食欲魔人日記 02年04月 第2週
4/8 (月)
スペアリブのオーブン焼き (夕御飯)
マンゴーメロンパン
牛乳 with コーヒー味ミルメーク

私がマンゴプリンを愛していることは、母も良く知っていることだ。外に出ると、
「今、ここにマンゴプリン売ってるけど、買ってくぅ〜?」
などと電話してくれたりする。大変ありがたいことだ。
……が、別に「マンゴーものだったら何でも良い」ってもんでもないのである。
「ほらほら、マンゴーよマンゴー」
起き抜けの私の目の前でひらひらと袋をふる母の手には、どっから見てもメロンパンみたいな物体がぶらさがっていた。

「……へ?」
「ほらほら、マンゴー。マンゴークリーム入りメロンパンだって」
……いらない、とは言えないのだった。母は善意で買ってきてくれたのだ。「ヤダ、そんな不気味なの」と言っては家庭内に亀裂が入ってしまう。不気味に思えても、ぐっと我慢だ。

家族全員寝坊した今日、だんなは慌ててぱたぱたと出勤していった。私と母と息子は8時半を過ぎてもきゅもきゅとパンを囓る朝御飯。私の取り分は当然「マンゴークリーム入りメロンパン」。
表面が黄色で格子が走るパンを真ん中で割ると、目にも鮮やかなオレンジ色のクリームが出てきた。カスタードクリームにマンゴーピューレをぶちこんだような、妙に怪しくトロピカルな味のするクリームだ。

パイナップルはともかくとして、パパイヤとかマンゴーとかアボガドとかドリアンとかランプータンとかマンゴスチンとかスターフルーツとかパッションフルーツとか、個性の強いトロピカルフルーツは今ひとつパンには似合わんのじゃないか。ていうか、マンゴーは今年もやっぱり流行なのでしょうか。
……でもやっぱり、マンゴークリーム入りメロンパンはいかがなものかと。

ウォルナッツスコーン
コーンパン
クロテッドクリーム、ジャム
セイロンミルクティー

母と二人の昼御飯。
お互いに好きなものを食べましょう、と先日購入した残りのスコーンを温めることに。セイロンティーの濃いめのミルクティーを入れ、山盛りのクロテッドクリーム。スコーンだけじゃ物足りないのでコーンパンも。

ナッツ入りのスコーンを中までほかほかに温め、バターと生クリームを足して割って煮詰めたようなクリームをこてこてつけて囓る。
本当は、クリームこってりのスコーンを食べるときはミルクも砂糖も入れないブラックティーの方が似合うと思う。でも、飲み物も食べ物も全体的にミルクミルクミルクしているのがなんとなーんく幸せだったりして。

スペアリブのオーブン焼き
「成城石井」のニラ饅頭
ローストビーフのサラダ
ポテトサラダ
すじこ
白菜と干し海老の中華スープ
羽釜御飯
ビール

不二家のチーズケーキ
カフェオレ

秋田から上京してきた母、少なくともこれから1年はこっちに居る予定なのである。
「お金、稼がなきゃ、稼がなきゃ」
と何やら今日は面接に出かけて行き、内定をぶんどって帰ってきた。これから、ディズニーランドの近くでお仕事することになったらしい。
で、「成城石井があったのよ、すごいのよ」と、ニラ饅頭とかマンゴープリンとかカスタードプリンとか買って帰ってきた。
だんなはだんなで「甘いものが恋しくってさー」と不二家のケーキを買ってきた。
れ、冷蔵庫、ギッチギチなんですけど……(いや、でも、嬉しい)。

数日前に購入していたスペアリブを使って、本当はハーブ焼きにでもしようと思っていた。ワインと紅茶で煮付けようかな、とか。でも、それでは"ニラ饅頭"との調和がとれなさそうで、中華風のオーブン焼きに急ぎ転向。醤油やケチャップ、甜麪醤やオイスターソースやXO醤入りの合わせダレを適当に作って肉を3時間ほど揉みこみ、あとはオーブンでひっくり返しながら焼いていく。30分ほど焼けば、茶色くテラテラと光る旨そうなオーブン焼きができあがった。

数日前のローストビーフの余りでサラダを作り、ニラ饅頭は胡麻油でこんがりと焼いていく。テーブルの上は何だか食べ物だらけになってしまったのだった。しかも我が母、
「すじこ、食べたーい。久しぶり久しぶり〜」
とすじこの塊買ってくるし。

私の家の文化では、「すじこはほぐして、御飯に乗せて生のまま食べる」というのがスタンダードである。
対してだんなの家の文化では、「すじこは醤油と酒に漬けてバラしてイクラにして食べる。そのままでは食べない」のがスタンダード。私はすじこの生臭さが大好きだけど、だんなは苦手なものらしい。私はイクラはイクラになったものを買ってくるのが普通だと思っているけど、だんなは"すじこを買ってきて家で手作り"が普通だと思っている。魚卵1つとっても家ごとの文化ってのがあるものだ。
ここんとこしばらく、「だってだんなが食べないもんなー」と買ってこなかったすじこを、久しぶりに母と堪能。イクラよりも生臭く魚臭いプチプチが、その塩気と共に御飯に似合う。

ニラ臭濃厚なニラ饅頭と、甘辛くテロンと焼けた肉汁たっぷりのスペアリブ。すじこに中華スープに羽釜御飯。
なんだか中華なようなわからないような、とにかくボリュームたっぷりの夕食だった。しかもケーキ。

4/9 (火)
杏花園(田町)にて「鶏肉とジャガイモの四川味炒め」 (昼御飯)
日清冷凍食品の"きつねぶっかけ"
アイスウーロン茶

「うどんだな」
「うむ、うどんだ」
「いやーよー、朝から何でうどんなんか食べるのー」
……母にうどんの美味しさを分からせるのはなかなか大変だ。ていうか、不可能かもしれない。"うどんを食べるだけのために高松へ行った"と伝えた時、我が母の目は娘を見ているというよりは怪奇うどん星人を見ているような感じだった。ええ、私はうどん星人です。きっと夫も。私たちはいつのまにか、うどん星人になってしまったのです。ごめんね母さん。

で、母喰わずして、私らだけでゾルゾルとうどんを啜る。冷凍庫にまだまだ入る、日清冷凍食品の「きつねぶっかけ」。麺と共にだしも油揚げも天かすも冷凍されていて、シャーベット状のだしと板状の油揚げをじわじわと溶かしつつうどんを茹でる。水でキュッと締めたうどんに、冷たいだし。冷たく甘い油揚げに、海苔や天かす入りのふりかけ状のもの、全部一緒くたにしたところでズルズルズルッと啜りこむ。冷たいうどんは、温かくなってくる季節に良く似合う。

田町「杏花園」にて
B定食 \900也
 (鶏肉とジャガイモの四川味炒め・ライス・スープ・つけもの・杏仁豆腐つき)

本日、お仕事。
先日遊びに行った「逍遙自在区」のAndyさんは、私の勤め先の超至近にお勤めらしいということが発覚した。
「チャイナ・エクスプレスって知ってる?美味しいよ。しょっちゅう行ってる」
と言われ、
「うんにゃー、知らない」
と答えた私。「行ってみるか」と今日の昼、場所を探して行ってみた……ら、行ったことのある店だった。

「杏花園」がどうして「チャイナ・エクスプレス」なのだ。いつも通っている道路沿い、「杏花園」の看板の下には確かに「CHINA EXPRESS」の文字が光っている。去年の夏、ガツンと辛い担々麺を食べた店だ。

週変わりの定食が4種類ほど、全部900円だ。ライスとスープと漬物と杏仁豆腐がついてくる。店頭のメニューを見て、「鶏肉とジャガイモの四川味炒め」なるものを頼むことにした。「辛いかな、辛いかな」とどきどきしながら待つこと数分。鶏肉とじゃがいもがテラテラと油に絡まり、青菜と共に炒められている。それほど強い味付けはしていないような、透明な白っぽい炒め物だ。が、口にすると強めの塩でにんにくたっぷり、旨味もたっぷり、ピリピリと辛い。油断すると御飯3杯喰えちゃいそうな箸の進むおかずだった。

じゃがいもは、シャキシャキというよりねっとりとした不思議な口当たりだった。見た目より量が多く感じられるおかずを、御飯片手にわしわしと食べる。560円弁当もいいけど、900円でアツアツおかずにアツアツ御飯(しかも杏仁豆腐つき)ってのも嬉しいもんだ。しかも適当に値段が高いので、学生はまず訪れない(その代わり、サラリーマンがみっしりと詰まっている)ので学生の中にいるよりは適当に居心地が良い。
「あー、鰻もいいなー」「和定食屋も開拓したいなー」
野望はじわじわと、尽きない。

ポークカレー
かぼちゃとリンゴのサラダ
鶏肉のピリ辛サラダ
コーンスープ
モルツ、牛乳

だんな激ジョブ。母も今日からお仕事。舞浜で初めての出勤日を過ごした母は、「すごいのー、お店がいっぱいあるのー」と、とあるデリでサラダを買ってきた。

「だからさ、出来合いのもの買ってくるのはやめなよ。せっかく稼いだ金が無くなるよ?」
と、母に説教する娘。長年会社勤めをしていた母は料理が苦手ということもあって、食卓には何かと出来合いのものが並んでいた。当時は私もほとんど料理できなくて、食卓の上のほとんどのものが"買ってきて皿に移しただけ"という料理だった事も多い。その習慣、私はすっかり消えたけど母の中にはまだまだ残っているようだった。すぐにサラダとか買ってきてしまう。ま、買ってくるのは大概美味しそうなものばかりなので文句はないんだけど。

買ってきてくれたのは、リンゴの入ったかぼちゃのサラダ。鶏肉と魚介、カリフラワーなどが入ったちょっとピリ辛味のマヨネーズベースのサラダ。小さな容器に入ったお洒落っぽい2つのサラダだ。イクスピアリあたりのデリショップで買ってきたらしい。

で、メインディッシュは久しぶりにカレーライス。煮込み用の豚肉が安かったので、ざくざく入れてじくじく煮込む。最初は3個分の玉ねぎを炒めることから。ちょいと多めの油を入れて弱めの中火で柔らかくくったくたになるまで玉ねぎを炒め続ける。きつね色になるほどまでには頑張らないけど、甘味が出るようにじわじわと炒めていく。続いてにんじん、豚肉を投入し、ざっと炒めてカレー粉を少量絡め、そこから煮込んでいく。食べる時間の30分ほど前に一口大に切ったじゃがいもを投入して15分ほど煮込み、そして市販のルーをと投入。「熟カレー」「こくまろ」「とろける」あたりの中辛が好み。仕上げにバターをひとかけら落とし、完成。

「おうちのカレー」の作り方は、こんな感じだ。コリアンダーとかクミンとかターメリックを放り込んでいくスパイスギンギンカレーも大好きだけど、それやっちゃうとカレーの味がパキスタンだかインドだかバングラデシュだかマハラジャだか、とにかく意図しない方向に味が飛躍してしまうので、「おうちのカレー」はあまり工夫しちゃわないようにしている。

豚肉が柔らかく煮えてごろんごろんと入ったカレーは、今日もしみじみと美味しかった。
そういえば、今回「とろけるカレー中辛」を買おうとしたとき、
「ぼくはー、このあおいのがいいなー、いいなー」
と息子に危うく「辛口」の箱を籠に入れられるところだった。私と母で「頼むから辛口はヤメテ」とスーパーで息子を制したのが数日前だ。

物心ついたときから中辛カレーを食べさせられている(←親として申しわけないことしてるよなぁと思いつつ、ついつい)息子、辛いものに耐性がどんどんついてきた。中辛カレーも、恐ろしい勢いでもりもり食べる。んが、不安に思ったので聞いてみた。
「ねーねー、お母さんのカレーと保育園のカレー、どっちが好き?」
「……おかーさんの、カレー!」
爽やかな笑顔で答える息子。ほんとに?マジでそう思ってくれるの?おかーさんは、嬉しいわぁ〜。

4/10 (水)
イシモチの唐揚げ甘酢あんかけ(夕御飯)
厚切りバタートースト
カレースープ
牛乳 with イチゴ味ミルメーク

厚切りパンが、あった。
「わたくしは"海苔チーズトースト"にしようと思いますが、如何?」
「……俺、普通のバタートースト……、あ、カレーあっためてシチューみたいに飲もう」
「あ、いいなぁ、それは旨いね、バタートーストにカレー」
と、「カレースープ」とは名ばかりの「ルーあっためてシチュー皿によそうだけ」というものに、バターたっぷりのトーストを添える。噛みしめるとバターがじゅわっと染み出てきそうなトーストとカレーは妙に良く似合う。厚切りパンの食感も、どことなく御飯に似てるし。

そして、ミルメーク入り牛乳。
「ミルメーク」とは、小袋入りの甘い顆粒だ。「コーヒー味」「イチゴ味」「ココア味」などがあり、瓶入り牛乳のオマケとして学校給食で出されていた(今もそうかな?)。幼少の頃から噂は聞いたことがあったけど、どういうわけか私はミルメークと出逢うことなく給食時代が終わってしまい、念願叶って出会えたのは結婚後だ。「ミルメーク、飲んでみたい(正確には"溶かしてみたい")」とだんなと大騒ぎし、メーカーに直接かけあって箱単位で購入してしまったのだった。いっぱい買えたのは良いけど、しばらくしたら粉が空気中の水分吸って凝固してしまった悲しい思い出だ。

で、最近はスーパーなどで買えるようになった。こともあろうに、100円ショップにも並ぶようになった。10袋ほど入った100円のミルメークは、大変お手軽だ。先日もついついうきうきとイチゴ味とコーヒー味を買ってきてしまった。
200mlほどの牛乳に溶かしてかき混ぜるだけ。瓶入りの"いちご牛乳"にも似た、懐かしいようなチープな味がする。コーヒー味も、「カフェオレ」とは言っちゃいけない、甘ったるい味だ。そこが、良いのだ。

ミルメークに魅せられちゃった人は他にもいるらしく、「ミルメークを究める」なんてサイトもある。こういう深いサイト、たまらなく大好きだ。なんかこう、他人とは思えない何かがある。

バナナと胡桃のパウンドケーキ
クロテッドクリーム
アールグレイのミルクティー

1週間ほど前に購入したバナナが、黒々とヤバイ風貌になってきた。皮を剥いたらニョローンと折れてしまいそうな熟し具合だ。「……ケーキにしようかな」と、パン焼き機にがんばってもらってパウンドケーキを焼くことにした。材料を計量してセットし、2時間待つだけ。バナナはフォークでつぶしまくって、胡桃は包丁で粗めに刻んで混ぜこんだ。セットして1時間半頃から家中に香ばしい香りが漂い始め、午後1時を回ることに焼き上がった。

昼前からくぴくぴと飲み続けていた台湾のお茶をそのまま飲み続けつつ、焼きたてのパウンドケーキをカットして皿に盛る。「ホイップクリームが似合いそう〜」と、スコーンに使った残りのクロテッドクリームをこんもりと添える。濃いめにいれたアールグレイティーに牛乳をだばだばだ〜と注いで並べ、どこか甘ったるい昼御飯。

「砂糖120gも入れるのか……うひょー……」
と、100g弱くらいに少なめに入れたケーキは、案の定甘さが物足りなくなった。ケーキというより、バターたっぷりのパン、という感じ。甘く甘くしたホイップクリームの方が似合いそうな味だ。熟したバナナの風味がぽわんぽわんぽわんと漂いまくって、なかなか良い感じの味に。母と息子にも好評で、ちょっと嬉しい。

ブリーチーズ with クラコット
イシモチの唐揚げ甘酢あんかけ
すじこ
白菜と干し海老の中華スープ
羽釜御飯

今週は激ジョブのだんなは今日も帰宅遅し。
息子と2人だったら簡単に済ませるところ、母もいるので「多少まともなおかずを、作ってやらなきゃなー」と魚屋を覗いてきた。イシモチ1尾、250円。そういえば、母が昔"鯉の甘酢あんかけが好き"だと言っていたような記憶があったので、それのイシモチ版を作ってあげることにした。

丸のままのイシモチのウロコと内蔵を取り、塩をしてから片栗粉を全体にまぶす。低温の油でじっくりと火を通し、仕上がりに高温にしてカラッと揚げる。
揚げている間に、あんを作る。鍋にサラダ油を熱して生姜とにんにくを炒め、千切りにしたピーマンとにんじんと玉ねぎを放り込む。ざっと火が通ったら、大さじ3ずつの水と酢、大さじ2の砂糖とケチャップとソース、少々のレモン汁と塩を入れて軽く煮詰める。水溶き片栗粉でとろみをつけたら、できあがり。揚げたての魚にとろんとかけて、テーブルへ出す。

初めて作った料理だ。「甘酢あんって、どうやって作るのよ」と周富徳の中華本からのレシピを見つけた。本当は、レシピに"イチゴジャム"なんて記載もあった。「……え……あんに、イチゴの粒々が入るわけ?」と味の想像はできたけど見栄えの想像が今ひとつできなくて、ジャムはパス。代わりにちょっとだけ水飴を入れておいた。

魚はカラッと、あんは甘酸っぱくトロンと、割と"それっぽい"味になったと思う。
「魚なんて、お店でさばいて貰えばいいじゃないの」
と生魚を触れない母は言う。
「いや、だって、自分でやらないと上達しないし……」
「上達しなくてもいいじゃないの、そんなことー」
「私は上達したいの!」
とにかく母は、料理がめんどくさい人なのである。作るなら片づけの方がよっぽど良いと断言している。

私が魚の内臓を掻き出してるのを、母はぎゃあぎゃあ言いながら眺め、それからずっと横で見ていた。
「へーえ、家庭料理でこんなもの作っちゃうの」
と言いつつ、それっぽくできた甘酢あんかけに箸を伸ばした。
「あ、あら、美味しいじゃない。いつだったか中華街で食べた鯉の甘酢あんかけより美味しいわー」
我が母のお褒めの言葉に、ちょっと満悦。料理、面白いんだけどなぁ(私は食器洗いの方がよっぽど嫌いだ)。

4/11 (木)
鶏肉のきのこ挟み焼き(夕御飯)
自家製焼きたてパン
with 明治屋のマイジャムヌーボー(はっさく)
目玉焼き
カフェオレ

昨日、だんなが明治屋のマイジャムヌーボー、はっさくマーマレードを買ってきてくれた。でっかい瓶に入った、数ヶ月に一度販売される限定ジャムだ。その瓶の巨大っぷりにあまり買うことはなかったが、パン大好物の母が同居することになって、あってもいいかな、と。

母がやってきて初めて、朝起きるのに合わせて食パンを焼いてみた。ごくごく普通の食パンが朝7持の起床に合わせて焼き上げられた。6時40分頃から狂おしい香りが家中に漂い始め、「美味しそうな匂いで起こされるのって、サイコー……」と至福な気分で起床。
コーヒーいれて卵を焼いて、焼きたてのパンをスライスして、マーマレードと共に食卓へ。
焼きたてのパンはふわふわもちもちしていて、市販の"四つ切り"より分厚く切っても今ひとつ食べごたえがない。香ばしい小麦粉の匂いがバターにもジャムにも似合っていくらでも食べられそうなところが怖い。

3日目のカレーライス
 福神漬・らっきょ
アイスカフェオレ

自宅で一人の昼御飯。
「カレーがまだ、あったな」
と煮詰まりつつあるトロントロンの3日目のカレー。じゃがいももにんじんも溶けようとしていて、玉ねぎなんかはもう影も形もなく、肉も1切れが5〜6個に分離しつつある。見かけはどんどん悪くなるけど、味はまろやかになってきて何ともステキだ。3日目あたりのカレーが一番愛しい。

冷凍御飯をチンしてごそっと皿に盛り、どばどばとカレーぶっかけて食べる。
辛さもほとんどなくなって、じゃがいもも溶けてモサモサとした食感になったカレー。日本の米にはこういうカレーが感動するほど良くなじむ。
「あとは、カレーうどん、だな」
と、夕方には鰹と昆布のだしを取り、大鍋に作ったカレーの最期は「カレーうどん用だし」へと変化した。
しっかりととっただし汁で残ったカレーのルーをのばし、醤油と味醂、塩で適当に味を調える。だし多めにして鰹の風味がぷんぷんするのも悪くないし、ルーが多めのドローンとしたやつも悪くない。今回は、ドローン系。明日の朝は、カレーうどん。

鶏肉のきのこ挟み焼き
ポテキャベソーセージ
プチトマト
ゴボウと豆腐の雷汁
羽釜御飯
ウィンターエール、アイスウーロン茶
イチゴ

何しろ独身時代はほとんど料理をしなかったので、母にとっては「由紀ちゃんが料理をするなんて」という感覚らしい。同居始めて最初の2〜3日は一緒に台所に立ち、「サラダでも作ろうか」「味噌汁作ろうか」とあれこれ動いていたけれど、もうすっかり
「私は作るより片づけの方が好きだから〜」
と夕食の支度を放棄した。私としては片づけより作る方が好きなので、バランスが良いといえば、良い。
かくして準備は私、片づけは母、という図式が成りたちつつある。ま、私にしてみれば3人分作ろうが4人分作ろうがあまり感覚は変わらないので「皿洗いしなくて済むなら、そっちが良いわぁ」という感じ。

今日は、残り物のキノコを使って鶏肉の挟み焼きにすることに。
エリンギとしめじを適当に細かく裂いて塩胡椒してバターで炒める。鶏肉の厚さ半分のところに切込を入れ、炒めたキノコをぎゅうぎゅうと詰める。楊枝ではみ出さないように閉じて、あとは塩をしてオリーブ油を熱したフライパンで焼いていくだけ。途中でベランダに生えているローズマリーを2枝ほど放り込む。ついでにじゃがいもとかにんにくも放り込むと美味しいらしい。こんがり焼けたらレモンを添えてテーブルへ。さっぱりしたバター風味の鶏肉料理だ。
実は初めて作った料理。思ったよりも旨そうにできて(実際美味しくて)、良かった良かった。

よく言われるところによると、「人に出す料理は必ず事前に何度か作ったものにせよ」なのだとか。
確かに、大切な客人が来るときに初めて作るチャレンジ料理を出すことはとても危険だと思う。例えば、だんなのおばあちゃんとか(←重要度、特S)、だんなの両親とか(←重要度SS)、私やだんなの"友達の友達"とか(←同じくS)。そういう人には何をおいても手慣れている料理で、かつ無難なものをと必死にならざるをえない。揚げ物は苦手だからパス。味の調整がしやすい煮物にはしる。作り置きができる簡単な味の前菜とか、"とにかく新鮮な野菜を出しちゃえ"攻撃とか。

でも、人に食べさせてあげようと、気合い入れるほうが美味しいものができるのも事実なのだ。自分のために作るより、人に食べてもらう料理の方が、今のところ美味しそうにできあがる。
例えば私の直接の友人とか、もうお客という位置づけにもなっていない友人M井さんとか、義妹であるとか実母であるとか、そのへんにはけっこう初挑戦料理を続々と喰わせている私だった。時々気合い入れすぎて滑ることもある。心底申し訳ないと思うけど、それでもやっぱり「これ作ったら、絶対旨いだろうなぁ」なんてレシピを発掘しては、いつか作ろうと貯めこみ、機会を伺っては作ろうとしてしまう。ま、ハズレを喰わされたらゴメンね、ということで(←コラ)。

ともあれ、きのこ挟みの鶏ソテーはなかなか美味しかった。じっくり火を通してパサつきはしないかと危惧していたけど、中のキノコの焼き汁とかバターとかが内側から染みてきていて良い感じ。レモンをキュッと絞るとまた旨い。
添えたのは、茹でたじゃがいもをマッシュにして蒸し煮したキャベツとソーセージを合わせた塩味のサラダ。カレーうどんのために取っただしを取り分けて使って作ったゴボウと豆腐入りの澄まし汁。あと、炊きたての御飯。

「あら、美味しいわね。私はこんなに料理嫌いなのに、一体どういう遺伝だったのかしらねぇ〜」
と、母は笑う。う、うーん、だんなから遺伝したのかな……(←そういうのは遺伝とは言わないだろう)。

4/12 (金)
ホテル・ザ・マンハッタン(幕張)にて「ランチブッフェ」 (昼御飯)
カレーうどん
アイスウーロン茶

鍋に残ったカレーのルーを使って昨日仕込みし、今朝はカレーうどん。
昨夜のうちにだしを取り味付けしていたので、今朝は冷凍うどんを鍋に放り込んで火を通すだけだ。麺は日清冷凍食品の冷凍うどんを使用。

かつてなくルーがたっぷりめのカレーうどんは、濃いめのだしで、トロントロンだ。じゃがいもも肉も、まだまだコロコロと入っている。

カレーうどんは大好きだけど、なかなか外じゃ食べられない。どう気をつけてもシピピピピとうどんの端から汁が飛んで、胸に褐色の水玉模様ができるのだ。
「家じゃ、安心して食べられるよね」
とずぞぞぞぞと啜っていたら、だんなの手元にピピッと茶色の飛沫が。
「……あ、わたし……?」
「そう、君」
「す、すみません……」
「いえいえ」
あやうくだんなのパジャマに茶色の水玉模様が作られるところだった。ふー。

幕張「ホテル ザ・マンハッタン」にて
 春のウィークデーランチブッフェ \2,000也
 ビール中瓶

本日お仕事……の筈が、教授が風邪をひいたという連絡があって、今日はお休み。私の母も、仕事が休み。
「ね、ね、幕張のザ・マンハッタンでランチブッフェやってるのよ〜」
と先日から情報誌をぷらぷらさせて言っていた母と一緒に、「じゃ、幕張に遊びに行く?」と小雨の中出かけることにした。

海浜幕張の駅から見える、怪しいオブジェのようなものがてっぺんについたビルがホテル「ザ・マンハッタン」だ。

学生の頃、母と二人で一度だけ泊まったことがある。お盆だったかゴールデンウィークだったか、混雑している時期にすれすれの予約だったりして、おっそろしく滞在費が高くついたような記憶がある。大理石ぶりぶりの高級感溢れたしつらえのホテルだった。谷村新司に似たソムリエがいたフレンチレストランも、どえらく高かった。「あすこのホテルは、とにかく高かったよねぇ」という記憶ばかりが残っているホテルだ。バブル時代の残滓のようなこのホテル、20世紀最後に案の定経営が破綻して、確か株主が他社に移ったと聞いた。あの頃には、ブッフェ料理をやるなんてことはとても想像できなかったっけ。だから、母ならずとも私もとても興味があった。

春のウィークデーランチブッフェは税サービス料込みで2000円。平日の昼間のみ、2階の宴会場に20〜30のテーブルを並べて開催しているらしい。予約もしてないし、と11時半の開始同時に着くように行ってみた。ら、10人ほどの行列が。最後まで満席になることはなかったけれど、着々と席は埋まっていき、なかなか盛況のようだった。
「やっぱりビールでも飲まないと料理が進まないのよねー」
と思わず中瓶をいただいて、くぴくぴ飲みながら並ぶ30種類ほどの料理を堪能した。

どれも、手間はかかっているけど材料費はそれほどかかってない、という感じ。
ヨーグルト風味のテリーヌにはオレンジやグレープフレーツが添えられ、スモークサーモンは「な、何故こま切れ?」というような細かいものがケッパーやオリーブと和えられている。マグロのカルパッチョにポテトのサラダ、イカとタコのマリネ、などの前菜が並ぶ。

そして、レーズンパンやフランスパンなどのパンが数種と、海老ピラフ状のサフランライス。茹でたスパゲティの傍らにはプッタネスカソース。おかずは、"ジンギスカンのコリアン風"が一番目立つ位置に置かれ、グラタンや鮭のパン粉焼きなど6種類ほど。コーンスープにウーロン茶、コーヒー紅茶。デザートはプリンと小さいケーキが5種類ほど、小さなカップに入ったゼリーやババロア類が5種類ほど。あとはカットされたフルーツの盛り合わせとフルーツポンチ。

スタッフさんは細々と動き回り、ブッフェ台周辺は食べ物のカスが飛び散ることもなく料理が空になることもなく、テーブルの上の皿も空になるとすぐ片づけられる。テリーヌの重なりなどは常に整えられていて、「なんか、料理がぐしゃぐしゃ……」と感じることもほとんどなかった(テリーヌが乗ったとことかバットに固められたプリンとかって、すぐにグッシャグシャの無惨な姿になってたりするのだ、取り方が汚かったりして)。

なじみのある食材ばかりを使った、それでもそこそこ手間のかかった料理は「2000円でこれなら嬉しいかな」と思えるものだった。にんにくの効いたマトン山盛りのジンギスカンコリアン風も、もりもり喰える濃いめの甘辛味が旨かったし、オリーブたっぷりのマリネも悪くない。
そして何より、妙に感動したのがフルーツポンチ。缶詰を開けたようなものばかりが"フルーツポンチ"としてブッフェ料理に登場する中、缶詰ものじゃない、生のイチゴやバナナ、メロンなどがざくざく入っている。あとは、缶詰のミカンや桃など。それが、さっぱりとした自家製らしいシロップに沈んでいる。これまた、よくある「缶詰の汁そのもの」みたいな舌が痺れそうな味のものじゃなく、さっぱりとした洋酒の香りがするものだった。
山盛りのフルーツポンチを食べ、すっかり満足。

パルマハム
チーズ
 ブリー・ド・モー (フランス)
 ロビオラ(イタリア)
 DOFO Cream Cheese with Pineapple (デンマーク)
カルフールで買ってきたコールスローサラダ
クラコット
自家製バナナ胡桃ケーキ
白ワイン:Lenz Moser '97 (Selection Gruner Veltliner) (オーストリア)

1時間半ほどかけてホテルのブッフェランチを堪能し、
「あ、駅前にアウトレット……って、なにこれ?」
「あー、アウトレットショップのモール街らしいけど、私も行ったことないよ」
と、アウトレットショップを探検。散々眺めた挙げ句、今度は「カルフール」でお買物。フランス資本の、巨大な巨大なマーケットだ。モノにもよるけど、安いものはすごく安い。チーズやワインあたりは感動するほど安い。

「あー、生ハムだー」
「あら、美味しそうなチーズがチーズが」
「このお総菜も、大味そうだけど、旨そうかも」
などと、ざくざくと買い物してきてしまった。折しも今日は、だんなは飲み会。
「生ハムとチーズでワインを一杯、ということで」
と、昼の暴飲暴食をフォローするがごとく軽い夕食となった。

食卓に並んだのは、オーストリアのワインにフランスとイタリアとデンマークのチーズ、イタリアのハム。国籍不明だ。日本製のビスケット(というかクラッカーというか)「クラコット」をバリバリ囓りながらとろけそうな柔らかなチーズを一緒に食べる。切る端から中がトローンと溶けて流れてしまいそうな熟成具合のロビオラとブリーは、どちらも白カビチーズ。ロビオラの方が乳臭さがあってフレッシュな感じ。ブリーは静かな発酵臭がふわんと漂っていた。甘さのあるオーストリアのワインに良く似合う。

4/13 (土)
自家製ナムル盛り合わせ(夕御飯)
スコーン
 ホイップクリーム
ダージリンティー

うっくり寝倒す週末の朝。今朝は9時半起床だ。
もそもそと起き出し、まずは洗濯機を回してから軽く朝食をとる。母が舞浜の小洒落たデリで買ってきたらしいスコーンを袋から出す。ブルーベリーとキャラメル、プレーンのスコーンは何故か三角形。でも、二層に割れてこんがりと焼き上がってる様は、いかにもスコーンっぽかった。
「な、なぜ三角?お菓子のスコーンと混同してる?」
と思いつつオーブンで焼き、クロテッドクリームは使い切ってしまったのでホイップクリームを代わりに添える。

ぽそぽそっとした軽い食感のスコーンは香ばしく、ほのかな甘さでなかなか美味しかった。ブルーベリースコーンは生地が紫色になるほどブルーベリーがざくざく入ってるし。

近所の大型マーケット内、「石焼きビビンバ」の
 バターコーン石焼きビビンバ
 ウーロン茶

母は、お仕事。だんなと息子の3人で、「ぷらっと買い物にでも行こう」と駅前方面にてくてくと歩いておでかけ。駅前の大型マーケットの地下にはフードホールがあって、クレープ屋とかサンドイッチ屋とかラーメン屋などのセルフサービス店が並んでいる。その店の1つは、派手な看板に「石焼きビビンバ」という文字があり、その名の通り石焼きビビンバだけを売っている。それもまた、「海鮮石焼きビビンバ」とか「カリカリにんにく石焼きビビンバ」とか「博多めんたいこ石焼きビビンバ」とか、笑ってしまうようなメニューが並ぶ。なんというか、海外旅行に行って怪しげな日本料理店の看板を見てしまった時の感覚と、同じような思いが胸に広がる。「うっひゃー、怪しい……」という。

でも、そういう店が、妙に気になっちゃったりするのだった。ビビンバ1杯600円前後。ミニサイズもある。
で、初めてここのビビンバを喰ってみることにしたのだった。私はバターコーン、だんなはかりかりニンニク。息子はクレープ屋のバナナとイチゴのクレープを。

数分待って出てきたのは、アツアツの石鍋で熱せられて出てきた石焼きビビンバ。上には生卵がころりと乗り、少量ずつほうれん草やモヤシのナムルが盛られている。大きなかけらのバターと、たっぷりのコーン。キムチも入る。
放っておくとずんずん焦げていってしまうので、添えられたスプーンでえいやえいやと急いでかき混ぜる。卵はみるみるスクランブルエッグ状になっていき、焦げのついた御飯が香ばしい。バターの乳臭さがぷわぷわ漂うビビンバには甘いコーンがざくざく入り、妙に似合ってはいるけど、何ともジャンクな味がした。マーケットの地下で食べるのにお似合いの味、というか。

こういうジャンクな食べ物も大好きだ。周囲は似たような親子連れとか、学生のグループ客とか、ちょっと寂しそうなおばあちゃん一人客とか。中には、太った2人連れの男性がカードゲームに夢中になっていたり、家で作ってきたようなタッパー入りのお弁当をおっちゃんがかっこんでいたりとか。

おうちで、焼き肉
 ねぎタン塩・ハラミ・ロース・カルビ・豚トロ
 玉ねぎ・長ねぎ・茄子・かぼちゃ・ピーマン・にんじん
 にんにくホイル焼き
 サンチュ
 自家製ナムル(ほうれん草・もやし・ぜんまい・にんじん・大根)
 モルツ、ほうじ茶
 パイナップル

昼食後、マーケットでお買物。
「……焼き肉は、どうだろう」
「……ああ、タイミング良く、肉が安いねぇ」
と、わさわさと肉を買ってきた。タンに豚、カルビやハラミ。昼に微妙に物足りないビビンバを食べてしまったものだから「どうせだったらナムルも作ってビビンバ食べよう」と、野菜もいっぱい買い込んで帰ってきた。

夕方になって、だんなと一緒にナムル作り。もやしのひげ根を取り、茹でてから塩や胡麻油で和える。ぜんまいは醤油味で炒める。大根は塩で揉みこみ、甘酢で味つけ。にんじんは胡麻油で炒めて塩ふるだけ。ほうれん草も茹でてから塩と胡麻油で和える。1つ1つの作業はどうってことないけど、何種類ものナムルを1つ1つ作っていくのは、なかなかに手間だ。焼き肉用の野菜を刻み、肉を盛りつけ、なんともカラフルな食卓になった。楕円の白皿にこんもりと5種類のナムルを盛りつけ、テーブルへ。レモン汁と胡椒で食べる葱タン塩をまずはつまみつつ、ビールで乾杯。

「へぇ〜、ナムルなんて、家で作れるの」
と母は驚いていた。母にとってナムルは家で作るものじゃなく、デパートで買ってくるものだったらしい。私も自分で作ろうとするまでは、家庭で簡単に作れるものとは知らなかった。「焼き肉屋さんみたいね」と何種類もある肉や野菜を前にして、豚トロが気に入ったらしい母はそれなりにがつがつと食べていた。

ところで、今回の焼き肉のタレはいつもの「赤と黒」じゃなく、お気に入りの胡麻屋さん、へんこ山田の「焼き肉のタレ 醤油味」を使ってみた。先日、ここの胡麻油を買ったついでに、「焼き肉のタレ、美味しそうじゃない?」と注文したやつだ。醤油味ベースに胡麻油の香り漂う、すっきりした甘さのあるサラリとしたタレだ。胡麻屋さんのものだからして、当然炒り胡麻もたっぷり入っている。化学調味料で合成されたような味がしない、とても素直で食べやすいタレだった。甘すぎず辛すぎず、非常に良い感じ。
「これ!このタレ、いいよ!」
「おおおー、いくらでも食べられそうだ、危険だ」
と、いつもは「最初は"赤と黒"の甘口でー、次は辛口を混ぜてー、あ、他のタレも残ってたような」などとあれこれ浮気しつつ食べていく焼き肉なのに、今日は同じタレでひたすら食べすすめてしまったのだった。

焼き肉のタレも勿論だけど、へんこ山田は胡麻油そのものがもう身悶えするほど美味しい。我が家も友人から教えてもらって使い始め、その味の虜になってからは頻繁に通信販売を繰り返し、布教活動に励んでいる。
先日は、先週御馳走になった、「逍遙自在区」のAndyさん宅に「御飯のお礼」と送りつけてみた。で、ごっつぅ感激したメールが届いた。曰く、「良い!非常に良い!!」とのこと。届いていきなり、即席漬けとか炒め物とか作って、感動しちゃったらしい。次にお邪魔するときは、「胡麻油を使った美味しい料理」をテーマにしてくれるそうだ。むふー、むふふー。

4/14 (日)
牛しゃぶとグリーンアスパラのスパゲッティ(夕御飯)
富士宮名物 ソース焼きそば
アイスウーロン茶

だらーんと家族で寝坊しまくった、日曜日の朝。
1週間ほど前に、義弟が仕事先の土産だと、「富士宮名物焼きそば」なる5食パックをくれたので、それを食べてみることにした。
「焼きそばが、名物なの?」
「な、なんか、他のものを名物にしようがなくて、しょうがなく、という感じが……」
と何も知らない私たちはあれこれ言っていたのだけど、これがなかなか年季の入った名物料理だったらしい。「富士宮やきそば学会ホームページ」なんてディープなホームページもあったりして、思わず色々勉強してしまった。

なんでも、蒸した後に冷やして油でコーティングしてある麺なのだとか。それゆえに、一般に売られている焼きそばより固いらしい。これを炒め、肉や野菜と共にソースで味付け。義弟からもらったセットには、麺と"肉かす"、ソースがセットになっていた。「肉かす」とは、ラードを絞った残りのカスらしい。妙に油ぎっていて、炒めるとシャクシャクサクサクとした不思議な食感になる。

具は、普通にキャベツだけ。湯を加えつつ麺を炒めて軽く塩胡椒なぞしてみたりして、最後にソースをかけてざざざっと炒める。上からたっぷり青海苔かけて、テーブルへ。起きぬけ(と言っても11時頃だったりするけど)にソース焼きそばというのも、なかなか濃ゆい。

どっしりと歯ごたえのある強い麺だった。ソースの味はあまり特徴があるようなものじゃなく、ただ、"肉かす"の食感はやっぱり不思議。シャクシャクとした肉を囓りつつ、ソース色に染まったキャベツを囓りながら麺を啜る。

駄菓子いろいろ
牛乳

半端な時間に朝御飯とも昼御飯ともつかないものを食べてしまい、だらだらごろごろと過ごす。
で、小腹が空いたので家にあった駄菓子類を盛り合わせて皆でつつく。

我が家では、あんまりスーパーなどで売ってる菓子は買ってこない(その割にケーキとや焼き菓子は買ってくるけど、そういうのは即日食べきっちゃうから目立たない……)。

3月下旬のお花見のために買った菓子がまだざくざく残っていたりする。が、その割に、お菓子を入れている籠には色々と詰まっている。
我が母が、買ってくる。だんなの母も、買ってくれる。あまつさえ、だんなのおばあちゃんとかおばさんまで買ってくれる。息子にとっての"おばあちゃんズ"が、1回1回は大量でないにしろ、ちょこちょこちょこちょこくれちゃって、その結果、菓子籠は一杯になる。あー、"おっとっと"なんて2箱もある。"ジューシー"5本セットはどうしよう。信州限定りんごプリッツも、巨大な箱がごろりと転がっていたりする。
いつまでも転がしていてもしょうがないので、少しずつ引っぱり出して大皿にちょこちょこと乗せてみた。ムースポッキーとか各種プリッツとかチョコボールとかハイレモンとかヨーグレットとか。巨大プリッツは皿を横断して、溢れてしまう。で、でかい。

牛乳を傍らに、お菓子をポーリポリと食べる。昔好きだったお菓子は今も健在なものが多く、"ジューシー"なんかついつい食べ過ぎつつバリバリと。地方限定味、流行りはじめたのは大学生半ばの頃だったと記憶する。収集癖盛り上がる中学、高校の頃だったらかなりハマッたことだろう。
北海道だったら夕張メロン味とか、京都だったら抹茶味とか、博多だったら明太子味とか。そういうのは、いわゆる"観光地"に売ってたりするので、東京で普通に暮らしていたりしても東京味というものには滅多にお目にかかれなかったりするのだった。

お台場で「カールもんじゃ味」を発見したことくらいしか肉眼で見た記憶はないけれど、実は「ベビースター もんじゃ味」「パックンチョ ラ味」「コロン 銀座かすたあど味」などというのもある(あった)らしい。「銀座かすたあど味」と名乗るなら銀座でも売ってて欲しいものだけど(←見つけたら買えるのに〜)、実際は東京駅とか上野駅とか羽田空港とかで売ってるもんだから、その地に在住在勤している人はあんまり目にすることはないのだった。近場のスーパーにも売ってなかったりするしねぇ。

チーズ
 ブリー・ド・モー、ロビオラ、DOFO Cream Cheese with Pineapple
クラコット
成城石井の生春巻
牛しゃぶとグリーンアスパラのスパゲッティ
白ワイン:Lenz Moser '97 (Selection Gruner Veltliner)

安売り牛肉と、アスパラガスの買い置きがあったので、「パスタにしようか〜」と、牛しゃぶとアスパラガスのスパゲッティ。一度か二度作ったことがあって、そのさっぱり味が案外と気に入っている。詳しい作り方はこのへんに。でも、厳密にやるとちょこちょことめんどくさいところがあるので、参考だけして適当にやっちゃう。

アスパラガスはこんがり網焼きにしてから適当にぶった切って大きなボウルに入れ、塩胡椒してオリーブ油をたらーりたらーりとふりかけておく(←少なすぎるとパスタにいまいち絡んでくれないので、覚悟を決めてたらーりたらーりと多めに)。残りもののプチトマト(本当は水煮缶詰のトマトを使う)は2〜4等分にしてアスパラのボウルに放り込み、牛肉は熱湯でしゃぶしゃぶにしてから同じくボウルに放り込む。パルメザンチーズもボウルに。フライドガーリック(瓶詰めで買ったやつ)も入れちゃう。あとは茹でたてのスパゲッティをそのボウルに投入し、ざざざっと絡めるだけ。本来の作り方と微妙に違うけど、気にしないことにする。

あとは、仕事帰りに母がスーパー「成城石井」で買ってきてくれた生春巻と、数日前に購入したチーズあれこれ。オーストリアの、飲み残しのワイン。全部並べたら、なかなか壮観な食卓になった。
網で焼いたアスパラガスは香ばしく、薄切り肉にトマトの酸味が絡んで良い感じ。心もち塩が強くなってしまったけど、オイルと塩のさっぱり味パスタは、にんにく嫌い、濃厚なオリーブ油嫌いの母にも好評だった。

そう、我が母はにんにくがダメだし、香りの強いオリーブ油がダメ(←上質のものほど香りも強かったりして……)だし、ミートソースなどのラグー類もほとんど苦手。生のトマトは好きだけど、トマトを煮込んだようなスープやソースは今ひとつダメ。そんな、イタリア人に喧嘩売ってるかのような嗜好なのに、一番行きたい国の一つが「イタリア」だとか。
「いいわよねぇ、イタリア。美術館見たり、美味しいもの食べたり、お買物したり♪」
と母は言っているけど、毎回「いや、でも、町中オリーブ油臭いってよ……?にんにく入ってない料理探す方が大変だと思うよ?」と牽制している私だ。