の春から小学校だけれど、きっと給食もガツガツ食べるんだろうなぁ。私に似てもだんなに似ても、「クラスで余った牛乳を狙う子供」の因子は確実に継承されているはず。できれば「クラスで余ったマーガリンを狙ったあげく"直舐め"する」因子は持たないでいただきたい(私はしなかったよ、さすがに……)。
「わらっていいとも見ながら、たべよう」
と、息子が同じサイズの弁当箱を2つ抱えて居間にやってきたので、居間のちゃぶ台に麦茶のポットを置いて昼御飯。

昨日炊いた余りの六穀飯に魚のほぐし身の佃煮と壺漬を乗せ、おかずは生姜多めのこってり味の豚肉炒め。玉ねぎと赤と緑のピーマンもたっぷり入れた。生姜焼きにはポテトサラダよね、と適当に作ったポテトサラダは茹でた枝豆とゆで卵をほぐしたものを混ぜてちょっと彩りを綺麗にし、あとは刻んだきゅうりにちょいとにんにく味噌をなすりつけておいたもの。葡萄や梨も詰めてあげようかなと思ったけれど、それで各自の弁当箱は一杯になってしまったので、だんなの弁当箱には「ミルクチップ」(←「おしどりのミルクケーキ」の姉妹品。ガリガリじゃなくてサクサクパリパリの素敵な食感、練乳味)を2袋ほど添えておいてみた。

生姜焼きがかなり濃いめの味になったので、佃煮や壺漬などを添えなくても充分なくらいの味のバランスだった気がするけれど、お弁当らしいお弁当でなかなかの出来映えだった。息子も御飯粒ひとつ残さず完食。えらいえらい。

豆腐とレタスのサラダ 胡麻ドレッシング
ぶりの照り焼き・エリンギのソテー
自家製いくら丼
味噌汁(インスタント)
麦茶

「今日の夜は自家製いくらですよー。あと、ぶりの照り焼きですよぅ〜」
と出勤間際のだんなに伝えたところ、「帰りたい、ぜひ帰りたい……」と言いながら出勤して行ったのだけれど、やっぱり激ジョブで帰宅は遅いみたい。

「おとーさんの分は残して、でも、いーっぱい食べちゃおうね」
と、夕飯はいくら丼をどっさり食べた。いよいよ魚屋さんに「生筋子」が並ぶようになってきたのだけれど、昨日はちょっと安いのがあって1かたまり700円くらいのを買ってきたのだ。買ってくるいくらよりはずっと安く、美味しくできる。これから初冬にかけてのみのお楽しみ。

通常売られている「筋子」と同じく、薄皮にくるまれている生筋子。買ってきたら水に浸しつつ、その薄皮をツピーッツピーッと剥いていくちょっと面倒な作業からいくら作りは始まる。それほど1粒1粒はヤワなものじゃないけれどでもやっぱり力を入れれば潰れてしまうので、いかに綺麗に薄皮を取りつつ1粒1粒に分けていくかが難しいところ。あまりチンタラしていると筋子から水気が抜けたようになってしまって買ったときより縮んでしまうのだけれど、容器に移したそれにひたひたの醤油とか酒とかあるいはだし醤油か、場合によってはめんつゆなんか加えて一晩置けば、ちゃんとその水分を吸ってムチムチキラキラな大粒のいくらができあがる。

「めんつゆ使うと楽でいいわよー」
と教えてくれたのはお義母さんだけれど、それを聞いただんなは
「そうか、だから実家のいくらは時々鰹節臭かったのか……」
と苦笑いしていた。鰹節臭いいくらはちょっと悲しいので、今回は醤油と酒と少々の味醂で調味。

あとはぶりの切り身を照り焼きに。ぶりと一緒にエリンギも同じフライパンで焼き、醤油と味醂の照り焼きダレを一緒に絡めて盛りつけた。レタスとキュウリとトマトのサラダには豆腐をちょっと散らして、市販の胡麻ドレッシングで。味噌汁を作る余裕が今ひとつなかったので(もう息子が「腹減ったー腹減ったー」と独唱体勢になっていたので……)、インスタント味噌汁でごまかしてしまう。

「ほれ、この海苔散らしてさ、食べな」
と海苔を1枚ぺろりと息子に渡したところ、
「これね、これね、クシュクシュしないで、のりまきにして食べてもいーい?」
と、容器から大量の海苔を出して2つに切って短冊にし始め、20枚ほど積み上げたそれを1枚1枚、いくら御飯を巻いては口に入れ始めた。ああそうね、君は昔からいくらの海苔巻きが大好きだったわ……と思い出して、不器用そうに一人で海苔巻きの作成に励む息子を眺めながら私はいくら丼を。

大粒の、ほんのり優しい味がした自家製いくらは格別の味がした。炊きたて御飯に似合っちゃって、「やばい……美味しいわ……」と2膳半食べたのは秘密。

9月3日 金曜日
ちょっと不思議な色合いの、クリームカレー
いくら御飯
味噌汁(インスタント)
麦茶

「今日はなにを食べたの?」
日付も変わろうという頃に帰ってきた昨夜のだんなは、眠くても疲れていてもそんな事を私に聞いてくる。いつもの事なので、
「んっとー。そう、いくら御飯。あと、ブリテリ」
と私も答える。

で、大抵のメニューに対して
「あー、いいな、その夕飯いいな」
と呟く夫だった。昨夜は布団に入ってからも
「まだいくら、あるんだよね?じゃあ朝に食べていこうかな、いくら御飯……」
なんて呟いていた。

で、そういうだんなにお付き合いして、今日は私も朝からいくら御飯。冷凍しておいた御飯をチンして茶碗に盛り、味噌汁は適当にインスタントで。朝にも御飯を食べるとわかっていたら昨夜のうちにたっぷり味噌汁を作っておいたのだけれど、なかなかそういう予測はできないので難しいのだ。翌朝に持ち越さない分量の味噌汁を私と息子の分だけ作るのはちょっと面倒だし、かといって半端に残っていても困っちゃうし。昨夜は味噌汁、作っておくべきだったなーあぶらげ残ってたしなー。反省。

ちょっと酒の分量が多かったのか、塩気少な目の優しい味になった自家製いくらは今朝も美味しかった。息子の真似っこをして短冊に切った海苔をどっさり用意して御飯といくらを巻きながら食べる。

ミニサイズカップ麺(ワンタン麺・緑のたぬき)
麦茶

いよいよ今日が夏休み最後の平日。まだまだ暑くて季節は夏!という感じではあるのだけれど、毎週金曜恒例の音楽教室に行く以外には特に外出もせず、静かな最後の平日を過ごす。この夏に下の前歯が2本抜け、上の前歯も1本抜けた息子は、とどめとばかりに上のもう1本の前歯が先日からグラングランしている。いよいよ今日は根元から揺らぐようになって、かなり不安定になっていた。

「うわちゃー……これは抜けるね。もう今日には抜けるんじゃない?お昼、サンドイッチにしようかと思ったけど、こりゃ無理だねぇ……そんなもの噛めないよね」
コーンフレークの朝食を済ませた息子の口を覗きこみ、こりゃ固くても奥歯で砕くだけで食べられるものか、でなきゃものすごく軟らかいものかどちらかしかあげられないなぁと判断。うどんも太くてモチモチしているからつらかろうし。

「ぐらぐらー、ぐらぐらー♪」
おどると歯がぬけそうな気がするよ、とか言いながら部屋の中をくねくねと蠢いていた息子は、
「おひるごはんならー、おひるごはんならね、あれなら、だいじょうぶと思うよ」
と、台所の棚の上に乗せておいた手のひらサイズのカップ麺を指さした。あまりにも「赤いきつね」が好きな息子のために、「このサイズなら、まぁおやつにでもなるか」と買ってきた「赤いきつね他、ミニサイズカップ麺4個セット」は、つい最近その棚の上に置かれたもの。買ってまだ1週間も経ってないのに早速出番が来てしまった。

まぁ、いいんじゃない?やっぱり君は赤いきつねがいいのかな?……と手のひらサイズのカップ麺をずらりと並べてみると、
「ぼくねぼくね、これが食べてみたいな」
とワンタン麺を手に取った。なんでも赤いきつねは、「もっとあとのために」取っておくのだそうで。で、私は緑のたぬき。小さな小さなカップ麺を、息子と半分こして食べた。久しぶりに食べる「緑のきつね」はなんだかめちゃくちゃ美味しくて、気恥ずかしくなっちゃったりして。このなんとも言えないインスタントのだしの味とか、一応褐色になっている日本蕎麦っぽい外見の麺とか、おせんべみたいなかき揚げとか、いちいち妙に美味しいのよね。ジャンクだけれど。

食べている間に、息子の前歯はポロッと取れた。おお、見事な"前歯無し"の、お間抜け面に……。これから1年ばかり、「常にどこかの歯がグラグラ」というめちゃめちゃ不快な時期を過ごさなければならないのね、息子。

きのこと牛肉のクリームカレー
ミックスサラダ
野菜たっぷりスープ
ビール・麦茶

「マダムボンボニエール」のマロンロールケーキ
アイスカフェオレ

ここ3日ばかり、最寄り駅の駅ビル商店街では「商店街オープン1周年記念セール」を実施中。それほど興味を惹かれるセール内容ではなかったのでわざわざ行くことはしていなかったのだけれど、今日はピアノ教室帰りにふらりと立ち寄ってみた。午後5時過ぎて、タイムセールの真っ最中で、すごい人。1kg500円の巨峰なんかが飛ぶように売れていた。

「お、お、お、マロンロールケーキ、500円だってよー」
と、このあたりではけっこう人気のケーキ屋さん、「マダムボンボニエール」のロールケーキを1本買い、あとは八百屋さんで1パック9円の貝割れ大根とか、1袋65円のエリンギなんかを買ってみる。最近息子は「ブナピー」のCMにご執心で、
「これもブナピーのおともだち?」
と、きのこ全般に興味津々の様子。これ、CMでお隣で踊ってるやつだよ、エリンギ。こっちはマイタケ。このシメジはブナピーの白くないやつだよ、なんて説明しながら、安売りきのこを3パック買ってきた。ブナピーは残念ながら見つからず。

で、それを使って、ケンタロウさんのレシピで気になっていた「クリームカレー」を作ってみる。オリーブ油でにんにく炒めて、そこに牛肉加えて炒めて、きのこも加えて炒めて、塩胡椒してカレー粉を大さじ1くらい投入。あとは生クリームをだばだばだばーっと1パックくらい加えて煮込みすぎない程度に火を通せばできあがり。デジカメの色設定を誤ってしまったときのような、ちょっと不思議な色合いのカレーができあがった。普通に炊いた御飯には市販品のフライドガーリックをぱらぱらっとかけて。

あとは、「なかなか帰ってこられないだんなはきっと野菜不足に相違ない」ということで、これでもかと野菜を入れたスープと、あれこれ生野菜を合わせたサラダを。スープに使ったのは玉ねぎとピーマンとパプリカとにんじんとじゃがいもとかぼちゃとコーンと枝豆、そしてベーコン。コンソメでことこと煮込んで塩胡椒しただけの簡単スープだけれど、5mm角くらいに大きさを揃えて切った野菜がモザイク模様でいい感じ。サラダにはレタスと貝割れ大根と玉ねぎ、にんじんとピーマンを合わせてみた。昨日のお弁当に作った残りのポテトサラダも盛りつけてみたり。それらの準備が終わりかけたところで、だんなも今日は帰ってきた。

初めて作ったクリームカレーはなかなか美味。大人っぽい風味のカレー粉を使ったのでそこそこ辛さもあり、でも生クリームが入ってとても穏やかな味。いつもの外見と全く違ったカレーに
「これ、カレーじゃないよ……」
と、「カレーじゃない」を連呼していた息子も、「あ、やっぱりカレーだ……」と言いながら、もりもりと。"おとーさんと一緒の御飯"がやっぱり嬉しくてしょうがないのか一生懸命いろんな事を話し続けていて、「いーから食べろ、ちゃんと。おしゃべりする以外の口も動かして!」と叱られながら、サラダもスープもカレーも完食。とにかくきのこがどっさりと入ったカレーだった。

食後にはシフォンケーキの生地で甘さ控えめの生クリームを巻き、栗の甘露煮も詰めたロールケーキを。
すっかり食卓は秋っぽいのに気候はまだ夏で(まだ昼間のクーラーが消せない……)、なんだか変な感じ。

9月4日 土曜日
真っ黒だけれど優しい味のカレー。大好き。
食パンでフレンチトースト with はちみつ
野菜たっぷりスープ(昨夜の残り)
アイスカフェオレ

食パンの余りが、あと2枚。
「ぼくはー、コーンフレーク食べるのよ」
と言っている息子にはコーンフレークを出してやり、その残って固くなったパンはフレンチトーストにして食べちゃうことにした。だんなと私で1枚ずつ。

材料は、卵と牛乳、少しの砂糖。小麦粉を入れたりシナモンパウダーを入れたりするレシピもあるみたいだけれど、私は小麦粉は入れないで作っている。2人分くらいなら溶き卵1個に適当に牛乳をだばだばだーと入れ(パンの全量にしっかり染みこませることができて、でも残りはしない分量を適当に見極める)、砂糖は小さじ1杯ほど。よーくかき混ぜてから適当に切ったパンをしっかり浸して、あとはバターを引いたフライパンで焼いていく。ほのかに甘みをつけて焼いたフレンチトーストにカリカリベーコンを添えるのも美味しいけれど、今日は甘さ控えめで焼いたものにはちみつをかけて。

だんながアメリカでの留学時にお世話になった先生は大学教授だけれども副業で養蜂業なんかもやっていて、滞在中に何度かいただいた瓶入りはちみつは大事に大事に使ってきていた。先生の家の周囲に咲く花が原料のさほど癖のない優しい素朴な味のはちみつで、何にでもよく似合う。大事に使って1ポンドの瓶がなくなったところだったのだけれど、頻繁に来日する先生は今もちょくちょくはちみつをお土産に持ってきてくれるのだった。可愛い蜂のイラストのついたはちみつ瓶を開けるたびに、「あー、楽しかったなぁ、本当に」なんて思い出す。

稲毛 「高円寺ナイルカレー」にて
 えびカレー \880
 ゆで卵トッピング \100

本日、だんなはスポーツジムへ。私は私で仕事の依頼がドヒャーッとメールで届いたのでポチポチと作業してみたりしていた。息子の夏休み最後の週末だけれど、おとなしく。

「今、ジムの風呂から出たところだけどー。……ナイルカレー行かない?」
「行く行く、カレー食べる」
カレーみたいな味のものは昨日の夜にも食べた気がするけれど、ナイルカレーは話が別。いそいそと着替えて、息子と一緒にカレー屋さんに向かい、お店でだんなと合流した。

「高円寺ナイルカレー」という名前なのに千葉にあるカレー屋さんは、こぢんまりとした居心地の良いお店。30代半ばと思われるご夫婦がやっているお店で、店主のおじさんが高円寺に開いていたカレー屋さんの味を継承したお店なのだとか。駅からはちょっと距離があるけれど、案外と遠くからこの味を求めてくるお客さんもいるらしい。地元客にもしっかり愛されている様子。大混雑ということもないけれど、お客が他に全然いないということもないお店は、今日も席がぽつぽつと埋まっていた。

だんなはハンバーグカレー(880円)の大盛り(150円)、息子はお子様カレー(500円)、私は「えびカレー」にゆで卵をトッピングして。カレーのベースは全て同じ、黒々としたサラサラの食感のカレー。間違いなくカレーの味はするけれど辛さもスパイシーな感じもなく、野菜や果物の味がじわっと漂ってくるかなり独特な風味のカレーで、スタンダードな「ポークカレー」をはじめとして、ハンバーグカレーやカツカレー、カレースパゲティ(ポークカレーをスパゲティにかける)やオムライス(中身はチキンライスかエビめし、トッピングにケチャップかカレーソースかを選べる)などが揃っている。子供メニューがあるといいなぁとずっと思っていたのだけれど、数ヶ月前に「お子様カレー」もメニューに加わった。サラダとオレンジジュース(か牛乳)がついて、顔つきゆで卵のトッピングつきのミニサイズカレーが500円。

えびカレーを注文したのは、もしかしたらこれが初めてだったかもしれない。細かく切られた海老がコロコロと入り、他のカレーには入っていない、薄切り玉ねぎを炒めたものもどっさりと。やっぱり「肉!」って感じのカレーの方が私の好みではあるのだけれど、プリプリの海老とシャキシャキの玉ねぎが入るカレーもしっかりと美味しかった。今日座ったカウンター席からは厨房が暖簾の向こうにちらちらと見えるのだけれど、GパンTシャツ姿のご主人がきびきびといかにも清潔そうな調理台を前に動いているのがよく見えた。うーん、相変わらず素敵なお店。

枝豆
ほうれん草のサラダ
さんまの塩焼き 大根おろし
豚汁
羽釜御飯
ビール(味わい秋生・サントリー)

「今日はー、豚汁どうだろ。あとさ、さんまが安かったら買ってさ……」
なんて言いながらスーパーに買い物しに行ったら、ほんとにさんまが安かった。1尾80円くらい。しかもブリブリと太っていていかにも美味しそう。しかも、嬉しいことに大根や豚バラ肉も安かった。これで今日の夕飯は豚汁&さんまに決定〜♪

深鍋にちゃんと油を引いてちゃんとカンカンに熱して、肉が焦げつかないようにしてから豚バラ肉を炒めていく。ささがきごぼうと銀杏切りにした大根やにんじんも加えてしっかり炒め、それから煮込む。蓋して30分くらい弱火で煮込んでから味噌を溶き、余裕があれば一度冷ましてくと良い感じ。手持ちの田舎味噌を使い切ってしまったので仙台味噌をちょっと混ぜたのだけれど、それが風味を複雑にしてくれた。ヒラヒラと浮かぶ薄切りの豚肉がいかにも美味しそう。

さんまは塩焼きにして大根おろしとお醤油で。野菜が足りないかなとほうれん草のサラダも用意した。ざく切りにしたほうれん草を用意して、ベーコンをカリカリになるまで炒める。炒めたところに醤油と酢と砂糖を落としてあったかいドレッシングにし、それをほうれん草の上からかける。サラダ用のやわやわとしたほうれん草を使ったら、ドレッシングの熱でおひたしみたいになってしまった。このサラダにはもっと頑丈な、ごわっとしたほうれん草を使った方が良かったかもしれない。

かくして、秋っぽーい風情の夕御飯。脂の乗りまくったさんまは、焼いている間も脂がバチバチと弾け、滴りまくっていた。焼き魚はどれも大抵美味しいけれど、旬のさんまの味はやっぱり格別。息子も元気に半尾分の身を食べたけれど、
「もうね、おみそしる食べるから、お魚はいらないやー」
と言って残した半身をだんなと奪い合うようにして食べた。一度に一人で2尾くらい食べてしまいたいくらいだけれど、それはさすがに、はしたないかしらと1尾で我慢している焼きさんま。今年は(今年も?)安いみたいだし、そのうち一気に2尾食べる悦びを享受してみようかしらん。

9月5日 日曜日
今日の焼き肉のシメはクッパ
ねぎとろいくら丼
2日目の豚汁
麦茶

起きると、だんなが鍋の前に立っている。大鍋の中にはうどんが茹でられていて、その脇の中華鍋でだんなは挽き肉を炒めている様子。
「あれあれ?今日の朝は豚汁食べて、ねぎとろいくら丼を食べようねって、言ってなかったっけ?」
寝ぼけながらそう言う私に、だんなはちょっと怒った口調で
「だっておゆきさん、今から米炊いたら間に合わないよ。ジム行くんでしょ?ちゃっちゃと食べてちゃっちゃと行かなきゃ!」
と、肉味噌がけうどんを食卓に並べるのだった……というところで、目が覚めた。10時を軽く過ぎている。

「だんなったら、酷いんだよ。昨日せっかくまぐろのたたきを買ってきたのにさー、うどん茹でてるんだよ、夢で」
だから、夢の俺の行動を怒るなよ、まったくもー……と言いつつ、
「でも、それ正夢になっちゃうかもよ?急がなきゃ」
と、だんなはせかせかと羽釜に米を入れ水を注ぎ、数分だけ吸水させてから火にかける。今日の朝はねぎとろいくら丼。絶対絶対ねぎとろいくら丼なのだ。豚汁もあることだし。

昨日のスーパーの魚売り場肉売り場の品はそれぞれ案外とお安くて、
「お、お、まぐろのたたきだ……美味しそう」
「……自家製いくらもあるしさ、これで丼にできるよ」
「……でも、今日の夜はさんまでしょ?」
「じゃあ、翌朝にでも」
なんて言いながら買ってきた小さなまぐろのたたきのパック。炊きたてほこほこの御飯の上にそれを乗せ、自家製いくらもこんもり乗せ、醤油をピャーッとかけてかっこんだ。味噌がいーい感じになじんだ2日目の豚汁には薄切りにした長ねぎをパッと散らして。

起きるなりそんなボリュームのある食事をしているのもどうかと思うけれど、時刻はすっかり11時を過ぎている。ああ、ちょっとお腹が落ち着いたら準備してジムに行かなくちゃだわ。今日は久しぶりのボディコンバット

稲毛 「牛角」にて
 白菜キムチ \390
 やみつき塩キャベツ \290
 お子様焼き肉セット \580
 ファミリーセット \2380
 (牛タン塩・中落ちカルビ・さがり・豚カルビ・サンチュ)
 てりマヨチャック(無料)
 にんにくピートロ(無料)
 炙りベーコン \390
 チャックたれ \450
 にんにくホイル焼き \390
 ねぎみじん \60
 ごはん小 \170
 牛角クッパ \630
 ビビンバ \690
 牛角アイス \180
 白玉きなこアイス \180
 マンゴーライチシャーベット \180
 生ビール 3×\490
 シークワーサーサワー \390
 マンゴージュース \290
今日も皆でよく食べた食べた……

定期的にスポーツジムに行くのはものすごく良いことだと思うけれど、行った後に何もできなくなっちゃうくらいヘロヘロになるのはいかんと思う。「つかれちゃって、夕飯の準備ができないにゃー」とかほざいた挙げ句、焼き肉屋に行ったりするのは更にいけないと思う。でも、他のプログラムならまだしも、ボディコンバットという種目は60分間アッパーアッパージャブジャブ、膝蹴り前蹴り後ろ蹴り、てな感じでひたすらパンチだキックだを繰り返すもので、ものっすごく消耗しちゃうのだった。ある程度力を抜いてしまって、ぬるいパンチで凌げばそんなにも疲れないのだけれど、やるからには「目の前のラオウを倒す勢いで!」と力を込めて、顔をケンシロウにしてがんばっちゃうのだった。で、今日もヘロンヘロン。

「……で、夕飯はどうしますか?」
と、真っ赤な顔をして帰ってきた私に、だんなは続けて「やきにく?」なんて言っている。「で、どうするの?やきにく?」なんて、何度も"焼き肉"の単語を連呼されていたら、私もあっさり、
「うん。やきにく」
の気分になってしまった。息子も脇で、「ぼくはねー、ぼくはねー、おこさまやきにくセットー」と注文内容まで決めてるし。

開店早々、まだ5時を過ぎたばかりの頃、今日は昼前に御飯食べただけだしね、と空腹抱えて近所の牛角へ。今日も1品サービスクーポンだファックスサービスだと2品ばかりが無料になる算段で、
「あとさ、これも使っちゃうおう。会員カードに溜まったポイント、5000円分くらいあるから」
と、割引アイテムごっそり抱えてお店に向かう。そんなに、すーっごく美味しいってわけでもないのだけれど、近所にある同じくらいの味のレベルの焼き肉屋さんの中ではここが一番安く済んでしまうし、「美味しいけど、ちょっと高いのよねー」というところよりも、ついついこちらに足を向けてしまう。季節ごとに出てくるイロモノ的メニューも密かに楽しみだったりして。

今日は、2000円ちょっとの「ファミリーセット」なるものを注文してみる。タン塩やカルビ、豚肉や"さがり"(肝臓や肺を包んでいる横隔膜のこと。ハラミに似ている)がセットになって、サンチュつき。多分、ほんのり安くなっているのだと思う。

「おおっ、こういうメニューが来るとさ、焼き肉らしい焼き肉を食べている気分になるよね」
とか言いながら、焼いているのは「てりマヨチャック」というこの上ないイロモノメニューだったりして。コテコテジャンクな味の照り焼きダレに絡められた牛肉をこんがり炙ったら、小皿に盛られたマヨネーズをなすりつけて食べるというメニュー。あとは、薄切りにんにくがついてきて、肉と一緒ににんにくも炙って食べるようになっているピートロとか、ごろっと大きな角切りベーコンとか。今日もよく食べた。

毎回毎回頼んでしまうので「今日くらいは別にしよう」と、今日は冷麺でなくクッパを。でも、「牛角アイス」は今日も注文してしまった。バニラアイスにきなこと黒蜜がかけられて、味は限りなく「信玄餅」。なんてことない品なのだけれど、これが私は妙に気に入っていて、ついつい毎回これを注文してしまうのだった。息子は食事中にマンゴージュースを注文し、デザートにはマンゴーシャーベットを注文し、何やら御満悦。

子供も食べられるメニューがそこそこあるし、デザート前に七輪を下げた時に冷たいおしぼりとお茶が出てきたりするのが案外と心地よくて、シメのデザートは1品180円のが中心で懐もあんまし痛まず、今日も「うーまかった、うーまかった♪安かったしー」と店を後に。

明日はいよいよ息子の幼稚園の登園日。幼稚園からの宿題は、「夏休みの約束を決めて、守れた日はカレンダーに色を塗りましょう」という厚紙に印刷されたカレンダーだけ。でも、「これ、やってみるー」と自分でやりたがって始めていた100円ショップのワークブックは「ひらがなだいすき」「カタカナだいすき」「とけいのよみかた」と、いつのまにか5冊くらいを最後までやり遂げ、たどたどしいながらも平仮名や片仮名が書けるようになっていた(なんか、「お母さんは仕事をするよ」という時に、「じゃあぼくはしゅくだいをするよ」と横で一緒に……)。
いーっぱい遊んだし、いーっぱい色々できるようになった今年の夏だったなぁ。映画デビューもしたし。