食欲魔人日記 07年08月 第3週
8月13日 月曜日
冷たいもの冷たいもの……と冷やし中華を食べに
かまくらカスター(カスタード)
チーズスフレ
アイスカフェオレ

私の中には、未だに「横浜は遠いところ」という思いがあって、横浜に行ったら「お土産買わなくちゃ」という気分になる。今年は野球観戦だなんだで1ヶ月に1回ほどは横浜に行っている気がするのだけれど、でも「お土産買わなくちゃ」という強迫観念じみた思いに駆られたりする。

それが鎌倉なら尚のことで、
「せっかく鎌倉来たんだから、お土産買わなくちゃ!」
と、昨日ゲレゲレに疲れ果てているタイミングでそう宣言して、駅前の「かまくらカスター」のお店でかまくらカスターとチーズスフレを買ってきた。やっぱり基本はカスタードよねとカスタード4個と季節限定もののマンゴーを2個。

「……というわけで、トーストとかも普通にできますが」
かまくらカスター、昨日食べなかったから買ったまんま全部あるよと今朝だんなに伝えたところ、「ではかまくらカスターで」と返事をもらった。チーズスフレも食べたいねと、私とだんなは、かまくらカスターとチーズスフレを1個ずつ。真っ先にマンゴーかまくらカスターに手を伸ばした息子は、よっぽどそれが美味しかったらしく、
「もう1個、これ食べていい?」
と2個目のマンゴに手を伸ばしていた。濃厚なマンゴー色をしたクリームが詰まったかまくらカスターは、いかにも息子が好みそうなマンゴーマンゴーした味。あ、これ3個で良かったかも、と思いつつ、定番味のカスタードをもぐもぐ食べた。

「栄家」にて
 冷やし中華 \750

私のデスクトップパソコンが昇天して数日。昨日の夜、新しく買ったパソコンがやってきた。今日は一日、そのパソコンの立ち上げ作業。旧パソコンのハードディスク自体は無事だったので、データを移管しつつソフトのインストールをしまくった。もうこの手の作業は飽きるほどやっているから「次はそれ、それが終わったら今度はこれ」と作業も慣れたものだけれど、あまり楽しいものではない。「どうせだったら、少しデータも整理しよう」と、引っ越しの時に感じるような爽快感も少しだけはあるのだけれど、でもやらなくて済むならその方が良い……という感じ。

お昼は、あまりの暑さに
「だー!冷たいもの食べに行こう!……冷やし中華とか?」
と息子を誘って買い物ついでにラーメン屋さんに。以前何度か来たことがあるお店で冷やし中華を注文した。かなり昔ながらの感じの醤油ラーメンを出すお店、以前にも冷やし中華を注文して美味しかった記憶がある。自家製チャーシューがたっぷり乗って、甘く煮た椎茸が美味しい酢醤油味の冷やし中華だ。あとは錦糸卵とキュウリ、クラゲがトッピングされている。上からは刻み葱と紅生姜が。

ほろほろに崩れそうな柔らかいチャーシューが今日も美味しいなーと思いつつ、懐かしい感じの冷やし中華を息子と並んでつるつる食べた。子供には、ちょうど食べ終わるくらいのタイミングで冷たいオレンジジュースを1杯出してくれる。最初から出すのではなく「全部食べてから」というのが、とてもステキだ。
冷やし中華を全部平らげた後、くいーっとジュースを一気飲みして「ごちそうさまでしたっ!」パンと手を合わせた息子と、今日の夕御飯の食材買ってから帰宅した。……今日もとろけそうなほど暑いね。

玉子豆腐
馬刺とキュウリ
豚冷しゃぶwithどっさり茹でキャベツ
鶏豆腐
羽釜御飯
ビール(ヱビス/ザ・プレミアム・モルツ〈黒〉)

夕方、無事にパソコン復旧作業完了。ひととおりのデータとソフトを入れ終わって、これでいつでも仕事がスムーズに進められるようになった。

夕飯は、「もう絶対今日は冷しゃぶ!」と心に決めて豚薄切り肉を買ってきた。冷しゃぶと言えば、キャベツ。茹でたキャベツを胡麻だれやポン酢で食べるのはすごく美味しい。暑い日に冷たい茹でキャベツを食べるのもまた格別だ。豚肉を軽く凌駕するくらいのキャベツを山盛り茹でておいてみた。

で、「肉が重なる……」と思いつつ、安かったのでつい買ってしまった馬刺のパックも。刻みキュウリの上に馬刺を並べ、スープは鶏豆腐。季節外れと重々知りつつ、どうしても春菊を入れたくて無理矢理高かったのを買ってきて鶏豆腐に加えてみた。ほうれん草や小松菜、クレソンあたりでもぎりぎり代用できるけれど、でも鶏豆腐には春菊を入れるのがやっぱり美味しい。あの青臭いのがどうにも鶏と豆腐入りの吸い物によく似合う。

「ほんとはね、有頭甘海老も売られてたから、それで味噌汁かなーとも思ったんだけど、甘海老の味噌汁だったら鰹のたたきとかにしたいじゃん?でも今日はどうしても冷しゃぶな気分だったんだよー」
んでもって、どうしても鳥豆腐な気分でもあって、その結果なんだか肉だらけになってしまいましたすみません、と、軽く懺悔などしつつ、でもどことなく「キャベツもメインディッシュ」的な夕御飯。何しろ1/2玉分も茹でたので、けっこうな迫力だ。

キュウリは切って馬刺と盛り合わせただけ、キャベツと豚は茹でただけ、鶏豆腐は鰹だしとって塩と酒と薄口醤油で調味して鶏と豆腐を軽く煮て……と、鶏豆腐こそ「かろうじて料理」らしいものだったけれど、後は料理らしい料理をしなかった夕御飯。でも、適当に買ってきた胡麻だれと、なぜかこちらだけはこだわっているポン酢を添えて食べる冷しゃぶは格別だった。

現在使用中のポン酢は馬路村ゆずぽん酢。はっきり感じられる柚子の香りが心地よく、比較的簡単に地元のスーパーでも買うことができる。んで、なるべく切らさないように常備しておきたいと思いつつ、いつの間にか使い切ってしまうのが大阪の旭ポン酢。こちらはバランスの良い柑橘類の風味がして酸味が爽やか。馬路村の方が、少しまろんとした感じ。どちらも好きで、どちらもけっこうな勢いで消費してしまう。

8月14日 火曜日
多分今シーズン初の、氷宇治金時!
カスタードパイ
アイスカフェオレ

昨日スーパーをぷらぷらしていて、併設パン屋が何やらフェアをやっていた。いろいろ諸々、安いみたい。
「お母さん!安いの、パイだ!全部パイ!」
「……パイかー……」

暑いしな、朝からパイってのもな……と素通りしようとしたのだけれど、それより早く「じゃあ僕はこれがいいなー」と息子がトレイにアップルパイを乗せているのだった。1個100円という値段に惹かれてしまったこともあり、結局パイを3種類。いかにもだんなが好きそうだと思われる品がいまひとつ見つからなかったので、「私が食べたいもの」を2種類選んで、そこからだんなに選んでもらうことにした。トレイに乗せたのは、息子リクエストのアップルと、チーズとカスタード。

かくかくしかじかで、この2種類から選んでくださいとだんなに告げると、チーズを選択した模様。私はカスタードクリーム入りのパイが朝御飯になった。柔らかなカスタードクリームをくるむような形のパイで、サクサクのパイがちょっと嬉しい。

しかし、今日もすごく暑い。今日はだんな、お仕事お休みだそうで都内の展覧会を見に行こうねということになっている。

新宿 「壁の穴」にて
 ミートソーススパゲティ

昼過ぎに新宿ついて、「さて、何か昼御飯を食べないと」ということに。とにかく暑いから駅からあまり離れたくない、いっそデパート内のお好み食堂とか……?という話をしつつ、京王モール街の「壁の穴」に向かうことにした。昔々、もう30年ほども前からちょこちょこと母に連れてきてもらっていた懐かしのスパゲティ屋さんだ。古めかしい雰囲気もほとんど変わらないまま、今も営業している。

スパゲティ屋さん「壁の穴」は、どうも2系列あるらしく、新宿モール街にあるのが「"元祖"壁の穴」、そしてデパート内などに多く展開しているのがこちらの壁の穴。どちらにも同様の内容の「若者のアイドル」という名物メニューがあり、今はもう置いていない店の方が多いようだけれど、ヤクルトをオレンジジュースなどで割った「楊貴妃」「クレオパトラ」といった不思議な飲み物があったりした。多分よくある「のれん分け」などの結果だと思うのだけれど、私は断然、思い出深い分もあって京王モール街のお店の方が好き。

「お母さんね、おばあちゃんに連れられて良く来たんだよ、ちょうど君くらいの年齢の時」
と話しつつ、混雑する店でカウンターに親子3人並んでお昼御飯。息子はイクラ乗せたらこスパゲティの大盛り、だんなは「若者のアイドル」の大盛り、私もつい調子に乗って、ミートソーススパゲティの大盛り。このお店のミートソースが大好きで、子供の頃は毎回毎回飽きずにミートソースを食べていた。たらこスパゲティもすんごく美味しいと知ったのは、ずいぶん後の事だ。

厨房に面したカウンター席だったので、大鍋で山のようにパスタを茹でている様とか、手際良く中華鍋で具や麺を炒める様がよく見えた。たらこスパゲティには本当におっそろしいほどのバターが投入されていることがわかったり、パスタが出てくるまでの時間はあっという間に過ぎていき、各自の前に大きな皿が3枚やってきた。

卓上にはセルフサービスでかけることができる粉チーズの容器とパセリの容器。パセリを軽く散らしたミートソーススパゲティは、ほのかに甘さを感じる、赤ワインやトマトの酸味は控えめな相変わらずの味だった。変に大人っぽすぎないこの店のミートソースが本当に好きだったんだよなぁと思い出しつつスパゲティを平らげ、けっこう麺の量多かったなと思いながら息子を見ると、息子も大盛り麺を綺麗に食べ終えようとしているところだった。

新宿 「清月堂」にて
 氷宇治金時

そして京王線に揺られて芦花公園に。初めて訪れた世田谷文学館では、ただいま「美内すずえと『ガラスの仮面』展」を開催中。
この記事を見て、「面白そう!」とだんなと盛り上がってしまい、せっかく「ぐるっとパス」もあるのだからと行ってみることにしたのだった。

我が家には当然(当然?)「ガラスの仮面」は全巻揃っているものの、息子は目下ジャンプコミックスばかりに手を出していて少女漫画には興味がない様子。しまったな、少し教えてあげてから連れてくるべきだった、と思う私たちの横で
「これ、全部マンガ?同じマンガ?僕全然わかんない……」
とハニワ顔になっていた。……ごめん、お母さんとお父さんばかり超楽しくてごめん。

会場の入り口には「あなたのファンより」の札つきの紫のバラ(さすがに造花)が飾られ、中には御丁寧に「紫のバラの人からのメッセージ一覧」のファイルまで飾られている。マヤが住んでいた部屋が再現されていたり、そしてびっくりするほどの量のカラーとモノクロの原画の展示。「眺める」というより「読める」くらいの分量があって、つい真剣にケースを覗いて"読んで"しまった。普通、原画とか目にしたら「うわー、線が綺麗だ」とかそういうところを見るべきだと思うのに、写植の文字を真剣に追いかけてどうする。

生原稿の美しさにびっくりしたり、連載当時の「花とゆめ」が飾られていて「うわ、でもこの頃の時代リアルタイムで知ってる……てか、買ってた」と別な意味でびっくりしたり、さりげなく全巻閲覧できる状態で漫画が置かれていたり(実際読んでいる人も何人かいた)、広くはないながらも充実した展示内容だった。
1階の常設展では「文学に描かれた世田谷 100年の物語」や「ムットーニのからくり書物」の展示もあり、女流俳人、中村汀女の高等学校時代の日記の達筆ぶりと内容の美しさに衝撃を受けつつ館を後に。

文学館を出て、「どこかでかき氷でも」と思いつつ炎天下の中を歩き、結局喫茶店らしい喫茶店も見つからないまま駅についてしまって新宿に帰還。デパートに寄るついでに上階の甘味屋さんで待望のかき氷を食べてきた。

氷の下にたっぷりのこしあん、氷の上に甘さ強めの抹茶シロップ、そしてこしあん、更に抹茶アイス、という充実の盛りっぷりの氷宇治金時は、多分お店で食べる今シーズン初のかき氷。ねっとりと濃厚な抹茶アイスがさりげなく嬉しくて、最後はシロップの甘さに少しばかり閉口しつつ、だんなに手伝ってもらってようよう平らげた。お店で食べるかき氷って、微妙に量が多いのよね。そこが嬉しいんだけどね。

津田沼 「しちりん」にて
 100円おつまみ(アサリの佃煮) 2×\100
 にんにくオイル焼 2×\400
 野菜スティック \250
 豆もやし \280
 ポテトチーズグラタン \350
 ユッケ \580
 ホルモン3点盛(シロ・コブクロ・ハツ・キムチ) \650
 ホルモン3点盛(カシラ・ハラミ・地鶏・ポテトサラダ) \650
 ホルモン2点盛(シロ・ピートロ) \450
 冷やしうどん \600
 クッパ \550
 ビビンバ(ハーフ) \330
 ホッピー(白・黒) 5×\350
 ラムネ \200
親子3人で。良く食べましたー。

新宿のデパートをぷらぷらし、ついでにヨドバシカメラもぷらぷらし、ゲームセンターで太鼓など叩き、そうこうしているうちにすっかり夕方に。あれこれ買えたけど、買おうと思っていた息子の水中めがねが買えなかった。

「津田沼にスポーツオーソリティーあったじゃん。寄る?寄って……しちりんでメシ喰って帰る?」
寄り道はめんどくさかったけど、だんなが発した「しちりん」の一言で一気にやる気が出てしまった。しちりんしちりん、モツ焼きモツ焼き!と、鼻息荒く電車に乗って津田沼へ。首尾良く手頃な値段の水中めがねも買うことができ、すっかり夕飯時な時間になってからしちりんに向かった。

もうすっかり来慣れた、モツ焼き屋さん。ろくにメニューも見ずに
「ホッピーと黒ホッピー。君は?ラムネ?じゃあラムネも1本。本日のサービス品2つと、にんにくオイル焼き2つ、焼いてもらえますか?」
席に着くなり素早い注文。名物の「にんにくオイル焼き」は、入店してすぐに頼まなければいけない。自分で焼く喜びも味わってみたいのだけれど、2つも七輪の上に乗せてしまうと肉を焼くスペースが半分ぐらいに狭くなってしまう。お店に頼むと絶妙な焼き加減に仕上げてくれるというのもあって、もっぱらお願いして焼いてもらうことにしている(自分で焼いても、お店の人に焼いてもらっても、値段は一緒)。

そして、案外外せないのが、100円の「本日のサービス品」。日によってつくねであったり野菜の和え物であったりと色々なのだけれど、どれもお値打ち価格だ。今日はアサリの佃煮で、これがまた良い味の染み具合で美味しかった。野菜スティックやモヤシ、ユッケなども注文して、肉が来るまでそれらで一杯。

ホルモン焼きは、複数のタレから味を選べるのだけれど、目下私たちは「塩」がお気に入り。何も味付けされずに来たモツに卓上で塩胡椒して焼くだけのものなのだけれど、結局のところこれが一番美味しい気がする。シロ必須でしょ、あとコブクロと、カシラあたりも恋しいかもー、と今日も分量少なめの「3点盛り」を中心に頼んで色々な種類を楽しんだ。シロのツルンとした口当たりがなんともステキ。外見はシロと似た感じながら、焼くとコリコリした食感になるコブクロも大好き。

あまりに喉が乾いてしまって、ホッピーばかりをお代わりして飲みつつ、最後は軽くハーフサイズのビビンバを食べて終わりにした。本当は「ネギユッケ丼」が恋しかったのだけれど、注文間近になって「ユッケ、全部売り切れちゃいました」とのこと。この暑さで「冷たい肉いいよな、ユッケいいよな」とばかりに注文が殺到しまくっていたようで、そういえば私たちのテーブル含め、そこら中のテーブルにユッケが運ばれていた。ユッケがダメならと頼んだビビンバだったけれど、これはこれで野菜沢山で密かに嬉しかった私。

8月15日 水曜日
生のバジルを使ったジェノベーゼスパゲティ。旨いよ。
きゅうりの磯和え
比内地鶏の親子丼
わかめの味噌汁(インスタント)
麦茶

連日の遊び疲れで、今日はうっかり朝寝坊。だんなも私も朝寝坊。目が覚めたら、もうだんなの家を出る時間のほんの十数分前だった。
「ぎゃ!ごめん、起きられなかった……」
「いや、起きられなかったのは俺も同じ……」
なんかもう朝からグダグダですね、今日も暑くなりそうだしね……と、だんなを見送り、息子も昨夜は夜更かししていたしと起きてくるまで寝かせておくことにして、静かな午前中。今日は終戦記念日、夏休みも折り返し地点だ。

今日はなんと全国各地で36〜37度を記録したという大変な暑さで、しかもお盆ということもあって外で遊ぶ子供の声も全然しない。息子が起きてくるまではびっくりするほど静かな環境だったので大変に仕事がはかどった。……でも、クーラーがめちゃめちゃ頑張っている様子なのに、室内気温は29度から全然下がる気配がない。

かなり遅めの朝御飯、というより昼御飯は、秋田の母が以前くれていた比内地鶏が入っているインスタント親子丼の素を使って簡単に。真空パック入りのそれを小鍋で温め、卵を割り落として半熟に固めればできあがりだ。チンした御飯に乗せて、インスタントの味噌汁と、簡単に作ったきゅうりの磯和えを添えた。この気温の中、ガスコンロは極力使いたくないと思ってしまう。

「……わかめじゃないんだね?」
「あ、そうか、君はきゅうりの海苔和えじゃなくて、わかめ和えの方が好きだったっけ……」
酢と薄口醤油と砂糖を合わせた合わせ酢で、薄切りきゅうりと焼き海苔を適当に和えて小鉢に入れたのだけれど、そういえば息子はわかめの和え物がすごく好きなのだった。ごめんごめん今度はわかめね、と約束しつつ、今日最初の御飯はボリュームたっぷりだった。

鰹のたたきのカルパッチョ風サラダ
バジルスパゲティ
鶏豆腐
ビール(Corona)

4月か5月頃にお花屋さんの店頭に並ぶバジルの苗。何年か買っては栽培するのを続けていた(場合によってはめでたく冬を越せたりもした)のだけれど、今年はバジルを育てていなかった。バジルを育てる醍醐味は、今頃の季節にこれでもかと収穫できる喜びにあるのだけれど、今年はそれを味わえない。

残念残念、育てておくべきだった……と思いながらスーパーを歩いていたら、1袋198円の、見事にもっさりと大量に詰められたバジルの袋と目が合った。バジル!大量!安い!超嬉しい!と、それを1袋お買いあげ。海老や鶏肉と一緒にナムプラーでタイ風の炒め物にするのも悪くないけれど、先日からジェノベーゼがとても恋しかった。というわけで、夕飯はジェノベーゼ。

バジルは葉をちぎり、にんにく、軽く空焼きした松の実、塩胡椒、E.V.オリーブ油と共にフードプロセッサーで粉砕。オリーブ油は心もち多めの方が麺とも良く絡まって良いと思う。ペーストができたら、あとは麺と和えるだけの簡単なパスタ料理だ。残ったペーストは瓶に詰めて表面にオリーブ油を張っておけば2週間ばかりは保存できるけれど、今日は保存するほどには残らなかった。

美味しそうな鰹も買ってきたので、これはパスタに合わせてカルパッチョ風のサラダに。塩胡椒とおろしにんにくを全面にすり込んでから金串刺して直火で表面を炙り、スライスしてミックスリーフ、プチトマトと共に平皿に並べる。ドレッシングはマヨネーズに粒マスタード、塩を加えてレモン汁で少し伸ばしたもの。ジップロックに入れて端を切り落とし、格子状に綺麗に絞り出してみた。あとは、ちと似合わないかなと思いつつ鶏豆腐の残りもテーブルに。

午後からはクーラー全開にしているのに一向に気温がまともに下がらず、パスタを茹でたらその熱だけで室内気温が上がってしまう様で、こりゃあダメだと一番涼しい居間で夕御飯を摂ることに。食卓ほどには大きくない居間のテーブルにあれこれ並べ、クーラーも御馳走だとばかりにビールを空けた。もちろん冷たいビールも御馳走だ。

8月16日 木曜日
あついねー、あついよねー。
「ドミノピザ」の
 ピザランチ クワトロB
 シーザーサラダ
コカコーラ

息子が
「ピザ食べたいなー、ピザ。……家で焼いて、作らない?今日」
などと言っている。うん、ピザは食べたい。けっこう恋しい。……でも、この猛暑の中、家で焼くのはかなりつらい。というか、クーラー全開の中で大型電気オーブン動かしたら、ブレーカーがあっさり逝ってしまいそう。

「……ピザねぇ、作れるんだけど、もう少し外が涼しくなってからにしない?気温が36度になりますって日に作るのはお母さんちょっと嫌だなぁ……」
と弁解して、でも確かにピザは食べたいかもとお昼に取って食べることにした。いくつかのお店のメニューを見て、選んだのはドミノのランチセット

・グリルナス、トマト、パルメザンチーズ
・ツナ、ポテト、マヨネーズ
・ハム、パイナップル
・カマンベールミックスチーズ、コーン、ブロッコリー、トマト

の4種のピザにナゲットとポテトのセットかシーザーサラダがついてくる。サラダにしてもらい、ついでにコカコーラもつけてもらった。選べるクラストはパリパリのイタリア風に。今日もうだるような暑さで、叶うなら家から一歩も出たくないという感じだった。

4種類のピザが2切れずつになってるから1人4切れね?5切れ食べたかったら好きなの2つ食べてもいいよ?と伝えたところ、
「じゃ、ポテトの食べる」
と息子が5切れ、私が3切れ。その分私はサラダを多めに口にした。フライドガーリックやテリヤキチキン、ツナコーンが乗る"クワトロA"も良かったのだけれど、無性に「パイナップル乗せピザ」が食べたかった私。甘いパインとハムが乗ったピザはいかにもな味で、とっても満足。やけにクリーミーなソースがかかっているなと、そのソースの詳細を知らずに食べていた野菜のピザは、「カマンベールミックスチーズ」のソースだったということを、今このタイミングで知ってみたりした。

もう少し涼しくなったら(せめて最高気温が30度をちょっと下回るくらいになったら)家ピザを焼こう。お店のピザではあまり味わえない、切り落としの生ハムとルッコラ、モッツァレラチーズをしこたま乗せたようなやつ。

出前のちらし寿司
吸い物(インスタント)
麦茶

ブロックの豚もも肉の買い置きがあったので、それを茹でてスライスして野菜巻いてポン酢つけて食べよう……と思っていたのだけれど、豚を茹でたところで
「ごめん、今日遅くなりそう」
とのだんなからの連絡。肉を茹でてスライスして以下略は後日に回すことにして、息子の2人の夕御飯となるとどうしよう、と、昼に続いて出前で済ませてしまうことにした。

もうここ24時間と言わず、168時間くらい稼働しっぱなしじゃないかという居間のクーラーは、でもベランダに少し出てみたり台所のコンロを数分つけるだけで室内温度を示すランプが右へ右へと(温度の高い方へと)ずれていく。火を使った料理はしたくない、かといって外に出たくもない……ということで、「国内で観測された最高気温の記録」が更新されてしまった記録的な猛暑だった今日、記録的なやる気のない食生活を送ってしまった我が家だった。の割りに、息子は「わーいピザだー」「わーい、夜はマグロだー」と喜んでいる。ちなみに本日、岐阜県多治見市と埼玉県熊谷市で記録されたその最高気温は40.9度だとか。昨日一昨日あたりは「人間の体温並に暑い」だったけれど、今日は体温どころじゃなかったらしい。

かくして、私はちらし寿司、息子はマグロ丼。丼についてきたインスタント吸い物を添えただけの、本当にやる気のない夕御飯だった。でも中身は豪華。

盛られていたのはマグロ、カンパチ、サーモン、イカ、海老、蟹、数の子、そして穴子とイクラ、玉子焼き、キュウリ。それなりの値段だったこともあってか、具の下に具が隠れてる、食べ応えのあるちらし寿司だった。別添だった刻み海苔かけて、わさび溶かした醤油を上からピャーッとかけて、居間のテーブルでの夕御飯。 そういえば今日は木曜日だったじゃんとテレビ東京をつけてポケモンとNARUTOを見ていた。

「んー……お母さんは、6時からやってる銀魂の方が好きかなー」
カカシもかっこいいけどねー……と呟きながら食後のお茶を啜っていたら、息子がぽそりと
「……ゾロの声の人が出てるからだ……」
と鋭いツッコミを入れてくれた。否定できなかった。

8月17日 金曜日
野菜野菜……と呟きながら盛りつける
コーンマヨパン
プチチョコデニッシュ
アイスカフェオレ
ヨーグルト

昨日は文字通り「一歩も」家から外に出ることなく過ごしてしまった。食事の方はデリバリーで誤魔化したとはいえ、今日の朝御飯になるものがない。
「というわけで、スミマセン、何か買ってきてくださいー」
とだんなに泣きついたら、帰宅途中に通ったらしいパン屋さんであれこれ見繕ってきてくれた。

「一目瞭然で、どれが誰のかわかるようになってるから」
と昨夜のうちに報告をもらっていたのだけれど、今朝になって袋を開いて苦笑い。メロンパンはどう見ても息子用だし、2つに切られたミニハンバーグがトッピングされているパンもどう見てもだんなの分だし、そしてコーンが乗ったマヨネーズ風味のパンは間違いなく私の好きなものだった。大きなそれらのパンと、あとは大福サイズのパンが3つ。小さなサイズのチョコデニッシュと、もう1つあんパンのような形状のそれは多分クリームパンだろうなと想像がついた。ここ数年の息子はチョコパンを好まない(どころかチョコ自体にも興味がないらしい)ので、チョコデニッシュは私とだんなの分だ。

ほんとに一目瞭然でわかっちゃったよと、アイスカフェオレ用意して家族皆での朝御飯。食後にチチヤスヨーグルトを出した。上部分が少しだけ細くなっている半透明の容器が可愛らしいチチヤスヨーグルト。
「チチヤス美味しいよね、私、好き」
「俺、グリコヨーグルト健康も好きよ」
「あー……あれも良いよね。んで、学校給食で良く出てた、ガラス瓶入りの、口がちょっとくびれてるタイプのやつも忘れらんない」
あれ旨かったよね、これも旨いけどね、とやいやい話しながらどこか懐かしい味のヨーグルトを食べる。

茹で豚と野菜盛り
春菊入りのかき玉汁
羽釜御飯
ごはんですよ
ビール(Corona)

夏休み、さすがに遊びすぎて懐具合も心許なくなってきた。今日は昨日一昨日に比べると幾分か過ごしやすい一日になったけれど、息子の自由研究もまだ終わっていないということで、一日家でのんびりと。私も溜まっていた仕事をしたりしていた。

今日もだんなは遅いということで、今日はちゃんと家で食べようと昨日茹でておいた塊の豚モモ肉をスライスする。それなりに大きな肉だったら「肉で野菜を巻いて食べる」こともできるかなと思っていたのだけれど、改めて見てみると案外と断面は小さめ。「野菜を巻いて食べる」よりは「野菜で巻いて食べる」の方が良さそうで、でもあいにくキャベツもレタスも用意していなかった。ま、いっか、適当で……と、肉は薄くスライスし、あとは茹でたミニアスパラ、刻んだキュウリと人参、それに私の大好物の茗荷を刻んだのも一緒に盛り合わせた。

「味つけは、適当にね。ポン酢あるし、胡麻だれとかにんにく醤油もあるから。あ、あとこっちにマヨネーズも」
数日前に食べた鰹のカルパッチョ用に用意してあったマヨネーズソースがまだ残っていたのでそれも出しつつ、「ほら、このマヨネーズ細く絞れるように工夫してあるんだよ」と先をごく小さく切り落としたジップロックに入れたソースで肉の上に絵を描いて遊んでみたり。野菜と肉に適当にそれらで味をつけつつ、シャキシャキした野菜の歯ごたえを楽しんだ。

豚の茹で汁も残してあったので、塩胡椒で調味してかきたま汁に。半端に残っていた春菊も加えてさっぱり味のスープにして、御飯には息子が最近お気に入りの「ごはんですよ」も出してやった。

「……ごはんですよを、御飯に混ぜなさんなよ……」
「だって、混ぜると美味しいよ?」
「見た目汚いし……大体、ごはんですよ入れるの多すぎ!それじゃしょっぱいでしょうがっ!」
「しょっぱくないもん!超うまいもん!」
「旨くても入れすぎちゃダメ!かき混ぜるのも子供っぽいよ?」

家族3人での食事も大概賑やかだけれど、2人なら2人でそれなりに賑やか。
でも、ごはんですよを御飯に混ぜ込むのは止めようよ、息子。

8月18日 土曜日
今日はタコスだ!
「ミスタードーナツ」の
 半熟ハムエッグパイ
 ポン・デ・マンゴーヨーグルト
アイスカフェオレ

昨夜、日付が変わってから帰ってきただんなが
「あ、明日妹来るってよ。昼、うちで喰うって」
と言った。あ、明日?明日ですか?今週は掃除も片づけも手抜き気味だったからちゃんと掃除しなきゃ、片づけもしなきゃ、あとトイレ掃除とかも……と、にわかに浮き足だって、今朝は起きるなり家の片づけ。義妹が来るのは大歓迎、でも昨日買い物できる時間帯くらいにその報告は欲しかった……と、「じゃあお昼御飯、どうする?」と相談しながらともかく片づけ。

結局朝御飯はだんなが買ってきてくれたドーナツになった。
しょっぱい系のパイがひとつと、甘いドーナツがひとつ。「ポン・デ・マンゴーヨーグルト」は期間限定ものらしく、「アロエヨーグルト」と「マンゴーヨーグルト」のヨーグルトシリーズが発売になっていたらしい。甘酸っぱいヨーグルトの味と少し香料の匂いがする甘めのマンゴーは確かによく似合う。

そして、密かに好物の「半熟ハムエッグパイ」。
公式サイトの説明文

サクサクとした食感の生地で
半熟風の目玉焼きとハムを包んだ、
ボリューム満点のパイです。

と書いてあって、食べるたびに「これ、半熟の目玉焼きじゃなくて"半熟風"の目玉焼きなんだ……」と、少し微妙な心持ちになるもの、でも好きな味。「半熟風」ってことは、黄身に何か混ぜものをしてそれっぽく仕上げてあるのかしら……と思うと、その辺の秘密をちょっと知りたくなってしまったりもする。

ゆで鶏乗せ胡麻味冷やし中華
麦茶

結局お昼御飯は冷やし中華にすることにした。昨日あたりから隨分過ごしやすい気候にはなってきたのだけれど、まだまだ「冷たいものが美味しい」と感じる状況。冷やし中華良くない?ハムじゃなくてさぁ、茹でた鶏肉乗せて胡麻味で食べるのはどうよ……などと相談して、まだまだ片づけと掃除が続く私の代わりにだんなが買い物に行ってくれた。話の流れで夕飯も決まり、「今晩はタコスにしよう!」ということに。

どうも色々焦っていたようで、錦糸卵を作る途中で溶き卵の入ったボウルをひっくり返してしまったり、今ひとつピリッとしなかった昼御飯作り。単にここしばらく料理らしい料理をきちんとしていなかったので、微妙に勝手がわからなくなっているのかもしれない。こんなんじゃいかんなぁと思いつつ、キュウリは細く丁寧に切ってみた。

細切りキュウリを用意するときは、以前小林カツ代さんの本で見て学んだように、斜めに薄くスライスしてから千切りにしている。
両端落とす→真ん中で切る→そのまま縦薄切りに→それを千切りに
としてしまうと、皮が全くついていない部分が大量にできてしまい、「それだと歯ごたえが良くないでしょう?」というのがカツ代さんの話だった。結婚間もない当初、彼女の著作でその話を見て、「なるほどなぁ」と、以来人参の千切りなども同様に斜め切りにしてから千切りにするようにしている。

千切りの話を見たのがこの本だったのかどうかは覚えていないけれど、当時買った『自給自足』(1996.11 日本経済新聞出版社)などには本当に助けられていた記憶がある。当時の私は「お店で食べるような美味しいもの、自分が作れるはずない」と真面目に思っていて、毎日の夕御飯作りへの不安が山盛りだった。このあたりの本を読んで、「あ、なんだ、生姜焼きとか、けっこう簡単に作れるんじゃん」と目から鱗で、それから少しずつ料理が好きになっていったのだった。当時の栗原はるみさんの本(『ごちそうさまがききたくて』とか、その続編とか)にも本当に助けられていた。懐かしいなぁ。

義妹来たりて、数時間我が家でおしゃべりしつつ、冷やし中華食べたり麦茶飲んだり。

茹で豚と野菜のカルパッチョ風サラダ
ナチョス
タコス(タコミート・トマト・レタス・アボカドディップ・チーズ・タコソース)
ソトアヤム
ビール(Corona)

手元に、見事に熟した美味しそうなアボカドが1個。
「すっごいねー、美味しそうなアボカドだよ」
だんなに伝えたら
「でしょ?ちゃんと俺、選んできたよ。皮が黒っぽくてちょっと柔らかくなってるやつ」
とのこと。

「すっごいねー、"アボカド買ってきて"は言ったけど、どういうアボカド買ってきて、までは私言わなかったのに」
ワカモレ(アボカドディップ)にするに最適な、ベストな状態のアボカドを選んできてくれたことを褒め称えたのだけれど、
「失敬だな、今日がタコスでアボカドが必要ってことで充分わかってるってば」
と憤慨されてしまった。ともかくも、美味しいアボカド使ってディップ作り。

熟した果肉は皮からスルリと抜けるように取れ、スプーンで軽く押すだけでペースト状になる。塩と隠し味程度の砂糖、レモン汁で軽く調味した。本当は玉ねぎやトマト、唐辛子(ハラペーニョ)、それに香菜なども入れたりするのだけれど、今回はタコスの添え物のような感じなのでなるべくシンプルに。

あとはいつも通り、Old El Pasoのタコキット使って、セットになっているシーズニングで牛肉炒め、タコソースを器に入れ、タコシェルは食べる都度レンジで10秒ほど温める。レタスは千切り、トマトは賽の目切り、シュレッドチーズも器に用意して、思う存分色々挟んでタコスを楽しんだ。せっかくワカモレを用意したのだからと、トルティーヤチップにチーズとサルサをかけて軽く温め、ナチョスも用意。

昼に用意した茹で鶏の茹で汁も取っておいてあったので、これはソトアヤムにしてしまうことにした。「ソト=スープ」「アヤム=鶏」で、ターメリックの黄色が眩しい、インドネシアのメジャーなスープだ。メキシコの人からもインドネシアの人からも「その組み合わせはどうよ」とツッコミを受けそうだなと思いつつ、手持ちの素(こんなの)を使って用意した。昼食時に少し残っていた鶏肉を戻し入れ、春雨とスプラウトを入れて具沢山な感じに。今日は夕方過ぎたらびっくりするほど涼しくなってきたので、温かいスープも嬉しかった。

いつもの味のハードシェルのタコスはもちろん美味しくて(ライム落としたコロナビールがこれまた美味しくて)、でも、さりげなく良い存在だったのがワカモレ。熟したアボカドは本当に美味しいねぇと言いつつ、1個剥いて作ったディップはすぐになくなってしまったのだった。最近は季節を問うこともなく、アボカドも近所で入手できるようになって、本当に何より。

8月19日 日曜日
いつもの「翌朝」の献立
タコライス
ソトアヤム
アイスコーヒー

「お父さんと、"すきすきぎゅー"ってしちゃったもーん」
「息子と、"すきすきぎゅー"ってしちゃったもーん」
だんなより一足早く起きて居間でパソコンを立ち上げていたところ、私より先に起きていた息子が寝室に消えたと思ったらそんな声が聞こえてきた。「すきすきぎゅーだとう!?」と寝室に駆け込んでみれば、蒸し暑い中我が家の男共2人がぴったりくっつきあってヘラヘラ笑っている。たれぱんだ?……みたいな。

「僕たち、さっきっから、このザマでした」
ヘラヘラ笑い続ける息子が得意気に私を見る。……いや、得意気に見られても……「このザマ」って、あんた……。

そんなこんなで今日は蒸し暑い一日。タコスの翌朝と言ったらやっぱりこれなのよねとタコライスの準備をした。ソトアヤムもちょうど3人分ほど残っているのでそれも温めなおし、炊きたて御飯に温めたタコミートを乗せ、冷たいチーズと冷たいレタスと冷たいトマトと冷たいサルサをトッピング。こればっかりは、ちょっと混ぜながら食べる方が美味しいのよねと端からざくざくかき混ぜながら、「本日第一回の食事」にしてはけっこうボリュームたっぷりな食事をした。

「もしかすると、アレだよね、タコライスはタコスより好きかもしれない……」
「いやいや、前日のタコスあってこそのタコライスの美味でしょう」
何にせよ、タコライスを見いだした沖縄の人は偉大だよね……と話しながら、レタスのシャキシャキを感じつつもぐもぐと。チーズは、溶けると良いなと御飯と肉の間に挟んでみたのだけれど、これが良い感じにとろんと溶けてとても美味しかった。御飯にチーズなんて少し違和感を覚えてしまうのだけれど、タコライスのそれは本当に不思議とよく似合う。

枝豆
いたわさ&きゅうり
卵豆腐
春雨サラダ
鰹のたたき
茄子野菜(風)
牛肉とわかめの韓国風スープ
羽釜御飯
ビール(ヱビス)

久しぶりに大きな予定のないこの週末、本当にのんびりとしていた。昼前にタコライスを食べたので改めて昼食という気分でもなく、でも午後3時頃にはすっかりお腹が空いてしまう。夕飯はいつもより早くに済ませることにして、暗くなってから花火をしようということになった。

今日は魚介が恋しい気分だったのだけれど、これという魚も見つからず、おつまみに小さな鰹のたたきパックを買ったのみ。メインディッシュは
「和洋中……どんな感じ?」
「……中」
「チュウ?」
中じゃない?中って感じしない?なんか、茄子野菜炒め(=地元の中華定食屋さんの名物メニュー)みたいなの食べたくない?モドキみたいなの作ってみない?と話がまとまって、豚肉や茄子、あれこれ野菜を買ってきた。

メインが中華炒めならと、春雨サラダも用意することにして、あとは見切り品だった枝豆(けっこうたっぷりな1袋が100円だった)とか、買い置きのかまぼこをスライスしてみたりだとか。茄子野菜とスープはだんなが作ってくれるということだったので、私は春雨を熱湯で戻してハサミでジャキジャキ切るところから夕飯の支度を始めた。

醤油のようなオイスターソースのような、甘さも少しばかり感じる"あまじょっぱい"味の再現は本当に難しくて、でもだんなはすごく頑張ってくれた。肉にはちゃんと下味が揉み込まれ、茄子は油通し、その他の野菜は湯通し。だんなのいつもの中華炒めはオイスターソースがそれなりに効いているのだけれど、今日はその系統の味ではなくて、「目指したものは、アノ茄子野菜」がちゃんとわかるようなものになっていた。

「……おおー!……ちがうけど!」
「うん、違うけど!」
「でも美味しい!」
ブラボー茄子野菜炒め!と盛り上がりつつヱビスビール飲みつつ夏っぽい食卓。

本当は、もう何週間も前から「新秋刀魚」が普通に売られていて(しかもけっこう安くて)、秋刀魚好きの私はずっとうずうずしているのだけれど、この暑さの中で秋刀魚の塩焼きはまだ食卓に出したくない。出したら「夏も終わりです」と自分で宣言するみたいな感覚があって、少なくとも8月が終わるまでは食卓に出す気分にならないのだった。早く食べたいんだけどな、秋刀魚もな。

暑いのにももう飽きてはきたし、秋刀魚の味も懐かしいんだけど、と思いつつ、夏の風物、花火を食後に堪能。
「へび玉もやろう、へび玉も」
派手な吹き出し花火や「巨大線香花火」みたいなバチバチ系手持ち花火を楽しんだ後、まとめ買いした花火袋の底にはいっていた「へび玉」も持ち出して、街灯の当たる下に皆して座り込んで「へび玉鑑賞」。吹きあがる黄色っぽい煙、「こりゃヘビというより……う……みたいな……」と苦笑いするしかない珍妙な形状をじーっと家族で眺めていた。へび玉の存在理由って……なんだろう(いや、けっこう好きなんだけど、暗いところでやって楽しいものじゃないし……)。