食欲魔人日記 06年10月 第3週
10月16日 月曜日
ランチの肉と魚は母と半分こ(こっちは魚)
ミニ叉焼飽
小龍包
プーアル茶

「デパ地下でね、ちょっと美味しそうな点心のお店があったのよ、あなたたち好きなんでしょ?」
だから買ってきたの、と、昨日午後にふらりとお買い物に行っていた母は、夕方大荷物で帰ってきた。全部冷凍ものだからね、と出されたのは、蒸し餃子、焼売、大根餅に叉焼飽に小龍包。大根餅は9枚も入った包みになっていて、こりゃすごい量だねお母様……と、笑ってしまいながらぎゅうぎゅうと冷凍庫に諸々のものをしまっておいてみた。

朝御飯に食べるものは叉焼飽あたりが良いかなと、朝御飯には1人1個の叉焼飽、そして1人2個の小龍包。冷凍小龍包は残念ながらスープが皮から溢れてしまった(多分蒸しすぎてしまったのだと思う……)のだけれど、甘い肉味噌の入る叉焼飽はなかなか良い感じ。片手の平にぽんと乗るくらいの可愛いサイズの叉焼飽、この味は久しぶりだなぁと思いながら。母が帰る前に美味しい飲茶屋さんとかも行けると良いのだけれど、無理かしら……。

稲毛 「双葉亭」にて
 Aランチ
     (ポークカツレツ辛子風味・スープ・パン・コーヒー)

週末にさんざん遊びまくり、そして明日も母とお出かけの予定。仕事しなきゃなと、
「由紀ちゃん、掃除機は〜?かけないの〜?」
「……かけといてくれる?」
「お花の水は、ちゃんとやってるの〜?」
「……やっといてくれる?」
と、母におんぶにだっこで、家事諸々をやっていただいてしまった。その代わり、仕事と平行して旅行中のデジカメ画像の編集も行い、各写真補正したうえでCD-ROMに焼いて母に渡せるようにしてみたり。

今日は粗食でいいね、なんて朝のうちにはそう言っていたのだけれど、やっぱり昼頃になるとお腹も空く。夕飯の材料も買わねばならない。
「夕飯のもの買わなきゃいけないし、ついでに何か昼御飯も調達してくるよ」
と、お昼を過ぎたところでパソコンの前から離れたところ、「じゃあ私も行くわよ」と母も外出の支度をしてきた。結局2人でぷらぷらと駅前まで赴き、パン屋さん併設のカフェコーナーでお昼にするか、それとも和風の定食っぽいのとか?ラーメンとか?と話しながら、初めて入るお店を試してみることに。駅近くにある「ビストロ双葉亭」というお店は、なかなか評判が良いらしい。AランチとBランチがあって、肉料理メインのものと魚料理メインのもの。サラダがついてくるBランチは1200円ほどで、Aランチは780円ほど……だったかな。

注文は私が肉で母が魚。おかずを適当に半分こしながらいただいてきた。本日の肉料理は辛子風味のポークカツレツで、魚料理はハタのムニエル。ほくほくのさつまいもなど、添えられた温野菜もちゃんと手がかかっている料理が出てきた。胡麻を散らしたちょっと中華風なわかめのスープと、トマトや玉ねぎの入ったレタスのサラダも。

肉を食べて魚も食べて、野菜も食べて、そして夕御飯はどうしようねと話し合いながら駅ビルに寄って夕飯の食材を買ってきた。
「お刺身なんて良いんじゃない?」
との母の意見で、今日の夕飯はお刺身。実に美味しそうな秋刀魚の刺身があったのでそれを手に取り、あとはサクで安かった本マグロとブリ、更に中トロのパックなども。野菜炒めが恋しいんだよねぇと、八百屋ではニラやもやしも買ってみた。粗食コンセプトはすっかりどこかに飛んでいった模様。

おばちゃんの枝豆
もやしとニラ、腸詰の塩炒め
お刺身(マグロ中トロ・ブリ・秋刀魚)
豆腐と油揚げの味噌汁
羽釜御飯
ビール(キリン樽生 ブラウマイスター)

そういうわけで、夕飯のメインディッシュは刺身。安かったブリと秋刀魚は見た目どおりに実に美味しくて、箸が進みまくってしまった。息子はねぎトロ丼でご満悦。野菜はシンプルな炒め物にしたいなぁと考えて、近所の中華食材屋で先日見つけて買ってきた腸詰と一緒に塩炒めにしてみることにした。独特な甘みのある腸詰をスライスして胡麻油でじくじくと炒め、適度にカリッとしたところでもやしとニラを加えて炒め合わせる。

炒め物は
「お!俺の好きなものばっかり入ってる炒め物だ!」
とだんながとても喜んでくれた。味つけもばっちり決まり、
「これなに?ちょうづめ?……そのへんで売ってるものなの?」
と母も興味深げ。ボリュームたっぷりだった炒め物は綺麗になくなり、でも刺身は少々多すぎたらしい。少しばかり余ってしまった。

10月17日 火曜日
なだ万ステーキ。
バタートースト
カスピ海ヨーグルト with マンゴーソース
梨・柿
カフェオレ

母は毎朝ヨーグルトがあると幸せな人。それがわかっているから、カスピ海ヨーグルトは冷蔵庫から切らさないようにしている。ヨーグルトは常に我が家にあり、増殖し続けているのだと知った母は昨日嬉しそうにセゾンファクトリーフルーツソースを買ってきた。マンゴーソースと、ラ・フランスソース。どちらもヨーグルトに少量乗せて楽しめるように甘さは強めに作られているようで、私もお相伴に預かることにした。

それにしても、いつのまにか母まですっかりマンゴー好きに。
数年前までは
「マンゴーって、なにあの?モワッとした匂いするじゃない?」
と倦厭していたはずなのに、先日のフィリピン旅行では大量にドライマンゴーをお土産に購入し、ジャム類フルーツソース類も好んでマンゴー味のものを最近は買っている。「秋田のスーパーにもね、マンゴージャム置かれるようになったのよ〜」なんて言いながら。

日比谷 帝国ホテル内「なだ万」にて  和風ステーキ定食 \6300
 アイスクリーム(抹茶)
 グラスワイン(白)

現在、毎月1回宝塚レビューアワーなるものが衛星放送のシアターテレビジョンで放映されていて、それを密かに楽しみにしている私。派手な照明、派手な衣装、派手なメイクに、番組が流れ始める最初の頃は「うわぁ」と腰が引けてしまいつつ、1時間の番組が終わる頃にはうっとりと見入っている私がいる。……で、そろそろ舞台も見に行きたいなぁと。
で、母が上京してくる直前に
「もしも宝塚のチケット取れたら、一緒に見に行ってくれる?」
と誘ってみたのだった。一度も見たことないのよ、一度は見てみたいと思ってたわと快諾いただき、そして本日昼の公演チケットをめでたく押さえることができた。

午後1時半からの公演なので、ちょっと早めに出て劇場近くでお昼御飯。東京駅から日比谷に向かって歩いて、丸ビルやTOKIAあたりのお店に入れば良いかな、と思っていたのだけれど、
「由紀ちゃん、劇場の一番近くのホテルはどこ?」
と母がのたもうた。ホテルなら……帝国ホテルじゃない?と、帝国ホテルに移動。レストラン案内の看板を眺め、「ここは洋食、こっちは和食……」と、地階のレストランをひととおり見て歩く事に。

「ほら、ここフレンチだよ。コースで5000円くらい。メインディッシュは……牛フィレ肉のステーキで赤ワインソースだって」
老舗のフレンチレストランの前に置かれたメニューを見て母を振り返ると
「うーん……ステーキって感じじゃないのよねぇ」
と。あら、向こうになだ万があるじゃない、なだ万なだ万、と、その店の前を通り過ぎてどんどん奥に進んでいった。和食の「なだ万」の前で立ち止まって
「あらぁ、けっこう手頃なお弁当とかありそうじゃなぁい?」
と店頭メニューを眺め、
「あら、ステーキ定食とか、あるじゃない」
と。

……さっき「ステーキって感じじゃない」って言ったのは誰よ?とすぐさまツッコミを入れたのだけれど
「和風ステーキなら、大丈夫そうじゃない?」
って。大丈夫そう、って……ママン……。

あなたはこのステーキ定食にすると良いわ、私は牛網焼定食にするからね、と、そうして昼はステーキ定食。和食の店らしい、一口大に切られて出てきた甘口だれを添えたステーキはすんごく美味しかった。

網焼もステーキも、「先付・生野菜・味噌椀・ご飯・香の物」がついてくるということだ。
先付は、湯葉豆腐と小松菜のおひたし。透けるほど薄く切られた大根ともやしのサラダには胡麻ドレッシングがかけられて、あとは赤だしのお味噌汁とご飯、お漬物。1杯だけ飲みましょうかねと白ワインをグラスでいただいて、開場までのきっかり1時間ちょっとの贅沢ランチ。

ステーキも網焼も、火を通された状態で大皿に盛られてやってきた。肉の下には炒めた玉ねぎ、更に肉の上にはかぼちゃにアスパラ、パプリカ、しいたけじゃがいも。木の葉型の繊細な器には粒マスタードと味醂の甘さを強めの感じる甘辛醤油だれが添えられていた。野菜への火の通し具合も、もちろん肉への火の通し具合も完璧で、とろけるような柔らかく味のある肉はボリュームたっぷり。白いご飯片手に昼からわしわしと食べてしまい、上機嫌で劇場に移動した。

私は数度目の観劇の宝塚。通常は前半が劇、後半が踊りと歌を中心としたショー仕立てになっているのだけれど、前回に見た「ベルサイユのばら」はショーがなく全編劇で、だからショーのクライマックスのラインダンス見られなくて、それがとても残念だったのだった。だから今日はショーが楽しみ。
東京宝塚劇場の、上演中の公演は星組の「愛するには短すぎる」、ショータイトルは「ネオ・ダンディズム」。星組トップスターの湖月わたるがこの公演で退団するのだそうで、盛り上がっていた。

独特の拍手のタイミング(スターにスポットライトがカッ!と当たった瞬間とか、「銀橋」と呼ばれる花道にスターが入る瞬間とか)に今日もとまどってしまいつつも楽しく観劇。燕尾服の男役たちが一斉に踊る姿などは本当に美しくて、うっとりうっとりな3時間だった。なんでも「他の4組に比べ"熱く""濃い"」傾向のある組なのだそうで、でもトップスターの湖月わたるは、長身でとても爽やかな印象。

おばちゃんの枝豆
山盛りサラダ
昨夜のお刺身の残り
コロッケいろいろ
大根餅
豆腐と油揚げの味噌汁
羽釜御飯
ビール(プレミアムモルツ)

息子が家で留守番してくれているので、観劇後は急ぎ帰宅。夕飯の支度をする時間もあまりなさそうだと、コロッケを買って帰ってきた。御飯は炊いて、ミックスリーフをベースにしたサラダも山盛準備して、あとは母が先日買ってきてくれていた冷凍大根餅をこんがり焼いてみたり、コロッケも中までしっかり温めてみたり。

コロッケは、クリームコーンコロッケにかぼちゃコロッケ、チーズコロッケにチキンコロッケと盛りだくさん。全てを半分に切って、中身を見ながら好きなように食べてみた。ちょっと甘めのクリームコロッケが私は大好き。

10月18日 水曜日
自然食ブッフェは野菜たっぷり。玉ねぎがうまー
バタートースト
カスピ海ヨーグルト with マンゴーソース
カフェオレ

昨夜のコロッケもサラダも余っているけれど、いまいちそんな気分じゃないなと、トーストとヨーグルトの簡単な朝御飯。母が近所のスーパーで買ってきてくれたマンゴーソースは家族にも好評で、一緒に買った洋梨ソースの消費量よりも圧倒的にマンゴーソースの減りが早い。まったくみんなマンゴー好きなんだからー……と言いつつ、私もマンゴーソース。

千葉そごう内 「はーべすと」にて
 ランチブッフェ \1554

今日の昼は、千葉そごうの地下行ってみない?と母に誘われ、10時頃から千葉にお出かけ。旅行の写真を収納できるアルバムを買い、デパ地下で秋田に持ち帰る手土産を見て歩き、「田舎にこういうのって売ってないからねぇ」と魚の粕漬け詰め合わせなども母は眺めていた。で、昼は予定どおりに地下のフードコートを覗きに行く。

かつてはパン屋さん併設の軽食コーナーと、新宿TAKANOのフルーツパーラーがあったあたりは、先だってのデパート改装の折にずいぶん変わってフードコートになっている。今回初めて足を踏み入れたのだけれど、パスタ店にオムライス専門店、わっぱ飯にベトナム麺料理と、バラエティに富んでいてどれもなかなか美味しそう。
「奥に何があるの?奥にもお店があるわね?」
と、フードコート奥の店に向かった母は、メニュー見本の前で足を止めて「うん、ここにしましょ!」と。そこは、今流行の自然食ブッフェ店なのだった。「フードコートで食べる」という予定はすっかりどこかに消えて、わーいわーいブッフェよブッフェ、と盛り上がっている私たち。

この「はーべすと」というお店は、全体的に和風な料理が中心。ジュースの種類はほとんどなく、水とウーロン茶とオレンジジュースと牛乳、ホットの紅茶コーヒー日本茶くらいなのだけれど、代わりにデザートは7種類くらいある。御飯は麦御飯とお粥と炊き込み御飯、汁物は味噌汁と吸い物と、汁気多めの煮物数品という感じ。あとは野菜料理を中心としたおかずの数々で、魚介や肉、卵などを使った料理はさほど数がなかった。

名物は、「玉ねぎのステーキ」であるらしい。直径12cmくらいはありそうな、でっかい厚切りの玉ねぎステーキを私もごっそり盛りつけてきたのだけれど、ほのかに甘く香ばしく、とても食べ応えのある玉ねぎだった。蒸しただけのじゃがいもやさつまいもや南瓜、昆布と一緒に煮た南瓜、オレンジで煮たにんじん、あとは豆の煮物や切り干し大根、ひじきに田楽。揚げ物もほとんどなく、健康的な料理ばかりだ。

私は治部煮が嬉しくて、鶏肉と茄子が入ったとろみのある汁のその煮物をせっせとおかわりしてしまった。帆立の貝柱を炊き込んだ御飯も良い感じ。かつおぶしをどっさりかけた煮茄子も良かった。

そして品数豊富なデザートも、どれも美味しくて幸せだった。食べ応えのあるさつまいものフラン、しっかり甘い黒糖汁粉、そして黒糖パンナコッタに胡麻のミルクプリン、フルーツポンチに梅酒のゼリー。ウーロン茶の寒天という面白いものもあった。ねっちりと濃厚な舌触りの黒糖パンナコッタが超好み。夜にはアルコールの飲み放題プランなどもあって、確かにこういうおかずを傍らに梅酒とかいただくのも幸せかもしれない。

稲毛 「葡萄亭」にて
 揚げラビオリのトマトソース
 シェフの気まぐれサラダ
 ピッツァ(半熟卵と生ハム)
 カルボナーラスパゲティ
 盛り合わせドルチェ・アイスティー
 スパークリングワイン

母は明日秋田に帰る。最後の夜はどこかで食事しようか、気になる焼き鳥のお店があるからそこに行ってみようかと話していたのだけれど、だんなが激ジョブで夕飯時までに帰ってこられないことになってしまった。遠出するのも面倒だし、さてどこにしましょう?と母と息子と3人で話し合い、息子が「ピザ食べたーい」と言っていたじゃないと、1週間ほど前にパスタランチを食べに行った葡萄亭に行くことにした。ピザ1つ、パスタ1つ、前菜2つを取って皆であれこれつつく。

トマトソースを敷いた、サクッと揚げたラザニア。サラダは生ハムやイカ、海老、オリーブなどがふんだんに混ぜ込まれ、そしてピッツァは息子のリクエストで生ハムと半熟卵を乗せたもの。スパゲティもこれまた息子のリクエストでカルボナーラ。ロゼのスパークリングワインを1本取って母とくいくい飲みつつ、息子はすごい勢いでカルボナーラスパゲティを平らげていた。私は母にカルボナーラスパゲティを作ってあげたことがこれまでなかったらしく、
「まぁ!何このスパゲティ?美味しいわねぇ、すっごく好みよ。すっごくおいしいわ」
と、母がカルボナーラに大感激。鶏肉とほうれん草が入り、生ハムが飾られた具沢山なカルボナーラだったように思う。

同じ国内だし、新幹線に乗れば半日もかからないで東京にやってこられる距離ではあるけれど、「やっぱり、そうそう頻繁にこっち出てくるわけにいかないじゃない?」と、最後を惜しむように母もよく食べた。デザートには
「私、あったかいアップルパイにバニラアイスを添えたものにするわ。由紀ちゃんは盛り合わせにしなさい?」
と指定いただき、大皿デザートを母と半分こ。盛り合わせデザートは、ティラミス2切れとベリーソースを添えたバニラジェラート、そしてグレープフルーツとオレンジとキウイが盛りつけられていた。

はぁ〜、それにしても、毎日毎日よく食べた。母が帰ったら私もジム通いを再開しよう。

10月19日 木曜日
不調につき。
「JUNOESQUE BAGEL」のキャラメルマロンベーグル
マロンクリームチーズ添え
ミルクティー
洋梨・柿

昨日、名残惜しげに食パン(アンデルセンの「長時間熟成パン」がなんといっても好きなのだそうで)を買っていた私の母。私の方はそろそろベーグルが恋しくなってきたなと、デパ地下のベーグル専門店「JUNOESQUE BAGEL」のベーグルを買ってきた。10月の月代わりベーグルは「キャラメルマロンベーグル」で、いかにも美味しそうだったそれを選択。売り場には使い切りサイズの「マロンクリームチーズ」なるものもあったのでそれも買い、全体的にマロン味。

いつもは息子が登校し、だんなが出勤してからのんびりと朝御飯を摂っていた母だったけれど、名残惜しいのか朝早くに起きてきて一緒に朝食となった。母が洋梨と柿を剥いてくれる横で私はミルクティーの用意をする。おとっときの「Mitsu Tea」のミルクティー用の茶葉で、濃厚な濃いめのミルクティーをたっぷり煎れた。

栗の粒が葉に感じられる、ほのかな甘さが漂う秋っぽいベーグルを食べつつ、これが楽しかったねぇあれも楽しかったねぇと、ここ2週間ばかりを振り返る。もう旅行から帰ってきて1週間以上経ってしまったんだねぇ。

焼き芋
抹茶入り玄米茶

昼過ぎの新幹線で秋田に帰る予定だという母、荷物の大半は宅配便で送ってしまうことにしたそうで、近所のスーパーに手頃な段ボールを貰いに出かけて行った。帰ってきた手には、なぜか「焼き芋」が。
「やっぱり千葉ねぇ、お芋安いのね。焼き芋売ってたわ。出発前に食べていくからお茶煎れてね?美味しいお茶」
と告げられて、いそいそとお茶を煎れる私。近所のスーパーで焼き芋を売っているのはずいぶん前から知っていたけれど、私は一回も買ったことがなくて、そもそも焼き芋自体を食べることがほとんどないので、「え?焼き芋?今?すぐ食べるの?」と、私はちょっとびっくりだった。なし崩し的に、昼御飯が焼き芋ということに。

ほっこり火が通ったさつまいもは、確かに美味しい。太く長い立派なお芋だったので、半分こして食べきる頃にはすっかり満腹になってしまった。
「じゃあ行くわね。お世話になったわ」
立たなくて良いわよ、いやいやせめて玄関先までくらいは送るよと、立ち上がった母はさして名残惜しそうな素振りも見せずに「次はタヒチに行きましょうねぇ」とか何とか言いながら帰っていった。タヒチは……遠いねぇ。フィリピンより遠いよ。

1時間後くらいには
「東京駅で美輪明宏見たわ!髪の毛、まっきんきんだったわ」
なんてメールが届いたりして。
母……なんかここ数年で若返ってきているような……。

比内鶏の親子丼
味噌汁(インスタント)
麦茶

この数週間は明らかに遊び過ぎてしまったようで、昨日の午後から微妙に体調が悪かった私。母が帰った途端にがくりと力が抜けて眠気が襲ってきた。喉は痛いし鼻水は止まらないし猛烈にだるいし、熱っぽいし、どこをとっても風邪っぽい。仕事も残っていたのだけれど、午後は布団に入ってずっとうつらうつらしていた。
「あれ?お母さん、かぜかぜかぁ〜」
と私の様子を見た息子は、一人でピアノの練習をして一人で宿題を終え、届いたばかりの「2年の科学」の付録をさっそく組み立てて静かに遊んでいる。

だんなは昨日に続いて激ジョブとのことで、夕御飯はごくごく簡単に済まさせてもらうことにした。母が置いていった親子丼の素があったので、これで良いやと冷凍御飯をチンする。比内鶏と玉ねぎを煮たタレごと真空パックになっている素で、小鍋にあけて溶き卵でとじればOKというものだ。親子3人分、3パック買ってきてくれていたらしいのだけれど、2つ開けて親子丼を作った。使った卵は3個、味噌汁もインスタントで済ませちゃう。

いかにもな、こってりと甘いタレの味が今ひとつだったけれど、歯ごたえのある味のある鶏肉がごろごろ入っていたのが嬉しい。半熟にうまいこと固まった卵を御飯に絡めつつ、息子の丼の2/3量くらいにしておいたものをやっとの思いで食べて、ベッドに逆戻り。遊ぶのも体力が要るのだなぁと今更ながらに思い知らされる。

10月20日 金曜日
コリコリしていて美味しい地鶏
チーズトースト
カップスープ(コーンクリーム)

まだいまいち不調なのかフラフラしつつ、「チーズトーストが食べたい!」という息子のリクエストにお応えして、朝御飯にチーズトーストの準備。シュレッドチーズが残っていると思っていたのだけれど案外と分量がなくて、仕方なく1枚ずつビニールにくるまれたスライスチーズを取り出した。スライスチーズなら、チェダー味のがまだまだたくさん残っている。

こういう商品の存在をしみじみ嬉しく思っている私は、「食パンのフチの方までみっちりとチーズが乗ったチーズトースト」が大好き。市販の、普通の大きさのスライスチーズはサイズが微妙に小さくて物足りない。
「だからね、こうするの〜」
と、1枚のチーズはパンの隅に寄せて配置し、もう1枚のチーズを4等分くらいに裂いて残りの空間に並べていたところ、だんなが少し呆れた風に
「いいよ、そこまでしなくて……」
と苦笑いしていた。で、私と息子のチーズトーストだけ、みちみちチーズ乗せバージョンということに。

喉が痛くてしんどいなぁと、パンのお供にはマイルドな(気がする)コーンクリーム味カップスープを。眠くならないはずの風邪薬を飲んでいるのに、四六時中眠いってことはやっぱり体調が今ひとつなのだろうなぁと思いつつ、午前中はおとなしく寝ていた。

カスピ海ヨーグルト 洋梨ソースかけ

一日中寝ているわけにもいかないので、お昼に自家製ヨーグルトを軽く食べて、午後は真面目にお仕事をする。

我が家の住人がこぞって(秋田に帰った母含む)、マンゴーソースばかりを消費してしまうので、「洋梨の存在がかわいそうじゃないか」と洋梨味のソースを使ってみた。独特の香りのある、しっかりと甘いソースはヨーグルトにちゃんと似合う。

母はここ数年ですっかりマンゴー好きになってしまったようで、シンガポールではアップルマンゴー(皮の赤いやつ)をもりもりと食べ、フィリピンではペリカンマンゴー(皮の黄色いやつ)を毎日せっせと食べていた。「前はねぇ、あのモヤッとした匂いが嫌いだったんだけどね」と、今でもパパイアやアボカドやグァバあたりのトロピカルフルーツは苦手らしいのに、マンゴーは別格になったらしい。
……またマンゴーの美味しい国に遊びに行きたいなぁと思いつつ。母が遊びに行きたがっているタヒチはモルディブにはマンゴーはあるのかしら、とも思いつつ。

「ぢどり屋」にて
 鶏皮酢の物 \500
 ロースター焼セット \2100
 (地鶏のたたき、地鶏もも・合鴨もも・ニラのロースター焼き、雑炊)
 山芋のお好み焼き \600
 鶏めしのおにぎり \400
 生ビール
などなど

仕事して、息子を音楽教室に連れて行って、また帰って仕事続けて、燃え尽きた。夕飯用の食材の買い物をして帰らなきゃと思いつつ、混雑するデパ地下やスーパーを歩く元気はとてもなくて、
「ダメです、御飯作れません」
とだんなに連絡して、何か買ってきてもらって家で食べるかどうしようかと少し話し合う。

で、気になっていたぢどり屋というお店に行ってみることにした。博多に本店のある炭焼き地鶏の店なのだそうで、で、炭焼き鶏と言えば宮崎で食べたコレではないですかと、この店の案内を見つけてずっと心躍っていた私たち。宮崎のあの炭火焼きは美味しかった。ほんっとーに美味しかった。あれと同じくらい美味しいものが食べられるなら嬉しいねぇ幸せだねぇと、いそいそとお出かけ。

「ロースター焼」というから、ガスか電気の熱源で鉄板の上で焼くのかなと思っていたのだけれど、卓上に置かれたのはこんな感じの炭火と鉄板。七輪のような容器に焼けた熱を5〜6本詰め、その上に表面がギザギザした鉄板がセットされる。余計な脂はギザギザの下に溜まり、それが縁の一段下がったところに落ちていくようになっていた。ほほー、と感心しているうちに、「地鶏もも」もやってきた。既に小ぶりの一口大に切られた肉に強めに塩をして、そして鉄板の上で焼いていく。「合鴨もも」も同様に焼き、そして刻んだニラも登場。
「これは、フチに溜まった脂を絡めて、それで軽く焼いてくださいねぇ」
ということだった。ニラ、ニラは嬉しい、ニラ最高〜!とニラをせっせと鉄板に乗せつつ、あとは肉と一緒にやってきたエリンギやピーマンも焼きつつ。

できあがったのは、見事にそれっぽい「地鶏の炭火焼き」。皮がカリッとするまでじっくり焼いた肉はこりこりと良い歯ごたえで肉そのものの味が濃くてとても良い感じ。そうそうこれこれ、こういうのを食べたんだよねぇと、うきうきしながらビール飲み飲み肉をつついた。串を打った焼き鳥と通ずるものもあるのだけれど、こちらの方が豪快で好きなようにだらだら焼いて食べられるところが嬉しい。

おつまみにやってきた「鶏皮酢の物」も「地鶏のたたき」は、どちらの甘めなポン酢がかけられていて、爽やかな軽い酸味が良い感じ。すり胡麻をしこたまかけた「たたき」はしっかり肉も半生で、もちもちとした独特の食感が楽しめた。私は「たたき」がたいそうツボだったのだけれど、だんなは「酢の物」がたまらなかったらしい。各々好みの皿を前において、
「うぉ、いつのまにかたたきがない!」
「……あ、もう酢の物がほとんどない!」
などと言い合いつつ、あれを食べたりこれを食べたり。

焼きものが終わったところで「熱いから下げちゃいますね〜」と速やかに鉄板も炭火も下げられ、残ったコンロの上にやってきたのは大きな鉄鍋にたっぷりの雑炊。具は卵と刻み葱、そしてえのきもどっさり。ベースになるのはもちろん鶏スープだ。息子のために注文した鶏めしおにぎりも茶色い炊き込み御飯がすごく好みな味で、もちろん雑炊も良い感じ。

予想していたよりもずっとずっと美味しくて、しっかりと「地鶏の炭火焼き」で、とても満足。
美味しいもの食べると病気もふっとぶ感じがするよねと足取り軽く帰宅した。

10月21日 土曜日
かまとろ。皿も魚もピカピカでした。
叉焼饅
焼売・小龍包
麦茶

土曜日だけれど今日は早起きで、息子は登校。今日は授業参観日だ。
「朝御飯は?久しぶりにコーンフレークにでもする?あとは冷凍庫におまんじゅうも入ってるけど」
眠そうな息子に声をかけると「おまんじゅう!」と。小ぶりの叉焼饅1個じゃ足りないかなと、先日母が同じお店で買ってきてくれた焼売と小龍包も数個ずつ温める。

海老がごろんごろん入った大きな焼売に、やっぱり今日も上手く蒸せなかった(底に穴空いた……)小龍包をつつきつつ、そろそろ季節じゃなくなってきた感のある麦茶を飲む。

「銚子丸」にて
 つまみ中トロ
 あんきもポン酢
 イワシ握り
 秋の3カン
 金目鯛握り
 本まぐろカマ握り
 炙り3カン
 あら汁
 生ビール
などなど

授業参観は午前中のみ。国語と音楽の授業が参観可ということで、息子の勇姿を眺めてきて、「帰りの会」が終わるのを見届けて家族皆で校門を出る。もうすっかりお昼時、
「どこかで食べて行こうかー」
「……銚子丸?」
と、銚子丸に寄ってきた。

土曜の昼はあら汁が無料(お代わりも無料♪)だ。生ビールをもらいつつ、あら汁ももらいつつ、軽めにね軽めに……と言いつつ、皿数こそ少なめながらヘビィな皿が多かった気がする今日。「秋の3カン」(生すじこ、真さば、戻りかつお)も「炙り3カン」(生さんま、とろサーモン、本まぐろ中とろ)もどれもこれもトロントロンしていて、金目鯛もぷりぷりに輝いている。1皿157円キャンペーンだったイワシも食べたし、そして今日の幸せの一皿は「本まぐろカマ握り」。

先日、夜にお店に行った時は売り切れで食べられなかった「本まぐろカマ握り」。すき焼き用の牛肉のごとくにサシが入った薄紅色の身は口に入れた途端にホロンと崩れていく危険な味だった。あまりに危険すぎて、だんなとその危険を分かち合う。

スティックきゅうり with マヨネーズ
マッケンチーズ
鶏肉の塩焼き
ビール(プレミアムモルツ)

午後はのんびり。せっかく秋冬に咲く花の苗を買ってきたのに植え替えることもせずにごろごろ過ごしてしまった。
夕飯どうしよう、と、夕方になってから話し合い、だんながぽろっと呟いた「マッケンチーズ……」に息子超反応。

「マッケンチーズ!それ!今日の夕御飯はマッケンチーズ!」
言い出すともう止まらない。中華がいいかなぁ麻婆豆腐とか……とか、シンプルな味のスパゲッティとか……?なんて意見は全て息子の「マッケンチーズぅぅぅぅ」の声にかき消された。そういうことで、今日の夕飯はマッケンチーズ。

昨日の夕飯も鶏肉だったような気がするけれど、マッケンチーズに合わせるのは鶏の塩焼きあたりがよろしいんじゃないかということで、鶏をグリルで焼いてみる。だんなが鶏の用意をしてくれる間に、私はベシャメルソースを作ってそこにチェダーチーズを皮剥き器でスルスル削げ落としてソースを作っていく。だんなが鶏肉と一緒に美味しそうなきゅうりも買ってきてもらったので、それはスティックにして。

私はいまいち食欲ないから80gもあればいいよ、でも息子は120gは食べると思うから……と、結局茹でたのは300g強のパスタ。マッケンチーズは息子と2人の夕御飯の時に良く作るので、親子3人分の茹でマカロニの分量にちょっとびっくりした。多めに作ったチーズソースもちょっと足りなかったかなと思うくらい。

そして、その300g強のパスタ、半分くらいは息子の腹の中に消えていった。1杯目は全員の皿を80g目処に軽めに盛りつけたところ
「おかわりある?いーっぱいある?」
と息子に身を乗り出された。ありますよ、いーっぱいありますよ、と鍋の中を見せて、そしてその鍋の残りはだんなと息子が分け合って平らげてくれた。2杯目の息子のマッケンチーズは超大盛。
「うん、特盛!これ、特盛だな!」
と満足気な息子は「マッケンチーズ、ほんとうに久しぶりだしなぁ〜」とその特盛皿を綺麗に平らげたのだった。……お母さんはもうもうびっくり。

10月22日 日曜日
上品な上品な点心。
ホットサンド(こんたまちー)
アイスカフェオレ

今日は楽しみにしていたお出かけ。午後から横浜でコンサートということで、横浜で昼御飯どうするどうする?と話し合いながらの朝御飯。
「明日の朝はホットサンドが良いと思いマース!」
とだんなが昨日買ってきてくれたのはサンドイッチ用の薄切りパンで、そろそろそういう季節が来たかと卵を茹でる。

具は、我が家におけるホットサンドの基本中の基本の「こんたまちー」(コンビーフ+ゆで卵+チーズ)。ホットサンドというやつはどうしてこうもポイズンな具ばかり似合うのかしらと今日も心底思いつつ、コンビーフの缶を開けて卵も茹でる。チーズは少量残ったピザ用チーズと、チェダーのスライスチーズを適当に詰めた。

コンサートの開始は午後4時。おそらく会場を出るのは夜7時を回った頃だろうし、遅めの昼御飯を摂ってから向かわなきゃいけないねと話し合って、ここだ!と思ったのは横浜崎陽軒。焼売の崎陽軒。あそこの焼売は時々無性に恋しくなる。夏に横浜スタジアムで野球観戦しながら食べた崎陽軒の焼売は実に実に美味しかった。というわけで崎陽軒。

横浜 崎陽軒本店「嘉宮」にて
 午後の飲茶会席 \2,940
 青島ビール
 プーアル茶

そして向かった横浜崎陽軒本店の「嘉宮」というお店。広東料理を供するお店なのだそうでずっと気になっていたお店だった。午後1時半から4時までの提供の「午後の飲茶コース」というものがあるらしい。内容をネットで見て、これは美味しそうだねぇと「1時半に行きます」と予約のうえで行ってみることにしたのだった。半端な時間だというのに、店は大混雑。昼からのんびり宴会を楽しんでいるお客さんが多く、ゆったりしたソファ席などもある店内は良い雰囲気だ。

スープや麺、デザートがつく「午後の飲茶会席」が、ボリュームもあって良さそうだということで私とだんなはこれを。息子は単品の炒飯と大根餅を貰っていた。ビールを1本だけもらってだんなと半分こし、あとはプーアル茶をぐいぐい飲みながらの上品な味の点心のコース。料理が出てくるのがゆっくりめだったので、2品ほど出たところで「3時頃にお店を出たいのですが」と伝えてちょっと早めに出してもらうようにした。これが見事な給仕の時間配分で、食べ終わったのがきっちり3時。焦ることもなく、イライラすることもなく、心地よく食事できた。

出てきたものはこんな感じ。

紫籠特拼盆(籠盛り前菜)
即日時令湯(本日のスープ)
鹹點 脆皮蘿蔔捲(大根餅入り春巻き)
鹹點 咖哩鹹水角(五目揚げ餅 カレー風味)
鹹點 雑菰香蝦餃(旬のキノコ入り海老蒸し餃子)
鹹點 秋鮭蒸焼売(秋鮭と黒もち米のシウマイ)
鹹點 生蠔鍋貼餃(三陸産牡蠣入り焼き餃子)
鹹點 松菌小龍飽(松茸入りショウロン飽)
鹹點 辣味海鮮飽(ピリッと辛い海鮮蒸し饅頭)
家郷干炒麺(香港田舎風煎り焼きそば)
甜點 奶黄糯米糍(カスタード餡のココナッツ団子)
甜點 例日甜甜盆(デザートメニューよりお選びください)

予約の段階で「このコースをいただこうと思います」と伝えておいたところ、テーブルには既にメニューが印刷されたペーパーが置かれていた。1つ1つ眺めながら、「これがカレー味のだね」「今度は小龍包だ」などと確認しながらいただいていく。点心は全て1個ずつで、2種類ずつが1つの皿に盛られたり蒸籠に並べられたりしてやってきた。籠盛りの前菜は叉焼と揚げ胡桃、蒸し鶏と海老、チーズかまぼこのようなねっとりとした練り物だった。スープは干し貝柱ときのこの醤油味スープ、焼きそばは魚介と黄ニラ入り。

品名から伺えるとおり、どれもこれも手が込んだ点心ばかりで、火の通し方も完璧。中でも、中からふわぁっと松茸の香りが立ち上る松茸入り小龍包が絶品だった。レアに火の通った牡蠣が丸々1個包まれたモチモチした焼き餃子も。くどくない程度にカレーの風味が漂う咸水角も新鮮な味わいだった。……要するに、全部美味しかった。幸せ。

注文して持ってきてもらったプーアル茶とは別に、ウーロン茶も最後にはテーブルに出てきて、一口サイズのココナッツ団子と、6種類ほどの中から選べるデザートが1品。「盛り合わせ」という言葉に弱い私は、マンゴープリンがメニューにあったにも関わらずつい「盛り合わせ」を頼んでしまい(代わりにだんながマンゴープリンを頼んでくれて、味見させてもらった)、やってきた大きな皿に最後までうっとり。内容は洋梨ムースとカルーア風味のタピオカミルク、そして苺のアイスクリーム。息子には私たちからデザートを分けてやれば良いかなと思っていたのだけれど、息子にもベリーをトッピングした苺アイスクリームをサービスしてくれて、ただでさえ「大根もちおいしいねぇ!チャーハンおいしいねぇ!」と喜んでいた息子の悦びは増加の一方を辿っていた。テンションが上がるままコンサート会場にレッツゴー。

新横浜 「まぐろ問屋三浦三崎港」にて
 だし巻き玉子 \530
 鰺 刺身&骨せんべい \945
 鮪づくし \1890
 地鶏と豆腐の揚げ出し \735
 自家製さつま揚げ \580
 炭焼きおにぎり 2×\210
 ビール(ブラウマイスター)
 梅酒
 焼酎
などなど

だんなが取ってくれたチケット、それは米米クラブの「再会感激祭 アトノマツリ編」。
高校大学時代、それはそれはハマりにハマッてファンクラブにまで入って年に一度ほどのコンサートを楽しみにしていた米米クラブ。「君がいるだけで」の大ヒット後の路線がどうにも気に入らなくて、いつしかコンサートも行かなくなりファンクラブも脱退し、そしていつのまにか米米クラブは解散してしまった。今回、再結成のアリーナツアーだったのだけれど、「チケットなんてどうせ取れないわよぅ」と思っていたら、だんながあっさり追加公演チケットを家族分3枚入手してくれたのだった。ばんざーい。

客層は、私たちの年代と似たり寄ったり。若いお嬢さんたちもそれなりにいたけれど、大半は20代後半から30代前半と思われる人々で、我が家のような子供連れも少なくなかった。息子の右斜め前にも、1列おいた左斜め前にも息子の同年代のお子さまがいる。
「……米米だったら子供が来ても楽しかろうと思ったけど……」
「同じこと考えてる人、多かったみたいね……」
つまりファンがちょうどそういう年齢層(=小学生くらいの子供がいておかしくないという年齢層)に突入してるってことなのよねぇ……とニヤニヤしながら開演を待つ。

お客が年を取り、そしてメンバーも当然年を取った。なのにシュークリームシュは相変わらずのダンスを披露してくれて、ジェームス小野田は相変わらずのスーパーグランドマスターっぷりで、カールスモーキー石井の美声も相変わらずだった。いやぁ、楽しかった楽しかった。「Shake Hip!」や「どうにもとまらない」は体が勝手にちゃんと踊れてしまう。懐かしいあの曲この曲が聴けて、コンサートならではの寸劇ももちろんあって、クライマックスには天井から山のようなロゴ入り風船が降ってきた。あちこちで笑わせてくれるステージに息子も楽しそうではあったけれど、風船が降ってきてますます大喜び。そこら中で風船が飛び交う中で皆して「Shake Hip!」を踊り狂った。

今日が追加公演の最終日だったようで、最後の最後には「米米CLUB、解散撤回するぜ!」と重大発表が。そこら中でファンが泣いたり笑ったりする中、
「……無理のない、範囲でね……」
と、すっかりガラガラになった声でぽそりと言ったてっぺーちゃんの言葉に、ファンも苦笑い。

帰りには1個2個と風船を持って帰る人が多かったけれど、息子が「もてるだけー!」とか言いながら4個抱えて帰ろうとしている。私が1個、だんなが2個、息子が4個。なんとか手分けしながら7個の風船を持ち帰るのは、なかなか大変だった。両手に風船の大荷物で、でもコンサートが終わったのは7時半(開演が十数分遅れたことをさっぴいても正味3時間のコンサート……)。今から帰宅して食べたら夕御飯は9時になってしまう。新横浜駅も帰宅の人々で大混雑だったこともあって、駅前にあった海鮮居酒屋で軽く夕飯摂って時間潰してから帰ることにした。

鮪の盛り合わせ皿には赤身の角切り、中トロ4切れ、大トロ3切れ、カマトロの炙り3切れ、ねぎとろが盛られていた。本日のおすすめ魚一尾を好みの調理法で料理しますよということだったので、鰺を刺身にしてもらう。透けるように美しく切られた中骨も一緒に出てきたので「骨せんべいにしてくれる?」とお願いしたら、十数分後には絶品の骨せんべいにしてくれたのが嬉しかったけれど、でも全体的に何もかもが微妙なお値段の高さ。だし巻き玉子に豆腐と鶏の揚げ出し、薩摩揚げなど色々つまみつつビール飲んで梅酒飲んで、最後に焼きおにぎりを食べておしまいにした。すっかり良い気分になって(でも風船は手放さないようにしっかと握って)電車に揺られて帰宅。明日は絶対筋肉痛です。