食欲魔人日記 01年10月 第4週
10/22 (月)
だんな特製 海鮮かた焼きそば (夕御飯)
Kさん手打ちうどん"ひやひや"
抹茶入り玄米茶

昨晩、「よーし、明日の朝はうどんを食べるぞー」といりこのだしを取ってみた。
鍋にたっぷりの水にいりこを1つかみがばっと入れ昆布も放り込み、そのまま1時間ほど放置。火をつけて沸騰したらサバ節を加えて十数分アクを取りつつ煮、最後にかつお節も放り込んだら漉してできあがり。……とメンパクにあったとおりにやったのに、悲しきかな、濁りとえぐみのある、いまひとつなだしになってしまった。なんか生臭い。Kさんがうどんと一緒に送ってくれるだしは、澄んだ色のとてもクリアな飲み口のだしなのだ。目指していたのはそれだったはずなのに、目の前にあるのは怪しい茶褐色の液体なのだった。

「サバ節が、なんだか古くなって湿ってていまひとつな感じ……」
「そういえばいりこもすっごく安いやつ買ってきたし」
と、反省点は山ほどあって、でも捨てるのも勿体なく、醤油を多めに入れてごまかしつつ使っちゃうことにする。
うどんを13分ほど茹でて、氷水でキンキンに引き締めてどんぶりへ。刻み万能葱と冷たく冷やしておいただしをぶっかけて、食べる。このシンプルさが香川の製麺所の味を思い出させて、なんとも良い感じ。半分ほど食べてからは天ぷら代わりに揚げ玉など散らしてみたりして、一層良い感じ。

うどん打ちが仕事であるわけでもないだろうに、Kさんの打つうどんは相変わらず美味しいのである。
「ああっ、香川に行きたい気持がまたモリモリと」
「いや、これを食してまたちょっと行きたい熱が緩和されたというか」
「いや、でもやっぱり懐かしく行きたくなってしまうというか」
と、朝から「香川だ」「讃岐だ」「高松だ」と、思いはそっち方面に行ってしまう私たち。

Johanの
 コーンパン
 ミニクロワッサン
アイスカフェオレ

今日は、「週が明けたらやる」と決めていた仕事が山積みになっていた。複数のお仕事が一度に押し寄せてきていた状態で、ちょっと大変な状況だった。

昼はあわただしくJohanのバターロールサイズのコーンパンを2個ほどばくばくと囓る。
昨日だんなの家族と大人数で千葉に行ったとき、お義母さんが我が家の分もコーンパンをゲットしてくれたのだった。千葉三越の食料品売り場鮮魚コーナーにて
「あ、海老が安いよイカも安いよ……」
と私たちが足を止めた直後、
「いま、いま、ちょうど3時になったからパン屋さん行ってくるわねっ!」
とお義母さんはJohan方面にすっとんで行ったのだ。数分後、私らがイカと海老を抱えてパン屋にたどり着くと、トレイの上をコーンパンでいっぱいにしたお義母さんが列に並んでいたのだった。すばらしい。

Johanのパンは全体的にもちもちもちもちしているけど、コーンパンも例外でなくやっぱりもちもちもちもちとしている。ほの甘いコーンもたっぷり。あっためても美味しいけど、買った翌日くらいならそのまま囓ってもサイコーに美味しいんだな、これがな。もぐもぐ。

だんな特製 海鮮かた焼きそば
モルツ、冷茶

仕事が佳境で、7時前にだんなが「今から帰るよー」と電話してくれたときには「きゃー、ごめん、まだ、全然、むり……」と悲鳴というか溜息というかなものしか返せなかった。
「イカと海老の余りを食べなきゃいけないけど、でもでもちょっと今、大変……」
とバタバタしていたところ、
「じゃあ、それで何か作って食べられるようなもん見繕って帰るよー」
とありがたき返事。で、白菜や豚肉、中華麺などを買ってきてくれたのだった。海鮮たっぷり焼きそばが本日のメニュー。

一人で悶々とイカの内臓掻き出したり海老の殻剥いたりするのはめんどくさいけど、二人いたらなんとなく楽しい。だんなが帰ってきたところで私も仕事を中断して、一緒に台所で夕飯を作ってみた。イカは輪切りにしてゲソも当然細かく切って料理に使用。白菜切って人参切って、豚肉も切って、海老の殻は二人で剥いた。
塩と中華スープとオイスターソースで味つけしてとろみをつけた豪華海鮮あんを麺にたっぷりかける。一皿料理の夕飯だけど、異様に具沢山でなんだかすごかった。海老もイカも、巨大なやつがこれでもかとごろんごろん入っている。シンプルな味付けだけど市販の合わせ調味料みたいなヘンなクセがなくてほんわかと美味しかった。

でも、今日の巨匠(=だんな)の料理は星2つ半。
なぜって、うずらの卵が入っていなかったから……。

10/23 (火)
牛角(稲毛)にて、肉焼いてます (夕御飯)
Johanの
 コーンパン
 ミニクロワッサン
 はちみつレモンパン
カフェオレ

起きるなりコーヒーを入れて、今日はパンの朝御飯。
7cmほどしかない小さなクロワッサンと、レモンピールがたっぷり巻き込まれたはちみつレモンパンが1個ずつ、コーンパンは1個と半分ずつ、ナイフで切って皿に盛りつけた。

あちらこちらのデパート内、専用の売り場まで設けられているだけあってJohanのミニクロワッサンは美味しい。バターたっぷり練りこまれた生地に、更にカロリーアップと言わんばかりに表面に甘いコーティングが施されているのがまた憎らしく美味しい。2口ほどで食べられちゃうから、油断すると紙袋抱えてもりもりと3個4個と食べてしまいたくなるのだ。ミニクロワッサンは大変危険なパンだ。

カルピスウォーター 500ml×2

本日、お仕事。昼飯どーすっかなー、と思っていた矢先、だんなから携帯メールが届いた。
「今日、牛角行かない?」
と書いてある。現在焼き肉チェーン「牛角」では1週間の感謝祭中なのだ。490円の何種類かの肉が290円になっている。生ビールもお一人様一杯限り1日150杯限定で98円。なかなか素敵な価格なのだった。
初日に行ってみて大行列で断念したばかりで、密かに焼き肉熱が体内でめらめらと熟成されていた私が反対するはずもなく、今晩は焼き肉の宴ということに急遽決定したのだった。焼き肉だぁ〜、わくわくわくわく。

……で、
「ハンバーグって感じじゃないし……」
「唐揚げなんか食べちゃったらなんか夜もったいない(?)し……」
「あああ、蕎麦屋も混んでるし……」
と右往左往した挙げ句、朝に買ったカルピスウォーターをもう1本買っただけで昼休みを終わらせてしまった。1000mlのカルピスウォーターを飲みながらの本日のお仕事。

稲毛 牛角にて
 牛角サラダ
 ねぎ舌塩  月見カルビ
 中落ちカルビ 塩ダレ
 熟成ハラミ 塩ダレ
 ぎあら 塩ダレ
   ピートロ (わさび醤油)
 三元豚 けむり焼き塩ダレ
 にんにくホイル焼き
 サンチュ
 にんにくスープ
 御飯(小)
 御飯(中)
 ビビンバ ハーフサイズ
 生ビール 中ジョッキ×2
 生グレープフルーツdeスプモーニ
 ゆずde梅酒ソーダ
 コカコーラ×2
 究極の手作り杏仁豆腐
 マンゴープリン
 ……を家族3人で食して\8091也

だんなが帰宅し、ちょうど着替え終わった午後8時30分。1時間ほど前に予約帳に名前を入れてもらったお店から「席、空きましたー」と電話が入った。電話での予約は受け付けてくれないけど、店に出向いて名前と電話番号を伝えておくと席ができたときに電話で連絡をしてくれるのは、ちょっとありがたいサービスだ。キャンペーン中ということもあって店はかつてない大混雑という感じだった。

当然の生中。サラダとタン塩、カルビにハラミ、にんにくホイル焼き、と「いつもの」の注文を次々と伝えた後、「月見カルビも」「あ、ぎあらも」「ピートロも」と続いて注文。ほどなくテーブルは肉の皿でいっぱいになった。いつもながら豪快な注文っぷりだ。
ちょっと小洒落た雰囲気の店内はカップル客もいっぱいだ。めちゃめちゃ安いとは言えないけどまぁまぁ安く、そしてまぁまぁ美味しい。コストパフォーマンスは悪くなく、ドリンクやデザートメニューも充実しているからついつい足を向けてしまう。「牛角じゃないと辛抱たまらん!」という程でもないけど、徒歩圏内にこういう店があって本当に良かったなぁと思わせてくれるお店なのだった。

まずは炭火の上に牛タンを並べ、焼けたそばから山盛りの刻み葱をくるんでレモン絞って口に運ぶ。最近は「片面焼き」が我が家のブーム。乗せた肉をひっくり返すことなく、肉の表面に肉汁が浮き出て周囲の焼き色が表面にもじわっと広がった頃におもむろに食べる。当然上側はほんのり生焼けで、でも裏側はカリッとしていて、その食感の違いがなんとも美味しいのだった。ビールが進む。

タン塩用に来た葱とレモンはまだまだ余るので、塩ダレもののカルビやハラミも葱とレモンでがつがつ食べる。唯一濃い味の「月見カルビ」はこってり粘度のある甘辛いタレが絡んでいて、それが焼けたところを溶いた卵黄に浸してから食べる。
「ホルモンも食べたいなぁ」
と、ぎあら(牛の第四胃袋)も注文し、一口大のコリコリした白い肉も焼きまくる。トロに似ている豚なので「Pトロ」と名付けられたらしい豚肉にはわさび醤油だれにしてもらい、わさび山盛り溶いた醤油に浸して食べる。せかせかと箸を動かしつつ酒も二杯目に突入し、何とも良い気分になってきた。

「僕はね僕はね、この"にんにくスープ"に行っちゃうよー」
「私はね私はね、ビビンバ〜ハーフサイズ〜♪」
と、どこか退屈そうな息子を後目にしっかり御飯も食べてしまった。こんなに臭くていいのか、というくらいにんにくの匂いぷんぷんのにんにくスープが笑っちゃうほど美味しくて、だんなは最後に御飯をスープにぶちこんで即席クッパにして喰っていた。

午後10時、90分の制限時間いっぱい食べまくってお店を後に。
なんかもうお腹一杯でほろ酔いでイイ感じに眠くって、
「このまんま、寝ちゃおうかー」
「風呂、明日にしちゃおっかー」
「寝ちゃおー」
「寝ちゃおー」
と、家族全員、帰るなりパジャマに着替えて寝室に直行しちゃったのであった。「なんか、髪が焼き肉くさい〜」「ついでに身体がにんにくくさい〜」とか言いながら。

10/24 (水)
チキンのトマト煮 (夕御飯)
いなり寿司・かっぱ巻き・のり巻き
おかーさんの秋刀魚の煮付け
抹茶入り玄米茶

昨日の夕方、お義母さんから「夕飯にどうぞ」とお寿司と煮付けをいただいてきてしまった。んが、昨夜は焼き肉の宴だったりして、それらは冷蔵庫にて夜を明かすことになってしまった。

いなり寿司にかっぱ巻き、うなぎののり巻きにツナ入りの太巻きなどなど、適当に皆でつまみつつ朝御飯。ついでにお義母さん手製の秋刀魚の煮付けもテーブルに並べる。あの缶詰の「さんまの蒲焼き」の匂いにも似た、甘辛い味の煮付けだ。圧力釜で炊いたんだそうで、骨まで柔らかい。匂いは缶詰と似ているけど、味は比較になんないほど美味しかった。炊きたて御飯にとても似合いそうな感じ。
ちょっと朝から食べ過ぎたかも。げふ。

いぶりがっこ
卵ごはん
インスタントわかめの味噌汁

一人の昼御飯。午後には義妹が遊びに来ることになっていて、きっとお茶飲んだりお菓子食べたりすることになるのだろう、と軽く済ませることにした。
生卵ぶっかけ飯と、インスタントの味噌汁、ついでにたくわん"いぶりがっこ"。
バーリボーリバーリボーリといぶりがっこを囓りつつ、うっすら醤油味の黄色い御飯をかきこんだ。……そろそろ義妹、来るかしらん。

コージーコーナーのクレープ
紅茶(セレモニー)

「かっごちゃっんでっす♪」
ドアの向こうでミニモニの真似をしているのが義妹である。いかつい顔のだんなと血がつながっているとは思えない、目がくりくりとした美少女なんである。手にはコージーコーナーの箱を2つぶらさげていた。
「1つはぁ、私たちのおやつでーす。もう1つは、おうちでどーぞー。」
とクレープと紅茶シフォンケーキのお土産であった。

大学3年生の義妹は、水曜日には講義を入れてないんである。で、その水曜日の午後にはだんなの実家で義母開催の「あみもの教室」が開催されている。かしましいオバチャンらがどやどやと大挙して押し寄せる水曜日、義妹はなるべく家から出るようにしているのだそうだ。で、時折我が家にも遊びにやってくる。本日の懸案事項は「購入予定パソコンの価格調査及び店舗調査」であった。インターネットで安いお店を検索し、「ここはどーだ」「あそこはどーだ」と色々くっちゃべる。

で、おやつはコージーコーナーのクレープ。
L'EPICIERの試供品紅茶パックの籠を義妹に渡し、「好きなお茶、選んでくだされ」と告げるといきなり「ストロベリーチョコ」なんてスゴイお茶を引き当ててしまい、続いて「パタータ」というさつまいも風味のお茶を引き当てた。どれも……あんまり飲みたい種類じゃない。結局「セレモニー」なるダージリンとキームンのブレンドティーを飲むことにした。

具はクリームのみの、ミルクレープのような味のクレープをもりもりと手づかみで食べる。ちょっとバターの香りのするこってりしたクリームのクレープだった。「いひひひひ、美味しいねぇ」「ひひひ」と怪しく笑いながら二人でクレープ。

酢油キャベツ
チキンのトマト煮
まいたけと卵のスープ
御飯
モルツ

コージーコーナーの紅茶シフォンケーキ
紅茶(ペニンシュラ)

ちょっとばかり青くて固くて、生で食べてもあまり美味しくないんじゃないかというトマトが冷蔵庫に入っていたので、鶏肉と一緒に煮てしまうことにした。

まずは玉ねぎとハムを鍋にて炒め、そこに塩胡椒してフライパンで焦げ目をつけるように焼き付けた鶏肉を放りこむ。適当に切った人参と、ざく切りにしたトマト、ワインや少量のケチャップ、タイムやローリエも加えて水も注ぎ、あとは蓋してガーッと煮ていくだけ。ハムから良い感じのだしが出て、トマトや玉ねぎも煮崩れて、トマトとワインの酸味がほんのり漂うチキン煮になった。適当にやった割にはけっこう美味しい。

あとは冷蔵庫の中身整理のために余りきのこと卵をスープにし、キャベツは適当に刻んで玉ねぎやにんじんと一緒に塩揉みしてから酢と油と砂糖で和えて「酢油キャベツ」に。

で、デザートは本日二度目のコージーコーナー。昼のクレープは案外美味しかったけど、シフォンケーキはいまひとつだった。紅茶味のシフォンケーキの間に白桃を刻んだようなフルーツの混ざる紅茶味クリームが挟まり、上にはホイップクリームを削ったミルクチョコが飾られている。シフォンケーキだけなら美味しいのに、何だか妙にこってりしていて、軽い食感のものをわざわざ重たくしているようなケーキだった。
お供はおやつに引き続きL'EPICIERのお茶。今度は柑橘類の香りのする焙じ茶、「ペニンシュラ」だ。目下のところ、一番好きかもしれないブレンドティーがこの「ペニンシュラ」。さっぱりしていてホットでもアイスでも美味しく飲める。

こってりしたクリームのケーキをつつきつつ、
「あははは、やっぱりコージーコーナーの味がするぅ〜」
「うーん、なんでこんなに"いまひとつ"なんだろうねぇ」
と、だんなと二人「コージーコーナーのいまひとつさ加減」について語り合ってしまった。

「でも、お土産とかで買ってくる人、多いよねぇ」
「……どこにでもあるお店だから、"ここなら失敗ない"とかって思うんじゃない?」
「いや、でもさぁ、デパートの中に入ってるケーキ屋で"ここでは買うな、止めておけ"の最たるもののような気が……」
「うーん、ほら、ホテル業界におけるプリンスホテルみたいなもんでさ……」
「ああ!プリンスホテル!」
「そう!プリンスホテル!」
コージーコーナーの「メジャーなのにどこか漂う野暮ったさ」が「プリンスホテル」の一言で言い表せて、なんか盛り上がってる私たち。

10/25 (木)
ビーフカレェ〜♪ (夕御飯)
鯵の開き
おかーさんの秋刀魚の煮付け
いぶりがっこ
舞茸と卵のスープ
御飯
アイス烏龍茶

めんどくさがりなもので、朝御飯のために御飯を炊いたりはしないのである。朝食に白い御飯を食べたければ、前の晩の夕食時にたっぷり炊いておくことが必要なのだった。当然、夕飯がスパゲティだと翌朝に白い御飯はまず望めなかったりする。私はずぼら。

で、今日はめでたい事に白い飯がたっぷり炊飯器に入っている。新米だ。どこかちょっと和風な味がしないでもないスープと、鯵の干物をカラッと焼いて、ついでにお義母さんが作った秋刀魚の煮付けなぞもテーブルに出し、ならばと“いぶりがっこ”もテーブルに並べてみた。立派な和朝食だ。

結婚するまで、干物というものはほとんど買ったことがなかった。魚より肉が大好きだった私の母が、「干物なんて」とちょっとばかり"貧乏くさいもの"という偏見を抱いていたようなところがある。だんなは、干物大好き。
「朝御飯はさー、白い御飯に夜の残りの味噌汁と、鯵の干物なんかあったらもーサイコー」
などと新婚当時に言われ、「うぉー、文化が違う〜」と少々戸惑ったのも記憶に新しい。

干物、とっても美味しいんである。生魚とは違う締まった身の味だとか適度な塩気だとか、表面パリパリで中がふくふくの食感の妙だとか、特に脂の乗りまくったホッケの干物ときたら30分ほどかけてじっくりしゃぶってしまいたいようなシロモノだ。とか言っていたらホッケが恋しくなってしまった。

まるごとバナナ
午後の紅茶(ミルク)

本日、お仕事。
どうも10時頃から「バナナ、バナナ、まるごとバナナ……」と頭の中をバナナが右往左往しているのである。一体どうしたんだバナナ。

「そういえば最近見なくなったような……」
と昼休みに2件ほどのコンビニをはしごしたら、ちゃんとそれは売られていた。薄いオムレツの生地に生クリームがこれでもかと、バナナ1本と共にくるまっているやつだ。全体的に「カロリー、ありまっせー」という外見をしている。カロリーを気にしているようでは「まるごとバナナ」と対峙できない。で、1本買ってきた。

バナナとクリームとスポンジが一斉に口に入ってくるのも快感だし、隅っこのバナナ抜きのクリーム&スポンジ部も実は好みだ。プリンやらケーキやらのコンビニデザートには「生クリームがぜっんぜんおいしくなーい」と常日頃思っているくせに、まるごとバナナのクリームはどういうわけか美味しいと思えてしまう。
口の周りをべたべたにしつつ仕事道具のパソコンを前に研究所でもっぐもっぐやっている瞬間、ドアをノックする来客の気配。
……ヤバかったっす。

マヨネーズ味コールスロー
蓮根と鶏の挟み揚げ
ビーフカレーライス
モルツ、カフェオレ

昨日の夕方、「100g98円」と札のついたカレー用牛肉を前にした私は「明日の晩はカレーだな」と決意して400gの肉と共に帰ってきた。
帰宅は午後6時半だったので、あまり時間的余裕はない。ないけど、どうしてもカレーな気分だったのでがんばって作ってみた。

まずは玉ねぎ1個をバターとサラダ油でじっくり炒め、肉とにんじんを投入。水分少なめで火を通していき、できあがり20分前に追加玉ねぎとじゃがいもを投入……しようとしたら、じゃがいもが、ない。
「カレー作ってるんだけどー、あると思っていたじゃがいもがありませぬー」
とだんなの携帯にメールを飛ばし、買ってきていただいた。じゃがいものないカレーなんて切ないことこのうえない。

そしたら、じゃがいもと共に総菜屋のフライ1パックも手にしただんなが帰ってきた。「おつまみー」とか言いながら。
めでたくじゃがいもも投入でき、目下のところお気に入りの「こくまろ」のルーを溶かして完成。火を止める間際にバター1かけ落としたりすると何となく美味しい。

急ぎ作ったカレーライスの夕御飯。味はまだまだ染みてないけど、それでもやっぱり美味しかった。
ぺたぺたと御飯をお代わりし、
「いっつも微量に食べ過ぎちゃうのよねー」
「お腹一杯になりすぎないように節制してるんだけどねー」
「それでもやっぱり食べ過ぎちゃうのよねー」
と、毎回毎回たっぷり満腹になるまで食べてしまうカレーライスを、今日もやっぱり満腹になるまで食べてしまうのであった。

10/26 (金)
コストコ産ロティサリーチキン (夕御飯)
食パン
アイスカフェオレ

ごろごろごろごろと一家して寝坊。7時半も盛大に過ぎたところでもそもそと起き出し、パンを食べることにした。幸い棚には一斤の食パンが入っている。昨日、お義母さんが
「スタンプ溜まってホテルブレッド貰ったんだけどねー、これが1本じゃなくて2本もあったんだわ。」
と1つ分けてくれたのだった。毎度毎度、山のように食料をいただいてきてしまう(というか奪取してくるというか強奪してくるというか)嫁である。

ただ囓ってもほんのり甘くて柔らかで、トーストにするよりはそのまま食べた方が美味しそうで、ざくざくと厚切りにして囓ることにした。バターの箱をどかんと出し、こてこてとなすりつけつつふんわりと甘いパンを食べる。素の食パンも悪くない。むがむが。

幕張 コストコ内カフェテリアにて
 ホットドッグ
 クラムチャウダー

同じ千葉市内在住のWeb日記仲間Kさんから、
「一緒にコストコ行こう!一緒にホットドッグ食べよう!」
とずっと誘われていたのである。今日、幸いお互いの都合がついて、めでたくコストコに行くことができた。

コストコは、アメリカ発祥の会員制巨大マーケットだ。以前、入口まで行ったことはあったけど、「会員にならなきゃ、店内見るのもダメ」と突っぱねられて泣く泣く帰ってきたことがある。レジを出たところで売られているホットドッグが、なんでもすっごく美味しいらしい。会員の人にくっついていけば、非会員の人も何人かは同時に入れてもらえるということだ。Kさんの運転する車に乗せてもらい、一路幕張へ。

前回、店内を入口付近から眺めて「……すっげー」と思った感覚そのままに、中に入ってもやっぱり「……すっげー」な場所なのだった。恐るべし、コストコ。体育館のような天井高の空間に上までぎっしりと商品が詰まっている。基本は箱売り。「あ、これいいな」と思うと、その単位は10個であったり20個であったりする。商品を乗せて運ぶカートからして異様なほど巨大だ。インスタントガリバー気分が味わえる。……すっげー。

ロールパンサイズのパンが、みっしりと巨大なビニール袋に20個30個と詰まっている。ケーキも「誰が喰うんじゃ、このサイズ」というような巨大なものが1ホール2000円ほど。肉もキロ単位、大根などはかろうじて1本単位で売られていた。でも、その横のみかんの袋は巨大だ。
で、結局、「どこに収納するんだよー、もー」とか悪態をつきながら54枚入りジップロック4箱セットなど買ってみた。巨大なパプリカ3個セットや、750円くらいの鶏の丸焼き、2kg近くの豚バラの塊などなど。

ひたすら圧倒されつつ、レジを抜けてから懸案のホットドッグの昼御飯。
1本250円。「香辛料の利いてるの」と「利いてないの」の2種類があり、銀紙に包まれたそれが紙コップに突き刺さって出てくる。紙コップは、横のディスペンサーで氷とドリンクを勝手に入れてたらふく飲め、ということであるらしい。ドリンク飲み放題で250円なのだった。お安い。

ついでに、Kさんから
「クラムチャウダーもね、がつんと重くてなかなかいいのよ♪」
と教えてもらい、クラムチャウダーも注文。ケンタッキーやモスバーガーなどで出てくる紙コップの当社比2倍サイズのカップがどどんと出てきた。クラッカーが2枚入った小袋がスプーンと共についてくる。

ホットドッグそのものは、パンにソーセージが挟まっただけのものだ。これをおもむろにパリパリと開き、売り場の横のディスペンサーにて「具」を色々と個人でトッピングしていくらしい。どうやらこの作業がコストコホットドッグの「肝」なのであった。左に刻み野菜が出てくる口があり、こいつをホットドッグの上に構えて右手でサイドにあるハンドルをくるくると回す。すると中からにゅるにゅると刻み野菜が出てくるのだ。刻み玉ねぎと刻みピクルス、ザワークラウト、それぞれ山盛りにして、最後にケチャップとマスタードもぶっかける。野菜山盛りで、なんだかすごい状態になった。写真に撮ってみたけど、もはやそれは「ホットドッグ」ではなく、「野菜山盛りの怪しい何か」でしかないのであった。……すっげー。

ホットドッグは温かかったけど、紙にくるまれているもんだからパンがふにゃんと湯気の水分を吸い込んでへたっていた。サイズも巨大、長さ30cmほどはあろうか、という感じ。山盛りの玉ねぎやピクルスなどは確かにシアワセなトッピングになっていて、買い物中に感じていたアメリカンな気分そのままに「ガツガツいっとけ!ガツガツ!」と迫力に押されるようにひたすらホットドッグと対峙した。ふへへへ、なんかジャンクに美味しいです。確かに美味しいかも。

私たちの座る席の横では、いっかにもな体型の白人家族が、いっかにもな巨大サイズのピザを1枚、家族4人で喰っていた。お父ちゃんは椅子から尻が溢れそうだ。お母ちゃんも、履いているキュロットがパッツンパッツンだった。体型も巨大ならばピザも巨大で、そのサイズは直径50cmはあろうかというものだった。手に持っているのは当然ビッグサイズのコップ。コーラなどをがふがふ飲みながらピザをがふがふ喰っていた様は、まるで絵に描いたような光景だった。はまりすぎている。

……でも、コストコは私にはちょっと"怖い"空間だった。売り場に隣接してガラス張りの「工場」があり、そこではえんえんと白い作業着のスタッフが大量のパンを生産し続けていた。それはもう、「調理」じゃなくて「生産」という感じ。その横では、魚や肉をの切り身を「生産」するコーナーもまたあった。ぜんぜん、調理の現場という感覚がしない。
確かに安い。安いけど、取捨選択しまくった結果の安価な価格という感じもある。何しろバターを探しても明治製の4箱パック858円也しか置いてないのだ。そこには、「四ツ葉がいいかな、カルピスバターもいいよね」という材料を選ぶ楽しみは存在していなかった。システマティックに過ぎる店内は、買い物をしているというよりは「仕入れに来ている」と言った方がぴったりだ。

消耗品を安く購入できたことの高揚感と、微妙に漂う退廃感というか虚しさというかが漂う気持ちを心中抱えつつ、午後2時前に帰宅。
宅急便で届いた「羽釜」(←米を炊くのだ、炊飯器でなく、羽釜で!)が届いていて、思わずほっとしちゃったのだった。

コストコにて購入のロティサリーチキン
2日目のカレーライス
アイスウーロン茶

だんな、今日は歓送迎会の飲み会で遅くなるということだ。つい勢いで780円の鶏の丸焼きなど買ってきてしまい、
「……ま、喰えるだけ喰おうか」
と息子と2人でかっさばくことにした。メインは、昨夜作ったカレーの残り、2日目のカレーライスだ。

テラテラと茶色く光る鶏肉は、ちょっとばかりパサついた肉と、ぎとぎとした皮の油っこさがいかにもな味だった。美味しいか不味いかで言えば……ジャンク、ってところ、だろうか。宅配ピザを、口の周りベッタベタにしながら美味しく食べるあの感じに似ている。悪くはないけど、頻繁に食べたい味じゃなかった。

息子はもっぱらカレーライス専任となってしまっていて、
「肉、たべなよ?」
と聞いても
「いらなーい、まずーい」
という三歳児とは思えぬ返事が返ってきたりした。息子よ、お主、コストコが苦手か……?(苦笑)

10/27 (土)
まぐろのユッケ風 (夕御飯)
冷やしたぬきうどん
抹茶入り玄米茶

珍しく午前9時に起床した今日の我が家。
今日は友人M井さんが遊びに来るので、朝からメインディッシュの仕込みをしなければならぬ。今日のおかずは豚肉の角煮。昨日、コストコで業務用のごとく巨大な1.7kgサイズの豚バラ肉を買ってきた。

朝御飯はさらっとうどん。冷たいうどんに冷たいだしをぶっかけて、揚げ玉ぶわっとぶっかけて、啜る。
もう肌寒い日が続いているけど、"ひやひや"うどんはそれでも美味しい。

モスバーガーにて
 スパイシーモスチーズバーガー
 フライドポテト
 モスチキン
 山ぶどうスカッシュ

夕飯用買い出しも兼ねて、昼過ぎに近所にお買い物。お昼御飯は
「カレーを食べよう!」
「……ま、またカレー?……モ、モスはどうだろう」
と、私のカレー希望は却下され、モスバーガーに行くこととなった。現在、ロースカツバーガーが割引中なのだ。だんなは「ロースカツバーガー、ロースカツバーガー」と呪文のように唱えていた。

モスチキンが無性に恋しくなっていたので、てりやきチキンバーガーにしたいところこをぐっと堪えてスパイシーモスチーズバーガー。ハラペーニョ入りのピリ辛の赤いソースがたっぷり挟まったハンバーガーだ。厚切りトマトや溶けたチーズが相変わらず美味しい。
生姜醤油味モスチキンをばりばりと食べ、ハラペーニョがビリビリと舌を刺激するバーガーをたいらげ、残ったのは包み紙に垂れて残ったスプーン2杯ほどの赤いソース。なんだかこれだけたっぷりのソースを捨てるのは勿体なくて、フライドポテトになすりつけつつ舐めた挙げ句、クラムチャウダーを飲んでいただんなからスプーンを借りてまでしてこそげとって舐めてしまった。

近所のモスバーガーは、花や緑もいっぱいで居心地の良いところだ。店長さんか店員さんの趣味であるのか、折り紙の本と共に、「お待ちの時にどうぞ」と折り紙が何枚も置かれている。店内はカボチャやコウモリ、幽霊を模した折り紙細工がたくさん飾ってあった。そうそう、もうすぐハロウィンだ。

切り干し大根の煮物
まぐろのユッケ風
豚肉の角煮
ロティサリーチキン乗せサラダ
いぶりがっこ
羽釜御飯
豚汁
銀河高原ビール、神亀「生酒」、アイス烏龍茶
ラ・フランス

M井さん、午後3時頃にやってきた。
「午前中仕事でして、一度家に戻ってからやってまいりました……」
と言ってはいるが、今日もいつもと同じ服装だ。彼は平日も週末もアフターファイブも、いつもいつもいつもいつも同じ出で立ちだ。黒いズボンに白いカッターシャツ、ジャケットは寒色系(主に紫)。いつも持ち歩く巨大な鞄(何故巨大かというと、中にノートパソコンから自転車修理キットまで入れているからだ)とは別に、今日は更に大きな鞄を抱えている。

「以前、銀河高原ビールはお好きでないと聞いたことがございますが、こちらの新製品はなかなか美味しいかと……」
と、中から保冷バッグにて冷やされていた銀河高原ビールが2本登場した。冷たいビールを持ってくるために、わざわざ保冷バッグを持ち歩いてきたものらしい。相変わらず妙な人だ。

午前中から仕込んでいた、今日のメインディッシュは豚肉の角煮。「国産豚」とは書いてあったものの、その安さから「あまり味は期待できないかも」と思いつつ仕込んだ角煮だったが、これがなかなかどうして脂も柔らかでほろほろと美味しくできた。茹でた青梗菜を添えて、「いっくらでも食べてください!」とテーブルへ。

更に、昨夜の鶏肉がまだまだ大量に残っていたので全て細かく裂いてしまい、レタスやルッコラ、パプリカや玉ねぎ、きゅうりと混ぜ合わせて大盛りのチキンサラダに。アンチョビとにんにく、チーズや卵黄が入ったマヨネーズ状のドレッシングも作って添えてみた。
ついでに「魚っけも欲しいかもね」と、スーパーでまぐろの中落ちも購入。これは醤油とオイスターソースと砂糖で揉みこんでおいて、刻んだ松の実やきゅうりを散らして中央にうずら卵の卵黄を落として「ユッケ風」に。箸休めにとさっぱり味の切り干し大根の煮物も準備した。一人暮らしで激ジョブ続きで、きっと日々の食生活はかなり悲しいものなのだろうと推察されているM井さんのために、蛋白質いっぱい、野菜もいっぱいの夕飯だ。

M井さんが持ってきてくれたビールで乾杯しつつ、ずらっと並んだおかずを食べる。軽すぎる飲み口が今ひとつ気に入らなかった銀河高原ビールの新発売ものは、さっぱりとした中にコクもあって旨かった。ほろっと崩れる角煮を囓る。
初めて作ったまぐろのユッケ風の受けも良く、「あ、お代わりあるんですか!?」と聞くやいなや、M井さんはぺろっと1人分の皿を平らげて2杯目を要求していた。角煮に至っては1度2度と鍋に足を運んでいる。サラダに至っては何杯お代わりしているのか検討もつかない。美味しいと思うと顕著に箸のスピードが速くなるM井さんはとても御馳走し甲斐のある友人だ。

そしてそして、今日の影なる主役が「羽釜で炊いた御飯」。
「これで炊いたら炊飯器の御飯が食べられなくなる!」と店長さんに乗せられて、思わずこれを買ってしまった。さわら製のおひつと共に、羽釜が届いたのは昨日の昼だ。今日初めて、羽釜で御飯を炊いてみる。

羽釜は、フォルムこそいかにもな昔くさい感じの「羽釜」そのものだったけど、4合炊きなので大きさはさほどでもない。中はフッ素コーティングされていて、水加減を示す目盛りもついていた。こびりつかなさそうで、その反面「本当に美味しいのかな?見た目は普通の鍋と形が違うだけのような感じもするし……」と思えてしまう。
早めに米を研いでおき、水を吸わせてからおもむろに火にかける。強火で沸騰させていき、吹きこぼれたら弱火で10分ばかり火を通していく。最後に30秒、強火に戻して水気を飛ばしてから十数分蓋をしたまま火を止めて蒸し上げる。

蓋を開けた羽釜の中には、見事に"立った"御飯がほこほこと湯気をたてていた。普通なら1時間かかる炊飯が30分もかからずに炊けてしまうのも嬉しいことだ。木の香りがぷんぷんと漂うおひつに速攻移してさくっと混ぜ合わせると、何だか旅館の夕食のようになった。なんだかとても幸せな感じ。M井さんは
「御邸宅では、なぜに炊飯器を使われないのですか。アレでは役不足なのですか。」
ととまどいながらも面白そうにニヤニヤしながら羽釜を前にぱたぱたする私たちを眺めていた。

豚汁を出し、いぶりがっこも並べたところでおもむろに羽釜御飯。
これが、もう、本気で、
「炊飯器、二度と使えないかもな……」
と思えてしまうほど美味しかった。米がピッと立っていて、一粒一粒がしっかりと炊けているという感覚。うちの炊飯器で炊いた御飯は、米1粒が全体的に均一の味と食感に炊けているような感じで、それが普通だと思っていたのだけど、「ああ、米って噛みしめがあって、中の中に旨味が詰まっているのねー」と一粒一粒が嬉しくなってしまう味がした。やばい。めっちゃめちゃ、美味しい。
白い御飯が大好きなだんなが一番感動しているのはともかく、M井さんまでが
「あ、美味しいです……、これは確かに、本当に美味しいです……。」
と、たらふく飲み食いした後だというのにお代わりまでして御飯を食べていた。3合炊いた米が、大人3人でほとんど空だ。

新米で羽釜御飯。胡麻油の香り漂う豚汁と、香ばしいたくあん、いぶりがっこ。
「このセットがあったら、俺はもう、エンドレスで何杯もいけちゃうよ〜」
と一番嬉しそうだったのは、やっぱりだんななのだった。
"お焦げ"のできた御飯も炊けるらしい。当然炊き込み御飯もお手の物だ。近々自分の家で、その名の通り「釜めし」ができるかと思うと、思わずニヤニヤしてしまうのであった。牡蠣釜めしとか五目釜めしとか、じわじわと作ってみたい。

10/28 (日)
豚肉の角煮 (朝御飯)
豚肉の角煮
切り干し大根の煮物
佐島の釜揚げしらす
豚汁
羽釜御飯
抹茶入り玄米茶

昨夜に引き続き、羽釜で炊いた幸せな御飯の朝食。
「羽釜、うめー!」
「めっちゃ、うめ!」
「もう、しんぼうたまらん!」
と、昨夜遅くに米を研いで水に浸しておき、今朝の起床後、羽釜を火にかけはじめる。炊飯器もあるのに、コンロだって2口しかないのに、それでも羽釜で炊く御飯は美味しかったのだった。

昨夜の段階では既に購入したサイトで販売終了だったのだけど、「羽釜いいっす!もっと売れると思うっす!」とお店にメールを出したら本日めでたく販売再開してしまった。昨日の日記の引用まで「お客様の声」として載っていたりした。照れ照れ。おひつと一緒にぜひどうぞ(って、別に店のまわしもんじゃないんだけど……)。

2日目の豚汁。すっかり味が染みた豚肉の角煮。羽釜で炊いた御飯。
そして、今日のおかずの「特選素材」は佐島の「釜揚げしらす」なるものだ。羽釜買ったのと同じサイト(最近ここでばっか買い物しているような気が……)のこれを、だんなが先日注文していたのだった。本当は昨日の午前中に届くはずだった品物だ。だが、実際届いたのは夜の9時半すぎだった。実は昨日の夕方から、熾烈なやりとりを繰り広げていたのである。

一昨日漁に出てその日のうちにしらす干しにしたものを、当日配送して翌日にあたる昨日、本当は届くはずだった。
M井さんも遊びに来るし食べさせたいし、まだかまだかと待っていても午前中に届かない。メモを置いて外出しても、やってきた気配がない。インターネットの荷物調査ページで検索すると、神奈川から千葉に向けて運んでいる最中だという表示が、いつになっても消えないのであった。おかしい。

で、やきもきしながら日通ペリカン便に電話。悲しいことに、神奈川を出てから千葉に着くまでに行方不明になったものらしい。先日は同じペリカン便から、
「今日はぁもぅ〜、ドライバーさん帰ってきちゃってるんですよねぇ〜、お届けはぁ、あしたになりますぅ〜」
と、舌っ足らずな言葉で、再配達を午後6時半の段階で断られたばっかりだ(ヤマトさんは届けてくれるぞ、6時半でも……)。私たちの、ペリカン便に対する印象は地を這っていた。かなり怒っていた。

「なんだよそれ、どういうことだよ!」
とだんな怒る。お店も怒る。全体的に怒る。その結果、そのしらすのお店のおっちゃんが
「今日作ったばかりのしらすがまだ余ってるから、それを今日中に送るようにしますよ〜」
と嬉しい事を言ってくれたのだった。その申し出があってから3時間ほど、その日に獲れたしらすをその日のうちに釜揚げにしたやつが、めでたく神奈川からのペリカン便さんの手で到着したのだった。昨日の午後9時半のことだ。
「もう、夕食終わっちゃったけどね〜」
と言いながらM井さんも一緒にフォークでつついたしらすは、確かに美味しかった。

かくして、昨日大変な状態で届けられたしらすが今朝の食卓に並んでいる。真っ白いしらすはふくふくと柔らかくて、ひからびてないから1尾1尾がとても大きい。柔らかい塩気が、逆に魚を甘く感じさせる塩梅に絡んでいて、醤油や大根おろしも何もなしに、白いしらすを御飯にぶわっとぶっかけるだけでもりもりと食べる。
2パックで2,800円と、全然お安くないのである。でも、「たまに食べるなら(しかも羽釜飯と共に)……ま、いっか♪」としらすの海におぼれてしまいそうになっちゃう朝御飯だった。

……朝から食べ過ぎである。

生チョコスポンジケーキ
チベットチャイ

朝にあれだけ食べたので、全然おなかがすかないのである。お義母さんからお裾分けにもらった「生チョコスポンジケーキ」なるものをさくさくと切り、先日L'EPICIERで購入してみた「クイックチャイ・チベット」をいれてみることにした。説明には「チベット高原に伝わる生姜ベー スのスパイスが利いたおいしいチャイ」と書いてある。

「生姜だよ!チベットの秘伝だよ!」
と騒ぎつつ牛乳山盛りのチャイを煮出す。少々の湯を沸かして袋に入ったそれをざらっと鍋に入れ、1分ほど軽く火を通してから牛乳を入れて熱すればできあがりだ。鍋の周囲が強烈に生姜臭くなるような、パンチの効いたチャイだった。ほの甘く黒砂糖が入って、なかなか良い感じ。

高円寺ナイルカレーのカレーぶっかけの、スパゲッティ
チキンサラダ
コールスロー
モルツ、アイスウーロン茶

休みだというのに、午後はずーっと仕事をしなきゃいけなかったのである。夕方になっても、いまひとつ家事をやれる状態じゃなかった。
「羽釜で御飯炊いて、カレー買ってきてかけようか?」
「……いやいや、羽釜御飯は大変危険だから(だから?)ここは御飯でなくスパゲッティにしよう」
「……よし、そうしよう(だから何が危険なんだろう?)」

と、だんなが自転車に乗って高円寺ナイルカレーにカレールーを買い求めに行ってくれた。私たちがいたく気に入っているそのカレー屋さんは、テイクアウトもやってくれる。普通に買うと、容器代が数十円かかってしまうのだ。先日、
「あの、鍋持ってきて買いに来てもよい?」
と聞いたらば、「いいですよ」どころか大歓迎のように、「ええ、その方が容器代かからなくて済みますし」とにこにこ返されてしまったのだった。で、今回素直にタッパーを持っていくことにした。

我が家で一番巨大なタッパーを持って3人分のカレーを買いに行っただんなは
「おっちゃんとおばちゃんに"ずいぶん大きなタッパーですねぇ"って笑われちゃったよ」
と言いつつカレーを抱えて帰ってきた。3人分のポークカレーが1260円だ。美味なるカレー3人分が1260円とは、かなりお安いものだと思う。

小鍋に入れてカレーを温め、茹でた太めのスパゲッティはバターで炒めて、カレーぶっかけスパゲッティ。柔らかく煮くずれそうな豚肉もころころと入っていて、それはお店そのままの味だった。
「あー、とうとうタッパー持って買いに行っちゃったよー」
「一度やったらくせになりそうだー」
「……今度はもっと小さなタッパーを持っていこう、うむ」
と、今後のタッパー選択について思いを馳せつつ夕御飯。