食欲魔人日記 02年06月 第5週
6/24 (月)
そして今日もうどん(左上のはちくわの磯部揚げ) (夕御飯)
豚にんにくおじや
麦茶

昨日の午後から、今ひとつ調子のよくない私。調子悪くなってる暇などないはずなのに、ダレダレな自分が口惜しい。
「ま、今日はおとなしくしてなさいね。さ、君は一緒に保育園行こうねー」
とだんなが息子を保育園に連れていってくれ、私は静かにお見送り。
何か食べなきゃ治るものも治らん、と、10時頃まで寝てから起きだし、「豚にんにくおじや」を作ることにした。幸い、豚肉もにんにくも冷蔵庫に入っている。冷凍御飯もたっぷりある。

この病人食は、だんなの実家から伝わったものだ。結婚してから幾度となく、私がぶっ倒れた時にはだんなが作ってくれ、すっかり馴染みの味となった。簡単だから、一度食べれば誰にでも作れる。食欲ない時にも不思議と食べられるスタミナおじやだ。

【「豚にんにくおじや」のつくりかた 】

  1. にんにくをたっぷり(御飯1膳に対して2〜3かけ)薄切りにし、薄切り豚肉、御飯、ひたひたの水と共に鍋に入れ、火にかける。
  2. ことこと煮込む。御飯が水吸って膨らんで、鍋の中の水気がなくなってくるくらいまで。
  3. 塩と醤油で調味。弱ってるときは薄味の方が美味しかったり。
  4. 胡麻油を風味づけにちょこっと垂らす。万能葱を刻んだのなんか散らすと良い感じ。
  5. 卵も落として半熟に固めたりすると、これまた良い感じ。

1膳分の御飯で作ると、できあがりは水吸って3膳分くらいになったりする。しかも今日は残っていた150gぐらいの豚肉を全部投入したものだから、何だかやたらとゴージャスなおじやになってしまった。量も多い。
「ありゃー、困ったなぁ。いっぱいできちゃったよー」
と、全然困ってない口調で一人呟いてしまったりしながら、「しょうがないなぁ、しょうがない、うんうん」と一人鍋を抱えるようにして、2回お代わりしておじやを食べた。

でも、病人がにんにく臭いなんて、それはちょっとイヤだ。

だんな特製手打ちうどん
冷凍もんの ちくわの磯辺揚げ
駅前焼き鳥屋の 焼き鳥(ねぎま・皮・豚モツ)
アイスプーアル茶

葉山「サンルイ島」のスペシャルチーズケーキ
アイスカフェオレ

今日の夕飯は、Tさんのお土産ファルファッレでカルボナーラソースのパスタにするか、あるいはタコスでもするか、というつもりだったけど、急遽母が知人と会ってくるから、と帰宅が遅くなる旨の連絡があった。で、手抜きして手打ちうどんの残りで夕御飯。帰宅途中のだんなに「うどんだから天ぷらでも買ってきてたもれー」とお願いしたところ、
「マーケットの天ぷら、全部売り切れてたよー。で、仕方なくて……」
と、冷凍コーナーで見繕ってきたらしい、お弁当用のちくわの磯辺揚げを買ってきてくれた。更に、駅前に出没するライトバンで売りに来る焼き鳥屋(後部ドアを開けたところに炭火を置き、ジュージュー焼いて売っている大変怪しい屋台)の焼き鳥をつまみにと数本。

昨日の昼はそれでも厳選して細めの麺を茹でたのだけど、今晩のは「通常うどん比2.5倍」てな感じの恐ろしく太いうどんだ。今回はパスタマシンは使わず、だんな一人でこねて伸ばして刻んで、という工程を頑張っていたんだけど、刻みの段階で何かを見誤ってしまったらしい。生地もだしも最高に美味しいけど、麺の太さだけが異様なうどん。またこれでひとつ、手打ちうどん道を前進することが出来たことだろう。

そして、デザート。
「ストレス衝動買い男(しかもブツは全て食べ物)」と成り果てている、最近のだんなのお買物は、「サンルイ島」の「スペシャルチーズケーキ」。それが今日の午前中、届いたのだった。直径20cmのケーキで、2000円(プラス送料とか消費税とか)。

ふわふわのケーキは、届いた時にはちょっとばかり型崩れしていたけど、クリーム色のふわふわとしたケーキはそれはそれは美味しそうだった。包丁を刺してもすんなり切れないそのケーキを、包丁熱してみたりしながら切り分けて、1人1/6切れずつ食べる。

柔らかい酸味に、口の中にふわふわと広がるチーズの味。口の中の温度でふわんと溶けていく食感。台はクルミがざくざく敷き詰められて香ばしく、生地のふわふわ感はスフレのように空気たっぷりという感じなのに、しっかりと食べ応えがある。その酸味とか甘味とか、こってり加減とか食感とか、密かに以前買った「ホルトハウス房子さん」のものよりも好みだなぁと思ってしまったほどだった(いや、房子さんのは12000円のスタンダードサイズじゃなくて4000円の小型版しか食べてないんだけど、その中で比較して)。

「ん!んまいよ、これ、美味しいよ!」
「ももも、もうちょっとだけ食べちゃおうか……」
「あとね、あとちょっとだけ……」
と、更に1/8切れずつ食べる私たち。結局1/6+1/8で、1ホールの1/3弱くらいずつ食べてしまった私たちだった。
まだ帰ってこない母の分は、大変心もとない分量に。母、ごめん……。

6/25 (火)
ちょっといびつな自家製タコス (夕御飯)
卵御飯 おかかがけ
カップスープ つぶつぶコーン

先週から身体の調子が今ひとつだっただんな、週末にちょっと持ち直していたものの、昨夜会社から帰ってくるときにはへろへろになってしまっていた。
「頭いたーい。具合わるーい」
と言いつつ、それでもうどん喰って焼き鳥喰ってから寝たことはあっぱれだけど、今朝も引き続き具合が悪そうだ。「も、休む」と呟いた我が夫は、本日お休みすることとなった。今日は私も家で仕事。

朝御飯は、新鮮な卵をぱかっとやって、醤油垂らして、御飯にぶっかけて、ついでにおかかなんかも振っちゃったりして、それをかき混ぜてわしわしと食べた。醤油味には似合わんと思いつつカップスープも出し、
「身体あっためて、喰ったら寝ろ」
とばかりにだんなに喰わせて寝室へ追いたててみた。

以前、お医者から処方された「PL-1」という万能風邪薬があって、残っていたそれを風邪の折には何かと飲んでいたりする。市販の風邪薬よりは効くけれど、やたらとだるくなる。だんなに至っては、どうもこの薬と相性が悪いらしく(それとも良すぎるのか)、1袋飲んだら36時間は使いものにならなくなる。
案の定、朝飯食べたらそのまま6時間ほど寝室から出てこなかった。静かだわー。

厚切りチーズトースト
アイスカフェオレ

そうして、だんなが寝ている隙に一人の昼御飯。
火を使ったりすると寝ているだんなにうるさいかなーと思い、シンプルすぎるピザトースト。厚切りパンに残りもののモッツァレラチーズを乗せ、それだけじゃ足りなそうだったのでピザ用チーズもぶっかけたりして、チーズ山盛りでオーブンへ。焼き上がりに「チーン」という前にいそいそとオーブンから取りだして、静かに一人、みのもんたの人生相談など眺めながらパンを囓った。

私も相談してみたいなぁ。何を相談するんだ一体。とりとめなくぼーっと色々考えながらチーズがとろとろ流れてくるパンを囓る。
「痩せませんが、どうしましょう」とか。
駄目か、それは。

タコス(牛肉・レタス・トマト・玉ねぎ・ハラペーニョ・チーズ・サルサ)
ビール、缶チューハイ

「ショートパスタでカルボナーラ風と、タコスと、どっちがいーい?」
とベッドの上にだんなの尋ねたところ(風邪ひきなら"どっちもイヤ"と言いそうなもんだけど)、
「タコス、うん、タコス食べたいな」
と即答された。
先日、大型マーケット「カルフール」で買ってきたタコスセットは粉もセットになっていて、「水と塩混ぜてこねて、自分で焼かんかい」というものになっている。その代わり、肉用のスパイスは辛そうなチリパウダーだけ。あとは真空パックになったハラペーニョ(←めちゃめちゃ辛い唐辛子)も入っていた。で、スーパーで、おなじみのメーカーの肉用のタコスパイスを買ってきて、タコスの準備。

強力粉ととうもろこしの粉をボウルに入れ、水を加えて練りこんで、12等分にしてから丸く伸ばしてフライパンで焼く。文を見るだけでは簡単そうだけど、全然丸くならないし、かなり四苦八苦しながら柔らかい生地を焼いてみた。できあがりは、ケンタッキーの"ツイスター"の皮みたいな、そんな感じ。こんがり焼けると美味しそうな匂いが広がってくる。
そして牛ひき肉は炒めてスパイスと一緒に水を加えて煮詰めていき、レタスやトマトや玉ねぎは刻むだけ。チーズはピザ用のシュレッドチーズを使い、サルサは本当はトマトを使って自分で作ることもできるらしいけど手抜きして市販のを使用。タコスの日の食卓は、赤だの緑だの黄色だの、やたらと華やかだ。

丸くぺたんとした生地を皿に乗せ、レタスを乗せ、肉を乗せ、トマトを散らして玉ねぎも乗せ、辛いハラペーニョは少しだけつまんで散らし、チーズをどさっとかけてからサルサを垂らす。「具を乗せすぎた〜」と騒ぎつつ、なんとか二つ折りにしてみたり巻いてみたりして食べていく。カレーの風味に似たスパイシーな肉と、酸味や甘味のある野菜と、唐辛子系のピリピリとした辛さのあるタコスは生野菜たっぷりで、いかにも夏に似合う。
「メキシコの人は、これ一気に4個も5個も喰ったりしないんだろうなぁ……」
と思いつつ、4個も5個も食べてしまう。不思議と飽きない。止まらない。柑橘系の缶チューハイが、これまためちゃめちゃ似合ったりして。

そして、たっぷり作った牛肉炒めは、まだまだちゃんと残っていたりして。
当然明日は「タコライス」。

6/26 (水)
ケンタのチキンで夕御飯(ちょっと切ない……) (夕御飯)
洋梨のデニッシュ
大人のカレーパン
ポテトコロッケ
ミルクティー

どうも、法則として、暇なときはすごーく暇なのに、忙しいときは「なんでこんなに?」というくらい色々降ってくるものだったりして、これから数日間は多分正念場になりそうで、なのに朝から寝坊とかしているのだった。何やってんだ、自分。

もそもそと布団の中で、
「タコライス、食べるぅ〜?できるけど……」
「……寝てる……」
「うん、寝てよう……」
とだんなと2人で1時間寝坊した挙げ句、何も食べないまま出勤していっただんなをお見送り。息子を起こしてパンと牛乳とりんごを喰わせて、送迎は今日仕事休みの母に任せ、そうして私はずっとずっと仕事していた。

朝御飯は、保育園行きついでに母が買ってきてくれたパンとかコロッケとか。
「ほらほら、これね"大人のコロッケ"って名前なのよぉ。大人よ大人」
と楽しそうな母。

御飯の世話をしてくれる人がいるというのは嬉しいことであり楽なことでもあって、
「私がパン買ってきたんだから、紅茶くらい入れてよ、ほらほら」
と尻を叩いてくる母に、ミルクティーを準備してあげたりした。鍋に湯を入れ、今日はフォートナム&メイソンのロイヤルブレンドをだばだばだーと放りこみ、しばし弱火で煮出した後に、牛乳を美味しそうな色合いになるまでだばだばだーと入れて、温める。ミルクこってり味の紅茶は、ちょっと甘いくらいの方が美味しい。とても甘いくらいでも美味しかったりするけど、砂糖は、まぁ、控えめに。

ダージリンだのアッサムだのフレーバードティーだの、色々飲んではきたけど、最後にやっぱり「ああ、これが最高にしみじみ美味しい」と思っちゃうのが「ロイヤルブレンド」だったりして。いつ飲んでもどうやって飲んでも美味しいんだなぁ。イギリスのフォートナムメイソンに行ったら日本人ばっかりで、しかもそこで友人Sちゃんが久しぶりの同級生に遭遇しちゃったりして(そういうとこで出会うのって……いったい……)そういう何だかトホホな記憶も一緒に出てくるくせに、それでもやっぱり美味しいのだ。

「銀だこ」のたこ焼き
抹茶入り玄米茶

「母はレインコートを買ってくるからね」
と出かけていった母を見送り、そのままえんえんとパソコンの前に座して数時間後。時計の針は2時3時と進んでいて、そろそろ夕方という時刻に母が帰ってきた。なんかやたらと香ばしい匂いをふりまいて帰ってきたと思ったら、「銀だこ」の袋を抱えていた。
「はいおやつ……って、昼御飯食べてないのあんた?」
と言われ、そういや何も食べてなかったなぁ、と、おやつというか昼食というか、微妙な立場のたこ焼きをつつく。ありがたやありがたや。

焼きたての「銀だこ」たこ焼きは、表面がカリッカリで、その食感が"たこ焼き"としては邪道じゃないかと思いつつも美味しかったりする。テイクアウトしてくると、そのカリカリがやわやわとしてきて、ついでに猫舌な私には丁度良い温度になっていたりもして、それはそれで悪くない。
「なんかヘンなのよぉ、お店の人が"美味しく召し上がれますように"とかって言うの」
「うん、それはいつも、そう」
などと話しつつ、8個入りたこ焼きを半分こ。母はたこ焼きに添えるマヨネーズの美味しさについて理解してくれなかった。

ケンタッキーフライドチキンの
 フライドチキン
 コーンサラダ
 スコーン
切り落としハム
サラダ
ビール

母、ケンタッキーフライドチキンが食べたいらしい。「チキンが……」と呟いていたので
「今日、パスタにするつもりだから、おかずにちょっと買ってきてくれればおかずになるよ?」
と言ったところ、何やら色々と購入してきた。チキン6個にスコーン3個、コーンサラダ。更に、だんなは「遅くなる」と連絡があり、そうしてパスタを茹でる気力がなくなった(もう3日くらい前からパスタパスタ言ってるのに……)。

カルボナーラ風ショートパスタの添え物になるはずだったチキンは思いきりメインディッシュになり、スコーンは主食になってしまった。添付のメープルシロップをかけて食べるアレ、どこから見てもそれは"スコーン"ではない物体なのに(何だかアレは妙に油っこいし)、不思議とチキンと合うようにも思う。メープルシロップこてこてなすりつけて食べると、これまたジャンク気分がより満喫できて良い感じだ。

「ここのチキン、7つ、だったかな。集めて組み立てると鶏の骨格標本ができるらしいよ」
「ふーん。でも、この胸のとこ?食べにくいわね。私は足のとこだけで良いんだけど」
「……なんでもアメリカには3本足とか4本足のニワトリが開発されて飼育されてるらしいよ」
「ふーん。便利になったものねぇ」
こらこらこら、少しは動じてくださいお母様。それは有名な都市伝説だってば。多分。

6/27 (木)
ライチ〜、生ライチ〜♪ (夕御飯)
タコライス
アイスプーアル茶

昨日、寝坊して食べられなかったタコライスを、改めて今朝、出してみる。ここのところだんなは残業続きなので、朝飯にでも出さなきゃ食べられなかったりするのだった。今日もきっと帰りは遅いに違いない。というわけで、タコライス喰っとけほれほれほれ。

平皿に御飯を平たく盛りつけて、その上にやっぱり平たく炒めひき肉を盛りつける。あとは適当にトマト散らしてみたり刻み玉ねぎ散らしてみたりレタスも飾ってみたりして、上からシュレッドチーズをばらりとかけたらできあがり。先日だんなが沖縄料理屋のランチで食べてきたというタコライスは、御飯と御飯の間にチーズが挟まっていて、それが良い感じに溶けていたということだ。我が家でもそれをやってみようと思いつつ、すっかり失念していつも通りに上からこんもり盛りつけてしまった。

で、適当に全部の材料が口に入るよう、ちょこちょこかき混ぜたりしながら食べていく。御飯とチーズが合うというのも、生のレタスやトマトが合うというのも、普通に考えると何だか違和感なんだけど、タコライスとしてしまうとなんでか旨いのだ。

コンビニの
 たらこおむすび
 鮭おむすび
麦茶

本日、お仕事。今日はとにかく一日中雨らしい。
鰻でも食べに行こう、と最初は思っていたのだけど、今日はちょっと忙しくて外で食事どころじゃなくなってしまった。モスバーガーも満席、ミスタードーナツも高校生で溢れていて、定食屋の「大戸屋」も10人ばかりが並んでいた。12時を10分ほど過ぎたあたりというタイミングも悪かったなぁ、と、仕方なしにコンビニ飯で今日は我慢。

スタンダードなおにぎりが恋しくなったので、たらこと鮭のを買ってきた。この季節のお供は麦茶だ。これで麦チョコでもあれば、これまた良い感じだ、と思いつつ麦チョコは断念して、おにぎり2個買って職場に戻る。

私はかつて、あのコンビニおにびりの海苔を巻くのがヘタクソでヘタクソで、笑っちゃうくらいヘタクソで、何度も何度も「本体」を床に落としたことがあった。左手に残るのは海苔とラップのみ。家の床なら拾って食べちゃおうとも思えるけど、家以外の場所となると、粘つく御飯の塊を拾い上げて食べる気にも今ひとつなれず(もれなくホコリの塊とか吸着してくれちゃって、もう……)、何度泣きそうになったことか。大学の頃、友人の前で立て続けにその失態を犯し、それからはその友人が「……やったげようか?」とやってくれるようになったこともある。
今は、前みたく「本体」をほとんど露出させずにラップを抜くことができるようになっている。不器用な私には嬉しい技術革新だ。それでも、いつも隅の海苔がちぎれたりするんですが。
ちなみに、小僧寿司あたりの巻きもの系もちょっと鬼門。

4色ファルファッレのカルボナーラ風
切り落としハム
カマンベールチーズwithクラッカー
ビール

生ライチ

先日、友人Tさん夫妻がイタリアハネムーンのお土産に買ってきてくれたショートパスタ、今日こそ食べようと袋をあけた。だんなは残業。すまん、と思いつつ、予定通りカルボナーラ風にすることにする。
イカ墨の黒、ほうれんそうの緑、ビーツのピンク、プレーンのクリーム色の4色のパスタはそのヒラヒラした蝶々の形もあって、すごく華やかだ。卵と生クリームとチーズのソースをたっぷり絡め、胡椒をガーリガーリをぶっかけて、母と息子の3人でつついて食べた。
カルボナーラの材料を思い切りダブるけど、切り落としハムとチーズを小皿に盛りつけてビールの肴にしつつ。

そしてデザートに、生ライチ。
ライチが大好物な母が近所のスーパーで見つけて買ってきたそれを、こんもり盛りつけて、わしわしと殻剥いて食べる。種の脇にたまに渋いところがあったりするけど、あの香りと甘さはやっぱり何物にも代え難くて、クセになる。今日は1人4個くらい剥いて剥いて食べちゃったりして。

6/28 (金)
幕張プリンスホテル「錦」にて、ランチバイキング (昼御飯)
ミスタードーナツの
 ツナデニッシュ
 ゴールデンチョコ
カフェオレ

ここ数ヶ月間、ずっと激ジョブだったらしい我が夫、時期ここに来てとうとう緊張の糸が切れちゃってるらしい。
先日から体調を崩し気味だったこともあって、
「今日も休む。休んじゃうんだもんね、だから昨日がんばって仕事してきたんだもんね」
と、昨日の夜から完全に「金曜はお休み」モードに突入していた。

母も今日はお休み、だんなもお休み、私は外に行く予定はないけど、家でやる仕事だったらけっこうたくさんある。
なのに、我が母ったら、
「あら、大人3人お休みなのね(←だから私は"お休み"じゃないっちゅーに)。だったら、滅多にないことだから、外でお昼食べましょ♪」
「……どこに?」
「バイキング」
当然じゃない、という口振りで、「バイキングバイキング」と主張する我が母なのであった。あうあう、お昼はだんなと二人で近所の中華定食屋さんの大盛りチャーハンを堪能しようかなぁと思っていたのに。まぁ、つきあってあげることも親孝行の一環かもしれない。

バイキング決行決定以前に、私が朝御飯にと買ってきたのはミスタードーナツのドーナツいろいろ。
「しょっぱいものと、甘いもの1個ずつ」が私とだんなの好みの組み合わせだ。最近リニューアルしたミスドには、ツナデニッシュとかウィンナーロールというような、パン屋のお総菜パン的なものも何種類か置いていて嬉しい限り。
バイキングに行くと決まっていたら、朝飯抜きで行くところだったのに〜。

幕張プリンスホテル「錦」にて
 中国料理バイキング 2,000円也
 生ビール

とにかく、「幕張のホテルのバイキングを制覇するのが目的よ」と公言している私のお母様なのである。どうしてバイキングに固執するのか、しかもそれがなんで幕張のホテル群がターゲットになっているのか、今ひとつ私にはわからない。2000円もあったら、そこそこ美味しいものをそこそこ腹一杯食べられるもんじゃないかと思うけど。

今日は少々趣向を変えて、「中華にしましょう」とプリンスホテルに行ってみた。幕張のホテル群の中では一番海側に位置する、鏡の塔のようなガラス張りのホテルだ。「錦」なる中華料理店は48階にあり、ここでランチバイキングが催されている。どこぞのローカル雑誌で「人気バイキングNo.1」になったらしい、とお店の入り口に拡大コピーされて飾られていた(←全然ホテルっぽくない演出だ……)。

11時半のオープン時間を15分ほど過ぎて、既に何十人ものお客が入って料理に殺到しているところだった。円弧を描く窓のラインに沿うようにして、席は細長く窓際に配置されている。私たちが案内された席は、入り口そばの料理コーナーからは隨分距離が離れていた。えっさえっさと何回も往復してチャーハンやスープ、大皿に盛った料理をひと通り揃えて、では、いただきます。ついでに昼間っからビールも飲んじゃったりして。

中華料理ということで少々の期待もあったけど、かなりトホホな内容だった。主食にあたるものは白い御飯と、いまいち味のしない海鮮チャーハン、とろみのつきすぎたあんかけ焼きそば。蒸しもの台にはあんまんと肉まん、焼売の3種類。あとはサラダを除いて料理は10種類ほど、だろうか。海老チリとか回鍋肉とか、豆腐の煮物とか、今ひとつ変わり映えのない料理が変わり映えのない味で並んでいた。ひととおり食べたら、もうお代わりしなくても良いかな、というような。油淋鶏もどきはそこそこ食べられる味だったので、それを主につまみつつビールをクピクピと飲んでいた。

お魚屋さんの、寿司いろいろ
ビール、抹茶入り玄米茶

「仕事が……」
「俺も、引き継ぎ資料の作成が……」
と言いつつ、それでもビールはしっかり飲んで、しかもその後、「買い物するから」とそこで母と分かれた後にゲーセン行っちゃったりして、午後3時半に帰宅。それからちょっと頑張ってお仕事していた。

何だかんだでしっかり食べてしまったものだから、夕飯をしっかり食べる気力もしっかり作る気力も今ひとつなく、息子を保育園に迎えがてら、駅ビル内の魚屋さんの寿司コーナーでパック寿司をいくつか買ってきた。
イクラとウニと穴子が入った握りセットを2人前と、かっぱ巻き、穴子の握り、鯵の握りも1パックずつ。
準備も片づけもほとんどしなくて済む食事というものも嬉しくて、その分美味しく感じちゃったり。息子にイクラ2個とも取られちゃったけど、そんなことは気にしない(昼間に大人3人で外食してきちゃったわけだし……)。

今日これで幕張のホテルバイキング4つを制覇したことになる我が母は、まだまだやる気が充満している。
「あそこは不味かったよ」
と言っても
「あら、でも、ジュースがいっぱいあったし、サラダも良かったわよ?」
だし、
「あそこはけっこう良かったね」
と言っても
「でもジュースが少ないし、フルーツもあんまり無かったわよ」
とのこと。

母の基準では、ジュースがいっぱいあってサラダが美味しくて、フルーツもたっぷりあれば、それだけで良いものらしかった。
……それだったらバリ島あたりのリゾートホテルのバイキングが一番かもしれない。幕張とかじゃなく。

6/29 (土)
a presto(青山)にて、ホロホロ鶏ソースの手打ちパスタ
激辛カレーパン
アイスカフェオレ

今日は、お出かけ。
「何も食べずに行くとか」
「昼に、外でチャーハンでもがつんと食べて行くとか」
と朝から少々協議した結果、「でも、昨日、母が"お食べ"とパン買ってきてたよ?」ということで、そのパンをいただくことにする。袋には、チョコを練りこんだパンと、カルツォーネ風のと、「激辛カレーパン」。

どのへんが激辛なのか、とびくびくしながら私はその「激辛カレーパン」に対峙した。
いや、でも、ピリリとした辛さはあるけど全然普通だ。「ちょっと辛カレーパン」くらいの味だった。ほ。

東京駅地下名店街 某カフェにて
 「崎陽軒」のチャーハン弁当
 「FLO」のマンゴープリン
 「紅虎家常菜」のマンゴープリン
 「Re:new」のマンゴマンゴプリン
 アイスカフェオレ

午後2時から9時まで催されている、ある店のレセプションパーティーに今日はお呼ばれされている。
「お花でも贈りたいけど"なにぶん地下の小さな店ですのでお花などのお祝い物はご遠慮くださいますよう"と書いてある……」
「いや、でも、何か贈りたいし」
と、「だったら打ち上げの時にでも飲めるかな」と日本酒を持っていくことにした。ワインじゃ、あまりにも先方がプロすぎて話にならないし。

道中通過する駅で、ということで、久しぶりに東京駅の大丸デパートに寄ることになった。主目的は「お祝いの日本酒を買うこと」だ。なのに、私は「マンゴプリンマンゴプリン♪キャー、あそこにもマンゴプリン♪」とマンゴプリンを買い漁り、だんなはだんなで「ラスカルーーーー!」と地下街にあったラスカルショップのUFOキャッチャーに500円投資して、アホみたく大きなラスカルのぬいぐるみをゲットしたりしている(←「ぬいぐるみデラックス」と書かれたボールをキャッチした、らしい)。もう、何やってんだか。しかも昼過ぎて、すっかり空腹極まっている。

「も、もう一歩も歩けないかも……」
「ていうより、私はマンゴプリン3つも買っちゃって、何やってんだ、って感じ……」
「このデパート、屋上あるかな?弁当買って屋上で食べる?」
「うん、マンゴプリンも食べてく……」
と、小さめのお弁当を購入。だが、屋上に行こうと思っても案内板には「屋上」の案内はなく、どうやら屋上には行けない模様だった。
途方にくれつつどこかでとにかく飯を!と、向かったのがチェーン店の某カフェ。奥まったソファ席は他の客の視線も店員さんの視線も飛んでこなくて、ドリンクだけ購入した私たちはそこでいそいそとお弁当を食べてしまった。もちろんマンゴプリン3個も一気食い。あああ、かなーり恥ずかしい。というより、周囲にごめんなさい。
でも、崎陽軒のチャーハン弁当はとても美味しかったです。

青山 「a presto」にてレセプションパーティー
 前菜盛り合わせ(生ハム・サラミ・ブルスケッタ各種・オリーブ)
 ほろほろ鶏ソースの手打ちパスタ
 巨峰のコンポート
 スプマンテ・白ワイン

そうこうあって、本当は午後2時頃に到着するはずだったお店に到着したのは午後3時を回っていた頃だっただろうか。

青山、紀伊国屋の左脇の細道をぐぐっと奥に進んだところにあるビルの地階に「a presto」というイタリアンリストランテが7月11日、オープンするらしい。「またお会いしましょう」という意味のイタリア語がその店名だというお店は、延松学さんというシェフが独立オープンするお店なのだそうだ。その店のマネージャーが、元「Cucina Tokionese Cozima」のマネージャーだったSさん。

同い年というよしみもあってSさんとはけっこう仲良くなっていたのに、突然に昨年秋、お店を辞めてしまって驚くやら心配するやら「元気かなぁ」とぼんやり思っていたところに招待状が届いたのだった。あっちの業界も、まぁ、色々あるらしい。「もう、この業界から本気で抜けようと一時は思ってたんですが」と、久しぶりに会って笑顔を見せてくれたSさんは、もともと細かったのにまた肉が落ちちゃってて、酒より何より体脂肪を寄付してあげたくなっちゃっうような感じだったのだった。でも、元気そうだ。

シェフの延松さんは、「ヴィアアクアサンタ」、「ラ カスタータ」という店に以前いた人なのだとか。フレンチレストランでその昔修行した後、「アクアパッツァ」の日高良実さんの元でイタリアンを学んだ人なのだそうだ。
また1つ、我が侭をきいてくれそうなお店ができそうで、私もだんなもわくわくしてしまう。

白い壁に白い天井、ダウンライトが温かい光で、30席弱の客席はゆとりをもって配置されている。椅子やソファーは深い青色で、それもまたとても良い感じ。半分強の客席が埋まっている状態で、「どうぞどうぞ」ともてなされた。
スプマンテを飲みながら、生ハムやサラミ、小粒だけど香りの強いオリーブの前菜。ブルスケッタはトマトとバジルのシンプルなものと、フォアグラが乗ったものと、茄子や玉ねぎをくたくたに炒めたものと、3種類。
そして手打ちパスタはホロホロ鶏のトマトとオイルのソースのもの。平たい麺に、粒がしっかり残るコリコリとした鶏と、トマトやハーブが絡んでくる。軽い口当たりのパスタだけど、ちょっとばかり野生的な味のある肉が良い感じに昇華されているようなものだった。う、旨いかも。「こんな席に子連れはヤバイかな……ヤバかったら、挨拶だけして帰っちゃおう」と息子も連れて行ってしまったのだけど、その息子も無言でパスタを食べまくっていた。相当旨いらしい。

そして、ドルチェに巨峰のコンポート。グラッパの効いたソースがふわふわと良い香りがして、甘すぎない果実の味をピシッと締めてくれる。果汁たっぷりの果実もそりゃ美味しいけど、何しろこのソースが美味しくて、
「もう、このタレ、美味しいよ……」
「タレじゃないよおゆきさん、ダシだよ、ダシ」
「そうか……ダシ、おいしー♪……って、それも違うって」
とそんな席でまで漫才をしながらすっかりいただいてしまった。

オープン後、渡米までに一度行けるかどうか。いや、きっとスケジュール的に無理だとは思う。次にこのお店の人たちに会えるのは来年の今頃になっちゃうんだろう。
それでも、元気そうなSさんに会えて、本当に良かった。他のテーブルでも
「Sさん、心配してたんですよぉ〜」
と言う女性客が何人かいた。愛されてるわぁ。

「TAKANO」の気まぐれサラダ
ハム・焼き豚
ねぎとろ丼
ビール、アイスプーアル茶

「香港スィーツ」のマンゴプリン
アイスプーアル茶

青山のお店を辞して、「新宿でマンゴプリンを探すぞ探すぞ」と新宿に移動して少々ぷらぷらしてから、帰宅。
家で待つ母のためにタカノでサラダを購入し、その後安売りの旨そうな焼き豚を見つけて購入し、午後7時過ぎて帰宅した。私たちは、さすがにまだちょっとばかり満腹状態。それでも御飯を炊いたら食欲が沸いてきてしまって、冷凍もののマグロのたたきを解凍して、ねぎとろ丼にして食べる。

「気まぐれサラダ」には、ドライいちぢくがたっぷり混ざっていた。チーズが入り、ドライいちぢくが入り、シーザーサラダドレッシングが絡まるそれは、こってり濃厚だけど食べやすい。ブロッコリーやパプリカがざくざく入り、ビールに似合った。

そしてそして、新宿マイシティの地下で買ってきた「香港スィーツ」なるお店のものをずらっと並べて、デザート。
私は当然マンゴプリンで、あとは杏仁豆腐とかココナッツプリンとか、グレープフルーツとマンゴーのミルク、とか。
「本当に香港の味がするのかなぁ?」と半信半疑のその店だったけど、なかなかどうして、どれもこれもハイレベル。マンゴプリンは感動するほど香港で食べるそれに似ていたし、ふわっと溶ける杏仁豆腐も本格の味。ココナッツの味がこれでもかとするココナッツプリンには、最近ココナッツものにハマっているらしい母がめちゃめちゃ喜んでいた。
「香港スィーツ」、良いお店です。新宿近郊に住んでいたなら通ってしまいそうだ。

6/30 (日)
ヨコイのスパゲッティー「ミラカン」 (夕御飯)
冷凍吉牛
麦茶

寝て、寝て、今朝9時半過ぎ。
「あさよー。おきてー、おきなさーい」
と息子に起こされた。
「ぼくとー、おかーさんとー、だいすきよ〜」
と、若干意味不明だけど嬉しい事を言ってくれながら、むぎゅーっとひっついてきた。良い目覚めだ。

朝食は、久しぶりに冷凍牛丼。以前大量に我が家に届いてからせっせと食べていたけれど、まだ10袋ほど冷凍庫に入っているらしい。ちょっとばかり「しるだく」状態になった牛丼をせっせとかっこみ、今日は一日だらだらと。

天ぷらうどん
アイスプーアル茶

今日の私は全面的にやる気がないのに、だんなは何やらやる気に溢れていた。
「ホームセンターで色々買い物してくるよー」
と、あれこれ買い物してきた後、
「お昼御飯はうどん?うどん?じゃあ天ぷら買ってくるよー」
と今度はスーパーに買い物に行ってくれた。ありがとう、ありがとうだんなさま。

冷蔵庫にはだんなが仕込んだいりこだしが、まだ残っている。いい加減わるくなっちゃう頃だったので、冷凍うどん茹でて、そのいりこだしをじゃばじゃばかけて食べることに。イカのかき揚げ、海老のかき揚げ、野菜のかき揚げ、さつまいもの天ぷらとイカの天ぷら。適当に皆でつつきながらぞるぞるとうどんを啜る。揚げものの油が溶けただしが、また味が丸くなって甘くなって良い感じ。

「HIROTA」のシューアイス
 ココナッツ
 抹茶

夕方、今日仕事だった母が巨大な袋を抱えて帰ってきた。中には20個ほどの大量のシューアイスが。バニラにチョコに抹茶に巨峰にあれやこれや、とたっぷり入っている。午後5時を過ぎて、「おやつだおやつだ」と1個食べ、「ももも、もう1個食べちゃえ」と2個目にもくらいつく。

夏期限定らしいココナッツシューアイス、シューの上にクッキー生地のトッピングなんかがあって、良い感じだ。

ヨコイのスパゲッティー 「ミラカン」
ビール

牛丼、うどん、そして夜はスパゲティー、と、一品ものだらけで暮れた今日。全体的にやる気がなかった。主に私のやる気がなかった。「なんか俺、今日は一日中家事やってるなー」と苦笑しただんなが、夜もスパゲティーを作ってくれた(いや、私も野菜炒めたりしてたけど、と自己弁護)。

夕飯は、久しぶりの「ヨコイ」。名古屋名物あんかけスパゲッティーだ(ヨコイについて詳しくはこことかこことかに書いてございまする)。
スタンダードに、と、玉ねぎピーマンマッシュルームとウィンナーを炒め合わせた「ミラカン」に。ヨコイ独自の太麺はアルデンテ通り越してしっかり茹でた後、水で締めてからたっぷりのバターで炒める。更に麺を盛り、炒めた具を乗せ、半熟に焼いた目玉焼きをてっぺんに。そして麺の周囲にレトルトパックのソースをたっぷりと回しかけ、それらを絡めながら食べていく。ピリ辛のソースは相変わらずミートソースともケチャップともつかない不思議な味で、多分それは「ものすんごく美味しい!」というものではないはずなのに、私とだんなの心を鷲掴みにして今日も離さなかった。横で皿を出された母は、
「……な、なんだかすごいわね……?」
と不思議そうな顔で食べ進め、最後まで不思議そうな顔をしていたけれど。

「アメリカに行ってしまったら、これは喰えるまい」
と思うものは数あれど、「うどんは向こうで打つし」「美味しいパスタはなんとかなるだろうし」「和食は気合いでなんとかするし」と、あまり不安には思っていない私たち。で、でもヨコイのスパゲティだけは……食べられないだろうなぁ。