食欲魔人日記 05年06月 第1週
6月1日 水曜日
コーン入れちゃえ、チーズも入れちゃえ
「明治屋」のオニオンロール
ヨーグルト with はちみつ
カフェオレ
ほんの15分くらいしか寄れなかったけれど、昨日の広尾明治屋ストアのお買い物はたいそう楽しかった。「紀伊国屋」と並んで、高級食材店の感がある明治屋、広尾という立地もあっていかにもおハイソな感じのお客さんがお買い物している。みれば、びわ8個くらいのパックが850円だし、アメリカンチェリー1パックは900円だし、とてもじゃないけど手が出ない(我が町の物価の2倍以上……)。でも、ターキーは普通に売ってるし、我が家近辺じゃまず見かけない「羊のもも肉の塊」なんてのもあって、そのへんはすごーく羨ましい品揃えだ。

手が出ないなりに気になるものはあるわけで、
「……このぐらいは、予算的に許されるかなぁ……」
と朝御飯用のオニオンロール(1個200円)を買い、息子にはチョコチップ入りメロンパン(180円……だったかな)を買い、イベリコ豚の生ハムを試食してでも買わず(100g2400円ですって!ぎゃぼー!)、スペインのオリーブを試食してそれは購入し、それで時間切れになって帰ってきたのだった。調味料とかじっくり眺めたかったけれど、それはまた次回ということで。
酸味の少ない自然な味のオリーブはたいそう美味しかった。まだ数粒しか食べてないけれど、料理に使うのはちょっともったいないような感じで、さてどうしましょう。

で、朝御飯にオニオンロール。オニオンたっぷり、チーズもトッピングされたしっとりした具沢山のパンをオーブンで温め、その間にだんなにコーヒーを淹れてもらった。あとは砂糖かけたり蜂蜜かけたり先日作った苺のコンポート乗せたりと、思いのままに味をつけたヨーグルトも。
値段に相応しいリッチな味のオニオンロールだったけれど、息子のメロンパンもやたらと巨大だった。
「のこりは、おやつ……」
と、息子、2/3ほどを食べたところで登校。

いかなごのくぎ煮入りおにぎり
麦茶
今日は一日、これ以上なく真剣にお仕事。月初めということもあってどどどーんと依頼が来ていて、あれやったりこれやったりと大変な勢いでお仕事お仕事。朝8時にだんなを送り出してからパソコンに向かい、最低限の家事(=洗濯)以外は生命維持活動だけやり続けて夕方6時半頃まで。10時間くらい作業していて、ちょっと気持ち悪くなった。腰も痛くなった。

昼御飯もそんな調子だったので、
「あー、何か食べなきゃ頭働かないけど、でも何を食べたらいいやらなー……」
と、洗面所に立つときにレンジに冷凍御飯を放り込んでおき、洗面所から帰ってきた足で洗濯物を乾燥機から取り込み、その後にレンジから御飯を救出。
「……にぎりめし……にすれば、すぐ食べられる……」
手をざっと濡らして塩を手のひらにつけ、茶碗1杯分くらいの御飯をわしっと掴んで具は「……くぎ煮、はっけーん……」とぎゅうぎゅうと"いかなごのくぎ煮"をたっぷりと詰めて。モニター見て考え事しながら巨大な握り飯と麦茶の昼御飯という、非常に渋いことになってしまった。

くぎ煮は、本場に住むお友だちが以前送ってくれたもの。いただいた当初は怒濤の勢いで消費していたのだけれど、残り少なくなってくるともったいなくなってしまって、ちびーりちびりと少しずつつついている。半年くらいは余裕で保存できるそうだけれど、早めに食べるにこしたことはないし、でもなくなっちゃうのは悲しいし……とジレンマ抱えつつ、今日はたっぷりのくぎ煮を堪能。生姜がしっかり効いていて濃いめのこっくりした味で、おにぎりにしてもそれはそれは美味しかった。

豚薄切り肉のほんのりお子さまカレー
サイダー
洗濯以外の家事を一切しなかった本日。夕方も遅くまであれこれやっていたので、ラーメンかカレーかそれともピザかという気持ちが盛り上がる。ラーメンは数日前に食べたし、ピザという気分でもないし、じゃあお気に入りのカレー屋さんでテイクアウトのルーを買ってきて、家であっためて食べるか……と思ったのだけれど、本日水曜日は定休日。いっそ自分で作ればいいかと、手持ちの薄切り豚肉使って30分ほどで簡単にカレーを作ってしまった。

玉ねぎとにんじん炒めて、新じゃがは半分に切っただけの大きな状態にして加え、十数分煮込む。野菜が火が通ったところで薄切り肉をピラピラと広げながら煮立ったスープに入れ、肉に火が通ったところでルーを溶かす。ちょっとコクが足りない気がしたので、最後にバターをひとかけ落として、30分で作ったカレーのできあがり。豚バラ肉を大量の玉ねぎと一緒に何時間もかけて脂をすくいつつコトコト煮込んだようなカレーに比べるとさすがに馴染んでいない味だったけれど、それでもちゃんとカレーになったので私としてはとても満足。息子も
「わ!カレー?カレーだね、ぼくも、なにかするよー」
とにんじん切ったりルーを投入したりと色々やってくれた。

「カレーならー、コーンとチーズも、よういしなきゃね?」
すっかり"ココイチ"に感化されているらしい息子、「カレーにはコーンとチーズのトッピングが必須だ」と思うようになってしまったらしい。スープやサラダを用意する余裕もなかったので、せめてもとリクエストどおりにコーンとチーズを用意してやった。シュレッドチーズが手元になかったので、とろけるチーズをせっせとハサミで切ってみたりして。

「いっぱいいれちゃうよー」
「おう、いっぱいいれちゃえ」
息子と2人の夕御飯、下品なほどにコーンとチーズを散らせて、ほんのり子供っぽい味になったカレーを楽しんだ。このカレーならこういうの飲みたいよねぇと、傍らにソーダ水。中辛のルーを使ったのだけれど心なしか辛さがいつもよりやわらかくて、全体的にとても子供っぽーい味のカレーだった。
とろけたチーズ入りのカレー、美味しいねぇ……と言ったところで、自分はチーズにちょっと飽きていたんじゃないかと気がついた。全然飽きてないじゃんか、自分……。

6月2日 木曜日
初めて「ブッラータ」というチーズを食べました。うーまー。
カレー
パン・ド・カンパーニュのバタートースト
アールグレイアイスティー
昨夜作ったカレー、だんなが一口も食べられないのはちと可哀想だわということで、朝にも少し食べることにした。「カレーライス」にするとちょっと重い(というか食べ過ぎちゃう)ので、ボウルに少しだけカレーをよそって、バター乗せて焼いた薄切りカンパーニュを添えるだけに。カレーにはとろけるチーズもぺろんと乗せた。

あれこれ色々使って、今回のカレーで使い切った新じゃがいもは本当に美味しかった。谷津のかわいい商店街で買ってきたじゃがいもだったけれど、料理するのが楽しかったなぁ……。

表参道 「LA GROTTA Emme」にて
 前菜盛り合わせ
 からすみとブロッコリーのオイルベースパスタ
 骨付きポークロースのロースト
 パン
 くるみとキャラメルのセミフレッド
 エスプレッソ
今日はTさんのところにお出かけ。ついにブログを始められるということで、画像加工の方法とかファイルの転送方法とか、あれやこれやをマンツーマンでお教えしましょう〜と、今日は私が「先生」だ。10時頃にお邪魔して、昼までみっちり特訓した。

「せめてお昼御飯は美味しいものを御馳走しますよー」
と言っていただいて、この店とこの店と……どこに行ってみたいでしょうかねぇ?……という話になり、ではここがいいです!ということになったのは、Tさんが先日ディナーに出かけて「バルツバイン豚」を召し上がってむちゃむちゃ美味しかったのだという「LA GROTTA Emme」(ラ グロッタ エンメ。……本当は「LA GRÒTTA Émme」が正しいらしい)というお店。「ラ・ポルト青山」というビル内に入っているのだけれど、ここには「ピエール・エルメ」というおハイソな洋菓子屋さんがあるし、近々アラン・デュカスがビストロ出店することにもなっているという何かと勢いのある建物なのであるそうだ。

お店は地階の奥まったところにあり、とても静か。平日のランチタイム、お客さんもあまりおらずにゆったりお食事を楽しめた。御馳走さまでしたー。

いただいたお料理は、前菜6種の盛り合わせと、小さなパスタ、骨付きポークロースのロースト料理、エスプレッソとドルチェ。前菜の後、特別に「Burrata(ブッラータ)」というチーズも出していただいた。豚肉は200gクラスのがばばーんと出てきて、食べ終わる頃には大変に満腹。美味しかったー。

前菜の盛り合わせは、お米のサラダ・カポナータ・レバーペーストのクロスティーニ・お豆と鶏肉のマリネ・フリッタータ・そして淡いオレンジ色の謎の一品。どれもしっかり手がこんでいて、見た目も美しい。謎の一品は、丸っこい物体がトマトとクリームのソースで和えられたものだったのだけれど、魚とも肉ともつかない不思議な味。もちもちしていて歯応えもあり、ソースが絡んでいて物体の形もよくわからず、一口でがぶっと食べて
「……美味しいけど、これ、なんだろ?」
というような。聞いてみたところ、リコッタチーズ詰めのトルテリーニ(ラビオリのように中に具を詰めたパスタ。ころんと丸い)なのだそうだ。一度茹でたのを冷やしてあるので、プルプルモニュモニュと不思議な食感になっていて、チーズとは全然わからなかった。クセもなかったし。

この謎料理についてお店の方とあれこれ話していて、
「このお店には、ブッラータがあります」
という話に。ブッラータ、食べたことないんです、もし食べられるなら追加で一品いただきたいわ……という事になって、テーブルにこれまた不思議なチーズ料理がやってきた。「ブッラータ」が何だかわからない私は、ぽんぽんと会話が弾んでいたお店の方とTさんを「すげぇ……」と眺めていただけ。やってきたのは、カプレーゼに仕立てた、その「ブッラータ」というチーズだった。

えーと、なんでも、モッツァレラを袋状にして、中に生クリームを詰めたチーズなのだとか。中にクリームが詰まっているからモッツァレラより柔らかいのかと思いきや、逆にチーズの部分はモッツァレラよりは固め。そのクリームのところまでナイフを入れてぺろんと花のように開き、トマトとバジル、バジルのソースとオリーブ油と塩胡椒が添えられている。中からはクリームが溢れ出していてオイルと混ざり、なんだかデザートの皿のような方向の美しさだった。

そのチーズは確かにモッツァレラよりは少し固く、でもあの層になってピーッと裂けるように切れる感じはモッツァレラとほぼ同じ。ミルク臭さが濃厚なチーズだった。お店ではこんな風に前菜にしたり、パスタの詰め物に使ったりしているらしい。最近になって日本に輸入されるようになった、日本ではまだまだ新しいチーズなのだそうだ。

小さなパスタは、私はカラスミがけのオイルベースのもの、Tさんはカポナータのようなトマトベースのもの。乾麺60gくらいの分量のかわいらしいサイズで、とてもあっさりした味。……で、それを覆すようなボリュームある肉の皿がばばーんと。
たっぷりボリュームの骨つき肉は、皮と脂の部分を時間をかけてこーんがり焼いたスティック状のものも添えられている。豚のスープで炊いたようなこってり味の御飯と、肉に好みでつけていただくハーブ塩のようなものも盛りつけられ、でも皿の7割を占めるのは大きな豚肉。幸せだった。

本店(?)の「LA GROTTA」はもともと炭火焼きで定評があるそうなのだけれど、添えられた"脂スティック"なんか実に甘くて美味しくて、
「……子供の頃は、豚の脂って大嫌いだったんですけどね……給食のが、とにかくひどい味で」
「あ、やっぱりせりあさんも?私もね、ダメだったんです」
大人になって豚の脂って美味しいんだなーって目覚めたんですよね、何もコレステロールを気にするお年頃になって豚の脂に目覚めなくてもいいのにね、なんて話をしながら、「でもこの脂スティック、5本はいけるな」と思っていた私。

ドルチェにはとろんと甘くほろ苦いキャラメルソースを添えた、くるみとキャラメルのセミフレッド。苺とミントが添えられて先ほどの肉とはうってかわって乙女チックな盛りつけだった。

夜には5000円で「メニューからどれでも3品選べます、ドルチェとドリンクもつきます」というコースがあるそうで、
「ブッラータとゴルゴンゾーラのオーブン焼き サマートリュフ風味」
「自家製ソーセージと茸・トリュフ風味のクリームソースニョッキ」
「鶉とフォアグラのキャベツ包み マルサラワインソース」
など、美味しそうなものが数多く、ずらーりと並んでいた。

青山あたりに来ると毎回同じ某店を目指してしまうのだけれど、このあたりは美味しいお店が本当にいっぱい。ここも近いうち、夜に食べにこなきゃいけないわとしみじみ思いつつ、お店の前でTさんとお別れして帰ってきた。……で、せっかくだからと「ピエール・エルメ」でケーキ買ってみたのだけれど、ざらざらっと6アイテムほど購入してお会計はなんと4200円!びっくりでしたよ奥様。

「モスバーガー」にて
 スパイシーモスチーズバーガー \360
 オニポテセット \320
 (ポテト&オニオンリング・山ぶどうスカッシュ)
午後2時半、最寄り駅に帰ってきたところで自宅から携帯に電話があった。
「おかあさーん、今ね、おうちに帰ってきたんだよ」
息子だ。一応念のためにと鍵を持たせておいて「まぁ、お母さんが帰るのが早いと思うけどね」と伝えてあったのだけれど……そうか、木曜はちょっと帰宅が早かったんだっけ。

今、もう駅だから、ちょっとだけお買い物してから帰るねちょっとだけ一人で待ってて……と電話を切ったんだけど、それから何度も携帯が鳴る。
「あのね、ぼくね、おはなしがあるんだよ。あのね、お父さんにかってもらった、カードケースに、ムシキングのカードがはいらな……」
「うん、わかったわかった、帰ってから聞くよ、ね?」
「うん、あとね、学校のね、プリントがね……」
「あー、だから帰ってから聞くからー」
息子、不安なのか単に「お母さんの携帯に電話をかける」のが楽しくてしょうがないのか、ごにょごにょと話そうとするのをいなしながら急いでケーキの箱持って帰宅した。いやー、ごめんねごめんね。

帰ってみると今日もメールがどかどかたっぷり届いていて、どうも急ぎでやらなきゃいけないのもいくつかあったので、それから数時間必死でお仕事。遊んできた分取り戻さなきゃとケーキを冷蔵庫に突っ込んだまま作業していたら、息子が「天才!しむら動物園」とか見始めてて、画面の中でカンガルーが跳ねたりしている。

「げ!もう7時ですか7時なんですか?」
「そうだよー」
「げげっ夕御飯どうしましょ」
どうしましょーどうしましょーちょっと準備している余裕もないし……と、息子の「モスがいいなー」のリクエストに応じてモスバーガーに行ってきてしまった。100円ショップで急ぎ買わなきゃいけないのもあったしと、買い物ついでに近所のモスバーガーに傘さしてお出かけ。

ピリ辛味のが恋しくて、スパイシーモスチーズバーガーを口のまわりベタベタにしていただいた。袋に残ったソースはポテトでこそぎながらそれも綺麗に平らげる。……あはは、お母さんばっかり美味しいもの食べてきてごめんね……明日はなるたけちゃんとした料理作るからー……。

表参道 「ピエール・エルメ・パリ」の
 ミルフィーユ・バニーユ
アイスティー
そして、夜のおやつに「ピエール・エルメ」。名前はさんざん聞いたことのある「ピエール・エルメ」、もう何年も前にニューオータニホテルに出店したときから「いつかはー」と思っていたのだけれど、買うのは今日が初めてだった。天才パティシエとして名を馳せるピエール・エルメ氏は、「ルノートル」で修行を積み、25歳にして「フォション」のシェフ・パティシエに就任、10年勤めたという経歴の持ち主なのだとか。「スイーツ界のピカソ」という異名がある……らしい。雑誌で見かける氏のケーキは、どれもこれも華やかで宝石のように美しかったっけ。

お店はまるで宝石のブティックのよう。胸の高さに並んだ棚の上には様々な焼き菓子が並び、これまたシックな作りの冷蔵ケースにはピッカピカのケーキがどっさり。お値段もこれまたピカピカしていて、そう頻繁には買えないお値段だった。ミルフィーユの値段は、1エルメが2不二家に相当しますよー……って感じ。でも、確かに不二家の2倍(2倍以上?)美味しかった。もうリッチな味で、リッチすぎる味で鼻血が出そうだった。

買ってきたのは、モンブラン(630円)2個、ベリーのケーキ(名称失念・630円)、ミルフィーユ・バニーユ(735円)、エモーション・エデン(735円)、サブレココ(これは焼き菓子・900円)。だんなは激ジョブで帰ってこられないかもしれないけれど……と、一応だんなの分のモンブランも買ってみた。ケーキは5個買ったので、夕飯のデザートに1個ずつ息子と食べちゃうことにした。

「……どれにするー?私はね、ミルフィーユなんだよ」
「ぼくねぇ、これ!」
「おおー、これですか、エモーション・エデンですか。エデンだよ?すごいよ?」
「うん、でもこれー」
私はミルフィーユ、息子はエモーション・エデン。

ミルフィーユは、パイ生地がこのうえなくバリバリッと充実した固さを保っていて、とうていフォークじゃつつけない頑丈さ。ナイフ取り出してパイ生地に直角に突き立ててざくざく切りながら食べた。クリームもまたそのパイ生地の存在感に負けないもので、どっしり重くリッチなカスタードクリーム。全体的にナッツやキャラメルの香りが漂ってくるミルフィーユで、苺などのイロモノは一切なし。見かけの派手さはさほどじゃないのに、このうえなくゴージャスなミルフィーユだった。もう顔がデレデレになってしまう。なんかもう、豪華スギルーって感じ。

息子の食した「エモーション・エデン」なるすごい名前のデザートは、ガラス製のガラスに固められたクレームブリュレ。一番下にはサフラン風味のクレームブリュレ、その上には角切り桃とアプリコット、一番上にはほわんと甘いサフランのゼリー。オレンジ色のグラデーションが美しいグラスデザートで、似た風なグラス入りのものが他にも何種類もあったけれど、「クレームブリュレ」の文字に惹かれてこれにしたのだった。

「おいしーねー!おかあさん」
「……やっぱり?おいしい?」
「すっごくね、おいしい!」
サフラン風味のデザートは、7歳児も唸らせる美味しさだったらしい。一口もらったら「だーめ!もう、だーめ!」と睨まれた。……そんなに美味しいですか、さすが735円のデザート。

食事してケーキ食べてお風呂に入って、んでちゃんと日記を書いてから寝ようとしたのに、息子は布団ぱむぱむ叩きながら
「おかあさん、おかあさんも早くねないとね、ぼくとおはなしができないんだよー?」
とか言っている。

息子、4月の時は「めざまし時計かってくれたら、一人でねる!」と、トニートニーチョッパーの目覚まし時計を買ってもらって一人で寝ていたんだけど、そのうち
「あしたは学校お休みだからね、いっしょにねるんだよー」と言い出して週末は親の布団にもぐりこみ、
「今日はお父さんおそいからね、いっしょにねてあげるねー」と言い出してだんなの帰りが遅いときももぐりこみ、結局
「一人でねるとね、涙出ちゃうほどさみしいなんだよー……」
と、毎日毎日「川の字」体制に戻ってしまった。

……まぁ……そんな事言ってくれるのも今のうちだしな……と、息子を寝かせるつもりで一緒に布団に入って
「んで?学校はどうだい?」
「んとね、昼休みにねー、お友だちとね、穴ほりしてるの」
「……あなほり?」
「んでね、だんごむしを、ころがすの」
「……ほー」
「いっぱい。上から、ざざーって」
「ほーう、だんごむしを……」
「あつめたの」
「……ほーう」
なんて話を聞きながら、私が沈没。息子は最近団子虫収集をしているのか……。

6月3日 金曜日
久しぶりの「サービスターリ」。全部混ぜます。
「ピエール・エルメ」のモンブラン
カフェオレ
昨日の午後に「ピエール・エルメ」のピカピカケーキを買ってきたけれど、だんなの帰りはやっぱり遅く、そして金曜の今日は朝ジムに行くのだという。多分今日の帰りも遅いだろうし……食べたかったら、今日の朝しかないってことで。
「……というわけで……たべますか?ケーキ……」
「うん、ケーキ喰ってく」
朝5時半に起きて早々にケーキを食べてジムに行くという展開もいかがなものかと思ったけれど、それでもだんなはモンブランが食べたかったらしかった。私も今朝は一緒に起きておつきあい。半分寝ぼけたところに口にしたモンブランは、胃腸に染み入る甘さだった。濃厚〜。

マロンペーストは、かなり栗の渋皮色をしたかなり濃いめの色合い。同じパリに店を構える「アンジェリーナ」のモンブランに少し似ているけれど、甘さはぐっと控えめだった。土台にタルトっぽいサクサクした食感の生地が置かれ、その上に赤い色合いのジャム(ベリー系のジャム、かな)が薄〜く。甘すぎない程度に甘さのついたクリームがたっぷり絞られた上から、それを覆い尽くすマロンクリームがどっさりと。「PL」のロゴ入りの飾りも煌びやかな、重量感のあるケーキだった。こう、学校から帰った小学生の子供とかに
「おやつはケーキを買ってきたわよー♪」
なんて、牛乳と一緒に出したりは絶対にしちゃいけないような、高級感溢れる味。朝からリッチな味にまみれてみた。うう、美味しいなぁ……確かに美味しいけど、これが1個630円……(おそろしい……)。

稲毛 「Shiba」にて
 サービスターリ(チキン) \1100

自宅で
 さくらんぼアイスティーとか、ココナツサブレとか

仕事の上でちょっとしたイラストが必要になって、友人のKさんに
「どうでしょう?注文うるさいと思うし報酬もそんなに出せないけど、やってみませんかー?」
と声をかけてみた。Kさんに快諾いただけ、ついでに先方にも了解が得られたので、じゃあその打ち合わせに(という名目で、たんなるランチ&おしゃべりに)と、一緒にランチ。我が町が誇る2大カレー店、「高円寺ナイルカレー」と「Shiba」の一店にお連れしましょうということで、「Shiba」のカレーを食べに行った(ナイルは、以前御一緒してるのでー)

以前『dancyu』のカレー特集にばばーんとでっかく紹介されたこともあるこのお店はけっこうな人気がある。週末のランチタイムは行列していたりもするし、平日も油断するとすぐに満席になる。12時をちょっとまわったあたりでお店に入ったら、ぎりぎりなんとか座れたくらいの混雑ぶりだった。10分後くらいには満席になり、20分後くらいには店の前に小さな行列ができていた。

このお店の名物は、なんといっても「サービスターリ」。ビーフやチキン、ラムなどから選べるカレーを1種類選び、野菜のカレー、葉野菜のピュレ状の煮物(ほうれん草か高菜の"サグ")、お豆のスープ(ダールスープ)、ライスとドリンクがセットになっている。深さのあまりない丸い平皿に御飯が盛られ、各煮物類が小碗におさめられ、写真のような状態でテーブルにやってくる。……で、やってきたら、おもむろに小碗を全て平皿から除けて、カレーもサグもスープも、ジャバージャバーと御飯にかけて食べるのだ。皿の上は、カレーの茶色と野菜カレーの赤とサグの緑とスープの淡い黄色で大変な状態になり、それを適当に混ぜながらシャバシャバ御飯に絡めつつ食べる、かなり不思議なカレー料理だ。カレーは粘度のほとんどないサラサラしたものだから、かなり水っぽい、半ば雑炊のような状態になる。

「ぜんぶ?全部入れちゃっていいの?」
「ええ、もう、ぜんぶ。ドバーッとやっちゃってください」
Kさんと2人サービスターリを注文し、ばしゃーどばしゃーと盛大にカレーをかけていただいてきた。カレーは全体的にクローブがかなり効いたちょっと独特な風味で、そこに野菜がたっぷり混ざるから、あれこれ混ぜて口に運ぶととてもマイルドな味になる。想像してたのと全然違うわー……と言いながらKさん、面白そうに召し上がってたけど、どうかなー気に入ってくれたかしら。

「カレーが恋しい!」って時に目指すお店じゃないのだけれど、時々無性にこのサービスターリは恋しくなる。アーユルヴェーダの効用なのか何なのか、風邪のひきかけとか胃腸の調子が悪いときとか、このお店に来るとパキッと治ったりするのだ。久しぶりにサービスターリをいただいたけれど、相変わらず美味しかったし繁盛していて何よりだ。

食後、「時間あります?今日ならピエール・エルメのココナツサブレをお出しできますよー」と誘って、しばし家でだらだらとおしゃべり。さくらんぼ風味の面白いお茶をアイスティーにして、それ飲みながら焼き菓子をパリパリと囓り、子供の事とか趣味の事とかパソコンの事とかKさんの愉快な旦那様の事とか、色々聞いたし色々話した。Kさんの旦那さん、楽しすぎる……(その奇天烈な愉快な変人ぶりたるや、我が家が誇るM井さんもちょっと負けちゃうかもというくらい)。

チーズの盛り合わせ・オリーブ・マグロのマリネ
コロッケ
鶏肉ときゅうりのピリ辛和え
あまり野菜の具沢山スープ
ミニミニカレーライス
自家製梅酒・アイスティー
ヤバイことに、先日作ったカレーがまだちょびっとだけ余っていた。一応朝と夜に火を通し続けていたのだけれど、じゃがいもごろごろ入っているしと味と匂いのチェック。
「……おっけーでーす」
と呟いて、夕飯に食べきっちゃうことにした。1人分くらいしか残っていなかったので、小さな碗に御飯とカレーを盛りつけて「ミニカレー丼」みたいな感じに。

おかずは、鶏肉1枚使ってさっぱりとした和え物にしてしまうことにした。鶏肉は茹で(茹で汁はスープに使い)、細く裂いて、刻んで塩揉みしておいたきゅうりと合わせる。胡麻油かけて胡麻ふって、塩で味を調えたらできあがり。そこに生姜とラー油を添えていただくのだけれど、
「あのね。ぼくのきらいなものはね、しょうが、だから。しょうが、辛いから」
と、ここ数日やけに熱烈に「自分がいかに生姜が嫌いか」について息子が語りかけてくるので、生姜とラー油は取り皿の上でかけていただくことにした。胡麻油と塩の味つけだったら文句なかろう、息子よ。

で、鶏の茹で汁には、半端に余っていた野菜をこれでもかと入れてみる。玉ねぎとにんじん、ピーマンとアスパラとそら豆とブロッコリー。具沢山なスープにしてミニカレー丼と並べた。あとは、オリーブと、マグロを角切りにしてオリーブ油とレモン汁かけて塩胡椒したもの、少しだけスライスしたチーズ数種を盛り合わせた「酒の肴セット」。

パン屋さんに寄ったときに買ってきたコロッケもあったので、それも食卓に出した。コロッケ囓ってカレー口に運んで、「あのねあのね今日ね今日ね」といろんな話をしてくれる息子の向かいで、一人晩酌。ちょうど昨年の結婚記念日に漬けた(なんで記念日にそんなことやったんだ自分……)梅酒はいーい漬かり具合で、ベターッとしたイヤな甘さがないのが嬉しい。梅酒とチーズも美味しいなー。……早く息子が晩酌につきあってくれないかなー……まだまだ先だわね。

6月4日 土曜日
ウニー、全部ウニーしあわせー
「マロンド」のコーンパン・クリームパン・チーズスティック
あまり野菜の具沢山スープ(昨夜の残り)
カフェオレ
今週は、なんだか「やっときた」という感のある週末。だんなは平日の睡眠不足を解消するべくぐーぐーと寝まくっていたので、ちと早くに目が覚めてしまった私はお仕事したり、ベランダの花の世話をしたり。息子も起きてきて、
「おなか、すいたね」
「うーん……朝御飯先に食べてもいいけど、お父さん待ってあげない?」
「うん、まつー」
と、ひそひそ話しながら10時頃になってだんなが目覚めるまでおとなしーくして待っていた。

朝御飯は、昨日買ってきたパンを1人1個。昨夜のスープの残りも温め、コーヒー飲みながら軽くつまんだ。だんなはウィンナロール、私はコーンパン、息子はクリームパン……だったはずなのだけれど、
「あー、ぼくも、コーンのパン、食べたいなぁ〜」
と息子が呟いたので、コーンパンとクリームパンを半分こ。

「マロンド」は千葉を中心に展開しているパン屋さんだ。久しぶりに買ってみたらこれがなかなか美味しくて安くて良い感じだった。品揃えもけっこう変わっていて、今度またあれこれ買ってきてみようかなと。

「銚子丸」にて
 ウニの共演劇団セット
 いさき
 生サバ
 大トロ
 かつおなめろう
 きびなご
 穴子
 中おち手巻き
 あら汁・お茶
なにも予定がない今日、家でだらだーらしていても良かったのだけれど、
「……うーん、ホームセンターで花探したいかも……」
と呟いたところ、
「……いいんじゃない?銚子丸とセットにすればさ」
と、だんな。ホームセンターまでは自転車で行けるけどちと遠くて、高低差もきついのでめんどうで、確かに「花」だけを目当てにでかけるにはちょっとつらい。じゃあお昼御飯と組で……ってことで、出かけてきた。お昼御飯はお気に入りの回転寿司屋「銚子丸」。ランチ無料のあら汁をお代わりしながら、あれこれつまんだ。

今はちょうど「ウニ祭り」ということで、ウニものがたくさん。スペシャルメニューの「ウニの共演劇団セット」980円は、1カンずつ
ずわいがにウニのせ・生ウニにぎり・いかそうめんウニのせ・ウニといくら・枝豆豆腐のウニのせ
が長皿に盛られたウニ尽くしのセットだ。全体的にウニ色に輝いた、オレンジ色のプリプリしたのがそれぞれに盛られた皿は壮観で、甘くプルプルしたウニも実にちゃんと美味しかった。うう、甘い甘い旨い旨い。

今日はいさきや生サバ、きびなごといったものも「今日のおすすめ」にあって、酢締めされたものとは違ったトロンと脂の乗った柔らかなサバや、赤みがかった身が綺麗に輝くいさきも、どれもこれも「当たり」の美味しさ。行く日や時間によっては「なんか今日は、好みなお魚がないなぁ……」って時もあるのだけれど、今日は何を食べても美味しくて幸せだった。「かつおのなめろう」なる、ちょっと不思議なものもだんなと1カンずつ分け合っていただいたけど、香味野菜がこれでもかと香る面白い味。

食後、本来の目的のホームセンターで、これでもかと並ぶ花の苗をじっくり見て回る。探していたのは、あじさいの「墨田の花火」(こんなの)。以前から存在は知っていたのだけれど、実に綺麗で育ててみたいなと思っていた。で、肝心の墨田の花火はたくさん鉢植えで売られていたのだけれど、1鉢だけ売られていた「城ヶ崎」(こんなの)という方に一目惚れ。淡い青の色合いに惚れ込んでしまって(……って、土の酸性度とかでピンクの花になっちゃったりもするみたいだけど……)、こっちを買ってきてしまった。

「……で、せっかくだから、土も買おう……15リットルの……」
がさがさと、巨大な腐葉土を籠に積んでいたら、「なんか奥さん、すごいのを籠に乗せているね」とだんながびっくりしている。
「完全に、俺を荷物持ちとして期待してるね?」
「……重い?」
「いんや、なんのために鍛えてると思って?」
「そうだよね、腐葉土運ぶために鍛えてるんだよね」
「違うな、腐葉土運ぶために鍛えてるんだな」
漫才しながら、それでもだんなは、巨大な土袋や煉瓦を籠に乗せて自転車こいで帰ってくれた。私は巨大なあじさいの鉢を前籠に乗せて帰宅。いやいや、おつかれさまでした。

鶏肉ときゅうりのピリ辛和え
ベーコン入りポテトサラダ
バターコーン
牛ハラミのミスターデンジャー風
チャンジャ
わかめのスープ
羽釜御飯
発泡酒(サントリー マグナムドライ)
今週、ジム行こう行こうと思いつつ、一日も行けなかった。せめて週に一度は行きたいのよねと、夕方ジムに行ってきた。土曜の夜にジムに行こうというストイックな人はやはり少なめなのか、ボディパンプもとってもガラガラ、快適だった……のはいいんだけど、運動終わってお風呂も入って外に出ると、雷まじりの土砂降り。だんなからは

酷い雨だし、傘持って迎えに行こうか?

息子からは

おかあさん!
おおあめだよ!
かみなりもなってるよ!
だいじょうぶ?
きんにくつうになった?
なってない?
なってる?

というメールが届いていた。息子と夫に心配されて嬉しいなぁとしみじみしつつ、「うむ、とりあえず筋肉痛は……これからだな」とツッコミだけ入れておいて、自転車で来ちゃったしなんとかして帰るよー……とお返事。夕飯の材料を買って帰ることになっていたのだけれど、さて何買ってたらいいやらなー。

運動しまくった後だから、とにかく肉売り場に足が向いちゃう。
「トンカツ買って帰って……カツ丼?」とか
「……おー、焼き肉セットが安いよ?」とか、
そんなものばっかりが気になっちゃう。……で、夕方からのタイムセールやってたお肉屋さんで100g250円の牛ハラミを買うことにした。気分はミスターデンジャー(こんなの)。合わせてあれこれ買い物して、土砂降りの中、帰宅した。シャワー浴びたのに、もう一度浴びたようなびしょぬれ状態になって帰ってきた。

「うわっ、おゆきさん、もう一度風呂入ったら?」
「んー……入る……あ、あのさ、夕飯、ミスターデンジャーっぽく食べたくて、ハラミ買ってみたのね。でね、合わせてバターコーンしようってコーン買って、あとポテトサラダも」
それだけ伝えて風呂場に向かったら、だんなは米研いでわかめのスープ作って、着々と夕食の準備を整えてくれていた。

「んー……にんにくまぶすとして……焼き肉のタレかな?」
「塩だれが似合うかも?」
と相談しつつ、焼き肉用塩だれまぶしたハラミにおろしにんにくも加え、スキレットで1枚ずつ焼いていく。だんなが肉担当、私がコーン担当。小さなスキレットにバター溶かして缶詰のホールコーン炒めるだけ。昨日の残りや何やらもずらーりとテーブルに並べ、いかにもビールが似合いそうなものばかりが揃った。

焼きハラミは、んもう「これぇ!」って感じにイメージそのまんま。ビール傍らに食べきってしまいそうなのを「……いかんいかん、御飯のおかずにもしなきゃ……」と節制してつつきつつ、チャンジャやサラダをもぐもぐ食べる。だんなと2人、4缶の発泡酒をぺろっと空けてしまった。
明日は新宿にお出かけー。

6月5日 日曜日
ごっついごっついハンバーガー食べました。おいしー!!
まぐろといくらのミニ丼
インスタント味噌汁
麦茶
昨夜、真剣に我が家で語られていた話題は「明日、何を食べるか」だった。
「……夜はさ、うどんだよね」
「うん、うどんだ」
「朝はねー……ピタパン買ってきたのあるから、鶏肉焼いてピタサンドはどうかな」
「いいねぇー……だとすると、昼は米の飯かな……歌舞伎町の入り口の店でとんかつ茶漬けとか喰う?」
「……美味しいハンバーガーとか食べたいかも……」
「それだとパンが続くよ?」

あーでもないこーでもないと話しつつ、
「そうだった!おゆきさん!いくら、冷蔵庫に入れっぱなしだろ。おかんが前くれたやつ」
「……!!……あー……」
「……それ喰おうか、朝、御飯炊いてさ。で、昼ハンバーガー……」
やっと決着がついた。あー、いくら、冷蔵庫の奥に突っ込んでて忘れてた……。

「……セーフですかね?」
「……うん、セーフでしょう。余裕で」
朝起きるなりいくらの匂いチェックという怪しい作業を挟みつつ、米炊いて、味噌汁は……インスタントで、まぁいいか……とあれこれ用意。まぐろも少量あったので、ころころ角切りにして各自「まぐろいくら丼」を作って食べた。昼にはがっちょりハンバーガーを食す予定なので、いつもの御飯茶碗を使ってごくごく軽めの魚介丼。まぐろもいくらも盛りつけて、軽めに醤油ピャーッとかけて。

丸の内 「KUA 'AINA (クア・アイナ)」にて
 Aセット(1/3LB チーズバーガー・1/2フレンチフライ・ドリンク(S)) \1030
 追加トッピングベーコン \210
 追加ドリンクサイズM変更 \110
 オニオンリング(S) \320
で、今日はお出かけ。最終目的地は新宿で、でも途中で昼御飯(美味しいハンバーガー!)を食べようということになっている。
MOS's-Cはどう?」
「……うーん、あそこも美味しいけど、違う店を開拓したいという気持ちが……」

色々調べていて、そういや丸ビルの中に美味しそうなハンバーガーショップがあって気になっていたのよねと思い出した。調べてみると、店の名は「KUA 'AINA (クア・アイナ)」。東京を中心に現在十数店国内に展開している、ハワイはオアフ島に本店があるハンバーガーショップなのであるらしい。「ザガット・サーヴェイ」でハンバーガー部門NO.1の評価を得たことがあるそうな。メニューに「1/2LBバーガー」「1/3LBバーガー」の文字があるのを見て、
「うひょー220g超のハンバーグ!」
「1/3ポンドっちゅー響きがいいよねぇ……」
この店に速攻決定した。12時回ってしまうと混雑してしまうかもねと11時半頃に到着するようにお出かけしてみる。

アボカドバーガーにチーズバーガー、ベーコンバーガー、パインバーガーなどなどのハンバーガーメニューは、1/3ポンドサイズで820円から。チーズはチェダー、アメリカン、スイスなど5種類から選べ、「チーズバーガーにベーコンもつけてね」という追加トッピングも可能らしい。んで、食パンを使ったサンドイッチメニューもパストラミ、ローストターキー、ローストビーフ、BLTと種類豊富に揃っていた。サイドディッシュにオニオンリングやポップコーンシュリンプ、クラムチャウダーなんかがあるのもいかにもで、久しぶりのアメリカ〜ンなハンバーガーにわくわくしちゃう。

で、ちょっとお得なセットメニューがある。曜日代わりのサンドイッチやハンバーガーのセットに、常に選べる「1/3LBハンバーガー」のセット。「1/3LBハンバーガー」とはなっているけれど、210円足せば1/2LBに変更できるし、追加トッピングも勿論可能だし、ジュースも追加料金でSサイズからMサイズに変更できるし、かなり自由度の高い内容になっている。ポテトはSサイズでも相当な分量なので、セットで1/2サイズのSポテトがついてくるのもちょうど良かったりするみたい。Mサイズのドリンクは、アメリカンなMサイズ(日本で言うところのLサイズ)で、がぶがぶジュース飲みながらハンバーガーを口いっぱいに頬張る快楽を味わってきた。

私は「1/3LBチーズバーガー」(休日に提供されるAセット)のセットに、ベーコンを追加。チーズはイタリアのプロヴォローネ、ドリンクはジンジャーエール。だんなは同じくAセットを1/2LBにグレードアップ、チーズはチェダー、ドリンクはコーラ。息子は
「ここのハンバーガーは、大きすぎるから、ぼくはちょっとムリかも……」
と、バーガーはパス、代わりにオニオンリングSサイズをつけてやって、適当に皆でつつくことになった。クラムチャウダーも1つ注文して、皆でつついてみる。

バリッとしたごっついパンに乗せられてきたのは、ごっついごっついハンバーグや野菜類。がっしり噛み応えがある肉に、バリバリとしたベーコン、厚切り玉ねぎは歯応えが残る程度に火が通り、厚切りトマトが2切れとごわっと大きなレタスの葉。上部分、下部分が分かれたかたちにハンバーガーは盛りつけられてやってくるので、卓上で各自思いのままにマスタードを絞り、巨大なハインツのケチャップ容器を傾けてケチャップを絞り、野菜を積み上げパンで蓋をし、中央に楊枝をずぶーっと刺し、中身がズレないように留意しながらかぶりつく。溢れる肉汁、たっぷりの野菜、ベーコンやチーズの存在感もばっちりで、「これだ!」という美味しさのハンバーガーだった。。細めのポテトはスパイスが効いていて、これもまた良い感じ。

11時半の状態で既に店頭に少しの列ができていたお店は、12時を過ぎる頃には10人以上の行列になっていた。夜は夜でサラダなどがついた「ディナーセット」もあるらしい。ハワイのビールなども揃っているので、夕飯にビール飲んでオニオンリングつまんで、がつーんとハンバーガー食べて……というのも、すごく楽しそうだ。
……これで、お値段がもうちょっとお安いと……嬉しいんだけどな……(ハンバーガーで1000円超えるというのはやっぱりちょっと違和感……)。

昼食後、新宿に移動して、今日は演劇集団キャラメルボックスの観劇。ハーフタイムシアター(60分演劇)の「僕のポケットは星でいっぱい」「広くてすてきな宇宙じゃないか」を見てきた。息子は劇団の託児サービスにおねがいして遊んでいてもらい、だんなと2人劇場に。

「広くてすてきな宇宙じゃないか」は、大好きな大好きな演目。ちょっと無理がある展開だったり、60分で起承転結しなきゃいけないから全体的にバタバタしていたりもして、冷静にふりかえると「……あれ?」な点も多々あるのだけれど、でも引き込まれて泣けて笑えるキャラメルボックスらしい代表作のひとつだ。

もう10年以上前に書かれた台本で、再演も繰り返されていたのになぜか一度も見たことがなかった。DVDで見たり衛星放送の放映で何度も見て、登場人物をかなりの部分共有している「銀河旋律」と共に大好きな演目だった。やっと見られるわー、嬉しいわーと思っていたのだけれど、何やら現在、劇場のシアターアプルとその上の新宿コマ劇場は騒音トラブル勃発中なのであるらしい。普段はそううるさくない演歌コンサートが多いコマ劇、現在ロックミュージカル上演中ということで、その劇中の音がガンガン階下のシアターアプルに漏れちゃうらしいのだ(詳しくは、劇団総指揮加藤さんの日記に)。

「僕のポケット〜」は14時開演、ロックミュージカルも14時開演、続く「広くて〜」は16時開演、ロックミュージカルの「第二部」が同じく16時スタート……という、最悪の組み合わせ。明るく朗らかに、前説で
「えーこの公演!16時開演とさせていただいておりますが、本日、16時6分に開演致しますっ!そうするとですね、上のあの曲にこっちのこの曲がぶつかって静かなあそこのシーンが守られるのですが……でも、ごめんなさい、1シーンだけ、どうしても聞こえるところがあるんです」
なんて説明が加藤さんからあったのだけれど、朗らかにそんな事言ってられないほど、多分劇団の皆さんは怒りを感じているのだろう(それ以上に、演技している役者さんには大変なストレスになっているのだろう)と思う。

その1シーンはあまりシリアスなシーンでもなかったけれど、でも明らかに上の方から「ズンズンチャッ♪ズンズンチャッ♪」という低音が間違いなく響いてきていて、しかもそれはくっきりはっきり聞こえる音で……ちと悲しかった。何が悲しくて、SFなのにどこかノスタルジックな匂いのある劇を見ているのに、クイーンのビートを感じなきゃいけないのか(クイーンは好きだけど……時と場合が……)。

ともあれ、劇そのものは大変に素晴らしかった。やっぱり「広くて〜」は名作だ。こういう感動を感じたくて、私は何年もこの劇団をおっかけているのね。

新宿 「東京麺通団」にて
 天ぷら(かしわ・げそ) \250
 おでん(牛すじ・大根・厚揚げ) \300
 いわしの南蛮漬け \200
 銀河高原ビール(中)
 銀河高原ビール(大)

 天ぷら(半熟卵) \100
 ひやかけ(小) \290

何時間も待っていてくれた息子を迎え、「ムシキング」をゲームセンターで少しやりつつ、夕食は久しぶりの東京麺通団

「……のどかわいたね」
「……日本酒?」
「いや、ビール……」
うどん屋だけれど、酒も揃っているし、酒の肴になるものもたくさんある。最初に生中といくつかの天ぷら、おでんなどを買ってきて、息子には冷たいうどんを。揚げたてのゲソの天ぷらつついて、牛すじのおでん囓って、ビールくーっと飲んで、何分も経たないうちにビールは早々に空になった。

「……もっと飲みたい……大?ジョッキ?」
「じゃあ、買ってくるよ。俺も飲む」
「あのねぇ、ぼくもねぇ、おかわり……もらってきていいの?お金、いるの?」

カウンターで自分て天ぷらやら何やらを盛りつけるセルフサービスの店だから、息子はどうやら「バイキングのお店」だと理解してしまっていたらしい。いや、タダじゃないのよ、お金いるのよ、自分でお皿に乗せて、最後はあそこのレジのおねぇさんにお金払うんだよ?と説明したら、100円玉握りしめてコロッケのお代わりをもらいに行った。

私とだんなは2杯目のジョッキをぐいぐい。ジョッキビールには無料で「揚げうどん」がついてきて、やけに塩が効いたそれがやたらと美味しくて、それをパリポリ囓りながら、またビールが進む。あれこれつまんだ後、
「じゃ、そろそろうどんだ」
「うん、うどんだ」
と、各自うどんを貰いに再びカウンターに向かった。

私は「ひやかけ」(冷たいうどんに冷たいだし)の小。半熟卵の天ぷらも貰ってきて、最後もこれでもかと満喫していた。シコシコキュキュとしたうどんに、このうえなくいりこ臭い、キーンと冷えた美味しいだし。葱をこれでもかとかけてきて、天ぷらを冷たいだしにじゃぶじゃぶ浸しながらいただいた。美味しいビールに美味しい酒、シメには美味しいうどんも食べられるなんて、なんていい店なんだ。ビール2杯飲んで、1人2千円弱の美味しい夕御飯。息子は途中で、またも
「また、おかわりしてきまーす」
と、ちくわの天ぷらもらってきてもぐもぐ食べていた。

んで、酔っぱらって帰宅。帰りの電車は親子3人、爆睡してた。