食欲魔人日記 06年5月 第1週
5月1日 月曜日
おばあちゃんのお赤飯
おばあちゃんのお赤飯
ほうじ茶
ヨーグルト

土曜日にたんまりもらってきた、おばあちゃんちのお赤飯。もうじき米寿を迎えようというお年なのに、未だ自転車を乗りこなし、孫や曾孫のために山のようにお赤飯を炊いてくれる元気なおばあちゃんだ。たっぷり3人で食べられる分量のお赤飯をいただいて、今日の朝御飯にすることにした。せっかくだからちゃんと味噌汁も……と思いつつ、眠くて起きられず。
「……お茶、で良いでしょうかね……」
「よろしいんじゃないでしょうか……眠いし……」
月曜の朝だというのに大変にやる気のない朝一番の会話をそんな感じで終わらせて、あったかいお茶と共にお赤飯をいただいた。

私は「赤飯には絶対黒胡麻!」という確固たる思いが密かにあるのだけれど、だんなの実家とだんなのおばあちゃん家の文化ではお赤飯に白胡麻を炒ったものをかける。家でかけなくてもいいようにね、世話なしでね、と、いつもおばあちゃんはその白胡麻をふってから包んでくれるので、ここ数年間私が口にするお赤飯は、たいがい白胡麻と黒胡麻の2種類がトッピングされることになるのだった。胡麻胡麻していて良い感じ。

お好み焼き(昨夜の残り)
麦茶

昨日焼いたお好み焼きは4枚。息子分は小さめだったり、だんな分は大きめだったりしたのだけれど、それで1人1枚食べきった。残り1枚、
「これはきっとおゆきさんが明日の昼御飯にするんだー……」
とだんなが予言をくだし、その予言どおりにする私。

昨日の夜の焼きたての時は表面がカリカリサクサクの、中はふっくら、という感じだったのだけれど、さすがに今日になると全体に水分が回ってクタッとしたものになってしまっている。ちょっと表面を焼けば良い具合になるかしらとテフロン加工のフライパンをコンロにかけて弱火で中まで熱を通しつつ、最後はちょっと強火にしてもう一度カリッとなるようにやってみた。中に挟んだ焼きそばまではさすがに昨日の美味しさそのまんまというわけにはいかなかったけれど、それなりにそれなりのお好み焼きに復活したのでオタフクソースとマヨネーズ、鰹節と青海苔をどっさり添えて食べた。

ここしばらくご無沙汰だったお好み焼きだけれど、学生時代の一時期、毎週のようにお好み焼きを食べていたことがある。アルバイトの家庭教師先の最寄り駅前に美味しいお好み焼き屋さんがあって、そこによく通っていた。「次男坊」という名前のお好み焼き屋さんで、確かお好み焼きとおにぎりのセットメニューなんかがあって私はそれが好きだった。豚玉が好きだったなー……。

しぐれ丼
わかめと豆腐の味噌汁
もずく酢
レタスときゅうり、玉ねぎのサラダ
麦茶

息子、先週末に「おてつだいカレンダー」なるものを学校から持って帰ってきた。毎日何かお手伝いをして、お手伝いをちゃんとした日に色を塗って来月持ってきましょう、というやつだ。
「お母さん!ぼく、お手伝い!何かお手伝いするものはー?」
と、いつにも増して息子はやる気に満ち満ちている。ごはん、ごはん炊くねーぼくごはん係ねー……と、夕方まだ早々の時間に米を計量して羽釜に入れて水を注いだりしてくれた。

それじゃあお手伝いしやすいメニューにしてあげようかなと、今日の夕飯は炒めもの予定だったのを丼ものにしてみることにした。醤油と味醂と酒で甘めにこっくり煮た牛肉を御飯に乗せ、牛肉を取り去った煮汁で溶き卵に火を通し、それも丼に盛りつける「しぐれ丼」。炒り卵状のものをトッピングする方法とか、温泉卵を添える方法とか色々なレシピを見たことがあるけれど、今日は「青柳」の小山さんレシピの炒り卵バージョンにすることにした。仕上げに揉み海苔も上から散らす。

さほど強火で調理する必要もないしと、息子にあれこれお手伝いしてもらいながら、息子の指導をしつつ味噌汁作ってサラダ作って、市販の合わせ酢使って簡単に済ませた「もずく酢」も用意。「ぼくがお手伝いしたー」というよりも「ぼくが作ったー」に限りなく近い感じのしぐれ丼ができた。やったやったできたできたと居間に料理を持っていって、月曜特番「名探偵コナン」見ながらの夕御飯。

5月2日 火曜日
初めてのステーキ屋さんで
コーンフレーク with 牛乳
いちご

いよいよ世間はゴールデンウィーク。息子は本日学校だけれど、だんなは仕事お休み。息子に「ゴールデンウィーク中に一緒に見に行こうよ」と誘ったのだけれど「ぼくはいいやー、るすばんしてるよ」と断られてしまった映画を見に、だんなと2人でお出かけしてくる予定だ。

朝御飯は、久しぶりに親子3人でコーンフレーク。私はフルーツグラノーラ、男連中はシンプルで甘さもついていないコーンフレーク。
「食後にグレープフルーツありますよー?食べる人ー?」
と声をかけたら誰からも手があがらず
「あ、苺もあった。苺食べる人ー?」
と言い直したらすぐに2本の手があがった。だからデザートは苺山盛り。

千葉 「ステーキハウス 鉄板牧場」にて
 鉄板ハンバーグ&ステーキ \990
 生ビール(小) \280

で、朝一番の回、千葉の映画館で見てきた「トム・ヤム・クン!」。
前作の「マッハ!」があまりにすごくて、主役のトニー・ジャーの身体能力にひたすらうっとりしてしまい、主役2本目となるこの作品を楽しみにしていた。今作はTVCMなどもあまり見かけず、上映映画館もとても少なめ。夜しか上演しない映画館も多くて、午前中に見られるところは我が家から行けそうなところで(銀座なども含めて)3館しか見つからなかった。うう、人気ないのかなぁトニー・ジャー。

親象子象を盗まれた象使いの青年が象を取り戻しにタイからオーストラリアに渡って大活劇!……という感じのストーリーで、「なぜあの象が盗まれなきゃいけなかったの?」とか「で、"トムヤムクン"というタイトルはどっから来たの?(←登場する店の名前ではあるんだけど、なぜその名前が……?という……)」とか「なんでチャイニーズマフィアの敵役でカポエラ使いやプロレスラーが出てくるの?」とか、色々「なぜ?」な部分もあったのだけれど、でもメインはなにしろトニー・ジャー(と象)ですから!と委細構わずの方向でトニー・ジャーのムエタイ技にうっとりしていた。

映画が終わるとちょうどお昼時。傘を1本しか持ってこなかったのに外は大変な大雨になっていて、
「……どうしよ」
「ガード下通りながら駅に向かうか」
と、千葉駅方面に向けてガード下を歩き出した。そういえばこの近くの「ヤマダモンゴル」(ジンギスカン屋さん)の近くに気になるお店があったよねぇと店名を眺めながら歩き、そうそうここだよと「ステーキハウス 鉄板牧場」に入ってみることにした。チェーンのステーキ屋さんらしいのだけれど、入るのはこれが初めて。店頭の壁にはハンバーグやステーキのメニューがずらりと大きな写真入りで貼られていて、前回通りかかってとてもそそられちゃったのだった。

だんなも私も、ハンバーグに数切れのステーキがついた盛り合わせプレート。御飯がついて990円だ。注文して5分経たないくらいのうちに、鉄板がジュウジュウと音を立てまくる熱い皿がやってきた。油のハネ防止にぐるりと紙が立てられていて、
「ステーキ肉はすぐにひっくり返して好みの加減にお焼きください〜」
と言い置いて店員さんが去っていく。急いで肉をひっくり返し、一呼吸おいたところで卓上のステーキソースを適当にかけて、いただきます。じゃがいもとにんじん、いんげんの他にもやしがガバッと添えられていたのがちょっと嬉しかった。

オーストラリア産の厳選された牛肉を使用……というものらしいのだけれど、いまいち肉に味がないような。つなぎを使っていないというハンバーグも、そのポリシーはわかったけれどこちらも今ひとつ「旨みたっぷり、肉汁溢れます」という方向のものではなくて、でもステーキソースは好みな味。ボリュームはあるし、最後まであったかいハンバーグやステーキを食べられるのもなかなか嬉しいものではあって、
「……これさぁ、この内容で990円じゃなくて750円くらいだったらまた来たいって思うのにね?」
「あー、俺も同じようなこと考えてた。料理とミニビールで1000円だったらまた来るな、って」
だよねぇ、250円くらいの割高感があるんだよねぇ……とだんなと意見の一致を見て、夕飯の食材など買って帰宅した。

パリパリ焼き鶏の油淋鶏風 水菜添え
茹で空豆
ほたるイカキムチ
豆腐と油揚げの味噌汁
羽釜御飯
ビール(エビス)

週末に鶏肉を買ってきてあったので夕飯はそれをおかずに。鶏肉があるよと伝えたところ、だんなの最初の意見が
「……チキン南蛮?」
で、揚げ物はちょっと嫌だなぁと却下させていただいた。じゃあ揚げ鶏じゃなくて皮目をパリッと焼いた鶏を油淋鶏風で食べるのはどうでしょう?と提案して、それがすんなり通ったので今日は鶏の油淋鶏風。

鶏は塩をしてスキレットで皮を鉄板面に押しつけるようにしながらパリッと香ばしく焼いて、刻んだ万能葱をこれでもかとかける。タレは醤油と砂糖と胡麻油、バルサミコ酢と米酢を合わせた甘酢を用意して、葉野菜にも合うよねと鶏の下に刻んだ水菜を1袋分どっさり敷いておいた。最近私の中で小さな豆ブームが継続中で、シーズン早めの空豆も茹でてみた。

「はーい、今日もおてつだいしますよー?なにかありますかぁ〜?」
と今日も小人さんが台所に出没したので、今日は空豆を鞘から出すのと水菜を刻むのとお米の準備をしてもらった。最後、大きな小人さん(?)も手伝いに来てくれて鶏を焼くのをお手伝いしてくれて、今日の夕飯の支度はたいそうらくちんに完了した。大皿に盛りつけた水菜と鶏肉を各自好き勝手に取り分け皿によそい、これでもかと葱をかけたりかけなかったりしながらもぐもぐ。今日の甘酢はなかなかバランスの良い味にできあがって、肉がえらい勢いで消えていった。

5月3日 水曜日
5連休初日はパエジャを食べに。
錦糸町 「洋食 浅草軒」にて
 デュエットD \1480
 (モッツァレラチーズのミートドリア 温泉卵のせ&特製やわらかタンシチュー)

・ プランタン銀座で「マンゴーリンピック」なるマンゴーデザートイベントが始まったらしい
・ だんなは昼過ぎからのジムプログラムに参加したいらしい
・ 錦糸町のゲームセンターに預けてあるメダル数百枚の有効期限があと数日で切れるらしい
・ 息子は、おばあちゃんに貰ったおこづかいで「キャプチャースタイラー」なるポケモンのおもちゃを買いたいらしい

……と、各自それぞれ欲望のある5連休初日。じゃあ早めにどっかで昼御飯食べて、だんなはジムに、私と息子はおもちゃ買ってゲームセンター行って、んで合流して銀座ぷらぷらしようか……ということになった。朝起きたのは9時を過ぎた頃。朝御飯を食べる余裕もなく、数十分で身支度して早々に家を出た。

いかにもなコテコテの洋食が食べたいねぇと先日来だんなと話していて、昼に向かってみたのは錦糸町の駅ビル内にある「洋食 浅草軒」とうお店。安っぽすぎず、さりとて変に高級な感じでもない「普通の洋食」が食べたかったのだけれど、その期待を超えるとても良い感じの店だった。チェーン店で、渋谷の東急プラザ内とか北千ルミネ内などにもあるらしいけれど、充分満足。息子の「お子様セット」のオムライスもとても美味しそうだった。

私もだんなも「デュエット」というセットメニューを注文。御飯もの(ドリア、オムライスなど)におかずが1皿、そしてスープと飲み物がついてくる。私はモッツァレラチーズのミートドリア 温泉卵のせ&特製やわらかタンシチューで、だんなはオムハヤシライス&チキンカツレツ。だんなの美味しそうね、おゆきさんのも美味しそうねと、おかずも御飯もちょっとずつお互いに味見させてもらった。

ケチャップ味の海老入り御飯にベシャメルソースとミートソースが盛られて、更にチーズと温泉卵1個がトッピングされたドリア。タンシチューは1切れだけだったけれど、ブロッコリーとナポリタンスパゲティが添えられて見た目もなかなか綺麗に盛りつけられて、そしてスープは椎茸を散らしたちょっと洋風の澄まし汁。いやん、美味しいわ美味しいわーと家族全員きっちり綺麗に平らげて、そして錦糸町でだんなと別れた。私と息子は本屋をちらりと見て、ヨドバシカメラでおもちゃを探し、そしてゲームセンターでメダルゲームに興じて、ゴールデンウィークらしいんだからしくないんだかわからない数時間を堪能した。モノポリーのメダルゲームがあって、それがとても楽しいのよね。

銀座 「スペインバル」にて
 スペイン産生ハム \1260
 ヒコイワシの酢漬け \945
 手作りの日替わりコロッケ \840
 アンダルシア風ジャンボマッシュルーム白ワインソースの陶盤焼き \1050
 トリッパの煮込み \1260
 バレンシア風パエジャ \3150
 サングリア(ピッチャー) \2940
 クレーマ・カタラーナ \525
 コーヒー \420
 エスプレッソ \420

そして夕方近くなってからだんなと待ち合わせて銀座をぷらぷら。以前職場の飲み会で行って美味しかったんだよー、と、夕飯はだんながスペイン料理屋さんに連れて行ってくれた。スペインバルというそのお店、月島の「スペインクラブ」というお店の系列店であるらしい。その「スペインクラブ」は大昔に大学のOB会か何かで私は行ったことがあって、当時はまだ珍しいほどの大粒の美味しいオリーブだとか豆のスープだとかにいちいち驚いていた記憶がある。今は系列店があちらこちらに増えているようで、それにまたびっくり。

生ハムとコロッケは息子が食べるだろ、あとはイワシの酢漬けとパエリアも時間かかるから先に注文して……と、ごにょごにょと話し合いつつ、メニューを眺め「今日のおすすめ」の黒板も眺め、あれこれ注文。スペイン料理屋さんならやっぱりこれよねとサングリアをピッチャーでいただいた。たっぷり1リットルは入っていると思われるサングリアをだんなと酌み交わしつつ、やってきた料理はどれもこれも美味しくて大満足。

値段が倍以上するイベリコの生ハムもあったのだけれど、何しろ生ハムは息子の大好物でえらい勢いで持って行かれてしまうため、普通の生ハムで。大きな塊のものから手切りで盛られてくる生ハムは脂身がとろけるようで、最初にやってきたそれを舐めつつキーンと冷えたサングリアを1杯。続いてパンが添えられてやってきたイワシの酢漬けをつまみにまた1杯。日替わりコロッケは、白身魚をすり身にしたようなものが入っていて、もしかしたら他に豆なんかも入っていたのかも。ちょっと面白い食感でスパイシーなオレンジ色のソースが添えられていた。

そして続けてやってきたのが、陶器の深皿でグツグツ言った状態で出てきたマッシュルームとトリッパ。トマトソースがベースのトリッパはこってこてに煮込まれた柔らかくとろんとした味わいで、マッシュルームは「塩!油!にんにく!そしてワイン」という感じ。手間暇かけたらしいトリッパの美味しさもさることながら、シンプルなマッシュルームの料理がやたらと美味しかった。だんなは前回小海老の陶盤焼きやアーティチョークの陶盤焼きも食べたそうだけれど、それらも「塩!油!にんにく!」という感じの味だったそうで、これはスペイン料理のスタンダードな調理法なのだろうか。サングリアも似合うけれどビールや白い御飯もひたすらに恋しくなってしまいそうな味で、最後は皿底に残る薄切りにんにくも拾うようにして食べてしまった。

そして本日の夕飯メインのパエリア。
「日本人ではパエリアって言うけど、本場の発音だとパエジャなんだよね?パエリアってのは誰が言い出した発音なんだろうね?」
なんて話していたら、お店のおねぇさんが
「同じスペイン語圏でも南米あたりの発音だと"パエリア"になっちゃうんですよ〜」
と教えてくれた。このお店、6種類ほどのパエリアが揃っている。鴨肉のパエリアとかウサギ肉のパエリアとか、魅力的なものがあれこれあったのだけれど、今回はスタンダードなものにしてみようとスカンピ(手長海老)が乗ったバレンシア風のものにしてみた。鶏肉は入っておらず、具は野菜と魚介だけ。イカがどっさり、中央にどかんとスカンピ、そしてアサリ、あとはグリンピースにパプリカにと彩り鮮やかなパエリアだった。中央にぶっすと刺さったレモンを上からぎゅうぎゅう絞っていただいた。

今日は確か涼しくなるような天気予報を聞いていたような気がするのだけれど、昼間は半袖で歩きたくなるほどの良い陽気。カラッとしたスペイン料理が今日の天気に似合って、サングリアもおそろしい勢いで空になった。デザートは、とろんと柔らかい「プリンというよりカスタードクリーム」という感じのクレーマ・カタラーナを家族でつつきつつ、エスプレッソ飲んで頭をすっきりさせてから帰宅。

5月4日 木曜日
モツ煮て晩酌
「アンデルセン」の
 ハリネズミパン
 クリームチーズデニッシュ
カフェオレ

子供の日のキャンペーンだからか、パン屋さん「アンデルセン」の店頭には先日からちょっと可愛いパンが並べられている。ウサギパンだとかクマパンだとかが並んでいて、
「……おお、ハリネズミパンだ……」
「板チョコ入ってるってよ……」
だんなと2人、ハリネズミ可愛いねぇとハリネズミパンを思わずトレイに乗せてしまった。背中の部分が細かくトゲトゲした円錐形のパンで、ご丁寧に目玉もちゃんとついている。1人1個のハリネズミパンと、あとは各自好みのものを適当に買ってきて、休日ならではのだらけきった遅めの時間の朝御飯になった。

「……で?夕飯、どうしよう」
「なんかさぁ、こう、居酒屋メニューみたいなのが恋しい……角煮とか……」
「角煮よりはモツ煮とか鶏皮煮込みみたいなのが恋しいかな」
「ああ、うん、そんな感じそんな感じ」
朝御飯食べながら夕食に思いを馳せるのはいつものことで、食後すぐにお買い物に行こうということになった。居酒屋メニューなら魚肉ソーセージも外せないよね、なんて言いながら。

ポップコーン
ラムネ

午前中に買い物に行って、ビール(は高いので"第3のビール")も買って、だんなと息子は近くの公園でフリスビーに興じたり、私はちょっと溜まったお仕事を片づけたり、あとは撮り溜めたアメリカンプロレス見たり書い溜めた本を読んだり。静かに充実した一日となった。

かなり遅めの朝御飯だったので昼御飯をちゃんと用意するのもなぁと、おやつにレンジでチンして作るポップコーンを。ソーダ類が飲みたいところだよねと、冷えてないラムネを発掘して、氷を詰めたグラスに注いで親子で分けっこした。窓全開で外はいーい感じにあったかくて、そして居間のテーブルにポップコーンと冷たいラムネでなんか幸せ。

茹で空豆
豚モツ味噌煮込み
ホッケの塩焼き
ニラとモヤシ、豚バラ肉の炒め
魚肉ソーセージ・スモークチーズ・レーズンバター
卵豆腐
ジャコおろし
ほたるイカキムチ
ざるそば
ビール・日本酒

居酒屋飯にしよう!と決めた今日の夕御飯。スーパーできっちりそれっぽいものを色々買ってきた。ホッケが美味しそうだねぇとホッケを買い、手頃な豚モツがあるよーと豚モツを買い、空豆も安いね、卵豆腐も食べたいねとあれこれあれこれ。豚モツは買い物から帰って早々にだんなが茹でこぼして豚味噌鍋用の残り味噌で大根、人参と一緒に煮込んでくれた。

夕方、モツ煮の味噌の匂いが台所中にふわふわと漂いまくる中、いそいそと夕餉の支度をはじめる。「いかに居酒屋チックにするか」の課題のようになってしまって、
「魚肉ソーセージとスモークチーズと、レーズンバター乗せたリッツの盛り合わせとか出したら幸せかなぁ?」
「ああ、それは幸せだ、すごく幸せだ」
とか言いながら小皿に卵豆腐盛ってみたり、ちりめんじゃこに大根おろしと醤油とレモンを添えてみたり。ホッケも好みな具合に火を通して、居間の食卓を食べ物だらけにしつつテレビで野球観戦しながら晩酌を楽しんだ。

外での飲みもたいそう楽しいけれど、「家居酒屋」はまた格別。飲み始めるとあまり席を立てなくなる(もとい、立たなくなる)ので最初にほとんど全ての料理が食卓に並んでしまうのが難点だけれど、モツ煮込みの美味しいことったらなく、ニラとモヤシの炒めものも良い感じ。前回ちょっと柔らかめに茹だってしまった空豆は、今日はほんのり固めの良い具合に仕上がった。

家で飲んでると、「すいませぇ〜ん」って呼んでも誰も来てくれないんだけどねぇ、まぁそこは適当にやるしかないねと途中で蕎麦を茹でたりしつつ、そして瓶に1/4ほど残っていた日本酒も空にして、すっかり良い気分。息子はモツ煮を前に「……にくじゃが?」と小さく呟いて、肉じゃがではないと判明してからちゃんと自分の皿を綺麗に平らげていた。野菜炒めも冷たいお蕎麦も美味しかったようで、何より。

5月5日 金曜日
がっつりランチの夜は野菜のパスタ。
「どん亭」にて
 牛しゃぶお替わり自由定食 \1680
 生ビール

5連休3日目。つい毎週末のような夜更かしから朝寝坊への流れになってしまっていて、今日もちょっと遅めの起床。ホットケーキでも焼こうかと言っているうちに10時を過ぎてしまい、
「DIYショップ行こうって言ってたじゃん……どっかで食べちゃう?」
と。DIYショップのそばなら寿司屋にハンバーグ屋に、あとしゃぶしゃぶ食べ放題とかもあるよねぇとだんなと話していたところ、息子に
「しゃぶしゃぶ!!」
とリクエストされた。じゃあしゃぶしゃぶにしようかとランチ食べ放題に向かい、本日最初の食事だというのに生ビールなど煽ってみたり。

どん亭のランチタイムの食べ放題は豚しゃぶが1480円、ラムしゃぶ(豚も食える)が1680円、牛しゃぶ(豚も食える)も1680円。安いだけあってそれなりの質の肉しか出ないけれど、赤身の牛肉は却って胃にもたれないものだからいくらでも食べられてしまえそうな心持ちになる。豚しゃぶも案外美味しく、胡麻だれやポン酢の味もけっこう好みな味。何よりデザートのソフトクリームが食べ放題(自分でソフトクリームマシンでにょろにょろと盛りつける)なので、息子はそのへんが特にお気に入りらしいのだった。

注文すると御飯と漬物、たっぷりの野菜の盛り合わせ(うどんつき)もやってくるので、食べ放題と言いつつ野菜もけっこう食べることになる。白菜入れまーす、豆腐も入れるよー?と適当に野菜もしゃぶしゃぶ鍋に入れつつ、最初にやってきた牛皿3枚の他に豚皿2枚、牛皿2枚を平らげた。

自家製苺シェイク

そして今日は居間の窓のブラインド取り付け(これまで使っていた麻のロールカーテンがあまりにボロボロになってしまったので付け替え)と、台所の引き出しの修理を。そういえばと出しっぱなしだったこたつ布団も綺麗に洗い、ストーブも物置に片づけた。息子はその間ずっと外でお友達と遊んでいて、息子が帰るのを待っておやつにいちごシェイク。

このところますます苺が安くなる一方で、安いのを買ってきてはヘタを取って冷凍庫に保存している。カチカチに凍った苺はバニラアイスクリームと一緒にバーミックス(もどき)で粉砕して、苺の味に応じて適当にコンデンスミルクを加え、あとは牛乳も入れて更にシェイク。毎回計量もせずに適当に作っているので毎回ちょっと酸っぱかったり甘かったりと色々なのだけれど、今日はちょっと牛乳感溢れるシェイクになった。だんながしてくれた諸々の作業をねぎらって、だんなの分だけコップ大きめ。そろそろ苺は終わりの季節になったけれど、今度はバナナとかマンゴーとかパパイヤあたりでも試してみよう。

トマトと茄子のスパゲティ
ほうれん草のサラダ
ビール

昼はがっつりと肉だったから、夜は野菜っぽいのにしようと、昼食後にお買い物して帰ってきた。茄子が安くて美味しそうだったので、夕飯は茄子のパスタ。生のトマトを刻んで入れるか、トマト缶使ってこってり濃厚なトマトソースにしようか話し合い、こってり濃厚トマトソースの方向で話がまとまった。だんなが先頭立ってにんにく刻んだりし始めてくれたのでパスタ作りはだんなにまかせて、私は横でほうれん草サラダの準備を。

誰のレシピか忘れてしまったけれど、結婚した直後くらいに見た本に載っていた、ほうれん草のサラダ。一度作って気に入って、以来我が家の定番サラダのひとつになった。ほうれん草と玉ねぎとトマトを切って生のまま皿に盛りつけ、上から熱いベーコンのドレッシングをかける。胡麻油で刻んだベーコンをカリッと炒めて、醤油と酢と砂糖(分量は4:2:1くらい)を加えて沸騰させたものを野菜の上からジャーッとかけて食べるサラダで、ほうれん草に適度に熱が通ってしんなりして、見た目以上にたっぷり食べられる。今日も我が家最大級のサラダボウルによそったそれが綺麗になくなっていった。

パスタを茹でている間にしっかり煮込んで水分を飛ばしたトマトソースのパスタは、期待以上にしっかりと濃厚なトマト味。炒めた茄子と玉ねぎとにんにくも混ぜ込まれていて、野菜だけのパスタなのに充足感溢れる料理になっていた。塩の量もばっちり決まっていて、大変美味しうございました。
連休もいよいよ折り返し。予定どおりに予定のない連休を満喫しているところだけれど、夏休みや秋休みの予定は立て始めてみたりして。

5月6日 土曜日
キャー、卵がつぶれたー……とか騒ぎつつハンバーガー作成。
魚肉ソーセージ炒飯
モツ煮込み
麦茶

連休4日目の今日も朝昼兼用食でスタート。朝8時前にのっそりと起きた私はおもむろにテレビゲーム(FF12の2周目)をはじめ、その後9時頃に起きてきた息子は、外からの近所の子供たちの声を耳にして
「お父さん起きるまで遊びに行ってくるー!」
と飛び出していき、だんなはその1時間後くらいに起きてきた。

とりあえずありものを食べちゃおうねと、酒粕入りの練り味噌で煮込んだモツ煮込みと、だんなが作ってくれた魚肉ソーセージ炒飯。モツ煮込みもそもそもだんなが作ってくれたものなので、私が今朝したことと言えば麦茶をコップに入れたのとお箸を並べたことくらい。「チャーハン」というより「焼き飯」という表現が近い感じの、全体にうっすら焼き色がついた香ばしいチャーハンの具は魚肉ソーセージの他は卵だけ。いかにも添加物山盛りなのだろうなぁと容易に想像できる怪しいピンク色のソーセージは、でも妙に美味しいのよね。

自家製ハンバーガー
フライドポテト・クレソン
クリームマッシュルームスープ
ビール

連休中にハンバーガー作りたいねぇ……と、かる〜い気持ちで言った数日前。でも市販のバンズって、理想よりちょっと小さめなんだよねぇ……という話になって、
「おゆきさん、バンズ焼かない?」
と、予想していなかった課題がだんなから提出された。そういえばパン焼くパン焼く言っていて全然焼いてなかったもんなと、今日は午後からパン作り。発酵させている間に図書館行ったり本読んだりしつつ、初めて自分の手でこねたパンを焼いてみた。

ピザ生地はもう10回を超えるくらいの回数作り続けているけれど、パン生地はこれが初めて。ピザ生地だったらある程度アラは隠せるけど、パンは難しいよなぁ大丈夫かなぁと不安な気持ちを抱えつつ、参考にしたのは『みかさんの手づくりパンのある楽しい食卓』(門間みか 主婦と生活社)という本だ。これが作りやすいですよーと以前教えていただいて、もう何ヶ月も前に購入していた本だった。ふわふわのミルキーな「リッチ生地」とフランスパン様の「リーン生地」の2種類を基本としたレシピ集で、分量も作り方もわかりやすい。リーン生地もきっと似合うのだろうなと思いつつ、作りやすそうなリッチ生地のバンズを作ることにした。レシピの分量の倍量を計量して、半量は基本の丸パンに、残りの生地をバンズに成形して、焼くのはほんの15分ほど。

こねてこねてせっせとこねてツルンと滑らかな生地を作って、発酵して綺麗に伸びた表面の皮を大切にする感じに1個1個成形して、ここまではなんとなくうまくいった感触があったのだけれど
「でもちゃんと焼けるのかなー、ポソポソの味気ないパンになったらどうしよう……パン屋にバンズ売ってたかしら……」
と、「焼き」のところでたいそうハラハラしながらオーブンの外から何度も中を覗いて確認しながら焼き上げた。1回目の丸パンは予想を遙かに超える美しさに焼き上がり、試しにと焼きたてのところを1個割って家族皆でつつきあったところ、これがめっちゃめちゃ美味しい〜。ちゃんと粉の味がするし、バターとミルクがたっぷりという感じのふわふわな食感で、ほんのりと甘さがある。市販のバターロールからバター気をわずかに抜いて食感をちょっとばかり密にしたような口当たりで、とても良い出来だった。

その焼き上がりを確認してから焼いたハンバーガー用のバンズは、丸パン8個分の生地を3等分にして、丸く平たく成形したもの。息子の分のバンズだけ少しだけ小ぶりにしてみた。これも10数分焼いたらいかにも美味しそうな焼き色がついた焼き上がりになり、少し冷ましてからハンバーガーへの加工の準備。

だんなが大・中・小のサイズに作り分けてくれたハンバーグを焼いている間に、私はパンに軽くバターを塗ってオーブンに入れたり、野菜を切ったり。ハンバーガーを作る部分で色々と燃え尽きてしまったので、ポテトはオーブンで温められるタイプの冷凍のを、スープはキャンベルのクリームマッシュルーム缶を使うことにした。キャンベルの缶詰というのがいかにも「らしく」て良いよねぇと笑っちゃいながら、ボリュームたっぷりハンバーガーが本日の夕御飯。やっぱりチーズはいるでしょ、目玉焼きもあると嬉しいよねと、この段階で既にボリュームはたっぷりで、そこに更に厚切りトマトとピーマンと玉ねぎとレタスを積み上げたら……大変なことになった。

「……そうだよ、野菜とかたくさん入れたい時はさー……ハンバーグ部分はそれなりに薄くした方が良いって……」
「だよなぁ、前にそう学んだはずなんだよなぁ」
以前にも自家製ハンバーガー(この時は市販のバンズを使ったけれど)を試した時に全く同じ状況になったのを忘れていた私たち。私はそれでもギリギリハンバーガーとしての体面を保ちつつ食べることができたけれど、だんなのハンバーガーはほどなく崩壊してしまったのだった。息子は厚切りトマトだけを挟んだチーズバーガーにかぶりついて、
「!!!おいしい!このハンバーガー、すんごくおいしい!!」
と幸せそう。モスバーガーとどっちが勝ってる?と聞いてみたら即答で
「こっちー!」
と言われた。ばんざーい。

5月7日 日曜日
このパンでコロッケサンドをします〜(これは昨日撮った写真)
ミニコロッケサンド
アイスカフェオレ

昨日の夕方、「クリーニング屋さん行ってくる」と冬のスーツやら何やら持って近所に出かけていっただんなは、揚げ物の袋を持って帰ってきた。
「コロッケ買ってきた〜。今日焼いてくれたパンで明日コロッケサンドにしたい」
だそうで。初めて焼いたミルクパンはほのかに甘くてふわふわで、バターやジャムにも当然合いそうだけれどコロッケとかマヨネーズ味のものとかにもよく似合いそう。コロッケパンは確かに幸せだ。

で、焼いたパンは直径10cmにも満たないサイズのものなので、コロッケは温めてから半分に切ってパンに挟んだ。キャベツは抜きで、ソースだけをちょろりとかけてミルク多めのカフェオレと一緒に。

一晩置いてから軽くトーストしたパンも相変わらず美味しくて、時間と気力と材料さえあれば毎日パンを焼くのも悪くない(というか、楽しいし美味しい)なぁとしみじみ思いつつ、とりあえず、次はベーグルに挑戦かな。

グレープフルーツ

今日はだんな、一日筋肉イベント。朝から冷たい雨が降り続いて私たちも外出という気分ではなく、家でのんびり本を読んだりゲームしたりしていた。息子は昨日図書館で山のように借りてきた「かいけつゾロリ」シリーズを必死で読んでいる模様。お昼は軽くお蕎麦でも茹でて……と思っていたのだけれど、いまいちお腹が空かなくてグレープフルーツを食べるだけにとどまった。

本当に甘くて美味しいグレープフルーツには砂糖は不用と知りつつも、横両断にカットしたグレープフルーツにはつい上白糖を添えてしまう。果汁を吸って溶けて、でもわずかにシャリシャリした舌触りが残る砂糖の部分を舐めるのが密かなお楽しみ。

マッケンチーズ
鮭のレモンバター焼き
ほうれん草のサラダ
アイスティー

なんだか久しぶりな気がしてしまう、息子と2人だけの夕御飯。10日ほど前に遊びに行った漁港で買ってきた魚はもうあらかたすっかり食べ終えているのだけれど、サーモンの半端な切り身だけが冷凍庫に保存されている。それを使ってクリームソースのスパゲティか、鮭の混ぜ御飯かどちらかにしようかなと思っていたのだけれど、夕方になって
「今日の夕ごはんは〜♪マッケンチーズがいいなぁ〜♪」
と歌い踊る人が現れた。

「夕ごはん、マッケンチーズにしない?」
「んーマッケンチーズねぇ……」
「最近、食べてないよ?」
「いや、そんなこたないよ、君の誕生日に作ったもの」
「ぜんぜん食べてないよ?」
「いや、だからそんなことないって」
「でも、食べたいんだよ?ぼく、マッケンチーズがすごーくすごーく大好きなんだよ?」
「うんそれは知ってる」
「とてつもなく好きなんだよ?」
「ほー。とてつもなく……」
「食べたすぐあとでもねぇ、また、すーぐに食べたくなっちゃうほど、好きなんだよ?」
「そんなに好きですか」
「だから、マッケンチーズ作ろ?ぼく、お手伝いするから。ね?」

ね?と首を傾げた息子が、そのまま「夕ごはん夕ごはん〜♪」と台所に移動して、いつの間に覚えたんだかパスタ鍋に水注いで塩まで入れようとしているのを見て、「まぁ、マッケンチーズでいいかー」と根負けした。じゃあ私はサラダやおかずの準備もするから、チーズのソースは君が面倒みるんだよ?と、バターと小麦粉と牛乳でゆるめのベシャメルソース作って適当に手でほぐしたチェダーチーズを加えた鍋の世話を息子におまかせした。

焦がさないように、弱火で、ゆっくり木べらで混ぜながら加熱。コンロが2つふさがっていたので、おかずの鮭は塩と胡椒とバターを落としてホイルにくるんでオーブン焼きにした。茹でたパスタは200g強。「いっぱいいっぱいいっぱい食べたいなー」という息子のリクエストに応えて、私80g、息子120gくらいの分量比で盛りつけたところ、「ちょっと多い」とも「おなかいっぱい」とも言わずに全部食べきられてしまってお母さんはちょっとびっくりだ。

「は〜……そんなに好きなんだ、マッケンチーズ」
「いっつも、好きって、言ってるじゃん」
今日はこれまで以上に熱く「いかにぼくはマッケンチーズを愛しているか」を語られてしまい、しかもその中の語彙に「とてつもなく」なんて表現が出てきて、今日の夕御飯のマッケンチーズはやけに新鮮な気分を味わえた料理になった。息子がせっせと混ぜてくれたチーズソースもとても滑らかで良い感じだったし。