食欲魔人日記 06年2月 第2週
2月6日 月曜日
オムレツ……というか、卵焼きというか
「中村屋」のどんこ肉まん
麦茶

そろそろ「豚まん」が恋しい気分。我が家における「豚まんナンバー1」は不動の「551蓬莱」なのだけれど、最近デパートの催事で出会うこともなくて、すっかりご無沙汰だ。そろそろ通販を申し込むかと思いつつ、とりあえずこの欲望を満たすべく
「……月曜の朝御飯さー……豚まん買わない?中村屋とかの」
と提案して、駅ビルの中村屋で中華まんを買ってきた。私とだんなは期間限定ものの"どんこ入り"肉まん、息子はどんこ抜きのノーマル肉まん。

蒸籠を3段重ねて、1段に1個ずつ肉まんを入れてしゅんしゅんと蒸す。中村屋の肉まんは期待以上にちゃんと美味しくて、ほのかに甘い生地も、椎茸臭さがこれでもかと漂う肉あんもそれぞれ好みな味だった。
ああ、でも、551蓬莱のあの味が懐かしい……。(←そして豚まんへの欲望更に盛り上がり中)

マクビティミルクチョコビスケット
牛乳

そろそろジムに行きたいのだけれど、先週から住宅の補修工事が入っていて「昼間に在宅していてくださいねー」と言われている。今日も午前中から「塗り」の作業が入り、家の中も外もシンナー臭くなった。そこら中シンナー臭い中で、そんな中でお仕事していたのだけれど、あまりの匂いに頭痛がしてきた。家中の窓を開け放しておくには今日は寒すぎるし、窓を開けたところで外もシンナー臭いから、もうどうしたものだか。

「……こういう匂いの中で御飯食べるのも……つらいなぁ……」
と、「昼は豚汁と御飯と……卵御飯にしようかなー」と思っていたのだけれど、とても味噌汁を飲む気分になれなくて、しばらくシンナー臭さが消えるのを待っていた。待っていたのに、気温の低さと湿度の高さでなかなか揮発するべきものが揮発していってくれないのか、匂いは全然薄くならない。避難して外食しようかどうか迷っているうちに2時近くになってしまったので、結局買い置きのチョコビスケットを3枚ほどぽりぽりと囓るに至ってしまった。

私の大好きな大好きなビスケットがマクビティのミルクチョコビスケット。マクビティのプレーンなやつも捨てがたいし、マリービスケットも好きだし、ビスケットじゃないけれどカントリーマアムも好み。でもメーカーものビスケットの中での私の至高がマクビティ。あのポソポソした触感とかチョコの分量とかチョコの味が、子供の頃から変わらない「幸せなおやつの味」なのだった。長いパッケージだった時代は、一度封をあけるとなくなるまでひたすらポリポリポリポリ食べ続けてしまう大変危険なお菓子だったのだけれど、今は3枚入りの小袋が4つ詰まったパッケージになっている。一度に3枚ずつ食べられるので、こりゃいいやーと、安売りしているのを見かけるたびについつい買ってきてしまうのだった。

あってよかったマクビティ、やっぱり美味しいマクビティ♪と、シンナー臭の中、それでも案外幸せにビスケットをぽりぽり。

肉そぼろ入り卵焼き
豚のにんにく生姜焼き(昨夜の残り)
刻みキャベツ
4日目の豚汁(ファイナル)
羽釜御飯
チャンジャ
アイスウーロン茶

私の今年は確か、細木数子センセイ曰くの「大殺界(しかも"停止")」とやらで、「八方ふさがり」「ひたすら忍の一年」とやらのはずなのだけれど、たっぷりやってくる出会いと仕事に喜びつつも忙しい日が続いている。ふさがってないよ、四方八方からいろんな話が来るよ……ということで、こりゃ春先まではしばらく忙しいかもという状況にある私。平日の午後にでものんびりパン焼きを……と昨年末にパンのレシピ本まで買ったのに、パン焼きの野望もストップしたままで、息子2人の夕御飯も「早く準備できるもの」が献立を決める第一条件になりつつある。

「……昨日のにんにく生姜焼きがあるでしょ……あ、肉そぼろもあったんだっけ……」
冷蔵庫の中を眺め、最後に2人分ばかり残っていた豚汁と共におかずあれこれを片づけてしまうことにした。豚肉と筍ときのこのオイスターソース炒めがスプーン3杯ほど余っていたので、それは卵焼きにすることにした。卵3個を溶いてフライパンに流し、肉そぼろ入れてざっと混ぜつつパタンパタンと3つ折にしてオムレツのような卵焼きに……と手順はわかっているのだけれど、手際が悪くて表面がちょっと焼け過ぎてしまった。それでも中は半生のとろんとろんの、良い具合。御飯に乗せながらいただいた。

昨夜の肉もキャベツも余っていたので、それを綺麗に盛りつけなおし、温めなおし、刻み葱をどっさり浮かべた豚肉と、炊きたての御飯。ありものを使っただけの、ほとんど手間のかかっていない夕御飯だったのだけれど、息子からは「……これだけ?」の言葉はなかった。

「……これから雪が降るらしいよー」
「ふるといいねぇ……また、つもる?」
「んー……積もっても、明日は暖かいって言ってたから、すぐ溶けちゃうかも」
「おうえんしたら、つもる?」
「何を?」
「雲を」

冗談かと思ったけれど、息子はけっこう本気で「雲、がんばれー」と雪雲に声援を送っていた。

2月7日 火曜日
きらきらつやつやスペアリブ
「アンデルセン」のミルクフランス
カフェオレ

一昨日、家族で「アンデルセン」にてお買い物。火曜日の朝はだんなは朝ジムだから、眠くても食べやすいもの、飲み込みやすいもの(具沢山のスープか、くどすぎないパン類がどうやら良いらしい)がいいねとパンを買ってきておいてある。
「俺ねぇ、これと……あと、これ、好きなんだよなぁ……でもでっかいんだよなぁ……」
でっかいんだよと呟いた目線の先には「ミルクフランス」。確かにそれはとても美味しい。私もとても好き。

「いいじゃん買えば?適当に切って適当に食べていってくれれば、私が残りをいただくからさ」
と、ミルクフランスをトレイに乗せた。

柔らかいフランスパン生地のコッペパンに、練乳味のトロンまろんとしたクリームが挟まっているのがミルクフランス。水飴のようなねっとりと粘りのあるクリームはカスタードクリームから卵っぽさを抜いたような感じで、カスタードクリームとは違った美味しさがある。うまうま。

幕張 「TONY ROMA'S」にて
 オニオンリーフ(ハーフ)
 クリームマッシュルームスープ
 ベイビーバックリブランチセット

今日はお出かけ!午前中にばばばーっと掃除と洗濯と、仕事少しをやっつけて、バスに揺られて海浜幕張に向かう。車に乗ってやってきたMさん・Tさんと合流して、今日は一緒にCOSTCOにお買い物に行くのだ。
「一度行ってみたーい」
と言うTさんと、
「行くなら連れてってー」
という私を連れて、会員のMさんが車を出してくれた。お世話になりマス。

お昼は、全員一致の意見でスペアリブ屋のTONY ROMA'Sへ。ランチはけっこうお安く、でも量は若干ちょびっとのベイビーバックリブセットが食べられる。フルサイズなら骨16本、ハーフで骨8本……だったような記憶があるけれど、このランチセットだと4本。それでも案外肉がついている、甘っ辛いいかにもな味のスペアリブを頬張れるのでなかなか嬉しいセットなのだった。大人が3人いるしねと追加でオニオンリーフ(四角く固めた刻み玉ねぎを揚げたもの)もハーフサイズで1つ。調子に乗ってスープも1つ。

どうもここ4〜5日私の中で「肉感」が常に高まり続けている状態で、今日も朝から「肉ー肉ー」な気分。スペアリブはとってもとっても私のツボで、幸せだった。付け合わせはフライドポテトとコールスローサラダ。

甘さ強めのパンを囓り、ポテトをもしゃもしゃ口に詰め、セロリの味のコールスローを口直しにリブを丸かじり……と見ると、MさんとTさんの大皿の上にコールスローがほぼそのまんまの状態で残っている。

「え?2人とも食べないの?」
と聞いたらば、異口同音に
「セロリ味だもん」
「セロリ入ってるもん」
と返ってきた。私もさほど「セロリ大好きー!」というほどにはセロリを愛してはいないのだけれど、コールスローサラダという料理は好きなのでセロリ味は気にならない。確かにアメリカ〜ンなコールスローはものすごいセロリ臭で、セロリ本体と共にセロリシードなるものがどっさり混ぜ込まれていて、それが苦手な人にはたまらんほど苦手なのであるらしい。慣れるとこれも旨いんだよ、と言いつつ、人の分までコールスローを食べている私だった。

ひよこ豆とトマトのスープ
サーモンとルッコラのカルパッチョ風
コーンブレッド
アイスティー

昼食後には盛大にCOSTCOでお買い物。料理好きの美味しいもの好きが3人で、よってたかってあれこれ眺めてあれこれ買ってきた。
「はは……安いけど、オリーブ油4リットルもいらない……分けます?」
「あ、もらうもらう」
「私も1本貰うから」

「これは?冷凍ワッフル3箱セット」
「あー、私1箱もらいます」

800gくらいあるサーモンの塊は3等分。大きなビニール袋に36個も入ったコーンブレッドも3等分。9ロールのでっかいキッチンペーパーの包みも3等分。あとはスペアリブとか鶏もも肉の2kgパックとか、サンペレグリノ1ダースとか4kgのスパゲティとか、相変わらずすごい単位になっているCOSTCOの商品をあれこれ買ってきた。あの店の縮尺の中にいると2リットル入りのシャンプーとか1リットル入りのメープルシロップがなんてことないものに見えてくるのだけれど、家に帰ると「なんでこんなにでっかいの買っちゃったんだろー」と途方に暮れるのよね。
「せりあさんせりあさん、バターミルクパンケーキの粉があったよ!」
と声をかけられて棚をみれば、「5.4kg」とか書いてあるし……(飼料かよってサイズ……)。

そんなこんなできゃあきゃあと買い物して、きゃあきゃあと車に荷物をしこたま積んで、きゃあきゃあと帰ってきた。我が家で戦利品の分配して、お金の精算して、皆さんが帰宅した後に残ったのは異様に静かになった空間と、山のような大荷物。
「どうしよう……水、どこに置こう……」
よいせよいせと段ボールを物置に運び、氷温室に肉を詰めるだけ詰め、今日買ってきたサーモンは夕飯のおかずにしようと、ローズマリーとオリーブ油、塩胡椒でマリネしておいた。

適当に下味がついたところでサーモンを薄切りにして、ルッコラ、玉ねぎなどの野菜と一緒に皿に盛り合わせて、レモン汁とオリーブ油でいただくことに。小さなサイズのひよこ豆の缶詰を使って、トマト味のスープも作った。あと1品くらい……と思ったのだけれど、思った以上に昼御飯が胃にどっしりと溜まっていたので、あとは今日の戦利品のひとつのコーンブレッドをオーブンであっためる。

「おかいもの、たのしかった?」
私がいつも息子に「○○は楽しかった?」と聞くものだから、今日は息子から同じことを問われた。
「ん、すんごく楽しかったよー。色々買ってきたよ、スパゲティとか、コーンとか、いっぱい」
「そう、それはよかったこと」
「ん、ありがと」
いつもと会話の主従が逆転しているなぁと感じつつ、COSTCO戦利品山盛りの夕御飯。これから数日、戦利品山盛りの食事が続く予定。

2月8日 水曜日
久しぶりのバクテー。今回はあっさり外観。
サーモンとルッコラのベーグルサンド
カフェオレ
メロゴールド

「Tさんのベーグル、うまいうまいー超うまいーまた作れ!」
とお願いしていたら、Tさん、昨日焼いて持ってきてくれた。わーいベーグル!どうもありがとう!

折しも昨日は盛大に肉や魚を入手した日で、夕飯に食べたサーモンがまだ数切れ残っている。サーモンとルッコラをベーグルに挟んだら旨かろうなぁと、朝御飯はゴージャスベーグルサンドにすることにした。ベーグルは横両断にしてオーブンでほっこりと温め、断面に薄くバターを塗ってからサーモンとルッコラを挟む。あとはコーヒーと、巨大柑橘果物「メロゴールド」。

粉の香りがしっかり漂う、ほのかに甘いもっちりした手作りベーグル。息子は
「パンは、パンのまま食べるー」
と、ベーグルにバターだけ塗ってもぐもぐもぐもぐと平らげ、サーモンはサーモンでおかずとしてつついていた。

ミルクパン
マクビティミルクチョコビスケット
カフェオレ

今日は久しぶりのスポーツジム。午前中に仕事して、「ここまで出来ましたよーちょっと出かけるよー」と各方面に報告してから動きに行った。昨日食べたスペアリブ分を消費するべく、そして本日夜に食べるはずのスペアリブ分もできれば消費したいなと60分のボディパンプ。おう、今日気付きましたが、私が背負っているスクワットでのバーベルの重量はこのリンク先のお兄ちゃん(おっちゃん?)が背負っているのと同じ重量ですよ。ボディパンプ中の自分はけっこうすごい外観になりつつあるのかも……。

で、昼過ぎに帰ってきたら、仕事が火を噴いていた。「AAはBBですか?」とか「CCをDDにしたらEEしてください」とか「お伝えしたいことがあるので連絡ください」とか、いろいろいろいろ。

「たいへん……たいへんたいへんたいへん」
と、帰るなり電話してメールして、AAをBBしたりDDしたり。そこまで急ぐ必要はなかったのかもしれないけれど、「やることが目の前にいっぱい」という状況があまり心臓によろしくないので、取り急ぎばたばたと仕事した。トイレ行った帰りに台所のパン袋からミルクパンを1個取り出して囓りながらパソコン戻り、洗濯物の様子を見に行った帰りにマクビティビスケットの小袋を1つ持ってパソコン前に戻ってくる。パソコン脇には、朝からカフェオレのマグがそのまんま。非常に消化に悪そうな状況で、昼御飯だかおやつだかわからない何かを口にするだけで今日の昼は過ぎていってしまった。

バクテー
コーンキャベツ
羽釜御飯
アイスウーロン茶

忙しくても、バクテーなら簡単に準備できる!……と、午後になって大鍋に湯を沸かした。昨日買ってきたスペアリブ2kgのうち1kg弱を、シンガポール産の「バクテーの素」でがんがん煮込む。下茹でも下処理もなんにもなしに、そのインスタントバクテーの素の説明書に書いてあるとおりに作ってしまった。

「シソガポール スタイル バークツテイー BAH KUT TEA SPICES」(←原文ママ)の説明によると、

なべに水6杯(約1500ml)を沸騰すせてから、"瓦[保火]標"のシンガポールスタイルバークツテイー香料を1袋そのままいれる、そして、1キロの豚肉又は鶏肉、2コのにんにくをたお。肉がやわらかくまで40分ほど煮込む。熱めうちにめしあがて下さい。

將6飯碗(1500毫升)的水煮沸。放入1包:瓦[保火]標"新加坡式肉骨茶香料(不用剪開過濾袋)、2只整粒蒜頭、1公斤排骨或鶏。煮40分鐘至肉軟爲止。趁熱食用。

だそうで。
「……たお?」
「……熱めうち?」
と、「まぁ、シソガポールの食材だしな」と苦笑いしながら書いてあるとおりに作った。「2コのにんにく」は「2只整粒蒜頭」だからして、「2かけ」ではなく「2株」と判断して、でも1株だけ放り込んだ。塩胡椒、そして各種スパイスが入った「だしパック」状の小袋物体と共に肉とにんにくを煮込むこと2時間ほど。今回はスープの色が悪くならないようにとダッチオーブンではなくステンレス製の鍋を使ったのだけれど、澄んだ綺麗なスープができあがった。

薄く茶褐色に色づいたスープは、でも透明度が高く、その中に骨付き肉がごろんごろんと。御飯を傍らにスープを啜ったり、御飯をスープの中にぶちまけておじや状にして食べるのだという「バクテー(肉骨茶)」は、シンガポールの肉体労働者の人々の朝御飯として供されているのだとか。それに倣って明日の朝もバクテー(&飯)だなと思い至りながら、息子と2人の夕御飯もバクテー。肉っけしかないスープなので、これに香菜を軽く散らし、野菜料理が一品欲しいなとキャベツをコーンと共にコンソメ味の蒸し煮にした「コーンキャベツ」を用意した。キャベツがどっさり、キャベツ自体の甘みとコーンの甘みですっかり甘くなった料理、息子ががつがつ食べてくれた。

「これ、いい匂いなー……ぼく、この匂い好きだなー」
夕方からずっとそこら中に漂いまくっていた異国の香り(スパイス&にんにく臭)を不思議と息子は喜んでいて、でもいざスープを口にしたところ
「……ちょっと、からいね」
と強めに漂う胡椒の辛さにちょっとばかり閉口していた。それでもスペアリブはしっかり3本食べていた。私も3本。

2月9日 木曜日
シンガポールづいてます
バクテーwith御飯
麦茶

大きな片手鍋に、バクテーがたっぷり。こんな美味しいものを私と息子だけで食べてしまったら夫が一人一揆をしかねない勢いなので、それはもうだんなの分もちゃんと残してある。なかなか夕御飯に間に合うように帰ってこられないだんなのために、今日は朝からバクテー。
「においは好きなんだけどねー……食べると辛いから、ちょっといや」
とバクテーは苦手らしい息子にはコーンブレッドを温めてやった。私とだんなはバクテーwith飯。飯withバクテー。朝からスペアリブを2〜3本ずつ食べた。

バクテーは、にんにくと醤油と胡椒、そして何種類かのスパイスの味。八角とクローブ、カルダモン、シナモン、生姜あたりを加えるとそれっぽいものになるらしい。今回使ったバクテーミックスはとにかく粒胡椒が大量に混入されているような味だった。

海南飯(シンガポール風チキンライス)
たれ4種(塩胡椒ライム・胡麻葱油・オイスターソース・スイートチリソース)
キムチ・チャンジャ
ビール(モルツ)

「今日は早めに帰れそう」と、出勤時に靴を履きつつ呟いただんな。「夕飯は間に合うかどうか……微妙だけど」と言っていたので、
「夕飯に間に合うように帰ってこられるなら、海南飯にするけど?」
と玄関先で伝えたら、ぱあぁぁぁぁと顔が輝いて
「帰ってくる!絶対帰ってくる!」
と出撃していった。おう、絶対帰ってこいよー。

どうも昨日からシンガポール飯続きだけれど、今日の夕食は海南飯。コストコで売られていた国産鶏はもも肉が100g90円程度と大変にお手頃だったのだけれど、問題はその分量で、2kgパックになっている。……何枚くらい入っているのかしら……と、びくびくしながら試しに1袋買ってきてみた。中には案外と小さめサイズのもも肉が、どうやら8〜9枚ほど入っている模様で、これを使って海南飯。朝御飯がけっこうボリュームがあったので昼御飯をスルーしてしまったため、夕方にはすっかりお腹が空いちゃって早めに準備を始めてしまった。

肉を5枚、水に入れる。にんにくと生姜と葱の青いところと塩と少しの砂糖をその水に入れ、強火で沸騰させたらアクを取りつつ超弱火で30分ほど火を通す。この手の蒸し鶏チックなものは炊飯器で作れるらしいのだけれど、我が家の電気炊飯器は倉庫の奥に片づけられてしまっていて、炊飯器じゃ大量のスープを取ることもできないなと今回は断念した。代わりに、沸騰しないように火加減をとろ火にして、固くならない程度に軽めに火を通す。骨付き鶏ではなかったけれど、澄んだ美味しいスープがたっぷりできた。

で、このスープを使って飯を炊き、料理に添えるスープも作るのが海南飯。鶏油でにんにくと玉ねぎと米を炒めて塩で調味したスープを注いで炊いた御飯と、ナムプラーと塩で調味したスープをそれぞれ用意する。野菜がいまいち摂れないおかずなので、せめてもとスープにはちぢみほうれん草とにんじんをたっぷり入れた。肉の下には千切りレタスを添える方が「らしい」のだけれど、今回は刻みキャベツで。

たれは4種類。刻み葱と刻みにんにくを塩と胡麻油で和えたものと、ライムを搾って塩胡椒したもの、オイスターソースに刻んだ松の実を混ぜたもの、そしてスイートチリソース。肉と野菜にこれらをしゃばしゃばとつけつつ、食べる。肉の上には、好物の香菜をこれでもかとてんこ盛りにした。

「全部つけて食べるとねー、旨いんだよ」
「あ、わかるわかる」
宣言どおりきっちり夕飯時に帰ってきただんなと、久しぶりに囲む平日の夕御飯。最初はお上品に茶碗に盛った鶏飯と茹で鶏を別個に食べていたのだけれど、そのうちおかず皿に御飯を盛りつけ、たれも数種類組み合わせつつ肉に添えて野菜も肉も飯も一緒に口に入れるようになってしまった。でも、これが、うーまー。オイスターソースと葱とスイートチリソースの組み合わせが、なんともうーまー。

息子も鶏肉1枚を食べきってしまい、だんなも私も1枚プラス数切れずつを平らげたのだけれど、さすがに肉5枚を食べきりはせずに各種たれの残りと共にラップをかけて冷蔵庫行きとなった。明日のだんなの朝御飯になるか、明日の私の昼御飯になるかだと思うんだけど、さてどっちだろうねぇ。

2月10日 金曜日
久しぶりのなす野菜。相変わらずのなす野菜。
コーンブレッド
抹茶パン
カフェオレ

COSTCOのオリジナル食品は、ひっじょーに大雑把だ。巨大な厚手のビニール袋に36個もテーブルパンが詰め込まれていたり、なんとも色気のない薄型段ボール箱に1ダースのいかにも甘そうな(そして巨大な)ドーナツが詰められていたり。「こんなに薄切り肉があってどーすんだよ」という1kg単位の薄切り肉が、普通のマーケットじゃまず見ないだろう巨大な発泡スチロールのケースに収められ、その脇には1枚400g級のステーキ用の肉の5枚パックが並んでいたりする。アメリカの一般的なスーパーだってもうちょっと単位は小さめだよというような品々が並んでいるのだった。

何より驚いたのがセメント袋のような5kg入りの袋に入ったパンケーキミックス。「BUTTERMILK PANCAKE」の文字にかなり惹かれるものはあったけど、でも5kgもの粉を買って、それが美味しくなかったらどうすれば良いのだろう。

そんな感じで、とにかくスケールのでかい、外見は間違いなく大雑把なCOSTCOの商品だけれど、パンなんかは案外なかなか美味しかったりする。前回口にして以来、コーンブレッドがお気に入り。オーブンで温めるとコーンの香りがふわふわと漂い、軽い食感ながら腹持ちは悪くない素敵なパンだった。でも、いかに美味しくても36個もいらない。12個で充分。

「というわけで、分けません?」
「分ける分けるー」
「いただくいただくー」
と、先日はめでたく3人で分け合った。1家族12個で、各々ちょうど良い分量。夕飯に焼いてみたり朝御飯に食べたりとしているうちに、とうとう残り3個になった。

で、朝御飯はコーンブレッドを1人1個、そして「アンデルセン」の抹茶パンを薄切りにして1人1切れ。目下、抹茶&小豆ブームが私に到来中で、何かにつけて抹茶味や小豆味が恋しくて仕方がないのだけれど、「アンデルセン」の抹茶パンはしっかりこっくり抹茶の味がして「抹茶パウンドケーキ」のような美味しさ。これほどの甘さは期待せずに買ってしまって「これはパンじゃない、ケーキだ……」と思いながらも、もぐもぐと食べている。

海南飯(昨夜の残り)
麦茶

今日はジムに行きたいところだけれど、午後イチで息子の学校の今年度最後の授業参観。それは行ってやらなきゃなとジムは諦めてちょっと早めの昼御飯を家で済ませて学校に向かった。

本日の私の朝御飯は、昨夜の海南飯の残り。
「海南飯の残りもあるし、コーンパンもあるし、好きなように食べていくと良いよ」
と伝えておいたところ、朝ジムに出発する前のだんなはコーンブレッドを選択したらしかった。鶏肉数切れ、鶏御飯、鶏スープ、刻みキャベツ等々、それぞれ昨日のまんま残っていたので、私が続きをいただいた。

海南飯の肉に添えるタレは、色々らしい。
ざっと調べたところ、

  • オイスターソース
  • ベトナム醤油+赤唐辛子
  • 中国醤油
  • 醤油+酢+胡麻油+鶏の茹で汁
  • 甘口のたまり醤油

  • 長ねぎみじん切り+胡麻油+酢+醤油
  • 長ねぎみじん切り+胡麻油+赤唐辛子+塩
  • 長ねぎみじん切り+胡麻油+おろしにんにく+塩
  • おろしにんにく+おろし生姜+酢
  • 鶏の茹で汁+おろし生姜+ナムプラー+塩
  • ライムの絞り汁+塩胡椒

  • スイートチリソース
  • 味噌+赤唐辛子+水

などなどのタレレシピを発見した。
基本はやはり「黒(醤油系)+白(葱、生姜、胡麻油系)+赤(チリ系)」ということになるらしい。その3色揃えれば見た目も鮮やかで味の傾向も違うのでバランスが良いのだろう。

私的にはオイスターソースが必須なんだよなぁと、肉の上に胡麻油和え刻み葱をどばーっと乗せ、オイスターソースをちらりと垂らし、そこにスイートチリソースも少量添えて、味を混ぜつつキャベツをつつき、肉もつつき。鶏の旨味が染みまくった御飯は、翌日になっても旨かった。

海南飯と肉骨茶(バクテー)があるというその2点を考えるだけでも「シンガポールに住んでみるのも良いかも」と思ってしまう私。この2つの料理は肉好きにはたまりません。しかも英国式のアフタヌーンティーにカヤトーストに魚介たっぷりの中華料理が楽しめる国。シンガポールは大変にポイズンな国……。

稲毛 「太閤園」にて
 なす野菜炒め定食
 餃子
 ビール

午後は息子の授業参観。「いーよ参観なんて来なくて。うぜぇ」と言うようになるまでにはまだ間があるようで、息子は他の数人のお友達と一緒に昇降口で私が来るのを待っていた。「おかーさん、きたー!」と飛びついてきて、相変わらず、何というか、可愛い。算数と国語の総集編といった授業は子供たちの成長ぶりが目に見えてわかるものでたいそう面白かった。

昨日に引き続き、今日もだんなは早めに帰ってこられるらしい。音楽教室に行った帰りに
「だからさ、お父さんと一緒に食べられそうなもの買おう。……そろそろお魚が恋しい気分なんだけど……?」
と息子と一緒に魚屋を見る。

3パック1000円セールをやっていて、そこにはマグロにブリにタイにアジなどなどの刺身用のサクに、コハダの酢〆にイクラに……と、
「これは、手巻き寿司をしろということかい?」
な品揃え。冷蔵ケースを前にして1匹ずつ魚を見ては
「ぼくはねぇ、お魚、きらいじゃないんだけどねぇ、でも、ほねが多いのはちょっと苦手なんだよー」
と呟いていた息子に
「では寿司ではどうか」
と問いかけてみたら、すごい勢いで首を縦にふられた。本日の夕飯、寿司決定!と、手巻き寿司の具になる材料をあれこれ買ってきた。

……が、帰ってみると「ごめん、今日やっぱ遅い」という連絡が。
「がーん」
「ががーん」
親子でショックを受けつつ、「どうする?」と話し合った。お父さんいないけどお母さんと一緒に手巻き寿司するか、お魚は冷蔵庫にしまっておいて、明日みんなでお寿司にするか。

「やっぱりね、おすしはね、みんなで食べるのが楽しいし、美味しいと思うよー」
と息子に言われ、やっぱりそうだよねぇと寿司は明日に延期することにした。魚はほとんどサクで買ってきたし、まぁ大丈夫だろう。多分。

じゃあ今日の夕御飯はどうするかとまたまた相談し、久しぶりの「太閤園」に向かうことにした。魚がダメなら、野菜炒めっぽいのが食べたい気分。あの店の「なす野菜炒め」の味が、ここのところめちゃめちゃ恋しくなっていた。息子は味噌ラーメン、私はなす野菜炒め定食。餃子1皿を2人で半分こ。

醤油がベースなのだけれど、他に何が入っているがわからない、不思議な味の炒め物。「野菜」「肉野菜」「なす野菜」と段階が上がるごとに具が増えていく。「なす野菜」には「肉」の文字はないけれど、「肉野菜」の上位メニューなので「肉野菜+なす」を意味しているのだ。揚げた茄子がやわらかくって甘くってアッツアツで、最高に旨い。肉はほんの3切れ4切れしか入らないのだけれど、それが気にならないほどに旨い。具材全てに灼熱の油の膜ができていて、そこに絶妙のとろみのタレが絡められて、ビールも御飯もどんとこーいの美味なのだった。うう、相変わらず美味しい〜。

「おかーさんおかーさん」
「ん?」
「このお店さ、ほんっとーに、おいしいよね?」
「うん、サイコー」

いつもは醤油ラーメンのところ、今日は味噌ラーメンを頼んだ息子。もやしと挽肉とコーンを炒めたものがトッピングされていて、それをふーふーしながら息子が話しかけてきた。

「こんなにおいしいのはさ、きっとさ、とくべつなー」
「ん?」
「とくべつなー、シェフがいるからかな?それとも、とくべつな作り方をしているのかな?」
「うん、その全部だと思うよー」
「そっかー」

それほどには頻繁に来ていないはずなのだけれど(今日だって3ヶ月ぶりくらいだったし)、お店のおばちゃんにしっかり顔を覚えられたらしい息子は、帰りがけにコーラ味のキャンディーを2個もらっていた(←いつもは1個)。「おいしいうえにキャンディーももらえちゃう!」と、喜び最高潮の息子。良かったねぇ。

2月11日 土曜日
あなきゅう。玉子も乗せちゃえ。
冷凍ワッフル
ハムエッグ
カフェオレ

毎日せっせとCOSTCO戦利品を食べている今日この頃。本日の朝御飯は、アメリカ〜ンな冷凍ワッフルだった。10枚入りの巨大な箱が3つもセットになっていて、
「こんなにいらなーい」
「冷凍庫にはいらなーい」
とか言いつつ、分け合って買ってきた。1箱だったらなんとか冷凍庫に入りそう、と冷凍庫に詰めていたのだけれど、やっぱりちょっと……がさばるね。というわけで、早めに食べちゃうことにした。

丸く薄めのワッフルは、それ本体にそれほど甘みはついていない。オーブンで中まであっためて、バターとはちみつ添えていただいた。美味しい卵とハムでハムエッグも作って添える。

「ぼくねぇ、おなかすいちゃったからいっぱい食べるよ!」
と、息子は1人で3枚ワッフルを平らげた。だんなも私も2枚ずつ。

着ている服からは、COSTCOで買ってきて現在使用中の「乾燥機用柔軟剤」の香りがぷんぷんと漂い、皿の上にはアメリカンな味のワッフルが置かれ、なんとなくアメリカな気分の土曜日の朝。

「マクドナルド」にて
 ハッピーセット(ナゲット・ポテト・エスプレッソーネシェイク)
 ベーコンレタストマトバーガー

現在マクドナルドのハッピーセットのおまけは、ポケモンカードになっている。先週から始まって、今週2週目で、全部でカードは10種類。こんなキャンペーンにいいように踊らされている我が家は、
「カードほしい!」
「おかーさんはデルタ種のニャースが欲しい」
「いや、どーせだったらラティオスとラティアスだろ」
とか言いながら、お昼御飯にマクドナルドということになった。1人1セットハッピーセット頼んで、でも選べるバーガー類がちと貧弱なのでナゲットのセットにして別注文でバーガーつけてもらったりして、テーブルの上はマクドナルド商品(ともらったおもちゃとカード)でいっぱい。

普通のハンバーガーはトマトもレタスも入ってないしなと選んだベーコンレタストマトバーガーをもりもり囓りつつ、ポテトにケチャップつけてもぐもぐと。 「エスプレッソシェイク……要するにただのコーヒーシェイクって感じだわ」
「……ほんとだ」
と久しぶりのシェイクを啜り、もらったカードはニャースとゼニガメとラティアス。スーパーで買い物して、のんびりと帰ってきた。

手巻き寿司♪
 マグロ・ねぎとろ・アジ・ブリ・サーモン
 酢〆コハダ・穴子
 イクラ・玉子・油揚げ
 きゅうり・長ねぎ・刻み万能葱
ビール(モルツ)
日本酒(大吟醸原酒 菊水麗流)
 

ちょびっとだけ仕事したり、溜まった本を読んだりののんびりな1日。夕御飯は、昨日材料を揃えて延期になった手巻き寿司ということになっている。
「甘海老とか欲しいんだけどねぇ」
「今の季節じゃ殻つきの甘海老はないかー……頭で味噌汁作ると旨いんだけどね」
なんて話しつつ、穴子とサーモンを追加で買ってきた。

マグロにアジにブリにサーモン、酒の肴にもなるしねと酢〆のコハダ。息子用に穴子とイクラと玉子も揃え、あとは好きに添えられるように刻みきゅうりと白髪葱と万能葱を刻んだの。
「おすしのごはんならー、おいなりさんも、作れない?」
と息子が言うものだから、甘く煮た油揚げも用意した。

「家寿司」は楽しい。あー、御飯多く入れすぎたよ、とか、これとこれとあれも一緒に巻いちゃう?、とか、皆でわいわいやりながら美味しく楽しく食べられる。今日は鉄串も出して、
「銚子丸のさー、あの、"あぶり○○"美味しいよね、真似してみよう」
と、マグロやサーモンを鉄串に刺して直火で軽くあぶってみたり。こういう事やりたくなったり、クレームブリュレなどを作ろうというときにはこの手のものがものすごく欲しくなるのだけれど、まだ購入に至っていない。直火で炙ったマグロはとろけるような美味しさになったけど、表面にうっすら焦げ目をつけるにはやっぱりこれを買うのが一番なのかしらん。

息子はひたすら玉子だイクラだ穴子だとあれこれ手巻き寿司にして食べ、私とだんなは刺身をつまみに1杯やりながらのんびりと手巻き寿司。
「やっぱアナキュウ基本でしょ、基本」
と、一緒に玉子も巻いてしまったりしながらあれこれたっぷり楽しんだ。

2月12日 日曜日
具沢山ビーフシチュー。おいしかった〜。
ばらちらし
鶏スープ
抹茶入り玄米茶

昨夜の残りのお魚色々。朝から手巻き寿司というのもなんだかなぁということで、ばらちらしにすることにした。

魚や玉子、あれこれを全部1.5cm角くらいの角切りに揃えて、寿司飯の表面にパラパラと散らす。本当は椎茸の甘く煮たのとか、でんぶとかあるとそれっぽいんだけどねー……と言いつつ、それでもたいそうな具沢山なちらし寿司になった。息子の分には心もちイクラと玉子を増量してやって、私とだんなは魚がメイン。穴子が適度なアクセントになって、適当に作った割にはすんばらしくゴージャスで美味しい朝御飯になってしまった。残ったきゅうりや長ねぎ、万能葱もついでに散らしちゃう。

先日の海南飯のスープがまだ半端に残っていたので、毎日せっせと火入れして傷まないようにしていたそれを食べちゃうことに。ほんのりアジアな味のスープを添えつつ、朝からボリュームたっぷりのちらし寿司をもぐもぐもぐ。

「Jonathan's」にて
 シーフードドリア \838
 ソフトドリンクバー \220

本日の予定は、「午後7時過ぎに東京ステーションホテル」。

近所の駅のホームで、「改装工事に伴う休業につき、2005年11月から2006年3月末の閉館までの日曜・祝祭日におけるディナータイムの料理全品を半額にて提供」という案内ポスターを見たのは、昨年の11月か12月の頭だったと思う。

「ほー、いいねいいね」
「なんでも半額?」
「今予約したら、年内に食べに行けるかな?」
と、ポスターを見た直後にお店に電話を入れてみたのだけれど、「1月中まで既に満席でございます」という返事が。それは大変大変と、そのときに可能だった直近の日の予約を入れさせてもらって、それが今日なのだった。忘れないようにカレンダーにきっちり印を入れて、楽しみにしていたのだ。名物のビーフシチューが半額♪いつもは5000円のコースが2500円♪

で、「せっかく都心に行くなら」と、今回もあれこれ計画を立て始める私たち。ポケモンセンターでゲームのデータを配布しているらしいよ、とか、バレンタイン直前のデパ地下をちょっと見てみたいなぁとか、あれこれ相談しつつ昼過ぎに家を出ることにした。

軽く何か腹に入れておかないと7時半まで保たないね、ラーメンかパスタか……と相談しながら歩いて「なんか洋食な気分」「ドリンクバーがあるところが嬉しい気分」という話になって、駅前のジョナサンに入ることになった。ぺろっとシーフードドリアを1つ。蟹やイカや海老がごろごろと入ったシーフードドリア、メニューを見ているうちにムラムラとしてきて「これにしよう!」と思ったのだけれど、同時にだんなが「俺、シーフードドリアかな」と宣言してきて、今日も夫婦間電波が通じちゃったりバッティングしちゃったりして色々大変なのだった。「何も2人で同じものを食べるこたない」と、だんなはハンバーグセットに転向して、めでたくそれらを適当に分け合いつつ。

TOKIA内「Belgian Beer Cafe」にて
 ビール(Leffe Blond) \900
 ビール(Leffe Brune) \1000
 ミックスナッツ \500
 鴨ハム \900

で、都心に出て、あっちをぷらぷらこっちをぷらぷら。ポケモンセンターで「500円に缶に詰め放題」のお菓子を買ってみたり、私は本屋を眺めて数冊の本を購入してみたり。数時間動き回っていたのだけれど、陽が傾きはじめたところで、ひととおりの用事が終わってしまった。お茶をするにも……デパートの中の喫茶店などは、大変な混雑。

「んー……ベルギービール飲みに行っちゃいます?」
「あー……半端な時間帯だから、けっこう空いてるかもね?」
食前酒食前酒〜♪と、ぷらりぷらりと東京駅前にあるTOKIA内にあるベルギービール屋Belgian Beer Cafeに足を向けた。酒を飲むにはやっぱりいまいち微妙な時間帯らしく、店内はガラガラ。隅っこの席について、少しだけねと言いつつも7000円も飲み食いしてしまった。

私はLeffeのビールを2種。酵母臭いような、ほのかに青っぽい匂いのする、甘さ少なめな淡い黄金色のBlondと、濃厚な茶褐色をしたこっくりした味わいのBrune。だんなはだんなでStella ArtoisとHoegaarden Whiteの2種を飲んでいたので、これも交換こしながら
「うまー」
「どれもうまー」
と、飲んだくれる。ベルギービールはアルコール度数が案外と高くて、つまみを何も取らずに飲んでしまうとあっさり酔っぱらってしまうため(つまみを取っても酔っぱらうんだけど……)、ミックスナッツを注文。これから夕飯も控えているしということで、あと1品何か取りたい欲望と色々相談の結果、鴨ハムも1皿。この鴨ハム、900円というなかなかのお値段で、でもやってきたのはミックスナッツのと同じ小皿に入ったささやかな分量のもの。「お高いのに少ない……」と感じてしまった第一印象とは裏腹に、これがめっちゃめちゃ美味しかった。口に入れると脂の層がふわーっと溶けて、臭みのない肉も一緒に溶けていく感じ。生ハムとはまた違った甘い鳥の味がたまらなかった。表面に胡椒がまぶされていて、ビールに合う合う。

アーモンド美味しいよね、ピーナッツも捨てがたいけどね、なんて言いつつナッツを平らげ、息子は息子でマンゴージュースを2杯飲んで御満悦になり、寒空の下またまたぷらぷらと。夕飯の時間まであと少し。

東京ステーションホテル内「ばら」にて
 ビーフシチューコース \5500(の半額)
 赤ワイン(Chateau La Mondière 2001 MICHEL DUPUIS) \4000(の半額)

赤れんが造りの、なんともレトロな東京ステーションホテル。東京駅丸の内南口から通路を少し進んだところにひっそりと入り口があって、2階に進むと小さなクロークがある。南側の端にあるのが「ばら」という可愛らしいレストランだ。多角形の部屋は天井が高く、レトロかつ重厚な雰囲気。心もち緊張しつつ、5500円が半額になったコースを楽しんできた。たらふく食べて、ワインも1本空けて、お会計は1万円弱。半額キャンペーンはすんばらしかった。

ビーフシチューディナーは、前菜、スープ、パン、ビーフシチュー、サラダ、デザート、コーヒーがセットになっている。前菜やデザートは決まったもので、スープは「本日のスープ」とコンソメスープの選択。パンはライスに代えることもできる。

今日の前菜は、魚介のマリネ。優しい味のフレンチドレッシング状のソースにイカやホタテ、海老やタコが玉ねぎやパプリカなどの野菜と共に和えられている。リチャード・ジノリの大きな絵皿にシェル型の白い皿が重ねられていて、久しぶりにこんな皿で食事した私たちはますます緊張。スープも、
空のお皿が来る→別途やってくる銀の器入りのスープを恭しく給仕
という感じ。テーブルでスープを注がれるなんて、かつて出席した誰かの結婚式のようだった。だんながコンソメ、私が「本日のスープ」のじゃがいものポタージュだったので、1回ずつ恭しくのんびりとスープがやってくる。私に注がれたスープを見て、単品でハンバーグプレートを注文していた息子が
「いいなぁ。ぼくも欲しい〜」
と呟いたので息子にも1皿。歯触りが残されたじゃがいもの実が少量混ぜられた、滑らかな舌触りのスープだった。コンソメもちゃんと美味しい。

そしていよいよビーフシチュー。目の前には1人分のシチューがみっちり詰まった銅の鍋がやってきた。ソースはあくまで滑らかに、そこにスプーンを刺すだけでモロモロと崩れてしまう大きな牛肉の塊がごろごろと4〜5かけほど。じゃがいもに、綺麗にシャトーに切られたにんじんに、歯ごたえを残しつつ火を入れたブロッコリー、甘いペコロスも入っていて、とても具沢山なビーフシチューだ。にんじんからはバターの香りがぷんぷん漂い、1つ1つ丁寧に仕事したんだなぁと感じられるビーフシチューで大満足。ワインの濃厚な味が漂う、甘さ控えめな大人っぽい味のシチューだった。

息子のハンバーグもハンバーグで、グラタン状のじゃがいもに、揚げ茄子にトマトのソースを添えたもの、シャキッとした菜の花のソテーなどが添えられて、とても良い感じ。ドミグラスソースときのこのソテーがかけられたハンバーグは、しっとりみっちりとした口当たり。息子がものも言わずにもりもりと食べていたところをみると、これもすごく美味しかったのだろう。そうこうしているうちに、赤ワイン1本も綺麗に空になった。

入り口近くのエレクトーンから「いい日旅立ち」とか「世界の車窓から」のテーマ曲なんかが生演奏で流れてきて、窓のすぐ外には行き交う山手線や京浜東北線が見えちゃったりして、なんだかとても良い感じ。デザートには白胡麻のクレームブリュレが出され、息子にはオレンジシャーベットを追加注文。どれも地に足の着いた「古くから愛されてきた日本のフレンチ」というような味のもので、大満足して帰路についた。ランチのハヤシライスやカレーも美味しそう。3月末で消えちゃう(復活は5年後、だそうで)前に、もう一度行きたいな。