食欲魔人日記 00年6月 第2週
6/5 (月)
玉ねぎと赤ピーマンのタイ風スープ
イクラ
たらこおむすび、御飯
アイス烏龍茶

昨夜、だんなが一生懸命すじこを加工しているのである。
酒と醤油につけたすじこを、箸でこそいで1つずつツブツブをバラしている。おお、イクラのようだ(イクラだってば)。見ていたら、なんとなく美味しそうに見えてきたので、残ったすじこを全部イクラに加工し、朝御飯に臨む。

ほかほか御飯に一晩漬けたいくら。昨日のスープに、お弁当作って余ったたらこのおむすび。魚卵だらけの朝御飯だ。

自家製イクラを食べるのは、実は初めて。すじこはすじこのまま、これまで食べてきていたし、イクラが必要なときは最初からイクラを買ってきていた。
「すじこは、イクラに加工して食べるんだよ」
とさも当然のようにだんなに言われた私は当初、大変とまどった。
「ぜ、全部加工しちゃうの?すじこはすじこのままじゃないの?」
「いや……全部イクラにしちゃうよ。全部。」
ががーん。私の好物のすじこの立場は一体。

そしてだんなも驚いているのである。
「おゆきさん……すじこに醤油は垂らして食べないの?」
「垂らさないよ。すじこはすじこで、このまんま食べるんだよ。御飯に乗せて。」
「……そっか〜。ふーーーーーーーーん。(沈黙)」
思わぬところで文化の違いが出てしまうものである。

で、実際味わって食べてみると、醤油と日本酒に漬けられたすじこはこれもまた、良い感じに臭みが消えていて悪くないのであった。
ツブツブのイクラをたっぷり御飯に乗せて食べる。ちょっと幸せ。

牛肉のオイスターソース炒め 香菜入り
スナップえんどうの塩茹で
にんじんのサラダ
南瓜のナッツ入りサラダ
たらこ御飯
緑茶

「香菜が山ほどあるから入れちゃえ」
「南瓜がなんだか痛んできたからなんか作っちゃえ」
「牛肉がなんかデンジャーな香りになってきたけど、気にしない気にしない」
不穏なひとり言を漏らしながら弁当作成。残りもの処分対策日であることは、内緒。

たっぷりの香菜を刻んで入れた牛肉のオイスターソース炒め、昨日のにんじんサラダの脇には刻んだカシューナッツ入りのかぼちゃサラダ。生クリーム入り。
えんどうの塩茹でと、あとは焼きたらこをたっぷりまぶしたたらこ御飯。なんだか今日の弁当はやたらと煌びやかだ。赤に黄色に緑にピンク。あんまり派手になってしまったので、思わず海苔ふりかけを最後にかけて黒くしてしまったではないか。

昼12時。同じフロアにある自販機から緑茶の缶を買い、いざいざ、と弁当の蓋を開ける。周囲に漂う香菜の香り。むわぁ〜んと漂うその独特の匂いが私は嬉しかったけど……だんなはびっくりしただろうなぁ(←だんなは香菜がややキライ)。

昼御飯のお供、ネットサーフィン。本日は巷で話題のウルティマオンラインの公式ページなぞに行ってしまった。
行ったらヤバイだろうなぁ、とは思っていた。なにせ高校受験の本命受験日前日に発売日だからとドラクエを買いに行った私だ。ファミコン黎明期からずっとコンピューターゲームがお友達だった私である。しかもRPGは大好きだ。やばい、やばいやばいやばい。
……嗚呼、面白そう。
どこで売ってるって?コンビニ?後で行ってこよう。

デパ地下でゲット
 帆立飯御膳 700円也
アイス烏龍茶

買ってきました「ウルティマオンライン」。折しもだんなは帰りが遅いそうで、顔がニヤけてしまうのは何故でしょうか。

明日は来客があるので、今日はいきなり帰って遊ぶというわけにもいかず、デパートで買い物をして帰る。
来客用に野菜やチーズを色々と購入。夕食用にお弁当も。もうシーズンも最後だろうイチゴと、出始めの切り身のスイカをしばらく見比べてイチゴも購入。

帰るなり、明日用の「彩ひじき」を作成。R1/Fでさんざん買ったサラダだ。『サラダなら、まかせなさい!』(世界文化社)なる本が出版され、この中にこの一年を通して販売されていたサラダがずらりと掲載されている。どれもこれも懐かしいサラダばかり。あのわさびポテトサラダやいんげんのピリ辛サラダが自分で作れるとは嬉しい限りだ。
野菜大好きな、しかもひじきも大好きらしいM井さんはきっと喜んでガツガツ食べる筈だ。

これがこれが、なかなか大変なサラダだった。
ひじきを戻してさっと茹で、切り干し大根も戻してさっと茹で、にんじんも茹で、蓮根も茹で、じゃがいもも茹で、ブロッコリーも茹で、しかも一緒に茹でてはいけないらしいので鍋フル回転。素材の山が台所に築かれたところで、やっと具の炒めに入る。ブロッコリー以外の素材をガーッと炒めて酒と水、醤油と砂糖を3:3:2:1.8くらいの割合の汁で煮立てる。途中でベーコンも放り込み、汁気がなくなったところで水飴を大さじ2ほどたらりと混ぜる。どうやらここがポイントらしい。デパートで買ってきたやつが表面テラテラで妙に美味しそうだったのはきっと水飴のなせるワザなのだ、そうなのだ。最後にブロッコリーも混ぜて完成。くひー、30分もかかってしまった。サラダ1つで。なんか悔しい。

そういう次第で、手が抜けたのか抜けなかったのか良くわからないままお弁当を食す。
私は帆立飯の入ったお弁当、息子には穴子ちらし。
穴子を前にした息子は、
「うひょぁおぇ!」
という良くわからない奇声をあげつつ、嬉しそうに穴子に取り組んだ。2歳児の分際で、彼はどうやら「穴子は美味しいもの」と認識しているようだ。「鰻も美味しいもの」と認識しているらしいが、果たして両者の区別はついているのか。

6/6 (火)
チーズトースト
だんな特製ころころベーコン入りオムレツ
アイスカフェオレ

昨日、チーズを買ってきた。
銀座松屋デパートの「チーズ王国」なるチーズ売場でつらつらと冷蔵ケースを眺め、
「パンの上に乗せてトーストで食べるのはどれが美味しい?」
と聞いたらば、
「これが良く出てますねぇ」
と"クリーム・ハヴァティ"なるチーズを紹介された。手のひらサイズで600円くらい。まぁまぁ安い方だ。

デンマークのチーズ、らしい。調べてみると、

ユトランド半島北部のハヴァティの農家で100年以上も昔から独自の製法で作られていたチーズ。ドイツのティルジットに似た組織の半硬質で、小さなガス孔と臭いの強い豊かな風味が特徴です。最近では脂肪分を増強し、よりまろやかな味に改良したクリーミー・ハヴァティもつくられています。これは固形分中脂肪60%というもので、口当たりがやさしい上にコクもあり、食べやすいのが特徴で人気を呼んでいます。

だ、そうだ。脂肪分60%、おそろしいチーズだ。

ともあれ本日は、このチーズを薄切りにして厚切り食パンに乗っけたチーズトースト。
パンがカリリと焼けた頃にはチーズはトロンと良い具合に溶けていた。びよ〜んと伸びて、なんとなく「ハイジのチーズパン」を彷彿とさせる。これで木製の器にシチューでもよそったら最高にハイジだ。 お供には、自家製のアイスコーヒーにてカフェオレを、そしてだんなが作ったころころベーコン入りのオムレツ、卵3個入り。

ベーカリースワンの
 チーズマヨネーズ
 アップルカスタードデニッシュ
 スワンのキャラメル
森永コーヒー牛乳

会社近所のお気に入りパン屋に久々に出向く。「デニッシュフェア〜」なんて魅惑的な看板が掲げられ、ブルーベリーデニッシュやアップルデニッシュが並んでいた。わくわくわくわく。

表面にカリカリと焼けたチーズが乗っている「チーズマヨネーズ」と、細かく切ったリンゴが濃厚な黄色のカスタードクリームに和えられた「アップルカスタードデニッシュ」、それに1つ30円という嬉しい価格の「スワンのキャラメル」なるキャラメルパンも購入。パンには牛乳系を共にいただきたいところだというんで、コーヒー牛乳も1パック。

ここのパンは、本当に美味しい。どれもツヤツヤピカピカしていて「私を食べて♪」と言っている。
今日のパンもすこぶる美味だった。マヨネーズは柔かく、でもチーズはカリカリと焼けているチーズマヨパン、サクサクのデニッシュはカスタードもリンゴも程よく甘く、キャラメルが練り込まれたものはほんのり苦く、甘かった。んふ〜。やっぱり菓子パンは大好き。

ギャートルズの「あの肉」
野菜の鉄板焼き
彩ひじき
長ねぎのマリネ
ガーリックライス
サンミゲール、神亀「にごり酒」、アイス烏龍茶

いちご

予定通り、だんなの大学時代の友人(そして最早私の友人でもある)M井さんが遊びに来る。
野菜大好きな彼の為、茄子や南瓜や葱類を大量に切り、昨日作成した「彩ひじき」をもっておもてなし。
"ギャートルズの「あの肉」"もぬかりなく万全をもって用意されている。

テーブルのまん中にホットプレートを置き、突き出し用に長ねぎのマリネも並べ、午後8時前、宴の開始。
サンミゲールのピルスナーと黒ビールを堪能した後は、埼玉の"神亀にごり酒"の瓶を開封する。活性のにごり酒は、キャップを緩めた途端にシャンパンのような細かい泡がシュワシュワシュワシュワ〜と瓶の口まで上がってくるので蓋を締めたり緩めたりしつつ、ゆるゆると開封する。この一連の「お作法」がまた、来たる美味の予感を高まらせてくれちゃったりする。

で、で、で、目の前のホットプレートでは野菜と共に「あの肉」がじくじくと焼かれているのであった。
ソーセージ状の肉は、半分がチョリソー味、半分は胡麻味になっている。プレートに焼かれて、じくじくと焦げたところからスライスして各自食す。
「良い感じにカリカリですねぇ……」
「ああ、脂がじゅくじゅく言ってますねぇ……」
皆、目が血走っている。気分は原始人だ。

スライスしては喰い、焦げてはスライスし、かくして肉はキレイさっぱり無くなった。

1.  2.

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5.
ほら、綺麗さっぱり♪

およそ1000gくらいの肉の塊は、而して1時間ほどですっかり綺麗に無くなった。
同時に750mlのにごり酒も無くなった。

最後にはだんな特製のガーリックライス。
「あの肉」の肉汁がたっぷり出た鉄板にバターを落として、にんにくをこんがりと炒める。御飯も炒め合わせて、醤油ひとたらしして馴染ませればできあがり。皆ではふはふ言いつつこれを食す。

「あの肉」、塩味がしっかりついていて想像以上に美味だった。脂分も多いみたいで、焼くとそれは香ばしくこんがりと焼けていってくれる。
そして、私たちは言い合うのだ。

「今度は、骨2本使ってもらって、両側に骨の突き出た"あの肉"をっ!!!」
「いやいや、2本じゃなくもっと長い骨1本で出来るのではないか」
「ともあれ、リクエストだな。うんうん。」
そしたらまたきっとM井さんは遊びに来るのだ。

6/7 (水)
チーズトースト 目玉焼き乗せ
焼きウィンナーwith粒マスタード
アイスカフェオレ

今回も泊まっているM井さんなのである。まぁ、彼の職場まで自転車数十分のところに位置する我が家なのだ。こちらも手慣れたもんで、宴会が終わると
「先にシャワー入る?」
「タオル、出しときましたからね。」
と"泊まるか否か"の前段階をすっとばした会話をしている。
とにかくM井さんは不思議な人だ。奇天烈というかミラクルというか、端的に言って「変人」なのである。皆様にその一端を紹介させていただければ、と思い思わずトップページに載せてしまってみたり。本人が見たらきっと、
「イヤだなぁ。由紀子殿は何を書いているのですか。そんなことはない、貴女は嘘を書いている!」
とか言うに決まってるけど。

まぁ、そういうわけで、今朝は家族3人と宿泊人1人の4人で朝御飯。粗挽きソーセージを焼いて、目玉焼きを作り、昨日と同じチーズトーストを焼く。
「パンに乗せるなり、そのまま食べるなり、どうぞ〜」
と大皿に乗せて出した目玉焼きは、大人3人が3人ともパンに乗せて食べていた。パンに溶けたチーズに目玉焼き、なんだか宮崎駿のアニメのようだ。氷たっぷりのマグカップに煎れたてのコーヒーを入れて、各自適当に牛乳を足したりしながらガブガブと飲む。

始業時間が一番早い私が、男3人(うち幼児1名)に見送られて家を出る。
まだネクタイしてないYシャツ姿のだんなと、スーツになってるM井さんと、保育園準備を整えた息子に
「いってらっしゃーい」「ばいばーい」「ほいじゃねー」
とか言われて。
……なんか変な気分。

銀座 SUBWAYにて
 ターキーブレストサンド
 ポテト with ケチャップ
 アイスロイヤルミルクティー

飲み会の翌日に弁当なんて作ってられないのだ、というんで久しぶりにSUBWAYに行ってみる。

数ヶ月ぶりのSUBWAYは相変わらず
「お野菜、全部お入れしますか?」
「調味料は全部お入れしますか?」
「マヨネーズ、マスタード……はおつけしますか?」
と質問ぜめにしてくれる。めんどくさがりやの私は、いつもいつも変更なしで頷くばかり。

大口開けて食べなきゃいけないサンドイッチ、本日はターキー入りのコールドサンド、チーズ入り。セットで買ったフライドポテトはケチャップつき。
冷房の効いた店内で、大口開けてもっきゅもっきゅとサンドを食す。うう〜ん、SUBWAY、キライじゃないんだが油っ気がないんだよなぁ。腹持ちするんだかしないんだか良くわからないファーストフードだ。

たらこスパゲッティ
サンミゲール、アイスカフェオレ

退社後、久方ぶりにスポーツジムへ行く。
ばしゃばしゃと必死こいて泳ぐこと1000mほど、サウナで蝦蟇の蛙の如く汗をかくこと15分ほど、干からびた茹で豚になった気分で帰宅する。
「わぁ!おゆきさん、顔真っ赤だよ。」
とだんなが驚きつつ出迎えてくれて、台所ではパスタ用鍋に湯がぐらぐらと沸いていた。今日の夕飯は、たらこスパゲッティ〜♪

ジム後は、とにかく喉が乾く。
身体中の細胞が「水〜水〜ビール〜」と騒いでいる。サウナに入り始めた頃から、私の頭の中ではトヨエツと山崎努が手に手を取ってチークダンスを踊っているのだ「Love Beer!」とか言いながら。
そういうわけで、パスタが茹であがり、ピンク色のたらこがパスタにふんわり絡まったところでビールを一気飲み!
くは〜、浸みるねぇ。特に脂肪細胞に(←いいのか?こんなことで……)。

ともあれ、たらこスパゲッティだ。豪快に2腹使って作ったスパゲッティは、ちょっとばかり塩気が強かった。バターたっぷり混ぜ込んで、海苔もたっぷり上からかけて、潮の香りのパスタをひたすらがつがつと食べる。

6/8 (木)
バタートースト
彩ひじき
アイスカフェオレ

トーストにひじき煮。なんだかものすごい組合せの朝御飯だ。
いや、冷蔵庫を覗いたら大きな片口に盛られた、残りものの彩ひじきと目が合ってしまったのだった。しかもトーストはこんがり焼かれているところだった。まぁ良いか、とテーブルにトーストとひじき煮が並んだ次第。

対して、傍らのだんなは冷凍パックの吉野家の牛丼なぞを温めて喰っており、更に右手に座る息子は卵御飯を食べているのである。二人とも彩ひじきとの相性はばっちりだ。なんだか悔しい。

バタートーストと、それに合わせたアイスカフェオレと、彩ひじき。
ものすごく不釣り合いな組合せに思えたけど、思ったよりは似合うんだ、これが。バターの油っけがベーコンの入る煮物となかなかに似合う。作って3日目、いい加減具も馴染みまくって浸みまくって、色もどんより黒っぽくなった煮物。見てくれは悪いけど、かなり美味しい。今晩は混ぜ御飯にしてしまおう。

千駄ヶ谷 マンジャペッシェにて
 Dコース
 前菜盛り合わせ
 本日のスパゲッティ(タチウオのオイルパスタ)
 本日の肉料理(比内鶏の香草パン粉焼き)
 ドルチェ盛り合わせ(ラズベリータルト、ティラミス、グレープフルーツソルベ)
 エスプレッソ
 スプマンテのブラッディオレンジ割り

ホームページの打ち合わせ等々ありて、アクアパッツァの姉妹店、マンジャペッシェに一人向かう。
美味しいご飯も食べたいな〜♪と思い、ランチタイムにうかがってお昼御飯もいただくことに。

平日のランチタイムに行くのは初めて。扉を開けるとほとんど満席の店内であった。8人組のサラリーマン、カップル連れ、買い物途中のような中年女性の組、さまざまだ。一人の客は私だけ。

食前酒にスプマンテをブラッディオレンジで割った鮮やかな赤色のアルコールなぞ飲みながらメニューの検討、何だかとてもお腹が空いていて3800円のパスタもメインもついてくるコースにする。打ち合わせはラストオーダーの更に後になることだし、時間もたっぷりあるのだ。

前菜は有機野菜の蒸しもの、本日のサラダ、前菜盛り合わせから選ぶ。盛りだくさんなものが好きな私は、ついつい今日も盛り合わせを選んでしまう。今日もたっぷりの種類が盛られた大皿には、国産のパプリカを使ったペペロナータや大麦と魚介のサラダ、牛肉のハラミの煮込み、豆のサラダ、イイダコの煮込み、鯵のソテーやハムなどなどが少しずつ置かれている。
スカッと喉を通っていく食前酒を傾けながら、1つ1つをもしゃもしゃ食べていく。相変わらず野菜が美味だ。ピーマンが甘くて美味しいということを教えてくれる前菜だ。嬉しい。

一人で来てヒマなもんだから、思わずスタッフの人に色々と話しかけてしまう。
「平日のランチって、こんなに混んでるんですねぇ〜」
「ええ、そばの会社の方などが連れだって良くお見えになりますね。日によりますが、10人ほどの団体さんなんかも来られたりするんです。」
言ってるそばから女性ばかりの8人組がやってきた。

かくしている間に前菜を食べ終え、少々してパスタがやってくる。
赤唐辛子が効いたアーリオオーリオのパスタに細かいタチウオの身が絡まり、青菜が盛られている。塩気のやや強めのタチウオは脂が乗っていてホロリと身が崩れていく。お、美味しい。
本日のパスタ、他には自家製ソーセージと野菜のトマトソースパスタ、あとはイカのワタ入りのリゾットがあったらしい。

で、メイン。魚か肉で選択する。香草パン粉焼き、というのにそそられて比内鶏にしてもらう。
分厚くて歯ごたえのある肉がこんがり焼かれて出てきた。ローズマリーと一緒にグリルされた皮付きのじゃがいもと、ブイヨンでくたっと煮られた玉ねぎが添えられる。大きめのレモン1切れをぎゅーっと絞って食べる。皮にえらく弾力のある、パツンパツンにはちきれそうな鶏肉だ。
ふわりと漂うハーブの香りにカリカリとしたパン粉が何とも美味しい。前回のが嘘のように今日はとても居心地が良い。
あ、そういえば前回カトラリーを投げ置いて行った一番イヤな人が消えている。休みなだけかもしれないけれど。

盛り合わせのデザートは初めて食べるラズベリーのタルト。ルビー色のを使った、グレープフルーツのソルベも確か初めてだ。あとはお馴染みのティラミス。ダブルに入れてもらったエスプレッソをすすりつつ、最後も堪能させていただく。
甘さの少なくてさっぱりしたソルベ、独特の酸味があるタルト、洋酒がガツンと効いているティラミス。

お腹もたっぷり満たされた後、苦くて濃いアイスコーヒーを頂戴しながら仕事の話。

メール送受信の方法を伝え、ついでにホームページ閲覧方法なども伝授し、気がつくとパスティチェーレ(←イタリアンのパティシエ)のIさんが背後からデザートページを凝視していた。
「これ、全世界に発信されているんですよ。美味しそうだって、好評です。」
と言ったらば、
「おおお〜、世界にですか……。すっげえぇぇぇぇぇ〜。」
と妙に感動されてしまった。目指せ電脳リストランテ(←まだちょっとだけ遠そう……)。

牛肉炒めのおろし醤油
ひじき御飯
わかめの味噌汁
麦茶

パンプキンババロア
牛乳

今日から明日までだんなは釧路に出張である。
「お土産は、六花亭のバターサンド買ってきてあげるからね〜」
と言葉を残して出かけて行ってしまった。

息子と2人の夕食は、とりあえず残り物処理に費やすことにする。
ちょいと残っていた牛肉を炒めて皿に盛り、中央にどかんと大根おろし。赤唐辛子の輪切りを散らして、醤油垂らして胡椒ガリガリ挽いて食す。彩ひじきの残りを刻んで混ぜ込んだ御飯と、簡単に作ったわかめの味噌汁。
デザートはこの間の日曜日に作ったパンプキンババロア、最後の2個。簡単に作った夕食は、おかげで準備も片づけもらくちんで、そして私はUOにはまる。おおお、肉が焼けたぞ〜(←料理人修行中)

6/9 (金)
チョコバナナパンケーキ
牛乳

だんなのいない朝。
熟しすぎて、ホニョホニョに柔らかくなってしまったバナナがあったので、何とかしようと思いパンケーキにすることに。

ホットケーキミックスにて普通に生地を作り、柔らかなバナナをざくざく切って混ぜ合わせて焼いちゃう。ホットケーキよりはちょっと薄めに、大きめに焼いた後は、チョコレートソース(液体状の市販品もの)をニョニョニョニョニョ〜とかけてラップサンドみたいにくるくる巻いて食べる。ロールケーキもそうだけど、「巻いて食べる」というのは何やら独特な美味しさがあるような気がする。

冷たい牛乳をたっぷり用意して、くるくる巻いたパンケーキをどかんと大皿に乗せ、息子と二人でかぶりつく。まだほわほわと温かいパンケーキの熱でバナナもチョコもとろけるように柔らかい。おお、なんかいけるじゃないか。

折角手が汚くならないように巻いてあるというのに、息子ときたら
「おおおおお〜、うひょぉぉぉ〜」
と奇声をあげつつロールを剥がし、手をチョコレートだらけにしながら一口ずつちぎっては食べている。家中に広がる溶けたチョコレートの匂い。あ〜あ(泣)

ひじき御飯の巨大おむすび
漬物
麦茶

昨夜のひじき御飯がまだまだまだまだあるのである。
残すのもイヤだったので、大きなおむすびを2個作りお弁当としてしまう。両手でギュウギュウ握ってソフトボールくらいのおにぎりを2個。ラップでくるんでアルミホイルで更に包んで、冷蔵庫に入っていたキュウリの漬物も添えておく。

ちょいと甘くて具沢山のおにぎり弁当。
鶏の唐揚げとか卵焼きとかがあったらもっとステキだったかもしれない。

ひじき御飯のオムライス
冷や奴
麦茶

息子と2人の夕御飯。そしてひじき御飯がまだまだある。

残り物の炊き込み御飯というものは、油で炒めると美味しんだよな、ということをふと思い出す。五目御飯とか鶏肉とごぼうの御飯とか、夕飯に食べた翌朝にサラダ油で炒飯のようにちゃっちゃと炒めると、またちょっと味が変わって美味しいのだ。母が良くそうしてくれた。

それを思いだし、「ひじき御飯でやったらどうか」と不穏なひらめきが頭をよぎる。
更に不穏なことに、「きっと卵も合うだろうから、オムライスにしてみたらどうか」などとも考えてしまう。冷静に考えれば"ちょっと違うだろ"と思い直すところだったが、"食後にちゃっちゃと日記書いてUO(ウルティマオンライン)やるんだもんね"と少々焦っている私を止めてくれる人はどこにもいなかった。

ひじき御飯を軽く油で炒め、別フライパンで焼きつつある半熟卵の上に乗せ、えいやっとくるんで出来上がり。ひじき御飯の薄焼き卵包み。ひじきのオムライス。卵に透けて見えるひじきの黒さがちょっと不気味。

一口食べると……悪くはない。ベーコンやじゃがいもも入ったひじき煮だから、それほど凶悪な味にはなっていない。
だが、今日の私はどうもネジが一本はずれていたようだ。
「オムライスだから、ケチャップもかけなきゃね。」
ケチャップ、かけた。ハインツ社の濃度の高いそれを、たっぷりとにょろにょろかけてみた。

……ま、まっず〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜い……。

醤油と砂糖で構成された、ふくよかな日本の甘さのその御飯を、ケチャップの酸味と独特な甘さが全てをぶちこわしにしてくれている。皿の上の不協和音。この一動作で、食卓は一気に凶悪なものとなった。
彼の皿にはかかっていない、息子の方をちらりと眺めやりつつ、ケチャップの撤去作業に入る私だった。とほほほほ。

気を取り直して、ゲームしよう。
ゲーム中の「Seria-Yuki」(職業:料理人)はやっと肉や魚が焼けるようになってきた。でも、食料調達の為の動物殺しはまだまだ下手くそで、鳥や兎を追い回して細々と生計を立てている。今日こそは、Seriaちゃんに豚や牛や羊を食べさせてあげるべく、ケダモノと闘ってきます。 では。

6/10 (土)
コンビニの
 チョコクロワッサン
 レアチーズデニッシュ
牛乳

朝9時半起床。
「御飯がない〜」「パンもない〜」
「……コンビニ行こうか。」
と少々の溜息をつきつつ、家族で着替えて目の前のコンビニに出向く。

私はパンの棚をうろうろし、だんなはお弁当コーナーとインスタントラーメンの棚を物色する。息子は私の真似をして買い物かごを持って後ろからついてきて、自分用のレモン味マミーなどを籠の中に入れている。卵サンドやそぼろ御飯やレトルトうどん、パンという調和がほとんど取れてない食料の入った袋を抱え、帰宅。

だんなはそぼろと炒り卵の小さな2色弁当と、どん兵衛。
「やっぱりカップうどんはどん兵衛に限りますよ。赤いきつねよりも揚げが美味しいのね。」
などと言いつつ目の前で食べられると、なんだかとても美味しそうに見えてくる。

「あ、一口下さい。」
「そぼろ御飯ね。はいはい。」
「……あ、そっちも下さい。」
「うどんも食べるの?はいはい。」
と、今日も私はだんなの食べ物を奪っている。

固めのチョコレートが入ったチョコクロワッサンは相変わらず旨い。新発売らしいレアチーズデニッシュはなんだかとても安っぽい味がした。コンビニ食なんて、まぁ普通は安っぽい味がするもんだ。

六花亭
 マルセイバターサンド
 生チョコ
牛乳

午後1時15分、昼御飯を食べるほどの空腹感でもなかったのでおやつにする。

昨夜、釧路出張から帰ってきただんなのお土産を2つ。六花亭のマルセイバターサンドと生チョコレートだ。生チョコは「THE EARTH」という名前がついている。小さな親指の先ほどのチョコレートがずらりと石畳のように並んだものだ。
「ロイズのチョコレートと、どっちにしようか迷ったのね」
とだんなは言っている(←だったらどっちも買ってきてくれれば良いのに)。

「釧路には、四つ葉バターの牧場もあるみたいで、何だか特別な牛乳なんかも売っていたのね」(←だったら買ってきてくれれば良いのに)
「札幌ラーメン味おっとっと、とか夕張メロン味ペロティとか、札幌ラーメン味ベビースターなんかもあったのね」(←だったら以下同文)
「そういえば、大きな山盛りのすじこが1皿800円とかで売っていたよ」

さんざん美味しそうな報告をした挙げ句、
「でもあんまり買ってきたらおゆきさんのダイエットの妨げになるかな、と思って、これだけにしておいたのね。」
ときた。
マルセイバターサンドも生チョコレートも大好きだ。きっとだんなは最適な選択をしてきたのだろう。

洋酒が効いたレーズンがみっちりとバタークリームの中に入ったソフトビスケットサンド、といった風情のバターサンドは今日も美味しかった。もうちょっとバターが多くても良いかもしれないと思ってしまうのだけれど、多かったら多分くどくなってしまうわけで絶妙なバランスになっているのだ。昨夜から冷蔵庫に入れておいたバターサンドはクリームがひんやりしていて心地よかった。

ピザーラの
 スタッフス・ハワイアンデライトのハーフ&ハーフ
サンミゲール

だんなは午後から友人の壮行会に出かけてしまった。
ならば、と夕方からず〜〜〜っとUOなどやってしまって、気がついたら6時。やる気もないので息子と2人、Mサイズピザをとって軽く済ませることにしちゃう。

子供くさい嗜好かもしれないけど、パイナップル乗せピザが大好きな私。ピザに限らず酢豚入るパイナップルも好物だ。
しかしだんなは嫌いだという。「果物でしょ。なんで料理に入らなきゃいけないの。」というのが持論のようで、彼は酢豚のパイナップルも除けて食べている。ピザなど言語道断らしい。

だんなのいない日のピザならば、当然普段食べられない種類のものを取りたいわけで、パイナップルたっぷりの「ハワイアンデライト」を注文。ハーフ&ハーフにして、もう一方はツナとコーンの「スタッフス」。パイナップルにツナにコーンなんて、ホントに子供向けのような注文だ。

とても期待して期待して、久しぶりに食べるパイナップルのピザはどんな味がするのかと待ちこがれてしまった私。
蓋を開けて黄色く派手なピザが顔を出し、甘い香りが広がった。すぐさまピザにかぶりつく。

が……あんまり美味しく感じなかった。
甘酸っぱいパイナップルの味はそのものなのに、どうもこの甘ったるさが美味しく思えない。チーズやハム、ピザ生地に対してパイナップルは甘すぎて違和感だった。
ビールの苦さ、唐辛子やワサビの辛さ、ごぼうの土臭さなんかが大嫌いだったころに大好きだったパイナップルのピザだった。今、ビールも唐辛子もワサビもごぼうも大好きだ。もしかして、私自身が気付かないうちに、嗜好は隨分変わってしまったのかもしれない。
「ああ、このピザよりは胡椒がガリッと効いたソーセージのピザが食べたい……」
なんて思ってしまったくらいだから。

6/11 (日)
西山ラーメン (味噌味 バターコーン入り)
アイス烏龍茶

醤油味と味噌味のスープがついた、「西山ラーメン」なるものを釧路出張の土産に買ってきてくれただんな。
今朝はその味噌味のラーメンを作成することにする。味噌ラーメンは、コーンとバターが乗っていれば幸せな私。が、だんなはそうもいかないらしい。
「味噌ラーメンって言ったらもやしだよ。もやしもやしもやし」
などと言いつつ、コンビニへもやしを買いに行ってしまった。雨なのに。起きぬけなのに。パワフルな夫だ。

そして夫婦でラーメン作成。麺茹で用の湯を沸かし、スープ用の湯も沸かし、どんぶりを温め、袋入りのスープも温め、麺を茹でてもやしを炒めて……かくしているうちにラーメン完成。だんな用にはもやし炒めはたっぷり、コーンは少し。私用にはもやし炒めやや少なめでコーン山盛り。

「西山ラーメン」って何のことだか知らなかった私。なんでも北海道の製麺所の名前なのだそうだ。札幌のラーメン横町で美味しいラーメン屋を見分ける指標の1つの「西山ラーメンの箱」が店頭に積んでいるか否かを見極めよ、という話があるとかないとか。
それはそれとして、こってり味噌味ラーメンは美味しかった。バターのかけらを放り込んで、やわやわと溶けていくそれを溶けきる直前に口に入れるのが好きだったりする。

万世の
 ボリューム万かつサンド
牛乳

「新宿に行くぞー。」
「インド屋でカレー食べ放題を食べるぞー。」
「ゲームも買うぞー。」
「伊勢丹でマンゴプリンも探すぞー。」
と家族盛り上がってはみたものの、外は雨なのだった。細かい雨がサラサラと降り続くのに外出は断念、だんなが1人で買いだしに行ってくれた。

お土産はマンゴープリン2種類(これこれ)。点天の餃子にニュークイックで買ってきた肉の山、ビニールつめ放題で500円だったと言っていたそら豆の山。
そしてナップザックの中からは万世のかつサンドが出てきた。

秋葉原に本店を持つ、肉屋の万世。あちこちの店舗で持ち帰り用のかつサンドを売っている。だんなはこれが大好物だ。
今は亡きおじいちゃんが神保町の古本屋街を愛する人だったそうで、帰りにはしょっちゅう秋葉原に寄ってこのかつサンドをお土産にしてくれていたのだとか。だんなにとっては魂の味、ソウルフードなのだった。
それはそれとして、なんの変哲もないソースだし、パンなのである。それでも妙に味わい深いのは確かだ。

「美味しいんだよなぁ。本当に美味しいんだよなぁ。」
と幸せそうに彼はかつサンドをぱくついている。
「ソウルフード値が相当高いんでしょう。」
と聞くと、
「そりゃそうだろうなあ。だって20年以上もこの味なんだよ。たまりませんって。」
だ、そうだ。そういうのがあるのは、きっと幸せなことだ。

茹でそら豆
トンカバブー
点天の
 餃子
牛肉とわかめのスープ
御飯
サンミゲール、アイス烏龍茶

千疋屋の
 マンゴームース
アイスカフェオレ

大阪に本店がある「点天」の餃子、我らは大好物なのである。東京では新宿伊勢丹などに支店が入っている。
扇形にくしゃっと畳まれた一口サイズの餃子は小さく薄くて、「どこが餃子なんだ!」と言いたくなるようなシロモノだけど、ピリッと辛くて締まった味の餃子はいくらでもお腹に入る。「1人20個は食べるでしょう♪」とだんなは50個入りの箱を買ってきた。長方形の箱にみっちりと点天の餃子。ああ、美味しそう……。

本日は、ホットプレートを卓上に出して焼きながら食べることにする。
熱したプレートに餃子並べて、水をジャッとそそぎ入れ、蓋をして蒸し焼きに。待っている間は、「ギャートルズのあの肉」屋さんで先日一緒に買ってきた「トンカバブー」なるスティックに刺さったソーセージをこんがり焼いてビールを飲む。
カラフルな胡椒がたっぷりまぶされた「トンカバブー」はビールのおつまみにぴったりだ。ちょっと固めに茹でたそら豆をぽりぽりやりつつ、餃子が美味しく焼けるのを待つ。

こんがりこんがり焼けた点天の餃子は、皮がカリッとする。酢醤油につけて食べつつ、プレートの上の餃子をひっくり返して両面こんがりと焼く。おせんべみたいにパリパリになった餃子でビールを飲み、御飯を食べ、そして50個の餃子は綺麗になくなった。

デザートは、だんなが買ってきてくれた千疋屋のマンゴームース。
メレンゲたっぷりのふわふわしたムースはとろけそうな美味でした。詳細はここ