食欲魔人日記 08年01月 第2週
1月7日 月曜日
なんだかんだで毎年中華風
七草粥 (中華風)
麦茶

昨日、もう夕飯も終わってお茶も一杯飲んだ後になって
「あれ、七草粥っていつだっけ?てか7日っていつだっけ?」
「明日じゃん!明日7日じゃん!」
という話になったのだった。

私だったら、ここでもう諦める。今年の七草粥は諦める。外は寒いし小雨だし、夕飯食べてだらけた格好で、もう今更家を出たくない。
でも、私より数倍活動的なだんなは、
「大変!じゃあ七草粥セット買ってこなきゃ。そこのスーパーまだやってるでしょ」
と、上着ひっかけて速攻買いに行ってくれたのだった。しかも買い物を終えた後、自ら
「中華風のお粥でいいかな。仕込んでおいて、明日は6時起きで火を通すくらいでいいかなぁ」
などとそのまま仕込みも始めだした。すごいなーお母さんみたいだなー。

で、その予告通りにだんなは朝6時に起きて七草粥を仕上げてくれた。ほのかに胡麻油が香る、干し貝柱もたくさん煮込まれた中華粥。根菜は柔らかくなる程度に軽く煮込み、葉っぱ類は最後にざっと混ぜ合わせただけの色鮮やかなお粥だ。

あったかくて美味しいけど、でもお粥はお腹空くんだよね、息子も今日から学校なんだからお代わりしてしっかり食べていくといいよ……と、皆で無言になってしまいながらハフハフと七草粥を口に運ぶ。ピータンとか油条とかあればもっと最高なのだけれど、残念ながらどちらも手持ちはなく、あっさりとした淡泊な今年のお粥なのだった。

ポークカレー(ラスト!)
コーンスープ
茹でいんげんのアンチョビマヨネーズ添え
アイスティー

今日から息子は学校に。お粥だけだとお腹が空くかなと思っていたら、案の定、昼前に
「たっだいまー!おなかすいたー!」
と弾丸のように帰ってきた。そうでした、今日は給食がまだないのでした。

「カレーまだあるよ、食べる?外にラーメン食べに行くとかでもいいし、何か宅配のものでも頼んじゃう?」
と聞けば、
「カレー!まだあるならカレー!山盛り!」
と。本当にカレーが好きなのだなぁと、冷凍庫の御飯をチンしたら、半端に大きな包みしかなくて息子の皿はかなり大量の盛りになってしまった。

これではいかにも大盛り過ぎるという量だったので、
「こりゃ多いよね、ちょっと多いよね、減らすね」
と、息子の皿から御飯を取り分けようとしたら、「ダメー!」と全身で拒否された。カレー大好きだから、大盛りでいいの!と宣言され、そのまま私の倍量くらいの盛りの御飯の上に私の倍量以上のカレーをかけて幸せそうに食べ始めた。しかもルーの下にピザ用チーズを敷いたチーズカレー。見ているだけでお腹一杯になりそうだなぁと思っている私の目の前で、息子はその大盛りカレーを平らげたのだった。……まぁ、朝、お粥だったし……。

昨夜の残りのコーンスープと、少し野菜も食べたいということで、茹でたいんげんに、叩いたアンチョビを少し混ぜたマヨネーズを添えたものもカレーに添えた。

豚味噌鍋(豚肉・白菜・長ねぎ・うどん)
ビール(モルツ)
ほうじ茶

今日は午後から冷たい雨。寒くなってきたな、鍋も良いかもなということで、豚味噌鍋にすることにした。
午後は冷たい雨が降り続いて、買い物に出る気力がなかったので、「すみません、お肉買ってきてください……」と、肝心な材料の買い物をだんなにお願いしてしまう。そもそも、鍋用の練り味噌もだんなが練ってくれているものなので、私としては「この夕御飯の準備、私はなんにもしておりません」という心持ちに……すみません……。

いつもどおりに、ただただ白菜と豚肉(申し訳程度に長ねぎ、そして最後はうどん)といった感じの豚味噌鍋。
毎年、その年の「初豚味噌鍋」は成人の日前後になるのが常だったような記憶があるので、まだ正月飾りも引っ込めていないうちに豚味噌鍋というのは例年になく早い豚味噌鍋の到来な気がする。どうもこの冬は豚味噌鍋の頻度そのものが高いようで、その要因はなんといっても息子が「おいしいおいしい」とえらくこの鍋を歓迎してくれるようになったからなのだった。

今日も
「今日は豚味噌鍋ですよー」
と白菜を刻んでいたら後ろで小躍りしていたし、食卓でうどんが煮えるのを待つ間も怪しげな「うどんダンス」を披露していた。彼にとっては「踊るほど旨い御飯」の一つらしく、「まぁ待て、そんなに肉ばっか取るな!」と私とだんなに注意を受けつつ一気に平らげて居間に引っ込んでいった。大人は最後までのんびりうどんを啜ったり、熱いお茶をいただいたり。

で、正月飾りも食事の後に引っ込めました。ああ、お正月気分ももう終わり……。

1月8日 火曜日
本日の酒の肴
チーズトースト
カフェオレ
みかん

「さーて、朝御飯何にしましょーかねぇ……」
私が起きるより30分ほど早く家を出ていっただんなは、パンとコーヒーの朝御飯だったようで、私たちの分のコーヒーもちゃんとサーバーに残っている。パンがあるしパンだよなぁ、コーヒーにあんころ餅ってわけにはいかないしなぁ、やっぱり息子はバタートーストなのかなぁと思っていたら、布団の中からもごもごと
「チーズトーストォ……」
という答えが返ってきた。年末からこちら、チーズフォンデュをしたり自家製ピッツァをしたりの流れで、息子はチーズ回帰の傾向にあるらしい。というわけで、久しぶりにチーズトーストを用意した。チーズトーストとカフェオレ、食後にみかん。

だんなが昨日、七草粥の材料と一緒に「朝御パンも買ってきた!」言っていたパンは、なんと私は滅多に買わない4枚切りだったので、
「厚い厚い、朝からこれはちょっと厚いよ……」
と自分の分は半分にしてみた。息子は4枚切り1枚食べて元気に出かけていったのだった。
なんでも4枚切り食パンは「ピザトーストが食べたいなー」と思って買われてきたものであったそうで。改めて4枚切りの食パン買ってくるから、そうしたらだんなの朝ジムのない日にピザトーストをすることにしよう。

板わさ・ローストビーフ
白子ポン酢
まぐろの山かけ
春菊の卵とじ
いんげんの味噌汁
麦御飯
ビール(モルツ)

マグロの切り身が少量残っていて、鮮度もそう良いわけでもないから、ヅケにしちゃおっかなーどうしようかなーと冷蔵庫を眺めていたら、山芋の残りと目があった。他にも色々目があった。ほんの少し残っていたローストビーフとか、そろそろ食べきりたい感じのさやいんげんとか、かまぼことか、卵とか。今日はこれらを食べてしまうことにしようと、スーパーに行って野菜や果物、あと、たまたま見つけたので美味しそうな白子1パックなどを買ってきた。

マグロは思ったより分量がなくて、あれこれ品数だけは出したけれど全体的に軽めな印象の夕御飯。それでも、ビールのアテにねっとりとした口当たりの白子などつつきつつ、シメは麦御飯にとろろをかけて啜ったら良い感じにお腹もいっぱいになった。

白子は味噌汁にしたり鍋にしたりという使い方が多いようだけれど、酒飲みとしてはさらっと湯通ししたところに万能葱とポン酢を添えて食べるのが一番好き。火が通りすぎない程度に軽く通った、半透明のプルッとした感じが大好き。

1月9日 水曜日
写真撮り忘れて、これはビオラ「バニーイチゴミルク」。花弁がウサギの耳のようだから「バニー」だそうで。
カレーうどん
麦茶

鍋の底に少量残っていたカレーのルー。昨日の夜、それをカレーうどん用のスープに加工しておいた。昆布と鰹節でだしをとり、それでルーを薄めてから塩と薄口醤油、味醂で調味。醤油と鰹だしの味が加わることで、割といかにもなカレーうどんのスープの味になる……ような気がする。カレーうどんの専門店で食べるような、いかにもなねっとりとした口当たりの濃厚なカレーうどんも大好きだけれど、家で食べるカレーうどんは「残ったカレーで作るもの」という位置づけであったりするので、割とさらさらっとしたあっさり味のカレーうどんだ。毎回カレーの濃度が変わるので、味も毎回微妙に違う。

なんだかんだで具もすっかりさらわれていて、かけらのような人参や玉ねぎがヒラヒラする感じの、実に「具沢山」と対極にあるカレーうどんになった。朝御飯なのでうどんは2玉におさえて、それを皆で分ける。

さらっとしたカレーうどんを平らげて、そしてカレー鍋は綺麗になった。カレーの後にだしを入れてカレーうどんすると鍋のこびりつきがすっかり取れて後片付けが簡単になるのが、とても嬉しい副産物。

「サイゼリヤ」にて
 小エビのカクテルサラダ \459
 プチフォカッチャ&プロシュート(W) \789
 白ワイン(デカンタ250ml) \190

穏やかな平日が戻ってきて、そして私は「一人の時はあんまし食べないようにする」という密かな誓いを思い出しつつ、今日の昼間はお茶だけ飲みつつ仕事をしていた。年末からこっち、ずいぶん美味しいものを食べ続けていたので少しは節制しなきゃなと。一人家の中で移動することもなく仕事している分には、あまりお腹も空かない。

んで、夕食は、息子と2人で外食。
だんなが遅いそうなので、「じゃあどこかで食べて帰ろうか」と、習い事を終えた息子と待ち合わせして、結局イタリアンファミレスのサイゼリヤに寄ることにした。数ヶ月ぶりに来たのだけれど、現在「ほうれん草フェア」実施中ということもあってか、メニューに酒の肴系が増えたような気がする。前はパスタとピザと肉料理のプレート、あとはサラダとスープ類といった感じだった気がするけれど、ムール貝のガーリック焼きとかポップコーンシュリンプとかイカのパプリカソースといったおつまみものが増えていた。

料理は全体的におそろしく安いのだけれど、よくよく見るとワインも安い。グラスワインは100円、250mlのデキャンタは190円、500mlで370円。ビールよりワインの方が圧倒的に安かったので、白ワインの250mlのデキャンタをもらって適当につまむことにした。生ハム2枚とプチフォカッチャ2個が盛り合わせになった皿と、あとサラダのひとつもあればいいかなと思ったのだけれど、向かいでメニューを睨むように食べたいものを厳選していた息子が
「カルボナーラスパゲティと……あと、他にも頼んでいい?コーンスープと、あと、フォカッチャ。……ピザもとったら、多すぎだよね?」
などと言っている。息子よ、パスタとピザ両方取るのは止めようよ。

「……じゃあさー、お母さん、生ハムとフォカッチャの盛り合わせ頼むつもりだから、それ大盛りサイズにしてもらって、半分あげるよ。ハム好きでしょ?」
パスタとスープと、生ハムとフォカッチャで良くない?サラダもあげるから、と相談して、そんな感じの注文に。息子のスープとパスタもお味見程度にいただきつつ、生ハムの皿は半分、サラダは取り分けて小皿に1杯分分けてやった。私がワインちびちび飲んでいる向かいで、えらい勢いでスープや生ハムやパスタが消えていく。確かにこのお店の料理の盛りはやや軽い感じがするけれど、普通に2皿食べる日も遠くないと思った。

それでもサラダの盛りは充分にあるので、息子に少し手伝ってもらってもかなり食べ応えがある。本当のところは「肉サラダ」が大好きなのだけれど、今日は海老が恋しい気分だったので、甘海老が乗っているのだという小エビのカクテルサラダにしてみた。サウザンアイランドドレッシング風のサイゼリヤドレッシングはけっこうお気に入り。独特にモチモチとした食感のフォカッチャ囓りつつ生ハムも食べて、今日は全体的に軽めの食事の1日なのだった。

……さて、風呂上がりにビールでも飲むかなー(←ダメじゃん)。

1月10日 木曜日
こんにゃくって、美味しいものだなと。
厚切りパンのピザトースト
カフェオレ

「ピザトーストにしたいなー」とだんなが買ってきた厚切り食パンは、フツーのチーズトーストに化けてしまったので、改めて昨日パン屋さんで食パンを買ってきた。だんなが買ってきてくれたパンと同じく4枚切りにしたのだけれど、迫力の厚さだ。厚いパンでピザトーストすると、確かに美味しいのよね。焼くのに時間かかるけれどね。

パンの上にトマトピューレを薄く塗り、赤パプリカと玉ねぎ、ベーコンを適当に散らしてからピザ用チーズをたっぷりトッピングしてオーブンへ。いつもは5分くらいでトーストするところ、10分くらいじっくり焼いて野菜にも火が通るくらい焼いたらできあがり。だんながなかなか起きられない様子だったから私が代わりにコーヒーサーバーをセットしたのだけれど、いつもよりかなり濃いめのコーヒーになってしまった。まぁ、それはそれで……と濃いめのコーヒーで濃厚なカフェオレにして、ピザトーストをもぐもぐ。

雷こんにゃく
白菜と厚揚げの煮物
ブリの照り焼き
根菜ときのこ入りの豚味噌汁
羽釜御飯
ビール(ザ・プレミアム・モルツ〈黒〉)

美味しそうなブリを買ってきたので、今日はそれを照り焼きに。先日の豚味噌鍋の残りのスープが土鍋に残ったままだったので、具をあれこれ足して味噌汁代わりにすることにした。大根とか、人参とか、しめじとか。
あとは全体的に和風な感じで、こんにゃくを「雷こんにゃく」にしたり、厚揚げと白菜を醤油と味醂のあっさり味で炊いてみたり。

こんにゃくは、お義母さんからお裾分けしてもらった、丸い形の「下仁田こんにゃく」。どうやって食べようかな、ふろふき大根とか作って味噌田楽にしようかなと思いつつ、酒の肴になりそうな「雷こんにゃく」を作ってみることにした。「雷」の由来は、炒める時のバリバリいうすごい音から来ているらしい。

こんにゃくというのはあまり食べたことがなくて(多分母が苦手だったんだろう、母が買ってきて調理したのをまず見たことがない)、だからこんにゃく料理と言っても「味噌おでんとか、お刺身こんにゃくとか?」くらいしか私は思い浮かばなかったのだけれど、「雷こんにゃく」はかなりメジャーなこんにゃく料理のひとつであるらしい。一口大に切ったこんにゃくを茹で、水気を切ってから胡麻油でざっと炒めて酒と醤油で調味。最後におろしにんにくを少量加えて、食べ際に七味唐辛子をパラッと散らす……という感じ。バリバリいう音はたいそう楽しかったけれど、油がそこら中に跳ねてなかなかに大変だった。

このこんにゃくが、なかなか良い感じ。蔵王で食べる「玉こんにゃく」ほど煮込まれた感じはないし、甘さもないし(って、別に玉こんにゃくは甘くはないか……)、ただ適当に炒めて適当に味つけた、というものだったのだけれどとても美味しかった。ほのかなにんにくの香りと七味唐辛子の辛さが良いのかもしれない。こりゃいいね、ビールに合うねと、厚揚げの煮物は少しばかり残ってしまったのだけれど、こんにゃくは綺麗に無くなったのだった。白くてふわふわした美味しいこんにゃくだったから、料理も美味しかったのかなと思いつつ、今度普通のこんにゃくも買ってきて試してみようと思う。

1月11日 金曜日
年明けて一番の喜びっぷりだった気がする、今日のメニュー
「サンジェルマン」のツナパン
カフェオレ

なんだか塩味とかマヨ味とかのパンが恋しい気分だったので、ミートパイとコーンパン(マヨネーズ味)とツナパン(これもマヨネーズ味)をそれぞれ1個買ってきてみた。朝ジムに向かうだんなにミートパイ、コーンかツナかは息子と相談して決めた結果、私はツナパンに。ロールパン生地っぽいパンの上にツナとマヨネーズがトッピングされている、昔からの馴染みの総菜パンだけれど、コーンパンと並んで私はこれが大好き。

カフェオレ飲み飲みマヨネーズ味のパンを囓って、息子を学校に送り出した。今日は寒いなー……。

「R1/F」の九条ねぎとちりめんの和サラダ
厚揚げと白菜の煮物
たらこスパゲッティ
麦茶

「CLUB HARIE」のバームクーヘン
カフェオレ

だんなは今日飲み会なのだそうで、
「だから、音楽教室の後にそのまま食べて帰ってきたら?たらこスパゲティとか」
とだんなが言葉を発した途端に息子の目がキラキラキラーンと輝いた。
「タラコスパ!!」
ああもうダメだ、今日はたらこスパゲティ以外のメニューは提案できそうにない、という状況に。それほどに息子はたらこスパゲティが大好物だった。今や、もしかしたら「マッケンチーズ」を凌ぐ勢いかもしれない。

「あー……うん、食べて帰るでもいいけどさ……たらこスパゲティだったら家で食べない?大盛りにするし、安くできるし」
「壁の穴」で食べて帰るでもいいけど、半端に時間かかるし、パスタ以外にあれこれ注文したら多くなるし高くつくし……と、家メシを提案。「たらこスパゲティにしてくれるなら、家で食べる」と息子も応じてくれたので、音楽教室後にたらこを1パック買って帰ってきた。少し買い物しただけでも帰宅は7時頃になってしまうので、サラダも一緒に買ってきた。あとは昨日のおかずの残りも並べ、サラダも煮物も少し和風な感じの、和風味パスタな夕御飯。

以前にも一度買ったことのある、R1/Fの九条ねぎ入りのサラダは、けっこうお気に入り。大根が多めでシャキシャキした食感が心地良いサラダで、添えられた白醤油のドレッシングもさっぱりとした味で美味しい。

帰宅するなりとりあえずバターをパスタ皿に出して柔らかくしておき、パスタを茹でつつ、たらこをほぐして小ボウルの中で日本酒と昆布茶で和える。皿の上で和えることのできるたらこスパゲティは本当に簡単で、洗う鍋も少なくて済むのも嬉しいところ。パスタが茹で上がる頃には他の全ての準備を終えておき、パスタ茹であがる→急いで盛りつけ、急いで和える→海苔を乗せたら、すぐ「いただきます」 と、アツアツのたらこスパゲティを食べるべく頑張った。お母さんは「いただきます」の後、写真1枚撮ってからフォークを構えたのだった。

「大盛りにしてあげるから」の約束のとおり、今日茹でたパスタは多分300gくらい。息子の分が200gで、私の分が100gくらい。明らかに派手な盛りの自分の皿(代わりに煮物とサラダは私の方が多め)を前に
「すっごいなー!本当に大盛りだなー!」
と、実に嬉しそうに食べ始めた。で、食べきった。バターとたらこと海苔とパスタという組み合わせは、確かに感動的なほどに美味しいのだけれど、そこまで美味しいですか、そうですか。

パスタを食べ終えた頃、だんなから「今から帰るー」と連絡が。お土産にCLUB HARIEのバームクーヘンを買ってくれたのであるらしい。
「お父さん、今から帰るって。お土産にバームクーヘンあるってさー」
食器片付けつつ息子に言うと、「僕、バームクーヘンの穴の開け方知ってる!」だそうで。

穴の開け方というか、そもそも作る過程で穴が自動的にできちゃうわけなんですが……と思いつつ皿を下げ終えて息子の方に顔を戻したら、
「バームクーヘンに向かってー、銃をバーン!」
だそうで。
「……違う。全然違う。てか、穴開けないから、バームクーヘン」
「銃じゃなかったら、棒でドーン!」
「いや、銃でバーンでも棒でドーンでもないからね、違うからね」
なんでバームクーヘンの模様が円状にシマシマなのか、そこから考えてみようよ、そもそもバームクーヘンって言葉の意味がね……と、思わず真面目に「バームクーヘンの作り方」について語ってしまった。

そうこうするうちに、バームクーヘンとだんなが帰宅して、コーヒー淹れてもらって食後の甘味。直径15cmほど、厚さ5cmほどだった、輪切り状態のバームクーヘンを6等分して食卓に出したら、息子がいつの間にか2切れ目に手を伸ばしている。
「ダメじゃん……6等分にした意味が全然ないじゃん……3等分で良かったじゃん……」
と私も2切れ目に手を伸ばしたら、
「なに、君たちそういう流れなの?じゃあここで俺は食べないってわけにいかないじゃん」
と、だんなも2切れ目。食後の甘味にしてはボリュームのある焼き菓子を皆でもっきゅもっきゅと食べてしまった。

クラブハリエのバームクーヘンは何度か食べたことがあるはずだけれど、やっぱり素晴らしく美味しい。外側の砂糖コーティングのシャクッとした食感と甘さも好きだし、生地の「しっとり」と「ふわふわ」を共に感じる絶妙のバランスもすごく好き。甘さも淡いようでいてしっかり感じる。これは美味しい、これはヤバい、可能だったら高さ15cmくらいのバームクーヘンに、肉塊にかぶりつくがごとくにバクーッと食いついてみたい……と思ってしまった。

1月12日 土曜日
久しぶりのパイナップルチャーハン。美味しいは美味しいけど……高かった……。
チーズトースト
カフェオレ

2週間ほど前にも行ったような気がしなくもないのだけれど、今日は4回目の「キッザニア」。

もう何しろ、
「ディズニーランドとキッザニアだったらどっちが好き?」
との問いに、悩む間もなく即座に
「キッザニア!」
と答えるほど、息子のお気に入りのテーマパークだ。確かに小学3年生というこの時期は楽しむのにちょうど良い年齢だろうということもあって、そこまで好きならと前向きに予約を入れて連れて行ってやることにしている。

職業体験は2歳から15歳までということにはなっているけれど、たとえば「街時計」といった職業あたりは、小学校も後半の年齢になれば照れくさくなって体験する気も起きなくなってしまいそうだし、逆に「ビジネススクール」「新聞記者」などはそのくらいの年齢からでないと本気で取り組めない内容になっている。「文字を読むこと」が必須の職業もいくらかあるので、何度か行ってみた結果の印象としては、小学校1〜4年生くらいが一番楽しめるのだろうなといった感じで、毎回、息子は本当に楽しそうに色々なものを体験して帰ってくる。2〜3歳くらいの小さな子供になってしまうと、状況にびっくりして泣いてしまって、一度始めた仕事をリタイア……という光景も少なくない。

付きそう親としては「見ているだけ」しかないのがなかなかつらいのだけれど(座る場所もたっぷりあるとは言い難い)、楽しそうな子供達の笑顔と格好良いコスプレ姿で充分満足できるというもので。

というわけで、いそいそとチーズトーストを食べて昼前に出発した。4枚切りのパンが半端に余っていたので、1枚を半分に切って1人1/2枚でチーズトーストにしたりバタートーストにしたり。

「ららぽーと豊洲」内「FOOD CIRCUS」にて
 海南チキンライス \850

今日のキッザニアはずいぶん混んでいた。
(備忘録がてら、これまでのキッザニア訪問記はこちらこちらこちら

いざ入場してみると案外大人の率が高くてその分子供は少ないという印象はあったけれど、入場待ちのための列は12時過ぎという隨分早い時間から長くのびはじめていて、これでは場合によっては希望の職業の「1回目」の参加が間に合わないかもという状況だった。列についてレジャーシートを広げてから、だんなと交代しながらお昼御飯を食べに行く。前回はだんなと息子が2人で食べに行ったので、今回は私と息子が一緒に。いつもの隣接したフードコートで、息子はラーメン、私は海南チキンライスを食べることにした。

それなりにボリュームのある鶏もも肉の盛りに香菜が添えられ、鶏スープで炊いた御飯とにんにく風味の鶏スープのセット。カウンターに醤油だれと生姜だれ、チリソースが乗っていて自分で好みな量を添えることができるのがありがたい。食後にまたLil' Donutsが食べたいなぁと、ビールなどは注文せずに海南飯だけにしておいた。セルフサービス式で、簡単にささっと食べられる御飯としては悪くないと思う。700円くらいだともっと悪くないと思う……。

で、今日体験した息子のお仕事は、こんな感じ↓

パイロット(ANA提供)
「警察官と消防士は前にやったし、あと男の子に人気があるのってパイロットらしいけど」と事前に息子と話したら「じゃあそれもやってみる」とのことで、初回狙いで行ってみた。キッザニアの入り口の上にある、かなりリアルな飛行機に乗り込んで、制服来てフライトシュミレーターなどを操るらしい。同じ飛行機内にはちゃんと座席もあって、キャビンアテンダントの仕事はここで行われる。機内の様子は外にあるモニターで確認できるのだけれど(というかモニターでしか確認できないというべきか)、子供サイズの小さな、でもリアルなワゴンを押して機内食の提供をしたり、救命胴衣の説明をしたり、機内販売の案内をしたりしていて、実に芸が細かかった。パイロットとキャビンアテンダントは、体験するともれなく写真を撮影してもらえる(そして1枚1000円で販売される)。おお、パイロット姿かっこいいな。ちゃんと敬礼したポーズを撮影してくれるのね。

そうそう、キャビンアンテンダントの体験は女子限定かと思いきや、ちゃんと男子も体験できて、制服もブレザーが用意されているとか。受付で最初に
「パイロットとキャビンアテンダント、どちらを希望しますか?」
と係員さんに告げられて、
「え?キャビンアテンダントも、やっていいんですか?」
と、半ばキャビンアテンダントをやりたい様子の息子だった。初志貫徹ということでパイロットにしていたけれど、そうか、キャビンアテンダントもやってみたかったのか。じゃあ次回やってみるといいよ。

バスガイド (はとバス提供)
販売サービス系の仕事も好きらしい息子、「デパートの店員とか、バスガイドとかやってみたい」とのこと。というわけで、たまたま待ち時間もなかったのではとバスのバスガイドも体験した。白い丸衿の黄色いジャケットを羽織って「本日御案内を務めさせていただくのは○○です」などと自己紹介しつつ、原稿読み読みキッザニア内を1周観光旅行。3キッゾを払えばお客さんとしてバスに乗ることができるのだけれど、残念ながら大人はお客さんで乗ることもダメとのことで、バスの横から息子の勇姿を眺めていた。

ビルメンテナンス (JAPAN BEST RESCUE SYSTEM 提供)
園内で、少しばかり異彩を放っているのがビルメンテナンスのコーナー。梯子や階段といったもののない吹き抜けの壁面、2階にあたる高さに窓ガラスの割れた出窓があり、命綱をつけて壁面をよじ登っていって修理する……というもの。仕事として体験できる時間が開館後2時間半ほどで終わってしまうらしく(その後は、有料のビルクライミングの体験コーナーになっていた)、最後の回に滑り込むように並ぶことができた。身長制限130cm以上という、キッザニアにしてはレベルの高い制限が設けられている。腰と腿にベルトをつける命綱はかなり本格的なもので、よじのぼる壁面も凹凸が少なめで難易度が高そう。「よじのぼる」という体験が面白いらしく、密かな人気職業の一つだったらしい。

インテリアプランナー (大和ハウス提供)
たまたま「待ち時間ゼロ」状態だったので、「やってみる?」「やってみる!」ということで、インテリアプランナー。タッチパネル式の大きな画面を皆で見ながら、とある家のダイニングキッチンの内装について、床材や壁紙、窓やドアのデザインを皆で決めていく。テーブルには小さな模型があるだけで、「話し合いするだけで終わっちゃうのかしら?」と思いきや、ロールカーテンで隠されていた奥の部屋には、話し合って決めていたのと同じ造りのダイニングキッチンの空間が広がっていた。決めた内容のレポートを確認しながら、皆でパネル式になった建材を床や壁にはめて「施工」していき、最後はできあがった内装を背景に記念撮影。竣工写真は平面図やプランニングパースと共に「家づくりプラン」としてA3用紙に印刷されて、お土産に。こらこら息子さん、プランナーはピースとかしてポーズつけてちゃいけません。あまり目立たない場所にある職業ながら、これ、すごく楽しそうだった。

カーライフサポート(AUTOBACS提供)
「ガソリンスタンドかカーライフサポートか、どっちか空いてる方やってみる」ということで、カーライフサポート。赤いオートバックスのつなぎの作業着を着用して、タイヤ交換かプラグ交換の仕事をする。息子の回はプラグ交換だったようで、ボンネットに頭突っ込んで何やらごそごそと動いていた。この、赤いつなぎがとってもステキ。警察やパイロットの服装は微妙なる胡散臭さが漂ってしまう息子だけれど、こういう作業着系の服は異様に似合う。東京電力とかクロネコヤマトとか大成建設とか、「もう君、いっそここに就職すると良いよ」という似合いっぷりなのが笑ってしまう。お母さんは「いい……つなぎの作業着、いい……」と、ちょっとだけ萌えていた。

裁判官(IHI提供)
最後の仕事は裁判所。もう時刻も8時くらいで、「次が今日最後の職業体験だろう」というタイミングで、でも裁判所の前は誰も並んでいなかった。ちょうど最後の回の募集直前だったとのことで、「一緒に裁判所やりませんかー?」と息子もスタッフと一緒に呼び込みしながら定員の5人から9人が集まるのを待つ。同じ場所で募集する警察官は人気職業だけれど、裁判所は内容も少し難しめということもあって、あまり人気がない様子。5分ほどかけて7人が集まって、やっと法廷を開くことができた。

裁判官・被告・原告・弁護人(被告原告それぞれに)・証人2人という構成の民事裁判で、内容は「原告がキッザニアのお菓子工場で作ったお菓子を、被告人が全部食べてしまった。原告は被告に"このお菓子預かっていてくれる?食べていいよ"と告げて菓子を預けたが、全部食べてしまうとは思わず、被告を訴えた」というもの。役職はくじで決めてのロールプレイングなのだけれど、法廷の造りはかなり本格的なもの。キッザニアの中では珍しく、保護者が「傍聴人」として参加でき、この裁判を見学することができる。もちろん見学してみた。

くじの結果、息子が裁判官。なんとも頼りない裁判官で、「被告はこれを認めますか?」と台本を読んでいる時だけはサマになっていたけれど、
「では、この訴訟の判決をどうすれば良いか、ここは皆で意見を出し合ってみたいと思います」
ということになった途端に
「えーと……つまり、2人がお菓子を食べちゃったの?2人がお菓子を作ったの?」
と、裁判官が一番何もわかっていなかったというグダグダな状況だったことが露呈。息子とそう変わらない学年だったと思われる被告側弁護人の女の子などは実にしっかりとしていて、子供達が皆、実にいきいきとしていて見ていて楽しかった。

本当の裁判はこういう形じゃないけれど、と前置きをしたうえで、最後は皆で話し合って多数決で判決を決めた。結果は「無罪」。全部食べちゃダメと言わないで、お菓子が大好きな被告にお菓子を預けてしまった原告にも非がある、という結論で落ち着いた。

最後に「お仕事カード」を貰えるのだけれど、息子のカードにはちゃんと「裁判官」の文字が。じゃあ、裁判に参加した他の子供たちのカードはまた別なんだ?と他の子供の手元をちらりと見たら、ちゃんと「弁護士」のカードになっている。他にも「検察官」「裁判員」というカードがあるらしい……こりゃ、カード集めは大変だわよ、息子……。

と、今回もそこそこ効率が良い感じで、6種類の仕事体験。今日は食べ物系の体験が一切なかったので休憩時間もとらず、私とだんなは待ち時間にジュースを飲んだりの余裕はあったものの息子は飲まず食わずでずっと活動していたのだった。これは大変、疲れたよね……と、ショッピングモール内で夕飯を食べて帰宅することに。

「ららぽーと豊洲」内「海風龍號」にて
 上海スープ入りショウロンポウ \680
 蒸しエビ餃子 \600
 蟹肉しゅうまい \720
 干しエビ入り大根もち 2×\600
 五目揚げもち中国ピロシキ \540
 スペアリブの豆鼓蒸し \600
 塩漬豚バラ肉の葱生姜蒸し \600
 鶏のパリパリ揚げにんにく香味だれ \1200
 蟹入りコーンスープ \850
 豚肉とナッツの丸ごとパイナップルチャーハン \1900
 エッグタルト \680
 果実入りマンゴープリン \550
 ビール(ハーフ&ハーフ) 3×\600
 ビール(青島) \650
 プーアル茶 \450

中華料理が食べたい気分なんだよね、点心とか……と、モール内のグルメマップを見ながら行ってみたのは海風龍號というお店。店頭に辿りつくなり、
「あ、ここ……アレ系、じゃない?」
「うん、どうもアレ系だよね」
「止める?どうする?」
「んー……でも、他に選択肢なかったよね、中華料理で点心も食べられる、みたいなとこ……」
だんなと私の顔が曇る曇る曇る。アレとはアレで、私とだんなは、紅虎餃子房のグループがとっても苦手なのだった。値段ばかり高くて美味しくない、というイメージが強い。でも、最後にこの系列のお店で食事をしたのはもう5年以上も前だし、その印象をいつまでも引きずっているのも大人げないんじゃないかな……と、試しに入ってみることにした。

……結果、やっぱりこの紅虎グループはどうしても好きになれないな、という結論に。もう他のお店もオーダーストップ間近の時間で、家族一同すっかり腹ぺこだし、ということであれこれ注文してしっかり食べたけれど、気がつけばお会計は1万4千円というなかなかのものになっていた。感覚としては、「このくらい(味とか量とか)食べたら、大体1万円を少し切ったくらいかな?」くらいのものだったのだけれど、5割ほども高かった印象だ。

味はそう悪いということもなくて、美味しいものはちゃんと美味しい(スペアリブの豆鼓蒸しとか、塩漬豚バラの蒸しものとか、あと咸水角も揚げたてっぽくて美味しかった)のだけれど、600円のスペアリブの豆鼓蒸しが皿にほんの2かけほどしか盛られてなかったり、500円玉サイズほどの小さな蛋撻が3個で680円だったりと、価格に対しての分量が驚くほどバランスの悪いものが多い。あと、料理によっては「ま、これはこんなものでいいか」的な変な手抜きが多かったのもとても残念だった。エッグタルトはいかにも冷凍のものをチンしました、みたいなもので、パイナップルチャーハンも、大きなパイナップルの果肉が美味しかったし(でもあまりに果肉が大きくてびっくりよ……)豚肉やナッツの入りっぷりも良かったのに、何故かドライパパイヤがごっそり入って変な風味がついていたり。マンゴープリンは相変わらず、粗悪な「素」を使った舌触りポクポクのどうしようもないものだった。

全体的に「最低限ここは手を抜けないというところはがんばりますが、このへんはこんなものでいいでしょ、このくらいやっておけばお客は喜ぶでしょ」的なものがすごく透けて見えて、「こういうところ、変わってないなぁ」と、とてもがっかり。

パイナップルチャーハンは、初めてのプーケット旅行で初めて口にしたもので、あまりに美味しくて、その場で1つ平らげた後に「すみません、お土産用に1個包んでください!」とお願いしてホテルの部屋に持って帰ってきてしまった料理。パイナップルの実を器にしているところは今日食べたものと一緒。でも、果肉は細かく刻んでチャーハンに混ぜられていて、そして上には安っぽい味のハム(これがまたチャーハンに良く似合っていた)がぺろぺろぺろ〜んとトッピングされていた。なんてことない、ホテルに隣接したところにあったビーチサイドのレストランのものだったのだけれど、海老やナッツがたっぷり入ったチャーハンで、本当に美味しかった……って、今日のも美味しいは美味しいんだけど、ドライパパイヤはやっぱり要らないと思うし、異様な大きさと量のパイナップルがトッピングされているのもどうだろうと思う。

希望通りに点心あれこれつまめて、懐かしのパイナップルチャーハンまで口にできたのに、微妙に欲求不満な感じで帰宅した。
でもキッザニアは今日も充実した体験ができたようで、本当に何より。

1月13日 日曜日
御飯になかなか到達できなかった中華丼、かなり幸せ。
稲毛 「華香園」にて
 週替わりランチ「中華丼」 \680

昨日はさすがに疲れた。息子でさえ布団に入れたのは日付が変わる少し前で、私とだんなに至っては午前1時を回った頃。息子も疲れていたはずなのだけれど、でも今朝はきちんと起きてゲームなどしていたらしい。私は少しの朝寝坊で、だんなは盛大なる朝寝坊。起きるまで寝かせておいてあげようと、息子と二人静かに過ごしていたら、10時半になってようよう起きてきた。

「おはよう……てか、おそよう……」
お餅とかあるけど、今から朝御飯って感じでもないよねぇ……と、本日最初の御飯について、あれこれ話し合う。家で食べられるものといったら餅くらいしか今はないし、今日は震えが来るほどの寒さで、食べるなら温かいものを食べたいし。ああでもないこうでもないと話していて、
「あ、あの、前行った食べ放題やってる中華料理はどう?」
とだんなが言った。「華香園」というお店で、90分オーダー制食べ放題1580円、というのをやっているお店だ。食べ放題ではないメニューも、普通にたくさん揃っている。前回は夜に行ったので、ランチメニューもあるのかな?と行ってみることにした。

これが、期待以上の大満足なものだった。ごくごく普通の中華料理店、テーブル上のナプキン立てにはサラ金のティッシュが2個くらい刺さっているような適当っぷりで、客席のすぐ脇に電子レンジ、それにくっつくように積まれた何本ものビデオテープ、レンジの上には古めかしいくすんだ色の造花入りの花瓶……みたいな、そんなお店だ。飛び交う言葉は中国語。全体的に味はちょっと濃いめで、「味噌ラーメン」などというメニューがあるにも関わらず、味つけは少し異国の味がする。中国の……というよりは、台湾の、みたいな。

テーブルには、夜には見なかった「週替わりランチ」なる15種類くらいのメニューが乗っていて、これがとてもお得だった。私の頼んだものは中華丼680円、だんなは豚肉とキャベツの炒め(回鍋肉)780円、息子は五目チャーハンと海老ワンタンスープ800円。それぞれサラダとメンマの小皿、杏仁豆腐がついてきて、私のにはスープ、だんなのには御飯とスープがついてくる。杏仁豆腐は本当に小さなココットケース入りのものだったけれど、そこまでセットになっているのが嬉しい。

出てきたのは、かなりすごい盛りの中華丼だった。全体的に緑色で……でかい。
キャベツに青梗菜にブロッコリー、ふくろたけと、あとは大きな海老とイカ、といったものが盛大に炒められて御飯の上にかけられている。胡椒がきいた味つけで、じわっと辛く、後味が少しピリピリとする。うわ、すっごい量だよ……とスプーンを手に取って、とりあえず御飯部分をと具の部分を掘って、もひとつ掘って、でも御飯が出てこない。3回くらい具をかきわけたところで、ようやく御飯に到達できた。しかしすごい量だな。野菜が多いのは嬉しいけど。

きくらげと卵の入ったスープが添えられ、だんながついでにと注文した6個盛りの水餃子は、これまた大ぶりのものだった。ニラ入りの匂いの強い大きな餃子は茹でたてで、醤油が無造作にかけられてやってきた。だんなの回鍋肉も迫力の盛りだ。回鍋肉も、しっかり辛い。

全体的に大雑把な印象のある料理だけれど、それも「愛すべき大雑把」という感じで、大満足。息子も自分の分のチャーハンを綺麗に食べ終え、私は碗1杯分ほどの中華丼をだんなに手伝ってもらって、想定以上の満腹っぷりでランチを終えた。このお店のメニュー、よくよく見ると豚モツの炒めとか、牛すね肉の煮込みとか、気になるものがたくさん。また夜に食べに来ようねと話しながらお店を後にした。

手巻き寿司(ねぎとろ・マグロ・ハマチ・サーモン・イカ・海老・帆立・穴子・玉子・イクラ・でんぶ)
豆腐と三つ葉の吸い物
ビール(ザ・プレミアム・モルツ〈黒〉)

腹一杯、どうしようもなく腹一杯、どうしましょう……と、ランチ後にそのままお買い物。夕飯は魚が食べたい、さっぱりしていて、量はそんなに要らなくて……という話をしているうちに、なぜか「手巻き寿司にしよう」ということになった。

そのスーパーは、いつも手巻き寿司用のセットが売られている。多分買うのはこれが初めてで、何種類かあるのを眺めて、「この、子供用セットみたいなので良いんじゃない?」と、お手頃価格だったそれを買ってきた。何しろ息子の好物のイクラと玉子、サーモンなどが入っている。あとは海老とか穴子とかマグロ、ハマチ、イカなどが2〜3切れずつ。普通の刺身のサイズにカットされていたそれを、更に2〜3等分に縦に細く切って皿に盛りつけた。あとは、「手巻き寿司なら、これも必須でしょう〜」と、でんぶも1パック。

寿司には味噌汁というより吸い物じゃない?と、だんなが豆腐と三つ葉の吸い物を用意してくれて、私は合わせ酢の用意をしたり、皿に刺身を盛りつけたり。3合炊いた米を酢飯にしたら、息子が「お酢の御飯だー!」と駆け寄ってきて、怪しい「美味しいお酢の御飯をありがとう」ダンスをし始めた。この人はもしかして、お寿司が嬉しいんじゃなくて「お酢の御飯」が嬉しいのだろうか……と思いつつ、適当にビール飲み飲み、好きなものを好きなように巻いて食べた。ダンスの人は、「玉子とでんぶ」とか「イクラとでんぶ」とか「でんぶ山盛り」とか、これまた好きなものを好きなように巻いている。私も子供の頃、でんぶが異様に好きだった記憶があるけれど(実は今も好きだ)、しかしでんぶばっかり巻いてるなー、息子よ。

手巻き寿司用に入っていた分だけではマグロは物足りないだろうと、別パックのたたきも買ってきたのだけれど、これが変な風に油っこい感じのものではなくて悪くなかった。ねぎとろ+イクラとか、サーモン+イクラとか、ねぎとろ+サーモンとか、私もけっこうやりたい放題。