食欲魔人日記 06年1月 第1週
1月1日 日曜日
今年は超正統派おせち!最高〜!!
お雑煮(秋田風)

「弁いち」のおせち料理
日本酒(菊水 熟成吟醸 生原酒)

「あけましておめでとうございまーすー」
「おめでとうございまーすー」
パジャマ姿ながら、ちゃんと家族で正座して挨拶して、2006年の年明け。
昨日は家族全員夜更かししていたので、今日も起床は10時近くだった。

今年は元旦におせち料理が届くことになっている。
昨年の春、ひょんな事から縁ができて、ホームページ作成のお手伝いをするようになった浜松の割烹料理屋さん「弁いち」。元々できあがっていたサイトのデザインはそのままに、整理しきれていなかった「おすすめのお酒」のデータの整理とか、1999年から続いている「板前日記」(←美味しいもの好きにはたまらない素晴らしい日記です、大好き)のブログ化の作業などをさせていただいたのだった。

浜松の老舗のお店ゆえ、お節料理も長らく地元だけを相手に、年末になってから仕込みを始めて31日にお店渡しというスタイルを続けてきたのだそうだ。「お節の案内を」と連絡いただいて、ホームページの編集作業をして、「通販はなさらないのですかー?」と更新報告と共にお返事してみたところ、「それも実は考えていて」と。もし良かったら試金石として今年送らせていただけませんか?と有り難〜いお申し出をいただいちゃったのだった。これまでのスタイルは崩せないから、発送は31日、ゆえに到着は元旦当日。ちゃんと元旦の午前中に届くものなのか、重箱の中が崩れずにちゃんと届くものなのか……と、きっちりレポート差し上げるのと引き替えに、お節をいただくことになったのだった。ばんざーいばんざーいばんざーい。今年はちょうど、「ものっすごくスタンダードな、数の子とか黒豆とか入った和風のお節が食べたい……」と思っていたところだったので、渡りに船というか、渡りにジェット機というか、願ったり叶ったりというか、もうサイコーというか。

今年の元旦は特に用事も入れておらず(毎年恒例の「だんなの祖母宅訪問」は2日ということになっていたし)、
「ま、今日中に届くくらいの感じなら問題ないだろうし」
「だらだら待てるしね」
と、とりあえずはお雑煮つついてお節の到着を待つ。

我が家の雑煮は、母の郷里の秋田は角館あたりでよく食べられているスタイルのもの。要するに「きりたんぽ鍋味」で、ごぼうと鶏肉と舞茸が入る。あとは人参、かまぼこ、ぜんまい、芹など適当に。今回はかまぼこだけを追加した。あと、仕上げに三つ葉。鰹と昆布のだし汁に醤油と酒と塩で調味して、焼き餅を入れる。肉っ気がほどよくあって、こっくりと美味しいお雑煮だ。だんなも「この味が大好き〜」と言ってくれるので、我が家の雑煮はこの形に定着した。東京風も傾向は同じなのだけれど、舞茸とごぼうは抜きで小松菜や海老が入るのよね。

そんな雑煮を食べ終わったところで、お節料理が無事に到着。時刻は10時50分。予定どおりにばっちり届いて、
「わーい、じゃあ、食べよう食べよう♪」
「酒だ酒だ!」
と酒瓶持ち出してしばらくだんなとお節つまみつつ飲んだくれた。

こういうお節は本当に久しぶり。丹念に仕事された内容だというのは重々存じているものだったので、どれもこれも安心していただくことができた。でも、期待以上に美味しいお節。味がしっかり煮含められた黒豆も完璧な煮上がりで、綺麗に白く炊きあげた手毬麩もいかにも美しい。牛肉を甘っ辛く煮付けたものに、ふくふくした椎茸に、絶妙の味の穴子牛蒡巻き。海老に伊達巻きに鶏団子に田作りに……と、重箱の隅々まで緊張感のある品々がきっちり収められていた。

お供のお酒は、菊水の1年熟成生原酒。こってりと舌に残る甘くふくよかな強い日本酒で、すんばらしく好みな味だった。重箱の中に両面こんがり焼き色をつけた薄切りのカラスミがあって、それを少しだけ囓ってお酒飲んで。
カラスミは、もちろんお店の自家製。良い素材を使っているんだろうなぁと感じさせる深〜い味のカラスミで、その小さな1切れと酒でもう笑いが止まらなくなった。
「あはっあはっ、カラスミ旨いよー酒も旨いよー」
と、ニヘラニヘラしながら昼酒。お正月サイコー。

だんなの実家にて
 海鮮おせち
 おでん
 ローストビール
 日本酒

午後遅くなって、だんなの実家に新年のご挨拶。ご挨拶だけで帰るはずが、「お夕飯も食べていきなさいよー」と、遠慮なくゴチになってしまうことになった。お義父さんは酒の相手を手ぐすねひいて待っていたようだし、卓上にはこれまた旨そうな北海道の海鮮おせちが!!

こちらのおせちは、鮭の飯寿司とか、わさび数の子とか、筋子とか、塩辛のようなものとか、白身魚の西京焼きに鮭の焼いたのにチーズを混ぜた内子のテリーヌ状のものとか。甘さ控えめの黒豆に田作りにと基本的なものも含めつつ変わったものも色々あって、何より「酒の肴」っぽいのがたっぷりあった。だんなの実家は挨拶だけでおいとまして近くの神社に初詣して帰る予定が、初詣抜きの単なる飲んだくれな元旦の午後になった。

で、「酒飲みグループ」と「not酒飲みグループ」に席が漠然と別れての宴会。お義父さん、私、だんな、義妹の4人が飲んだくれグループ、義弟夫妻とお義母さんがnot飲んだくれグループ。息子は当然notグループで、私たちがまだまだまだまだ酒瓶を離さない中、義弟夫妻やお義母さんが息子と一緒にカードゲームやってくれていたりした。

卓上には、ぐつぐつ煮えるおでんもたっぷり。「鎌倉山」のローストビーフもたっぷり。滅多に食べられないご馳走をこれでもかーっといただいて、のんびり帰ってきた。
「まだ、お酒あるよ?越乃寒梅とかあるよ?」 と最後まで御機嫌だったお義父さんはすっぱり酔っぱらい。そして私も酔っぱらい……。

1月2日 月曜日
比内地鶏のラーメン。美味しかった〜
お節料理続き
お義母さんの赤米おこわ
鶏肉とごぼうと舞茸の吸い物
日本酒(菊水 熟成吟醸 生原酒)

今日も朝から飲んだくれ。
「まだ美味しいお酒残ってるしね」
「おせちもあるしね」
「とりあえず、飲みましょう〜」
と、あれこれ引っ張り出してテーブルに並べる。今日は餅の代わりに、お義母さんが昨日持たせてくれた赤米おこわを温めて、雑煮用の吸い物は吸い物としていただくことに。

菊水の濃厚な生原酒は今日もしみじみ美味しくて、濃いめの味に調えられたお節と合う合う。昨日はなんだかもったいなくて食べられなかった鶏団子をつつき、ほっこり炊けているくわいをつつき。花のように綺麗に飾り切りされたオレンジ色の物体を何だろうと持ち上げてみれば、それは金柑。金柑の甘煮はお節料理のメジャーな品の一つだけれど、たいてい色は綺麗だけれどどこか無愛想にゴロリと丸丸したものが詰められている事が多い。こういう小さな細工ひとつひとつが素晴らしいなぁと感じ入りながら可愛い金柑をつつき、じゅわ〜っと煮汁と肉汁が染み出てくる美味しい肉団子を囓り、今日もピシーッと皮に皺も寄らずに綺麗に光っている黒豆に箸が止まらなくなった。

普段から仕出しのお弁当なども手がけている割烹料理屋さんならではの、盛りつけの隅々、味の隅々まで緊張感のあるお節料理で、でも食べる人にまで緊張を強いない温かさにも溢れているのがとっても素敵。きっとお店でいただく料理や雰囲気もこんな感じなのだろう。
「行かなくちゃ行かなくちゃ、お店のある浜松に行ってみなくちゃ」
と、板前さんと繋がりのある友人同士でずっときゃあきゃあ言い続けているのだけれど、これは本気で計画を立てなくちゃ。お酒の品揃えもすんばらしいと聞いているし、豪遊できるようにちゃんとお金を貯めておこう……。

おばあちゃん家で
 お節料理
 野菜のかき揚げ
 タコのお刺身・かまぼこ
 生ハムとテリーヌ
 お赤飯・いなり寿司・かんぴょう巻き
 ビール・お茶・コーヒー
 お菓子いろいろ

今日はだんなのおばあちゃんの家に年始の御挨拶。義妹と合流して、新宿経由で保谷のおばあちゃん宅に向かった。1月2日といえばデパートの初売りの日で、「どうせ新宿通るんだったら福袋の1個くらいは買えるかしら?」と小田急デパートに寄り道。もう12時近い時間ではあったけれど、子供服の福袋くらいはあるかしらとの期待は見事に覆された。下着とパジャマの福袋くらいしか残ってない……。

それでも地下食料品売り場の福袋はある程度残っていて、おばあちゃん宅には「とらや」の羊羹を、我が家用には麻布の「ラ・ピラミッド」のお得な2000円菓子詰め合わせセットと購入。いそいそとおばあちゃん宅に向かった。義妹と義弟夫妻も同席して、わいわいと非常に賑やかな数時間。

毎度毎度、孫たちがやってくるとなると山のような料理をこさえて待っていてくれるおばあちゃん。今回炊いたお赤飯は2升だったそうで、皆にたっぷりお土産お赤飯も持たせてくれた。更に山のようないなり寿司と、ふっといかんぴょう巻き、にんじんどっさりのかき揚げ。柔らかいタコのお刺身に、生ハムに、田作りにかまぼこ、きんぴらごぼう。
「さぁさ、まずはおあがんなさいよ」
と勧められ、孫と曾孫がしばらくの間食卓に群がっていた。

おばあちゃんの作る料理は相変わらず美味しくて、味の染みたきんぴらごぼうも、ほっこほこのお赤飯も、以前と変わりない懐かしい味。黒酢を使ったのだというかんぴょう巻きも美味しかった。
賑やかな孫たちに囲まれておばあちゃんはとても楽しそうで、8人で興じたUNOに大盛りあがり。ああ、来て良かったなぁと。顔を合わせれば
「由紀さん、一人っ子は可愛そうだよ、もう一人作らなきゃー」
とか何とか、ぜ〜ったいお説教されるので(義弟の結婚式でも言われちゃったよ……とほほ……)、それが毎回少なからずの心の重荷に思えてしまったりもするのだけれど、でもおばあちゃんの笑顔を見るのは嬉しいことで。もっと頻繁に遊びに来てあげなきゃなと今回も思いつつ夕方帰路についたのだった。

新宿 小田急デパート 秋田物産展会場にて
 比内地鶏ラーメン \551

帰りも再び新宿に出て、ヨドバシカメラをぷらっと歩き、新春セール品のDVDドライブ(データ書き込めるタイプのが7000円〜!)を衝動買いし、小田急デパートで開催中の秋田物産展をぷらぷら。わーいいぶりがっこだー、わーい曲げわっぱだ樺細工だーと母の郷里の品々を見て歩き、何杯か試飲を重ねて日本酒を数本購入。大好きな「ハタハタ寿司」も買ってきた。秋田の正月では絶対食卓にあがる「ハタハタ寿司」、でも東京じゃまず見かけない。ハタハタ自体をあまり見かけない。

「ハタハタ寿司」(こんなの)は、"なれ寿司"の一種。米や麹、野菜と一緒にハタハタを漬けたもの。なれ寿司特有の臭さがあるけれど、あの独特の甘酸っぱさが私は大好き〜。久しぶりにハタハタ寿司を見ることができてうずうずしてしまったのだった。

で、そぞろ歩いて小腹が空いたので、物産展の一角にあった特設ブースでラーメンを一杯。
会場内では比内地鶏も売られていたのだけれど、ガラ1羽分でさえ400円という大変な値段になっていて(正肉の値段は推して知るべし、というやつで……)、購入を断念。その代わりにというわけじゃないけれど、「比内地鶏ラーメン」なるものをいただいてみた。透明な鶏スープに縮れのない麺。比内地鶏を使ったものと思われるチャーシューと、卵。あとは青菜とメンマと葱というシンプルなラーメンだった。

秋田でラーメンというのはあまり聞かないのだけれど(母の郷里に遊びに行って「あスこのラーメン屋、まンズ、うめェな」なんて話題にはなった事がない……)、この比内地鶏ラーメンはなかなか美味しかった。混じりけのない鶏の味。すっきりしていて「小腹がすいたので一杯」にちょうど良い味だった。息子とだんなは醤油味のラーメンで、こちらもすっきりタイプの優しい味。

1月3日 火曜日
初ハンバーガーはボリュームたっぷり
お節料理ファイナル
鶏肉とごぼうと舞茸の吸い物
おばあちゃんのお赤飯
おばあちゃんのきんぴらごぼう
日本酒(菊水 熟成吟醸 生原酒)

正月も3日目、お節料理も残りほんのわずか。ちびちび飲んでいた日本酒も残りわずか。
「でも、今日はお買い物に行きますしね」
「パパッと軽く食べてパパッとお出かけしますかね」
と、残りわずかなあれこれと軽くつまむ朝御飯。昨日おばあちゃん家でもらってきたお赤飯ときんぴらごぼうがあったので、それも少しだけ食べた。

最後まで大切に残しつつ食べていた黒豆を最後につまんで、美味しかったお節料理が空になった。うー、鍋一杯食べたかったな、この黒豆。本当に美味しかった。

幕張 「OUTBACK」にて
 オージー・チーズ・フライ \987
 マッド・マックス \1039
 生ビール(キリン ペールエール) \682
  

今日は幕張のアウトレットモールにお出かけ。ここは元旦から初売りが始まっているし、福袋なんてほとんど残っていないだろうけれど、それとは別に色々セール品があるようだし、覗いてみようかと。

さすがお正月のセール、どれもこれもが安い安い。予定の範囲内だった息子の服も買ったけれど、予定の範囲外だった息子のスキーウェアも買うことになってしまった。黒白の渋いカラーリングの4000円ちょいのスキーウェア。スキーはいつか行こうねと言っていたのだけれど、いよいよウェアまで買ってしまい、続いてPHENIXのアウトレットでスキー用の手袋と帽子も購入。息子はいつでもスキーに行ける状態になった。

息子の服やらだんなの靴やら、私の好みの雑貨やらをあれこれ購入し、
「あとは3時にタイムサービスセールがあるらしいよー」
「じゃ、とりあえず飯喰って、またモールに戻ってこようか」
と、モールを脱出。「そろそろ肉喰いたい」な気分が爆発しているところだったのでOUTBACKに行ってがっつりとハンバーガーを食べてきた。

OUTBACKのハンバーガー「マッド・マックス」は1000円という価格で素晴らしいボリューム。初めて食べたのだけれど、こりゃいいやとだんなも私も大喜びだった。でっかいバンズにでっかいハンバーグ、大量の刻みレタスと、"×1.5モスバーガー"ほどの厚切りトマト、そしてチーズとカリカリベーコンが3枚。デフォルトの添え物はフライドポテトだったのだけれど、他のサイドディッシュ2種類にも変更可能ということで、焼き野菜やコールスローサラダに変更してもらった。

その代わりに、「オージー・チーズ・フライ」という前菜を追加注文。フライドポテトにカリカリベーコンと玉ねぎをトッピングのうえ、チーズ2種類(チェダーとモントレージャック)をかけてオーブン焼きにしたという大変危険なカロリーの塊な食べ物で、でもこの危険な食べ物を私もだんなも(そして息子も)大好きなのだった。ベーコン乗せチーズ乗せの山盛りのフライドポテトをつまみに、生ビールを昼から飲み飲み。

「……でも、ひとつ誤算があったね」
「ちょーっと、ハンバーガーのボリュームがたっぷりだったわ」
途中から笑えなくなるほど腹一杯になっちゃった私はハンバーガーの手伝いをだんなに頼みつつ、でも野菜はちゃんと平らげた。幕張店は週末のみ昼営業があるのだけれど、このお店でのランチハンバーガーはとても幸せかもしれない。今年の初ハンバーガーは超満足〜。

だんな特製 「キムチでやせる」の焼きそば
ビール(モルツ)

夕方帰宅後、いきなり「掃除&片づけ」のスイッチが全開になっちゃった私。買ってきたアジア雑貨屋の福袋の中身を綺麗に片づけなきゃと思ったことから始まった片づけは、本棚の大々的な整理にまで及んじゃって、家中をゴミ袋片手に掃除機を転がす展開になってしまった。ああ、ここ数日のだらだら生活でこたつの周囲が「巣」のようになっているよー。

この1年で溜まった山のような本と漫画を何とかしなきゃと格闘しているうちに、いつの間にか午後7時。だんなが「キムチでやせる」の焼きそばを炒めてくれた。豚バラ肉と白菜がたっぷりの、じわ〜っとピリ辛味の太麺焼きそば。ビール1杯飲んで焼きそばつるつるっと食べて、そして整理途中の本の山が残った。……明日続きをしなきゃ……。

1月4日 水曜日
シメのお茶漬けが何気に楽しみな、串揚げバイキング
おばあちゃんのお赤飯&きんぴらごぼう
ほうじ茶

息子、今日と明日がまだ冬休み。だんなもそれに合わせて今日と明日に休暇を取っているので、まだまだ我が家は休暇気分。特にこれという外出の予定もないので、三が日以上にだらだらとした2日間を過ごすことになっている。……いや、息子は「冬休み中に漢字の修行をする!」と宣言していて未だ修行の道に入っていないので、そろそろお尻を叩いてやらねば。

ともあれ、だらだら気分が抜け切らぬまま、朝御飯もありもので。おばあちゃんのお赤飯がまだまだ残っているので、それを温めて、きんぴらごぼうと一緒に食卓へ。おばあちゃん家でも孫や曾孫が何人も寄ってたかってもりもりと食べたお赤飯、いただいてきたお赤飯は2合以上もあって、それも我が家だけじゃなく義弟夫婦やだんなの実家などにも分けられているはずで、「2升炊いた」というのは掛け値なしの数字だったのだなぁとびっくりした。

私はお赤飯が大好物なのだけれど(おこわ屋さんで買い物する事があると、7割以上の確率で赤飯を選択しちゃう……)、未だ自分で炊いたことがない。ちゃんと蒸し器で作ってみたいのだけれど、我が家の蒸し器は少々小ぶりで、これで果たしてちゃんと蒸せるのかどうかが少々不安。とりあえず失敗覚悟で一回作ってみるべきよね。雛祭りの時期あたりにチャレンジかしらん。

「松屋」の豚丼
麦茶

ここ数日のだらだら気分を払拭すべく、だんなはスポーツジムへ、私は家中の掃除を。こたつを除けて敷物も綺麗に掃除機をかけ、正月に撮り溜めた番組をDVDにせっせと焼いてみたり。「力尽きた〜!」と本の整理半ばでベッドに倒れ伏していたところ、運動を終えただんなが松屋の豚丼を買ってきてくれた。いかにも運動終了後に体が欲しそうな、炭水化物と蛋白質と脂(と、あと玉ねぎ)で構成されたお昼御飯。私もそれなりに家の中でばったばたと動き回っていたので、この手のものは確かにすんごく恋しかった。

「おゆきさんと俺の分は"つゆだく"にしてもらったよー」
の声にうむうむと頷きつつ、豚丼ランチ。だんな曰く、「豚丼だったら吉野家より松屋が美味しい」のだそうで、なるほどなぁと思いつつ、ヒラヒラ三枚肉をもぐもぐ食べた。私はどっちの豚丼もそれぞれ好きかな。

千葉 「串家物語」にて
 串揚げ食べ放題90分 \2,625
 飲み放題90分 \1,050

「おせちに飽きたらカレーでしょ」という格言(?)もあることだし、そろそろカレーを!……と、野菜やお肉を揃えていたのだけれど、夕方になってだんながぽつりと
「……串揚げ?」
とか言い出した。「くしあげ!?!?いくーーーー!!!」と、息子の眼もキラキラーンと輝いちゃって、もう他の選択肢はありえない感じ。私は昼の豚丼がけっこう胃に残っていて「すごく空腹」というわけじゃなかったのだけれど、そう無理にあれこれ食べる必要もないしねと千葉駅近くの串揚げバイキングのお店に向かった。揚げドーナツや揚げミニオムライスといったイロモノメニューをはじめ、サラダもデザートもあれこれ揃っている「串家物語」は、昨年末に一度来てからすっかりお気に入りになったお店。秋田から上京した母も試しに連れて行ってみたところ、母にもめちゃめちゃツボらしかった。

まずはテーブルにずらりと甘口・辛口・チーズ・柚子・ポン酢・おろし醤油の各タレを小鉢にとってきて並べる。にんにく風味の塩ダレで揉んだ「やみつききゅうり」も小鉢に入れて、サラダを1山。んで、いざいざと適当にお酒をお代わりしつつ、冷蔵ケースにずらりと並べられた串揚げのネタを取ってきてひたすらに揚げまくる。今日は肉や魚より野菜を多めに摂るように心がけつつ、かぼちゃやししとう、玉ねぎや蓮根やエリンギなどをばくばくと食べた。卓上には練り衣と細かなパン粉が置かれていてそれらを絡めつつ揚げるのだけれど、ベーコンやししとうは案外素揚げの方が美味しかったり。

「茄子は何つけようかなー……ポン酢かな」
「……ラムに大根おろしがねぇ、案外似合って……」
などと言いつつ、いつのまにか串入れには66本も食後の串が突っ込まれていた。

さりげなく嬉しいのが、お茶漬けコーナー。お茶漬け用のだし汁が入ったポットと炊飯器が並べられ、お茶漬け海苔の他、焼き鮭やおかか、胡麻、昆布、柴漬けなどの小皿が並べられている。ビール飲んでサワー飲んでカクテル飲んで軽くふらついた頭で
「えへ……鮭たっぷり……おかかもいれちゃえ……」
とか言いながら適当に作って持ってくるお茶漬けが何気に美味しくて、今日もシメにさらさらっといただいた。

デザートにはタピオカココナッツミルクとか、フルーチェとかきなこと黒蜜かけて食べるお団子とか、ソフトクリームとか、これまた女子供の心を掴んで離さないアイテムが色々と。ソフトクリームマシンとエスプレッソメーカーがあるので「アフォガット」が出来ちゃうねと、だんなの心も掴んで離さない模様だ。しかも、揚げて食べる「もちもちドーナツ」が、これまたすこぶる美味で、後で腹の中で膨れちゃって大変なことになるのを自覚しつつ、ついこれも揚げて食べちゃう。

そして今日も家族3人たっぷりお腹一杯になって、ヨレヨレしながら帰宅。
「もうね、このお店ね、おいしさがとまらない〜♪」
と息子は終始御機嫌だった。デザートに食べたいちごヨーグルトはちょっと甘すぎたけど、他は本当に最高のお店なんですって。そんなに好きですか……。

1月5日 木曜日
初虎汁。
稲毛 「虎の穴」にて
 ラーメン(並) \650
 トッピング(煮卵・海苔・コーン)

昨日それほど夜更かしをしていたわけでもないのに、今日は大爆睡。家族揃って10時過ぎまで寝こけてしまい、朝御飯どころじゃなくなってしまった。かろうじて私や息子より早く起きていただんなが洗濯機を回し、コーヒーを淹れて待っていてくれて、それを飲み飲み「朝御飯……じゃなかった、昼御飯、どうしよー」という相談を。だんなも息子もお正月休みは今日までで、平日の昼にあまり行けないところに食べに行こうかという話になった。

で、目指したのが「虎の穴」。我が町が誇る人気のラーメン屋さんで、そのコッテコテキットキトの粘るようなとろみのあるスープは好き嫌いがとても分かれる味だと思う。好きな人は遠方からでも足を伸ばしてやってくるし、「あー、あそこ、濃すぎるのよねー」と嫌がる人の声も聞く。私とだんなは大好きなんだけどなー虎汁(←「虎の穴」のスープは「虎汁」……)。

しばらく食べてなかったしね、週末来ると混雑してるしと、開店直後に足を向けて、だんなは息子と「大」(2玉)を分け合い、私は一人で「並」(1玉)を。間に1.5玉の「中」もあるのだけれど、一見軽めに見える「並」もなかなかの食べ応えがある。海苔と煮卵をトッピングしてもらい、更にコーンは息子と半分こ。無料でつけてくれるモヤシも大盛でいただいたら、大変な分量になった。「並」に大盛モヤシを乗せるとどんぶりから明らかに溢れてしまうので、別の小どんぶりにタレをかけたモヤシがこんもりと盛られてやってくる。麺1玉分くらいあるモヤシをわしわしと食べながら、久しぶりの濃厚こってり味スープを堪能してきた。

ここの海苔の追加トッピングは素晴らしい。岸壁のように、20枚近くも海苔がずらずらずらーっと突っ込まれて大変な事になっている。スープの染みた海苔をバリバリ食べるのは快感なのだけれど、この量はいかにもたっぷりなので、たいてい1人が海苔トッピングをして周囲にふるまうことになる。私のラーメンにこれでもかと刺さった海苔は、息子の小どんぶりに半量くらい引き取ってもらった。コーンも息子と半分こ。

本日数組目のお客だった私たち、カウンターはガラガラだったのに、みるみるうちに満席になって行列ができてしまった。最後まで麺及びスープ及びコーンに取り組んでいた息子と軽くせかしつつ、店を後に。豚骨醤油のスープにコーンというのもよく似合うというのを知って私は嬉しい。

背脂チャッチャ系(?)ポークカレー
もやしのサラダ
ゆで卵・チーズ
福神漬
ビール(モルツ)

「正月後半ときたらカレーですよカレー!」と盛り上がって材料だけ揃えてあったポークカレーを決行。午後3時を過ぎてから仕込みを始めた。

1箱のルーを使う予定で、まずは3個の玉ねぎをせっせと炒めまくる。塩胡椒とカレー粉をよーく揉みこんだ一口サイズの豚バラ肉1本分とにんじん2本分も加えて、これもせっせと炒めてから水1.3リットルを投入。アクを丁寧にひきつつ、ダッチオーブンの蓋をぴっちりと閉めて煮込むこと3時間。最後に玉ねぎ2個とじゃがいも3個を加えて煮くずれない程度に火を通してからルーを溶かして一旦火を止め、食べ際10分前に再び火をつけてできあがり。なんてことない作り方だけれど、これが我が家の作り方。ダッチオーブンでひたすら煮込むのは、豚肉を使うのが一番似合うと思う。

豚肉はその時々によって「カレー・シチュー用」を買ってきてみたり肩ロースを使ってみたりと色々なのだけれど、バラ肉が……美味しい。やっぱり美味しい。美味しすぎる。ヤバイけど。ポイズンだけど。

炒めて煮込んで、しばしその場を離れて1時間半後くらいに蓋開けて様子を見たら、豚肉の一部が早くも煮くずれつつあって、表面に白くふわふわした豚の脂が浮かんでいた。
「……うっわー……背脂チャッチャ系?」
と呟いてしまいつつ、表面に浮いた透明な脂の層はアクと一緒になるべく綺麗に取ってみた。背脂チャッチャはとりあえずそのままに。

「おゆきさんがカレー作るなら、俺はもやしサラダを作ろう」
と、実は玉ねぎを炒めてくれた(いや、炒めの工程は全部やってくれた……)だんなが甘酢味のもやしの和え物も作ってくれた。もう7時になっちゃう7時になっちゃうと慌てながらカレーにトッピングするゆで卵やチーズを小皿に盛って、居間のこたつに運んだ。毎週木曜の7時はポケットモンスターのアニメの放映。「月曜のコナンと木曜のポケモンは特別ね」みたいな事になっていて、テレビ見ながら御飯を食べた。息子は美味しいカレーを前に、でも更に向こうのテレビ画面に釘付け。私とだんなはポークカレーに釘付け。今日のカレーは、いつにも増して美味しかった。適当にありもののルーを2種類半箱ずつ入れたのが良かったのか、もうもうサイコー。背脂チャッチャも良かったのかな。

1月6日 金曜日
今日のカレーは温玉乗せ!
磯辺餅
ほうじ茶

今日からいよいよ息子の学校も始まり、正月気分も終了。だんなは朝も早よからジムに出かけていったので、息子と私とで朝御飯を食べた。

「今日から学校というわけですがー……朝御飯どうする?カレーもあるけど、久しぶりにコーンフレークにしてあげようか?それとも、お餅とか」
餅という選択肢はないだろうなと予想しながら息子に希望を聞いてみると、「んー、おもちがいいなー」という返事が返ってきた。おお、餅ですか。
「んとねー、おしょうゆつけて、海苔まいたのがいい。海苔、たくさん」
とか、渋い事を言っている。きなこでもなくあんこでもなく磯辺がよろしいですかそうですかと、ちょっとびっくりしながら餅を焼いてやった。息子も私も1枚ずつ。

子供の頃に毎年年越しをしていた秋田の従兄弟の家で、従兄弟たちが正月に
・焼いた餅を醤油に浸し、海苔でくるんだ後にマヨネーズをつけて食べていた
・焼いた餅を砂糖:醤油=1:1のタレに浸して食べていた
などという食べ方をしていてすごく驚いた(従兄弟のみならず、叔父や叔母もそうやって食べていたのでなお驚いた)記憶があるのだけれど、我が家における"醤油味の餅"はごくごく普通の磯辺餅。マヨネーズや砂糖は登場の余地がない、
餅焼く→小皿に垂らした醤油をまぶす→海苔を巻く
という、ただただそれだけの磯辺餅だ。

マヨネーズや砂糖も醤油に似合うのよね確かにねと思いつつ、そんな事を思い出しながらも今日も醤油だけをダバダーと小皿に垂らす私だった。

大荷物の息子が元気に登校したのを見送って、私はひと仕事。

「FLO」のチキンマカロニグラタン
茹でブロッコリー・茹でアスパラガスのアンチョビマヨネーズ添え
アイスティー

ひっさしぶりの一人平日。まだ給食が始まっていないから息子が昼前に帰ってくるけど、泳ぐくらいならなんとかできるかなと午前中少しだけスポーツジムに行ってきた。ついのんびりサウナに入っていたら息子の帰宅予定時間ギリギリになっちゃって、慌てて春の七草パック(明日の朝御飯用)とかお昼御飯とかを買って帰宅。中華総菜屋さんのチャーハンかなぁ、それともいなり寿司かおにぎりか、としばし悩んで、「FLO」のチキンマカロニグラタンを買ってきた。

「ただいまー!あのねあのねあのね」
と早速あれこれ話し始める息子の相手をしながら、グラタンをオーブンに放り込んでブロッコリーとアスパラガスを茹でる。温野菜が食べたい気分だったのだけれど、マヨネーズかけるだけじゃ芸がないかなと刻んだアンチョビとオリーブをマヨネーズに混ぜた。

我が家で作るより明らかにこってりと濃厚な口当たりで、「生クリームやチーズがさぞ大量に……」と思ってしまったグラタンは、でも期待以上に美味しくて満足。テーブルの中央に置いた野菜をぱりぽり囓りながらまだどこか正月気分なテレビをつけてしばしだらだらしていた。

月初めということで息子が持ち帰った「今月の献立表」、今月も

麦御飯・ふりかけ・すき焼き風煮・胡麻和え・干し芋・苺・牛乳
わかめ御飯・甘鯛の塩焼き・肉じゃが・グレープフルーツ・牛乳
深川飯・豚汁・おかか和え・苺・牛乳
麦御飯・麻婆丼・シュウマイ・もやしのナムル・みかん・牛乳

などなど、「あー、なんか羨ましいなぁー」的献立が並んでいるのだけれど、その中にひときわ光って見えた献立が。

御飯・漬物・はたはたのカレー揚げ・きりたんぽ汁・みかん・牛乳

おおー、ハタハタ!きりたんぽ!
それって秋田スペシャル献立なんですねそうなんですね、すると当然「漬物」はいぶりがっこ(桜のチップで燻製した沢庵。秋田名物。)なわけですよね?……って、さすがにそんなことはないだろうけれども、でもなんだか嬉しい。きりたんぽ、子供たちが美味しく食べてくれるといいなー……と、東北人と関東人のハーフな私は密かに願う。ちゃんとセリも舞茸も入っているきりたんぽ汁でありますように。

2日目のポークカレー 温玉乗せ
「R1/F」の
 スモークサーモンのディル風味マリネ
 七草入り30品目のサラダ
麦茶

金曜は息子の音楽教室で、それが終わって帰宅すると夕飯はけっこうバタバタ。だから、買い物の用事があるときはそのまま外食して帰ることも度々で、
「……で、今日はどうしようか?家にカレーあるからカレーでいっか。ちょっと買い物してから帰ることになるけど」
と一応息子に意見を聞いてみる。

「あのねぇ……銚子丸行くかー、行かないんだったら家で食べる」
ええー、なにその二択。
じゃあ銚子丸は行かないから家でカレー食べようねと帰ってきた。デパ地下の「R1/F」でサラダ2種類買ってきて、家帰って御飯炊いてその間に温泉卵の準備して。2日目のポークカレーには温玉乗せちゃうもんねとニヤニヤしながら絶妙の黄身トロトロ具合に温泉卵を仕上げてみた。

"とんとろ"系まろ〜んとしたポークカレーに、とろ〜んとした温泉卵はすこぶるお似合い。玉ねぎどっさりの甘酸っぱいサーモンマリネと、200g買ってきたらかなりの大量だった葉野菜のサラダをわしわしと食べまくりながら、とろぷるカレーを堪能した。調子に乗って作っちゃったカレー、まだまだまだまだあるのよね。連休中にちゃんと食べ終われるのかなぁ……。

1月7日 土曜日
中華風七草粥
中華風七草粥
烏龍茶

以前一度作った中華風の七草粥が案外と美味しかったので、今年もそれにしようと昨夜簡単な仕込みをしておいた。1合弱の米に胡麻油をひと垂らしまぶし、数個の干し貝柱と1リットルちょいの水を入れる。その簡単な準備を終えた後は一晩放置しておいた。

あとは火にかけて弱火でことこと30〜40分煮込むだけで中華粥のできあがり。いつもはピータンを入れたり、塩で揉んでおいた薄切り豚肉を入れたり、油条を添えたりするのだけれど、今日は七草で。すずな・すずしろは刻んで軽く火を通し、葉の類は全部刻んで食べ際に混ぜるだけ。アク抜きの湯通しも何もせず、適当に刻んだ七草をすっかり混ぜてからいただいた。

「こんなにできたけど、でもお米は1合も使われてないのよね」
「ぜ〜ったい後でお腹空くのよね」
「いや、どころか、食べるそばからお腹が空くというか……」
お粥は美味しいけど、なにしろ腹持ちが悪い。いかにも「ほとんど水で構成されている」という感じ。……でも、美味しいのよね。

ほのかに苦さが漂う野菜がどっさり入ったお粥を食べて、それじゃあ出かけましょうか。今日は3連休の1日目。

日本橋 COREDO日本橋内 「天ぷら魚新」にて
 菊コース \2800
 ビール(生小)

息子が、「ぼく専用のゆたんぽが欲しいなー」と先日から騒いでいる。ここしばらくのあまりの寒さに我が家唯一の湯たんぽ(←だんながUFOキャッチャーで取ってくれた、「どこでもいっしょ」の湯たんぽ……)を使っているのだけれど、「ぼくのが欲しい、ぼくのだけが欲しい」と。まぁそのうちねー見つけたら買ったげるよーと生返事していたら、
「見つけた。ぼく、検索して、見つけた!」
と、「このページ見てみてー」とノートパソコンの画面を私に向けた。おお、ピカチュウの湯たんぽですか。そりゃいいねぇ。

「……どうやって見つけたの?」
「ぐぐった」
「あー、ググッたのー。へー」
……息子はどんどんGoogleを使いこなすようになってきているらしい。

……で、「ポケモンセンターに売ってるって書いてあるから、行って見てみたい」と息子が言うものだから、お出かけ。どうせ都心に行くならどっかで美味しいもの食べたいねと相談しながら電車に揺られた。
「あー……COREDOにナポリピザのお店あるよ。けっこう美味しかった。どう?」
「……んー、ピザかぁ。……んー、ハヤシライスとかって感じでもないしなぁ」
「でなきゃさ、美味しそうな天ぷら屋さんあったじゃん、同じくCOREDOの中に」
「ああ……天ぷらはいいなぁ、うん、天ぷらはいい」
などなど会話を重ね、結局COREDOの天ぷら屋さんに行ってみようということになった。「天ぷら魚新」というそのお店は六本木で25年続いた天ぷら専門店が六本木から日本橋に移転したものなのだそうで。

カウンターが10席ほどと、4人がけテーブルが2つ。奥には個室もあるらしい。COREDOという小洒落たロケーションながら、お客さんはスーツ姿の男性客グループとか、中年夫婦が多かった。若いカップルもちらちらと。
息子にはミニサイズのかき揚げを乗せた小サイズの天丼を作ってもらい、私とだんなは2800円の「菊コース」を。天ぷらが7品と、お食事(天丼or天ばら丼と味噌汁と漬物、もしくは天茶と漬物)のコースで、更にお高い2つのコースと各種天丼がランチメニューには載っていた。

コースの揚げものは、海老2尾とさつまいも、帆立、蓮根、穴子、ししとう、かき揚げ。最後のかき揚げは丼かお茶漬けにしてもらう。カウンター席で、目の前が揚げ鍋だったもんで、板前さんの手つきをずーっと注視しながら生ビール1杯飲み飲みしつつ続々と揚げられてくる品を待ちかまえてはかぶりついた。
「あー……ミニ玉ねぎと茄子があるよ。食べたくない?」
「うん、食べたい食べたい」
と野菜2品追加してもらってししとうの前に入れてもらい、ン年ぶりの(調べたら7年ぶりくらいだったよー)「カウンターで1つ1つ揚げてもらう天ぷら」を堪能しまくった。

このお店の衣は、ちょっと柔らかめ。水分がかなり抜けたバリッガリッとした衣の天ぷら屋さんのも好きだけれど、このお店のもとても好みだ。薄めについた衣は上品さ漂うシャクシャクとした歯触りで、甘さ控えめな天つゆもとても上品。小鉢に山盛りの大根おろしの他、カレー粉と塩を合わせたもの、櫛切りにしたレモン1かけが小皿に盛られ、卓上には岩塩も置かれている。特に「これは塩でどうぞ〜」などと言われることもなく、
「野菜はけっこうレモンが旨いよね」
「でも茄子にはやっぱり天つゆかな」
とか言いながらもぐもぐもぐ。カレー粉がさりげなく新鮮で美味しくて、穴子や帆立に不思議によく似合っていた。

シメは、私は天茶、だんなは「天ばら」(天つゆなしの、塩で食べる天丼)。青菜の漬物、昆布の佃煮、おかかをまぶしたイワシの佃煮の小皿も添えられて、だし汁じゃなく緑茶でいただく天茶だった。御飯にお茶かけて海苔を散らしただけのものがカウンターにやってきて、そこにすぐさま揚げたてアツアツのかき揚げがポンッとカウンターの向こうから乗せられる。すぐさま蓋をされ、「15秒お待ちください」と。じ〜〜〜っと器を眺めて会話もせずに心のなかできっちり15秒カウントして、天茶をいただいた。きゃ〜〜〜うまし〜〜〜。

私はどちらかというと鰻茶も天茶も、お茶よりだし汁をかけて食べるのが好きなのだけれど、お茶もいい。すっごく、いい。丼の蓋の裏にぴったりつけられていたわさびをちょこちょこかき揚げに添えつつサラサラ食べる天茶はひっさしぶりの味だった。香ばしくて、揚げ物なのにさっぱりしていて、美味しい油のとろんとしたコクとか、海老のぷりぷりとかが御飯とお茶と一緒になって、ほんのり漂うわさびの香り。美味しい美味しい、天茶大好き。

いい気分で食事を終えて、ほんのり酔っぱらった食後。COREDO内の化粧室に立ち寄ったところ、
「あれぇ〜?由紀ちゃん?」
と声をかけられ、なんとそこには従姉妹の姿があった。うわぁ何年ぶり?5年ぶりくらい?あれぇ、そんな近くに勤めてたんだぁと懐かしい会話をして別れた。東京に来て東京に住み、日本橋近辺に勤めているところまでは知っていたけれど、突然の出会いにびっくり。「由紀ちゃんの声だなぁーと思って」と声をかけてくれたのだった。Mちゃん、元気そうで良かったわ。今度一緒に飲みにでも行くかー。

3日目のポークカレー ハンバーグ乗せ
豆苗と玉ねぎのサラダ
ビール

……で、今日の本当の目当てだった「ピカチュウ湯たんぽ」は、売り切れで、「一体何のために来たんだろう」「……天ぷら食べるために来たんじゃないの?」などと言いつつ帰宅。まだまだ残るポークカレー、夕飯は当然ポークカレーよねと、今日はハンバーグトッピングをするべく合い挽き肉を買って帰宅した。

帰宅して、先日見られなくて録画しておいた古畑任三郎スペシャルの2夜目のをだんなと一緒に見る。1夜も3夜も悪くなかったけど(どこかキレた役がやたらと上手い藤原竜也が超好み)、イチローの演技もなかなかだった。イチローかっこいい、イチローうまい、イチロー役者でもやってけると呟きながらドラマを見た後、
「じゃあ、とりあえず御飯の準備をしよう……吸水させなきゃ」
「じゃあ俺はハンバーグの仕込みをしよう」
と、一見2人で料理しているように見えつつ、私は無洗米を計量して羽釜に入れて水をラインまで注ぐだけという単純作業で居間に戻る。だんなは冷たい挽肉をこねこねして、卵やら何やら入れてハンバーグの成形をしてくれた。ついでに焼くのもやってくれた。

私は米を炊くのだけというのではなんだかあんまりだわと、サラダの用意も。豆苗刻んで玉ねぎ薄切りにして混ぜただけの簡単サラダを用意して、市販のドレッシングを用意しただけの、これまた簡単な作業……。
それでも3日目にこなれた味のカレーが御馳走になってくれて、ころりと丸いだんな特製ハンバーグも美味しかった。息子が
「カレーうどんにするの?カレーうどんには、いつするの?」
とか言っているから、残り1人前ほどのカレーはカレーうどんになることだろう。

1月8日 日曜日
茶漬けに萌える今日この頃
ロイヤルミルクティーベーグル with クリームチーズ
カフェオレ

世の中にまだまだまだまだベーグルの存在が知られていなかった頃、もう10年以上も前、パソコン通信のオフ会で、その名も「ベーグル」さんというハンドル名の人が、「ベーグルって知ってる知ってる?美味しいんだよー」とベーグルをふるまってくれたことがあった。当時の私はベーグルの美味しさがいまいちピンと来なくて、「もちもちしてはいるけど……固くて粉っぽくてよくわからないパンだなぁ……」などという失礼な感想を持ち、その後何度か機会があって口にしたベーグルも巡り合わせが悪いのかいまいち美味しいものと思えなかったまま、つい最近まで至っていた。

……で、何ヶ月か前に友人お手製のベーグルを口にして、目から鱗がどさどさ。半分に割って軽く温めて食べたベーグルはほのかに甘くてもっちもちでふわっふわで粉の良い香りが漂ってきて、ほんっとーに美味しかった。で、あっさりとベーグルに開眼。どうせだったらベーグル本場のアメリカに住んでいる時に開眼していれば何かと良かったのに(ベーグルの材料のひとつの糖蜜、"モラセス"も簡単に入手できたのにねぇ)、タイミングが悪いなぁ自分。

そして金曜日、デパ地下をぷらぷらしていて
「ご試食でーす、どーぞー」
と配っていたBAGEL&BAGELのロイヤルミルクティーベーグル(←月代わりの品なのだそうで)を口にしちゃって、息子と二人大騒ぎ。

「おっかあさん!おいしい!」
「うん、おいしいおいしい!すっごく美味しい!」
「……かっちゃう?」
「……でも、土曜の朝は七草粥なんだよ、そこは外せないんだよ?」
「じゃあ、その次の日の、あさごはん?」
「んー……そうだな、それでいいか、そうしようか」

と、息子と2人きゃあきゃあとベーグルを選んで買ってきた。私は試食したロイヤルミルクティー味、息子は真っ黒な「ココア&ホワイトチョコ」、だんなの分はあれこれ眺めて悩んだあげく、「ボルケーノ」というチーズトッピングのベーグル。ベーグルにクリームチーズは定番の組み合わせということで、売り場には小分けされたクリームチーズも売られていた。トマトバジル風味のクリームチーズとか、ブルーベリー入りクリームチーズとか、種類もいろいろ。クリームチーズが似合うのはだんなのチーズ味くらい……?と思いつつ、でもプレーンなクリームチーズを1パック買ってきた。

朝になって、ベーグルを横両断して、軽くあっためて、カフェオレと一緒に。
……おおー、やっぱり美味しい〜〜〜。
ほのかにミルクの味が漂って、紅茶の香りもぷんぷんで、美味しい〜〜〜。

だんなへのセレクションもばっちりだったようで、だんなは御機嫌にクリームチーズをこてこて塗って食べていた。うん、またベーグル、また今度買ってこよう。金曜の夕方に買える機会があるから、土曜の朝はこれから毎週ベーグル……?

カレーうどん
筑前いなり
アイスウーロン茶

数日前から息子が
「カレーうどんにしないのかなー?」
「カレーうどんは、まだかなー?」
などと頻繁に聞いてくるので、じゃあそろそろカレーうどんに仕立てましょうと1人分ほど残っていたポークカレーをカレーうどんに加工した。

濃厚な鰹だしをとって、それを「3人分のカレーうどんのつゆとして丁度良いくらいの分量」になるように適量カレーの鍋に入れ、塩と醤油と酒と少々の味醂で味を調える。毎回、カレーに加えるだし汁の量は変動するし、そもそものカレーの残り量も毎回違うものなので、毎度濃度はバラバラになる。そこを毎回適当に味を調整して、毎回適当にとろみをつけている。今日はかなりカレー味濃厚なつゆになったので、「ん〜……これは濃厚なとろみをつけた方が似合うかもー」と片栗粉をちょっと多めに溶いてみた。とろんぷるんな濃厚カレーだしのできあがり。ここに冷凍の加ト吉うどんを放り込んで軽く火を通せばカレーうどんのできあがり。

カレーうどんにいなり寿司を合わせたら最高だよね、美味しいよねと、今日の午前中にお買い物に行った折にいなり寿司を買ってきてあったので、それも1人1個うどんどんぶりの脇に添えて。今回のポークカレーはいつにも増して美味しかったけれど、それゆえにかカレーうどんもいつにも増して美味しかった。カレーの味がベースではあるけれど、手抜きせずに鰹だしをちゃんと使うと、それっぽい味になるのよ。

ひつまぶし
肝焼き
スティックきゅうりとマヨネーズ&味噌
燻製比内鶏・かまぼこ・ハタハタ寿司
日本酒(飛良泉 しぼりたて生酒)

どういう話の流れからか、「今日はひつまぶし」ということになった。
だんなから
「おゆきさんは、ほんっとに天茶が好きだねぇ」
と言われ、更に
「おゆきさんは、ほんっとに茶漬けが好きなんだねぇ」
という話になり、
「ならばとことん食べるがよろしい、今日はひつまぶしにしよう」
とかいう事になったような。いぇーい、茶漬けウェルカム。ひつまぶしイズ、ヴェリーウェルカムー。

が、買い物に行った駅ビルにはいまいち手頃な鰻が置かれていなかった。駅ビルはお昼用のいなり寿司を買い、鰻専門店で肝焼きを買っただけで退散し、別のスーパーに鰻を探しに。そこでもやっぱり手頃な鰻はなくて、中国産鰻で妥協することになった。国産は確かになかなか美味しそうだったけれど、いつにも増して高かった……。

高いと言えば、野菜の価格。レタス1玉350円、白菜1/4玉98円、ほうれん草も1束298円。いつもの5割増か2倍かという価格になっていて、大変なことになっている。添え物に何か野菜を買いたかったけれど、万能葱1束298円で「うへぇ〜」となってしまって、とりあえず1本68円のきゅうりを2本ばかり買って帰ってきた。きゅうりも安くはなかったけれど、でも表面がイボイボゴツゴツした非常に良い感じのきゅうり。マヨネーズと味噌を用意して、好みな方をつけながらバリバリと囓った。

鰻はお酒ふってレンジでチンして細かく刻み、御飯と交互にミルフィーユ状に重ねていく。タレもたっぷりめに回しかけていき、全体をざっくり食べてから適宜よそって食べていく。一般的には1杯目はそのまま混ぜ御飯として食べ、2杯目に薬味(海苔と葱とわさび)を添えて食べ、3杯目に薬味と共にだし汁もしくはお茶をかけてお茶漬けとしていただく、となっている。

「んでも、私は、"茶漬け7割"なんだもんねー、茶漬けラブ〜〜♪」
混ぜ御飯はほんの数口、続いて1膳分くらいを薬味乗せで食べて、あとはひたすら2.5膳くらいを茶漬けで食べていた私。今日は昼にたっぷりとだし汁をとっておいたので、それを吸い物の味に調整して、御飯にかけていただいた。もう、この、鰻の味と海苔と葱とわさびの風味が絡む素晴らしさったら!あまー、うまー、香ばしい〜、と悶えながら食べていたら、
「おゆきさん……そんなに茶漬けが好きですか……」
と、だんなにちょっと呆れられた。リゾットもおじやもそれほど大好きってわけじゃないのに、なんで茶漬けはこれほど心に響くんだろうね、自分でも不思議だわ。