食欲魔人日記 99年4月 第3週
4/12 (月)
ピザトースト
コーヒー
卵ごはん

午前中、スポーツジムで「みっちりアクア」なるプログラムに出る。その名に違わずみっちりしごかれ、へとへとになって帰宅。もう御飯を作る余力なし。で、炊飯器にちょりっと残っていた御飯に、「やっぱプロテイン取らなきゃ」とわけのわからない理由をつけつつ、卵かけて喰う。うう、でもまだなんかものたりないし。

鶏肉の塩焼き 葱ポン酢
ひじき煮
パセリポテト
大根の味噌汁、御飯

なんとなーく和食が食べたかったのと、以前から「ひじきが食べたい」とのだんなリクエストを承っていたこともあって、和食な夕食。
実はひじきを煮たのは初めてだったのだが、予想以上に美味しく出来て、満足。なんかヘルシーよね、うふふ。

4/13 (火)
フルーチェ

起きると、喉がごっつぅ痛い。頭痛はするし、なんか天気予報で"今日は最高気温25度です"なんつってるのにやったら寒い。
私、風邪?風邪?
で、結局自分も調子が芳しくないだんなは仕事を休み、フルーチェを作ってくれたのだった。当然苺。苺で無くてはならないのだ、フルーチェは。

スパゲティ ミートソース
フルーチェ

昼はうどんが良い?スパゲティ?とだんなは聞いてきた。
「ボンゴレロッソ?こないだ買ったミートソース?……昔ながらのミートソースもあったっけ?」
の最後の一言に、おそらく私の目は輝いていたのだろう、昼食は以前買ってあったレトルトミートソース「昔ながらの〜」という名前のやつに決定。残っていた牛肉を細かく切ってにんにくと炒めて添えてくださった。風邪ひいてても、美味しいものは美味しいのさ。
直後しばらくして、フルーチェを食べる。たしか4人分だと思われたフルーチェ1箱がこれで綺麗になくなった。

ポークカレー

朝、喉ガラガラな状態で私は「夜はカレーが食べたい」と不遜な申し出をしたのだった。
風邪ひこうと出産しようと食欲だけは失わない私である(現に、出産直後の昼食を病院で全てたいらげてちょびっとだけ看護婦さんにびっくりされた)。
私好みのじゃがいもゴロゴロのもっさりカレー。美味しいす。げほ。

4/14 (水)
ヨーグルト

体調優れず、喉痛し。
夫に息子の保育園送迎を依頼し後、一人伏す。嗚呼。

バタートースト
カレー
アイスカフェオレ

喉は相変わらず痛いけど、空腹の辛さが勝ってしまったので、カレーをシチュー皿によそい、トーストをひたしつつ食べる。ん〜、病気は悲しい。カレーは美味しいけど。

カレー
豆苗とベーコンのバター炒め
コーンスープ

いまいち調子が悪くてやる気もなく、今日の夕食もカレーとしてしまった。なんか青いものが食べたかったので、近所で特売80円の豆苗を買ってきて、ちょいと炒めてみた。なかなか美味しい。

4/15 (木)
カレーうどん

カレーの鍋が空になりかけたら、翌日はうどんにするというのが真理であり公理でもあるのである。
カレーうどんには、脂身たっぷりの豚バラ肉もしくは牛薄切り肉、皮つきの鶏肉、なんかが実は合うと思うが、そんなことは関係なく、やっぱり美味しいのがカレーうどんだ。

トースト
アイスカフェオレ
パスタと茄子のトマトソース
鶏肉入り、野菜のコンソメスープ
マンゴープリン (聘珍樓のプリンミックス使用)

午前中にThe dancyu Shopから食材がどばっと届く。
今日はアドナイのモッツァレラ(安売り期間ラストチャンスだったので注文した)と、四万十川の海苔佃煮(あまりに美味しいから追加注文した)と、ラーメン(北海道旭川ラーメン。美味しそうだったので注文した)と、ヨコイのスパゲッティ(消耗品なので、追加注文した)がやってきたのであった。
で、せっかくの新鮮なモッツァレラが来たもんだから、夕食の予定の「ピーマンの肉詰め」を即翻し、モッツァレラ料理にすることに。安売りの茄子を買ってきていたのでそれを使ってトマトソース絡めのオーブン焼き。おお、今日は完全オリジナル料理じゃん、へいへい。
ちょっと工夫してミルフィーユ仕立て。おっしゃれじゃ〜ん(笑)

【パスタと茄子のトマトソースのつくりかた】

 1. トマトソースを作る。にんにく薄切りをオリーブ油で炒め、色づいたところでイタリアントマト水煮缶を投入。
塩胡椒で味つけて、分量が70%くらいになるまでちょっと煮詰める。
風味づけに、ローリエと、ベランダのローズマリーとオレガノをちょいと入れる。
 2. パスタを茹でる。今日は適当な、木の葉型のショートパスタを使用。
茹であがったら軽くバター絡めて、ついでにトマトソースもちょっと和えておく。
 3. ひき肉と玉ねぎのみじん切りを炒める。
 4. 輪切り茄子をやや多めのオリーブ油で揚げ焼きにする。こんがりと。
 5. グラタン皿にトマトソース絡めのパスタ敷いて、ひき肉1/2乗せて、茄子1/2乗せる。
更にトマトソース1/2乗せて、モッツァレラも1/2量乗せる。
更に残りのひき肉、茄子、トマトソース、モッツァレラ、と乗せる。
てっぺんのモッツァレラはまんべんなく、ぶわぁっ!と乗せて、最後にパン粉とパルミジャーノレジャーノのすりおろし少々をかけて、オーブンで焼く。以上。

4/16 (金)
コーンフレークス with 牛乳

ところで、今日もな〜んか風邪がぶりかえしたらしくて、火曜日以来、全然ジムに行けない日々なのであった。うう、なんか身体なまりそ。

チョコクロワッサン
牛乳

保育園から「息子さんの熱がまた38℃越えちゃったから迎えにきてちょ」と電話があり、急ぎ迎えに行く。
で、真っ赤な顔しながらもご機嫌な彼と帰宅ついでにコンビニで昼食購入。
午後は風邪ひきの親子でごろごろする。うー、だるいなぁ。

ピーマンのひき肉詰め with 千切りキャベツ
モッツァレラチーズとトマト、自家製ルッコラのサラダ
キャロットクリームスープ
御飯
苺 with コンデンスミルク&牛乳

夕方から元気復活。今日こそはとここ数日の念願だったピーマンの肉詰めを作る。
で、ベランダ園芸中のルッコラが日々すごいことになってきていたので、これを収穫し、先日届いたモッツァレラチーズをトマトと一緒にオリーブ油と塩で和え、サラダにしてみた。美味美味。

4/17 (土)
御飯
あぶらそば
佃煮

今日は待ちに待ったdancyu創刊100号記念イベントに参加するのだ。
今日と明日、横浜は桜木町QUEEN'S EASTで1日2回開催される、
日高良実シェフによる「豆腐でイタリアン」
というのがそれ。「三之助豆腐」(日本橋高島屋や銀座松屋でも売られている、私たちの大好きな豆腐屋の豆腐)をイタリアンにアレンジして〜という内容らしい。三之助豆腐は大好きだ。ましてや日高良実シェフをや。ってんで先日から燃え燃えの夫妻であった。しかし、豆腐でイタリアン?????不安がちょっとばかしつきまとう。
だんなは前日から、「明日行きまっす!」と、いつもインターネットショッピングでお世話になっていたYさんに連絡していた。何度もメール交換していたらしいけど、やっと今日会えるのかな、わくわく。
というわけで、今日は南海の大決戦、日高シェフとの運命の邂逅(どこがや)という充実した内容なので、日記が長くなってしまうのは必須なのであります。いいの、自己満足なの。うっふん。

それはそうと、朝御飯はなんかめちゃめちゃだった。いきなりあぶらそば。というのも、「昼はきっと中華街で食べるだろうから軽くね♪」と本来御飯と佃煮だけで済ます予定だったのが、お釜の御飯はあと1膳あるやなしやの状態で、で、しょうがなく、ラ王のあぶそばを追加投入して分け合いつつ食べたからであった。閑話休題。


10:20
早くも、桜木町QUEEN'S EASTフードホール前に到着。
開場……おっと違った、開店まではあと40分。もう既に来ている母娘2人連れなどがいたりする。ドア前広場のベンチで休む2人を後目に、ドアの前に早速へばりつく私たち。だって、1回のイベントは着席30人限定で、整理券は11時開店時から配布、とあるんだもの。かなり必死な我らである。だんなが近くのスターバックスでアイスココア買ってきてくれて、飲んで待つ。

11:00
開店。なんか、後ろには20人ほどの人が並んでいた。
早速整理券をゲット。14:30〜、16:00〜、と2回開催されるうち、後者の方を選んだ。ゆっくり昼食食べてこられるし。わーいわーい。
で、だんなは開店時に、すかさず会う予定のYさんを名札で確認していたらしい。入り口に戻り、Yさんと邂逅、握手をする2人。なんか、仲良さそうだぞ、なんなんだ君たち(メールのやりとりで、なんか親密になったらしい)。
名刺をいただき、「さささ、どうぞどうぞ」とThe dancyu Shopに案内される。

ショップにて、「ほらほら、Kさんだよ」とだんなが紹介されるやいなや、
「ああ!あのKさんですかっ!お噂はかねがね!」だの、
「私です〜、Mです〜。いつもありがとうございます〜(←いつもショッピングの発送をしていてくれた人らしい)」
と2〜3人わらわらと店員が集まってきて、大歓待されてしまった。dancyuショップのヒーローとなるだんな。輝かしい光景だ。
何故、こんなにだんなが有名人なのかというと、ヨコイのスパゲッティを愛するあまり「仕入れてください!」とリクエストし、そのスパゲティソースがすっかり店の定番と化し、なおかつ本人もスパゲッティを家に何度も注文しているから、なのだ。なんかアホくさい理由だけど、ヒーローなことに変わりはない。いいぞいいぞ、だんな。
棚にある、ヨコイスパゲティソースには「リクエスト商品!」の札が輝かしく光っていた。いいぞいいぞ、ヨコイ。

で、久しぶりのショップを散策、
・プリン (ぷりん工房遊)
 プレーン、チーズ、胡麻、抹茶、南瓜の5種。なんか素朴で美味しそうだったので、おためしと全種類1個ずつ。
・粉チーズ (きすき粉乾路 島根県の木次乳業)
 水分が少ないチーズのようで、「そのまま食べても美味」と言われる。おつまみ、もしくは子供の御飯の材料にいいか、と。
・若どり いぶしどり (愛媛トーカイ食品)
 「あらん、美味しそう」と見ていたら、すかさずYさんが「Kさん!ダマされたと思って食べてみてよこれ!」と言ってきた。ついつい購入。でも100gで\200。安い……よね。Yさんアドバイス曰く、「切らないでそのまま!かじりついてくださいね!」だって。よっしゃ。
・ウオッシュチーズ トム・ド・アドナイ (アドナイ)
 アドナイと聞いては、ついつい触手(じゃなかった、食指)が動くせりあちゃんである。これはウォッシュチーズ。もう熟成されまくって、トロットロって感じ。値段もそれだけに、160gくらいで860円。
を買うことに。
これから中華街行くのです、と言ったら、イベントが終わるまで預かってくれることになった。

11:30
一路、電車乗って石川町、中華街へ。
今日の昼食テーマは「美味しい排骨飯を食べたい!」である。
中途、「天仁茗茶」というお茶屋でプーアル茶を400g購入。以前試しに買ってみたら、普段飲みに申し分無い、じゃかじゃか使えてなおかつ美味しい、良いお茶だったのだった。100g450円。
で、お昼ご飯だ。以前から何かでちょくちょく名前を耳にしていた「楽園」というところも行ってみたかったのだが、排骨飯が無くて断念。雑誌に頼るのは不本意ながら、hanakoに載っていた「三和楼」という上海料理店を目指すことにしたのであった。

排骨飯
五目あんかけ御飯
焼売
ココナッツのカスタード団子
杏仁豆腐

中華街、関帝廟通りにある「三和楼」にて。席数10程度のこぢんまりとした店内(2〜3階もあるらしかったが)。客はまだ3組くらい。ベビーカー同伴だったが、快く4人掛けの席につかせてくれた。無愛想な中国人店員がいる。
注文は排骨飯2つ、五目あんかけ御飯1つ。排骨飯は自分たち用、あんかけ御飯は生後1歳にならんとする息子用である。生後1歳ならんとする、彼の食欲をあなどってはいけない。「分けて食べましょ」と思うと、絶対自分の取り分が少なくなる。だからきっちり3つ注文。で、だんなリクエストの焼売と、私リクエストのカスタード団子、後々禍根を残すこととなる「2〜3人前\1000」の杏仁豆腐、を頼んだ。

注文後、5分程度で出てきたのが排骨飯。続いてあんかけ御飯。
排骨飯は青菜がどっさりと上に乗る、良い感じのものだった。肉には下味がしっかりとついていて、衣もサクサク、良い感じ。あんかけ御飯も、御飯が見えない位の具沢山で、白菜人参うずらの卵、筍、豚肉、海老いかは当然としてハチノスまで入っている。これは美味しい。息子も割とがつがつ喰うも、流石に取り分けた茶碗2杯弱で満腹になったらしい。残りを2人ですっかり食べる。
で、焼売。もちもちした肉が肉汁たっぷり吸ってて、じゅわ〜っと出てくるものだった。かなり美味だ。ぬぅ、実はあまり期待しないで、「とにかく排骨飯が食べられたら良いんだもんね」と思っていた自分をちょっと後悔。もしかして、結構(かなり)美味しい店やもしらん。
まもなく来たのがカスタード団子。ふわふわの白玉団子に濃厚な黄色のカスタードあんが入り、周囲にはココナッツの繊維シャキシャキ系パウダーがもわもわとついている。うう、これは美味しい。ありがちと言えばありがちだけど、おいしい〜。

で、問題なのがデザートの「2〜3人前\1000」の杏仁豆腐だった。
それまでのカスタード団子まで、予想以上に美味しい料理が並んでおり、杏仁豆腐はこの値段。期待するなって方が無茶ってもんで、わくわくしながら待っていて、やってきたのは「寒天ポクポク、羊羹よりも固いんです私」といった風情の杏仁豆腐だった。ありがちな菱形の豆腐がぷかぷかと浮き(これは良い)、上にはみかんやパイン、桃などの缶詰フルーツもぷかぷかと浮き(これも、まぁ良い)、シロップを一口すすると缶詰の香り(これはいけない)。豆腐の方は、見た目と違わず、グミ一歩直前の歯ごたえ(これは相当いけない)。一口、二口と進めて出たものは、「これは缶詰の杏仁豆腐である」、という悲しい結論だった。なぁ〜にが悲しくて、缶詰杏仁豆腐に\1000も払わなきゃいけないんじゃ、ボケぇ!!!
うう、他が美味しかっただけに(あと一歩で「好きな店」入りしてしまうかもしれなかった程)、残念。さよなら、三和楼。でも排骨飯は本当に美味しかったぞ。


で、散策の続き。昼食がかなり早く済んでしまったので、実はイベント開始まで余裕が出来過ぎてしまった我々であった。

12:30
中華街にてお買い物。石川町に戻る途中、あっちへ寄り道、こっちへ寄り道、する。以下、お買い物リスト。
・油条 (市場通り 頂好食品にて)
・マンゴプリン (市場通り 四五六菜館土産館にて)
・愛玉子 (同じく 四五六菜館土産館にて)
・蒸し物用布巾 (市場通り 調理器具屋にて)
・オリーブ油入れ用プラスチックボトル (同じく 調理器具屋にて)
・焼き豚200g(1300円もした) (中華街大通り 有昌にて)
・カスタード饅頭 (中華街大通り 萬珍樓にて)
・プリンタルト (西門通り 大珍樓にて)
・アップルパイ (同じく 大珍樓にて)
・鶏パイ (同じく 大珍樓にて)
・マンゴプリン (西門通り 中国貿易公司中華街本店)
買った買ったのお菓子だらけ。なんかデザート多いす。どーやって喰おうか。

14:00
早々に桜木町に戻る。まだ2時間もあるじゃないか。

ココナッツミルクアイスティ

てなわけで、まだ2時間もある私たちはQUEEN'S EASTの入り口らへんにある、「焼きたてクロワッサンとコーヒーはいかがっすか?」と書かれた(いや、正確には「いかがですか?」だったと思うが)セルフサービス喫茶店で休む事にした。だんなジンジャーエール、息子は同意を得ていないがフレッシュオレンジジュース、私は満場の一致をもって"ココナッツミルクアイスティー"だ。
こ、こんな妙なアイスティ、初めて飲んだぞ。甘くて美味しかったぞ。また飲みたい。

15:00
あと1時間。QUEEN'S EASTをそぞろ歩き、「洒落た器はねぇ〜か〜」「お買い得なインテリア雑貨はねぇ〜か〜」と秋田名物なまはげの如くさまよい歩く。(ここで、背後からモニターを覗いただんなが、「……秋田弁なら、"ねぇ〜が〜"じゃない?」などとのたまった。それは、そうなんだけどさぁ。そっだらこと書いだら読んどる人たちが、分っがらなくなるべった〜?……って、元千葉県民のだんなが秋田弁をここまで理解出来るようになったのは妻の教育の賜物ってやつだな、うんうん。)

ともあれ、1ヶ所で良い感じの片口を発見。料理用にはちと深さがあって使えなさそうだけど、酒器にはぴったり。冷や酒を入れたら、きっと良い感じ。黒い焼き物のやつで、1000円だった。
続いて地下のフードホールへ。イベント会場に向かう途中、パンの木村屋でエッグタルト発見。思わず買う。横に「フォンデュタルト」なる見慣れぬシロモノも発見。迷わず買う。

15:40
ちと早いけど、疲れてしまった。会場(と言っても売場内のちっちゃいブース)には小さなキッチンセットの腰あたりから上が窓になっている小屋、小屋の前に椅子がたくさん、と置いてある。会場に着くと、「まだ整理券がありま〜す」などと売場のお姉さんが道行く人に声をかけていた。……まだ、整理券余ってるのか〜。朝から頑張った我々って何?という感じだが。まぁ良い。早速座る。子供連れで迷惑かけるやもしれない故、一番端。でも一番前。おお、日高さんが小屋に入ったり出たり、おお、歩いたりもしてるぞ、ナマ日高ちゃんだ!ナマよナマ!!と失礼にもだんなとわくわくする。ホンモノじゃん、ホンモノじゃん。
そうこうしているうちに、「なになに、"あの""有名な"日高さん!?」などという若い女性たちがどんどん席を埋め、開始前には立見も出るほどの盛況ぶりとなっていた。


16:00
dancyuイベント、開始。
最初に、「豆腐とイタリアンの概念を覆す!」というノリでもって、
リコッタチーズの醤油がけ
豆腐のオリーブオイル&塩かけ
が試食で出された。豆腐の方はまだしも油と塩だから抵抗ないにしても、リコッタチーズに醤油。いつもいつも、ハチミツかけたり、生クリームと合わせて砂糖入れたり、ケーキに入れたり、甘くするだけで食べていたのに、醤油だ醤油。どーするよ、おい。
だがしかし。リコッタ醤油がけは美味しかった。チーズは確かにチーズだけど、酸味のある野菜か魚に醤油かけてるような。それこそ香りの良い豆腐にでも醤油がかかってるような。良く考えたら同じタンパク質なんだから、合わないことも無いはずなんだけど、ああ、でもやっぱり醤油はねぇ。

で、話は進む。司会者のお姉さんというのが私の真横にいるのだが、
「料理界の貴公子、日高さんです」とか
「"あの"日高さんが醤油とか豆腐とかを持っているというのは不思議な感じですねぇ」などと
言っていて、そんなに有名有名って感じに騒ぐなよ〜、っと思わなくもない。別に有名だからという理由で好きなわけじゃないし、有名だからというだけで来ているんじゃないやい、むかむか。

ああ、話を進めなければ。
最初は「野菜と豆腐のコロコロ炒め日高風」というもの。
異常に簡単で、にんにく炒めて、その油の中でズッキーニと豆腐(三之助の"かちかち豆腐"推奨)も炒めて、塩胡椒してトマト混ぜて、皿に盛ってパルメザンチーズと黒胡椒かけてミント添えて出来上がり。レシピになっているような、ないような。簡単すぎる。
で、試食の皿がやってきた。うう〜、単純なくせに、美味しい。日高マジック(と司会者おねーさんが言った)おそるべし。

次、「三之助油揚げのローマ風クロスティーニ」。
油揚げ(三之助油揚げ推奨)にモッツァレラチーズとアンチョビペーストを入れ、油揚げの袋の口とじて、ソテーして皿に盛る。ソースとして、生クリームとアンチョビペーストを混ぜたものを上からかけて、バジルを添えて供する。……この話の途中で、もともと機嫌が悪そうだった息子がついに泣き出した。慌ててブースの外に連れ出す。うう、ごめんなさい、日高さん。キライにならないで、うっふん。
で、数分して落ち着いたので戻ってきた。だんなの皿から試食分けてもらったが……油揚げじゃないみたい。見かけはそりゃ油揚げだけど、おお、しっかりイタリアン。かっちょいい。簡単に見えて、実は一生懸命このレシピ考えたのかしらん、日高さん、と思ってしまう。

などしているうちに、もう40分が過ぎていた。ここからは質問タイム、というやつらしい。普段、「貧乏脱出大作戦(東京テレビ)」を見ながら、「ああ〜、その店で修行して、そんなんだったら俺らに行かせてくれ〜」と吠えている我らである。自分が出せない味が出せる料理人の厨房に入れるんなら、片っ端から皿舐めてみろぉ!んがぁ!メモのひとつも取れねーでどーすんだぁ!などと、いつもいつも言っている。憧れのシェフを目の前にして、誰が黙っていられようか。いや、ない。
質問第一弾、だんな。
「アクア・パッツァがいまいち上手に出来ませんが、どうしたら良いのか、コツを。」
日高さんは、丁寧に答えて下さった。「魚は丸のままのを使いましたか?」などと聞きつつ、
「フライパンに(油が)なじんでなかったのが原因ではないでしょうか。良くなじませて、強火で一気に皮を焼いて、弱火であとはじっくり火を通すと良いですね。」
などと答えてくれた。おお〜、なんか親身。有名料理店長のくせに(有名料理店にはロクな人間がいないと信じ切っているらしい)、めちゃめちゃ良い人じゃないか。

続いて、様々な人から質問。
「イタリア料理って食べたこと、ないんですけどぉ、日高さんはどのようなイタリア料理が好きですか?」(頭が軽そうな女性)
答え「トマトソースのパスタは飽きなくていいですね。イタリアでは、"マンマの数だけトマトソースがある"って言いますよ。」
「他にイタリア料理に出来る和の食材はありますか?」(質問人しらず)
答え「結構なんでも出来ますよ。」
などなど。質問する人の声が全然届かなかったりの人も多かった。質問ってのはね、自分の為だけじゃなくて聞いてる人、皆にも聞こえなきゃ質疑応答の意味が無いんだから、はっきり発声するべきである。大きな声も出せないなら、質問なんかするんじゃないっての。そもそも、腕が絶対敵わないような大料理人が目の前にいるなら、質問するべきは料理の技巧、技術的な事、味付けの事なんかが一番重要じゃあないだろうか。料理人が何を好きかなんて、興味本位には面白いけど、自分の料理には影響しない。
で、最後の質問者に選ばれたのが、私。夫婦で最初と最後を占めて、良い感じ(笑)

「ドライトマトが手製で出来るとおっしゃっていたので作ってみているのですが(うんうん、と頷く日高氏)、天日で干してもですね、くたぁ〜となってドロドロになってきてしまって、だからと言ってオーブンでやったら消し炭になってしまいまして。上手に出来る方法はなんでしょうか」
が私の質問。流石に"消し炭"にまでしてしまったことは無いけど(あ、1回だけあったな(汗))、うまいこと上質のドライトマトに、ってのは難しいんだ、いやほんと。オーブンに入れると、すぐに焦げて苦くなっちゃうし。
答えは、
「日本は湿気が多いですから……夏なんかに天日に1日干すだけで隨分と甘味が出て美味しくなります。あとは、オーブンで100℃、1〜2時間焼いて外に出す、という感じで。」
というものだった。おお、1〜2時間か。でも「チューボーですよ!」では20分とあったぞ!何故だ?(笑)

ともあれ、こうして1時間の講習は終わったのだった。最後におまけ。著作を買ったらサインをしてくれる、という。ついでに三之助豆腐でお買い物をすると、おまけをつけてくれると。
くぅ、著作にサインとか言っても、そこに並んでる本、6冊中4冊持ってるんですけど、という感じだったが、一度図書館で借りただけだった『イタリアのお菓子たち』という本を買うことにした。サインは欲しい。というより話してみたい。ミーハーかなぁ。でも話したいし。
夫婦して質問した(しかも調理方法を聞いてきたのが私たちだけだった)のが記憶に残っていたのか、
「ご夫婦で料理されるんですね、いいですね。」と最初に言われてしまった。「アクア・パッツァとか、雑誌に作り方載ったりすると、"マネしよう!"とか言って作ってますよ」とか「お店で食べたアクア・パッツァが本当に美味しくて」などと話しかけた記憶がある(実はちょっと緊張していたのだな、自分)。で、だんなが、
「昨年の結婚記念日に、麻布のアクア・パッツァで食事したんですよ」
と言ったら、日高さんはちょっと驚いた顔をした。「ほほ〜、結婚記念日に。」ってな感じだ。
「そうそう、記念日なんです、って言ったらテレコッタ敷きの席に案内してくれて」と私も付け加えたりなんかして。
「また是非来てください」
と言われ、イベントスペースを後にした。うう、やっぱりなんか良い人っぽいぞ。一度として「俺は偉いんだ」なんてそぶりも見せなかったし(それが例え演技だとしても、あからさまに見せつける輩が多い中、それはそれで稀少な人だと思う)。
「一度だけ、イタリアに行っていた時に出来立ての、モッツァレラチーズを食べた事があったんですね。湯気がほわ〜っと出ていて。あれは本当に美味しかったですね、一度しか食べた事が無いんですが」と言っていた日高さんは、ただのキュートな食いしん坊のおじさんだった。
そうそう、サインは子供の名前で。「いつかこんなデザート作ってね♪」という、母の深い愛情だ(一部嘘)。
「Der Nozomu 君へ Acqua Pazza YoshimiHidaka」
と書いてくれた。サインは縦線が妙に長い、ヒョロヒョロした面白いものだった。うっふんうっふん(←なんか私、変なオバハンみたいやん……)。


てなわけで、イベント終了。
午前中に商品を預かってもらっていたThe dancyu Shopに行き、荷物を受け取る。午前中に会ったYさんが、またもこの店の前に居て、
「いやぁ〜、いかがでしたか」
とニコニコと話しかけてきた。Yさんは、背が高く大柄の、体育会系で笑い皺がキュートな人だ。
「いや〜、美味しかったし、面白かったすよ。日高さんて良い人ですよね、有名なのに、偉ぶらない。」
とだんなが話すと、
「そうですよね、日高さんはいい人で……以前来た方には"うわぁ〜っ"(顔をオエッとさせる)みたいな人もいましたからね(笑)」
だそうだ。それって……某クィーン○リスの、○鍋?(さすがに偏見かな)。

荷物受け取って、The dancyu Shopともさよーなら。
とここで、いきなりYさんから大きな紙袋を貰ってしまった。dancyu100号記念セール(インターネットでもセールしていて、だんなは2回これで買い物をした)中にくじをひいてもらっていて、その残りなんですが……とのことで。覗くと、鍋やら本やら、なんかたくさん入っている。こ、これ下さるんですか?どきどき。
恐縮しながら、大きな紙袋いただいて、辞去したのでありました。後で見ると、中には
 dancyu別冊ワイン特集号
 ところてん器
 ワインオープナー
 ミニ揚げもの鍋
 dancyuの雑誌ファイル (6冊収納)
が入っていた。ワインの特集号はたまたま持っていなかったものだったし(それ以外の別冊はなんと全部持っていたのであった、わっはっは)、雑誌ファイルも実はちょっと欲しかったりしていたやつで、うう、嬉しい。なんかThe dancyu Shopに好かれてしまったらしい、だんなであった。
でも……"ところてん器"なんてどうしましょう。総檜とか言われても。なんか珍しいグッズで嬉しいは嬉しいけど。……作るかなぁ、ところてん(いや、すごく好物なんだけどね、私は。でも、ねぇ。ところてんって自作するか?普通……)。

最後に、今回のイベント提供社、三之助豆腐でお買い物。料理に使った「かちかち豆腐」と油揚げを購入したところ、イベント参加者お礼のおまけがついてきた。「ふわふわ豆腐」。
ふわふわ豆腐って美味しいんだ〜。緩い豆腐で、円盤状の器に入っていて、ほろほろなので、正直料理には向かない。これは冷たいままか、もしくはちょいと暖めて、醤油をひとたらしして食べるのがおきまりである。日本酒とビールの友。豆腐まで貰えるとは。嬉しい限り。
で、やっと帰宅。帰りに桜木町の駅で崎陽軒の焼売を買い、京浜東北線でどんどこ帰宅したのでありました。帰宅6時45分。
実は、イベント途中から息子の風邪の具合がどんどん悪くなり、かなりの熱が出てきていたのでありました(汗) ちゃんちゃん。

卵炒飯
焼売(崎陽軒)
中華スープ
プーアル茶(天仁茗茶)
プリンタルト(大珍樓)
フォンデュタルト(木村屋)

19時前、帰宅。つかれたつかれた。赤子もぐったり(汗)す、すまん息子よ。
もうな〜んにもやる気無く、「崎陽軒の焼売と、あとは冷凍してある御飯のチンでいーやー……」と思っていたらだんながおもむろに鍋をふるい始め、卵炒飯を作ってくれた。今日買ってきたばかりのお茶入れて、デザート食べて。崎陽軒の焼売、って何か美味しいのよね、ソウル(=魂)フードというか。高校時代に親が作ってくれていた弁当に良く入っていたからかもしんない。
大珍樓のプリンタルトは、相変わらず絶品でした。これぞ蛋撻。プリンの部分のフルフル加減と良い、皮のパサパサとした粉っぽさ(これはキライな人も結構いるかもしれないけど)と絶妙なバランスで、うちら夫婦はこれが食べたうちのベスト・オブ・蛋撻だと思っていたりする。ちょっと小さいのがつまらないけど、それもまたよし。
最後に食べたフォンデュタルトは、これはちょっと、……もう食べないかな、という感じのもので。フォンデュと名がついているだけあって、チーズの風味たっぷりだったけど、ベシャメルソースっぽいのがくどくて濃厚すぎて、要はグラタンタルトみたいな感じで、でもなんか違うんでないかい、という……ちょっと表現しがたい味だったのでありました。せっかく「中華街の余韻ディナー」という感じでうまくいっていたのに。しくしくしく。
食後、私は今日の日記をしこしこと書き始める。背後では、だんなが明日の朝食の仕込みをし始めた。油条買ってきたこともあり、彼は中華粥を作ってくれるらしい。わくわくわく。おっ、干し貝柱も入れるんですか?いいですねぇ……。

4/18 (日)
鶏肉入り中華粥

昨日の外出がたたり、親子3人、総風邪ひき。
「優雅な中華風朝食」スタイルだったはずが、「親子風邪ひきお粥」といった風情だ。まぁいい。お粥はとろっとろで、たっぷりの貝柱と鶏肉が入っていて良い感じに仕上がっていた。塩気も丁度良いし。油条かけながら、がつがつと食べる。うーん、美味しい。

コーンバター味噌チャーシュー麺
プーアル茶
エッグタルト(木村屋)
アップルパイ(大珍樓)

先日買ってあった北海道旭川ラーメンに、有昌の焼き豚入れて、チャーシュー麺とする。コーンたっぷり、もやしもたっぷり。……実は作ってくれたのはだんなだったりするけど(麺はおおむねだんな担当なんだな……)。初めて食べた「北海道旭川ラーメン」は味噌が濃厚で、ちょっとピリ辛の美味しいラーメンでした。また食べたいなぁ。

細春巻き
海老餃子
タイ風オムレツ
サテ
サラダ盛り合わせ
3種のカレー&ナン
デザート盛り合わせ
トロピカルカクテル4杯
ベトナム茶
日本蕎麦

本日は、高校時代からの友人、YとTさんとの食事会である。子供をだんなにたくし、夕刻下北沢へと向かう。待ち合わせまで、久々の下北沢探索をし、久々に心に響くアジア雑貨屋を発見。普段着用のスカートとか、ココナッツで出来たスプーンとか、お猪口とか、大きな盛り皿とかザルとか、色々買い込んでいきなり大荷物になる。
で、夕食は南口そばのタラートという店で。学生時代から何度も通ったおなじみの店だ。無国籍料理屋で、カクテルも充実していて良い感じ。
入るなり、店員とじゃんけん。これに勝つと、勝った人のデザートが無料になる。2人勝ち、ついでにデザート無料券もあったりしたので、これで全員デザート無料。ライチ入りのトロピカルカクテル飲みながら、春巻食ったり餃子食ったりしつつ、さんざんおしゃべりした。久しぶりの友人たちで、それまでの期間を埋めるべくこれまでの事をつらつらと語る。みんな、チューしてたり、あれやったりそれやったり、まぁ大変なことなんでございます(ってわけわかんないね)。
タラートそばの茶店でお茶まで飲んで、帰宅したのは12時前。だんなは「飲んだ後はこういうものがちょっと食べたいでしょ」と日本蕎麦を茹でて待っててくれた。ううう、いつも君が飲んで帰ると、私は不機嫌なのにねぇ。どうしてそんなに優しいの?(いちゃいちゃ)と、数時間前まで一緒に居たYならば砂を吐きそうなやりとりをする夫婦なのであった。