食欲魔人日記 08年08月 第1週
8月1日 金曜日
「すた丼」をね、食べたいと思ったんです
バタートースト
アイスカフェオレ

今日も4時半、子猫たちに起こされた。ものすごい勢いで追いかけっこをするのは良いのだけれど、すっかり警戒心もなくなったか、私たちの寝ているベッドにも飛び乗りかねない勢いで、床に置いているだんなのジム用鞄あたりはものすごい勢いで餌食になっている。

結局、朝ジムに向かうだんなを見送る形で私は目を覚ましてしまい、二度寝する気分にもなれず仕事を始めた。で、6時半頃起きてきた息子と朝御飯。

「長時間熟成食パン買ってきてあるんだけど……」
「バタートースト!」
「だよねぇ……」

息子の最近の「食パンの食べ方」の選択肢はバタートースト一辺倒。彼の中ですごいブームなんだろうなと思いながらバタートーストにしてやった。
今日剥いて食べた桃は柔らかくて甘くて大変良い感じ。

すた丼 もどき
茄子といんげん、人参の味噌汁
麦茶

息子の夏休みが始まってもう10日以上経とうという今日、初めて「息子と2人の昼御飯」。夏休み開始早々秋田に一人で行き、帰ってからは料理教室で不在ということで、なかなかお昼に2人という状況にはならなかったのだった。

「そっか、今日は息子もいるから昼御飯用意しなきゃなんだ……」
と、買い置きの豚切り落とし肉を手にとって「すた丼……食べたいな」と思いついてしまった。甘じょっぱいにんにく風味の豚炒めに生卵、これでしょこれでしょ、と、ネットサーフィンして、「すた丼を家で作ろう」的なレシピがあれこれ公開されているのをみつけ、かの店のそれとは若干異なるかもしれないけれど適当に作ってみることにした。

フライパンを火にかけて水2カップほどと酒、おろし生姜を入れて煮立たせ、そこで豚を一度ゆがく。火が通ったら湯を捨て、醤油と味醂とおろしにんにく、刻み葱を加えて炒め合わせたらできあがり。御飯の上にもみ海苔を散らし、肉を乗せたら中央に卵の黄身。本当は長ねぎを使うところ、まとめて刻んでおいた万能葱がたくさんあったので万能葱で代用してしまった。やっぱりこれは長ねぎの方が美味しそうだったかも。

野菜の味噌汁が飲みたいなと、茄子とさやいんげん、人参を加えた味噌汁も簡単に用意して、思ったよりもにんにくの存在感が強くなってしまった「すた丼もどき」を息子と食べた。私は味醂が少し入っていた方が好みなのだけれど、レシピサイトを見ると入れていないレシピの方を多く見かけたような気がする。一度きり、品達どんぶり5人衆で食べたきりなので、記憶の方も実はすっかり曖昧だ。でも美味しかったので良し。

茹でとうもろこし
ポテトサラダ
2日目のカレーライス with 茹でほうれん草
アイスティー

夏前から取り組んでいた仕事が、いよいよ大きく動き出しそうな感じ。ごめん、お母さんはお仕事です……とパソコンに向かう私を見て、息子は一人だんなの実家に出かけ、おじいちゃんおばあちゃんに小岩井農場のおみやげを渡しに行ってくれていた。約束を一つ取りつけてきたそうで、来週ドイツ村に連れて行ってもらうことになったらしい。その日はかすみさんを動物病院に連れて行く予約を入れてしまっているし仕事もあるしで、私はお留守番。静かな一日がもらえそうで、少し助かった。

今日の夕御飯は昨夜に続いてカレーと決まっていて、
「カレーに合いそうなサラダをね、200g、習い事の帰りに買ってきてください。好きなものでいいから」
と息子におつかいを頼んでサラダを一つ見繕ってもらった。多分ポテトサラダかマカロニサラダあたりだろうなと踏んでいたら、予想通りポテトサラダ。青菜も欲しいなと、さっと茹でたほうれん草をカレーに添えた。茄子とズッキーニをたくさん入れたラタトゥイユが恋しいなと思いつつ、今日は作る気力も時間的余裕もなし。ああ、オクラをしこたま入れたガンボなんかも煮たいかも。来週末にお客さんが来ることが本決まりしたから、それに合わせてガンボスープを作ろうかな。

カレーの香りは猫には魅力的なものにはならないと思うのだけれど、「それください、それください」と足下でかすみさんが大騒ぎ。大きい肉の塊を選んで割って、カレーソースが染みてない部分をほんの一口与えてみたら「そうそうこれこれ」とばかりにかぶりついてきた。玉ねぎたくさん入れているからとても食べさせられないけれど、この分じゃカレーも普通に食べてしまいそうだ。

昨日、カレーの仕込みに牛肉に塩胡椒してカレー粉揉んで……とやっていた最中、背後でずらりと並んで「マグロの解体ショーを観覧するお客さん」のようなキラキラした表情だった猫たち。この肉はあげられませんよ、と、カレーの煮込みに入ったところで、前日に買ったマグロの中骨部分を湯通しして叩いて出してやったのだった。「マグロ解体終わってお客さん切り身に殺到」という風情で猫たちは大喜びで、だからなのか、今日も期待に満ち満ちた目で見上げられてしまった。「なんで今日はドライフードしか出さないのかしらこの人」って顔をされたけれど、そう毎日は御馳走を出せません。

8月2日 土曜日
あと1時間で花火です
カレーうどん
麦茶

ここ最近、カレーが残ることがなかったから作らなかったけれど、今回はすごく微妙な量のカレーがめでたくも余ったので、久しぶりにカレーうどん。だしをとってカレーの残りと混ぜ合わせ、醤油と味醂で味を調えて、具がいまいち足らないなと油揚げと長ねぎを刻んだものを足してみた。本当のところはポークカレーの方がカレーうどんにはお似合いだけれど、ビーフカレーも悪くはない。

今日はカラッと晴れた一日になりそうで、各所で花火大会が開催されるらしい。我が家近くでは、千葉みなとで「千葉市民花火大会」の予定もある。芝生の広場で眺める花火は、墨田や晴海のものほどの規模はないけれど心地よくて、今年もこれを見に行くことに。

店屋物のマグロ中落ち丼
インスタント吸い物
冷茶

午後には私の高校時代の友人が「猫さんズと対面+一緒に花火見物」で遊びに来ることになっている。花火会場での夕飯は夕方早めに時間になるだろうし、あとは軽くおやつくらいでいいかなー……と思わなくもなかったのだけれど、今日の朝御飯が案外早い時間だったこともあり、昼を回る頃にはすっかり腹ぺこに。

「宅配寿司、食べたくない?安っぽーいので良いなって感じなんだけど……」
とのだんなの提案で、ねぎとろ丼とか中落ち丼とか。これという感じの安っぽーい丼は、「中落ち」とはかけ離れた、サラダ油和えのベタベタしたねぎとろにマグロの赤身を混ぜただけのトホホな感じのものだった。かなりあんまりな感じだったけれど(もう頼まない……)、とりあえず人心地ついたところで友人がやってきた。

「FORMA」のマンゴーチーズケーキ
小岩井農場のバームクーヘン
アイスティー
花火に行く前にちょっと我が家で猫と交流……と、友人来たりて数時間。あいにく午後のこの時間は猫さんたち揃ってお昼寝中で、寝顔くらいしか見せることができずに残念。友人が持ってきてくれたマンゴーのケーキと、先日小岩井農場で買ってきたバームクーヘンでおやつにした。

お茶は、LUPICIAで先日試供品でもらったばかりの「トライアングル」という名前のフルーツ入りのフレーバードティー。昨夜から水出しにして用意しておいてみた。フレーバードティーは基本的にはあまり好きではないのだけれど、アイスで飲むとジュース感覚でなかなか美味しくいただける。割と好みなタイプのお茶だった。ケーキ生地もトッピングもマンゴーだらけのケーキに良く似合う。

食後は慌ただしく外出の準備をして、花火大会会場に出発。

花火大会会場にて
 生ハムとオニオンのサラダ
 小茄子のガーリック風味
 焼き鳥(塩・たれ)
 串揚げパーティーセット
 ミニいなり
 ビール・微発泡ワインなど

蒸し暑い屋外で食べるものだし、お弁当手製で用意するなら午前中から作らなきゃいけないし、ということで、花火会場で食べる夕御飯は、千葉そごう地下で適当に見繕って行くことに。R1/Fのサラダ類に、揚げ物屋さんの花火大会向けパーティーセット、焼き鳥は現地でけっこう美味しいの売ってたよねと、あとはお酒売り場に行ってビールなどを買い込んだ。

目新しいなと、思わず買ってしまったのが、兵庫 西山酒造場の微発泡シリーズというお酒。ボトルを見て可愛いなと思っていたのだけれど、幸い試飲販売をしていたので、全種類味見させてもらってこれをというものを買ってきてみた。種類は4つ、「深山淡ぶどう」(葡萄)、「泡梅」(梅)、「15リキュール」(苺)、「ゆず」。梅は梅チューハイと似た感じ、苺はジャムのような濃厚な苺味が素敵だったけれど少々甘すぎ、葡萄と柚子が好みな味だったのでそれぞれ1本ずつ冷たく冷えたのをいただいてきた。あとは九十九里オーシャンビールのペールエールとか。

今年も有料観覧席のチケットを事前に買っておいてみた。花火の打ち上げ場所の一番近くのエリアへの入場券で、1人2000円。それなりに混雑するけれど、直前まである程度場所に余裕があるのでのんびり行くことができる。今回は打ち上げ1時間半前の6時頃に到着したけれど、それなりに良く見える場所にシートを広げることができた。「じゃあ、暗くならないうちに飲みましょう!」と、早速宴会。花火大会への道すがらのテント屋台で買った焼き鳥、去年も買って美味しかったから今年もと買ったのだけれど、今年もお手軽価格で美味しかった。

今年の花火も盛況で、「あんぱんまん花火」みたいな面白いものもいくつか。
「あれ……ひまわりかな?」
「麦わら帽子じゃない?」
「いや、土星じゃない?」
「いやいや、球の部分が半円になってるし、違うんじゃない?」
と、"なんだかわからないけど面白い形"のものもちらほらあって、自分の頃と比べると花火大会もずいぶん様変わりしてきたなぁと思う。色も増えたし、光の強さもどんどん明るく鮮烈なものになっていっているような気がする。今回も、実に綺麗な水色や紫色の花火が登場して、実に見事だった。

花火後は混雑する電車を避けて、少し離れた国道からタクシーに乗って我が家に帰宅。友人も一緒に我が家に戻り、今度はしっかり起きていた子猫たちとわずかな時間ながら遊んだ後にお別れした。今日は遊びに来てくれてありがとう〜。

8月3日 日曜日
ジェノベーゼのピッツァ。香ばしくて、うまー。
おにぎりセット
麦茶

人間の子育てと共通する部分もあるだろうと、「子猫を昼間にめいっぱい遊ばせてやって疲れさせ、夜は熟睡させましょう作戦」を展開中の我が家。夜10時頃に起きて遊び出すことが多いので、ここでしっかりつきあってやってそのまま朝まで(できれば7時頃まで)眠らせてしまおうという作戦なのだった。そうでなければ朝4時半から運動会だ。今日の運動会は朝5時半からのスタートだったので、作戦の効果はわずかながら出ていると思う。思いたい。

で、すっかり調子の出てきたにゃんこ達、「バタ!ガシャン!ザー」という不穏な音で「何やったー!?」とあわててベッドから出てみると、居間にあったテーブルヤシの鉢が倒れている。ハイドロカルチャー栽培の、そこそこの重さがある鉢なのに見事に倒れ、土代わりの茶色い粒々が散乱する横でいーちゃんとさんちゃんが
「なんかね、これが倒れてきたんだよ」
「倒れてきたの」
という顔をして神妙に座っているのだった。"倒れてきた"んじゃなくて、"倒した"んでしょー!もー!

脳裏に「憤激リポート!暴走する子猫に密着 狙われた植木鉢 テーブルヤシを倒したのは誰だ」とか、そんなニュース番組の特集タイトル的文章を脳裏に浮かべながら、朝からお片づけ。だんな所有のCD-ROMとか、あとノートパソコンの一部に少しばかり水がかかっちゃったんだけど大丈夫かなー……。

で、そんな感じに今日も早起き。でも早起きが幸いしてか、未だつかまらぬ「すーちゃん」(4匹目の子猫)の姿を確認することができた。ベランダの真下、ほんの3〜4mほどの距離までやってきていたのだけれど、また脱兎のごとく遠くに消えていってしまった。

私はもう「敵認定」されてるだろうなと、あえてこちらから近づく態度は見せないようにしていたのだけれど、だんなはここ1週間ほど、
「すーちゃんいた!ちょっと行って来る!」
と深夜に帰宅するなり猫用チーズ持って再び出かけていったり、
「いたからちょっと行って来るね」
と朝ジムに向かうために早起きをしているはずなのに捕獲用の籠と猫用チーズ持って外に出かけたり、果敢な取り組みを続けていたのだった。

やっと5mほどの距離まで近づけるようになったそうで、少しは人間に対する警戒心も薄れてきたのかもしれない。猫用チーズは今ひとつ食いつきがよろしくないので、またこの焼き鰹とか買っておこうかなぁ。これは素晴らしく食いつきが良くて、3匹の子猫を捕まえることができたのもこの焼き鰹のおかげと言っても過言ではないくらい。久しぶりに近くで姿を見たけれど、とりあえずは体格も悪くはなかったし(小柄なりゃんちゃんよりも健康そうに見えるくらい)、元気そうな鳴き声を出していた。

朝御飯は、昨夜買ってきたおにぎりセットを。花火大会後の投げ売り状態になっていたお店のもので、おにぎり2個と唐揚げ、玉子焼きのセットが半額になっていた。おにぎりは鮭1個と混ぜ御飯1個。2パック買ってきたそれを適当に分けつつ、今日もお出かけの準備をした。

銀座 マロニエゲート内「SINGAPURA TERRACE」にて
 海南鶏飯 \1480
 生ビール

今日は銀座にお出かけ。ちょうど昼時、まずは腹ごしらえと、目星をつけていたマロニエゲートに向かった。「ひつまぶしを食べよう」が一応の目的だったのだけれど、予想に反して店頭にはかなりの行列が。隣の沖縄料理屋さんは更に大変な混雑になっていた。フレンチやイタリアン、あとエスニック料理などに対して和食の方が空いているだろうという予想だったのだけれど、第二候補のシンガポール料理屋さんに足を向けてみると、こちらはまだ席に余裕がある感じ。ナシゴレンや焼きそば系のメニューもあるしここにしようか、と、SINGAPURA TERRACEに入店した。

私が選んだのは、「海南鶏飯」。茹で鶏肉にレタスときゅうり、トマト、香菜が添えられて黒・白・赤の3色のソースと鶏スープで炊いた御飯と豆腐入りの鶏スープがついてくる。非常にお洒落な盛りつけの1皿だったけれど、値段が1500円とかなりなものなのに、ちょっと残念な分量だったのが悲しい。他の店では倍くらい盛られることもあるんじゃないかというほどのささやかな分量で、チリソースにおろし生姜、海鮮醤といった添えられるソースもあまり工夫のないもので、美味しくないわけではないのだけれど、これだけの価格を取るならもうちょっとどうにかしていても良いんじゃないかなぁ……といった印象。でもデザート(タピオカ入りココナツミルク)と食後の竹茶がサービスされるのは嬉しかった。

食後は、松屋デパートで開催中の高橋留美子展へ。
漫画家 高橋留美子の集大成といった感の原画展覧会で、「うる星やつら」にはじまって「めぞん一刻」「らんま1/2」「犬夜叉」と、期待以上に数多くのカラー原画とモノクロ原画を見ることができた。展覧会パンフは分厚いイラスト集の様相を呈している。

小学校低学年の頃に「うる星やつら」と「Dr.スランプ」で漫画を知った私にとっては青春を振り返るような展覧会だったりして、めちゃめちゃ楽しんだ。「犬夜叉」くらいしかわからない息子には「アニメも放映するってよ。犬夜叉と、あとらんまの男の子の声はウソップだよ、勝平ちゃんだよ」とか、そのへんで興味を盛り上げようとしてみたりして。まさかと思った「ダストスパート!!」「炎トリッパー」「笑う標的」「忘れて眠れ」あたりの原画が見られたのも嬉しかった。「笑え!ヘルプマン」とか「われら顔面仲間」とか、初期の短編は本当に好きなものが多い。これまた大好きな、「人魚の森」シリーズの原画もあった。

で、一番の混雑は「マイラム」のコーナー。漫画家34人によるラムちゃんの原画展示があって、
「原哲夫のラムちゃん……めっちゃ強そう……」
「青山剛昌、ジャリテンがコナンの格好してるー!」
と、息子を差し置いてだんなと2人大興奮。何より面白かったのが「よつばと!」のあずまきよひこのイラストだった。ん?という顔をして見下ろすラムちゃんと、その横によつばちゃん。
「このラムちゃん……あさぎねえちゃんだよね」
「うん、あさぎねえちゃんだ」
と、しばらく絵の前を動けなかった。非常に眼福な作品数々だったけれど、これはパンフレットには収録されないのね……残念。

日曜の午後ということで、展覧会は身動き取れなくなるほどにもなった大混雑。空いている時間にもう一回くらい見たいけれど、会期は来週までと短めなので難しいかな。

その後は、だんなの誕生日プレゼントの靴を買いに行ったり(当初メガネの予定だったけれど、だんなのリクエストで靴に変更)、明日の朝ごパンを木村屋で買ったり。夕方になるのを待って人形町に行き、薪窯で焼いたピッツァが楽しめるレストランに向かった。

人形町 「DA BABBO」にて
 クルトゥーラ
     アスパラと海老、うずら卵のガスパチョソース
     スモークサーモン・カプレーゼ・鶏肉のテリーヌ
     生ハムとチーズをのせた豚ロース肉のカツレツ トマトソースがけ
     熱々ブロッコリーのアンチョビニンニクソース
     色々野菜の薪釜焼き 自家製マヨネーズ添え
     ピッツァ(ジェノバペースト・じゃがいも)
     パスタ(カルボナーラ)
     薪釜で焼いたパン
     白ワイン(Cantine Settesoli Mandrarossa Fiano)
 色々な自家製燻製の盛合せ
 スッパイングレーゼ
 エスプレッソ

夕飯は、DA BABBOに。かつてCucina Tokionese Cozimaのマネージャーをしていた馴染みのSさんがマネージャーなので、「夫が数日前に誕生日だったので、そのお祝いに」と予約を入れてもらい、お任せの料理あれこれとピッツァとパスタが出てくる「クルトゥーラ」というコースをお願いした。息子は1人で1枚「ビスマルク」という卵を乗せたピッツァを。

早めに夕御飯にしようと開店早々の時間に予約を入れたのだけれど、なんと開店20分ほどで、予約のないお客さんの席はなくなってしまうほどの盛況ぶり。食前のスプマンテをいただいて、あとはシチリアの濃厚な(でも後味すっきりな)白ワインを飲みつつ、次々やってくる料理に舌鼓を打った。何しろピッツァが絶品なのだけれど、そのほかの料理も美味しいので「料理を少なくしてピッツァたっぷり食べるべきか、ピッツァは1枚にしておくべきか」が悩みどころ。でも、カツレツも薪釜で焼いた野菜もどれもこれも美味しくて、このコースにして良かったなと思った。絶妙に焼けたアスパラやオクラやパプリカの美味しいこと。にんにくの香りが効いたアンチョビソースを和えたブロッコリーも美味しかった。

ピッツァは、ジェノバペーストをたっぷり乗せた緑色のもの。ジェノベーゼは大好きなのに、単品メニューからというと、つい「4種のチーズ」とか肉ものからばかり選びがちなので、新鮮な美味しさだった。角切りにしたじゃがいもとモッツァレラチーズも乗って、縁のモチモチした部分がたまらない。続いてやってきたカルボナーラは息子も食べていた。

デザートは、私がズッパイングレーゼ、だんなと息子は多種類揃うアイスクリーム。アイスクリームはワッフルコーンか自家製ブリオッシュに挟んでもらうことができて、だんなの頼んだ「チョコチップアイスのブリオッシュ挟み」には、小さなローソクが2本立てられて周囲にチョコで「Buon Compleanno」(=Happy Birthday)の文字が。密やかに、ローソクを吹き消したところで他のテーブルから拍手をいただいて、お祝い気分が盛り上がった。

今度はお昼にでも来て、これでもかーっとピザを食べよう。