食欲魔人日記 05年09月 第3週
9月12日 月曜日
サーモンをスモークして、スジコはイクラにして
卵サンド
チョコブレッド
アイスカフェオレ

残っていたドッグパン。ホットドッグを食べたい気分じゃなかったので、卵を茹でてマヨネーズ和えにしたやつを挟むことにした。2本しかなかったので、1本を3等分に切って家族で2切れずつ。

たまたま安売りしていたカロリー1/2のマヨネーズをこのところ使っていたのだけれど、やけに酸っぱいし味気ないしで「おいしくなーい」という感じ。マヨネーズは、青いラベルの瓶入りのやつ(アメリカだかどこだかの海外メーカーのやつ)が、酸味少なめでしっかりとした固さがあって、私は密かに好きだったりする。

でも、チューブ入りの普通のマヨネーズよりも収納に不便なうえに、蓋あけてスプーンですくってあれこれやらなきゃいけなかったりするのがめんどくさいあまりに、あまり買われることのない品だったりした。
……コストコに、うんざりするほどでっかいサイズのそのマヨネーズがあったんだけど、「梅酒でも入ってるんですか」なサイズの瓶入りのマヨネーズというのもいかがなものかと。

胡麻だれ稲庭うどん
麦茶

仕事したりジム行ったりお買い物してきたりののんびりな一日。午前中にジムに行き、午後にフラフラになって戻ってきた。何も口にせずに出ていったので腹ぺこなのだけれど、喉ばっか乾いちゃって「豚丼食べたい」とか「ハンバーガー食べたい」というような欲望がいまいち沸かない。

通りかかったお魚屋さんでツヤツヤブリブリしたアジを見て
「……アジのたたき丼、食べたい……なめろうでも可……」
と思ったのだけれど、パック売りのアジのたたきはいまいち美味しそうじゃなく、かといって自分でさばいて骨抜いて皮むしって叩くほどの体力気力が残ってなくてよれよれと帰ってきてしまった。

で、とりあえず帰るなり水分補給して、稲庭うどんを茹でた。氷水でこれでもかと麺をキーンと冷やし、ざるに盛りつけ、胡麻だれで。刻み海苔とすり胡麻をしこたま添えて、啜った。素麺とは違う、平たいペタペタした食感が心地よくで好きなのよね稲庭うどん。お徳用大袋を秋田で買ってきたら、これがなかなか減らないったら。

自家製スモークサーモンとほうれんそうのクリームパスタ
かぼちゃとゴーヤーのサラダ
刻み野菜のコンソメスープ
ビール(Corona)

数日前、コストコで買ってきたサーモン。当日刺身でも食べたけれど、残りは塩ふってキッチンペーパーでぐるぐる巻いてジップロックで包んで「ほんのり塩漬け」な状態にしておいた。それを、本日夕方スモークサーモンに加工してみる。風味をつけるだけの、「中は生」で全然かまわないものなので、中華鍋で簡単に。

スモーク用のチップを中華鍋の底にひとつかみくらい入れ、強火にかけて煙を出させる。その上にチップに触れない高さに網を乗せ、上に魚(水分を綺麗にぬぐって胡椒かけて表面に薄くオリーブ油を塗っておく)を置き、中華鍋に蓋をして数分間。この方法じゃハムやベーコンは全く無理だけれど、食材に燻製の風味をつけることは簡単にできる。「けむたくおなりー」と呟きながら強火にゴンゴンかけていたら、「香ばしい」を通り越して「少し焦げ臭い」になってしまった。

で、その「少し焦げ臭い」になってしまったスモークサーモン(美味しいんだけど、不味くはないんだけど、「もっと美味しくできるだろう」という味になった……)は、ほうれん草と一緒にクリームソースのスパゲティに。下茹でしてから刻んだほうれん草をバターで炒め、生クリームを注いで軽く煮詰め、そこにスモークサーモンと茹でたパスタを加えて和える。お皿に盛りつけてから、昨日作った自家製いくらを添えてできあがり。

お供に、冷蔵庫内の野菜をあれこれあれこれ刻んで入れたコンソメスープと、千切りにしたかぼちゃを軽く湯通しして、塩揉みした薄切りゴーヤーと和えてランチドレッシング(ミルク味のドレッシング)で和えたサラダを1つ。

市販のものより燻製臭が圧倒的に強めの大人な味のスモークサーモン。それでも息子には好評だったようで、「お魚ちょうだい、スモークサーモン、もっともっと」と今日も大変によく食べていた。今度はもうちょっと火力を加減して、じわじわと少し長めにスモークしてみようかしらね。

9月13日 火曜日
名前がいいよね、「ドラゴンフルーツ」
パンいろいろ
アイスカフェオレ
ドラゴンフルーツ・グアバ

最近、ほうれん草がものすごくお高い。一体どうしちゃったのというほどにお高い。

「スモークサーモンのクリームパスタに、ほうれん草入れようと思うんだー」
と、日曜に買い物に行ったスーパーで小さな束が270円などという値段だったのに愕然とし、昨日は別のスーパーを覗いてこれまた300円を超えていた価格だったのに呆然とし、「だんなに駅ビルの八百屋で買ってきてもらおう〜」と思っていたら、そこは早々と売り切れ。結局、だんなは少し回り道をして日曜に行ったスーパーで300円近いほうれん草を買ってきてくれちゃったのだった。

そして、スーパー併設の閉店間際のパン屋さんで処分品福袋をも買ってきただんな。
「この袋がね、一番魅惑的だったんだよ。バーガー入ってるでしょ、これ、カレーパンでしょ、ベーコンポテトパンみたいなのもあるし、これはクリームパンだよねぇ?で、これでたったの350円!」
と、なんだか嬉しそう。ちゃんと中身が全部透けて見えるビニールに詰められたパンセットをあれこれ吟味して買ってきてくれたのであるらしかった。

「そういうわけでね、いろいろあるですよ」
火曜はだんな早朝ジムの日なので、息子と2人の朝御飯。バーガーのみを口にしていったようで、袋の中にはまだパンがごろごろと。温めるべきものは温めて、そうでないものはそのままで、あれこれつまめるようにと適当にざくざく切って大皿に盛りつけた。

最初にクリームパンに手を出す私と息子。続いてベーコンポテトパンに手を出す私と息子。同じ順序に同じものをもぐもぐと食べ、デザートにドラゴンフルーツとグアバを切ったのをスプーンですくって食べた。

「ドラゴンフルーツ」、名前がとてもカッコイイ。外見からしてファンタジー系RPGに出てきてしまいそうな、ピンクな表皮にウロコのような緑がかったトゲトゲしたものが生えている。両断すると、中には水気たっぷりのシャクシャクした白い身(小さな黒い種もどっさり)が。

ドラゴンフルーツは買ったこともなければ多分食べたこともなかった果物なので、先日いただいた時に検索して調べてみた。両断してみて納得したけれど、以前食べたことのある「イエローピタヤ」と同種の果物なのだそうだ。あちらはあちらで小ぶりのパイナップルのようなイボイボした黄色い表皮で、外見は全く違う果物としか思えない。でも中身はほぼ同じ。うっすら甘くて香りが良くて汁気たっぷりで、南国の味の果物だった。こんな愉快な果物がにょきにょき生えているというのだから、南国は侮れぬ。いいなぁ南国。(いや北国も北国で、母の実家は「枇杷なんて買って食べるもんじゃない、もいで食べるもんだ」という感じで、それもまた羨ましい……)

パンいろいろ 続き
アイスティー

朝に食べたパン福袋、残りはミルクパン1個とカレーパン1個。カレーパンはそろそろ食べてしまわなきゃヤバいんじゃなかろうかという感じだったので、とっとと食べてしまうことにした。
「今日は息子、イカ入り焼きそばだってよ……いいなぁ……」
と思いながら、パンつまんでアイスティー飲んで、今日はだらだらりと過ごす一日。

韓国風牛丼
グリーンパパイヤと炒めベーコンのスイートチリソース和え
かぼちゃとゴーヤーのサラダ
刻み野菜のコンソメスープ
麦茶

だんな激ジョブにて、息子と2人の夕御飯。昨夜のサラダとスープがちょうど2人分くらい残っているので、2品ばかり適当に準備して合わせて食べることにした。薄切り牛肉で何かしようとレシピデータベースをあれこれ探し、「韓国風牛丼」という初挑戦の丼ものにしてみることに決定。

中華鍋で刻み葱、刻みにんにく、刻み生姜を胡麻油で炒め、そこに薄切り牛肉を投入。ざざっと炒めたら、中華スープに醤油と砂糖と酒をほぼ同量ずつ入れたものを回し入れ、斜め薄切りにした長ねぎも追加投入し、軽く煮詰めたら溶き卵でとじてできあがり。御飯にその具を盛りつけてから一味唐辛子をパラパラふる……というもので、胡麻油と葱とにんにくと一味唐辛子で「韓国風」になっちゃってるような、ちょっとばかり謎な丼だった。無理に「韓国風」にしなくても、親子丼の牛肉版(牛玉丼?)で充分美味しかったかなという気もしないではなかったけれど、醤油味醂味の煮物な気分じゃなかったので期待どおりの味になって満足満足。

「お母さん知ってるよー。今日の君の給食はイカ入り焼きそばだったはずだ!」
「お!よく知ってるね、お母さん」
「そしてそれを、君はおかわりしたはずだ、間違いない」
「したよー、2回おかわりしたよー」
「……2回?」
「うん、焼きそば、3はい食べてね、あとね、牛乳は2本飲んだ」
「……すごいですね」
「すごいでしょー」

息子の健啖家ぶりに今日も驚きながら、そろそろ食器のサイズは子供用を卒業かしらと思う私だった。夕飯も牛丼、おかわりしてたし……。

9月14日 水曜日
自家製いくらは美味しいよ
ミニいくら丼
わかめの味噌汁(インスタント)
冷茶

数日前に作っておいた自家製いくらがすっかり良い感じ。だんなはなかなか夕飯の時間までに戻って来られそうにないので、朝御飯でさらさらっといただくことにした。
いつもの御飯茶碗にさらっと御飯をよそい、揉み海苔を散らしていくらを盛りつける。冷茶と味噌汁添えただけの簡単な朝御飯。

自家製いくらは本当に美味しい。生のすじこをほぐして作ったいくらは醤油を吸ってパンパンに膨らんでいて、自然な味。使うすじこによって、そのぷちぷちむちむちした歯応えは毎回微妙に違う(時々、こりゃ水風船かと思うほどに固いいくらが出来ることもある)けれど、今回のはかなり美味しくできあがったように思う。思わずスプーン1杯追加で盛りつけながら平らげた。これで午前中ジムで動きまくれるかな。

スーパーの秋刀魚寿司
小松菜の胡麻和え
麦茶

ジム行って、夕飯の材料買って簡単に食べられるお昼御飯買って、帰宅。今日も魚屋さんには北海道産のぷりぷり太った秋刀魚がこれでもかと売られていて、1尾120円。

「100円くらいならもっと嬉しいんだけどなー」
と思いつつ、2尾買った。……で、「夕飯に秋刀魚」というのをすっかり失念してしまって(手に秋刀魚の入ったビニール袋がぶらさがってるというのに)、スーパーの寿司コーナーで「秋刀魚寿司」と目があってしまって
「あらあら、秋刀魚のお寿司美味しそう」
それを手に取り1パック購入。家に帰ってから
「私は、なぜ、こんなに秋刀魚ばっかり」
と愕然するに至った。いくら旬だからって、二食続けて秋刀魚食べることもないだろう、私。

でも、焼いた秋刀魚の絶品さはそれはそれとして、生の秋刀魚の味もまた格別だった。いかにもな青魚の味わいで、とろりと柔らかい。生姜と葱が添えられた秋刀魚の握りとかっぱ巻きのセットを美味しくいただいた。

秋刀魚の塩焼き おろし醤油
つまみ菜と豆腐のサラダ
羽釜御飯
豆腐と油揚げの味噌汁
いぶりがっこ
冷茶

そういうわけで、夕飯のメインディッシュも秋刀魚。目先を変えた調理法にしようかとも考えたのだけれど、やっぱり塩焼きしたのにおろし醤油とすだちを添えたのが一番よねと、フツーに塩焼きにした。炊きたての御飯と、あごだしのお味噌汁。味噌汁に使った豆腐の半端なあまりは、"つまみ菜"と合わせて酢と醤油と胡麻油とすり胡麻で適当に作った和風のドレッシングで和えた。何だか久しぶりに、準和風な夕食を作ったなぁという感触が。

「もう、秋なんだよね、お母さん?」
「んー、まだ暑いけどねー。でも秋だわよね。秋刀魚や梨が美味しい季節になったしね」
「秋は!しょくよくの秋!」
「そうそう」
「秋は!きのこがおいしい!」
「そうね、きのこも美味しいよね」
「きのこ、どこに生えてる?」
「……え?」

「食欲の秋」で「きのこが旨い」につながる息子の思考を「渋いわ……」と思いつつ(普通は栗とか葡萄とか梨あたりにいかないか)、きのこはどういうところに生えているのかについて話しながらの夕御飯。我が家の周囲はそこそこ緑があるけれど、さすがに食べられるきのこが生えていたりはしていなさそう。秋田に住む母はきのこ採りに行ったりしているらしいから、うまくタイミングがあえば秋休みとかに行けるかもねぇ。
……でも、梨もぎでも葡萄狩りでもなく、きのこ採りとは……うちの子はどうもやっぱり好みが渋いような気がする。

9月15日 木曜日
家でこの味を!と心する
ホットケーキ
アイスカフェオレ

このところ、ホットケーキといえば薄力粉とバターミルクパウダーとショートニングを使った自家製ミックスだったのだけれど、久しぶりに市販のホットケーキミックスの味が恋しくなった。バニラの匂いのぷわぷわ分厚く膨らむ、甘さのある、あの味。
昨日たまたまスーパーで安売りしていたので1袋買ってきた。4枚焼ける分量が4袋パックになっていて、それを2袋使って今日はホットケーキの朝御飯。

自家製のはベーコンや目玉焼きなどが似合うあっさり軽い味で、薄めに焼き上がる。それじゃなくて、ぶあっつい、絵に描いたようなホットケーキが食べたいのよねと、そのホットケーキミックスに牛乳と卵加えてざっくり混ぜて、もったりとした生地をコンロ2つ使いつつ焼き上げていった。8枚できるはずだったのだけれど、できあがりは大きなの6枚と、おまけ程度のミニホットケーキが1枚。メーカーの想定より大きなものを作ってしまったらしいなぁと思いつつ、1人2枚のホットケーキにバターつけてはちみつつけて、いただいた。

こういうホットケーキには、市販のホットケーキシロップ(メープルシロップほど風味がきつくなくて、サラッとした、香料の匂いもするアレ)が密かに恋しくなってしまうのだけれど、手元にそんなものはなく、はちみつを少量かけることで代用してみる。……今度、ホットケーキシロップも買ってきておこうかしら。

Tさんのお料理教室
 なすのマリネ バルサミコ風味
 かぼちゃソースのファルファッレ
 いわしのパン粉焼き
 はちみつとヨーグルトのムース
 白ワイン(トカイ・フリウラーノDOC」

今日はTさんにお誘いいただいて、青山のスタジオで開催されているイタリアンのお料理教室に参加してきた。基礎科の教室で、今月のお題は「なすのマリネ バルサミコ風味」「かぼちゃソースのファルファッレ」「いわしのパン粉焼き」「はちみつとヨーグルトのムース」。

毎月基礎科と研究科が用意されている料理教室で、前菜・パスタ・メインディッシュ・デザートの4メニューの制作過程をデモンストレーション形式でメモを取りつつ拝見する形式になっている。調理台の前に並べられた椅子に着席して、その席で小皿に盛られた前菜をまずは試食し、ひととおりの講習が終わった後で、今度はダイニングテーブルに着席しての試食。毎回テーブルは季節に合わせた花やテーブルクロスで飾られていて、パスタ・メインディッシュ・デザートは外のお店でいただくくらいのしっかりとした分量がコース仕立てで順々に出されるという内容だ。

バルサミコ酢は、イタリア全土でメジャーな調味料というわけじゃなくて、都会住まいの料理好きな人か、本場エミリア・ロマーニャ地方の人々以外は案外その存在を知らなかったりする(日本人の方がよほどバルサミコ酢について詳しかったりして)とか、国産のこのメーカーの顆粒のチキンブイヨンが美味しいとか、そういった話を挟みながら「覚えて帰るぞー」と、調理過程をまじまじと凝視してきた。

「イタリア風茄子の揚げ煮」といった風の、柔らかい酸味のなすのマリネにはトマトとエシャロットが彩り良く散らされてガラス製のカップで。カリッと炒めたパンチェッタとおろしたパルミジャーノを添えたクリーミーなかぼちゃソースのパスタは、形が可愛らしいファルファッレ(蝶々型のパスタ)。パン粉をあらかじめまぶしてから焼くのではなく、塩胡椒して薄力粉をはたいて焼いたいわしは、最後に黄金色のパン粉入りのバターソースを添えたものだった。細かく刻んだ黒オリーブがたっぷり入ったトマトソースは、レストランでいただくような深い味だった。

教室も終わった後、生徒さんたちが帰られてから少しだけお仕事の話などしつつ、「ご家族にどうぞー」とトマトソースやかぼちゃのソース、なすのマリネなどの豪華お総菜セットをお裾分けしていただいて帰宅。さっそく息子に食べさせてやろう。

「マダムボンボニエール」の
 バナナクリームパイ・いちごのタルト
 牛乳

今日は出かけるから、帰りに何かおやつ買って帰るね、と息子と約束していた。
「何かリクエストある?あったらそういうの探してくるけど」
と昨日のうちに伺ってみたところ、
「んー……ひみつ、ひみつがいいな。ぼくが、帰ったときの、おたのしみ〜」
と、ある意味難題をつきつけられた。

特にリクエストはなくて、「ほーら、こんなの買ってきたよー」と見せたときに「わーい!ばんざーい!」と思いたいのであるそうで。……それってどんなのだよ……と、地元駅に帰ってきてからケーキ屋さんを覗いた。プリンかなーシュークリームかなーショートケーキかなーと悩み、小ぶりながら凝っていて美味しそうだったバナナクリームパイといちごのタルトを買って帰った。

「わ!わ!きれい!おいしそう!」
息子のハートもめでたくがっちりキャッチできて、
「……で、どっち食べるよ?どっちでもいいように買ってきたけど」
と尋ねると、
「んー……バナナかな……いや、ちがう!半分こしよう!わけっこしよう!」
との提案が。小さなタルトとパイを半ば無理矢理半分にナイフを入れて、一緒におやつ。

ホイップクリームたっぷり積まれた下に、バナナリキュールの濃厚な香りが漂うバナナクリームが詰まったサクサクのパイと、小粒ないちごがずらりとトッピングされたチョコ風味のタルトはどちらもなかなか美味しかった。狙いどおり息子に「わーい!」と楽しんでいただけたようだし。

なすのマリネ バルサミコ風味
グリーンサラダ 茹で鶏のトッピング
かぼちゃソースのファルファッレ
玉ねぎのスープ
アイスティー

せっかくいろいろ美味しそうなものが手元にあるのに、だんなの帰宅は今日も遅いそうで、
「……じゃ、パスタは食べちゃおうね」
と、いただいてきたかぼちゃのソースをあっためる。ファルファッレもいただいてきたので、それ茹でて、ソースと絡めて、カリッと炒めたベーコンとおろしたチーズを散らして。なすのマリネもちょびっと取り出し、小皿に盛りつけた。

あとは、肉っ気が少し欲しいなと鶏を茹でてそれを裂いて、レタスや玉ねぎ、にんじん、ピーマンと和えたサラダ。鶏の茹で汁を使って、薄切り玉ねぎを柔らかく炒めたものをどっさり入れたスープも作った。「オニオングラタンスープ」にするほどの根性はなくて、飴色とはほど遠いほんのりベージュがかった程度のたんなるコンソメみたいなスープになったけれど、それでも玉ねぎはとろけるように柔らかくて良い感じ。

クリーム系パスタがとにかく好物な息子、
「これは、マッケンチーズ?……ちがう、かぼちゃの味だ!マッケンかぼちゃだ!」
と、嬉しそうに「マカロニ、おおもりね。ベーコンも、おおもりね」とリクエストしてそのリクエスト通りにたっぷり平らげた。
クリームソースのパスタは北イタリアの料理だそうなので、そのあたりに住むことにでもなったら息子にとっては天国になっちゃうのね……。乳製品ラブな私にとっても、きっとそのあたりは天国(日本の豆腐屋さんの豆腐のように売られているというモッツァレラチーズを食べてみたい……)。

9月16日 金曜日
秋刀魚づいてます。これは「なめろう」。
つまみ菜の胡麻和え
いくら御飯
豆腐と油揚げの味噌汁
麦茶

だんな、今日はお仕事お休み。別に具合が悪いとかじゃないので、
「……じゃあ、一緒にジム行く?」
「行く行く」
「夕方、息子の音楽教室だけど、その後にお寿司でも食べて帰る?」
「帰る帰る」
と、一日アクティブに過ごす予定となった我が夫。

昨日の帰宅はまた一段と遅かっただんな。ぐーぐー寝ていたので、息子に朝御飯を摂らせて学校に送りだしてから2時間くらい経った頃にようやく朝御飯になった。味噌汁残ってるんだよ、いくらもあるし……と、和風の朝食にしようと急いでつまみ菜で胡麻和えなど作ってみる。

「ちょっと成長した、辛くないかいわれ大根」とした風のつまみ菜は柔らかくて食べやすい野菜でけっこう好き。見かけるようであまり見かけず(目立たないところに置かれていて私が気付いてないだけ?)、先日は安売りしていたので久しぶりに買ってきたのだった。3秒くらい火を通すだけでシナシナとするので、熱湯にくぐらせる程度に浸して、醤油とすり胡麻と砂糖でちょっと甘めの胡麻和えに。自家製いくらをこんもり盛った御飯と味噌汁でさらさらっと済ませた。さー、ジムよ、ジム。

「松屋」で豚丼

だんなと一緒にスポーツジムにてボディパンプに参加。私はジムに友人も特にいないので、いつもは一人で行って一人で参加して、顔見知りのインストラクターと少し言葉を交わすくらいで適当に自分のペースであれこれやっているのだけれど、誰かと一緒に行くのもそれはそれで楽しい。種目の合間に「きっつー」と顔を見合わせて苦笑いしたりするのは案外楽しくて、だからだんなはせっせと筋肉イベントに参加したりしているのかしらー。

「ボディパンプ」をはじめとする「ボディコンバット」「ボディステップ」「ボディアタック」などのプログラムを擁するBTS(ボディ・トレーニング・システム)はそろそろ新曲の季節なのだけれど、今日は期せずして新曲発表の場になった。曲が変わっても鍛える部位は同じなのだけれど、でも「この曲はきつい」とか「この曲だとぬるい」とか、「この曲はちょっとありえない」とか、曲に合わせて動きも変わるので負荷が微妙に(いや、微妙じゃなく)異なったりする。

今回の新曲は……腕立て伏せが計3ヶ所も出てきて、10kg弱のバーベルを3分程、必死にヘコヘコ胸への上げ下ろし運動をした後なのに腕立てを16回くらいやらなきゃいけなかったりして、たいそうきつかった。運動後の水泳も300mほどを泳ぐのがやっとというほどの疲労っぷりでよろよろとだんなと2人、ジムを後にした。

当初の予定では、「朝御飯遅めだったし、運動した後夕方まで耐えて、音楽教室後に回転寿司?」なんて感じだったのだけれど、すっかり疲れてお腹も空いて、でも時間もあまりなくて松屋で豚丼を腹に入れて帰宅。松屋の豚丼、食べるのはこれが確か3度目くらいで、だんなに言わせると
「豚丼に関しては、吉野家より松屋が旨い」
のだそうで。いかにもなバラ肉がピラピラと乗った豚丼、私の好みよりも玉ねぎが生っぽくシャリシャリとしていて、紅生姜たっぷり添えつつ食べた。味噌汁ついて280円なんて、ちょっとすごいね。

千葉 「銚子丸」にて
 秋刀魚握り
 浜ゆで帆立握り
 あん肝軍艦
 鰹握り
 秋刀魚のなめろう軍艦
 関サバ握り
 あぶり秋刀魚握り
 中トロあぶり握り
 三宝手巻き
 ビール
……秋刀魚がねぇ、美味しくてねぇ……

明日は息子の学校の、運動会。事前に「お弁当、どんなのが良いですか?」と息子に聞いてみたら、「チョコのサンドイッチ」だの「おにぎり」だの「カニクリームコロッケ」だの、こだわりの品が提示された。それからまた何度か協議を重ね、

「サンドイッチ作るけど、やっぱりチョコがいいの?」
「んとねー、やっぱ、ハムがいいや。ハムとね、チーズ」
「レタスやトマトはいらないわけね?」
「マヨネーズも、いらないの。ハムとチーズ!」
「はい、了解しました」
「2きれで、いいからね」
「……んー、お父さんとお母さんも食べるからさ、もうちょっと作るよ」
「ぼく、2きれね?」
「わかったよー」

なんて会話が何度かなされ、息子的に譲れないものとして「コーンクリームコロッケ」「いなりずし」「鮭のおにぎり」「ハムとチーズのサンドイッチ」が正式にリクエストされた。カニクリームコロッケじゃなくてコーンクリームコロッケの方が好きなんだと気付いたそうで。

更にやっぱり「鶏の唐揚げ」も必要だろう、とか、野菜も少しくらいは入れなくちゃとか、あれこれあれこれ。明日の朝準備を始めても絶対間に合いそうにないから、今日の夜に仕込みを始めなきゃいけない(特にクリームコロッケは)。夕飯作って弁当の仕込みしてだとかなりの手間になるので、今日は外で食べてきちゃおうねという話になったのだった。

で、旬の秋刀魚が食べたくて、回転寿司の「銚子丸」に。当然「今日のおすすめ」みたいなところに秋刀魚の文字がでかでかと書かれていて、しかもお安い(1皿157円!)。生姜を添えた秋刀魚の握りに、炙り秋刀魚の握り、千葉名物の「なめろう」(青魚を生姜や茗荷、紫蘇などの香味野菜と共に叩いて、味噌味をつけたもの)も、今は「秋刀魚のなめろう」になっている。調子にのってあれこれと、秋刀魚をとにかく食べてきた。うまー、秋刀魚、うまー。もう最高。表面をバーナーで焦がした炙り秋刀魚なんか、染み出た脂が爆ぜてパチパチ言っていて、そりゃもう見事な脂の乗りっぷり。

秋刀魚以外にも今日は美味しいものがあれこれあって、ねっとりと旨味のある関サバとか、いよいよ出てきたあん肝とか、ムチムチした鰹とか。これから家に帰って仕込みをするというのに、ついビールも注文してしまい、あれこれつまんでたっぷり飲んできた。

シメは、「三宝巻き」なる、ウニとイクラとねぎトロを一緒に巻いた、ある意味下品な手巻きもの。なんかすごいぞー……と注文してみたけれど、食後しばらく口の中にウニとイクラとマグロの後味がぷんぷん残ってしまう幸せな皿だった。
「あしたは運動会だ!」
と意気込む息子も、玉子だイクラだマグロだお蕎麦だと今日は7皿。みんな良く食べました。

9月17日 土曜日
今日は運動会
「ミスタードーナツ」の
 チョコクリスピー
 ポン・デ・リング
アイスカフェオレ

昨夜は午後8時頃から10時頃まで、2時間くらいかけてお弁当の仕込みを私とだんなで。で、今日は5時起きで更に2時間かけて私とだんなでお弁当作り。4時間かけて作るお弁当は、いつもの2割増しくらい大変な作業だった。大変な理由は、「クリームコロッケ」の存在のせい。

「運動会のおべんと、クリームコロッケがいいなぁ。カニクリームコロッケ……あ、ううん、ちがう、コーンクリームコロッケがいいなー」
とリクエストされたので、昨日のうちに固めなベシャメルソースを作り、「うむ、この固さなら大丈夫」と缶詰のコーンを混ぜて冷蔵庫に入れておいた。……ら、今朝起きてみたら、めちゃめちゃ柔らかくなっている。コーンの水分が出ちゃったのか、かなりトロトロとしたベシャメルソースになっちゃって、これじゃとてもじゃないけどコロッケに成形するなんてことはできなさそう。

それでも、クリームコロッケを息子はそれはそれは楽しみにしているだろうし、今から冷凍庫にベシャメルソースを移して軽く凍らせて、なんてことも時間的余裕が全然なく、結局薄力粉と溶き卵をくぐらせるのは諦めてパン粉だけで衣をつけて無理矢理小さなボール型に成形して揚げてみた。かなり無理矢理だったけれど、それでなんとかコーンクリームコロッケはそれっぽいものが完成。私がわたわたとそんなことをやっている合間に、だんなはあらかじめ煮ておいた油揚げにちりめんじゃこと炒り胡麻を混ぜた御飯を詰めていなり寿司を作り、焼き鮭を詰めたおにぎりを作り、お茶の準備などもしておいてくれた。もうだんなが手伝ってくれなきゃ絶対お弁当間に合わなかった。あぶないあぶない。

朝御飯は、昨日100円セールを開催していたミスタードーナツで買ってきたドーナツあれこれ。夕方に行ったのにあまり品揃えはよろしくなく、クリスピーものとプレーンなポン・デ・リングという、シンプルな味のものをつまみながらカフェオレ飲んで、先に学校に向かう息子を送り出して。

運動会のお弁当
 コーンクリームコロッケ
 ポテトコロッケ
 鶏の唐揚げ
 揚げウィンナ
 卵焼き
 海老とブロッコリーのタルタルサラダ
 マカロニサラダ
 鮭のおにぎり
 いなり寿司
 ハムとチーズのサンドイッチ
 梨
 麦茶

愛用している樺細工の重箱にお弁当詰めて、大きなポットに冷たい麦茶もたっぷり詰めて、レジャーシートとその上に広げる布も鞄に詰めて、大荷物で息子の通う小学校へ。1年生たちは徒競走と玉入れとダンスあたりに出場するのであるらしい。息子は終始御機嫌で、徒競走も「負けて悔しい」とかそういう気分はあんまりないみたいで、楽しそうにあれこれやっていた。

最近はリレーや徒競走のない運動会をする学校も存在しているらしいけれど、息子の学校は徒競走もあるし対抗リレーもある。1クラスを3分割して赤白青組に分けて戦い、戦績できっちり順位づけをするけっこう本気な運動会だった。玉入れも棒とりも騎馬戦も、負けた組はかなり本気で悔しがっていたりして。

で、お待ちかねのお弁当の時間。息子のリクエストどおり、おにぎりもいなり寿司もサンドイッチも詰めてきた。
「わー、サンドイッチサンドイッチ♪」
と最初にハムとチーズを挟んだサンドイッチに手を出した息子、続いてクリームコロッケとおにぎりに手を出して麦茶がぶがぶ飲みながら楽しそうにあれこれ食べていた。

我が家の三段重、ちょっと小ぶりなサイズではあったけれど、購入した当初は「親子3人で3段重のお弁当は平らげないだろう、普通……」と思っていた。なのに、困ったことに早くも三段重に「これくらい持っていきたい」という弁当全てを詰めこめない状況になってきた。おにぎりも詰めちゃったらおかずを詰められる量が足りなくなってしまうので、竹の皮でくるんだおにぎりを別添にして、それでやっとバランスがとれる感じ。今日もいなり寿司を2個ほど残しただけで、重箱はほとんど空になってしまった。

午後の最初の種目でダンスをする息子は、それ用のポンポンのついた衣装に着替えて、すっかり空になっていた彼用の水筒に麦茶を詰め直してもらい、意気揚揚と自分の席に引き上げていった。

お弁当の残りいろいろ
マルチャンの沖縄そば
ビール(モルツ)・麦茶

運動会も無事に終わって、そしてだんなも私も疲労でヨレヨレ。帰るなりベッドに転がって、日が暮れるまで寝てしまった。昨日のジムでの筋肉痛もピークに達したようで、もうなんにもしたくないー動けないー。

で、台所に、まだまだコロッケや唐揚げやいなり寿司など、重箱に詰めきれなかった今日のお弁当料理があれこれ残っていたので、それで簡単に夕飯にしてしまうことにした。サラダも残っているしねと手持ちの料理を全部テーブルに並べ、汁物の代わりにだんなが沖縄で買ってきた「マルチャン」の沖縄そばカップ麺ミニサイズを。

クリームコロッケは全部お弁当で持って行っちゃったので、夕食には登場しなかった。
「クリームコロッケは……もうないのか……」
と、ピンポン玉サイズのコロッケが9個できたうちの5個を口にしたにも関わらず(だんなが2個と1/2個、私は1個と1/2個……)、息子はすごく不満そうだった。……そんなに好きでしたか、クリームコロッケ。また作ってあげたいけど、あれはほんとのほんとに大変なのよねぇ。缶詰のホワイトソースを買ってきてしまえばらくちんだけれど、自家製のミルクミルクした味のホワイトソースがやっぱり美味しい気がするし。

9月18日 日曜日
ラムのタリアータ。……もうちょっとレアっぽくしたかったー。
ハムチーズサンド山盛
アイスカフェオレ
カスピ海ヨーグルト バナナ&はちみつ入り

もうブームが去って「何を今更」という感じなのだけれど、カスピ海ヨーグルトというのを先日から作っている。「このタネは、けっこう美味しいんです」とお裾分けしてもらったそのカスピ海ヨーグルト。大さじ1を500ccの牛乳に軽く混ぜ、夜に混ぜて常温で一晩おけば、翌朝にはヨーグルトになっているとか。いただいたそのタネはとろりと柔らかく、でも粘りも強めに感じられる舌触りの良いもので、酸味もまろやか。確かにこれは美味しいかもー、と、いただいたその日に早速500ccの牛乳パック買ってきて作ってみた。

牛乳を普通に一晩置いておけば見事な「腐った牛乳」になるところ間違いないものを、乳酸菌の効果で食することが可能な「ヨーグルト」になってしまうのだから、何やらすごい化学変化が起こっているのだなぁと色々と感慨深い。理屈ではわかったけれど、なんだか信じられなくて、どきどきしながら一晩牛乳を放置してみた。翌朝、とんでもない匂いになっていたらどうしましょう、とか。

……で、できあがったヨーグルトは確かにそのタネと同じ味のヨーグルト。一晩たったところで冷蔵庫に移してしっかり冷やしたところ、とろ〜んねろ〜んと滑らかな良い具合の正真正銘ヨーグルトなものになった。うまく永久循環できれば(できたヨーグルトを使って、また次のヨーグルトを作成、そしてまたそのヨーグルトで……と)もうしばらくヨーグルトを買わなくて済むということになるけれど、うまくいくかしら。料理にもバンバン使って、朝食にもこれから出すようにしてみよう。

そのヨーグルト、今朝さっそく熟したバナナとはちみつを添えて食べてみた。とんがった酸味がなく、ゼラチンで固めたような不自然な固さもない、牛乳の味が色濃く残った、期待以上に美味しいヨーグルト。

そしてメインの朝食は、ハムチーズサンド。昨日の運動会弁当のそれがいたく息子に気に入られてしまったので、今朝も作ってやることになっていた。昨日は他のおかずやおにぎりも色々あるということで分量少なめに作ったのだけれど、それがちょっと不満だったらしい。

今朝は10枚のサンドイッチ用食パン使って、これでもかとハムチーズサンドだけを山盛に用意してやった。なんてことない、パンにマーガリン薄く塗って、ロースハムとスライスチーズ(あの1枚ずつビニールで巻かれた真四角の薄いやつ、とろけないタイプの)を挟んだだけ。それがもうたいそう美味しいのだそうで、今日も息子はすごい勢いでそのサンドイッチを食べていた。うん、けっこう美味しいよね、確かにね。もぐもぐもぐ。

「高円寺ナイルカレー」のポークカレー
ゆで卵・コーン・チーズ

今日は一日、気合いを入れてだらだらしていた。先週あたりに届いて全然開いていなかった通販カタログを舐めるように見て、靴を注文したりこたつ布団を注文したり。借りてきたは良いけれど読んでいなかった図書館の本も開き、ベッドの上をあっちにごろごろこっちにごろごろしながらやっと秋らしくなった涼しい風が窓から入ってくるのを感じながらだらだらを満喫した。はー、やっとベランダの土いじりとかできそうな気温になってきたよー。

「昼御飯、焼きそばでも作ろうか。……豚肉買ってくるよ」
と、昼御飯はだんながやる気をみなぎらせてくれていたので、「おまかせしますー」とスーパーに出かけて行こうとするだんなを見送ったところ、そのすぐ後に窓の外から
「あ!やっぱ、カレーにしない?ナイルのカレー」
と声をかけられた。突然カレーが恋しくなったらしく、私も異議があろうはずもなく、タッパーを渡して進路をカレー屋さんに変更してもらう。数十分後に、タッパーにたぷたぷ入ったカレールーがだんなと一緒に帰ってきた。

何度も何度も足を向けていて、「地元にこんなカレー屋さんがあって幸せだ」と常々ありがたく思っている「高円寺ナイルカレー」というお店。カレーメニューはテイクアウトが可能で、タッパー持っていけばそこにルーだけ(1人分420円)じょぼじょぼ入れてもらったりもできる。めちゃめちゃ手間かかってそうなのに、1人分のルーが400円だなんて、密かにめちゃめちゃお得なテイクアウト価格なのだった。

じゃあ御飯用意しましょ、ゆで卵も作っておきましょ、ついでに昨日のお弁当作成で余ったコーンを小皿に出して、だったらチーズもいるかしら……と、ばたばたと皿やら何やらを準備して、ルーの帰宅を待っていた私。

「あはは、"いつもありがとうございます"ってマスターに言われちゃった。ちょっとおまけしておきました、って」
いつも親子3人で行っているのをご存じで、「親子3人で食べるんだけど、3人分いただくほどの量じゃないのよね」というこちらの事情も筒抜けだったのか、タッパーの中には親子3人でいただいてちょうどぴったりくらいの分量のルーが詰まっていた。ルーにごろごろと入る大きな豚肉の分量は心なしか……いや、あからさまに、多い。ありがたくありがたく、たったの840円で済んじゃったお昼御飯を満喫した。

自分の家の食卓で見ても、とてつもなく黒々とした色合いのカレー。一体どうしてこんなに黒くなっちゃったのか、でも焦げたような味はなくて、野菜がベースの優しい味が漂う。辛くもなくスパイシーでもなく、本当に謎めいたカレーなのだった。このお店(と、あともう1軒のカレー屋さんShibaと、そして愛してやまない中華定食屋さん太閤園と、チャリ圏内にある回転寿司屋銚子丸……)がある限り、なかなかこの街からは引っ越しできそうにないぞ、という。

ラムもも肉のタリアータ
レタスと玉ねぎ、きゅうりのサラダ
だんな特製 キャベツとアンチョビのスパゲティ
ビール(モルツ)・麦茶

「そろそろ食べなきゃ」と思っていた、ラムのでっかいもも肉の塊。氷温室でほぼカチカチに固まっていたその肉(コストコで買ってきた。1kgでたったの880円……)を、調理することに。あんまり巨大なので、半分は塩胡椒、カレー粉とヨーグルトを揉み込んでジップロックに突っ込んでおいた。明日か明後日あたりカレーにしてみるかな。

「ただ焼く」とか「ハーブパン粉で焼く」とか色々考えて、「たたき」のようにすることにした。フライパンにバター溶かして熱し、弱火に落としたところに肉入れて、じくじくとそのバターをかけながら両面を10分ほどかけて焼き、一度休ませてから強火にかけたフライパンで焼き色をつけるようにもう一度焼く。またちょっと休ませてスライスすると、赤い肉汁がばたばたこぼれることのない素敵なタリアータに……というのは、Tさんに教えてもらった方法だ。教えてもらったのそのレシピはラムチョップを使ったものだったと記憶しているけれど、応用できるかな?と試してみた。

表面をしっとりと、そして焼いている面だけじゃなく全面からじわじわ熱が通るようにと熱いバターをせっせとまわしかけ、休ませてまた焼いて、休ませて。かなり厚みのあるブロック肉だったので心持ち長めに最初の段階で火を通したところ、できあがりは理想よりほんの少しウェルダンになってしまった。もうちょっとバラ色の、でも肉色じゃない仕上がりが望ましかったのだけれど、でも中までガチガチに火が通った風でもなかったのでとりあえず優・良・可・不可の「可」くらい(Bプラスくらい?)もらってもいいかしら……と思いたい。

「おゆきさんが肉焼いてくれるなら、じゃあ俺はスパゲティでも茹でよう」
と、だんなはキャベツとアンチョビ入りのアーリオオーリオスパゲティを作ってくれた。野菜っ気が足りないねと山盛のサラダも準備し、ベランダで初夏から育てていて収穫できたちっこい黄色のミニトマトも散らしてみる。

アーリオオーリオスパゲティは難しい。オイルと塩で味を決めるパスタはトマトソースやクリームソースよりも本当に難しくて、私は滅多に作ることがない(美味しくできる自信がほとんどないから……)。今日のは、とてもとても美味しかった。オイル多すぎでベタベタすることもなく、でも変にパサパサもしてなくて、アンチョビ入りで難しいはずなのに塩加減もばっちり。柔らかく茹でたキャベツがアンチョビの塩味とよく馴染んでいて、「ラムがメインでスパゲティが添え物」な献立のはずだったのに、なんだか「スパゲティがメインで、焼いた肉をそれに添えました」みたいなことになった。微妙に悔しい私。