食欲魔人日記 09年09月 第5週
9月28日 月曜日
金色のスープがとれました。焼き鴨ブラボー!
「大珍樓」の
 香港ミニ肉まん
 ミニあんまん
アイスプーアル茶

朝御飯は、先日横浜中華街で買ってきた、肉まんあんまん。
息子が珍しいことに「あんまん食べたいなぁ」と言ったので、じゃあ両方買って帰ろうと「大珍樓」で香港ミニ肉まんミニあんまんを買ってきた。パック入りでそこそこ日持ちがする嬉しい品。
 
大珍樓は10年以上前から飲茶バイキング目当てで何度も訪れていた店。お店の人の感じも良くて、なんというか地に足のついた感じの、昔から変わらない安心できる味の点心類が食べられる。今は本店1階に、以前別館として別棟で営業していた海鮮・飲茶、田舎料理のお店「保保好」がオープンしていて、ここも通るたびに気になっているところ。「アヒルの舌」とか、モツ類とか、けっこうマニアックな料理が並んでいる。
 
香港肉まんは、キャベツと玉ねぎベースの、ニラなどは入っていないシンプルなほの甘い肉まんだった。適度に甘さのあるフカフカした皮も心地よい食感で、中華料理店のあんまんならではのねっとりとした餡の口当たりがこれまた良い感じ。
 
「金メダルだかチャンピオンだかより、こっちの方が美味しいよね」
などと話しながらもぐもぐもぐ。
 
そういえば中華街では、中秋用の月餅が大量に売られていた。中国においては春節の正月に次いで大切な行事なのだという中秋節、今年は10月3日。
 
中秋節には「中秋月餅」なるものが作られるのだそうで、それは餡の中に月をイメージした「蛋黄」(塩漬のアヒルの卵)が入っているものなのだとか。
そういえば色々売られていたなぁと思い出しながら大珍樓の通販サイトを見ていたら、ムラムラしてきてしまって、つい塩卵入り月餅の購入手続きをしてしまった。「中秋名月にしか食べられない1品」とのことで、ついついついつい「金華火腿大月餅」(金華ハム入り五目ナッツ月餅)も。これはしょっぱいのかな。しょっぱ甘いのかな。食べるのがすんごく楽しみ。実は私、月餅けっこう好きなんです。

味噌添えの刻みきゅうり
炙り干し穴子
すじぽん
大根と鶏入りの焼き鴨スープ
羽釜御飯
麦茶

先週は旅行でお休みした野菜の宅配「ベジタS」、今日届いたのは
 里芋350g・茄子250g・きゅうり3本・レタス1個・スイスチャード1パック・小松菜1束
 
小ぶりながらレタスときゅうりが嬉しい。秋茄子も更に嬉しい。でも小松菜は相変わらず頻度が高いなぁ……。
 
届いたきゅうりを早速食べようと思いつつ、今日の夕飯の課題は「焼き鴨でスープとりましょう」。
中華街で焼き鴨買ってもらってきた焼き鴨の首部分を冷蔵庫に入れっぱなしだったので「そろそろなんとかしなければ」とスープをとることにしたのだった。鍋にたっぷり湯を沸かし、葱の青いところと薄切り生姜を入れ、ネットに入れた鴨肉も入れたらあまり煮立たせないように静かに煮ていく。一緒に乱切りにした大根と鶏肉も入れてみた。
 
大根と鶏のスープは、元々参考にしたレシピによると「ナムプラーとレモンで調味せよ」とあって、あまり良いだしが出ないようならそんな風な味付けにしようと思っていたのだけれど、台所は既に香ばしい鴨の香りで充満している。思っていたほどアクは出ず、でもこんがり焼けた鴨でスープがじわじわと金色に色づいていく。ちらっと味見してみたスープは、北京ダック屋さんでシメに出てきたスープと変わらない味がした。めちゃめちゃ濃厚な鴨スープになっていた。
 
うわーちょっと煮ただけなのになんじゃこの美味しさはー!と身悶えしながら、合計1時間ほど煮たところで終了。鴨の首、素晴らしく良い仕事をしてくれました。またあの店にお買い物に行ったら、また首を貰ってこなければ。
 
あとは、届いたばかりのきゅうりをスティックにして味噌添えて、
「きゅうりと穴子は最高に似合うよね」
という理由で、冷凍してあった穴子の干物を炙って食べることにした。
 
先日、西方に住む友人が送ってくれた干物で、味醂干しになっている。サッと炙るくらいで美味しいんだろうなーと魚焼きグリルを余熱してささっと焼いていたら、りゃんりゃんが尋常じゃない反応を見せた。なんだそれはなんだこの匂いは、とギャアギャア騒ぎ、私の背中や肩に飛び乗ろうとする始末。猫にはあげられませーんと、人間が御飯に乗せつつ美味しくいただきました。香ばしくて、しっかり穴子の味わいで、お寿司で食べるそれよりも一見ヘビみたいになってしまっている感じがまた野趣溢れる外見で素晴らしい。隅っこのカリカリに焼けたところもまた幸せでした。キュウリにちらっとマヨネーズつけて、穴子と一緒に食べてみたりして。
 
「で、どうですかスープ。美味しい?」
息子に聞いたら
「超!おいしい!」
とすごい勢いで啜っているところだった。どうも息子、鴨味のスープが大好きらしい。(この間も北京ダック屋で「料理は食べきれないけどスープは飲む!」って言って飲んでたし……)

9月29日 火曜日
マッシュルーム色に炊けた御飯で
ベーコンエッグ
大根と鶏入りの焼き鴨スープ
羽釜御飯
麦茶

昨日のスープがあんまり美味しくできたので、朝御飯に出すことにした。もとよりそのつもりでたっぷりめの量を作っておいたのだけれど、本当に思っていたより遙かに美味しいのが出来たものだから、私は御満悦。
 
今日はだんながいつもより早めの出勤ということで少し慌てながら用意した朝食は、スープと御飯とベーコンエッグ。柔らかめの半熟の黄身になるように焼いた目玉焼きにしたので、御飯に乗せて黄身を潰して醤油垂らして、適当に御飯と混ぜながらいただいた。
 
卵かけ御飯はそりゃもう美味しいけれど、この「目玉焼き乗せ御飯」も捨てがたい美味しさ。白身はこうして固まっている方が良いかなとも思うし、黒胡椒ガリガリかけたりするのもまた良い香りで大好き。目玉焼き乗せ御飯には黒胡椒がけっこう似合うけれど、卵かけ御飯にすると似合わなくなっちゃうんだなぁ……。

レタスのサラダ
小松菜とツナとチーズのオムレツ
鶏とマッシュルームの炊き込み御飯
大根と鶏入りの焼き鴨スープ
麦茶

先日、美味しそうだった特売品のブラウンマッシュルームを買ってきた、にんにくたっぷりめでオリーブ油で炒めるのも良いなと思っていたのだけれど、鶏とマッシュルームの炊き込み御飯のレシピを見て、いいな作ってみたいなと、この料理にすることに。
 
作り方は至って簡単で、研いだ米にオリーブ油を軽くまぶし、米と同量の水を注いで、その上に鶏肉(レシピでは骨つきのぶつ切りもも肉)とざっくり刻んだブラウンマッシュルームを乗せ、普通に炊くだけ。塩胡椒は仕上げにということだったけれど、少しは御飯そのものに味がついていた方が良いのではと塩も少量加えて炊いてみた。
 
炊きあがりの御飯は、マッシュルームの色でほのかに茶色に染まっていて、スープで炊いた御飯のようになっている。オリーブ油を和えたことでちょっとポロポロとしていて、それがピラフのような感じで悪くない。
 
御飯に肉がけっこう入っていることだし、と、おかずは具沢山のオムレツにすることにした。茹でた小松菜、ツナ、チーズを卵焼きでくるんだ風の、オムレツと表現するには具沢山すぎるオムレツで、あとは昨日届いたレタスをきゅうり、玉ねぎなどと共にサラダにして添えた。少量残っていた昨夜のスープも。
 
「お!でっかいオムレツだ!」
と皿を見て一瞬喜んだ息子が「チーズとハム入りのじゃなかった……」と落ち込んでいて、息子は最近こういうこと(肩すかし)が多いなと苦笑いしながら、「卵たっぷりじゃなくてごめんね、小松菜入りだけど食べてくださいチーズも入ってるし」と。
 
なんだか全体的に塩気が淡い、あっさりした味の夕御飯になった。一番濃厚な味のものがスープだったという。

9月30日 水曜日
里芋をコテコテに煮てみたり
「アンデルセン」のミルクフランス
アイスカフェオレ
梨(豊水)

昨日、習い事に行く息子に
「帰りに明日の朝ごパン買ってきてください」
とお使いを頼んだのだった。
 
「まぁ、なんでもいいよ。君が選ぶのはきっとミルクフランスだろうし」
と言ったら「失敬な!」と憤慨している。
「僕だってちゃんと選ぶよ?棚を色々見て決めるよ?」
と言ってるから、「じゃあおまかせするよ」と送り出した。
 
……で、買ってきたのがミルクフランス。1人1本。合計3本。
 
「やっぱりミルクフランスじゃん!」
「だって色々見たんだけど、やっぱりミルクフランスだったんだもん!」
「"失敬な!"とか色々言ってたんだから、別の選べばいいのに」
「選んだ結果だよ!」
息子にパンをおまかせで頼むと、何をどうしてもミルクフランスになってしまうという証左になった。次回は「コーンパンで」とか「食パンで」とか、きちんと指示するようにしよう。
 
というわけで、数週間ぶりのミルクフランス。お供に梨も剥いて、梨が素晴らしく甘かったものだから、全体的に甘めの朝御飯。

茄子と牛すじのうま煮
里芋と牛肉のオイスターソース煮 ほうれん草添え
豚肉入りの野菜のスープ
羽釜御飯
麦茶

先日宅配で届いた里芋、こっくりした感じに煮て食べたいなと思ったので牛肉と共にオイスターソース入りの煮物にすることにした。
 
里芋は皮つきのまま10分ほど茹で、水にさらして冷ましてからツルリと皮を剥き、酒と醤油と味醂、オイスターソースで調味した少なめの煮汁に薄切り生姜と共にその里芋と牛薄切り肉を入れ、煮ること10分くらい。最後、少量残った煮汁を煮絡めるようにしたらかなりこっくりした味に煮えた。
思ったより濃いめの味になったので、隣に茹でほうれん草を添えて。
 
とても似た外見になってしまったけれど、小鉢には茄子と牛すじのうま煮。
だんなのお弁当用に今朝作った煮物で、胡麻油で炒めた乱切りの茄子に、少量残っていた牛すじ煮を加え、醤油と味醂で味をつけて最後に刻み葱をまぶしたもの。
 
あとは、少量残っていたセロリを使ってしまいたいなと細めの拍子木切りにして、合わせて大根と人参も同じ大きさに切って、少量の豚薄切り肉と共にスープにしてみた。マレーシアのマギーブイヨンと、ブラジルのにんにく唐辛子入りの塩(こんなの)で味付け……と、各国のみなさんごめんなさいという風の適当すぎる調味料の選択で。でもこの塩、ものすごく便利なんだ……。しっとりと水分を含んだ塩で、ひとふりするだけでちょっと複雑な旨味がつけられる。
 
スープも煮物も主役は野菜であるはずなのだけれど、結局全ての料理に肉が入ってしまった今日の夕飯の献立。こってり味の牛肉もすじ肉も御飯の良いおかずになった。
 
ところで最近のりゃんりゃん、先日の旅行から帰ってからというもの甘えっぷりに拍車がかかって私は嬉しいやら困るやらの日々(かすみさんは前と変わらずマイペース)。
 
昼間は常に私の隣にべったりくっついて座っていて、トイレにも洗濯にも掃除にも追いかけてこようとする。ベランダに出れば「俺も出るぞー」と入り口でニャーニャー。油断するとトイレの中にまでついてきて、足元のマットでウフンアハンとゴロゴロ言いながら寝転がろうとする(それを「トイレの床はヤメテー」と私は必死に止める)。
 
パソコンデスクの椅子に座ると膝によじのぼってきて、料理しようとするとすれば床から伸び上がって私の腿に手をかけたり、背後の椅子の上から背中に飛び乗ろうとしたり。で、今は寝転がってパソコン叩いている私の背中の上で寝ている始末。あったかいけど、なんか嬉しいけど、でも地味に重いです……。
 
これはただ単に、涼しくなってきたから暖を取りたいがためにくっついているだけなのかしらどうなのかしら。
くっつかれるのはやぶさかではないけれど、でもこんなに懐かれてしまうと外出や外泊がしにくくなっちゃうんだなぁ……。